説明

板状体の載置装置、および板状体の運搬装置

【課題】本発明は板状体の載置装置、および板状体の運搬装置に関し、例えば、太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、アルミニウム板等の板状体をラック本体に簡単に載置し、かつラック本体が、安定に積み重ねられてコンパクト化し、小面積化する。
【解決手段】背受本体部4が、左右に対向して立設した左右の支柱7,7と、該支柱の上下に架設する上下の横梁8,8と、により囲まれる正面内域N1に突出して設けられ、架台本体部6が、支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁9,9と、該縦梁間に架設された横梁10,10とにより囲まれる平面内域N2に前記載置部5が上方へ突出して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状体の載置装置、および板状体の運搬装置に関し、例えば、太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、アルミニウム板等の板状体をラック本体に簡単に載置し、かつラック本体が、安定に積み重ねられてコンパクト化し、小面積化する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板のニーズが高まっている。従来、このような、太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板のような板状体の載置装置としては、板状体を載置する架台部を側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に有した側面L字状のラック本体を構成し、前記背受部材に対してその前面に、背受本体部を側面所望角度傾斜して設けるとともに、前記背受本体部に対してその下部に、前記載置部を有する架台本体部を設けている。
【0003】
そして、大型ガラス板等の板状体を運搬する場合に、ラック本体の両側に突出可能に設けた保護アームを両側方に突出して板状体を前記保護アーム間に配置させるようにラック本体に立て掛け、前記板状体の前面側に前面保護部材を組み付け、押え部材により板状体を押え込み、板状体の全周に、ラック本体、両側保護アーム、前面保護部材等を配置することにより、板状体の梱包を行うものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、従来、ガラス板等の板状物用物流具として、前後方向に重ねるよう配置される複数のガラス板等の板状体の下端を支承し得るベース部と、前記ベース部の前部両側外面に立設された一対の前部支柱と、前記ベース部の後部両側に立設された一対の後部支柱と、一対の後部支柱間に架け渡された後部横桁と、対応する前部支柱および後部支柱間に架け渡された左右一対の側部横桟と、を有する物流具本体が備えられ、前記板状体の運搬を終えた時には、前記物流具本体が同構成の他の物流具本体に対し段積み式に積み重ねられる態様と、入れ子式に積み重ねられる態様と、をそれぞれ実現し得る板状物用物流具であって、前記ベース部上の複数の板状体の間に介在されて板状体を所望の枚数ごとに仕切り桟が、前記一対の側部横桟間に着脱自在に架け渡されてなる構成のものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第34331284号公報
【特許文献2】実用新案登録第3002526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の板状物体の載置装置は、側面L字状のラック本体が、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板等の板状体を、側面視略垂直に立設された背受部材の前面に傾斜を付けて設けた背受本体部にもたれかけた状態で前記背受部材の下部前方に有した架台部に載置することにより、運搬するのに使用されるものであり、ラック本体の不使用時にはラック本体を何個か積み重ねてコンパクト化して返送したり、保管するという技術思想は何等施されてはいない。
【0007】
また、上記特許文献1に記載の板状物体の載置装置は、大型ガラス板等の板状体をラック本体により運搬するのに、ラック本体の両側に突出可能に設けた保護アームを両側方に突出して板状体を前記保護アーム間に配置させるようにラック本体に立て掛け、前記板状体の前面側に前面保護部材を組み付け、押え部材により板状体を押え込み、板状体の全周に、ラック本体、両側保護アーム、前面保護部材等を配置することにより、板状体の梱包を行うものであり、板状体の外面をカバーや緩衝材を用いて覆うことにより梱包し、保護する構造ではないので、被運搬板状物体の表面に傷等の損傷を受けたり、埃、湿気が付着し易く、製品の信頼性に欠ける。
【0008】
また、特許文献2に記載されたガラス板等の板状物用物流具は、ガラス板等の板状体を運搬するのには、ベース部上の対応する前部支柱および後部支柱間に架け渡された左右一対の側部横桟間に着脱自在に架け渡されてなる仕切り桟の間に、板状体を所望の枚数毎に挿入し、立てかけることにより運搬を行うものである。従って、特許文献2に記載された板状体の載置装置は、前記特許文献1に記載された発明同様に、運搬に際して板状体の外面をカバーや緩衝材を用いて覆うことにより梱包し、保護する構造ではないので、板状体の表面に傷等の損傷を受け易く、埃、湿気が付着し易く、製品の信頼性が損なわれるものであった。
【0009】
しかも、特許文献2に記載されたガラス板等の板状物用物流具は、板状物用物流具を使用し終えて戻す時、または保管時には、入れ子式に積み重ねられる態様であるが、板状物用物流具を入れ子式に積み重ねるのには、ベース部上の対応する前部支柱および後部支柱間に架け渡された左右一対の側部横桟間に架け渡されてなる仕切り桟を撤去しなければならず、その後に物流具本体のベース部を他のベース部上に載置することにより行わなければならず、多くの時間と労力とが必要になる。
【0010】
そして、特許文献2に記載されたガラス板等の板状物用物流具は、上述のように物流具本体のベース部を他のベース部上に載置することにより、入れ子式に積み重ねられるものなので、トラック輸送する場合に、振動を受けたり、または地震のような外力を受けると、上段の板状物用物流具が前方にズレ動いたり、浮き上がる等して積み重ねが崩れ落ちて重ね状態が不安定であった。
【0011】
すなわち、従来、大型ガラス板等の板状体を載置し、運搬するのに、ラック本体の前記背受部材に対してその前面に、側面所望角度傾斜して設けた背受本体部に板状体をもたせかけて運搬に供すとともに、板状体の運搬に供したラック本体が、運搬を終えて戻される時、または保管時には、ラック本体を安定に、かつコンパクトに積み重ねるようにした板状体の載置装置は無かった。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、簡単な取扱操作により、安定かつコンパクトに積み重ねが行える板状体の載置装置、および板状体の運搬装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体の前記背受部材に対して、その前面に、背受本体部が側面所望角度傾斜して設けられるとともに、前記背受本体部に対して下部に前上がり勾配に傾斜を付けた載置部を有する架台本体部が前記板状体を載置可能に設けられた、板状体の載置装置において、
(イ)前記背受本体部が、左右に対向して立設した左右の支柱と、該支柱の上下に架設する上下の横梁と、により囲まれる正面内域に突出して設けられ、かつ
(ロ)前記架台本体部が、前記支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、該縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に、前記載置部が上方へ突出して設けられている、
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記背受本体部が、左右の前記支柱の内側面の略中程に前方に向けて対向して基端側が取付けられた側梁の上面に設けられた第1縦係止部と、前記側梁と前記支柱の上端との間の中間に設けられた第2縦係止部と、前記第1縦係止部および前記第2縦係止部の内側に側面傾斜して取付けられてその上端が前記支柱の上端間に架設した前記横梁に取付けられた対向する2本の背受本体縦梁、および前記背受本体縦梁の中間に側面傾斜して取付けられて前記横梁に上端が取付けられた背受本体縦梁と、前記背受本体縦梁の下端に架設される背受本体横梁と、により構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、下段のラック本体の前記背受本体部の、前記第1縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第1縦係止部が係止され、かつ前記第2縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第2縦係止部が係止され、かつ、前記背受本体縦梁には上段に積み重ねられるラック本体の背受本体縦梁が位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記架台本体部が、左右の前記縦梁の内側、および前記縦梁間の中間に平行して設けられる他の縦梁の間に側面が前後に傾斜して設けられた架台本体部底梁と、該架台本体部底梁の後部に立設された架台本体部立梁と、前記縦梁間に平行に架設された架台本体部横梁と、前記支柱の下端部および前記縦梁の前端並びに後端の対応位置の下部に設けられた脚部と、により構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−4の何れかにおいて、前記架台本体部における架台本体部立梁に、上段のラック本体の架台本体部立梁が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、
(イ)前記請求項1−5の何れか1項に記載の板状体の載置装置と、
(ロ)柔軟性素材により、背部構成片と、前記背部構成片の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片と、前記側部構成片の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部が重合可能に設けられた略半幅の前部構成片と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の上部に折曲可能に連設された上部構成片と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の下部に折曲可能に連設された下部構成片とよりなり、組立可能かつ展開可能に設けられたカバーと、
(ハ)前記側部構成片、および前記前部構成片、前記上部構成片に、少なくとも内張りされた緩衝部材と、
(ニ)前記カバー内に所望枚数収納された前記板状体の最後部に配列されたものと前記背部構成片との間に添設された剛性を有する補強板と、
(ホ)前記ラック本体に備え付けられた前記カバーを縛束してラック本体に前記板状体を固定するベルトと、により構成されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体の前記背受部材に対して、その前面に、背受本体部が側面所望角度傾斜して設けられるとともに、前記背受本体部に対して下部に前上がり勾配に傾斜を付けた載置部を有する架台本体部が前記板状体を載置可能に設けられた、板状物体の載置装置において、前記背受本体部が、左右に対向して立設した左右の支柱と、該支柱の上下に架設する上下の横梁と、により囲まれる正面内域に突出して設けられ、かつ前記架台本体部が、前記支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、該縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に前記載置部が上方へ突出して設けられているので、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等に用いる大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、さらにはアルミニウム板等の板状体の運搬を行うには、側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体において、左右に対向して立設した左右の支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、前記縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に前記載置部が上方へ突出して設けられた架台本体部上に板状体を載置するとともに、ラック本体の前記背受部材に対してその前面に、側面所望角度傾斜して設けられた背受本体部に梱包された板状体をもたせかけ、ラック本体に備え付けたベルトにより板状体を縛束してラック本体に前記板状体を固定するという簡単な取扱操作により、板状体の運搬に供することができる。そして、板状体は梱包手段により外面が覆われて保護されるから、その表面に傷が付いたり、埃、湿気が付きにくく、製品の信頼性が向上する。
【0020】
また、板状体の載置装置は、板状体の運搬を終えて戻されたり、保管される時には、上下のラック本体相互は、前記背受部材相互が、少なくとも左右に対向して立設した左右の支柱と、前記横梁とが前後方向に位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられるとともに、架台部が、少なくとも左右の前記縦梁と、前記縦梁間に架設された横梁とが上下方向に位相を違えた軌跡上に重合可能に積み重ねられるという簡単な取扱操作により、複数個のラック本体は簡単な取扱操作により確実に積み重ねが行われる。
【0021】
この際、側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体の前記背受部材に対してその前面に設けられる背受本体部が、左右に対向して立設した左右の支柱と、前記支柱の上下に架設する上下の横梁とにより囲まれる正面内域に突出して設けられているので、下段のラック本体に積み重ねられる上段の背受部材の左右の支柱と該支柱の上端部間に架設された横梁に囲まれる内域に下段の背受本体部が嵌合されるため、積み重ねられるラック本体相互は左右の移動が規制される。また、背受本体部の下部に前上がり勾配に傾斜を付けた載置部を有する前記架台本体部が、前記支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、前記縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に前上がり勾配が付けられた前記載置部が上方へ突出して設けられているので、下段のラック本体の載置部に、積み重ねられる上段の載置部が、下段の前記左右の縦梁と、該縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に位相を違えて後部側が前記左右の縦梁と、前記縦梁間に架設された横梁とよりも下方部位になり、重心が低くなり、安定化して載置されるため、積み重ねられるラック本体相互は上下方向、および左右方向、前後方向の移動は規制される。従って、ラック本体を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体が左右方向、前後方向にズレ動いたり、上下方向にズレ動いて浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記背受本体部が、左右の前記支柱の内側面の略中程に前方に向けて対向して基端側が取付けられた側梁の上面に設けられた第1縦係止部と、前記側梁と前記支柱の上端との間の中間に設けられた第2縦係止部と、前記第1縦係止部および前記第2縦係止部の内側に側面傾斜して取付けられてその上端が前記支柱の上端間に架設した前記横梁に取付けられた対向する2本の背受本体縦梁、および前記背受本体縦梁の中間に側面傾斜して取付けられて前記横梁に上端が取付けられた他の背受本体縦梁と、前記背受本体縦梁の下端に架設される背受本体横梁と、により構成されているので、本板状物体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管される時に積み重ねられると、積み重ねられた下段のラック本体の左右の第1縦係止部に上段のラック本体の左右の第1縦係止部が係止され、かつ下段のラック本体の左右の第2縦係止部に上段のラック本体の左右の第2縦係止部が係止されるため、積み重ねられる上下のラック本体は上下方向の移動が規制される。しかも、積み重ねられる上段のラック本体における背受部材の左右の支柱は、下段のラック本体の左右の前記第1縦係止部と前記第2縦係止部とに左右方向に係止されるため、積み重ねられるラック本体相互は左右方向の移動が規制される。従って、ラック本体を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体が左右方向、および上下方向にズレ動いたり、浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、下段のラック本体の前記背受本体部の、前記第1縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第1縦係止部が係止され、かつ、前記第2縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第2縦係止部が係止され、前記背受本体縦梁には上段に積み重ねられるラック本体の背受本体縦梁が位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられるので、本板状体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管時に積み重ねられると、積み重ねられた下段のラック本体の左右の第1縦係止部に上段のラック本体の左右の第1縦係止部が係止され、かつ下段のラック本体の左右の第2縦係止部に上段のラック本体の左右の第2縦係止部が係止されるため、積み重ねられるラック本体は上下方向の移動は規制される。しかも、下段のラック本体の背受本体縦梁には上段に積み重ねられるラック本体の背受本体縦梁が位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられるので、積み重ねられるラック本体相互は前後方向の移動は規制される。従って、ラック本体を積み重ねてトラック輸送する場合に、振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体が上下方向、および前後方向にズレ動いたり、浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記架台本体部が、左右の前記縦梁の内側、および前記縦梁間の中間に平行して設けられる他の縦梁の間に側面が前後に傾斜して設けられた架台本体部底梁と、該架台本体部底梁の後部に立設された架台本体部立梁と、前記縦梁間に平行に架設された架台本体部横梁と、前記支柱の下端部および前記縦梁の前端並びに後端の対応位置の下部に設けられた脚部と、により構成されているので、板状体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管される時に積み重ねられると、積み重ねられた下段のラック本体の左右の前記縦梁の内側、および前記縦梁間の中間に平行して設けられる縦梁の間に側面が前後に傾斜して設けられた架台本体部底梁に対して上段のラック本体部の架台本体部底梁が位相を異にした軌跡上に位置し、上下方向、左右方向、前後方向の移動が規制される。従って、ラック本体を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体が、前後方向、左右方向にズレ動いたり、上下方向にズレ動いて浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。また、架台本体部は、背受部材の左右の支柱の下端部および架台本体部の縦梁の前端並びに後端の対応位置の下部には、脚部が設けられているので、これらの脚部間に設けられる開口部内にフォークリフトのフォークを抜差すれば、ラック本体の移動が容易かつ確実に行える。
【0025】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1−4の何れかにおいて、前記架台本体部における架台本体部立梁に、上段の架台本体部立梁が、設けられているので、積み重ねられる上下のラック本体相互の前後方向の移動は規制され、ラック本体を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体が、前後方向にズレ動き、崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0026】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1−5の何れか1項に記載の板状体の載置装置と、柔軟性素材により、背部構成片と、前記背部構成片の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片と、前記側部構成片の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部が重合可能に設けられた略半幅の前部構成片と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の上部に折曲可能に連設された上部構成片と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の下部に折曲可能に連設された下部構成片とよりなり、組立可能かつ展開可能に設けられたカバーと、前記側部構成片、および前記前部構成片、前記上部構成片に、少なくとも内張りされた緩衝部材と、前記カバー内に所望枚数収納された前記被運搬板状物体の最後部に配列されたものと前記背部構成片との間に添設された剛性を有する補強板と、前記ラック本体に備え付けられた前記カバーを縛束してラック本体に前記板状体を固定するベルトと、により構成されているので、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等に用いる大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、さらにはアルミニウム板等の板状体は、運搬されるに際し、側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体の、左右に対向して立設した左右の支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、該縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に載置部が上方へ突出して設けられた架台本体部上に、柔軟性素材により、背部構成片と、該背部構成片の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片と、該側部構成片の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部が重合可能に設けられた略半幅の前部構成片と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の上部に折曲可能に連設された上部構成片と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の下部に折曲可能に連設された下部構成片とよりなる展開された梱包手段としてのカバーの中に所望枚数収容して梱包し、載置される。そして、ラック本体の前記背受部材に対してその前面に、側面所望角度傾斜して設けられた背受本体部に梱包された板状体をもたせかけ、ラック本体に備え付けたベルトにより縛束してラック本体に前記板状体を固定するという簡単な取扱操作により、板状体の梱包が容易かつ確実に行え、運搬に供することができる。また、前記側部構成片、および前記前部構成片、前記上部構成片には、少なくとも緩衝部材が内張されているので、運搬中にラック本体相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、板状体に対して前記緩衝部材が緩衝性を発揮されることにより割れたり、かけたりすることなく、損傷されずに済む。このように、板状体は梱包手段により外面が覆われて保護されるから、その表面に傷が付いたり、埃、湿気が付きにくく、製品の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の板状体の載置装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は同じくラック本体を重ね積みした状態の斜視図である。
【図3】図3は同じく正面図である。
【図4】図4は同じく平面図である。
【図5】図5は板状体を梱包手段により梱包して運搬する状態を示す側面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態を構成するカバーを展開した状態の平面図である。
【図7】図7は同じく下面図である。
【図8】図8は同じく側面図である。
【図9】図9は同じく下部構成片を残してカバーを折り畳んだ状態の平面図である。
【図10】図10は同じく中央断面図である。
【図11】図11は同じく図9のイ−イ矢視図である。
【図12】図12は同じく板状体を梱包するのに、カバーを略箱形に組立てた状態の水平断面図である。
【図13】図13は同じく中央縦断面図である。
【図14】図14は図11のロ−ロ矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0029】
本発明の板状体の載置装置の実施形態は、側面視略垂直に立設された背受部材2の下部前方に板状体Gを載置する架台部3を有した側面L字状のラック本体1の前記背受部材2に対して、その前面に、背受本体部4が側面所望角度θ傾斜して設けるとともに、前記背受本体部4に対して下部に前上がり勾配αに傾斜を付けた載置部5を有する架台本体部6が、前記板状体Gを載置可能に設けられた、板状物体の載置装置である点は、例えば特許文献1に記載された板状体の載置装置と同様の構成である。
【0030】
しかしながら、本実施形態では、前記背受本体部4が、左右に対向して立設した左右の支柱7,7と、該支柱7,7の上下に架設する上下の横梁8,8と、により囲まれる正面内域N1に突出して設けられ、かつ前記架台本体部6が、前記支柱7,7の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁9,9と、該縦梁9,9間に架設された横梁10,10とにより囲まれる平面内域N2に前記載置部5が上方へ突出して設けられている。
【0031】
前記ラック本体1が、板状体Gを運搬する時には前記板状体Gを前記背受本体部4にもたせかけるとともに、前記架台本体部6に載置させて運搬される。そして、本実施形態では、図示するように、板状体Gを運搬する時には前記板状体Gを前記背受本体部4にもたせかけて梱包手段11により梱包されるが、前記板状体を梱包手段11により梱包するようにしたのは、代表的例示であり、梱包手段11を必ずしも用いることに限られない。
【0032】
前記ラック本体1が、積み重ね時には、前記背受部材2においては、少なくとも前記支柱7,7と、前記横梁8,8とが前後方向Xに位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられるとともに、前記架台部3においては、少なくとも左右の前記縦梁9,9と、前記縦梁9,9間に架設された前記横梁10,10とが上下方向Zに位相を違えた軌跡上に重合可能に積み重ねられる。
【0033】
前記ラック本体1は、板状体Gの運搬が済んだ積み重ね時には、図2に示すように下段の前記背受本体部4の、前記第1縦係止部13,13に積み重ねられる上段のラック本体1の第1縦係止部13,13が係止され、前記第2縦係止部14,14に積み重ねられる上段のラック本体1の第2縦係止部14,14が係止され、前記背受本体縦梁15,15,15には上段に積み重ねられるラック本体1の背受本体縦梁15,15,15が位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられる。
【0034】
前記板状体Gとしては、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等に用いる大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、さらにはアルミニウム板等が挙げられる。
【0035】
前記背受本体部4が、図3に示すように左右の前記支柱7,7の内側面の略中程に前方に向けて対向して基端側が取付けられた側梁12,12の上面に設けられた第1縦係止部13,13と、該側梁12,12の設置位置と前記支柱7,7の上端との間の中間に設けられた第2縦係止部14,14と、前記第1縦係止部13,13および前記第2縦係止部14,14の内側に側面傾斜して取付けられてその上端が前記支柱7,7の上端間に架設した前記横梁8に取付けられた対向する2本の背受本体縦梁15,15、および前記背受本体縦梁15,15の中間に側面傾斜して取付けられて前記横梁8に上端が取付けられた他の背受本体縦梁15と、前記背受本体縦梁15,15,15の下端に架設される背受本体横梁8′と、により構成されている。これらの背受本体縦梁15の設置個数は制限されるものではなく、増減変更は自由に行える。
【0036】
前記架台本体部6が、図4に示すように左右の前記縦梁9,9の内側、および該縦梁9,9間の中間に平行して設けられる縦梁9,9の間に側面が前後に傾斜して設けられた架台本体部底梁16,16,16と、該架台本体部底梁16,16,16の後部に立設された架台本体部立梁17,17,17と、前記縦梁9,9; 9,9間に平行に架設された架台本体部横梁18,18;18,18と、前記支柱7,7の下端部および前記縦梁9,9; 9,9の前端並びに後端の対応位置の下部に設けられた脚部19,19,19,19;19,19,19,19と、により構成されている。前記縦梁9,9; 9,9の設置個数は制限されるものではなく、増減変更は自由に行える。
【0037】
運搬装置としての前記梱包手段11が、図6乃至図14に示すように、柔軟性素材により、背部構成片20と、前記背部構成片20の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片21,21と、前記側部構成片21,21の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部22a,22aが重合可能に設けられた略半幅の前部構成片22,22と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片23a,23b,23cを有して前記背部構成片20の上部に折曲可能に連設された上部構成片23と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片24a,24b,24cを有して前記背部構成片20の下部に折曲可能に連設された下部構成片24とよりなるカバー25を組立可能かつ展開可能に設け、前記側部構成片21、および前記前部構成片22,22、前記上部構成片23に、少なくとも内張りされる緩衝部材26A,26B,26Cと、前記カバー25内に前記板状体Gを所望枚数収納し、前記板状体Gの最後部のものと前記背部構成片20との間に添設される剛性を有する補強板27とに、取り扱い向上と、紛失防止のために、前記カバー25を縛束してラック本体1に前記板状体Gを固定するように前記ラック本体1に備え付けられたベルト28,28,28と、により構成されている。前記ベルト28,28,28は、前記背受本体部4に設けられたべルト挿通金具30により、抜差し可能にラック本体1に備え付けられている。31は前記架台本体部底梁16の上面に設けられたゴム、布よりなる緩衝材である。
【0038】
本発明の板状体の載置装置は以上の構成からなり、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等に用いる大型ガラス板、また、その製造中間過程における中間製品、さらにはアルミニウム板等の板状体Gを運搬するのには、例えば、先ず最初に、図1、図3、図4、図5に示すように側面視略垂直に立設された背受部材2の下部前方に板状体Gを載置する架台部3を有した側面L字状のラック本体1の、左右に対向して立設した左右の支柱7,7の下部前方に設けられた左右の縦梁9,9と、前記縦梁9,9間に架設された横梁10とにより囲まれる平面内域N2に前記載置部5が上方へ突出して設けられた架台本体部6上において、板状体Gは図6乃至図14に示すように柔軟性素材により、背部構成片20と、該背部構成片20の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片21と、前記側部構成片21の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部22a,22bが重合可能に設けられた略半幅の前部構成片22,22と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片23a,23b,23cを有して前記背部構成片20の上部に折曲可能に連設された上部構成片23と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片24a,24b,24cを有して前記背部構成片20の下部に折曲可能に連設された下部構成片24とよりなる展開された梱包手段11としてのカバー25の中に所望枚数枚収容して梱包し、載置される。この際、板状体Gが、ソーラーモジュールである場合には、1つの梱包手段11の中に約50枚のソーラーモジュールを梱包して載置可能であり、しかも、ソーラモジュール間には傷が付かないように合紙を介在して保護が行われる。
【0039】
そして、図5に示すようにラック本体1の前記背受部材2に対してその前面に、側面所望角度θ傾斜して設けられた背受本体部4に梱包された板状体Gをもたせかけ、ラック本体1に上下2段並びに正面中央に備え付けたベルト28,28,28により縛束してラック本体1に前記板状体Gを固定するという簡単な取扱操作により、板状体Gの梱包が容易かつ確実に行え、板状体Gはラック本体1に載置され、運搬に供することができる。
【0040】
この際、板状体Gは、ラック本体1の前記背受部材2に対してその前面に、側面所望角度θの傾斜して設けられた背受本体部4に梱包された板状体Gをもたせかけ、ラック本体1に上下2段並びに正面中央に備え付けたベルト28,28,28により縛束されて保持されるので、板状体Gの梱包と、運搬とが確実に行える。また、梱包手段11としてのカバー25に対する板状体Gの梱包作業と開封作業とは、ラック本体1の架台本体部6上において行えるので、便利であり、板状体Gの梱包を開封後に板状体Gをカバーから迅速かつ円滑に取り出すことができるとともに、板状体Gを取り出後は、カバー25を架台本体部6から容易に撤去し、折り畳むことができ、邪魔にならない。しかも、カバー25は、ラック本体1からベルト28,28,28を取り去り、片づけることができる。
【0041】
また、左右の前記側部構成片21,21、および左右の前記前部構成片22,22、前記上部構成片23には、少なくとも緩衝部材26A,26B,26Cが内張されているので、板状体Gの運搬中にラック本体1,1・・・相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、板状物体Gに対して前記緩衝部材26A,26B,26Cが緩衝性を発揮し、衝撃を緩和することにより板状体5は割れたり、かけたりすることなく、損傷されずに済む。このように、板状体Gは梱包手段11により外面が覆われて密封性を発揮して保護されるから、その表面に傷が付いたり、埃、湿気が付きにくく、製品の信頼性が向上する。そして、緩衝部材26A,26B,26Cは、前述のように、側部構成片21,21、および前記前部構成片22,22、前記上部構成片23に内張されているので、板状体Gをカバー25にて梱包する際に緩衝部材を個別に介装するという手間を軽減できる。
【0042】
そして、本発明の板状物体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管される時には、例えば図5に示すように上下のラック本体1,1・・・相互は、前記背受部材2,2・・・相互が、少なくとも左右に対向して立設した支柱7,7と、前記横梁8とが前後方向Xに位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられるとともに、架台部3が、少なくとも左右の前記縦梁9,9と、該縦梁9,9間に架設された横梁10とが上下方向Zに位相を違えた軌跡上に重合可能に積み重ねられるという簡単な取扱操作により、複数個、例えば5台以上のラック本体1,1・・・は簡単な取扱操作により確実に積み重ねが行われる。
【0043】
この際、側面視略垂直に立設された背受部材2の下部前方に板状体Gを載置する架台部3を有した側面L字状のラック本体1の前記背受部材2に対してその前面に設けられる背受本体部4が、左右に対向して立設した支柱7,7と、前記支柱7,7の上下に架設する上下の横梁8,8とにより囲まれる正面内域N1に突出して設けられているので、下段のラック本体1に積み重ねられる上段の背受部材2の左右の支柱7,7と該支柱7,7の上端部間に架設された横梁8に囲まれる正面内域N1に下段の背受本体部4が嵌合されるため、積み重ねられるラック本体1,1・・・相互は前後方向Xおよび左右方向Yの移動が規制される。
【0044】
しかも、前記背受本体部4が、左右の前記支柱7,7の内側面の略中程に前方に向けて対向して基端側が取付けられた側梁12,12の上面に設けられた第1縦係止部13,13と、該側梁12,12の設置位置と前記支柱7,7の上端との間の中間に設けられた第2縦係止部14,14と、前記第1縦係止部13,13および前記第2縦係止部14,14の内側に側面傾斜して取付けられてその上端が前記支柱7,7の上端間に架設した前記横梁8に取付けられた対向する2本の背受本体縦梁15、および該背受本体縦梁15,15の中間に側面傾斜して取付けられて前記横梁8に上端が取付けられた他の背受本体縦梁15と、前記背受本体縦梁15,15,15の下端に架設される背受本体横梁8′とにより構成されているので、本板状体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管される時に積み重ねられると、積み重ねられた下段のラック本体1の左右の第1縦係止部13,13に上段のラック本体1の左右の第1縦係止部13,13が係止され、かつ下段のラック本体1の左右の第2縦係止部14,14に上段のラック本体の左右の第2縦係止部14,14が係止されるため、積み重ねられる上下のラック本体1,1・・・は上下方向Zの移動が二重に規制されるとともに、上段のラック本体1,1・・・の荷重は、下段のラック本体1の第1縦係止部13,13と、第2縦係止部14,14とに分散されて加わる。しかも、積み重ねられる上段のラック本体1における背受部材2の左右の支柱7,7は、下段のラック本体1の左右の前記第1縦係止部13,13と前記第2縦係止部14,14とに左右方向Yに係止されるため、積み重ねられるラック本体1,1・・・相互は左右方向Yの移動は規制される。従って、不使用時にラック本体1,1・・・を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体1,1・・・相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体1が左右方向Y、および上下方向Zにズレ動いたり、浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0045】
また、背受本体部4の下部に前上がり勾配αに傾斜を付けた載置部5を有する前記架台本体部6が、前記支柱7,7の下部前方に同幅に設けられた左右の縦梁9,9と、該縦梁9,9間に架設された横梁8とにより囲まれる平面内域N2に前上がり勾配αが付けられた前記載置部5が上方へ突出して設けられているので、下段の載置部5に、積み重ねられる上段のラック本体1の載置部5が、下段の前記左右の縦梁9,9と、前記縦梁9,9間に架設された横梁10とにより囲まれる平面内域N2に位相を違えて載置部5の後部側が前記左右の縦梁9,9と、該縦梁9,9間に架設された横梁8よりも下方部位に積み重ねられることにより、重心が低くなり、安定化して載置されるため、積み重ねられるラック本体1,1・・・相互は上下方向Z、および左右方向Y、前後方向Xの移動は規制される。従って、ラック本体1,1・・・を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体1,1・・・相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体1が左右方向Y、前後方向Xにズレ動いたり、上下方向Zにズレ動いて浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0046】
また、前記架台本体部6が、左右の前記縦梁9,9の内側、および該縦梁9,9間の中間に平行して設けられる縦梁9,9の間に側面が前後に前上がり勾配αに傾斜して設けられた架台本体部底梁16,16,16と、前記架台本体部底梁16,16,16の後部に立設された架台本体部立梁17,17,17と、前記縦梁9,9; 9,9間に平行に架設された架台本体部横梁18,18;18,18と、前記支柱7,7の下端部および前記縦梁9,9; 9,9の前端並びに後端の対応位置の下部に設けられた前後8本の脚部19,19,19,19;19,19,19,19とにより構成されているので、本板状体の載置装置は、運搬を終えて戻されたり、保管される時に積み重ねられると、積み重ねられた下段のラック本体1の左右の前記縦梁9,9の内側、および該縦梁9,9間の中間に平行して設けられる縦梁9,9の間に側面が前後に傾斜して設けられた前上がり勾配αの架台本体部底梁16,16,16に対して上段のラック本体1の架台本体部底梁16,16,16が位相を異にした軌跡上に位置することにより、上下方向Z、左右方向Y、前後方向Xの移動が規制される。従って、ラック本体1を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体1,1・・・相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体1が、前後方向X、左右方向Yにズレ動いたり、上下方向Zにズレ動いて浮き上がる等して崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0047】
また、前記ラック本体1は、前記架台本体部6の、架台本体部立梁17に上段に積み重ねられる上段のラック本体1の架台本体部立梁17が前後方向Xに係止されるので、積み重ねられる上下のラック本体1,1・・・相互の前後方向Xの移動は規制され、ラック本体1,1・・・を積み重ねてトラック輸送する場合に、積み重ねられたラック本体1,1・・・相互が振動を受けたり、または地震のような外力を受けても、積み重ねられた上段のラック本体1が、前後方向Xにズレ動き、崩れ落ちることなく、安定に積み重ねて輸送が行える。
【0048】
また、架台本体部6は、背受部材2の左右の支柱7,7の下端部および架台本体部6の縦梁9,9,9,9,9の前端並びに後端の対応位置の下部には、脚部19,19,19,19;19,19が設けられているので、これらの脚部19,19間に設けられる開口部K内にフォークリフトやハンドリフトのフォーク(図には示さず)を抜差すれば、ラック本体1,1・・・の移動が容易かつ確実に行える。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は簡単な取扱操作により、積み重ねが安定かつコンパクトに行えるという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0050】
1 ラック本体
2 背受部材
3 架台部
4 背受本体部
5 載置部
6 架台本体部
7 支柱
8 横梁
9 縦梁
10 横梁
11 梱包手段
12 側梁
13 第1縦係止部
14 第2縦係止部
15 背受本体縦梁
16 架台本体部底梁
17 架台本体部立梁
17 架台本体部横梁
19 脚部
25 カバー
26A 緩衝部材
26B 緩衝部材
26C 緩衝部材
27 補強板
28 ベルト
θ 角度
α 前上がり勾配
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面視略垂直に立設された背受部材の下部前方に板状体を載置する架台部を有した側面L字状のラック本体の前記背受部材に対して、その前面に、背受本体部が側面所望角度傾斜して設けられるとともに、前記背受本体部に対して下部に前上がり勾配に傾斜を付けた載置部を有する架台本体部が前記板状体を載置可能に設けられた板状物体の載置装置において、
(イ)前記背受本体部が、左右に対向して立設した左右の支柱と、該支柱の上下に架設する上下の横梁と、により囲まれる正面内域に突出して設けられ、
(ロ)前記架台本体部が、前記支柱の下部前方に水平に設けられた左右の縦梁と、該縦梁間に架設された横梁とにより囲まれる平面内域に前記載置部が上方へ突出して設けられている、
ことを特徴とする板状体の載置装置。
【請求項2】
前記背受本体部が、左右の前記支柱の内側面の略中程に前方に向けて対向して基端側が取付けられた側梁の上面に設けられた第1縦係止部と、前記側梁と前記支柱の上端との間の中間に設けられた第2縦係止部と、前記第1縦係止部および前記第2縦係止部の内側に側面傾斜して取付けられてその上端が前記支柱の上端間に架設した前記横梁に取付けられた対向する2本の背受本体縦梁、および前記背受本体縦梁の中間に側面傾斜して取付けられて前記横梁に上端が取付けられた他の背受本体縦梁と、前記背受本体縦梁の下端に架設される背受本体横梁と、により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の板状体の載置装置。
【請求項3】
下段のラック本体の前記背受本体部の、前記第1縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第1縦係止部が係止され、かつ前記第2縦係止部に上段に積み重ねられるラック本体の第2縦係止部が係止され、前記背受本体縦梁には上段に積み重ねられるラック本体の背受本体縦梁が位相を異にした軌跡上に重合可能に設けられる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の板状体の載置装置。
【請求項4】
前記架台本体部が、左右の前記縦梁の内側、および該縦梁間の中間に平行して設けられる縦梁の間に側面が前後に傾斜して設けられた架台本体部底梁と、該架台本体部底梁の後部に立設された架台本体部立梁と、前記縦梁間に平行に架設された架台本体部横梁と、前記支柱の下端部および前記縦梁の前端並びに後端の対応位置の下部に設けられた脚部と、により構成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の板状体の載置装置。
【請求項5】
前記架台本体部における架台本体部立梁に、上段のラック本体の架台本体部立梁が設けられていることを特徴とする請求項1−4の何れかに記載の板状体の載置装置。
【請求項6】
(イ)前記請求項1−5の何れか1項に記載の板状体の載置装置と、
(ロ)柔軟性素材により、背部構成片と、前記背部構成片の左右に折曲可能に連設された左右の側部構成片と、前記側部構成片の外側に折曲可能に連設されて組立時に正面中央において縁部が重合可能に設けられた略半幅の前部構成片と、その上部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の上部に折曲可能に連設された上部構成片と、その下部並びに左右に折曲可能な耳片を有して前記背部構成片の下部に折曲可能に連設された下部構成片とよりなり、組立可能かつ展開可能に設けられたカバーと、
(ハ)前記側部構成片、および前記前部構成片、前記上部構成片に、少なくとも内張りされた緩衝部材と、
(ニ)前記カバー内に所望枚数収納された前記被運搬板状物体の最後部に配列されたものと前記背部構成片との間に添設された剛性を有する補強板と、
(ホ)前記ラック本体に備え付けられた前記カバーを縛束してラック本体に前記被運搬板状物体を固定するベルトと、により構成されている
ことを特徴とする板状体の運搬装置。














































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−131525(P2012−131525A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284722(P2010−284722)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(596026578)サイデック株式会社 (15)
【Fターム(参考)】