説明

条件を満足させた太陽光発電、それを設置した建物及びそれらに関連したビジネス

【課題】 太陽光発電パネルを効率良く発電するように設置するには、太陽光線と発電パネルの関係は当然ながら、建物形状、環境、目的による屋根角度の条件の誤差を無視すると、発電電力に2、3倍の差が出てしまう。
【解決手段】 片持屋根5を含めた建物4の方向が南向き2、屋根の大部分あるいは概略全ての屋根を片持屋根5の形状が占めること、屋根の勾配角度7をNEDOが提供する最も近くの地域の基準角度で設計された屋根に太陽光発電パネルを設置する用にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域の環境に合わせた太陽光発電、屋根に太陽光発電を効率よく設置した建物、及びその収益向上を含めたビジネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物4は、宅地1の形状に合わせて、多少日照条件を考慮して建設され、屋根形状は寄せ棟屋根、切妻屋根といったものが知られている。近年では、宅地1の形状に合わせる以上に宅地内での建物3の方向2を南側に向けて建設し、この屋根に太陽光発電のための太陽光発電パネルを設置する動きが見られ、当然ながら太陽光発電が最大限発電できるようにするための条件をつきつめ、より収益向上につながる幾つかの条件を満足するように建設される。
すると、太陽光発電の売電利益も向上し、賃貸利益だけでは薄利と考える賃貸経営者は、太陽光発電を含めて収益向上を図ろうとするのである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−332751
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光と屋根に設置される太陽電池パネルの関係を要素毎の誤差を無視すると、発電効率の差が倍近くと無視できなくなってしまうことが課題であった。
【0005】
また、20年に渡るデフレ下における賃貸収入の下落により、新築賃貸アパート及びマンションの経営が非常に困難な時代に成ってきていることが大きな課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
片持屋根5を含めた建物4の方向2が南向き、屋根の大部分あるいは概略全ての屋根を片持屋根5の形状が占めること、屋根の勾配角度7がNEDOが提供する最も近くの地域の基準角度を使用して設計製造された太陽光発電パネルを設置する用にしたものである。
【発明の効果】
【0007】
建物自信の方向2が南向き、屋根を片持屋根5の形状で、屋根の角度7を基準角度で設計製造された太陽光発電を建物の屋根に設置することにより、賃貸収入以外に新たな収入源となり得るという効果が得られる。
さらに、これを積極的に、新築、中古に関わらず、戸建て、賃貸を問わず、田畑、稲作農地の架台の上に設置すること、及びそれにより売電収入を得ること、さらには、それと組み合わせて、賃貸アパート及びマンションの経営、農業収入の増大、さらには、これらに関係した全てのビジネスで効果が得られる。
【0008】
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図6は、従来の建物を説明するための図であり、1は宅地、2は方向、3は宅地内での建物、4は建物である。
【0010】
従来、建物4は、宅地1の形状に合わせて建設されており、特に、宅地内での建物3の方向2は南向きにすること無く建設され、建物4の屋根形状は寄せ棟屋根、切妻屋根といったもので建設されていた。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の太陽光発電、それを設置した建物を説明するための図であり、5は屋根、6は太陽電池パネル設置エリア、7は屋根の角度である。
【0012】
図1(a)は、新築建物の場合に宅地内での建物3は、宅地1の形状よりも、方向2が南を向いて建設することで太陽光発電が増大することを利用しようと提唱するものである。
図1(b)は、さらに、従来の寄せ棟屋根、切妻屋根等の屋根形状に変わり、屋根5の面積が広く取れ、太陽電池パネル設置エリア6が広く取れる片持屋根の建物を推奨するものである。
【0013】
また、屋根の角度7は概ね30度であるが、建物4の建設位置の緯度によって異なり、屋根の勾配角度がNEDOが提供する最も近くの都市の基準角度を使用して設計製造したり、2カ所以上の都市の基準角度を使用して、緯度方向で比例配分で計算した値を使用する方がさらに精度が上がる。
ここで、建物は、新築、中古に関わらず、戸建て、賃貸を問わず、田畑、稲作農地の架台等である。
【0014】
本発明は、建物4の屋根5に太陽光発電を設置することが普通に実施される昨今、建物に設置し、収益改善を図る動きも見られるようになってきた。従来、宅地内での建物3は宅地1建物である。
そこで、最大限発電可能にする建物に関するものである。
【0015】
近年では、この屋根に太陽光発電のための太陽光発電パネルを設置する動きが見られる。すると、当然ながら太陽光発電が最大限発電できるようにするための条件をつきつめると、太陽光線の年間の平均値と屋根上の太陽光パネルの面積、方向の関係から、次のファクターを最大限にすることが必要に成ってくる。
【0016】
建物の建設において、屋根を含めた建物自信の方向2が南向きであること、屋根の大部分あるいは概略全ての屋根を片持屋根5の形状が占めることで設計製造された太陽光発電パネルを設置する建物である。
【0017】
また、建物の建設において、屋根を含めた建物自信の方向2が南向きであること、屋根の大部分あるいは概略全ての屋根を片持屋根5の形状が占めること、屋根の角度7がNEDOが提供する最も近くの地域の基準角度を使用して設計製造された太陽光発電パネルを設置する建物である。
【0018】
さらに、屋根の勾配角度7がNEDOが提供する設置近辺の2カ所以上の地域の基準角度から緯度方向で比例配分して計算された建物である。
【0019】
実施の形態2.
図2は、木造建物の屋根形状と太陽電池パネル設置エリア6の関係を説明するための図であり、図2(a)は切妻屋根 図2(b)は片持屋根、図2(c)は寄せ棟屋根の木造建物であり、2は方向、4は建物、5は屋根、6は太陽電池パネル設置エリア、7は屋根の角度である。
【0020】
図2(a)は切妻屋根の屋根5の南側半分の太陽電池パネル設置エリア6が小さいことを表す。
新築中古の屋根に関わらず、太陽電池パネルのコストは、10年で半額以上の速度で低下し続け、性能は向上し続けている。
H23年の夏において、太陽電池パネル設置エリア6は、横16m、縦6m程度の広さがあれば10kwが可能であり、太陽電池パネルの設置費用は約500万円さらに地域に依って異なるが60万円程度の補助金が戻ってくる。
【0021】
図2(a)の屋根に新築、中古屋根に変わらず投資額450万円で売電金額48万円(22年度単価H48円)、売電金額430万円(H23度単価43円)、各種リスクを除けば利益率は約10%程度の選択も可能である。
【0022】
ところが、新築の場合は、図2(a)は切妻屋根の屋根5で建築するのに比べ、図2(b)は片持の屋根5の建築すると、太陽電池パネル設置エリア6の広さは、約2倍となり、太陽光発電は倍以上になり、断然有利に成ることが分かる。
この時、投資額が約1000万円、売電額100万円以上になるが、国の法律に依存されるので注視すべきである。
さらに、屋根の角度7を、その地域の最適な値で建築すればもっと発電効率は向上する。
【0023】
図2(c)は寄せ棟の屋根5の場合は南側向きの屋根5の半分には太陽電池パネル設置エリア6は小さいとはいえ、設置可能である。既存の住宅が少ないので、東西方向の屋根5に設置するかどうかはコストパフォーマンス及び持ち主と詳細に検討が必要である。
【0024】
実施の形態3.
図3は、高層建物の建築方法とイメージを説明するための図であり、図3(a)は木造建物あるいは鉄筋建物、図3(b)は鉄筋建物あるいは鉄骨建物、3(c)は鉄骨建物である。
【0025】
鉄筋建物あるいは鉄骨建物図3(a)、鉄骨建物図3(b)、高層建物図3(c)は、コンクリートの平屋根であるため、この屋根の上に片屋根を搭載するには、安全性の面を配慮すると、どうしても費用がかかり過ぎるので、片屋根よりも、陸屋根方式を採用した方が現実的である。
【0026】
実施の形態4.
図4は、建物の屋根と太陽光パネル設置の主な種類を説明するための図であり、図4(a)は傾斜屋根に太陽光パネルを全面同一角度で設置したものを表し、図4(b)は傾斜屋根にさらに太陽光パネルを段毎に屋根から角度をつけて合計角度が約30度に設置したものを表し、図4(c)は水平屋根に、太陽光パネルを段毎に屋根から約30度の角度をつけて設置したものを表し、2は方向、4は建物、5は屋根、6、6a、6b、6c、6dは太陽電池パネル設置エリア、7、7a、7b、7c、7dは屋根の角度である。
【0027】
図4(a)は、傾斜屋根に太陽光パネルを全面同一角度で設置したものを表しており、
雪国の積雪を図4(a)で一気に落下させると人命や他人の敷地に落下してしまう危険性
や破損物が有る場合には、図4(a)を使用するわけにはいかない。
【0028】
図4(b)は、傾斜屋根にさらに太陽光パネルを段毎に屋根から角度をつけて合計角度が約30度に設置したものを表しており、積雪を太陽光パネル一段毎に、雪だまりを作り、大雪の場合にも大事故が発生しないようにこの方式を使用する。
さらに、想定以上の雪国では、水を併用して融雪装置を設置する。
【0029】
図4(c)は、水平屋根に、太陽光パネルを段毎に屋根から約30度の角度をつけて設置したものを表し、安全性が求められるような高層ビルや農地の架台のように屋上が水平面に主に使用される。
図4(b)は太陽光パネルは傾斜屋根に設置されるが、図4(c)では水平屋根に設置される。
傾斜屋根に設置する太陽光パネル設置エリア6a、6b、6c、6dは、太陽光パネル1枚分を横方向に並べるため、片持の屋根5に比べ、半分程度に効率は落ちるが、安全には変えられない場合がある。
さらに、水平屋根に設置する太陽光パネルの角度7a、7b、7c、7dは最適角度約30度を使用する。
【0030】
実施の形態5.
図5は、太陽光パネルを主に田畑及び農地に設置するための架台と主な用途を説明するための図であり、図5(a)は一番低い架台、図5(b)は中程度の高さの架台、図5(c)は稲作農業と太陽光パネルを併用できる最大高さの架台であり、8は架台と太陽光パネルの連結部である。
【0031】
図5は、家庭の屋根に太陽光発電を設置するのに比べ一段大きく太陽光設置面積が期待でき、主に休耕田、田畑あるいは農地に設置することにより、メガソーラ太陽光発電を実現可能にする架台を表している。
図5(a)は、休耕田、田畑、空知等で使用する一番低い架台であり、高さが0でも良いのであるが、積雪高さ、草の高さ、安全等設置場所の状況に考慮して決めるべきである。
【0032】
図5(b)は中程度の高さの架台であり、既存の大型機械に変わり近代化された農業機械を使用しての農業と太陽光発電の併用するための架台を表している。図5(c)は、従来の大型機械を使用した稲作農業と太陽光パネルを併用できる高さの架台で、既存の背の高い農業機械と共存できる架台である。
【0033】
農業を、籾数粒を直まきする方向へ変更することで田植機を使用しないですむようにできる。トラクター部は耕す部分、稲刈機も小型で刈る部分も小さくできる。
図5(b)の架台の高さは稲の長さできまる。
【0034】
図5(a)の架台を使用する場合で農作物の収穫を期待しない場合は、架台と太陽光パネルの連結部8の上に太陽電池パネルを最大枚数敷詰めることが可能であり、図4(c)の配列が取れる。しかし、次の配列は、前列の高さ半分を開けなければ、前列の陰になり効率を落としてしまう。
【0035】
さらに、図5(b)、図5(c)では、架台の下で農作物を収穫するため、作物の生長のためには、太陽光パネルを1/3程度に間引く必要がある。
【0036】
図5(a)、図5(b)、図5(c)対応で、投資額を計算する。
図5(a)は、1反当たりの投資額2200万円と架台費用、220万円が年間利益である。
図5(b)、図5(c)は、1反当たりの投資額2800万円と架台費用、280万円が年間利益である。
稲作の年間収入が約10万円であることからすれば、農業の将来はどうあるべきかは明白である。
【0037】
さらに、以上の建物が、新築、中古を問わず、戸建て住宅、工場の建物、田畑、稲作用農地等賃貸アパート及びマンションあるいは戸建て建物の建築、販売、不動産売買、さらに、オ−ル電化製品の販売に関係するビジネスであること。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施の形態1の建物およびそのビジネスを説明するための図である。
【図2】木造建物の屋根形状と太陽電池パネル設置エリアの関係を説明するための図である。
【図3】高層建物の建築方法とイメージを説明するための図である。
【図4】建物の屋根と太陽光パネル設置の主な種類を説明するための図である。
【図5】田畑、農地に太陽光パネルを設置するための架台と主な用途を説明するための図である。
【図6】従来の宅地と建物の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0039】
1 宅地、2 方向、3 宅地内での建物、4 建物、5 屋根、6 太陽電池パネル設置エリア、7 屋根の角度、8 架台と太陽光パネルの連結部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根に太陽光パネルを設置するにあたり、屋根を含めた建物自信の方向が南向きにするという第1の条件と、
屋根の面積を広くとるという第2の条件と、
屋根の勾配角度がNEDOが提供する最も近くの地域の基準角度を使用するという第3の条件と、
以上の3条件の中から任意の2条件以上を満足するように太陽光発電パネルを設置することを特徴とする太陽光発電、それを設置した建物。
【請求項2】
請求項1記載の第1の条件として、新築建物は建物の方向が概ね南向き、中古建物は建物の方向に関わらず、 屋根に太陽光発電パネルを設置することを特徴とする太陽光発電、それを設置した建物。
【請求項3】
請求項1記載の第2の条件として、屋根の大部分あるいは概略全ての屋根を片持屋根の形状が占めることから設計製造された建物の屋根に太陽光発電パネルを設置することを特徴とする太陽光発電、それを設置した建物。
【請求項4】
請求項1記載の第3の条件として、屋根に搭載した太陽光パネルの勾配角度がNEDOが提供する設置近辺の2カ所以上の地域の基準角度から緯度方向で比例配分して計算されることを特徴とする太陽光発電、それを設置した建物。
【請求項5】
請求項1〜請求項3を使用して得られた太陽光発電を売電して得られる収入を得ることを目的としたこを特徴とする太陽光発電、それを設置した建物。
【請求項6】
新築、中古を問わず、建物は賃貸アパート、マンション、戸建て住宅、工場の建物、田畑、稲作用農地等を意味することを特徴とする請求項1〜請求項4記載の太陽光発電、それを設置した建物及びそれらに関連したビジネス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−96170(P2013−96170A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241184(P2011−241184)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(305004918)
【Fターム(参考)】