景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材
【課題】 景品を懸吊する態様の景品取得ゲーム機において、景品を懸吊するのに必要な部材を繰り返し再利用可能にすることができる景品取得ゲーム機を提供することにある。
【解決手段】 開状態閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片21a、21bと、挟持片を閉状態に付勢する付勢手段21cとを有する係止部材21であって、挟持片は、閉状態のときに1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔H1を形成する切欠を有し、挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、挟持片が離間して係止孔のサイズが拡大するよう構成され、下端側に物品を懸吊した長尺の物品吊るし部材22dを係止孔において係止可能な係止部材を備える物品懸吊部材20又はこれを備える景品取得ゲーム機1において、物品吊るし部材が下方に牽引された場合には、挟持片が相互に離間して係止孔のサイズが拡大し、物品吊るし部材が下方へ移動可能となるように構成する。
【解決手段】 開状態閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片21a、21bと、挟持片を閉状態に付勢する付勢手段21cとを有する係止部材21であって、挟持片は、閉状態のときに1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔H1を形成する切欠を有し、挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、挟持片が離間して係止孔のサイズが拡大するよう構成され、下端側に物品を懸吊した長尺の物品吊るし部材22dを係止孔において係止可能な係止部材を備える物品懸吊部材20又はこれを備える景品取得ゲーム機1において、物品吊るし部材が下方に牽引された場合には、挟持片が相互に離間して係止孔のサイズが拡大し、物品吊るし部材が下方へ移動可能となるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作によりゲーム機内で懸吊されている景品(物品)が落下して払い出されるようにされた景品取得ゲーム機に関し、より詳細には、景品を懸吊又は係止するのに必要な部材を繰り返し再利用可能にした景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設に設置され、遊技者により移動操作される係止解除部材の下降動作によりゲーム機内で懸吊されている景品が落下して払い出されるようにされた景品取得ゲーム機が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
上記特許文献1、2の景品取得ゲーム機では、ボールチェーンのボールを係止できるサイズの係止孔が形成された弾性材料製の係止片(「チップ」とも呼ばれる)が棚部材の円錐溝に嵌合され、当該係止孔において係止されたボールチェーンにより景品が懸吊されており、係止解除部材によってボールチェーンを下方に引っ張ることでボールチェーンのボールが順次係止孔を通過し、最後のボール(最上端のボール)が係止孔を抜けた場合には、当該ボールチェーンに懸吊された景品が落下して景品払出口から払い出されるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記景品取得ゲーム機では、使用するうちに係止片の係止孔が変形により広がってしまい、係止力が低下するため、ごく短期間毎に交換することが必要であり、係止片の購入費用や交換のための作業コストなどが嵩む問題がある。
【0005】
また、上述のように景品が落下した場合には、景品を係止していた係止片が自身の弾性復帰力により跳ね上がり、ゲーム空間や景品払出口に散乱してしまう問題がある。
【0006】
即ち、上記景品取得ゲーム機では、散乱した係止片によってゲーム空間や景品払出口内、設置施設等の景観を損なう問題点があるとともに、ゲーム空間に散乱した係止片によって係止解除部材などの機械部品が故障するなどの問題点があり、また、散乱した係止片を回収するなどのスタッフの負担が増加する問題点があった。更に、散乱した係止片は紛失したり、景品とともに遊技者に持って帰られてしまうことから、係止片の補充のためのコストが嵩む問題があった。
【0007】
また、上記景品取得ゲーム機においては、リング状のボールチェーンに取り付けられた景品(以下、一般景品という)であれば、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材の部分でリング状態を解除したボールチェーンを上記係止片の係止孔に係止して景品を吊り下げることが可能であるが、それ以外の景品では、たとえ、紐や金属製のリングが取り付けられ、或いは、ぶら下げるための孔が形成された箱や袋などで包装された景品(以下、特定景品という)であっても、そのままでは上記景品取得ゲーム機に懸吊することはできない。
【0008】
このため、上述のような特定景品を使用したい場合には、ボールチェーンを部品として購入し、そのボールチェーンを上記紐や金属製のリング、包装に形成された孔などに取り付ける作業を行うことが必要であり、これによっても、スタッフの負担が増加するとともに、ランニングコストが増加してしまうなどの問題点がある。
【0009】
また、最近では、上述のような特定景品などにも対応できる景品取得ゲーム機が提供されている。
【0010】
具体的には、この景品取得ゲーム機では、図17に示すように、下降する係止解除部材のフォークと係合する円盤部201と、当該円盤部201の下方側に形成され、上記一般景品のリング状態のボールチェーンBC、或いは、上記特定景品の金属製のリングRや紐(不図示)、或いは、景品の包装等に形成された孔Hなどに係合して懸吊することができるフック部202と、上記円盤部201の上方側で円中心から上方に垂設されたボールチェーン203とが一体的に形成された合成樹脂製のフック部材200と、上述の係止片と同様の係止片300とを利用して上記一般景品GA及び特定景品GBを棚部材100で懸吊する形態となっている。
【0011】
この形態によれば、上記ボールチェーンと特定景品との取り付け作業をせずとも特定景品GBを棚部材100に吊り下げることができるので、ボールチェーンの購入費用を削減できるとともに、ボールチェーンと景品との取り付け作業に係るスタッフの負担が軽減できる。
【0012】
しかしながら、この景品取得ゲーム機では、使用するうちに係止片300の係止力が低下するために定期的に係止片300を交換することが必要であり、景品が落下した際に係止片300が散乱するなど、特許文献1、2の景品取得ゲーム機について上記した問題を解決することはできない。
【0013】
更に、この景品取得ゲーム機では、一般景品GAや特定景品GBが落下すると同時にフック部材200も落下するため、落下したフック部材200によってゲーム空間や景品払出口が散らかって景観を損ねる問題があるとともに、落下したフック部材200を回収するなどのスタッフの負担が増加する問題がある。
【0014】
また、落下したフック部材200は紛失したり、一般景品GAや特定景品GBとともに遊技者に持って帰られてしまうなど、使い捨て要素が高く、フック部材200の補充のために一層コストが増大する問題がある。
【0015】
更に、上記フック部材200は、上述のように使い捨て要素が高いため、製造コストを抑える目的でフック部202の鉤先端の長さが短くなっており、これにより、ただ単に一般景品GAのボールチェーンBCや特定景品GBの金属製のリングR、紐、孔H等をフック部202に係合させるだけでは、上述の係止解除部材が触れた程度の揺れで一般景品GAや特定景品GBが落下してしまう虞があることから、施設側では、接着テープATなどでボールチェーンBCや金属製のリングR、紐、孔H等とフック部202とを固定する作業が必要となり、これによってもスタッフの負担が増加する問題がある。
【特許文献1】特許第3675566号公報
【特許文献2】特許第3899548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0017】
即ち、本発明の目的は、景品(物品)を懸吊する態様の景品取得ゲーム機において、景品を懸吊又は係止するための部材を繰り返し再利用可能にすることができる景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、景品を懸吊するための物品吊るし部材に対する係止力の低下を防止又は抑止することができ、より長期間に渡って使用することが可能な係止部材を有する景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材を提供することにある。
【0019】
本発明の更に他の目的は、景品が落下した場合に物品吊るし部材を係止していた係止部材、或いは、景品を懸吊していた物品吊るし部材、フック部材等が散乱してしまうことを防止することができる景品取得ゲーム機及びその物品懸吊部材を提供することにある。
【0020】
本発明の更に他の目的は、景品を意図した角度で安定して吊り下げることができる景品取得ゲーム機及びその物品懸吊部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記課題を解決したものであり、
相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、
前記挟持片を閉状態に付勢する付勢手段とを有する係止部材であって、
前記挟持片は、閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔を形成する切欠を有し、
前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するよう構成され、
下端側に物品を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を前記係止孔において係止可能な前記係止部材を備え、
前記物品吊るし部材が牽引された場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記物品吊るし部材が下方へ移動可能となることを特徴とする物品懸吊部材(請求項1)である。
【0022】
本発明の物品懸吊部材では、従来の係止片と同様に、下端側に物品(景品)を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を係止部材に形成される所定サイズの係止孔において係止することが可能である。
【0023】
そして、景品取得ゲーム機における係止解除部材などにより物品吊るし部材が下方などに牽引された場合には、付勢手段による付勢力に抗して挟持片が相互に離間し、係止孔のサイズを拡大することで物品吊るし部材が下方に移動可能となり、物品吊るし部材への牽引が無くなると、付勢手段による付勢力によって係止孔のサイズは当初のサイズ(挟持片が閉状態のときのサイズ)に復帰することになる。
【0024】
このように、本発明では、挟持片が閉状態のときの係止孔のサイズは付勢手段の付勢力によって一定に維持されるため、長期間の使用による係止孔の係止力の低下をより小さくすることが可能である。
【0025】
なお、本発明では、物品吊るし部材が下方に牽引されたときに係止片を開方向に付勢する力が作用することが必要であることから、本発明の物品懸吊部材に使用する物品吊るし部材としては、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材や、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な紐状部材を好適に使用することができる。
【0026】
具体的には、上記ボールチェーン状部材としては、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することができるのはもちろんのこと、それ以外の形状を有する長尺状の部材であって、上記凸部及び上記凹部を有する長尺状の部材も使用することができる。
【0027】
本発明では、前記係止部材を景品取得ゲーム機内に据え付けられた棚部材に固定するための固定手段を更に備えること(請求項2)が好ましい。
【0028】
本発明では、係止部材による物品吊るし部材の係止が解除されて物品が落下した場合における係止部材の散乱を防ぐことが可能である。
【0029】
そのため、ゲーム機内のゲーム空間や景品払出口が係止部材で散らかってしまうことや、散乱した係止部材による故障等が防止でき、散乱した係止部材の回収や再装着に掛かる作業負荷を軽減でき、或いは、景品取出口に落下した係止部材を遊技者に持ち帰られてしまうなどの不都合を防止することができる。
【0030】
本発明では、前記係止孔よりも上端側において前記物品吊るし部材を傾斜した状態で保持する傾斜保持部を更に備えること(請求項3)が好ましい。
【0031】
かかる発明では、物品吊るし部材の係止孔による係止位置よりも下方部分に対して、当該係止位置よりも上方部分の物品吊るし部材を傾斜させた状態で、或いは、更に屈曲させた状態で保持することにより、物品吊るし部材が回転しない状態、或いは、回転が抑制された状態とすることが可能である。
【0032】
このため、物品を好みの方向に向けた状態で係止部材に物品吊るし部材を係止し、そのまま、係止孔よりも上端側において物品吊るし部材を傾斜保持することにより、懸吊された物品が上記好みの方向から回転してしまうことを防止することが可能である。
【0033】
従って、物品の方向をアイキャッチが良いと思う方向に向けて吊り下げた状態を安定に保つことが可能であり、更には、物品吊るし部材の傾斜角度や保持の強さなどを調節することにより、係止解除部材が物品に当接する程度では物品の方向が変わらないようにすることも可能である。
【0034】
本発明では、長尺状の物品吊るし部材、及び、前記物品吊るし部材の下端側に取り付けられた物品を係合して懸吊するフック部を有するフック部材と、前記フック部材と前記係止部材とを連索する連索部材とを更に備えること(請求項4)が好ましい。
【0035】
本発明では、物品を係合して(引っ掛けて)懸吊するフック部を有するフック部材が物品吊るし部材に取り付けられているため、金属製のリングや紐が取り付けられた物品、或いは、孔が形成された箱等に包装された物品を、特別な作業を行わなくても容易に懸吊することが可能である。
【0036】
また、本発明では、フック部材と係止部材とが連索部材により連索され、いわゆる紐付きの状態になっているため、両者を一体に扱うことが可能であり、取り扱い性を向上させることが可能である。
【0037】
特に、本発明における係止部材が請求項2の固定手段により景品取得ゲーム機の棚部材に固定されている場合には、係止部材による物品吊るし部材の係止が解除された場合には、フック部材に懸吊されていた物品のみが落下し、固定手段により棚部材に固定された係止部材、及び、連索部材により係止部材に連索されたフック部材が物品とともに落下してしまうことが防止でき、従って、落下したこれらの部材が紛失し、或いは、遊技者に持ち帰られてしまうなどを防止することが可能である。
【0038】
本発明では、前記フック部が前記物品吊るし部材に対して回転可能に取り付けられており、前記フック部材が、前記フック部の回転角度を調節する角度調整機構を介して前記連索部材に取り付けられていること(請求項5)が好ましい。
【0039】
かかる発明では、フック部の回転角度を調節することで、物品懸吊部材に吊り下げられた物品の方向を調節することが可能である。従って、物品を吊り下げたままの状態で物品の方向を調節することが可能となり、物品の吊り下げ作業を一層容易化することが可能である。
【0040】
本発明では、前記フック部の基端部に、前記フック部よりも幅広の台座が形成されており、前記フック部は、前記台座において物品を係合すること(請求項6)が好ましい。
【0041】
物品によっては、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材によってリング状にされたボールチェーンが取り付けられている場合があり、そのような物品は本発明のフック部にリング状のボールチェーンを係合することで好適に懸吊することが可能である。しかし、フック部は比較的小径(連結部材の長さよりも小径)の部材で構成されるため、ボールチェーンが連結部材の部分でフック部に係合した場合には、連結部材からボールチェーンが外れ、それによって物品が落下してしまう可能性がある。
【0042】
本発明では、フック部の基端部に設けられたフック部よりも幅広の台座において物品を係合するよう構成されているため、仮に上記のようなボールチェーンが連結部材の部分で係合した場合でも、連結部材からボールチェーンが外れてしまう可能性を小さくすることが可能である。
【0043】
本発明の物品懸吊部材は、物品(景品)を懸吊した状態で物品吊るし部材を係止し、遊技者により移動操作される係止解除部材の下方或いは前方などの所定の方向への牽引動作により物品吊るし部材の係止が解除された場合に物品が落下して所定の景品払出口から払い出される景品取得ゲーム機に特に好適に適用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、本発明を適用した景品取得ゲーム機1の外観構成を示す図である。この景品取得ゲーム機1は、後述の主制御基板80などが収容されるゲーム機本体部2と、小型景品G1や中型景品G2などの種々の景品(「プライズ」ともいう)が懸吊されて複数個配置され、景品取得ゲームを実施するためのゲーム空間Rが形成される景品室3とを主体に構成される。
【0046】
なお、本実施形態の景品取得ゲーム機1では、例えば、上記小型景品G1には、高さが17(cm)で直径が6(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g未満の景品が採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「小型のぬいぐるみ」や「小型の人形」などに備え付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などを介して懸吊されるキーホルダー式の景品がある。
【0047】
また、上記中型景品G2には、高さが25(cm)で幅が15(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上の箱型景品や、高さが35(cm)で幅が30(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上のぬいぐるみ景品などが採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「中型のぬいぐるみ」や「中型の人形」などに備え付けられたボールチェーンや紐、或いは、包装箱などに形成された孔などを介して懸吊される据え置き式或いは抱っこ式の景品がある。
【0048】
ここで、景品室3の室壁は、例えば、背面壁3a及び左右壁3bが不透明な金属などの板部材で形成され、正面壁3cが、外部から景品室3内の小型景品G1、中型景品G2を視認できるように透明なアクリル或いはガラスなどの板部材で形成された錠前部材付きの2つの引き戸で形成されている。
【0049】
また、景品室3の内部には、小型景品G1、中型景品G2が懸吊される複数の棚部材4(図2参照)と、それら複数の棚部材4が取り付けられる棚取付壁5(1P及び2P用別にそれぞれ1つずつの計2つ)(図2参照)と、棚部材4から景品を落下させるために用いられる係止解除部材6と、落下した小型景品G1、中型景品G2を室内から外部に排出させるための景品落下口7と、ゲーム空間Rをライトアップさせるための蛍光灯などの照明装置8とが備えられている。
【0050】
なお、図2に示されるように、1つの棚取付壁5には、横一列に最大3つの棚部材4が配置でき、更に、縦方向において任意の高さ位置に、且つ、複数の棚部材4を配置できるように、棚部材4の背面側に形成された係合片43を係合して棚部材4を当該棚取付壁5に係止するための係合孔51が複数形成されている。
【0051】
これにより、当該景品取得ゲーム機1が導入されるアミューズメント施設においては、小型景品G1、中型景品G2をその大きさに関わらず種々のレイアウトにより配置することが可能である。例えば、図2に示されるように、左側(1P側)の棚取付壁5には、小型景品G1が懸吊された棚部材4のみを配置し、他方、右側(2P側)の棚取付壁5には、中型景品G2が懸吊された棚部材4のみを配置することができる。左側(1P側)の棚取付壁5は小型景品G1のみを懸吊するため、中型景品G2のみを配置した右側(2P側)の棚取付壁5に比して各棚部材4の縦方向の間隔が狭くなるように配置されている。また、図示していないが、一つの棚取付壁5において棚部材4の配置間隔を変えることで、小型景品G1が懸吊された棚部材4と、中型景品G2が懸吊された棚部材4の両者を混在させた状態で配置することもできるし、更には、一つの棚取付壁5において、各棚部材4が斜めに位置するように配置することもできる。
【0052】
ゲーム機本体部2は、その正面側に、遊技者からの操作入力を受け付け、係止解除部材6をゲーム空間R内で移動操作するための上昇ボタン9a、横走行ボタン9bを備えた操作パネル9と、ゲーム料金を受け入れるための硬貨投入口10と、景品落下口7と連通した景品払出口11と、BGMなどのゲーム音声を出力するためのスピーカ12とを有している。また、ゲーム機本体部2の収容扉13内には係止解除部材6の動作条件を設定し、難易度の調整を行うための不図示の設定パネルが収容されている。
【0053】
なお、図示の例では、二人の遊技者が同時にプレイできるように、係止解除部材6、景品落下口7、操作パネル9、硬貨投入口10、景品払出口11等が左右にそれぞれ2組設けられている形態を示しているが、一人用或いは三人以上用の景品取得ゲーム機とする場合は、これらを1組又は3組以上としても構わない。
【0054】
図3は、図2に示される棚部材4の構成を示す説明図であり、図3(a)、(c)には、それぞれ、棚部材4を上方、下方から見た斜視図が示されており、図3(b)には、第1装着部41の拡大斜視図が示されている。
【0055】
図3(a)、(c)に示されるように、棚部材4は、小型景品G1を棚部材4で懸吊する後述の第1物品懸吊部材20(図4参照)が着脱自在に装着される複数の第1装着部41と、中型景品G2を懸吊する後述の第2物品懸吊部材30(図7参照)が着脱自在に装着される複数の第2装着部42と、棚取付壁5に形成された係合孔51と係合して当該棚部材4を棚取付壁5に取り付けるための係合片43と、ストック用或いは展示用の小型景品G1、中型景品G2等を載置するためのトレー部44とを主体に形成され、第1装着部41と連設する前方上面F1が前方に向って下向きに傾斜した態様の棚状部材である。なお、棚部材4は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0056】
そして図3(b)に示されるように、第1装着部41には、後述の第1物品懸吊部材20の係止部材21の係合片214を嵌合して横(左右)方向の移動を規制する規制溝41aと、係止部材21の係合爪215が嵌装される嵌装孔41bと、係止部材21の規制溝212に嵌合して係止部材21の縦(上下)方向の移動を規制する係合片41cなどを有する係止部材21を収容することができる収容空間41dが形成され、当該収容空間41dの斜め上方には、物品吊るし部材である後述のボールチェーン22dの上端側を収容して位置決めするチェーン溝41eが形成されている。
【0057】
また、第2装着部42は、棚部材4の裏面側で縦(上下)方向に垂設された係合板45に形成され、後述の第2物品懸吊部材30の係合爪31aが嵌装される嵌装孔42aと、棚部材4の背面板46に穿設され、第2物品懸吊部材30の懸吊部材34の解放端側の所定長を挿通支持する支持孔42bなどから構成される。
【0058】
また、本実施形態の棚部材4は、トレー部44の空間を覆い隠す態様で着脱自在に装着される透明又は不透明な部材であり、上段側に配置された棚部材4から落下した景品(特に、中型景品G2)を、上記第1装着部41が形成された上述の前方上面F1との間で前方へ滑り落とすための傾斜を有する傾斜面F2が形成された滑り台状のスロープ部材SL(図2参照)が着脱自在に装着される。なお、スロープ部材SLを透明な部材で形成することによりトレー部44に載置された小型景品G1などを展示することができる。
【0059】
上記スロープ部材SLを装着した棚部材4であれば、上段側の棚部材4から落下した中型景品G2が自身のトレー部44に入り込むのを阻止でき、落下してきた中型景品G2を前方上面F1及び傾斜面F2上で滑動させて景品落下口7に落下させることができる。
【0060】
図4は、第1物品懸吊部材20の構成を示す説明図であり、図4(a)には、後述の係止部材21によってフック部材22に設けられたボールチェーン22dが係止されている状態の第1物品懸吊部材20が、図4(b)には、係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された状態の第1物品懸吊部材20が示されている。
【0061】
図4に示されるように、第1物品懸吊部材20は、第1装着部41に着脱自在に装着されてボールチェーン22dを任意の位置で係止することが可能な係止部材21と、小型景品G1を懸吊できるフック部材22と、係止部材21とフック部材22とを連索する繊維や軟質プラスチックなどで形成された紐状の連索部材23とを主体に構成される。
【0062】
ここで、フック部材22は、本体壁部22aと、その本体壁部22aの前方側に突起する鉤状に折り曲げられた円柱形状のフック部22bと、本体壁部22aの上方側に形成され、係止解除部材6のフォーク部材61と係合する円盤部22cと、円盤部22cに一端が固定され、その上端側を上方に突出した態様で係止部材21の係止孔H1に挿通されて係止されるボールチェーン22dとを主体に構成されている。なお、このフック部材22は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0063】
図5は、係止部材21の構成を示す説明図であり、図5(a)、(b)には、係止部材21を上方、下方から見た場合のそれぞれの分解斜視図が、図5(c)、(d)には、挟持片21a、21bが互いに接近(又は当接)した閉状態、及び、挟持片21a、21bが離間した開状態の係止部材21を上方から見た場合の平面図が示されている。
【0064】
図5(a)、(b)に示されるように、係止部材21は、ヒンジ部Hgを基点として開放口O側を離間させる態様で選択バサミ式に開閉自在とされた左右一対の挟持片21a、21bと、挟持片21a、21bを相互に接近させる閉方向に付勢する金属製バネなどの付勢部材21cとを主体に構成されている。なお、左右一対の挟持片21a、21bは、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0065】
上記挟持片21aは、挟持片21bに向かい合う辺上に切欠211を有しており、上記挟持片21bは、挟持片21aに向かい合う辺上に切欠(不図示)を有しており、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))では、上記2つの切欠により所定サイズの係止孔H1が形成されるようになっている。
【0066】
係止孔H1は、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))において、ボールチェーン22dのボールよりも小さいサイズであり、開放口O側からボールチェーン22dを挿入し、ボールを係止孔H1に係止させる態様でボールチェーン22dを保持することが可能である。
【0067】
また、ボールチェーン22dに対して係止解除部材6などによる下方向への牽引力が作用すると、係止孔H1のサイズより大きいボールが通過しようとするために挟持片21a、21bを相互に離間させる方向の力が作用することとなり、これにより係止部材21は、図5(d)に示すように、挟持片21a、21bが相互に離間した開状態となる。
【0068】
開状態では、係止孔H1のサイズが閉状態のときよりも大きくなるために、ボールは容易に係止孔H1を通過できることになる。従って、ボールチェーン22dに下方向への牽引力を掛け続けることで、ボールチェーン22dの全体を係止孔H1から引き抜き、係止部材21による係止を解除することが可能である。
【0069】
なお、挟持片21a、21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dの回転や曲げを許容するようすり鉢状の形状が与えられている。
【0070】
また、挟持片21a、21bには、棚部材4の係合片41cが嵌合する規制溝212、付勢部材21cが嵌合する嵌合溝213、棚部材4の規制溝41aに嵌合する係合片214、棚部材4の嵌装孔41bに嵌装される係合爪215が形成されており、挟持片21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dを傾斜した状態で固定乃至保持し、チェーン溝41eに案内するための傾斜保持部材216が突設されている。
【0071】
なお、上記ボールチェーン22dとしては、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することができるのはもちろんのこと、それ以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0072】
また、上述のボールチェーン状部材の他にも、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な紐状部材を使用することもできる。
【0073】
図6は、上述の第1物品懸吊部材20が棚部材4に装着された一態様を示す説明図である。
【0074】
図示の例では、4つの第1物品懸吊部材20A〜20Dの係止部材21が棚部材4における4カ所の第1装着部41に装着され、そのうちの3つの第1物品懸吊部材20A〜20Cでは、それぞれのボールチェーン22dがそれぞれの係止部材21で係止され、それぞれのフック部材22で小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1を懸吊しており、他方、残りの1つの第1物品懸吊部材20Dでは、遊技者により操作された係止解除部材6などにより係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除され、フック部材22に懸吊されていた小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1が落下した様子を示している。
【0075】
以上のように、上記第1物品懸吊部材20では、物品吊るし部材であるボールチェーン22dを係止する係止孔H1のサイズが、付勢部材21cの付勢力により維持されるように構成されているため、長期間の使用の間における係止孔H1における係止力の低下をより小さくすることが可能であり、長期間に渡って交換することなく使用することが可能な物品懸吊部材を提供することが可能である。また、想定以上の長期間に渡り使用をしたことで係止力が低下した場合であっても、第1物品懸吊部材20全てを交換するのではなく付勢部材21cを新しいものに交換することで、新品と同程度の係止力を取り戻すことができる。このため運用に係るコストを最小限に抑えることが可能となる。
【0076】
また、上記第1物品懸吊部材20では、鉤状のフック部22bを有するために、金属製のリングR、リング状にされたボールチェーンや紐などを取り付けられた景品、或いは、孔Hが形成された箱等に包装された景品等を簡単に懸吊することが可能である。
【0077】
また、アイキャッチなどを考慮して好ましいと考えられる方向に景品を向けて吊り下げた状態で、ボールチェーン22dを傾斜させて傾斜保持部材216において保持することにより、或いは更に、ボールチェーン22dをチェーン溝41eに収容することにより、景品の上記方向を固定することが可能であり、係止解除部材6が景品に当接する程度では、景品の方向が変わってしまわないようにすることも可能である。また、上記のようにボールチェーン22dの上端側を傾斜した状態で保持し、或いは更に、チェーン溝41eに収容することにより、上方の棚部材4から落下した景品が下方の棚部材4のボールチェーン22dに引っ掛かって払い出されないなどの不都合を防止するとの効果も達成することができる。
【0078】
また、上記第1物品懸吊部材20では、係止部材21はその係合片214や係合爪215等によって棚部材4に装着された状態にあり、フック部材22は連索部材23により係止部材21と連索されている。従って、係止解除部材6の操作等によって景品が落下した場合でも、係止部材21及びフック部材22が景品とともに落下、散乱等することが防止され、従って、繰り返し再利用可能な第1物品懸吊部材20を提供することが可能である。
【0079】
そして、第1物品懸吊部材20が繰り返し再利用可能であるが故に、従来の使い捨て要素の高かったフック部202と比べて、フック部の長さを長くしたり、フック部の径を太くして耐久性を上げるなどにより高級で係止が外れ難いフック部22bを設けることが可能であり、景品がフック部22bから外れて落下しないようにするために従来必要であった景品をフック部22bに接着テープ(AT)で留める作業を不要とすることが可能である。
【0080】
なお、上記では、フック部材22に複数のボールと、ボール同士を連結するボールよりも外形の小さいリンク部材により構成されるボールチェーン22dが取り付けられている場合を例として示したが、これに替えて、挟持片21a、21bが閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な樹脂繊維等の材料で形成された紐状部材を使用することも可能である。
【0081】
図7は、第2物品懸吊部材30の構成を示す説明図であり、図7(a)〜(c)には、それぞれ、第2物品懸吊部材30を上方から見た斜視図が示されており、特に、図7(a)には、後述の懸吊部材34が棚部材4の支持孔42bに挿通され支持されている状態が示されており、図7(b)には、図7(a)の構成の一部が切り欠いた状態が示されており、図7(c)には、懸吊部材34が支持孔42bによる支持が解除されて当該支持孔42bから抜け落ちた状態が示されている。
【0082】
図示されるように、第2物品懸吊部材30は、第2装着部42の嵌装孔42aに着脱自在に装着される係合爪31aと、棚部材4の収容空間41dに収容嵌合される嵌合片31bとが形成され、棚部材4の裏面側で固定される本体部31と、その本体部31の前方側に着脱自在に取り付けられて後述の駆動部材35を挟持する係止部材32と、本体部31の後方側で一端が所定角度範囲内で回転可能に支持され、駆動部材35の作用により後述の懸吊部材34を前方側に牽引する略L字状の棒牽引部材33と、その棒牽引部材33のL字の角部分において一端が所定範囲内で回動可能に支持されるとともに、解放端が棚部材4の支持孔42bにおいて挿通支持される棒状又は板状の懸吊部材34と、係止解除部材6などにより所定量以上の力が加わった場合に上記棒牽引部材33を駆動して懸吊部材34を前方側に牽引する駆動部材35とを主体に構成される。
【0083】
ここで、本体部31は、左右一対の筐体片311、筐体片312を主体に構成される。そして、この本体部31には、左右一対の筐体片311、筐体片312を組み立てた場合の前方側に、上述の第1装着部41における規制溝41a、嵌装孔41b、係合片41c、収容空間41dと同様の構成を有する装着部313が形成されるとともに、その後方側には、棒牽引部材33を回動可能に支持する回動軸S1が一体的に形成され、更に、その内部には、後述の駆動部材35の紐状部材35aを案内支持する円弧状の案内面314{図7(b)参照}が形成されている。
【0084】
係止部材32は、上述の第1物品懸吊部材20における係止部材21と同一の構成を有するものであり、本体部31前方の装着部313に装着固定されるとともに、係止部材32を構成する開閉自在の一対の挟持片の間に所定サイズの係止孔が形成され、当該係止孔において紐状部材35aを係止するものである。
【0085】
棒牽引部材33は、略L字状の形態を成す部材であり、この棒牽引部材33には、前方側に、後述の駆動部材35の紐状部材35aが余裕をもって挿通することができる一方で、後述のトリガ部材35cの挿通を禁止する程度の径を有する挿通孔H2と、後述の懸吊部材34の回動軸S2を軸支する軸支孔H3と、回動軸S1が軸通される軸通孔H4とが形成されている。
【0086】
懸吊部材34は、棒状の形態を成す部材であり、この懸吊部材34には、一端に、軸支孔H3により軸支される回動軸S2が一体的に形成されており、他端が、棚部材4の支持孔42bに挿通される解放端となっている。
【0087】
駆動部材35は、遊技者により操作される係止解除部材6によって駆動される部材であり、長尺状の紐状部材35aと、その紐状部材35aの一端側に取り付けられた円盤状のターゲット部材35bと、紐状部材35aの他端側に取り付けられた上向き矢印状のトリガ部材35cとを主体に構成されている。そして、上記紐状部材35aは、その一端側を上記係止部材32に形成された係止孔に挿通させた状態で係止され、中央部を案内面314上に差し渡され、他端側を挿通孔H2に挿通させた状態とされている。
【0088】
なお、本体部31、棒牽引部材33、懸吊部材34及び駆動部材35(ターゲット部材35b及びトリガ部材35c)は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。また、本実施形態における紐状部材35aには、係止部材32の挟持片が閉状態のとき(図5(c)参照)の係止孔のサイズより大きい外径寸法を有し、外周からの外力が作用することでその外形寸法を縮小する樹脂繊維等の適宜の材料で形成された紐状の部材が使用されている。
【0089】
従って、ターゲット部材35bに下方向への牽引力が作用しない場合には、紐状部材35aを係止部材32の係止孔で締め付ける態様で係止し、ターゲット部材35bに下方向への牽引力が作用した場合には、係止孔よりも大きい外径の紐状部材35aが係止孔を通過しようとするために、係止部材32を構成する1対の挟持片が離間して係止孔のサイズが大きくなり(図5(d)参照)、紐状部材35aを下方に引き抜いていくことが可能である。
【0090】
上記第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6の操作によりターゲット部材35bが下方に牽引されると、紐状部材35aが上記態様で係止部材32から引き抜かれ、他端側のトリガ部材35cが上昇していくことになる。
【0091】
そして、トリガ部材35cが棒牽引部材33の挿通孔H2に当接して更に上昇した場合には、棒牽引部材33は回動軸S1の周りに回転して懸吊部材34を前方側に駆動し、やがて懸吊部材34が支持孔42bから抜けると、懸吊部材34は支持孔42bによる支持を失って回動軸S2の周りに下方に向けて落下する。
【0092】
なお、上記実施形態における駆動部材35においては、ターゲット部材35bとトリガ部材35cを連索する部材として、樹脂繊維等で構成される長尺状の紐状部材35aを使用する場合について説明したが、これ以外にも、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することもできる。また、それらボールチェーン以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0093】
図8は、上述の第2物品懸吊部材30の棚部材4における装着態様及び動作態様を示す説明図である。
【0094】
図8(a)の例では、1つの第2物品懸吊部材30の本体部31及び懸吊部材34が棚部材4の第2装着部42に装着され、懸吊部材34で中型景品(中型の人形等が入った箱)G2を懸吊しており、図8(b)の例では、上記図8(a)の状態から、遊技者により操作された係止解除部材6などによって、駆動部材35のターゲット部材35bが下方に牽引されて棒牽引部材33が前方に駆動され、これにより、懸吊部材34が棚部材4の支持孔42bから抜け落ちて中型景品G2が落下した様子を示している。
【0095】
上記第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6による牽引の対象となる紐状部材35a(及びターゲット部材35b)を係止する係止部材32と、物品を懸吊する懸吊部材34とがそれぞれ別個の部材とされている。従って、係止部材32の係止力の大小とは無関係に懸吊部材34における懸吊可能な景品の重量を自由に設定することが可能であり、それ故に、第2物品懸吊部材30では第1物品懸吊部材20に懸吊出来ない重量の大きい景品を懸吊することが可能である。また、係止部材32と懸吊部材34が別部材であるために、係止部材32及びこれに係止される紐状部材35a(及びターゲット部材35b)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触可能な位置(ガイドレール72やガイドポール81から近い位置)に配置する一方で、懸吊部材34(及び景品)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触できない位置(ガイドレール72やガイドポール81から遠い位置)に配置することが可能である。それ故に、第2物品懸吊部材30では第1物品懸吊部材20に懸吊できない程度にサイズの大きい景品を懸吊することが可能である。
【0096】
加えて、第2物品懸吊部材30は、第1物品懸吊部材20の係止部材21と同構成の係止部材32により紐状部材35aを係止する構成であるため、第2物品懸吊部材30における紐状部材35aの係止解除のための操作の態様、難易度、及び/又は、ゲーム性を第1物品懸吊部材20におけるボールチェーン22dの係止解除のためのそれと同様のものとすることが可能である。
【0097】
なお、本実施形態では、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有し、外周からの外力により縮径可能な紐状部材35aが使用される場合を例として示したが、これに替えて、第1物品懸吊部材20におけるボールチェーン22dと同様のボールチェーンを使用することも可能である。
【0098】
図1に戻って、本実施形態の係止解除部材6は、遊技者による上昇ボタン9a及び横走行ボタン9bの操作に応じて操作面(図1におけるXY面)で移動する部材であり、棚部材4に装着された第1物品懸吊部材20、第2物品懸吊部材30にそれぞれ懸吊されている小型景品G1、中型景品G2の係止を解除して小型景品G1、中型景品G2を落下させるために用いられる部材である。なお、本実施形態の係止解除部材6は、例えば、特許文献1(特許第3675566号公報)に開示される公知の係止解除部材(5)や係止解除部材(120)などと同様の構成とすることができるが、本実施形態では、上記係止解除部材(5)と同様の構成を採用した場合について説明する。
【0099】
図9は、本実施形態の係止解除部材6の構成を示す説明図であり、図9(a)が、係止解除部材6の駆動機構の斜視を示す説明図であり、図9(b)が、上記駆動機構の一部を省略した要部側面を示す説明図である。
【0100】
即ち、この係止解除部材6では、上記操作面で移動する本体部(ケース)60と、その本体部60に設けられて該本体部60の前方側から突出可能で前後方向(図1におけるZ方向)に伸縮自在の部材であり、第1物品懸吊部材20のボールチェーン22d及びフック部材22、或いは、第2物品懸吊部材30の紐状部材35a及びターゲット部材35bと係合することによりそれらを下方向に牽引するための楔状の切り込み61aが先端に形成されたフォーク部材61とを主体に構成されている。
【0101】
そして、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御されるソレノイド833aの駆動によって、ワイヤーWRが上下方向(Y方向)に駆動することにより、スプリングSPにより付勢されるプーリーPの前後方向(Z方向)の移動に伴う揺動バー62の揺動により、上記ワイヤーWRの駆動方向に応じてフォーク部材61が前後方向(Z方向)における前方向又は後方向に移動する。
【0102】
また、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される水平移動用モータ832a(図9に不図示)の回動によって、ネジ棒71a及びネジ棒71bが回動することにより、ガイドレール72a、ガイドレール72bにそれぞれ案内されるスライダー73a、スライダー73b及びガイドポール81とともに本体部60が上記回動方向に応じて左右方向(X方向)における左方向又は右方向に移動する。
【0103】
また、この係止解除部材6では、係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される鉛直移動用モータ831aの回動によって、ネジ棒82が回動することにより、ガイドポール81に案内されるスライダー83とともに本体部60が上記回動方向に応じて上下方向(Y方向)における上方向又は下方向に移動する。
【0104】
なお、この係止解除部材6は、ゲーム開始前における本体部60のホームポジションが決められており、左側の係止解除部材6では、左下方の隅が本体部60のホームポジションとされ、右側の係止解除部材6では、右下方の隅が本体部60のホームポジションとされている。
【0105】
そして、本実施形態では、遊技者などによって硬貨投入口10に所定のゲーム料金が投入された場合などのゲーム開始条件が成立した場合に、遊技者などによる上昇ボタン9aの操作及び上昇ボタン9aの操作後の横走行ボタン9bの操作を受け付ける態様となっており、本実施形態の係止解除部材6では、上記ゲーム開始条件が成立した場合に遊技者により上昇ボタン9aが押下され続けている間だけ本体部60が上昇し、上昇ボタン9aの押下が解除された場合に本体部60の上昇が停止し、続いて、遊技者により横走行ボタン9bが押下され続けている間だけ本体部60が横方向(左又は右)に走行し、横走行ボタン9bの押下が解除された場合に本体部60の横走行が停止する。その後、本体部60の横走行が停止した場合に、フォーク部材61が前方向に所定長だけ自動的に伸長し、所定長の伸長が完了した場合に、フォーク部材61が伸長した状態のまま本体部60が所定ストロークだけ自動的に下降する。その後、所定ストロークの下降が完了した場合に、フォーク部材61が元の位置に戻され、その後、本体部60が上述のホームポジションに戻される。
【0106】
なお、本実施形態の係止解除部材6では、フォーク部材61を駆動する駆動手段としてソレノイド833aを使用する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、フォーク部材61を駆動する駆動手段として、上記ソレノイドに替えてモータを使用することもできる。
【0107】
図10は、景品取得ゲーム機1におけるシステム構成を示す説明図である。
【0108】
図示されるように、本実施形態では、主制御基板80に、I/F80d及び信号線を介して設定受付部81、操作受付部82(82A、82B)、係止解除部材制御部83(83A、83B)、照明・音響制御部84、硬貨処理部85などが電気的に接続されている。
【0109】
ここで、主制御基板80は、景品取得ゲーム機1全体を統括的に制御する部分であり、CPU80aと、周辺装置を制御するための各種プログラム及びデータが格納されるROM80bと、演算用の作業データなどを一時記憶するRAM80cと、CPU80aと周辺装置との間における各種信号の授受を行うためのI/F80dと、それらを相互に接続するためのバス80eとから構成されている。
【0110】
設定受付部81は、設定パネルにおいて設定された各設定値を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスである。即ち、上記設定値に基づいて、主制御基板80の制御のもと係止解除部材6の前後方向(Z方向)における到達位置や戻り位置、自動下降距離などの調節が行われる。
【0111】
操作受付部82A、82Bは、操作パネル9の上昇ボタン9a、横走行ボタン9bからの信号を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスであり、上昇ボタン9aへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を基準位置から上方に駆動すべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該上昇ボタン9aへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の上方への駆動を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信し、他方、横走行ボタン9bへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を横方向に走行させるべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該横方向ボタン9bへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の横方向への走行を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信する。
【0112】
係止解除部材制御部83A、83Bは、主制御基板80からの制御信号に従って、係止解除部材6の制御を実行するものである。即ち、主制御基板80から係止解除部材6の上昇動作を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ831は、鉛直移動用モータ831aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6に上昇動作を実行させる。また、主制御基板80から係止解除部材6の横方向への走行を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ832は、水平移動用モータ832aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6を横方向へ走行させる処理を実行する。
【0113】
硬貨処理部85は、硬貨投入口10に投入された硬貨の識別処理を実行し、予め定められた額の正当な硬貨の投入を検知した場合に、硬貨検知信号を主制御基板80に送信する処理を実行し、照明・音響制御部84は、主制御基板80からの制御信号に従って、ゲームの進行状況等に応じた演出照明や効果音を出力するべく、照明装置8、スピーカ12等の制御を実行する。
【0114】
図11は、景品取得ゲーム機1において実行される処理の流れを示す説明図である。
【0115】
図示されるように、まず、ステップS1において、遊技者により所定のゲーム料金が硬貨投入口10に投入されると、ゲーム開始可能な状態に遷移し(ステップS1:YES)、続いて、ステップS2において、遊技者により上昇ボタン9aが押下されると(ステップ2:YES)、押下されている間中、鉛直移動用モータ831aの駆動により係止解除部材6が上昇し(ステップS3)、続いて、ステップS4において、遊技者により上昇ボタン9aの押下が解除されると(ステップS4:YES)、係止解除部材6の上昇が停止する。
【0116】
続いて、ステップS5において、遊技者により横走行ボタン9bが押下されると(ステップS5:YES)、押下されている間中、水平移動用モータ832aの駆動により係止解除部材6が横(右など)に走行し(ステップS6)、ステップS7において、遊技者により横走行ボタン9bの押下が解除されると(ステップS7:YES)、係止解除部材6の横走行が停止する。
【0117】
こうして遊技者による操作で移動した係止解除部材6が停止すると、ステップS8において、自動的にソレノイド833aを駆動してフォーク部材61を伸長し、続いて、ステップS9において、設定されている降下量だけ係止解除部材6とともにフォーク部材61を下降する。
【0118】
その後、ステップS10において、フォーク部材61を収縮し、続いて、ステップS11において、鉛直移動用モータ831a、水平移動用モータ832aを駆動して係止解除部材6を所定のホームポジションに帰還させ、その後、処理をステップS1に復帰させる。
【0119】
なお、上記実施形態では、1つの棚部材4には、第1物品懸吊部材20或いは第2物品懸吊部材30のいずれか一種類のみを装着する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図12に示すように、一つの棚部材4に、第1物品懸吊部材20及び第2物品懸吊部材30の両者を装着するような形態で使用することも可能である。
【0120】
ただし、この場合には、第1物品懸吊部材20におけるフック部材22やボールチェーン22dと、第2物品懸吊部材30における紐状部材35aやターゲット部材35bとがフォーク部材61の伸長方向(図1のZ方向)で重ならないような配置で上記第1物品懸吊部材20及び第2物品懸吊部材30の両者を取り付けることが好ましい。
【0121】
また、上記実施形態では、ボールチェーンや紐などの環状部材で本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)が懸吊される小型景品G1を第1物品懸吊部材20で懸吊する場合、上記環状部材をフック部22bに引っ掛ける態様で小型景品G1を懸吊する形態(図6参照)について説明したが、この形態では、上記環状部材が長い場合に、フック部材22と小型景品G1の本体部分の間に無駄なスペースL1(図6参照)が生じてしまい、上下方向Yにおける棚部材4の取付数が少なくなってしまうなどの不都合が生じる。
【0122】
そこで、上述のような不都合を解消するためのフック部材22の構成及び当該フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の態様について図13を用いて説明する。
【0123】
図13(a)は、上述のフック部材22の側面視を示す説明図であり、図13(b)は、上述のフック部材22の背面を上方から見た斜視を示す説明図であり、図13(c)〜(e)は、フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の一態様、及び、当該小型景品G1の係止解除の一態様を示す説明図である。
【0124】
上述の図4に示したフック部材22は、図13(a)、(b)などに良く示されているように、当該フック部材22の底部に、小型景品G1の本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)を懸吊するボールチェーンBCや紐などの環状部材を係合する浅めの溝が形成された係合溝201を備えるとともに、その係合溝201に係合された上記環状部材を本体壁部22aの背面側から正面側に案内係合する案内係合面202とを更に備えている。これにより、図13(c)に示される態様で小型景品G1がフック部材22に懸吊される。なお、図13(c)の懸吊態様においては、ボールチェーンBCを係合溝201と案内係合面202に係合させる際に、本体壁部22aの背面側に配置される中央板部材203の左右いずれか一方の側においてボールチェーンBCと案内係合面202の間に連索部材23が配置される態様で係合させる。これにより、連索部材23が小型景品G1の落下を妨げずに済む。
【0125】
そして、上記図13(c)の状態で、遊技者により移動操作される係止解除部材6の下降動作により係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された場合には、上記図13(a)の態様で懸吊された小型景品G1の重量によってフック部材22が連索部材23との連結部分を軸として、円盤部22cが前方下方に倒れるように回転し、円盤部22cが下方に配置され、底部が上方に配置される態様となることによって、まず、図13(d)に示されるように、係合溝201とボールチェーンBCの係合が解除され、続いて、図13(e)に示されるように、案内係合面202とボールチェーンBCの係合が解除されてボールチェーンBCのリング内からフック部材22に設けられたボールチェーン22dが抜けて小型景品G1が落下する。
【0126】
即ち、上記形態によれば、割りと長めのボールチェーンや紐などの環状部材で懸吊される小型景品G1を第1物品懸吊部材20で懸吊する場合においても、環状部材をフック部材22の背面側に回し込むことによって、フック部材22と小型景品G1の本体部分(むいぐるみや人形の部分)との間のスペースを少なくすることができ、これにより、上下方向Yにおける棚部材4の取付数を増加させることができる。
【0127】
以下、上記実施形態の各種変形形態について説明する。
【0128】
上記実施形態の第1物品懸吊部材20では、ボールチェーン22dを傾斜保持部材216で傾斜状態に保持することで、フック部22bに懸吊された小型景品G1の回転を抑止す場合について説明したが、この実施形態では、景品を適切と思う方向に向けて懸吊した状態を保ったまま、ボールチェーン22dを傾斜させてこれを傾斜保持部材216によって保持する作業が必要であるが、ボールチェーン22dを傾斜させ、或いは、これを傾斜保持部材216によって保持している途中で景品の向きが変わってしまう場合もあり、人によってはこの作業を面倒と感じる場合もある。
【0129】
そこで、上記の作業を一層容易化するために、第1物品懸吊部材20の変形形態である第1物品懸吊部材20Aを替わりに利用することもできる。
【0130】
図14(a)は、当該第1物品懸吊部材20Aの側面視を示す説明図である。
【0131】
図示されるように、この第1物品懸吊部材20Aでは、上述の係止部材21と同一構成の係止部材21と、上述のフック部材22に、ボールチェーン22dの一端を回動自在に支持する第1支持部材22eと、後述の連索部材23Aの一端に一体的に形成された筒状の回動部材23aを螺子状の回動軸S3を介して回動自在に支持する第2支持部材22fとを新たに追加したフック部材22Aと、上記回動部材23aが一端側に一体的に形成されるとともに、他端側が上記係止部材21Aの係合片214に固定される連索部材23Aとから構成される。
【0132】
即ち、この変形形態の第1物品懸吊部材20Aを採用すれば、小型景品G1を係止部材21から吊り下げた状態のまま、或いは、更に傾斜保持部材216でボールチェーン22dを傾斜保持した状態のまま小型景品G1の方向を調節することができ、アイキャッチの良い方向で景品を懸吊するための作業を極めて簡単に行うことが可能になる。
【0133】
なお、本変形形態に係る第1物品懸吊部材20Aにおいては、螺子状の回動軸S3の締め具合を調節することにより、回動部材23aの回動をし易くしたり、逆に回動しづらくすることが可能である。従って、回動部材23aの回動をある程度渋くすることにより、小型景品G1を正面に向けるようにフック部22bを回動させた後に、係止解除部材6との接触等で何らかの力が働いた場合にフック部22bが回転して小型景品G1が横を向いてしまうなどを防止することが可能である。
【0134】
また、上記変形形態以外にも、上述の第1物品懸吊部材20において、フック部材22に固定されていたボールチェーン22dの一端を、当該ボールチェーン22dが軸回転できるように取り付ける形態としても良いし、また、上記回動にある程度の負荷を必要とするような形態としても良い。このような構成によれば、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0135】
また、第2物品懸吊部材30においても、中型景品G2の態様に関係無く、中型景品G2を簡単に正面に向けることが可能な機構を追加的に備えることも可能である。このような構成によれば、第2物品懸吊部材30においても、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0136】
また、上記実施形態の第1物品懸吊部材20におけるフック部材22では、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材によりリング状にされたボールチェーンで吊り下げられる態様の小型景品G1を懸吊した場合に、当該リングチェーンの連結部材の部分で小型景品G1をフック部22bに係合すると、連結部材の幅よりフック部材の幅が狭いなどの理由から連結部材におけるボールの連結が解除され、それにより、小型景品G1が落下してしまうなどの不都合が発生する可能性がある。
【0137】
そこで、上述のような不都合を解消するために、第1物品懸吊部材20のフック部材22の変形形態であるフック部材22Bを替わりに利用することもできる。
【0138】
図14(b)は、当該フック部材22Bの上方斜視を示す説明図である。
【0139】
図示されるように、このフック部材22Bは、上述のフック部材22に、小型景品G1のボールチェーンが連結部材の部分で係合した場合の当該連結部材における連結解除を阻止するための台座22gを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22と同様なものである。より具体的には、台座22gは、連結部材の幅と同じか或いはそれ以上の幅Wを有する態様で形成されている。
【0140】
即ち、この変形形態のフック部材22Bを採用すれば、連結部材におけるボールの連結が解除されることを未然に防ぐことができるので、従来のように、連結部材におけるボールの連結が解除されて景品払出口11に落下した小型景品G1が遊技をしない遊技者などの第三者に持っていかれることによる施設側の損失を防ぐことが可能となるとともに、上述のような連結部材の解除により小型景品G1が景品払出口11に落下しているか否かなどのスタッフによる確認作業を無くすことができるので、スタッフの負担を軽減することも可能である。
【0141】
また、上記図4及び図14に示した実施形態に係るフック部材22、22A、22Bでは、小型景品G1に取り付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などをフック部材22に係合させる態様で小型景品G1を懸吊する形態が一般的である場合について説明したが、この形態では、例えば、径の大きいリングが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合には、径の大きいリングをフック部22bに引っ掛けるとリングの大部分(例えば、約3/4)が下方に露出してしまい、フック部22b或いは台座22gを軸に前後に揺動し易くなって安定しないなどの不都合が生じる。また、上述のようにリングの大部分が露出することで、その露出した部分を遊技者によりターゲットとして直接狙われてしまうことにより景品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になるなどの不都合を生じる。
【0142】
そこで、上述のような不都合を解消するために、上記フック部材22、22A及び22Bの変形形態であるフック部材22Cを替わりに利用することもできる。
【0143】
図15(a)は、当該フック部材22Cの上方斜視を示す説明図である。
【0144】
図示されるように、このフック部材22Cは、上述のフック部材22Bに、小型景品G1のリングRの大部分を本体壁部22aの前方面に当接させる態様で係合する先端が鉤状に折り曲げられた形状の係合突起部22hを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22Bと同様なものである。
【0145】
即ち、この変形形態のフック部材22Cを採用すれば、例えば、径の大きいリングRが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合において、リングRを係合突起部22hに係合させる態様で小型景品G1を懸吊させることにより、リングRの大部分(例えば、約3/4)が本体壁部22aの前方面に当接し、リングRが前後方向に揺動し難くなるため、小型景品G1の安定性を高めることができる。また、フック部22bより下方に露出するリングRの露出部分が少なくなることで、遊技者により上記露出部分をターゲットとして狙われることを防ぐことができるため、景品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になってしまうなどの不都合を未然に防ぐことができる。
【0146】
なお、上述したフック部材22Cによれば、ボールチェーン、紐などが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合においても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、上述した種々のフック部材22、22A、22B及び22C以外にも、例えば、上述の本体壁部22a及びフック部22b及び円盤部22cなどの部材を必要最低限備え、各フック部材22、22A、22B及び22Cにおける種々の構成要素のいずれかを組み合わせた態様のフック部材を利用することも可能である。
【0148】
また、上記実施形態の第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6により駆動部材35が牽引された場合に、棒牽引部材33が回動軸S1の周りに回動することにより懸吊部材34が前方側に牽引されて支持孔42bから抜け落ちる形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図16に示す他の変形形態に係る第2物品懸吊部材30A、30Bを採用することも可能である。
【0149】
図16(a)に示される第2物品懸吊部材30Aは、例えば、上述の第2物品懸吊部材30における棒牽引部材33が省略され、上述の駆動部材35におけるトリガ部材35cを省略し、紐状部材35aの替わりにボールチェーン35a′が設けられ、そのボールチェーン35a'の一端側が係止部材32により係止され、他端側にターゲット部材35bが懸吊され、且つ、上記他端にロープ部材36の一端が取り付けられた駆動部材35Aと、上記ロープ部材36の他端に取り付けられ、所定の回動軸S4で回動自在に支持されるとともに、一端が棚部材4の背面板46に形成された支持部材48で回動自在に支持される懸吊部材34Aの解放端に形成された係合片34aを係合片37aで支持する係合解除部材37とを新たに備えるとともに、ターゲット部材35bが落下した際にロープ部材36によって係合解除部材37が前方側に牽引される方向にロープ部材36を案内する案内ローラーR1を更に設けた態様となっている。
【0150】
即ち、この構成では、遊技者により操作される係止解除部材6などによって係止部材32におけるボールチェーン35a'の係止が解除され、ターゲット部材35bが落下したことにより係合解除部材37が回動軸S4の周りで前方側に回動し、係合片37aと係合片34aの係合が解除されて懸吊部材34Aが支持部材48における回動軸の周りで下方に回動することにより、当該懸吊部材34Aに懸吊されていた中型景品G2が落下することになる。
【0151】
また、図16(b)に示される第2物品懸吊部材30Bは、例えば、上述の第2物品懸吊部材30における棒牽引部材33を省略するとともに、駆動部材35のトリガ部材35cを省略して替わりに紐状部材35aの他端を直接的に懸吊部材34Bの一端に取り付けた態様となっており、更に、駆動部材35のターゲット部材35bがある程度下降できるように懸吊部材34Bの長さを調節するとともに、懸吊部材34Bに懸吊される中型景品G2の紐などの吊るし部材と当該懸吊部材34Bとの係合を解除するための懸吊部材34Bを挿通できる径の開口を有する解除部材49を各支持孔42b毎に新たに備えるとともに、上記紐状部材35aを案内するための案内ローラーR2を更に設けた態様となっている。
【0152】
即ち、この構成では、遊技者により操作される係止解除部材6などによってターゲット部材35bが下方に牽引されることにより懸吊部材34Bが前方に牽引されて解除部材47から抜け落ちたときに、当該懸吊部材34Bに懸吊されている中型景品G2が落下する。
【0153】
また、上記実施形態では、棚部材4と別体の第2物品懸吊部材30を当該棚部材4の裏面側に装着する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、第1物品懸吊部材20を装着する第1装着部41を利用して上記第2物品懸吊部材と同様の機能を実現して中型景品G2を懸吊保持する懸吊機構を棚部材4に形成する形態とすることもできる。なお、この場合には、上記懸吊機構における連索部材などの可動部材の動作を遊技者が確認できるように棚部材4の全部又は一部(前方部分など)を透明又は半透明な部材で構成することが好ましい。このような構成によれば、シンプル且つ美しい外観の棚部材を提供することが可能である。
【0154】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能であり、例えば、上記実施形態における景品取得ゲーム機1、棚部材4、第1物品懸吊部材20、第2物品懸吊部材30等の形状、寸法、材質や色、景品取得ゲーム機1或いはその個々の部材の動作態様などは単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の一実施形態に係る景品取得ゲーム機の構成を示す説明図。
【図2】棚取付壁及びその棚取付壁に取り付けられる棚部材の構成を示す説明図。
【図3】棚部材の外観構成を示す説明図。
【図4】第1物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【図5】係止部材の構成を示す説明図。
【図6】小型景品がフック部材に懸吊されている第1物品懸吊部材が棚部材に装着された一態様を示す説明図。
【図7】第2物品懸吊部材の外観構成及び一部切り欠きの構成を示す説明図。
【図8】中型景品が懸吊棒部材に懸吊されている第2物品懸吊部材が棚部材に装着された一態様を示す説明図。
【図9】本実施形態に係る係止解除部材の構成を示す説明図。
【図10】景品取得ゲーム機におけるシステム構成を示す説明図。
【図11】景品取得ゲーム機において実行される処理の流れを示す説明図。
【図12】1つの棚部材に第1物品懸吊部材及び第2物品懸吊部材の両者を装着した様子を示す説明図。
【図13】フック部材の詳細な構成及びそのフック部材に対する小型景品の特殊取付の態様を示す説明図。
【図14】変形形態の第1物品懸吊部材及びフック部材の構成を示す説明図。
【図15】変形形態のフック部材の構成を示す説明図。
【図16】変形形態の第2物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【図17】従来の小型景品を懸吊する物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【符号の説明】
【0156】
1・・・景品取得ゲーム機、2・・・ゲーム機本体部、3・・・景品室、4・・・棚部材、41・・・第1装着部、42・・・第2装着部、43・・・係合片、5・・・棚取付壁、6・・・係止解除部材、7・・・景品落下口、8・・・照明装置、9・・・操作パネル、10・・・硬貨投入口、11・・・景品払出口、12・・・スピーカ、13・・・収容扉、20、20A、20D・・・第1物品懸吊部材、21、21A・・・係止部材、21a、21b・・・挟持片、216・・・傾斜保持部材、H1・・・係止孔、21c・・・付勢部材、22、22A、22B・・・フック部材、22a・・・本体壁部、22b・・・フック部、22c・・・円盤部、22d・・・ボールチェーン、22g・・・台座、23、23A・・・連索部材、30、30A、30B・・・第2物品懸吊部材、31・・・本体部、32・・・係止部材、33・・・棒牽引部材、34、34A、34B・・・懸吊棒部材、35、35A・・・駆動部材、35a・・・紐状部材、35b・・・ターゲット部材、35c・・・トリガ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作によりゲーム機内で懸吊されている景品(物品)が落下して払い出されるようにされた景品取得ゲーム機に関し、より詳細には、景品を懸吊又は係止するのに必要な部材を繰り返し再利用可能にした景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設に設置され、遊技者により移動操作される係止解除部材の下降動作によりゲーム機内で懸吊されている景品が落下して払い出されるようにされた景品取得ゲーム機が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
上記特許文献1、2の景品取得ゲーム機では、ボールチェーンのボールを係止できるサイズの係止孔が形成された弾性材料製の係止片(「チップ」とも呼ばれる)が棚部材の円錐溝に嵌合され、当該係止孔において係止されたボールチェーンにより景品が懸吊されており、係止解除部材によってボールチェーンを下方に引っ張ることでボールチェーンのボールが順次係止孔を通過し、最後のボール(最上端のボール)が係止孔を抜けた場合には、当該ボールチェーンに懸吊された景品が落下して景品払出口から払い出されるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記景品取得ゲーム機では、使用するうちに係止片の係止孔が変形により広がってしまい、係止力が低下するため、ごく短期間毎に交換することが必要であり、係止片の購入費用や交換のための作業コストなどが嵩む問題がある。
【0005】
また、上述のように景品が落下した場合には、景品を係止していた係止片が自身の弾性復帰力により跳ね上がり、ゲーム空間や景品払出口に散乱してしまう問題がある。
【0006】
即ち、上記景品取得ゲーム機では、散乱した係止片によってゲーム空間や景品払出口内、設置施設等の景観を損なう問題点があるとともに、ゲーム空間に散乱した係止片によって係止解除部材などの機械部品が故障するなどの問題点があり、また、散乱した係止片を回収するなどのスタッフの負担が増加する問題点があった。更に、散乱した係止片は紛失したり、景品とともに遊技者に持って帰られてしまうことから、係止片の補充のためのコストが嵩む問題があった。
【0007】
また、上記景品取得ゲーム機においては、リング状のボールチェーンに取り付けられた景品(以下、一般景品という)であれば、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材の部分でリング状態を解除したボールチェーンを上記係止片の係止孔に係止して景品を吊り下げることが可能であるが、それ以外の景品では、たとえ、紐や金属製のリングが取り付けられ、或いは、ぶら下げるための孔が形成された箱や袋などで包装された景品(以下、特定景品という)であっても、そのままでは上記景品取得ゲーム機に懸吊することはできない。
【0008】
このため、上述のような特定景品を使用したい場合には、ボールチェーンを部品として購入し、そのボールチェーンを上記紐や金属製のリング、包装に形成された孔などに取り付ける作業を行うことが必要であり、これによっても、スタッフの負担が増加するとともに、ランニングコストが増加してしまうなどの問題点がある。
【0009】
また、最近では、上述のような特定景品などにも対応できる景品取得ゲーム機が提供されている。
【0010】
具体的には、この景品取得ゲーム機では、図17に示すように、下降する係止解除部材のフォークと係合する円盤部201と、当該円盤部201の下方側に形成され、上記一般景品のリング状態のボールチェーンBC、或いは、上記特定景品の金属製のリングRや紐(不図示)、或いは、景品の包装等に形成された孔Hなどに係合して懸吊することができるフック部202と、上記円盤部201の上方側で円中心から上方に垂設されたボールチェーン203とが一体的に形成された合成樹脂製のフック部材200と、上述の係止片と同様の係止片300とを利用して上記一般景品GA及び特定景品GBを棚部材100で懸吊する形態となっている。
【0011】
この形態によれば、上記ボールチェーンと特定景品との取り付け作業をせずとも特定景品GBを棚部材100に吊り下げることができるので、ボールチェーンの購入費用を削減できるとともに、ボールチェーンと景品との取り付け作業に係るスタッフの負担が軽減できる。
【0012】
しかしながら、この景品取得ゲーム機では、使用するうちに係止片300の係止力が低下するために定期的に係止片300を交換することが必要であり、景品が落下した際に係止片300が散乱するなど、特許文献1、2の景品取得ゲーム機について上記した問題を解決することはできない。
【0013】
更に、この景品取得ゲーム機では、一般景品GAや特定景品GBが落下すると同時にフック部材200も落下するため、落下したフック部材200によってゲーム空間や景品払出口が散らかって景観を損ねる問題があるとともに、落下したフック部材200を回収するなどのスタッフの負担が増加する問題がある。
【0014】
また、落下したフック部材200は紛失したり、一般景品GAや特定景品GBとともに遊技者に持って帰られてしまうなど、使い捨て要素が高く、フック部材200の補充のために一層コストが増大する問題がある。
【0015】
更に、上記フック部材200は、上述のように使い捨て要素が高いため、製造コストを抑える目的でフック部202の鉤先端の長さが短くなっており、これにより、ただ単に一般景品GAのボールチェーンBCや特定景品GBの金属製のリングR、紐、孔H等をフック部202に係合させるだけでは、上述の係止解除部材が触れた程度の揺れで一般景品GAや特定景品GBが落下してしまう虞があることから、施設側では、接着テープATなどでボールチェーンBCや金属製のリングR、紐、孔H等とフック部202とを固定する作業が必要となり、これによってもスタッフの負担が増加する問題がある。
【特許文献1】特許第3675566号公報
【特許文献2】特許第3899548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0017】
即ち、本発明の目的は、景品(物品)を懸吊する態様の景品取得ゲーム機において、景品を懸吊又は係止するための部材を繰り返し再利用可能にすることができる景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、景品を懸吊するための物品吊るし部材に対する係止力の低下を防止又は抑止することができ、より長期間に渡って使用することが可能な係止部材を有する景品取得ゲーム機及び物品懸吊部材を提供することにある。
【0019】
本発明の更に他の目的は、景品が落下した場合に物品吊るし部材を係止していた係止部材、或いは、景品を懸吊していた物品吊るし部材、フック部材等が散乱してしまうことを防止することができる景品取得ゲーム機及びその物品懸吊部材を提供することにある。
【0020】
本発明の更に他の目的は、景品を意図した角度で安定して吊り下げることができる景品取得ゲーム機及びその物品懸吊部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記課題を解決したものであり、
相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、
前記挟持片を閉状態に付勢する付勢手段とを有する係止部材であって、
前記挟持片は、閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔を形成する切欠を有し、
前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するよう構成され、
下端側に物品を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を前記係止孔において係止可能な前記係止部材を備え、
前記物品吊るし部材が牽引された場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記物品吊るし部材が下方へ移動可能となることを特徴とする物品懸吊部材(請求項1)である。
【0022】
本発明の物品懸吊部材では、従来の係止片と同様に、下端側に物品(景品)を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を係止部材に形成される所定サイズの係止孔において係止することが可能である。
【0023】
そして、景品取得ゲーム機における係止解除部材などにより物品吊るし部材が下方などに牽引された場合には、付勢手段による付勢力に抗して挟持片が相互に離間し、係止孔のサイズを拡大することで物品吊るし部材が下方に移動可能となり、物品吊るし部材への牽引が無くなると、付勢手段による付勢力によって係止孔のサイズは当初のサイズ(挟持片が閉状態のときのサイズ)に復帰することになる。
【0024】
このように、本発明では、挟持片が閉状態のときの係止孔のサイズは付勢手段の付勢力によって一定に維持されるため、長期間の使用による係止孔の係止力の低下をより小さくすることが可能である。
【0025】
なお、本発明では、物品吊るし部材が下方に牽引されたときに係止片を開方向に付勢する力が作用することが必要であることから、本発明の物品懸吊部材に使用する物品吊るし部材としては、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材や、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な紐状部材を好適に使用することができる。
【0026】
具体的には、上記ボールチェーン状部材としては、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することができるのはもちろんのこと、それ以外の形状を有する長尺状の部材であって、上記凸部及び上記凹部を有する長尺状の部材も使用することができる。
【0027】
本発明では、前記係止部材を景品取得ゲーム機内に据え付けられた棚部材に固定するための固定手段を更に備えること(請求項2)が好ましい。
【0028】
本発明では、係止部材による物品吊るし部材の係止が解除されて物品が落下した場合における係止部材の散乱を防ぐことが可能である。
【0029】
そのため、ゲーム機内のゲーム空間や景品払出口が係止部材で散らかってしまうことや、散乱した係止部材による故障等が防止でき、散乱した係止部材の回収や再装着に掛かる作業負荷を軽減でき、或いは、景品取出口に落下した係止部材を遊技者に持ち帰られてしまうなどの不都合を防止することができる。
【0030】
本発明では、前記係止孔よりも上端側において前記物品吊るし部材を傾斜した状態で保持する傾斜保持部を更に備えること(請求項3)が好ましい。
【0031】
かかる発明では、物品吊るし部材の係止孔による係止位置よりも下方部分に対して、当該係止位置よりも上方部分の物品吊るし部材を傾斜させた状態で、或いは、更に屈曲させた状態で保持することにより、物品吊るし部材が回転しない状態、或いは、回転が抑制された状態とすることが可能である。
【0032】
このため、物品を好みの方向に向けた状態で係止部材に物品吊るし部材を係止し、そのまま、係止孔よりも上端側において物品吊るし部材を傾斜保持することにより、懸吊された物品が上記好みの方向から回転してしまうことを防止することが可能である。
【0033】
従って、物品の方向をアイキャッチが良いと思う方向に向けて吊り下げた状態を安定に保つことが可能であり、更には、物品吊るし部材の傾斜角度や保持の強さなどを調節することにより、係止解除部材が物品に当接する程度では物品の方向が変わらないようにすることも可能である。
【0034】
本発明では、長尺状の物品吊るし部材、及び、前記物品吊るし部材の下端側に取り付けられた物品を係合して懸吊するフック部を有するフック部材と、前記フック部材と前記係止部材とを連索する連索部材とを更に備えること(請求項4)が好ましい。
【0035】
本発明では、物品を係合して(引っ掛けて)懸吊するフック部を有するフック部材が物品吊るし部材に取り付けられているため、金属製のリングや紐が取り付けられた物品、或いは、孔が形成された箱等に包装された物品を、特別な作業を行わなくても容易に懸吊することが可能である。
【0036】
また、本発明では、フック部材と係止部材とが連索部材により連索され、いわゆる紐付きの状態になっているため、両者を一体に扱うことが可能であり、取り扱い性を向上させることが可能である。
【0037】
特に、本発明における係止部材が請求項2の固定手段により景品取得ゲーム機の棚部材に固定されている場合には、係止部材による物品吊るし部材の係止が解除された場合には、フック部材に懸吊されていた物品のみが落下し、固定手段により棚部材に固定された係止部材、及び、連索部材により係止部材に連索されたフック部材が物品とともに落下してしまうことが防止でき、従って、落下したこれらの部材が紛失し、或いは、遊技者に持ち帰られてしまうなどを防止することが可能である。
【0038】
本発明では、前記フック部が前記物品吊るし部材に対して回転可能に取り付けられており、前記フック部材が、前記フック部の回転角度を調節する角度調整機構を介して前記連索部材に取り付けられていること(請求項5)が好ましい。
【0039】
かかる発明では、フック部の回転角度を調節することで、物品懸吊部材に吊り下げられた物品の方向を調節することが可能である。従って、物品を吊り下げたままの状態で物品の方向を調節することが可能となり、物品の吊り下げ作業を一層容易化することが可能である。
【0040】
本発明では、前記フック部の基端部に、前記フック部よりも幅広の台座が形成されており、前記フック部は、前記台座において物品を係合すること(請求項6)が好ましい。
【0041】
物品によっては、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材によってリング状にされたボールチェーンが取り付けられている場合があり、そのような物品は本発明のフック部にリング状のボールチェーンを係合することで好適に懸吊することが可能である。しかし、フック部は比較的小径(連結部材の長さよりも小径)の部材で構成されるため、ボールチェーンが連結部材の部分でフック部に係合した場合には、連結部材からボールチェーンが外れ、それによって物品が落下してしまう可能性がある。
【0042】
本発明では、フック部の基端部に設けられたフック部よりも幅広の台座において物品を係合するよう構成されているため、仮に上記のようなボールチェーンが連結部材の部分で係合した場合でも、連結部材からボールチェーンが外れてしまう可能性を小さくすることが可能である。
【0043】
本発明の物品懸吊部材は、物品(景品)を懸吊した状態で物品吊るし部材を係止し、遊技者により移動操作される係止解除部材の下方或いは前方などの所定の方向への牽引動作により物品吊るし部材の係止が解除された場合に物品が落下して所定の景品払出口から払い出される景品取得ゲーム機に特に好適に適用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、本発明を適用した景品取得ゲーム機1の外観構成を示す図である。この景品取得ゲーム機1は、後述の主制御基板80などが収容されるゲーム機本体部2と、小型景品G1や中型景品G2などの種々の景品(「プライズ」ともいう)が懸吊されて複数個配置され、景品取得ゲームを実施するためのゲーム空間Rが形成される景品室3とを主体に構成される。
【0046】
なお、本実施形態の景品取得ゲーム機1では、例えば、上記小型景品G1には、高さが17(cm)で直径が6(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g未満の景品が採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「小型のぬいぐるみ」や「小型の人形」などに備え付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などを介して懸吊されるキーホルダー式の景品がある。
【0047】
また、上記中型景品G2には、高さが25(cm)で幅が15(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上の箱型景品や、高さが35(cm)で幅が30(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上のぬいぐるみ景品などが採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「中型のぬいぐるみ」や「中型の人形」などに備え付けられたボールチェーンや紐、或いは、包装箱などに形成された孔などを介して懸吊される据え置き式或いは抱っこ式の景品がある。
【0048】
ここで、景品室3の室壁は、例えば、背面壁3a及び左右壁3bが不透明な金属などの板部材で形成され、正面壁3cが、外部から景品室3内の小型景品G1、中型景品G2を視認できるように透明なアクリル或いはガラスなどの板部材で形成された錠前部材付きの2つの引き戸で形成されている。
【0049】
また、景品室3の内部には、小型景品G1、中型景品G2が懸吊される複数の棚部材4(図2参照)と、それら複数の棚部材4が取り付けられる棚取付壁5(1P及び2P用別にそれぞれ1つずつの計2つ)(図2参照)と、棚部材4から景品を落下させるために用いられる係止解除部材6と、落下した小型景品G1、中型景品G2を室内から外部に排出させるための景品落下口7と、ゲーム空間Rをライトアップさせるための蛍光灯などの照明装置8とが備えられている。
【0050】
なお、図2に示されるように、1つの棚取付壁5には、横一列に最大3つの棚部材4が配置でき、更に、縦方向において任意の高さ位置に、且つ、複数の棚部材4を配置できるように、棚部材4の背面側に形成された係合片43を係合して棚部材4を当該棚取付壁5に係止するための係合孔51が複数形成されている。
【0051】
これにより、当該景品取得ゲーム機1が導入されるアミューズメント施設においては、小型景品G1、中型景品G2をその大きさに関わらず種々のレイアウトにより配置することが可能である。例えば、図2に示されるように、左側(1P側)の棚取付壁5には、小型景品G1が懸吊された棚部材4のみを配置し、他方、右側(2P側)の棚取付壁5には、中型景品G2が懸吊された棚部材4のみを配置することができる。左側(1P側)の棚取付壁5は小型景品G1のみを懸吊するため、中型景品G2のみを配置した右側(2P側)の棚取付壁5に比して各棚部材4の縦方向の間隔が狭くなるように配置されている。また、図示していないが、一つの棚取付壁5において棚部材4の配置間隔を変えることで、小型景品G1が懸吊された棚部材4と、中型景品G2が懸吊された棚部材4の両者を混在させた状態で配置することもできるし、更には、一つの棚取付壁5において、各棚部材4が斜めに位置するように配置することもできる。
【0052】
ゲーム機本体部2は、その正面側に、遊技者からの操作入力を受け付け、係止解除部材6をゲーム空間R内で移動操作するための上昇ボタン9a、横走行ボタン9bを備えた操作パネル9と、ゲーム料金を受け入れるための硬貨投入口10と、景品落下口7と連通した景品払出口11と、BGMなどのゲーム音声を出力するためのスピーカ12とを有している。また、ゲーム機本体部2の収容扉13内には係止解除部材6の動作条件を設定し、難易度の調整を行うための不図示の設定パネルが収容されている。
【0053】
なお、図示の例では、二人の遊技者が同時にプレイできるように、係止解除部材6、景品落下口7、操作パネル9、硬貨投入口10、景品払出口11等が左右にそれぞれ2組設けられている形態を示しているが、一人用或いは三人以上用の景品取得ゲーム機とする場合は、これらを1組又は3組以上としても構わない。
【0054】
図3は、図2に示される棚部材4の構成を示す説明図であり、図3(a)、(c)には、それぞれ、棚部材4を上方、下方から見た斜視図が示されており、図3(b)には、第1装着部41の拡大斜視図が示されている。
【0055】
図3(a)、(c)に示されるように、棚部材4は、小型景品G1を棚部材4で懸吊する後述の第1物品懸吊部材20(図4参照)が着脱自在に装着される複数の第1装着部41と、中型景品G2を懸吊する後述の第2物品懸吊部材30(図7参照)が着脱自在に装着される複数の第2装着部42と、棚取付壁5に形成された係合孔51と係合して当該棚部材4を棚取付壁5に取り付けるための係合片43と、ストック用或いは展示用の小型景品G1、中型景品G2等を載置するためのトレー部44とを主体に形成され、第1装着部41と連設する前方上面F1が前方に向って下向きに傾斜した態様の棚状部材である。なお、棚部材4は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0056】
そして図3(b)に示されるように、第1装着部41には、後述の第1物品懸吊部材20の係止部材21の係合片214を嵌合して横(左右)方向の移動を規制する規制溝41aと、係止部材21の係合爪215が嵌装される嵌装孔41bと、係止部材21の規制溝212に嵌合して係止部材21の縦(上下)方向の移動を規制する係合片41cなどを有する係止部材21を収容することができる収容空間41dが形成され、当該収容空間41dの斜め上方には、物品吊るし部材である後述のボールチェーン22dの上端側を収容して位置決めするチェーン溝41eが形成されている。
【0057】
また、第2装着部42は、棚部材4の裏面側で縦(上下)方向に垂設された係合板45に形成され、後述の第2物品懸吊部材30の係合爪31aが嵌装される嵌装孔42aと、棚部材4の背面板46に穿設され、第2物品懸吊部材30の懸吊部材34の解放端側の所定長を挿通支持する支持孔42bなどから構成される。
【0058】
また、本実施形態の棚部材4は、トレー部44の空間を覆い隠す態様で着脱自在に装着される透明又は不透明な部材であり、上段側に配置された棚部材4から落下した景品(特に、中型景品G2)を、上記第1装着部41が形成された上述の前方上面F1との間で前方へ滑り落とすための傾斜を有する傾斜面F2が形成された滑り台状のスロープ部材SL(図2参照)が着脱自在に装着される。なお、スロープ部材SLを透明な部材で形成することによりトレー部44に載置された小型景品G1などを展示することができる。
【0059】
上記スロープ部材SLを装着した棚部材4であれば、上段側の棚部材4から落下した中型景品G2が自身のトレー部44に入り込むのを阻止でき、落下してきた中型景品G2を前方上面F1及び傾斜面F2上で滑動させて景品落下口7に落下させることができる。
【0060】
図4は、第1物品懸吊部材20の構成を示す説明図であり、図4(a)には、後述の係止部材21によってフック部材22に設けられたボールチェーン22dが係止されている状態の第1物品懸吊部材20が、図4(b)には、係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された状態の第1物品懸吊部材20が示されている。
【0061】
図4に示されるように、第1物品懸吊部材20は、第1装着部41に着脱自在に装着されてボールチェーン22dを任意の位置で係止することが可能な係止部材21と、小型景品G1を懸吊できるフック部材22と、係止部材21とフック部材22とを連索する繊維や軟質プラスチックなどで形成された紐状の連索部材23とを主体に構成される。
【0062】
ここで、フック部材22は、本体壁部22aと、その本体壁部22aの前方側に突起する鉤状に折り曲げられた円柱形状のフック部22bと、本体壁部22aの上方側に形成され、係止解除部材6のフォーク部材61と係合する円盤部22cと、円盤部22cに一端が固定され、その上端側を上方に突出した態様で係止部材21の係止孔H1に挿通されて係止されるボールチェーン22dとを主体に構成されている。なお、このフック部材22は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0063】
図5は、係止部材21の構成を示す説明図であり、図5(a)、(b)には、係止部材21を上方、下方から見た場合のそれぞれの分解斜視図が、図5(c)、(d)には、挟持片21a、21bが互いに接近(又は当接)した閉状態、及び、挟持片21a、21bが離間した開状態の係止部材21を上方から見た場合の平面図が示されている。
【0064】
図5(a)、(b)に示されるように、係止部材21は、ヒンジ部Hgを基点として開放口O側を離間させる態様で選択バサミ式に開閉自在とされた左右一対の挟持片21a、21bと、挟持片21a、21bを相互に接近させる閉方向に付勢する金属製バネなどの付勢部材21cとを主体に構成されている。なお、左右一対の挟持片21a、21bは、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0065】
上記挟持片21aは、挟持片21bに向かい合う辺上に切欠211を有しており、上記挟持片21bは、挟持片21aに向かい合う辺上に切欠(不図示)を有しており、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))では、上記2つの切欠により所定サイズの係止孔H1が形成されるようになっている。
【0066】
係止孔H1は、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))において、ボールチェーン22dのボールよりも小さいサイズであり、開放口O側からボールチェーン22dを挿入し、ボールを係止孔H1に係止させる態様でボールチェーン22dを保持することが可能である。
【0067】
また、ボールチェーン22dに対して係止解除部材6などによる下方向への牽引力が作用すると、係止孔H1のサイズより大きいボールが通過しようとするために挟持片21a、21bを相互に離間させる方向の力が作用することとなり、これにより係止部材21は、図5(d)に示すように、挟持片21a、21bが相互に離間した開状態となる。
【0068】
開状態では、係止孔H1のサイズが閉状態のときよりも大きくなるために、ボールは容易に係止孔H1を通過できることになる。従って、ボールチェーン22dに下方向への牽引力を掛け続けることで、ボールチェーン22dの全体を係止孔H1から引き抜き、係止部材21による係止を解除することが可能である。
【0069】
なお、挟持片21a、21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dの回転や曲げを許容するようすり鉢状の形状が与えられている。
【0070】
また、挟持片21a、21bには、棚部材4の係合片41cが嵌合する規制溝212、付勢部材21cが嵌合する嵌合溝213、棚部材4の規制溝41aに嵌合する係合片214、棚部材4の嵌装孔41bに嵌装される係合爪215が形成されており、挟持片21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dを傾斜した状態で固定乃至保持し、チェーン溝41eに案内するための傾斜保持部材216が突設されている。
【0071】
なお、上記ボールチェーン22dとしては、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することができるのはもちろんのこと、それ以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0072】
また、上述のボールチェーン状部材の他にも、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な紐状部材を使用することもできる。
【0073】
図6は、上述の第1物品懸吊部材20が棚部材4に装着された一態様を示す説明図である。
【0074】
図示の例では、4つの第1物品懸吊部材20A〜20Dの係止部材21が棚部材4における4カ所の第1装着部41に装着され、そのうちの3つの第1物品懸吊部材20A〜20Cでは、それぞれのボールチェーン22dがそれぞれの係止部材21で係止され、それぞれのフック部材22で小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1を懸吊しており、他方、残りの1つの第1物品懸吊部材20Dでは、遊技者により操作された係止解除部材6などにより係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除され、フック部材22に懸吊されていた小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1が落下した様子を示している。
【0075】
以上のように、上記第1物品懸吊部材20では、物品吊るし部材であるボールチェーン22dを係止する係止孔H1のサイズが、付勢部材21cの付勢力により維持されるように構成されているため、長期間の使用の間における係止孔H1における係止力の低下をより小さくすることが可能であり、長期間に渡って交換することなく使用することが可能な物品懸吊部材を提供することが可能である。また、想定以上の長期間に渡り使用をしたことで係止力が低下した場合であっても、第1物品懸吊部材20全てを交換するのではなく付勢部材21cを新しいものに交換することで、新品と同程度の係止力を取り戻すことができる。このため運用に係るコストを最小限に抑えることが可能となる。
【0076】
また、上記第1物品懸吊部材20では、鉤状のフック部22bを有するために、金属製のリングR、リング状にされたボールチェーンや紐などを取り付けられた景品、或いは、孔Hが形成された箱等に包装された景品等を簡単に懸吊することが可能である。
【0077】
また、アイキャッチなどを考慮して好ましいと考えられる方向に景品を向けて吊り下げた状態で、ボールチェーン22dを傾斜させて傾斜保持部材216において保持することにより、或いは更に、ボールチェーン22dをチェーン溝41eに収容することにより、景品の上記方向を固定することが可能であり、係止解除部材6が景品に当接する程度では、景品の方向が変わってしまわないようにすることも可能である。また、上記のようにボールチェーン22dの上端側を傾斜した状態で保持し、或いは更に、チェーン溝41eに収容することにより、上方の棚部材4から落下した景品が下方の棚部材4のボールチェーン22dに引っ掛かって払い出されないなどの不都合を防止するとの効果も達成することができる。
【0078】
また、上記第1物品懸吊部材20では、係止部材21はその係合片214や係合爪215等によって棚部材4に装着された状態にあり、フック部材22は連索部材23により係止部材21と連索されている。従って、係止解除部材6の操作等によって景品が落下した場合でも、係止部材21及びフック部材22が景品とともに落下、散乱等することが防止され、従って、繰り返し再利用可能な第1物品懸吊部材20を提供することが可能である。
【0079】
そして、第1物品懸吊部材20が繰り返し再利用可能であるが故に、従来の使い捨て要素の高かったフック部202と比べて、フック部の長さを長くしたり、フック部の径を太くして耐久性を上げるなどにより高級で係止が外れ難いフック部22bを設けることが可能であり、景品がフック部22bから外れて落下しないようにするために従来必要であった景品をフック部22bに接着テープ(AT)で留める作業を不要とすることが可能である。
【0080】
なお、上記では、フック部材22に複数のボールと、ボール同士を連結するボールよりも外形の小さいリンク部材により構成されるボールチェーン22dが取り付けられている場合を例として示したが、これに替えて、挟持片21a、21bが閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する紐状部材であって、外周からの外力により縮径可能な樹脂繊維等の材料で形成された紐状部材を使用することも可能である。
【0081】
図7は、第2物品懸吊部材30の構成を示す説明図であり、図7(a)〜(c)には、それぞれ、第2物品懸吊部材30を上方から見た斜視図が示されており、特に、図7(a)には、後述の懸吊部材34が棚部材4の支持孔42bに挿通され支持されている状態が示されており、図7(b)には、図7(a)の構成の一部が切り欠いた状態が示されており、図7(c)には、懸吊部材34が支持孔42bによる支持が解除されて当該支持孔42bから抜け落ちた状態が示されている。
【0082】
図示されるように、第2物品懸吊部材30は、第2装着部42の嵌装孔42aに着脱自在に装着される係合爪31aと、棚部材4の収容空間41dに収容嵌合される嵌合片31bとが形成され、棚部材4の裏面側で固定される本体部31と、その本体部31の前方側に着脱自在に取り付けられて後述の駆動部材35を挟持する係止部材32と、本体部31の後方側で一端が所定角度範囲内で回転可能に支持され、駆動部材35の作用により後述の懸吊部材34を前方側に牽引する略L字状の棒牽引部材33と、その棒牽引部材33のL字の角部分において一端が所定範囲内で回動可能に支持されるとともに、解放端が棚部材4の支持孔42bにおいて挿通支持される棒状又は板状の懸吊部材34と、係止解除部材6などにより所定量以上の力が加わった場合に上記棒牽引部材33を駆動して懸吊部材34を前方側に牽引する駆動部材35とを主体に構成される。
【0083】
ここで、本体部31は、左右一対の筐体片311、筐体片312を主体に構成される。そして、この本体部31には、左右一対の筐体片311、筐体片312を組み立てた場合の前方側に、上述の第1装着部41における規制溝41a、嵌装孔41b、係合片41c、収容空間41dと同様の構成を有する装着部313が形成されるとともに、その後方側には、棒牽引部材33を回動可能に支持する回動軸S1が一体的に形成され、更に、その内部には、後述の駆動部材35の紐状部材35aを案内支持する円弧状の案内面314{図7(b)参照}が形成されている。
【0084】
係止部材32は、上述の第1物品懸吊部材20における係止部材21と同一の構成を有するものであり、本体部31前方の装着部313に装着固定されるとともに、係止部材32を構成する開閉自在の一対の挟持片の間に所定サイズの係止孔が形成され、当該係止孔において紐状部材35aを係止するものである。
【0085】
棒牽引部材33は、略L字状の形態を成す部材であり、この棒牽引部材33には、前方側に、後述の駆動部材35の紐状部材35aが余裕をもって挿通することができる一方で、後述のトリガ部材35cの挿通を禁止する程度の径を有する挿通孔H2と、後述の懸吊部材34の回動軸S2を軸支する軸支孔H3と、回動軸S1が軸通される軸通孔H4とが形成されている。
【0086】
懸吊部材34は、棒状の形態を成す部材であり、この懸吊部材34には、一端に、軸支孔H3により軸支される回動軸S2が一体的に形成されており、他端が、棚部材4の支持孔42bに挿通される解放端となっている。
【0087】
駆動部材35は、遊技者により操作される係止解除部材6によって駆動される部材であり、長尺状の紐状部材35aと、その紐状部材35aの一端側に取り付けられた円盤状のターゲット部材35bと、紐状部材35aの他端側に取り付けられた上向き矢印状のトリガ部材35cとを主体に構成されている。そして、上記紐状部材35aは、その一端側を上記係止部材32に形成された係止孔に挿通させた状態で係止され、中央部を案内面314上に差し渡され、他端側を挿通孔H2に挿通させた状態とされている。
【0088】
なお、本体部31、棒牽引部材33、懸吊部材34及び駆動部材35(ターゲット部材35b及びトリガ部材35c)は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。また、本実施形態における紐状部材35aには、係止部材32の挟持片が閉状態のとき(図5(c)参照)の係止孔のサイズより大きい外径寸法を有し、外周からの外力が作用することでその外形寸法を縮小する樹脂繊維等の適宜の材料で形成された紐状の部材が使用されている。
【0089】
従って、ターゲット部材35bに下方向への牽引力が作用しない場合には、紐状部材35aを係止部材32の係止孔で締め付ける態様で係止し、ターゲット部材35bに下方向への牽引力が作用した場合には、係止孔よりも大きい外径の紐状部材35aが係止孔を通過しようとするために、係止部材32を構成する1対の挟持片が離間して係止孔のサイズが大きくなり(図5(d)参照)、紐状部材35aを下方に引き抜いていくことが可能である。
【0090】
上記第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6の操作によりターゲット部材35bが下方に牽引されると、紐状部材35aが上記態様で係止部材32から引き抜かれ、他端側のトリガ部材35cが上昇していくことになる。
【0091】
そして、トリガ部材35cが棒牽引部材33の挿通孔H2に当接して更に上昇した場合には、棒牽引部材33は回動軸S1の周りに回転して懸吊部材34を前方側に駆動し、やがて懸吊部材34が支持孔42bから抜けると、懸吊部材34は支持孔42bによる支持を失って回動軸S2の周りに下方に向けて落下する。
【0092】
なお、上記実施形態における駆動部材35においては、ターゲット部材35bとトリガ部材35cを連索する部材として、樹脂繊維等で構成される長尺状の紐状部材35aを使用する場合について説明したが、これ以外にも、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することもできる。また、それらボールチェーン以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる紐状部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0093】
図8は、上述の第2物品懸吊部材30の棚部材4における装着態様及び動作態様を示す説明図である。
【0094】
図8(a)の例では、1つの第2物品懸吊部材30の本体部31及び懸吊部材34が棚部材4の第2装着部42に装着され、懸吊部材34で中型景品(中型の人形等が入った箱)G2を懸吊しており、図8(b)の例では、上記図8(a)の状態から、遊技者により操作された係止解除部材6などによって、駆動部材35のターゲット部材35bが下方に牽引されて棒牽引部材33が前方に駆動され、これにより、懸吊部材34が棚部材4の支持孔42bから抜け落ちて中型景品G2が落下した様子を示している。
【0095】
上記第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6による牽引の対象となる紐状部材35a(及びターゲット部材35b)を係止する係止部材32と、物品を懸吊する懸吊部材34とがそれぞれ別個の部材とされている。従って、係止部材32の係止力の大小とは無関係に懸吊部材34における懸吊可能な景品の重量を自由に設定することが可能であり、それ故に、第2物品懸吊部材30では第1物品懸吊部材20に懸吊出来ない重量の大きい景品を懸吊することが可能である。また、係止部材32と懸吊部材34が別部材であるために、係止部材32及びこれに係止される紐状部材35a(及びターゲット部材35b)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触可能な位置(ガイドレール72やガイドポール81から近い位置)に配置する一方で、懸吊部材34(及び景品)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触できない位置(ガイドレール72やガイドポール81から遠い位置)に配置することが可能である。それ故に、第2物品懸吊部材30では第1物品懸吊部材20に懸吊できない程度にサイズの大きい景品を懸吊することが可能である。
【0096】
加えて、第2物品懸吊部材30は、第1物品懸吊部材20の係止部材21と同構成の係止部材32により紐状部材35aを係止する構成であるため、第2物品懸吊部材30における紐状部材35aの係止解除のための操作の態様、難易度、及び/又は、ゲーム性を第1物品懸吊部材20におけるボールチェーン22dの係止解除のためのそれと同様のものとすることが可能である。
【0097】
なお、本実施形態では、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有し、外周からの外力により縮径可能な紐状部材35aが使用される場合を例として示したが、これに替えて、第1物品懸吊部材20におけるボールチェーン22dと同様のボールチェーンを使用することも可能である。
【0098】
図1に戻って、本実施形態の係止解除部材6は、遊技者による上昇ボタン9a及び横走行ボタン9bの操作に応じて操作面(図1におけるXY面)で移動する部材であり、棚部材4に装着された第1物品懸吊部材20、第2物品懸吊部材30にそれぞれ懸吊されている小型景品G1、中型景品G2の係止を解除して小型景品G1、中型景品G2を落下させるために用いられる部材である。なお、本実施形態の係止解除部材6は、例えば、特許文献1(特許第3675566号公報)に開示される公知の係止解除部材(5)や係止解除部材(120)などと同様の構成とすることができるが、本実施形態では、上記係止解除部材(5)と同様の構成を採用した場合について説明する。
【0099】
図9は、本実施形態の係止解除部材6の構成を示す説明図であり、図9(a)が、係止解除部材6の駆動機構の斜視を示す説明図であり、図9(b)が、上記駆動機構の一部を省略した要部側面を示す説明図である。
【0100】
即ち、この係止解除部材6では、上記操作面で移動する本体部(ケース)60と、その本体部60に設けられて該本体部60の前方側から突出可能で前後方向(図1におけるZ方向)に伸縮自在の部材であり、第1物品懸吊部材20のボールチェーン22d及びフック部材22、或いは、第2物品懸吊部材30の紐状部材35a及びターゲット部材35bと係合することによりそれらを下方向に牽引するための楔状の切り込み61aが先端に形成されたフォーク部材61とを主体に構成されている。
【0101】
そして、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御されるソレノイド833aの駆動によって、ワイヤーWRが上下方向(Y方向)に駆動することにより、スプリングSPにより付勢されるプーリーPの前後方向(Z方向)の移動に伴う揺動バー62の揺動により、上記ワイヤーWRの駆動方向に応じてフォーク部材61が前後方向(Z方向)における前方向又は後方向に移動する。
【0102】
また、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される水平移動用モータ832a(図9に不図示)の回動によって、ネジ棒71a及びネジ棒71bが回動することにより、ガイドレール72a、ガイドレール72bにそれぞれ案内されるスライダー73a、スライダー73b及びガイドポール81とともに本体部60が上記回動方向に応じて左右方向(X方向)における左方向又は右方向に移動する。
【0103】
また、この係止解除部材6では、係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される鉛直移動用モータ831aの回動によって、ネジ棒82が回動することにより、ガイドポール81に案内されるスライダー83とともに本体部60が上記回動方向に応じて上下方向(Y方向)における上方向又は下方向に移動する。
【0104】
なお、この係止解除部材6は、ゲーム開始前における本体部60のホームポジションが決められており、左側の係止解除部材6では、左下方の隅が本体部60のホームポジションとされ、右側の係止解除部材6では、右下方の隅が本体部60のホームポジションとされている。
【0105】
そして、本実施形態では、遊技者などによって硬貨投入口10に所定のゲーム料金が投入された場合などのゲーム開始条件が成立した場合に、遊技者などによる上昇ボタン9aの操作及び上昇ボタン9aの操作後の横走行ボタン9bの操作を受け付ける態様となっており、本実施形態の係止解除部材6では、上記ゲーム開始条件が成立した場合に遊技者により上昇ボタン9aが押下され続けている間だけ本体部60が上昇し、上昇ボタン9aの押下が解除された場合に本体部60の上昇が停止し、続いて、遊技者により横走行ボタン9bが押下され続けている間だけ本体部60が横方向(左又は右)に走行し、横走行ボタン9bの押下が解除された場合に本体部60の横走行が停止する。その後、本体部60の横走行が停止した場合に、フォーク部材61が前方向に所定長だけ自動的に伸長し、所定長の伸長が完了した場合に、フォーク部材61が伸長した状態のまま本体部60が所定ストロークだけ自動的に下降する。その後、所定ストロークの下降が完了した場合に、フォーク部材61が元の位置に戻され、その後、本体部60が上述のホームポジションに戻される。
【0106】
なお、本実施形態の係止解除部材6では、フォーク部材61を駆動する駆動手段としてソレノイド833aを使用する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、フォーク部材61を駆動する駆動手段として、上記ソレノイドに替えてモータを使用することもできる。
【0107】
図10は、景品取得ゲーム機1におけるシステム構成を示す説明図である。
【0108】
図示されるように、本実施形態では、主制御基板80に、I/F80d及び信号線を介して設定受付部81、操作受付部82(82A、82B)、係止解除部材制御部83(83A、83B)、照明・音響制御部84、硬貨処理部85などが電気的に接続されている。
【0109】
ここで、主制御基板80は、景品取得ゲーム機1全体を統括的に制御する部分であり、CPU80aと、周辺装置を制御するための各種プログラム及びデータが格納されるROM80bと、演算用の作業データなどを一時記憶するRAM80cと、CPU80aと周辺装置との間における各種信号の授受を行うためのI/F80dと、それらを相互に接続するためのバス80eとから構成されている。
【0110】
設定受付部81は、設定パネルにおいて設定された各設定値を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスである。即ち、上記設定値に基づいて、主制御基板80の制御のもと係止解除部材6の前後方向(Z方向)における到達位置や戻り位置、自動下降距離などの調節が行われる。
【0111】
操作受付部82A、82Bは、操作パネル9の上昇ボタン9a、横走行ボタン9bからの信号を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスであり、上昇ボタン9aへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を基準位置から上方に駆動すべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該上昇ボタン9aへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の上方への駆動を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信し、他方、横走行ボタン9bへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を横方向に走行させるべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該横方向ボタン9bへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の横方向への走行を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信する。
【0112】
係止解除部材制御部83A、83Bは、主制御基板80からの制御信号に従って、係止解除部材6の制御を実行するものである。即ち、主制御基板80から係止解除部材6の上昇動作を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ831は、鉛直移動用モータ831aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6に上昇動作を実行させる。また、主制御基板80から係止解除部材6の横方向への走行を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ832は、水平移動用モータ832aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6を横方向へ走行させる処理を実行する。
【0113】
硬貨処理部85は、硬貨投入口10に投入された硬貨の識別処理を実行し、予め定められた額の正当な硬貨の投入を検知した場合に、硬貨検知信号を主制御基板80に送信する処理を実行し、照明・音響制御部84は、主制御基板80からの制御信号に従って、ゲームの進行状況等に応じた演出照明や効果音を出力するべく、照明装置8、スピーカ12等の制御を実行する。
【0114】
図11は、景品取得ゲーム機1において実行される処理の流れを示す説明図である。
【0115】
図示されるように、まず、ステップS1において、遊技者により所定のゲーム料金が硬貨投入口10に投入されると、ゲーム開始可能な状態に遷移し(ステップS1:YES)、続いて、ステップS2において、遊技者により上昇ボタン9aが押下されると(ステップ2:YES)、押下されている間中、鉛直移動用モータ831aの駆動により係止解除部材6が上昇し(ステップS3)、続いて、ステップS4において、遊技者により上昇ボタン9aの押下が解除されると(ステップS4:YES)、係止解除部材6の上昇が停止する。
【0116】
続いて、ステップS5において、遊技者により横走行ボタン9bが押下されると(ステップS5:YES)、押下されている間中、水平移動用モータ832aの駆動により係止解除部材6が横(右など)に走行し(ステップS6)、ステップS7において、遊技者により横走行ボタン9bの押下が解除されると(ステップS7:YES)、係止解除部材6の横走行が停止する。
【0117】
こうして遊技者による操作で移動した係止解除部材6が停止すると、ステップS8において、自動的にソレノイド833aを駆動してフォーク部材61を伸長し、続いて、ステップS9において、設定されている降下量だけ係止解除部材6とともにフォーク部材61を下降する。
【0118】
その後、ステップS10において、フォーク部材61を収縮し、続いて、ステップS11において、鉛直移動用モータ831a、水平移動用モータ832aを駆動して係止解除部材6を所定のホームポジションに帰還させ、その後、処理をステップS1に復帰させる。
【0119】
なお、上記実施形態では、1つの棚部材4には、第1物品懸吊部材20或いは第2物品懸吊部材30のいずれか一種類のみを装着する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図12に示すように、一つの棚部材4に、第1物品懸吊部材20及び第2物品懸吊部材30の両者を装着するような形態で使用することも可能である。
【0120】
ただし、この場合には、第1物品懸吊部材20におけるフック部材22やボールチェーン22dと、第2物品懸吊部材30における紐状部材35aやターゲット部材35bとがフォーク部材61の伸長方向(図1のZ方向)で重ならないような配置で上記第1物品懸吊部材20及び第2物品懸吊部材30の両者を取り付けることが好ましい。
【0121】
また、上記実施形態では、ボールチェーンや紐などの環状部材で本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)が懸吊される小型景品G1を第1物品懸吊部材20で懸吊する場合、上記環状部材をフック部22bに引っ掛ける態様で小型景品G1を懸吊する形態(図6参照)について説明したが、この形態では、上記環状部材が長い場合に、フック部材22と小型景品G1の本体部分の間に無駄なスペースL1(図6参照)が生じてしまい、上下方向Yにおける棚部材4の取付数が少なくなってしまうなどの不都合が生じる。
【0122】
そこで、上述のような不都合を解消するためのフック部材22の構成及び当該フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の態様について図13を用いて説明する。
【0123】
図13(a)は、上述のフック部材22の側面視を示す説明図であり、図13(b)は、上述のフック部材22の背面を上方から見た斜視を示す説明図であり、図13(c)〜(e)は、フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の一態様、及び、当該小型景品G1の係止解除の一態様を示す説明図である。
【0124】
上述の図4に示したフック部材22は、図13(a)、(b)などに良く示されているように、当該フック部材22の底部に、小型景品G1の本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)を懸吊するボールチェーンBCや紐などの環状部材を係合する浅めの溝が形成された係合溝201を備えるとともに、その係合溝201に係合された上記環状部材を本体壁部22aの背面側から正面側に案内係合する案内係合面202とを更に備えている。これにより、図13(c)に示される態様で小型景品G1がフック部材22に懸吊される。なお、図13(c)の懸吊態様においては、ボールチェーンBCを係合溝201と案内係合面202に係合させる際に、本体壁部22aの背面側に配置される中央板部材203の左右いずれか一方の側においてボールチェーンBCと案内係合面202の間に連索部材23が配置される態様で係合させる。これにより、連索部材23が小型景品G1の落下を妨げずに済む。
【0125】
そして、上記図13(c)の状態で、遊技者により移動操作される係止解除部材6の下降動作により係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された場合には、上記図13(a)の態様で懸吊された小型景品G1の重量によってフック部材22が連索部材23との連結部分を軸として、円盤部22cが前方下方に倒れるように回転し、円盤部22cが下方に配置され、底部が上方に配置される態様となることによって、まず、図13(d)に示されるように、係合溝201とボールチェーンBCの係合が解除され、続いて、図13(e)に示されるように、案内係合面202とボールチェーンBCの係合が解除されてボールチェーンBCのリング内からフック部材22に設けられたボールチェーン22dが抜けて小型景品G1が落下する。
【0126】
即ち、上記形態によれば、割りと長めのボールチェーンや紐などの環状部材で懸吊される小型景品G1を第1物品懸吊部材20で懸吊する場合においても、環状部材をフック部材22の背面側に回し込むことによって、フック部材22と小型景品G1の本体部分(むいぐるみや人形の部分)との間のスペースを少なくすることができ、これにより、上下方向Yにおける棚部材4の取付数を増加させることができる。
【0127】
以下、上記実施形態の各種変形形態について説明する。
【0128】
上記実施形態の第1物品懸吊部材20では、ボールチェーン22dを傾斜保持部材216で傾斜状態に保持することで、フック部22bに懸吊された小型景品G1の回転を抑止す場合について説明したが、この実施形態では、景品を適切と思う方向に向けて懸吊した状態を保ったまま、ボールチェーン22dを傾斜させてこれを傾斜保持部材216によって保持する作業が必要であるが、ボールチェーン22dを傾斜させ、或いは、これを傾斜保持部材216によって保持している途中で景品の向きが変わってしまう場合もあり、人によってはこの作業を面倒と感じる場合もある。
【0129】
そこで、上記の作業を一層容易化するために、第1物品懸吊部材20の変形形態である第1物品懸吊部材20Aを替わりに利用することもできる。
【0130】
図14(a)は、当該第1物品懸吊部材20Aの側面視を示す説明図である。
【0131】
図示されるように、この第1物品懸吊部材20Aでは、上述の係止部材21と同一構成の係止部材21と、上述のフック部材22に、ボールチェーン22dの一端を回動自在に支持する第1支持部材22eと、後述の連索部材23Aの一端に一体的に形成された筒状の回動部材23aを螺子状の回動軸S3を介して回動自在に支持する第2支持部材22fとを新たに追加したフック部材22Aと、上記回動部材23aが一端側に一体的に形成されるとともに、他端側が上記係止部材21Aの係合片214に固定される連索部材23Aとから構成される。
【0132】
即ち、この変形形態の第1物品懸吊部材20Aを採用すれば、小型景品G1を係止部材21から吊り下げた状態のまま、或いは、更に傾斜保持部材216でボールチェーン22dを傾斜保持した状態のまま小型景品G1の方向を調節することができ、アイキャッチの良い方向で景品を懸吊するための作業を極めて簡単に行うことが可能になる。
【0133】
なお、本変形形態に係る第1物品懸吊部材20Aにおいては、螺子状の回動軸S3の締め具合を調節することにより、回動部材23aの回動をし易くしたり、逆に回動しづらくすることが可能である。従って、回動部材23aの回動をある程度渋くすることにより、小型景品G1を正面に向けるようにフック部22bを回動させた後に、係止解除部材6との接触等で何らかの力が働いた場合にフック部22bが回転して小型景品G1が横を向いてしまうなどを防止することが可能である。
【0134】
また、上記変形形態以外にも、上述の第1物品懸吊部材20において、フック部材22に固定されていたボールチェーン22dの一端を、当該ボールチェーン22dが軸回転できるように取り付ける形態としても良いし、また、上記回動にある程度の負荷を必要とするような形態としても良い。このような構成によれば、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0135】
また、第2物品懸吊部材30においても、中型景品G2の態様に関係無く、中型景品G2を簡単に正面に向けることが可能な機構を追加的に備えることも可能である。このような構成によれば、第2物品懸吊部材30においても、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0136】
また、上記実施形態の第1物品懸吊部材20におけるフック部材22では、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材によりリング状にされたボールチェーンで吊り下げられる態様の小型景品G1を懸吊した場合に、当該リングチェーンの連結部材の部分で小型景品G1をフック部22bに係合すると、連結部材の幅よりフック部材の幅が狭いなどの理由から連結部材におけるボールの連結が解除され、それにより、小型景品G1が落下してしまうなどの不都合が発生する可能性がある。
【0137】
そこで、上述のような不都合を解消するために、第1物品懸吊部材20のフック部材22の変形形態であるフック部材22Bを替わりに利用することもできる。
【0138】
図14(b)は、当該フック部材22Bの上方斜視を示す説明図である。
【0139】
図示されるように、このフック部材22Bは、上述のフック部材22に、小型景品G1のボールチェーンが連結部材の部分で係合した場合の当該連結部材における連結解除を阻止するための台座22gを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22と同様なものである。より具体的には、台座22gは、連結部材の幅と同じか或いはそれ以上の幅Wを有する態様で形成されている。
【0140】
即ち、この変形形態のフック部材22Bを採用すれば、連結部材におけるボールの連結が解除されることを未然に防ぐことができるので、従来のように、連結部材におけるボールの連結が解除されて景品払出口11に落下した小型景品G1が遊技をしない遊技者などの第三者に持っていかれることによる施設側の損失を防ぐことが可能となるとともに、上述のような連結部材の解除により小型景品G1が景品払出口11に落下しているか否かなどのスタッフによる確認作業を無くすことができるので、スタッフの負担を軽減することも可能である。
【0141】
また、上記図4及び図14に示した実施形態に係るフック部材22、22A、22Bでは、小型景品G1に取り付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などをフック部材22に係合させる態様で小型景品G1を懸吊する形態が一般的である場合について説明したが、この形態では、例えば、径の大きいリングが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合には、径の大きいリングをフック部22bに引っ掛けるとリングの大部分(例えば、約3/4)が下方に露出してしまい、フック部22b或いは台座22gを軸に前後に揺動し易くなって安定しないなどの不都合が生じる。また、上述のようにリングの大部分が露出することで、その露出した部分を遊技者によりターゲットとして直接狙われてしまうことにより景品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になるなどの不都合を生じる。
【0142】
そこで、上述のような不都合を解消するために、上記フック部材22、22A及び22Bの変形形態であるフック部材22Cを替わりに利用することもできる。
【0143】
図15(a)は、当該フック部材22Cの上方斜視を示す説明図である。
【0144】
図示されるように、このフック部材22Cは、上述のフック部材22Bに、小型景品G1のリングRの大部分を本体壁部22aの前方面に当接させる態様で係合する先端が鉤状に折り曲げられた形状の係合突起部22hを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22Bと同様なものである。
【0145】
即ち、この変形形態のフック部材22Cを採用すれば、例えば、径の大きいリングRが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合において、リングRを係合突起部22hに係合させる態様で小型景品G1を懸吊させることにより、リングRの大部分(例えば、約3/4)が本体壁部22aの前方面に当接し、リングRが前後方向に揺動し難くなるため、小型景品G1の安定性を高めることができる。また、フック部22bより下方に露出するリングRの露出部分が少なくなることで、遊技者により上記露出部分をターゲットとして狙われることを防ぐことができるため、景品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になってしまうなどの不都合を未然に防ぐことができる。
【0146】
なお、上述したフック部材22Cによれば、ボールチェーン、紐などが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合においても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、上述した種々のフック部材22、22A、22B及び22C以外にも、例えば、上述の本体壁部22a及びフック部22b及び円盤部22cなどの部材を必要最低限備え、各フック部材22、22A、22B及び22Cにおける種々の構成要素のいずれかを組み合わせた態様のフック部材を利用することも可能である。
【0148】
また、上記実施形態の第2物品懸吊部材30では、係止解除部材6により駆動部材35が牽引された場合に、棒牽引部材33が回動軸S1の周りに回動することにより懸吊部材34が前方側に牽引されて支持孔42bから抜け落ちる形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図16に示す他の変形形態に係る第2物品懸吊部材30A、30Bを採用することも可能である。
【0149】
図16(a)に示される第2物品懸吊部材30Aは、例えば、上述の第2物品懸吊部材30における棒牽引部材33が省略され、上述の駆動部材35におけるトリガ部材35cを省略し、紐状部材35aの替わりにボールチェーン35a′が設けられ、そのボールチェーン35a'の一端側が係止部材32により係止され、他端側にターゲット部材35bが懸吊され、且つ、上記他端にロープ部材36の一端が取り付けられた駆動部材35Aと、上記ロープ部材36の他端に取り付けられ、所定の回動軸S4で回動自在に支持されるとともに、一端が棚部材4の背面板46に形成された支持部材48で回動自在に支持される懸吊部材34Aの解放端に形成された係合片34aを係合片37aで支持する係合解除部材37とを新たに備えるとともに、ターゲット部材35bが落下した際にロープ部材36によって係合解除部材37が前方側に牽引される方向にロープ部材36を案内する案内ローラーR1を更に設けた態様となっている。
【0150】
即ち、この構成では、遊技者により操作される係止解除部材6などによって係止部材32におけるボールチェーン35a'の係止が解除され、ターゲット部材35bが落下したことにより係合解除部材37が回動軸S4の周りで前方側に回動し、係合片37aと係合片34aの係合が解除されて懸吊部材34Aが支持部材48における回動軸の周りで下方に回動することにより、当該懸吊部材34Aに懸吊されていた中型景品G2が落下することになる。
【0151】
また、図16(b)に示される第2物品懸吊部材30Bは、例えば、上述の第2物品懸吊部材30における棒牽引部材33を省略するとともに、駆動部材35のトリガ部材35cを省略して替わりに紐状部材35aの他端を直接的に懸吊部材34Bの一端に取り付けた態様となっており、更に、駆動部材35のターゲット部材35bがある程度下降できるように懸吊部材34Bの長さを調節するとともに、懸吊部材34Bに懸吊される中型景品G2の紐などの吊るし部材と当該懸吊部材34Bとの係合を解除するための懸吊部材34Bを挿通できる径の開口を有する解除部材49を各支持孔42b毎に新たに備えるとともに、上記紐状部材35aを案内するための案内ローラーR2を更に設けた態様となっている。
【0152】
即ち、この構成では、遊技者により操作される係止解除部材6などによってターゲット部材35bが下方に牽引されることにより懸吊部材34Bが前方に牽引されて解除部材47から抜け落ちたときに、当該懸吊部材34Bに懸吊されている中型景品G2が落下する。
【0153】
また、上記実施形態では、棚部材4と別体の第2物品懸吊部材30を当該棚部材4の裏面側に装着する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、第1物品懸吊部材20を装着する第1装着部41を利用して上記第2物品懸吊部材と同様の機能を実現して中型景品G2を懸吊保持する懸吊機構を棚部材4に形成する形態とすることもできる。なお、この場合には、上記懸吊機構における連索部材などの可動部材の動作を遊技者が確認できるように棚部材4の全部又は一部(前方部分など)を透明又は半透明な部材で構成することが好ましい。このような構成によれば、シンプル且つ美しい外観の棚部材を提供することが可能である。
【0154】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能であり、例えば、上記実施形態における景品取得ゲーム機1、棚部材4、第1物品懸吊部材20、第2物品懸吊部材30等の形状、寸法、材質や色、景品取得ゲーム機1或いはその個々の部材の動作態様などは単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の一実施形態に係る景品取得ゲーム機の構成を示す説明図。
【図2】棚取付壁及びその棚取付壁に取り付けられる棚部材の構成を示す説明図。
【図3】棚部材の外観構成を示す説明図。
【図4】第1物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【図5】係止部材の構成を示す説明図。
【図6】小型景品がフック部材に懸吊されている第1物品懸吊部材が棚部材に装着された一態様を示す説明図。
【図7】第2物品懸吊部材の外観構成及び一部切り欠きの構成を示す説明図。
【図8】中型景品が懸吊棒部材に懸吊されている第2物品懸吊部材が棚部材に装着された一態様を示す説明図。
【図9】本実施形態に係る係止解除部材の構成を示す説明図。
【図10】景品取得ゲーム機におけるシステム構成を示す説明図。
【図11】景品取得ゲーム機において実行される処理の流れを示す説明図。
【図12】1つの棚部材に第1物品懸吊部材及び第2物品懸吊部材の両者を装着した様子を示す説明図。
【図13】フック部材の詳細な構成及びそのフック部材に対する小型景品の特殊取付の態様を示す説明図。
【図14】変形形態の第1物品懸吊部材及びフック部材の構成を示す説明図。
【図15】変形形態のフック部材の構成を示す説明図。
【図16】変形形態の第2物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【図17】従来の小型景品を懸吊する物品懸吊部材の構成を示す説明図。
【符号の説明】
【0156】
1・・・景品取得ゲーム機、2・・・ゲーム機本体部、3・・・景品室、4・・・棚部材、41・・・第1装着部、42・・・第2装着部、43・・・係合片、5・・・棚取付壁、6・・・係止解除部材、7・・・景品落下口、8・・・照明装置、9・・・操作パネル、10・・・硬貨投入口、11・・・景品払出口、12・・・スピーカ、13・・・収容扉、20、20A、20D・・・第1物品懸吊部材、21、21A・・・係止部材、21a、21b・・・挟持片、216・・・傾斜保持部材、H1・・・係止孔、21c・・・付勢部材、22、22A、22B・・・フック部材、22a・・・本体壁部、22b・・・フック部、22c・・・円盤部、22d・・・ボールチェーン、22g・・・台座、23、23A・・・連索部材、30、30A、30B・・・第2物品懸吊部材、31・・・本体部、32・・・係止部材、33・・・棒牽引部材、34、34A、34B・・・懸吊棒部材、35、35A・・・駆動部材、35a・・・紐状部材、35b・・・ターゲット部材、35c・・・トリガ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、
前記挟持片を閉状態に付勢する付勢手段とを有する係止部材であって、
前記挟持片は、閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔を形成する切欠を有し、
前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するよう構成され、
下端側に物品を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を前記係止孔において係止可能な前記係止部材を備え、
前記物品吊るし部材が牽引された場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記物品吊るし部材が下方へ移動可能となることを特徴とする物品懸吊部材。
【請求項2】
前記係止部材を景品取得ゲーム機内に据え付けられた棚部材に固定するための固定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の物品懸吊部材。
【請求項3】
前記係止孔よりも上端側において前記物品吊るし部材を傾斜した状態で保持する傾斜保持部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品懸吊部材。
【請求項4】
長尺状の物品吊るし部材、及び、前記物品吊るし部材の下端側に取り付けられた物品を係合して懸吊するフック部を有するフック部材と、
前記フック部材と前記係止部材とを連索する連索部材とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品懸吊部材。
【請求項5】
前記フック部が前記物品吊るし部材に対して回転可能に取り付けられており、
前記フック部材が、前記フック部の回転角度を調節する角度調整機構を介して前記連索部材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の物品懸吊部材。
【請求項6】
前記フック部の基端部に、前記フック部よりも幅広の台座が形成されており、前記フック部は、前記台座において物品を係合することを特徴とする請求項4又は5に記載の物品懸吊部材。
【請求項7】
前記物品吊るし部材は、前記挟持片が閉状態のときの前記係止孔よりも大きい外径を有する一列に配列された複数のボールと、隣接する前記ボールを連結する前記ボールよりも小径のリンク部材により構成されるボールチェーン、又は、前記挟持片が閉状態のときの前記係止孔よりも大きい外径を有し、外周からの外力により縮径可能な紐状部材であることを特徴とする請求項1〜6に記載の物品懸吊部材。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品懸吊部材を備えることを特徴とする景品取得ゲーム機。
【請求項1】
相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、
前記挟持片を閉状態に付勢する付勢手段とを有する係止部材であって、
前記挟持片は、閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの係止孔を形成する切欠を有し、
前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するよう構成され、
下端側に物品を懸吊した長尺状の物品吊るし部材を前記係止孔において係止可能な前記係止部材を備え、
前記物品吊るし部材が牽引された場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記物品吊るし部材が下方へ移動可能となることを特徴とする物品懸吊部材。
【請求項2】
前記係止部材を景品取得ゲーム機内に据え付けられた棚部材に固定するための固定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の物品懸吊部材。
【請求項3】
前記係止孔よりも上端側において前記物品吊るし部材を傾斜した状態で保持する傾斜保持部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品懸吊部材。
【請求項4】
長尺状の物品吊るし部材、及び、前記物品吊るし部材の下端側に取り付けられた物品を係合して懸吊するフック部を有するフック部材と、
前記フック部材と前記係止部材とを連索する連索部材とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品懸吊部材。
【請求項5】
前記フック部が前記物品吊るし部材に対して回転可能に取り付けられており、
前記フック部材が、前記フック部の回転角度を調節する角度調整機構を介して前記連索部材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の物品懸吊部材。
【請求項6】
前記フック部の基端部に、前記フック部よりも幅広の台座が形成されており、前記フック部は、前記台座において物品を係合することを特徴とする請求項4又は5に記載の物品懸吊部材。
【請求項7】
前記物品吊るし部材は、前記挟持片が閉状態のときの前記係止孔よりも大きい外径を有する一列に配列された複数のボールと、隣接する前記ボールを連結する前記ボールよりも小径のリンク部材により構成されるボールチェーン、又は、前記挟持片が閉状態のときの前記係止孔よりも大きい外径を有し、外周からの外力により縮径可能な紐状部材であることを特徴とする請求項1〜6に記載の物品懸吊部材。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品懸吊部材を備えることを特徴とする景品取得ゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−42055(P2010−42055A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206236(P2008−206236)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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