説明

暖められた中空壁部材を有している建物

【課題】本発明は、2層に形成された外壁部材(10)、ならびに同様に2層に形成された天井部材(40)および屋根部材(50)からなる建物に関する。
【解決手段】熱を供給する手段(30)は、複数の外壁部材(10)の下方領域のみに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁部材、屋根部材および場合によっては天井部材からなる建物に関し、少なくとも外壁部材は2層に形成されておりかつ複数のパネルを有し、これらのパネルは、スペーサ部材によって互いに間隔をあけて互いに接続されており、外壁部材に少なくとも1つの中空空間を形成し、外壁部材の複数のパネルの間の中空空間には、外壁部材の中空空間に熱を供給する手段が設けられている。
【背景技術】
【0002】
WO 02/22975 A1には、前提部分に記載の建物に関して、複数の中空空間を、適切な冷暖房手段に接続することによって、少なくとも2層に形成された壁部材の複数のパネルの間の中間空間を、建物の暖房または冷房のために用いるという思想が記述されている。
【0003】
DE 198 01 165 Cも、中空壁に暖房手段を設けることを提案する。この場合、暖房手段が、暖房される壁に広い面で接触しているパネルを有していることが意図されている。
【0004】
CH 687 884 Aからは、中空壁の内部に複数の据付通路を設けることが公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
WO 02/22975 A1から公知の建物を、熱伝導が、外壁を形成するパネルによって、少なくとも縮小される方向に、改善するという課題が、本発明の基礎になっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に基づいて、熱を供給する手段が、複数の外壁部材の下方領域のみに設けられていることによって、解決される。
【0007】
本発明の好ましくかつ好都合な他の実施の形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明に係わる建物の場合に、外壁および/または内壁を形成する壁部材が、暖房手段を有しているので、壁部材に形成された中空空間に熱を供給して、熱損失は減少され、または正しく補償されるという可能性が存する。この場合、まず第1に、壁部材の中空空間に設けられた暖房手段による熱供給を、建物も暖房されるように、大きく選択することは考えられない。
【0009】
本発明では、暖房手段の暖房部材は、外壁部材の中空空間の下方領域に設けられている。暖房部材が「敷居」の領域に設けられており、この敷居には外壁部材が立設されていることは、好都合である。
【0010】
本発明の他の詳細、特徴および利点は、本発明の好ましい実施の形態の、図面を参照した以下の記述から、明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係わる建物は、図に示された実施の形態では、外壁部材、内壁部材、天井部材および/または屋根部材からなっている。これらの部材は、少なくとも2層に形成されている。従って、本発明に係わる建物の部材の各々は、少なくとも1つの外側パネルと、少なくとも1つの内側パネルと、スペーサ・ブロックまたはスペーサ押縁のようなスペーサ部材とからなっている。これらのスペーサ部材は、間隔をあけて、部材のパネルを互いに接続している。
【0012】
本発明に係わる建物の外壁部材、内壁部材、天井部材および/または屋根部材を構成するパネルは木製材料からなり、この場合、チップボードが重要である。本発明の枠内では、多層パネル(OSBパネル)の形の、チップボードが好ましい。これらのチップボードは、予め定められた形および厚さを有している、長くて、細い、整列された木材チップおよび接着剤から製造されている。
【0013】
外層の木材チップは、パネルの長さまたはパネルの幅に平行に整列されていてもよい。中間層の木材チップは偶然的に整列されていてもよく、あるいは、一般的には、外層の木材チップに直角に整列されている。
【0014】
本発明のためには、予め定められた形および厚さを有している、長くて、細い、整列された木材チップからなるチップボードも、用いることができる。これらの木材チップは接着剤で結合されており、単層パネル(USBパネル)を形成する。この単層パネルでは、木材チップの整列はパネルの厚さ全体に亘って実質的に均一である。前記多層パネル(OSBパネル)の場合のような、横方向に向けられた中間層は、これらのチップボードの場合には、設けられていない。
【0015】
押縁またはブロックのようなスペーサ部材は、木製材料から、例えば、適切に裁断されたチップボードからなってもよい。スペーサ部材(押縁またはブロック)は、中実木製品であってもよい。
【0016】
本発明に係わる部材の内側パネルおよび外側パネルが接着剤でスペーサ部材と結合されていることは、好ましい。ねじ、釘等も設けられていてもよい。しかし、ねじ、釘等は、まず第1に、接着層が固まるまで、本発明に係わる部材を押さえつけるために用いられる。
【0017】
本発明では、天井および屋根を必ずしも暖房または冷房する必要がない。
【0018】
壁部材が2つの部分にデザインされることは好都合である。この場合、一部分は、壁部材の下端に設けられている敷居部材である。敷居部材および壁部材は、組込み後に、ユニットになっている。敷居部材には、家屋のための暖房手段が統合されていてもよい。
【0019】
暖房部材が敷居部材の領域に設けられている場合、上昇下降するエア・カラムによって壁部材の中間空間への熱伝導がなされる。
【0020】
暖房部材(金属またはプラスチックまたは複合材料からなる水の入った管)の流れ温度は、例えば40°ないし75℃であってもよい。流れ温度の選択によって、エア・カラムの高さも規定されている。すなわち、所望の高さ、例えば1mの高さ、1.5mの高さまたは2mの高さまで壁が暖房される。
【0021】
本発明に係わる特徴を有している建物を、外壁および/または内壁を介して暖房することができる。
【0022】
この暖房手段が空気を循環させるための追加の手段(例えばファン)なしの自然循環暖房であることは、本発明では好都合である。本発明に係わる建物内で発熱部材として見なされる管は、発熱面を拡大するために、追加の熱伝導用薄板または熱伝導用棒をもって形成されていてもよい。
【0023】
図1が示すように、本発明に係わる建物の外壁を、複数の外壁部材10から形成することができる。各々の外壁部材10は、2つのパネル11からなっている。これらのパネルは、スペーサ押縁12によって互いに間隔をあけて保たれており、スペーサ押縁12によって互いに結合されている。
【0024】
図1で上下に重なり合っている2つの外壁部材10のうちの下方の外壁部材は、敷居20に立設されている。この敷居は任意の材料からなってもよく、例えば、木製材料、プラスチック、金属または鉱物性の材料、例えばコンクリート等で製造されていてもよい。
【0025】
敷居20は、水平方向に整列された下方のウェブ21と、上に突出している2つの脚部22とからなる実質的にU字形の横断面形状を有している。下方の外壁部材10のパネル11は、敷居20の脚部22の、上向きの端部に立設されている。
【0026】
敷居20に形成された、上方が開いた中空空間の、その領域には、暖房手段30が設けられている(図2)。この暖房手段は発熱型の棒31からなっている。この棒は、図示した実施の形態では、暖房媒体が貫流する管32である。棒31はホルダー33に載置されている。ホルダー自体は、絶縁層34を介して、敷居20のウェブ21の、上向き面に立設されている。暖房用棒31が、ホルダー33に設けられた上向きの空隙36に容易に収容されている、例えば挿入されていることは好ましい。
【0027】
図1および図2ないし2cに示すように、ホルダー33の上向きの面35は、傾斜していてもよい。それ故に、ホルダー33は、壁部材10を敷居20に取り付ける際の心出し補助手段としても用いられる。
【0028】
図2は、図1に示した装置の下部を、拡大して示している。
【0029】
図2aに示した実施の形態では、敷居20の2つの脚部22従ってまたホルダー33は、図2に示した実施の形態よりも高く形成されている。
【0030】
図2bには、敷居20の脚部22´が取外し可能である実施の形態が示されている。それ故に、壁部材10が既に敷居20に立設された後でも、暖房手段31の管32は、ホルダー33に形成された、側方が開いた空隙36´へ、側方から挿入されることができる。このことは、例えば、後で管32を挿入または交換することだけでなく、修繕を行なうことも可能にする。
【0031】
図2cは図2bの実施の形態の変形を示している。この実施の形態では、ホルダー33は、図1および2に示した実施の形態のように、管32を挿入するための、上方が開いた空隙36を有している。但し、ここでも、敷居20の脚部22´が取外し可能に形成されている。
【0032】
暖房手段31の管32は、フィン付きの管32および/または棒、ディスクまたはプレートの形の外側延長部を有している管であってもよい。その目的は、管32の発熱面を拡大するためである。ホルダー30が金属からなるとき、ホルダーも、暖房手段31の管32の発熱面の拡張部として作用する。
【0033】
図3では、2つの上下に設けられた壁部材10および敷居20からなる配列が斜視図で示されている。ホルダー33が敷居20の長さに亘って配設されており、例えば、複数の(2つの)ホルダー33のグループに纏められていることが示されている。
【0034】
暖房用棒31を通って、壁部材10の複数のパネルの間の中空空間13に熱が放出される。この場合、放出される熱の量が、複数の壁部材10から組み立てられた建物の内部から外へ熱が出るときに生じる熱損失が、正しく補償されるように、選択されることは好ましい。壁部材10から形成された壁のK値が、いわば、ゼロに減少される。
【0035】
外部温度が、複数の壁部材10から組み立てられた建物の内部の温度よりも、高い場合にも、同様のことを適用することができる。このような場合に、冷房手段が設けられている。このような冷房手段が、建物の、複数の壁部材10から組み立てられた壁の上端の領域に設けられていることは好ましい。
【0036】
ホルダー33は任意の材料からなっていてもよい。ホルダー33がプラスチック等または木製材料から形成されていることは好ましい。
【0037】
熱媒体が貫流される管32の代わりに、暖房用棒31が電気的な抵抗加熱棒または抵抗加熱ワイヤであってもよい。
【0038】
壁部材10の中空空間を通って上方に流れる、暖められた空気の、図2で矢印2によって示された流れを、複数の天井部材40によって形成された中間天井の領域で妨げないために、図4および5に示すように、天井部材40を外壁部材10に接続する接続領域には、空隙41が設けられている。このことの結果として、図4および5が示すように、外壁部材10の中空空間13を通って上方に流れる、暖められた空気が、天井部材40によって妨げられないことが生じる。何故ならば、空気は空隙41を通って上方に流れることができるからである。上下に重なっている複数の壁部材10の間の天井部材40の、側方の端面は、閉鎖プレート42によって、閉じられている。天井部材40も、スペーサ押縁によって互いに間隔をあけて結合(接着)されている2つのパネルからなっている。
【0039】
図6および7が示すように、外壁部材10の中空空間を通って流れる、暖められた空気を、屋根部材50に流入させるための、そこでも熱損失を補償するための、従って、屋根領域でのK値を減少し、あるいは好ましくはゼロに下げるための、措置を講じることができる。このことを達成するために、図6および7が示すように、屋根部材50の下方パネル51に空隙52が設けられている。それ故に、屋根部材50の複数のパネルの間の中空空間が、複数の壁部材10の間の中空空間13と連通している。屋根部材50の複数のパネルの間の中空空間は、壁部材10の外側のパネル11の領域で、プレート53によって閉じられている。
【0040】
かくて、敷居20の領域に設けられた暖房手段30によって放出される熱の流れが、複数の外壁部材10の中空空間13を通って屋根部材50の中空空間まで流れるのを、天井部材40によって妨げられないことが保証されている。かようにして、本発明に係わる建物の外壁全体を「絶縁する」ことが可能である。それ故に、熱損失は、壁部材10と、天井部材40と屋根部材50とによって形成される、建物の外層によって、防止される。
【0041】
図8および9は、夫々、斜視図および断面図で、棟領域で2つの当接している屋根部材(部分的に図示)50のデザインを示し、そこでも、屋根部材50の複数の中空空間が互いに連通していることを示している。図10ないし13は、外壁部材10と、天井部材40と屋根部材50とを有している本発明に係わる建物の隅を示している。図10ないし13が示すように、外壁部材10に形成された中空空間が、屋根部材50に形成された中空空間と連通することができる。何故ならば、適切な空隙41および52が天井部材40および屋根部材50の縁部領域に設けられているからである。
【0042】
暖房手段30を有し、壁部材、例えば外壁部材10が載置されている敷居の、図14に示された実施の形態では、暖房手段30が、U型締具61によって、長手方向に延びている支持体60に取り付けられている。U型締具61の脚部は支持体60に取り付けられている。
【0043】
支持体60自体は異形押縁(Profilleiste)62によって支持されている。異形押縁はウェブ63と、このウェブから上方に突出している2つの脚部64とを有している。脚部64は、突出部65(長手方向に延びているリブまたはノッブ)を介して、長手方向に延びている支持体60の側面に接触している。異形押縁62は、絶縁層60を介して、絶縁層の下側に設けられた構成部材に載置されている。
【0044】
図14に示された敷居は、壁部材10の下側に設けられている。それ故に、暖房手段30、特に、暖房手段の管32が、壁部材10の複数のパネル11の間の中空空間13に位置している。
【0045】
暖房手段30を有している敷居のこのタイプの配列のための使用例が、図15ないし17に示されている。
【0046】
要約すれば、本発明の実施の形態を以下のように説明することができる。
【0047】
建物は2層に形成された壁部材10および天井部材40と、同様に2層に形成されている天井部材50とからなっている。壁部材10の下端は敷居20に立設されている。敷居には、暖房手段30が設けられている。暖房手段30は、壁部材10の、天井部材40のおよび屋根部材50の複数のパネル11の間の中空空間13に多くの熱を放出する。それ故に、建物の外層による熱伝導によって失われる熱は、少なくとも部分的に、特に完全に補償される。
【0048】
結果的には、建物の外壁および/または屋根部材による熱伝導がゼロにまたはほとんどゼロに減少される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】2つの上下に重ねて立てられる壁部材からなる、発明に係わる建物の壁部材を、部分断面図で示している。
【図2】壁部材の詳細を拡大して示している。
【図2a】変更の実施の形態の壁部材の詳細を拡大して示している。
【図2b】壁部材の他の実施の形態を示している。
【図2c】壁部材の敷居の領域における第3の実施の形態を示している。
【図3】壁部材を斜視図でかつ部分切取図で示している。
【図4】天井部材が壁部材に接続している接続領域を斜視図でかつ部分切取図で示している。
【図5】図4の垂直断面を示している。
【図6】屋根部材が壁部材に接続している接続領域を斜視図でかつ部分切取図で示している。
【図7】図6の垂直断面を示している。
【図8】棟領域で互いに隣接している2つの屋根部材を斜視図でかつ部分切取図で示している。
【図9】図8の垂直断面を示している。
【図10】角継手で互いに隣接しておりかつ天井部材および屋根部材からなる2つの壁部材を、斜視図で示している。
【図11】図10の角部分を分解図で示している。
【図12】斜め下から見た、図10の隅を示している。
【図13】図12の隅の図を分解図で示している。
【図14】壁部材の下方領域における他の実施の形態を示している。
【図15】図14に示した実施の形態のための組立の例を示している。
【図16】図14に示した実施の形態のための他の組立の例を示している。
【図17】図14に示した実施の形態のための第3の組立の例を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁部材(10)、屋根部材(50)および場合によっては天井部材(40)からなる建物であって、少なくとも前記外壁部材(10)は、2層に形成されておりかつ複数のパネル(11)を有し、これらのパネルは、スペーサ部材(12)によって互いに間隔をあけて互いに接続されており、前記外壁部材(10)に少なくとも1つの中空空間(13)を形成し、前記外壁部材(10)の複数のパネル(11)間の前記中空空間(13)には、前記外壁部材(10)の前記中空空間に熱を供給する手段(30)が設けられており、
この熱を供給する前記手段(30)は、複数の外壁部材(10)の下方領域のみに設けられていること(図1,3,4ないし7)を特徴とする建物。
【請求項2】
前記熱を供給する手段(30)は、敷居(20)に設けられており、この敷居に前記外壁部材(10)が立設されていること(図2)を特徴とする請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記敷居(20)は、U字形の横断面形状を有していること、および前記外壁部材(10)の前記パネル(11)は、前記敷居(20)の、上向きの脚部(22)に立設されていること(図2)を特徴とする請求項2に記載の建物。
【請求項4】
前記暖房手段(30)は、棒状の熱源(31)を有していること(図2)を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の建物。
【請求項5】
前記棒状の熱源(31)は、電気的な抵抗加熱棒または加熱ワイヤであることを特徴とする請求項4に記載の建物。
【請求項6】
前記棒状の熱源(31)は、熱媒体が貫流される管(32)であること(図2)を特徴とする請求項4に記載の建物。
【請求項7】
前記棒状の熱源(31)は、実質的にU字形のホルダー(33)に挿入されており、このホルダーは前記敷居(20)の上向きの中空空間に挿入されていること(図2)を特徴とする請求項4または5に記載の建物。
【請求項8】
前記敷居(20)の前記ホルダー(33)とウェブ(21)との間には、絶縁層(34)が設けられていること(図2)を特徴とする請求項7に記載の建物。
【請求項9】
前記棒状の熱源(31)のための上向きの収容空間(36)の脇に設けられた、前記ホルダー(33)の端面(35)は、前記敷居(20)の前記脚部(22)に向かって傾斜した状態で整列されていること(図2)を特徴とする請求項7または8に記載の建物。
【請求項10】
前記外壁部材(10)に接続する前記天井部材(40)の領域には、複数の開口部(41)が設けられていること(図4,5)を特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の建物。
【請求項11】
前記開口部(41)は、前記天井部材(40)のパネルに設けられていることを特徴とする請求項10に記載の建物。
【請求項12】
前記天井部材(40)の側方端部は、プレート(42)によって閉じられていること(図4,5)を特徴とする請求項11または12に記載の建物。
【請求項13】
前記屋根部材(50)の、使用位置が下方のパネルには、複数の空隙(52)が設けられていること(図6,7)を特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載の建物。
【請求項14】
前記屋根部材(50)の側方端部は、プレート(53)によって閉じられていること(図6,7)を特徴とする請求項13に記載の建物。
【請求項15】
前記閉鎖プレート(42)または(53)は、前記壁部材(10)の前記外側パネル(11)と一直線に並んでいること(図4ないし7)を特徴とする請求項12または14に記載の建物。
【請求項16】
前記暖房手段(30)の前記管(32)は、前記敷居(20)の領域で、ホルダー(61)によって、前記壁部材(10)の前記中空空間(13)の下方領域に設けられた長手方向に延びている支持体(60)に取り付けられていること(図14)を特徴とする請求項1ないし15のいずれか1に記載の建物。
【請求項17】
前記支持体(60)は異形押縁(62)に保持されていること(図14)を特徴とする請求項16に記載の建物。
【請求項18】
前記異形押縁(62)は、水平方向のウェブ(63)を有し、このウェブには、前記壁部材(10)の前記パネル(11)の下端に立設されていることを特徴とする請求項17に記載の建物。
【請求項19】
前記異形押縁(62)は、前記水平方向のウェブ(63)から突出する複数の脚部(64)を有し、これら脚部間には、前記長手方向に延びている支持体(60)が設けられていること(図14)を特徴とする請求項17または18に記載の建物。
【請求項20】
前記脚部(64)は、突出部(65)を介して、前記長手方向に延びている支持体(60)の側面に接触していること(図14)を特徴とする請求項19に記載の建物。
【請求項21】
前記突出部(65)は、長手方向に延びているリブであることを特徴とする請求項20に記載の建物。
【請求項22】
前記突出部(65)は、ノッブ状の突出部であることを特徴とする請求項21に記載の建物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁部材(10)、屋根部材(50)および場合によっては天井部材(40)からなる建物であって、少なくとも前記外壁部材(10)は2層に形成されており、かつ複数のパネル(11)を有し、これらパネルは、スペーサ部材(12)によって互いに間隔をあけて互いに接続されており、前記外壁部材(10)に少なくとも1つの中空空間(13)を形成し、前記外壁部材(10)の下方領域で、前記外壁部材(10)の複数のパネル(11)の間の前記中空空間(13)に、前記外壁部材(10)の前記中空空間に熱を供給する手段(30)が設けられており、
この熱を供給する手段(30)は、敷居(20)のみに設けられており、この敷居には前記外壁部材(10)が立設されていること(図2)を特徴とする建物。
【請求項2】
前記敷居(20)は、U字形の横断面形状を有していること、および前記外壁部材(10)の前記パネル(11)は、前記敷居(20)の、上向きの脚部(22)に立設されていること(図2)を特徴とする請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記暖房手段(30)は、棒状の熱源(31)を有していること(図2)を特徴とする請求項1または2に記載の建物。
【請求項4】
前記棒状の熱源(31)は、電気的な抵抗加熱用棒または加熱ワイヤであること特徴とする請求項3に記載の建物。
【請求項5】
前記棒状の熱源(31)は、熱媒体が貫流される管(32)であること(図2)を特徴とする請求項3に記載の建物。
【請求項6】
前記棒状の熱源(31)は、実質的にU字形のホルダー(33)に挿入されており、このホルダーは前記敷居(20)の上向きの中空空間に挿入されていること(図2)を特徴とする請求項3または4に記載の建物。
【請求項7】
前記敷居(20)の前記ホルダー(33)とウェブ(21)との間には、絶縁層(34)が設けられていること(図2)を特徴とする請求項6に記載の建物。
【請求項8】
前記棒状の熱源(31)のための上向きの収容空間(36)の脇に設けられた、前記ホルダー(33)の端面(35)は、前記敷居(20)の前記脚部(22)に向かって傾斜した状態で整列されていること(図2)を特徴とする請求項6または7に記載の建物。
【請求項9】
前記外壁部材(10)に接続する前記天井部材(40)の領域には、複数の開口部(41)が設けられていること(図4,5)を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の建物。
【請求項10】
前記開口部(41)は、前記天井部材(40)のパネルに設けられていることを特徴とする請求項9に記載の建物。
【請求項11】
前記天井部材(40)の側方端部は、プレート(42)によって閉じられていること(図4,5)を特徴とする請求項9または10に記載の建物。
【請求項12】
前記屋根部材(50)の、使用位置が下方のパネルには、複数の空隙(52)が設けられていること(図6,7)を特徴とする請求項1ないし11のいずれか1に記載の建物。
【請求項13】
前記屋根部材(50)の側方端部は、プレート(53)によって閉じられていること(図6,7)を特徴とする請求項12に記載の建物。
【請求項14】
前記閉鎖プレート(42)または(53)は、前記壁部材(10)の前記外側パネル(11)と一直線に並んでいること(図4ないし7)を特徴とする請求項11または13に記載の建物。
【請求項15】
前記暖房手段(30)の前記管(32)は、前記敷居(20)の領域で、ホルダー(61)によって、前記壁部材(10)の前記中空空間(13)の下方領域に設けられた長手方向に延びている支持体(60)に取り付けられていること(図14)を特徴とする請求項1ないし14のいずれか1に記載の建物。
【請求項16】
前記支持体(60)は、異形押縁(62)に保持されていること(図14)を特徴とする請求項15に記載の建物。
【請求項17】
前記異形押縁(62)は、水平方向のウェブ(63)を有し、このウェブには、前記壁部材(10)の前記パネル(11)の下端に立設されていることを特徴とする請求項16に記載の建物。
【請求項18】
前記異形押縁(62)は、前記水平方向のウェブ(63)から突出する複数の脚部(64)を有し、これらの脚部の間には、前記長手方向に延びている支持体(60)が設けられていること(図14)を特徴とする請求項16または17に記載の建物。
【請求項19】
前記脚部(64)は、突出部(65)を介して、前記長手方向に延びている支持体(60)の側面に接触していること(図14)を特徴とする請求項18に記載の建物。
【請求項20】
前記突出部(65)は、長手方向に延びているリブであることを特徴とする請求項19に記載の建物。
【請求項21】
前記突出部(65)は、ノッブ状の突出部であることを特徴とする請求項20に記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−507432(P2006−507432A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550541(P2004−550541)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/AT2003/000314
【国際公開番号】WO2004/044341
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505172307)
【Fターム(参考)】