説明

暖房器具の制御装置

【課題】暖房器本体に離れた場所から燃焼開始の指示を与えることが出来るリモコン装置で、誤操作や物の落下等で不用意に燃焼が開始されないようにする。
【解決手段】暖房器本体1と、該暖房器本体1に制御信号を赤外線で送信するリモコン装置7とを備え、前記リモコン装置7から暖房器本体1への少なくとも運転開始信号は、所定のスイッチの第1操作でタイマー手段8が所定時間のカウントを開始し、この所定時間以内の次のスイッチの第2操作で送信されるようにしたので、必ず2操作しなければ運転開始の信号が送信されないので、子供のいたずら又はペットや物の落下等によって人のいない時或いは使用者が意図していないにもかかわらず、燃焼が開始されてしまうような危険がなく、安心して使用出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、FF式ストーブやファンヒーターと言われる暖房器具の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、暖房器本体から離れた場所からでも該暖房器本体を制御するようにワイヤレス式のリモコン装置を備え、その使用上の便利さを計るものであり
、又このリモコン装置にはロックスイッチを備えて該ロックスイッチをONすることで、消火指示しか受付ないようにすることで、誤操作や子供のいたずら又はペットや物の落下等によって使用者の意図に反してリモコン装置のスイッチが押圧される事による危険を防止するものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】実公平1−25240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、ロックスイッチを設けたとしてもこのスイッチをON操作しなければロック状態とはならない為、上記の危険を確実に防止することは出来ず、特に暖房器本体の燃焼を開始させる運転スイッチもリモコン装置に備えられているので、子供のいたずら又はペットや物の落下等によって人のいない時或いは使用者が意図していないにもかかわらず、燃焼が開始され知らないうちに暖房が行われ、燃料の無駄は勿論、それより無人の燃焼で火災等の大きな災害につながる問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、暖房器本体と、該暖房器本体に制御信号を赤外線で送信するリモコン装置とを備え、前記リモコン装置から暖房器本体への少なくとも運転開始信号は、所定のスイッチの第1操作でタイマー手段が所定時間のカウントを開始し、この所定時間以内の次のスイッチの第2操作で送信されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、必ず2操作しなければ運転開始の信号が送信されないので、子供のいたずら又はペットや物の落下等によって人のいない時或いは使用者が意図していないにもかかわらず、燃焼が開始されてしまうような危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に誤操作を防止しながら複雑な操作を強いることなく、簡単な2操作で運転開始までもリモコンで可能としたことにより、極めて利便性が向上し使用勝手が良いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次にこの発明に係る暖房器具の制御装置を図面に示された好適な一実施形態で説明する。
1は内部にバ−ナ部を備え、背面に備えられた対流ファン(図示せず)よりの送風で燃焼熱をそのまま温風として、温風吹出口2より放出して室内の暖房を行うファンヒ−タ−と言われる暖房器本体である。
【0007】
3は前記暖房器本体1上面に設けられた表示部で、赤外線信号を受信する受信部4を備えると共に、種々の運転状態を表示するランプ群5と、室温及び設定温度及びタイマ−時間をそれぞれ切替表示するデジタル表示6とを備えている。
【0008】
7は複数のプッシュ式のスイッチを備え、暖房器本体1を離れた所から赤外線信号を発して制御するカ−ド型のリモコン装置で、押圧される毎にタイマー手段8がカウントを開始して3秒間の所定時間の間リモコン装置7を運転開始を出力可能のスタンバイ状態に保持する運転1スイッチ9と、このスタンバイ状態の時に押圧されることで暖房器本体1に運転開始の指示信号を出力させると共に、再度押圧されることで暖房器本体1に運転停止の信号を出力させる運転2スイッチ10と、運転開始から3時間後に自動的に消火させる3時間タイマ−の延長スイッチ11、設定時間後に自動的に運転開始させる点火タイマ−動作を行わせるタイマ−スイッチ12、タイマ−時間及び設定温度の調節用アップ、ダウンスイッチ13、14が備えられている。
【0009】
次に図4に示す電気回路図について説明すれば、15は暖房器本体1内に備えられた記憶、演算、カウントによるタイマ−手段及び判定機能等を有したマイクロコンピュ−タ−(以下マイコンと称す)から成る主制御装置で、入力側には受信部4及び室温を検知するサ−ミスタから成る室温センサ−16を接続し、又出力側にはランプ群5及びデジタル表示6及び暖房器本体1の駆動回路17が接続されている。
【0010】
18はリモコン装置7内に備えられたタイマー手段8を内蔵したマイコンから成る副制御装置で、入力側には運転1スイッチ9、運転2スイッチ10、延長スイッチ11、タイマ−スイッチ12、調節用アップ、ダウンスイッチ13、14が備えられ、出力側にはスイッチング素子20を介して赤外線信号を発する発信部21を備えており、前記各スイッチの押圧を副制御装置18が判断し、スタンバイ状態や制御信号を発信部21を介して主制御装置15に入力させ各種の運転制御を行わせるものである。
【0011】
前記運転開始信号の3秒間のスタンバイ状態が経過した後は、タイマー手段8がクリアーされて運転2スイッチ10による運転開始信号の出力指示を無効とするものであり、又リモコン装置7及び暖房器具本体1のどちらかに、このスタンバイ状態を表示するランプ等の表示を設けると、運転開始の指示信号が入らない理由がリモコン装置7の電源切れ等の他の理由で発生しているものとの区別がつき、更に使用便利となる。
【0012】
又このリモコン装置7の運転1スイッチ9と運転2スイッチ10は、リモコン装置7の表面より窪んだ状態で取り付けられ、リモコン装置7の表面を触ったり、裏返しになってもスイッチが入らないように工夫され、安全性を高めているものである。
【0013】
次にこの一実施形態の作動について図5のフロ−チャ−トに従って説明する。
今暖房器本体1が運転停止の時、リモコン装置7の運転1スイッチ9を押圧すれば(ステップ22)、そしてステップ23でタイマー手段8が3秒間のカウントを行うスタンバイ状態となり、ステップ24で3秒間の所定時間経過したかを判断し、YESではステップ25でクリアーとなり、NOではステップ26でこのスタンバイ中に運転2スイッチ10が押圧されるかを見て、押圧されればYESでステップ27でリモコン装置7から暖房器本体1に運転開始の信号を出力させて、該暖房器本体1が燃焼を開始し暖房運転を行うものである。
【0014】
従って、暖房器本体1の運転開始も器具から離れた位置からリモコン装置7で操作することが出来、極めて便利であり、更にこの運転開始の信号は、必ず2操作しなければ運転開始の信号が送信されないので、子供のいたずら又はペットや物の落下等によって人のいない時或いは使用者が意図していないにもかかわらず、燃焼が開始されてしまうような危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に誤操作を防止しながら複雑な操作を強いることなく、簡単な2操作で運転開始までもリモコンで可能としたことにより、極めて利便性が向上し使用勝手が良いものである。
【0015】
次に他の実施形態である図6について、前記一実施形態と同一部分は同一符号を付し、相違する部分のみを説明する。
28は運転開始スイッチで、一回目の押圧でタイマー手段8が3秒間のカウントを行うスタンバイ状態となり、このスタンバイ中に前記運転開始スイッチ28押圧解除後の二回目の押圧で、リモコン装置7から暖房器具本体1へ運転開始信号が出力されるものであり、一つのスイッチの複数回操作で行われるので、極めて操作性及び使用勝手が良いものである。
29は運転停止スイッチである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明一実施形態を付した暖房器具の斜視図。
【図2】同リモコン装置の平面図。
【図3】同リモコン装置の断面図
【図4】同電気回路図。
【図5】同フロ−チャ−ト。
【図6】他の実施形態を示すリモコン装置の平面図。
【符号の説明】
【0017】
1 暖房器本体
7 リモコン装置
8 タイマー手段
9 運転1スイッチ
10 運転2スイッチ
28 運転開始スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房器本体と、該暖房器本体に制御信号を赤外線で送信するリモコン装置とを備え、前記リモコン装置から暖房器本体への少なくとも運転開始信号は、所定のスイッチの第1操作でタイマー手段が所定時間のカウントを開始し、この所定時間以内の次のスイッチの第2操作で送信されるようにした事を特徴とする暖房器具の制御装置。
【請求項2】
前記第1操作と第2操作は、同一のスイッチを使用して行われる事を特徴とする請求項1記載の暖房器具の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−138532(P2006−138532A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327807(P2004−327807)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】