説明

有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法

【課題】有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物、及び有害生物の防除方法を提供する。
【解決手段】ピリミジン化合物とアントラニル化合物とを、有効成分として含有する有害生物防除組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、殺虫剤の有効成分として、ピリミジン化合物(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−350353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物、及び有害生物の防除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるピリミジン化合物を、下記式(2)で示されるアントラニルアミド化合物と共に用いることにより、有害生物に対する防除効力が向上することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は次の通りの構成をとるものである。
〔1〕 式(1)

で示されるピリミジン化合物と、
式(2)

〔式中、A及びBは独立して酸素原子、または硫黄原子を表し、
1は水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、またはC2−C6アルキルカルボニル基を表し、
2は水素原子、またはC1−C6アルキル基を表し、
3は水素原子を表すか、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、C1−C4アルキルスルフィニル基、C1−C4アルキルスルホニル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、C2−C6アルキルカルボニル基、C3−C6トリアルキルシリル基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい5員芳香族ヘテロ環基、及びR9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい6員芳香族ヘテロ環基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていれもよいC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、またはC3−C6シクロアルキル基を表すか、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルアミノ基、C2−C8ジアルキルアミノ基、C3−C6シクロアルキルアミノ基、C2−C6アルコキシカルボニル基、またはC2−C6アルキルカルボニル基を表し、
4は水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
5は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C4アルコキシアルキル基、C1−C4ヒドロキシアルキル基、COR10、CO210、CONR1011、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、NR1011、NR11COR10、NR11CO210またはS(O)n12を表し、
6は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C4アルコキシ基、またはC1−C4ハロアルコキシ基を表し、
7はC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6ハロアルケニル基、C2−C6ハロアルキニル基、またはC3−C6ハロシクロアルキル基を表すか、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ベンジル基、5員芳香族ヘテロ環基、6員芳香族ヘテロ環基、ナフチル基、8員芳香族縮合二環式へテロ環基、9員芳香族縮合二環式へテロ環基、または10員芳香族縮合二環式へテロ環基を表し、
8は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、またはC1−C4ハロアルコキシを表し、
9はC1−C4アルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、C1−C4アルキルスルフィニル基、C1−C4アルキルスルホニル基、C1−C4アルキルアミノ基、C2−C8ジアルキルアミノ基、C3−C6シクロアルキルアミノ基、C4−C8(アルキル)(シクロアルキル)アミノ基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、C2−C6アルキルアミノカルボニル基、C3−C8ジアルキルアミノカルボニル基、またはC3−C6トリアルキルシリル基を表し、
10は水素原子、C1−C4アルキル基、またはC1−C4ハロアルキル基を表し、
11は水素原子、またはC1−C4アルキル基を表し、
12はC1−C4アルキル基、またはC1−C4ハロアルキル基を表し、
nは0、1、または2を表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物とを、有効成分として含有する有害生物防除組成物。
〔2〕 式(1)で示されるピリミジン化合物と、式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との重量比が32:1〜1:32の範囲である〔1〕に記載の有害生物防除組成物。
〔3〕 〔1〕の式(1)で示されるピリミジン化合物と、〔1〕の式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との有効量を、有害生物、または有害生物の生息場所に施用する有害生物の防除方法。
〔4〕 有害生物を防除する為の、〔1〕の式(1)で示されるピリミジン化合物と〔1〕の式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との組み合わせの使用。
【0006】
本発明に係る有害生物防除組成物は、優れた殺虫効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る有害生物防除組成物に用いる式(1)で示されるピリミジン化合物について説明する。
式(1)で示されるピリミジン化合物は、特開2005−350353号公報に記載された化合物である。この化合物は、例えば、当該公報に記載された方法によって製造することができる。
【0008】
次に、本発明に係る有害生物防除組成物として、式(1)で示されるピリミジン化合物と共に用いる式(2)で示されるアントラニルアミド化合物について説明する。式(2)におけるR1−R12で示される置換基は、下記の基が挙げられる。
【0009】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0010】
1−C6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖を有するペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖を有するヘキシル基が挙げられる。
1−C6ハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル基が挙げられる。
2−C6アルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、分岐鎖を有するペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、分岐鎖を有するヘキシルカルボニル基が挙げられる。
1−C4アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基が挙げられる。
1−C4アルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、n−ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基が挙げられる。
1−C4アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基が挙げられる。
1−C4ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシブチル基1−ヒドロキシブチル基1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基が挙げられる。
3−C6トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、n−プロピルジメチルシリル基、及びtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
【0011】
3−C6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
3−C6ハロシクロアルキル基としては、3−フルオロシクロペンチル基、3−クロロシクロペンチル基、3−ブロモシクロペンチル基、4−クロロシクロヘキシル基、及び4−ブロモシクロヘキシル基が挙げられる。
【0012】
1−C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
1−C4ハロアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3,3−ジフルオロプロポキシ基、及び2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。
2−C6アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、分岐鎖を有するペントキシカルボニル基が挙げられる。
1−C4アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、1-メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基が挙げられる。
【0013】
2−C4アルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチルプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、プロパジエニル基、1,3−ブタジエニル基が挙げられる。
2−C4ハロアルケニル基としては、1,1−ジクロロプロペニル基、1−トリフルオロメチルプロペニル基が挙げられる。
2−C4アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ブタジイル基が挙げられる。
2−C4ハロアルキニル基としては、3−クロロプロピニル基、3,3,3−トリフルオロプロピニル基、3,3,3−トリクロロプロピニル基、及び1−フルオロ−2−ブチニル基が挙げられる。
【0014】
2−C8ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基が挙げられる。
3−C6シクロアルキルアミノ基としては、例えば、シクロプロピルアミノ基、シクロプチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基が挙げられる。
4−C8(アルキル)(シクロアルキル)アミノ基としては、メチルシクロペンチルアミノ基、エチルシクロペンチルアミノ基、メチルシクロヘキシルアミノ基、エチルシクロヘキシルアミノ基が挙げられる。
2−C6アルキルアミノカルボニル基としては、例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、分岐鎖を有するブチルアミノカルボニル基、n−ペンチルアミノカルボニル基、分岐鎖を有するペンチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、分岐鎖を有するヘキシルアミノカルボニル基が挙げられる。
3−C8ジアルキルアミノカルボニル基としては、例えば、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジイソプロピルカルボニル基が挙げられる。
【0015】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0016】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0017】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいベンジル基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0018】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい5員芳香族ヘテロ環基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0019】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい6員芳香族ヘテロ環基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0020】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいナフチル基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0021】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい8員芳香族縮合二環式へテロ環基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0022】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい9員芳香族縮合二環式へテロ環基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0023】
9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい10員芳香族縮合二環式へテロ環基としては、例えば、rが0〜3の整数である以下の基が挙げられる。

【0024】
式(2)で示されるアントラニルアミド化合物の態様としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0025】
式(2)において、A及びBがそれぞれ酸素原子であり、R7が、

からなる群から選択される、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、5員芳香族ヘテロ環基、または6員芳香族ヘテロ環基であり、Qが酸素原子、硫黄原子、NH、またはNR9であり、W、X、Y、及びZが独立して窒素原子、CH、またはCR9であり、式(c)及び(d)においては、W、X、Y、及びZの少なくとも一つが窒素原子であるアントラニルアミド化合物。
【0026】
式(2)において、R1、R2、及びR8がそれぞれ水素原子であり、R3がハロゲン原子、シアノ基、メトキシ基、またはS(O)pCH3で置換されていてもよいC1−C4アルキル基であり、R4が2位の、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、またはハロゲン原子であり、R5が水素原子、メチル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、R6がメチル基、トリフルオロメチル基、またはハロゲン原子であり、R7がR9で置換されていてもよいフェニル基、または2−ピリジル基であり、pが0、1、または2であるアントラニルアミド化合物。
【0027】
式(2)において、R3がC1−C4アルキル基であり、R6がトリフルオロメチル基であるアントラニルアミド化合物。
【0028】
式(2)において、R3がC1−C4アルキル基であり、R6が塩素原子または臭素原子であるアントラニルアミド化合物。
【0029】
式(2)において、Rが2位の、メチル基、塩素原子、または臭素原子であり、Rが4位の、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはシアノ基であり、Rがトリフルオロメチル基、塩素原子、または臭素原子であり、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、または3−ブロモ−2−ピリジニル基であるアントラニルアミド化合物。
【0030】
式(2)で示されるアントラニルアミド化合物の具体例としては、例えば以下のアントラニルアミド化合物が挙げられる。
【0031】
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rがトリフルオロメチル基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rがトリフルオロメチル基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rが塩素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の臭素原子、Rが塩素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rがトリフルオロメチル基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rがトリフルオロメチル基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが塩素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが塩素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが2,2,2−トリフルオロエトキシ基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがイソプロピル基、Rが水素原子、Rが2位の塩素原子、Rが4位の塩素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位の塩素原子、Rが4位の塩素原子、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位の塩素原子、Rが2,2,2−トリフルオロエトキシ基、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
式(2)において、Aが酸素原子、Bが酸素原子、Rが水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子、Rが2位のメチル基、Rが4位のシアノ基、Rが臭素原子、Rが3−クロロ−2−ピリジニル基、Rが水素原子であるアントラニルアミド化合物。
【0032】
式(2)で示されるアントラニルアミド化合物には、不斉炭素原子に基づく光学異性体等の立体異性体、互変異性体等の異性体が存在することもあるが、本発明においては、任意の異性体を単独または任意の異性体比で含有して使用することができる。
【0033】
式(2)で示されるアントラニルアミド化合物は、特表2004−538327号公報、特表2004−538328公報等に記載された化合物である。この化合物は、例えば、当該公報に記載された方法によって製造することができる。
【0034】
本発明に係る有害生物防除組成物において、式(1)で示されるピリミジン化合物と式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との重量比は、通常200:1〜1:200、好ましくは32:1〜1:32の範囲である。
【0035】
本発明に係る有害生物防除組成物は、式(1)で示されるピリミジン化合物と式(2)で示されるアントラニル化合物とを単に混合したものでもよいが、通常、式(1)で示されるピリミジン化合物、式(2)で示されるアントラニル化合物、及び不活性担体を混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものである。
本発明に係る有害生物防除組成物において、式(1)に示されるピリミジン化合物と式(2)で示されるアントラニル化合物との合計量は通常0.05〜95重量%、好ましくは1〜90重量%の範囲である。
【0036】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及び水が挙げられる。ガス状担体としては、例えばフルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル及び炭酸ガスが挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルモアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤、及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0037】
本発明に係る有害生物防除組成物は下記の作物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害生物(例えば、有害昆虫及び有害ダニ等の有害節足動物)による加害から作物を保護することができる。本発明に係る有害生物防除組成物が防除効力を有する有害生物としては例えば次のものが挙げられる。
【0038】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ターニッシュッドプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacapsis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilaris)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等;
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)等のアザミウマ類等;
双翅目害虫:イエバエ(Musca domestica)、アカイエカ(Culex popiens pallens)、ウシアブ(Tabanus trigonus)、タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等;
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワーム(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシ(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等;
直翅目害虫:トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等;
膜翅目害虫:カブラハバチ(Athalia rosae)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)等;
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、オリゴニカス属等のハダニ類、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ヒメハダニ類、ケナガハダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)等のツメダニ類等;
線虫類:イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)等。
【0039】
式(1)で示されるピリミジン化合物と、式(2)で示されるアントラニル化合物との有効量を、有害生物、または有害生物の生息する場所(作物、土壌等)に施用することにより、有害生物を防除することができる。
式(1)で示されるピリミジン化合物と、式(2)で示されるアントラニル化合物との有効量を、作物、または作物を栽培する土壌に施用することにより、有害生物を防除することができる。施用対象となる作物とは、作物の茎葉、作物の種子、作物の球根等が挙げられる。なお、ここで球根とは、鱗茎、球茎、根茎、塊茎、塊根および担根体を意味する。
有害生物、作物、作物を栽培する土壌等に施用する場合は、式(1)で示されるピリミジン化合物及び式(2)で示されるアントラニル化合物は同時期に別々に施用してもよいが、通常は施用時の簡便性の観点から、本発明の有害生物防除組成物として施用される。
本発明の防除方法としては具体的には、茎葉散布などの作物の茎葉への処理、土壌処理などの作物の栽培地への処理、種子消毒・種子コートなどの種子への処理、種芋等の球根への処理等が挙げられる。
本発明の防除方法における作物の茎葉への処理としては、具体的には、例えば、茎葉散布、樹幹散布等の作物の表面に施用する処理方法が挙げられる。
本発明の防除方法における土壌処理方法としては、例えば、土壌への散布、土壌混和、土壌への薬液潅注(薬液潅水、土壌注入、薬液ドリップ)が挙げられ、処理する場所としては例えば、植穴、作条、植穴付近、作条付近、栽培地の全面、作物地際部、株間、樹幹下、主幹畦、培土、育苗箱、育苗トレイ、苗床等が挙げられ、処理時期としては播種前、播種時、播種直後、育苗期、定植前、定植時、及び定植後の生育期等が挙げられる。また、上記土壌処理において、有効成分を作物に同時に処理してもよく、有効成分を含有するペースト肥料等の固形肥料を土壌へ施用してもよい。また、潅水液に混合してもよく、例えば、潅水設備(潅水チューブ、潅水パイプ、スプリンクラー等)への注入、条間湛水液への混入、水耕液へ混入等が挙げられる。また、あらかじめ潅水液と有効成分を混合し、例えば、上記潅水方法やそれ以外の散水、湛水等のしかるべき潅水方法を用いて処理することができる。
本発明の防除方法における種子への処理としては、例えば、有害生物から保護しようとする作物の種子、球根等に本発明の有害生物防除組成物を処理する方法であって、具体的には、例えば、本発明の有害生物防除組成物の懸濁液を霧状にして種子表面もしくは球根表面に吹きつける吹きつけ処理、本発明の有害生物防除組成物の水和剤、乳剤又はフロアブル剤等に少量の水を加えるか又はそのままで種子もしくは球根に塗付する塗沫処理、本発明の有害生物防除組成物の溶液に一定時間種子を浸漬する浸漬処理、フィルムコート処理、ペレットコート処理が挙げられる。
【0040】
式(1)で示されるピリミジン化合物と式(2)で示されるアントラニル化合物とを、作物に茎葉処理する場合、または土壌に処理する場合、その処理量は、防除対象作物である作物等の種類、防除対象有害生物の種類、防除対象有害生物の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり式(1)で示されるピリミジン化合物と式(2)で示されるアントラニル化合物との合計量(以下、本有効成分量と記す。)として通常0.1〜1000g、好ましくは10〜500gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本有効成分量の濃度は通常1〜10000ppm、好ましくは10〜500ppmの範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
種子への処理においては、種子1kgに対して本有効成分量は通常0.001〜20g、好ましくは0.01〜10gの範囲で施用される。
【0041】
本発明の防除方法は、下記の作物を栽培する畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて使用することができる。
作物;トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、スカッシュ等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
シバ、
果樹;仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0042】
上記「作物」とは、イソキサフルトール等のHPPD阻害剤、イマゼタピル、チフェンスルフロンメチル等のALS阻害剤、EPSP合成酵素阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、ブロモキシニル、ジカンバ等の除草剤に対する耐性が、古典的な育種法、もしくは遺伝子組換え技術により付与された作物も含まれる。
古典的な育種法により耐性が付与された「作物」の例として、イマゼタピル等のイミダゾリノン系除草剤耐性のClearfield(登録商標)カノーラ、チフェンスルフロンメチル等のスルホニルウレア系ALS阻害型除草剤耐性のSTSダイズ等がある。また、遺伝子組換え技術により耐性が付与された「作物」の例として、グリホサートやグルホシネート耐性のトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ品種等があり、RoundupReady(登録商標)、RoundupReady2(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)等の商品名ですでに販売されている。
【0043】
上記「作物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、例えば、バチルス属で知られている選択的毒素等を合成する事が可能となった作物も含まれる。
この様な遺伝子組換え作物で発現される毒素として、バチルス・セレウスやバチルス・ポピリエ由来の殺虫性タンパク;バチルス・チューリンゲンシス由来のCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシン、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパク;線虫由来の殺虫タンパク;さそり毒素、クモ毒素、ハチ毒素または昆虫特異的神経毒素等動物によって産生される毒素;糸状菌類毒素;植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤等のプロテアーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリン、ブリオジン等のリボゾーム不活性化タンパク(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グルコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ等のステロイド代謝酵素;エクダイソン阻害剤;HMG-COAリダクターゼ;ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル阻害剤等のイオンチャネル阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ等が挙げられる。
またこの様な遺伝子組換え作物で発現される毒素として、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシンタンパク、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパクのハイブリッド毒素、一部を欠損した毒素、修飾された毒素も含まれる。ハイブリッド毒素は組換え技術を用いて、これらタンパクの異なるドメインの新しい組み合わせによって作り出される。一部を欠損した毒素としては、アミノ酸配列の一部を欠損したCry1Abが知られている。修飾された毒素としては、天然型の毒素のアミノ酸の1つまたは複数が置換されている。
これら毒素の例、及びこれら毒素を合成する事ができる遺伝子組換え作物は、EP-A-0 374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP-A-0 427 529、EP-A-451 878、WO 03/052073等に記載されている。
これらの遺伝子組換え作物に含まれる毒素は、特に、甲虫目害虫、双翅目害虫、鱗翅目害虫への耐性を作物へ付与する。
【0044】
また、1つもしくは複数の殺虫性の害虫抵抗性遺伝子を含み、1つまたは複数の毒素を発現する遺伝子組換え作物は既に知られており、いくつかのものは市販されている。これら遺伝子組換え作物の例として、YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Rootworm(登録商標)(Cry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Plus(登録商標)(Cry1AbとCry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、Herculex I(登録商標)(Cry1Fa2毒素とグルホシネートへの耐性を付与する為にホスフィノトリシン N−アサチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現するトウモロコシ品種)、NuCOTN33B(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard I(登録商標)(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard II(登録商標)(Cry1AcとCry2Ab毒素とを発現するワタ品種)、VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を発現するワタ品種)、NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を発現するジャガイモ品種)、NatureGard(登録商標)Agrisure(登録商標)GT Advantage(GA21 グリホサート耐性形質)、Agrisure(登録商標) CB Advantage(Bt11コーンボーラー(CB)形質)、Protecta(登録商標)等が挙げられる。
【0045】
上記「作物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、選択的な作用を有する抗病原性物質を産生する能力を付与されたものも含まれる。
抗病原性物質の例として、PRタンパク等が知られている(PRPs、EP-A-0 392 225)。このような抗病原性物質とそれを産生する遺伝子組換え作物は、EP-A-0 392 225、WO 95/33818、EP-A-0 353 191等に記載されている。
こうした遺伝子組換え作物で発現される抗病原性物質の例として、例えば、ナトリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤(ウイルスが産生するKP1、KP4、KP6毒素等が知られている。)等のイオンチャネル阻害剤;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;PRタンパク;ペプチド抗生物質、ヘテロ環を有する抗生物質、植物病害抵抗性に関与するタンパク因子(植物病害抵抗性遺伝子と呼ばれ、WO 03/000906に記載されている。)等の微生物が産生する抗病原性物質等が挙げられる。
また、上記「作物」とは、古典的育種技術または遺伝子組換え技術を用い、先に述べたような除草剤耐性、害虫抵抗性、病害耐性等に関わる形質を2種以上付与された系統、及び同類または異なる性質を有する遺伝子組換え作物同士を掛け合わせることにより親系統が有する2種以上の性質が付与された系統も含まれる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を製剤例、及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0047】
化合物(2a)は、式(2)で示されるアントラニルアミド化合物のうち、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、R2がメチル基、R3が水素原子、R4が2位のメチル基、R5が4位の塩素原子、R6が臭素原子、R7が3−クロロ−2−ピリジニル基、R8が水素原子である化合物であり、下記式(2a)で表される。

【0048】
化合物(2a)の製造例は、以下の通りである。
2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン14.0g、テトラヒドロフラン200mlを混合し、室温で40%メチルアミンのメタノール溶液12gを滴下し、4時間半攪拌した。反応混合物を水及び酢酸エチルと混合してから分液し、有機層を水洗した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をメチルtert−ブチルエーテル及び酢酸エチルで洗浄することにより、化合物(2a)10.09gを得た。
化合物(2a)
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.15(3H,s),2.60−2.73(3H,m),7.34(1H,d,J=2Hz),7.38(1H,s),7.47(1H,d,J=2Hz),7.61(1H,dd,J=8Hz,5Hz),8.17(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.26(1H,brs),8.50(1H,dd,J=5Hz,2Hz),10.52(1H,s)
【0049】
化合物(2b)は、式(2)で示されるアントラニルアミド化合物のうち、Aが酸素原子、Bが酸素原子、R1が水素原子、R2がメチル基、R3が水素原子、R4が2位のメチル基、R5が4位のシアノ基、R6が臭素原子、R7が3−クロロ−2−ピリジニル基、R8が水素原子である化合物であり、下記式(2b)で表される。

【0050】
化合物(2b)の製造例は、以下の通りである。
2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−シアノ−8−メチル−4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン2.22g、テトラヒドロフラン20mlを混合し、−40℃に冷却した。そこに2Mメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液3mlを滴下し、−20℃まで昇温させた後−20℃で10分攪拌した。反応混合物に10%クエン酸20ml、水10mlを注ぎ込み、0℃で10分攪拌した。析出した結晶をろ過し、濾物を水30ml及びアセトニトリル15mlで洗浄することにより、化合物(2b)1.85gを得た。
化合物(2b)
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.21(3H,s),2.64−2.71(3H,m),7.41(1H,s),7.61(1H,dd,J=8Hz,5Hz),7.75−7.78(1H,m),7.88(1H,brs),8.17(1H,dd,J=8Hz,2Hz),8.34−8.43(1H,m),8.50(1H,dd,J=5Hz,2Hz),10.52(1H,s)
【0051】
製剤例1 乳剤(1:1)
化合物(1)9部、及び化合物(2a)または化合物(2b)9部を、キシレン33.5部及びジメチルホルムアミド33.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム5部を加え、よく撹拌混合して乳剤を得る。
【0052】
製剤例2 水和剤(1:2)
化合物(1)3部、及び化合物(2a)または化合物(2b)6部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪素土65部を混合した中に加え、よく撹拌混合して水和剤を得る。
【0053】
製剤例3 粉剤(8:1)
化合物(1)4部、化合物(2a)または化合物(2b)0.5部、合成含水酸化珪素微粉末1部、凝集剤としてドリレスB(三共社製)1部、クレー7部を乳鉢でよく混合した後にジュースミキサーで撹拌混合する。得られた混合物にカットクレー86.5部を加えて、充分撹拌混合し、粉剤を得る。
【0054】
製剤例4 フロアブル剤(4:1)
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート塩5部、1%ザンサンガム水溶液20部、スメクタイト系鉱物3部及び水62部を均一に溶解し、化合物(1)8部、及び化合物(2a)または化合物(2b)2部を加えてよく攪拌後、サンドミルにて湿式粉砕してフロアブル剤を得る。
【0055】
製剤例5 マイクロカプセル剤(2:1)
化合物(1)6部、化合物(2a)または化合物(2b)3部、フェニルキシルエタン10部及びスミジュールL−75(住友バイエルウレタン株式会社製トリレンジイソシアネート)0.5部を混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して、平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコール2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスラリーを得る。一方、ザンサンガム0.2部、ビーガムR(三洋化成株式会社製アルミニウムマグネシウムシリケート)1部をイオン交換水57.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。上記マイクロカプセルスラリー42.5部及び増粘剤溶液57.5部を混合して、10%マイクロカプセル剤を得る。
【0056】
製剤例6 油剤(3:1)
化合物(1)0.6部、及び化合物(2a)または化合物(2b)0.2部をキシレン5部及びトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.2部に混合して湯剤を得る。
【0057】
製剤例7 粒剤(2:1)
化合物(1)2部、化合物(2a)または化合物(2b)1部、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー57部を加え、よく撹拌混合し、ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
【0058】
試験例1
化合物(1)10部をキシレン40部及びジメチルホルムアミド40部に溶解し、これにソルポール3005X(東邦化学工業株式会社製)10部を加え、よく撹拌混合して製剤を作製した。
化合物(2a)または化合物(2b)10部をキシレン40部及びジメチルホルムアミド40部に溶解し、これにソルポール3005X(東邦化学工業株式会社製)10部を加え、よく撹拌混合して製剤を作製した。
化合物(1)の製剤の所定濃度の水希釈液に化合物(2a)または化合物(2b)の製剤を所定濃度となるように加えた希釈液に各々、展着剤(新リノー:日本農薬株式会社製)を該展着剤の添加量が容量にして1/5000となるように加え、試験用の散布液を調製した。
化合物(1)の製剤の所定濃度の水希釈液、化合物(2a)または化合物(2b)の製剤の所定濃度の水希釈液に各々、展着剤(新リノー:日本農薬株式会社製)を該展着剤の添加量が容量にして1/5000となるように加え、試験用の比較散布液を調製した。
各散布液の有効成分処理濃度は下記に示した通りである。
【0059】
【表1】

【0060】
一方、内径2.6cm、高さ4.5cmのガラス製カップ内に1%寒天を3ml注入し、その上に上記の試験液に30秒間浸漬したキャベツリーフディスクを静置し、そこにタバココナジラミ成虫を約20頭寄生させた。2日後にタバココナジラミ成虫の生死を判別し、次の式により死虫率を求めた。
死虫率(%)=(Tb−Tai)/Tb×100
尚、式中の文字は以下の意味を表す。
Tb:処理区の供試虫数
Tai:処理区の観察時の生存虫数
【0061】
与えられた2種類の有効成分化合物を混合して処理した際に期待される防除効果は、下記の数1で示されるColbyの計算式により求められる。
【0062】
【数1】

X:有効成分化合物Aをm ppmで処理した時の死虫率(%)
Y:有効成分化合物Bをn ppmで処理した時の死虫率(%)
E:有効成分化合物Aをm ppmでBをn ppmで処理した時に期待される死虫率(%)(以下、死虫率期待値と記す。)
【0063】
その結果は以下の表のとおりであった。実施例1〜4の結果(死虫率)はいずれも死虫率期待値を上回った。
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、高い活性を有する有害生物防除組成物、及び有害生物を効果的に防除し得る方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

で示されるピリミジン化合物と、
式(2)

〔式中、A及びBは独立して酸素原子、または硫黄原子を表し、
1は水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、またはC2−C6アルキルカルボニル基を表し、
2は水素原子、またはC1−C6アルキル基を表し、
3は水素原子を表すか、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、C1−C4アルキルスルフィニル基、C1−C4アルキルスルホニル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、C2−C6アルキルカルボニル基、C3−C6トリアルキルシリル基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい5員芳香族ヘテロ環基、及びR9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい6員芳香族ヘテロ環基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていれもよいC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、またはC3−C6シクロアルキル基を表すか、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルアミノ基、C2−C8ジアルキルアミノ基、C3−C6シクロアルキルアミノ基、C2−C6アルコキシカルボニル基、またはC2−C6アルキルカルボニル基を表し、
4は水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、またはニトロ基を表し、
5は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C4アルコキシアルキル基、C1−C4ヒドロキシアルキル基、COR10、CO210、CONR1011、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、NR1011、NR11COR10、NR11CO210またはS(O)n12を表し、
6は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C4アルコキシ基、またはC1−C4ハロアルコキシ基を表し、
7はC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6ハロアルケニル基、C2−C6ハロアルキニル基、またはC3−C6ハロシクロアルキル基を表すか、R9から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ベンジル基、5員芳香族ヘテロ環基、6員芳香族ヘテロ環基、ナフチル基、8員芳香族縮合二環式へテロ環基、9員芳香族縮合二環式へテロ環基、または10員芳香族縮合二環式へテロ環基を表し、
8は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、C1−C4アルコキシ基、またはC1−C4ハロアルコキシを表し、
9はC1−C4アルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロアルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、C1−C4アルキルスルフィニル基、C1−C4アルキルスルホニル基、C1−C4アルキルアミノ基、C2−C8ジアルキルアミノ基、C3−C6シクロアルキルアミノ基、C4−C8(アルキル)(シクロアルキル)アミノ基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、C2−C6アルキルアミノカルボニル基、C3−C8ジアルキルアミノカルボニル基、またはC3−C6トリアルキルシリル基を表し、
10は水素原子、C1−C4アルキル基、またはC1−C4ハロアルキル基を表し、
11は水素原子、またはC1−C4アルキル基を表し、
12はC1−C4アルキル基、またはC1−C4ハロアルキル基を表し、
nは0、1、または2を表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物とを、有効成分として含有する有害生物防除組成物。
【請求項2】
式(1)で示されるピリミジン化合物と、式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との重量比が32:1〜1:32の範囲である請求項1に記載の有害生物防除組成物。
【請求項3】
請求項1の式(1)で示されるピリミジン化合物と、請求項1の式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との有効量を、有害生物、または有害生物の生息場所に施用する有害生物の防除方法。
【請求項4】
有害生物を防除する為の、請求項1の式(1)で示されるピリミジン化合物と請求項1の式(2)で示されるアントラニルアミド化合物との組み合わせの使用。

【公開番号】特開2010−90090(P2010−90090A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264489(P2008−264489)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】