果実袋
【課題】従来よりも作業効率が良くコストが安いと共に安全にかつ簡単に取付できる果実袋を提供する。
【解決手段】果実袋3を外袋1と内袋2との2重構造とし、外袋1は収穫時の果実4を内包できる大きさの封筒状に形成され、外袋2の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部15を有し、折り畳み部15の背面側と外袋の背面の外側上部とのいずれか一方または双方に粘着剤が塗布されたのりしろ面16を有し、内袋2は、果実の幼果を内包できる大きさの封筒状又は筒状に形成され、外袋の開口している上縁付近の内側と内袋2の開口している上縁付近の外側とが接着し、内袋2の下縁及び内袋2の一方の側縁に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする。
【解決手段】果実袋3を外袋1と内袋2との2重構造とし、外袋1は収穫時の果実4を内包できる大きさの封筒状に形成され、外袋2の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部15を有し、折り畳み部15の背面側と外袋の背面の外側上部とのいずれか一方または双方に粘着剤が塗布されたのりしろ面16を有し、内袋2は、果実の幼果を内包できる大きさの封筒状又は筒状に形成され、外袋の開口している上縁付近の内側と内袋2の開口している上縁付近の外側とが接着し、内袋2の下縁及び内袋2の一方の側縁に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梨等の果実の栽培に使用する果実袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二十世紀梨その他の梨等の果実を生産する際に、果実が小さい間に果実に果実袋をかぶせ、果実の病気予防、防虫、成長促進、更には、果実の表面に傷等がつかないようにするようなことが行われている。
【0003】
特に、二十世紀梨のような果実にあっては、開花約20日後頃の果実の幼果に、果実への病害虫対策として、糊止め式の一重袋(小袋)を幼果にかぶせる袋かけ作業をしている。
【0004】
また、開花約50日後頃になり、果実の生育がさらに進むと、果実への病害虫対策に加えて、果実の肌の仕上がりをよくするため(すべすべ感の向上や、つやつや感の向上のため)や、果実の表面の着色ムラを防ぐため、内袋と、外袋とを備える2重袋(大袋)が用いられることが、多い(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−67846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、開花約20日後と開花約50日後にそれぞれ果実袋をかぶせる作業をしなければならず一回だけ果実袋を掛けるのと比べて、作業に労力がかかり、また、用意する果実袋の数も2倍必要なのでコストもかかる。
【0006】
また、針金等の締結手段を用いるので、長時間の作業で手や指に大きな負担がかかり、腱鞘炎等になり易く、作業中に指を傷つけることも多い。さらに、このような針金等による締結は熟練した技術が必要であるので、未熟者が袋掛けを行った場合には作業後に袋口が開口したり、落袋したりすることも多く、やり直しの手間を要することがある。また、、袋口をしわ寄せし易くするために水でぬらす作業も必要となるので、さらに手間がかかる。
【0007】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、従来よりも作業効率が良くコストが安いと共に安全にかつ簡単に取付できる果実袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面側と前記外袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、前記内袋は、果実の幼果を内包できる大きさの封筒状又は筒状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着し、前記内袋の下縁と前記内袋の一方の側縁とのいずれかまたは双方に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする果実袋である。
【0009】
請求項2の発明は、外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面側と前記外袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、前記内袋は、収穫時の果実を内包できる大きさであると共に前記外袋に収納可能な大きさの封筒状又は筒状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着することを特徴とする果実袋である。
【0010】
請求項3の発明は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成された1重構造の果実袋において、前記果実袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の内側と前記果実袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有することを特徴とする果実袋である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明に係る果実袋は、内袋が果実の幼果を内包できる大きさの袋形状であるので、果実が小さい間に果実に被袋させることによって果実の耐病性や防虫性を高める効果を発揮できる。この内袋の下縁および一方の側縁に破断容易な切れ目を有するので、果実が成長し内袋内部で膨らむと内袋の下縁および一方の側縁が破断する。したがって、果実が成長することで除袋作業をすることなしに内袋が除袋される。また、外袋は収穫時の果実を内包できる大きさであるので、生育が進んだ果実の着色ムラを防ぎ表面を綺麗にすることができる。このように、請求項1の発明は、外袋の中に内袋が接着した構成であるので、一回の袋掛作業で内袋と外袋を掛けることができ、従来の2回掛けの効果を発揮することができる。したがって、袋掛作業に費やすコストを低減させることができる。
【0012】
また、請求項1の発明は袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで果実に固定できるので、未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等によって怪我をすることや、腱鞘炎等を防ぐことができる。
【0013】
また、請求項1の発明は果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、しわ寄せをしやすくするためにあらかじめ水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。また、使用して除袋した後に針金などの留め具がないので、固形燃料等に再利用し易い。
【0014】
請求項2の発明に係る果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、請求項1の発明同様に未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、請求項1の発明と同様に、しわ寄せをしやすくするために水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。
【0015】
また、請求項2の発明に係る果実袋は、内袋が収穫時の果実を内包できる大きさに形成されているので、開花後約50日頃の生育の進んだ果実に袋掛けを行うことができる。すなわち、開花後約20日頃に、別途、用意した小袋による袋掛け作業を行った場合にも、請求項2の発明に係る果実袋を使用することができる。したがって、汎用性に優れている。
【0016】
請求項3の発明に係る果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、請求項1の発明同様に未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、内袋を有さないので、別途、果実が小さい間に果実の耐病性や防虫性を高めることができる小袋を袋掛した後に本発明の果実袋を使用することができると共に、本発明の果実袋に小袋を装着して接着してから袋掛けすることもできる。また、果実の種類や栽培方法によっては、別途小袋掛けをすることなしに、生育の進んだ果実に請求項3の発明に係る果実袋を使用することもできる。すなわち、耐病性や防虫性の高い品種や栽培方法がであるときは請求項3に係る果実袋のみを袋掛けする方法で使用することもできる。このように、請求項3の発明に係る果実袋は、特に汎用性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。外袋1は、上縁の片側の隅から上縁の半ばまでを開口する開口部11を有する有底に形成されている。外袋1は、図1に示すように、底縁の両隅に雨水等を排出できる排水口12、12が形成されている。本実施例においては、図1に示すように、外袋1の底縁を両隅を開口させたまま正面紙13の底縁を折り曲げて接着する構成であるが、例えば、外袋1の底縁を接着させた後に、両隅を切り取ることにことにより、排水溝12を確保する構成としても良い。また、本実施例では、排水口12を底縁の両隅に設けることで雨水を効果的に排出させるものであるが、片側に設ける構成であっても良い。すなわち、雨水等の排出ができる構成であれば良い。
【0018】
なお、本発明における外袋1は、長方形の紙の対向する2辺に突起形状を設けた紙の両端を重ね合わせて接着し、さらに、一方の突起形状を折り曲げて接着することにより袋形状としており、重ね合わせて接着した両端を有する紙を背面紙14とし、重ね合わせた両端を有さない面を正面紙13としている。また、本実施形態の果実袋3に果実4を挿入して袋を閉じたときに、外になる面を外側とし、果実側となる面を内側としている。
【0019】
また、外袋1は、例えばパラフィンワックス、植物油またはエマルジョンワックス等の撥水性を有する物質を塗布した加工紙が好適に用いられるが、原紙や合成樹脂によって構成されるものであっても良い。
【0020】
外袋1の開口部11の上縁は、背面紙14よりも正面紙13が隆起して折り畳み部15を形成している。この折り畳み部15の内側はのりしろ面16aを有すると共に、外袋1の背面紙14の外側の開口部11近辺にはのりしろ面16bを有しており、両のりしろ面16a、16bには天然ゴム系の接着剤が塗布されている。これにより、折り畳み部15を開口部11を閉じる方向に折り曲げると、のりしろ面16aとのりしろ面16bとに塗布された天然ゴム系の接着剤が合着する。また、この天然ゴム系の接着剤は、天然ゴム系の接着剤が塗布された面同士を密着させると接着するが、天然ゴム系の接着剤が塗布された面と塗布されていない面とを密着させても接着しないので、折り畳み部15を折り曲げずに果実袋を重ね合わせて保管することができる。
【0021】
内袋2は、長方形の紙製のシートの両端を重ね合わせて接着し、外袋1に収納できる大きさの筒状に形成し、筒口の一方の開口は開いたまま開口部21とし、筒口の他方の開口の一部を接着部22で接着させて袋状にしている。また、内袋2側面の所定位置にはミシン目状の切れ目23を有している。なお、本実施例では内袋2は筒状に形成され、片側の開口を接着することで袋状にしているが、例えば、上縁を開口した封筒状に形成し、下縁と両側縁のうちいずれか一方とにミシン目状の切れ目23を設ける構成としても良い。すなわち、内部から膨張圧力が加わると容易に破断する構成であれば良い。
【0022】
なお、内袋2は例えばパラフィンワックス、植物油またはエマルジョンワックス等の撥水性を有する物質を塗布した加工紙が好適に用いられるが、原紙や合成樹脂によって構成されるものであっても良い。
【0023】
内袋2は外袋1に収納されて、外袋1の内側の開口部11付近と内袋2の外側上部とが接着されて一体化している。すなわち、外袋1の開口部11と内袋2の開口部21とがほぼ一致する位置で外袋1と内袋2が接着される。したがって、外袋1の開口部11に果実の幼果を挿入すると、同時に内袋2の開口部21にも果実の幼果を挿入することとなる。
【0024】
果実袋3を使用するときには、果実4の幼果を開口部11、21から内袋2に入れ、果樹枝5を外袋1の上縁の開口部11側の隅付近で外部に突き出させた状態でのりしろ面16aとのりしろ面16bとを重ね合わせて接着する。すなわち、果実3の幼果を内包した状態で、折り畳み部15により開口部11が閉じられる。なお、外袋1の開口部11と内袋2の開口部21とはほぼ一致する位置で接着しているので、開口部11が閉じられると、おのずと開口部21も閉じられることとなる。
【0025】
果実3が成長すると、その体積膨張に伴う圧力により接着部22が剥がれ、また、切れ目23から内袋2の側面が破断する。これにより、除袋作業を行わなくても、内袋2が除袋される。また、さらに成長することにより、内包された果実3が外袋1の中央付近に移動することとなる。
【0026】
なお、第1の実施形態においては天然ゴム系の接着剤を塗布する場合は、のりしろ面16aおよびのりしろ面16bの両方に接着剤が塗布されなければならないが、天然ゴム系の接着剤でなくとも良い。例えば、図7に示すように、のりしろ面16aにアクリル系の接着剤を塗布し、塗布したアクリル系接着剤の上から離型紙17を貼り付け、のりしろ面bには接着剤および離型紙17を接着しない構成としても良い。この場合には、保管時に果実袋3を重ね合わせても、のりしろ面16aには離型紙17が貼り付けられているので果実袋3同士が接着することはない。また、果実3に被袋するときには、離型紙17を剥がし取り折り畳み部15を折り曲げることで果実袋3を果実4に固定することができる。なお、図7ではのりしろ面16aに接着剤および離型紙17を貼り、のりしろ面16bには接着剤および離型紙17を貼らない構成としているが、のりしろ面16aに接着剤および離型紙17を貼らずにのりしろ面16bに接着剤および離型紙17を貼り付ける構成としても良い。
【0027】
アクリル系の接着剤は、天然ゴム系の接着剤に比べて長期間粘着力を損なわないので、上述のように、アクリル系の接着剤と離型紙17とを用いる構成とすれば、果実袋3を重ね合わせた状態で長期間保管可能である。
【0028】
また、例えば、図8及び図9に示すように、折り畳み部15の内側面にあるのりしろ面16aにはアクリル系の接着剤を塗布し、折り畳み部15の外側面には離型紙17を貼り付ける構成としても良い。保管時には果実袋3を重ねても、図10に示すように、アクリル系の接着剤が塗布されたのりしろ面16aは下側または上側に重なった果実袋3の離型紙17が貼り付けられている折り畳み部15の外側面と重なることとなり、アクリル系の接着剤は離型紙17に密着する構成となるので、被袋作業時には果実袋3を一枚づつ剥がして使用することができる。
【0029】
従って、この構成によると、果実袋3を重ね合わせた状態で長期間保管可能であると共に、被袋作業時にも作業者は数十枚の重ねて緩く密着している果実袋3を手に持ちつつ別途離型紙17を剥がす作業が必要なくなり効率的に作業することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図11を参照しつつ説明する。なお、第1の実施例と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
内袋2は図11に示すように収穫時の果実を内包できる大きさであって、外袋1に収納できる大きさに形成される。また、内袋2は外袋1の内部に収納された状態で、内袋2の外側上縁付近と外袋1の内側上縁付近とが接着剤等で接着されている。内袋2の上縁は外袋1の上縁に設けられた開口部11とほぼ同じ位置に開口部21が設けられている。
【0032】
第2の実施形態の果実袋3は果実が幼果をの時に被袋作業を行うことができ、また、内袋2が収穫時の果実を内包できる大きさであるので、果実に小袋を被袋する作業を開花後20日前後に行った場合に、さらに果実が成長した後に本実施形態の果実袋を被袋させることもできる。したがって汎用性に優れている。
【0033】
また、第2の実施形態の果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、しわ寄せをしやすくするために水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図12を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施形態の果実袋3は内袋2を有さず、1重の外袋1を有している。この果実袋3を使用するときには、別途、果実4が小さい間に果実の耐病性や防虫性を高めることができる小袋を袋掛し、その後、果実4が所定の大きさに成長した頃に、本実施形態の果実袋3を袋掛けすることができる。また、本実施形態の果実袋3の内部に別途用意した小袋を挿入して、本実施形態の果実袋3の内側面と上記の小袋の外側面とを接着した後に、果実に袋掛けを行うこともできる。このように、本実施形態の果実袋は特に汎用性に優れている。
【0036】
また、第1の実施形態と同様に本実施形態の果実袋3も、袋の固定に針金等の留め具を使わない。したがって、針金等によって怪我をしたり、腱鞘炎になることを防ぐことができる。また、針金等の留め具が無いので、使用した果実袋3を除袋した後、容易に固形燃料等として再利用することができる。さらに、接着剤をただ貼り合わすだけの果実袋3の固定作業は未熟練者でも容易に行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上述の第1から第3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る果実袋3は、作業効率が良くコストが安いと共に安全にかつ簡単に取付できるので、従来2度の袋掛け作業を行う20世紀梨などの果実4の栽培に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】開口部を開口した状態の果実袋を背面から見た図。
【図2】開口部を開口した状態の内袋の斜視図。
【図3】開口部を開口していない状態の果実袋を背面から見た図。
【図4】図3のA−A断面説明図。
【図5】幼果を挿入した果実袋の使用説明図。
【図6】成長した果実を内包した果実袋の使用説明図。
【図7】果実袋ののりしろ面に接着剤を使用し、その上に離型紙を貼り付けた実施形態の説明図。
【図8】果実袋の折り畳み部の正面紙外側に離型紙を使用した状態説明図。
【図9】果実袋の折り畳み部の正面紙内側に接着剤を使用した状態説明図。
【図10】図8および図9に示す果実袋を重ねた状態を示す斜視図。
【図11】収穫時の果実を内包できる大きさの内袋を外袋に内包させる2重構造の果実袋を背面から見た図および使用状態図。
【図12】1重の外袋を有する果実袋を背面から見た図および使用状態図。
【符号の説明】
【0040】
1 外袋
2 内袋
3 果実袋
13 正面紙
14 背面紙
15 折り畳み部
16aのりしろ面
16bのりしろ面
【技術分野】
【0001】
本発明は、梨等の果実の栽培に使用する果実袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二十世紀梨その他の梨等の果実を生産する際に、果実が小さい間に果実に果実袋をかぶせ、果実の病気予防、防虫、成長促進、更には、果実の表面に傷等がつかないようにするようなことが行われている。
【0003】
特に、二十世紀梨のような果実にあっては、開花約20日後頃の果実の幼果に、果実への病害虫対策として、糊止め式の一重袋(小袋)を幼果にかぶせる袋かけ作業をしている。
【0004】
また、開花約50日後頃になり、果実の生育がさらに進むと、果実への病害虫対策に加えて、果実の肌の仕上がりをよくするため(すべすべ感の向上や、つやつや感の向上のため)や、果実の表面の着色ムラを防ぐため、内袋と、外袋とを備える2重袋(大袋)が用いられることが、多い(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−67846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、開花約20日後と開花約50日後にそれぞれ果実袋をかぶせる作業をしなければならず一回だけ果実袋を掛けるのと比べて、作業に労力がかかり、また、用意する果実袋の数も2倍必要なのでコストもかかる。
【0006】
また、針金等の締結手段を用いるので、長時間の作業で手や指に大きな負担がかかり、腱鞘炎等になり易く、作業中に指を傷つけることも多い。さらに、このような針金等による締結は熟練した技術が必要であるので、未熟者が袋掛けを行った場合には作業後に袋口が開口したり、落袋したりすることも多く、やり直しの手間を要することがある。また、、袋口をしわ寄せし易くするために水でぬらす作業も必要となるので、さらに手間がかかる。
【0007】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、従来よりも作業効率が良くコストが安いと共に安全にかつ簡単に取付できる果実袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面側と前記外袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、前記内袋は、果実の幼果を内包できる大きさの封筒状又は筒状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着し、前記内袋の下縁と前記内袋の一方の側縁とのいずれかまたは双方に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする果実袋である。
【0009】
請求項2の発明は、外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面側と前記外袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、前記内袋は、収穫時の果実を内包できる大きさであると共に前記外袋に収納可能な大きさの封筒状又は筒状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着することを特徴とする果実袋である。
【0010】
請求項3の発明は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成された1重構造の果実袋において、前記果実袋の上縁の一部開口している正面の上縁が背面の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の内側と前記果実袋の前記背面の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有することを特徴とする果実袋である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明に係る果実袋は、内袋が果実の幼果を内包できる大きさの袋形状であるので、果実が小さい間に果実に被袋させることによって果実の耐病性や防虫性を高める効果を発揮できる。この内袋の下縁および一方の側縁に破断容易な切れ目を有するので、果実が成長し内袋内部で膨らむと内袋の下縁および一方の側縁が破断する。したがって、果実が成長することで除袋作業をすることなしに内袋が除袋される。また、外袋は収穫時の果実を内包できる大きさであるので、生育が進んだ果実の着色ムラを防ぎ表面を綺麗にすることができる。このように、請求項1の発明は、外袋の中に内袋が接着した構成であるので、一回の袋掛作業で内袋と外袋を掛けることができ、従来の2回掛けの効果を発揮することができる。したがって、袋掛作業に費やすコストを低減させることができる。
【0012】
また、請求項1の発明は袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで果実に固定できるので、未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等によって怪我をすることや、腱鞘炎等を防ぐことができる。
【0013】
また、請求項1の発明は果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、しわ寄せをしやすくするためにあらかじめ水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。また、使用して除袋した後に針金などの留め具がないので、固形燃料等に再利用し易い。
【0014】
請求項2の発明に係る果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、請求項1の発明同様に未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、請求項1の発明と同様に、しわ寄せをしやすくするために水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。
【0015】
また、請求項2の発明に係る果実袋は、内袋が収穫時の果実を内包できる大きさに形成されているので、開花後約50日頃の生育の進んだ果実に袋掛けを行うことができる。すなわち、開花後約20日頃に、別途、用意した小袋による袋掛け作業を行った場合にも、請求項2の発明に係る果実袋を使用することができる。したがって、汎用性に優れている。
【0016】
請求項3の発明に係る果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、請求項1の発明同様に未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、内袋を有さないので、別途、果実が小さい間に果実の耐病性や防虫性を高めることができる小袋を袋掛した後に本発明の果実袋を使用することができると共に、本発明の果実袋に小袋を装着して接着してから袋掛けすることもできる。また、果実の種類や栽培方法によっては、別途小袋掛けをすることなしに、生育の進んだ果実に請求項3の発明に係る果実袋を使用することもできる。すなわち、耐病性や防虫性の高い品種や栽培方法がであるときは請求項3に係る果実袋のみを袋掛けする方法で使用することもできる。このように、請求項3の発明に係る果実袋は、特に汎用性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。外袋1は、上縁の片側の隅から上縁の半ばまでを開口する開口部11を有する有底に形成されている。外袋1は、図1に示すように、底縁の両隅に雨水等を排出できる排水口12、12が形成されている。本実施例においては、図1に示すように、外袋1の底縁を両隅を開口させたまま正面紙13の底縁を折り曲げて接着する構成であるが、例えば、外袋1の底縁を接着させた後に、両隅を切り取ることにことにより、排水溝12を確保する構成としても良い。また、本実施例では、排水口12を底縁の両隅に設けることで雨水を効果的に排出させるものであるが、片側に設ける構成であっても良い。すなわち、雨水等の排出ができる構成であれば良い。
【0018】
なお、本発明における外袋1は、長方形の紙の対向する2辺に突起形状を設けた紙の両端を重ね合わせて接着し、さらに、一方の突起形状を折り曲げて接着することにより袋形状としており、重ね合わせて接着した両端を有する紙を背面紙14とし、重ね合わせた両端を有さない面を正面紙13としている。また、本実施形態の果実袋3に果実4を挿入して袋を閉じたときに、外になる面を外側とし、果実側となる面を内側としている。
【0019】
また、外袋1は、例えばパラフィンワックス、植物油またはエマルジョンワックス等の撥水性を有する物質を塗布した加工紙が好適に用いられるが、原紙や合成樹脂によって構成されるものであっても良い。
【0020】
外袋1の開口部11の上縁は、背面紙14よりも正面紙13が隆起して折り畳み部15を形成している。この折り畳み部15の内側はのりしろ面16aを有すると共に、外袋1の背面紙14の外側の開口部11近辺にはのりしろ面16bを有しており、両のりしろ面16a、16bには天然ゴム系の接着剤が塗布されている。これにより、折り畳み部15を開口部11を閉じる方向に折り曲げると、のりしろ面16aとのりしろ面16bとに塗布された天然ゴム系の接着剤が合着する。また、この天然ゴム系の接着剤は、天然ゴム系の接着剤が塗布された面同士を密着させると接着するが、天然ゴム系の接着剤が塗布された面と塗布されていない面とを密着させても接着しないので、折り畳み部15を折り曲げずに果実袋を重ね合わせて保管することができる。
【0021】
内袋2は、長方形の紙製のシートの両端を重ね合わせて接着し、外袋1に収納できる大きさの筒状に形成し、筒口の一方の開口は開いたまま開口部21とし、筒口の他方の開口の一部を接着部22で接着させて袋状にしている。また、内袋2側面の所定位置にはミシン目状の切れ目23を有している。なお、本実施例では内袋2は筒状に形成され、片側の開口を接着することで袋状にしているが、例えば、上縁を開口した封筒状に形成し、下縁と両側縁のうちいずれか一方とにミシン目状の切れ目23を設ける構成としても良い。すなわち、内部から膨張圧力が加わると容易に破断する構成であれば良い。
【0022】
なお、内袋2は例えばパラフィンワックス、植物油またはエマルジョンワックス等の撥水性を有する物質を塗布した加工紙が好適に用いられるが、原紙や合成樹脂によって構成されるものであっても良い。
【0023】
内袋2は外袋1に収納されて、外袋1の内側の開口部11付近と内袋2の外側上部とが接着されて一体化している。すなわち、外袋1の開口部11と内袋2の開口部21とがほぼ一致する位置で外袋1と内袋2が接着される。したがって、外袋1の開口部11に果実の幼果を挿入すると、同時に内袋2の開口部21にも果実の幼果を挿入することとなる。
【0024】
果実袋3を使用するときには、果実4の幼果を開口部11、21から内袋2に入れ、果樹枝5を外袋1の上縁の開口部11側の隅付近で外部に突き出させた状態でのりしろ面16aとのりしろ面16bとを重ね合わせて接着する。すなわち、果実3の幼果を内包した状態で、折り畳み部15により開口部11が閉じられる。なお、外袋1の開口部11と内袋2の開口部21とはほぼ一致する位置で接着しているので、開口部11が閉じられると、おのずと開口部21も閉じられることとなる。
【0025】
果実3が成長すると、その体積膨張に伴う圧力により接着部22が剥がれ、また、切れ目23から内袋2の側面が破断する。これにより、除袋作業を行わなくても、内袋2が除袋される。また、さらに成長することにより、内包された果実3が外袋1の中央付近に移動することとなる。
【0026】
なお、第1の実施形態においては天然ゴム系の接着剤を塗布する場合は、のりしろ面16aおよびのりしろ面16bの両方に接着剤が塗布されなければならないが、天然ゴム系の接着剤でなくとも良い。例えば、図7に示すように、のりしろ面16aにアクリル系の接着剤を塗布し、塗布したアクリル系接着剤の上から離型紙17を貼り付け、のりしろ面bには接着剤および離型紙17を接着しない構成としても良い。この場合には、保管時に果実袋3を重ね合わせても、のりしろ面16aには離型紙17が貼り付けられているので果実袋3同士が接着することはない。また、果実3に被袋するときには、離型紙17を剥がし取り折り畳み部15を折り曲げることで果実袋3を果実4に固定することができる。なお、図7ではのりしろ面16aに接着剤および離型紙17を貼り、のりしろ面16bには接着剤および離型紙17を貼らない構成としているが、のりしろ面16aに接着剤および離型紙17を貼らずにのりしろ面16bに接着剤および離型紙17を貼り付ける構成としても良い。
【0027】
アクリル系の接着剤は、天然ゴム系の接着剤に比べて長期間粘着力を損なわないので、上述のように、アクリル系の接着剤と離型紙17とを用いる構成とすれば、果実袋3を重ね合わせた状態で長期間保管可能である。
【0028】
また、例えば、図8及び図9に示すように、折り畳み部15の内側面にあるのりしろ面16aにはアクリル系の接着剤を塗布し、折り畳み部15の外側面には離型紙17を貼り付ける構成としても良い。保管時には果実袋3を重ねても、図10に示すように、アクリル系の接着剤が塗布されたのりしろ面16aは下側または上側に重なった果実袋3の離型紙17が貼り付けられている折り畳み部15の外側面と重なることとなり、アクリル系の接着剤は離型紙17に密着する構成となるので、被袋作業時には果実袋3を一枚づつ剥がして使用することができる。
【0029】
従って、この構成によると、果実袋3を重ね合わせた状態で長期間保管可能であると共に、被袋作業時にも作業者は数十枚の重ねて緩く密着している果実袋3を手に持ちつつ別途離型紙17を剥がす作業が必要なくなり効率的に作業することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図11を参照しつつ説明する。なお、第1の実施例と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
内袋2は図11に示すように収穫時の果実を内包できる大きさであって、外袋1に収納できる大きさに形成される。また、内袋2は外袋1の内部に収納された状態で、内袋2の外側上縁付近と外袋1の内側上縁付近とが接着剤等で接着されている。内袋2の上縁は外袋1の上縁に設けられた開口部11とほぼ同じ位置に開口部21が設けられている。
【0032】
第2の実施形態の果実袋3は果実が幼果をの時に被袋作業を行うことができ、また、内袋2が収穫時の果実を内包できる大きさであるので、果実に小袋を被袋する作業を開花後20日前後に行った場合に、さらに果実が成長した後に本実施形態の果実袋を被袋させることもできる。したがって汎用性に優れている。
【0033】
また、第2の実施形態の果実袋は、袋の固定に針金等の留め具を使わず、接着剤をただ貼り合わすだけで固定できるので、未熟練者であっても容易に袋掛作業を行うことができ、針金等で怪我をしたり、腱鞘炎になることもない。また、果実袋を巾着状に締着するのではなく、ただ貼り合わすだけでよいので、しわ寄せをしやすくするために水でぬらす作業も必要ない。したがって、針金等で果実袋を締着する場合に比べてさらに作業時間を減らすことができる。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図12を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施形態の果実袋3は内袋2を有さず、1重の外袋1を有している。この果実袋3を使用するときには、別途、果実4が小さい間に果実の耐病性や防虫性を高めることができる小袋を袋掛し、その後、果実4が所定の大きさに成長した頃に、本実施形態の果実袋3を袋掛けすることができる。また、本実施形態の果実袋3の内部に別途用意した小袋を挿入して、本実施形態の果実袋3の内側面と上記の小袋の外側面とを接着した後に、果実に袋掛けを行うこともできる。このように、本実施形態の果実袋は特に汎用性に優れている。
【0036】
また、第1の実施形態と同様に本実施形態の果実袋3も、袋の固定に針金等の留め具を使わない。したがって、針金等によって怪我をしたり、腱鞘炎になることを防ぐことができる。また、針金等の留め具が無いので、使用した果実袋3を除袋した後、容易に固形燃料等として再利用することができる。さらに、接着剤をただ貼り合わすだけの果実袋3の固定作業は未熟練者でも容易に行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上述の第1から第3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る果実袋3は、作業効率が良くコストが安いと共に安全にかつ簡単に取付できるので、従来2度の袋掛け作業を行う20世紀梨などの果実4の栽培に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】開口部を開口した状態の果実袋を背面から見た図。
【図2】開口部を開口した状態の内袋の斜視図。
【図3】開口部を開口していない状態の果実袋を背面から見た図。
【図4】図3のA−A断面説明図。
【図5】幼果を挿入した果実袋の使用説明図。
【図6】成長した果実を内包した果実袋の使用説明図。
【図7】果実袋ののりしろ面に接着剤を使用し、その上に離型紙を貼り付けた実施形態の説明図。
【図8】果実袋の折り畳み部の正面紙外側に離型紙を使用した状態説明図。
【図9】果実袋の折り畳み部の正面紙内側に接着剤を使用した状態説明図。
【図10】図8および図9に示す果実袋を重ねた状態を示す斜視図。
【図11】収穫時の果実を内包できる大きさの内袋を外袋に内包させる2重構造の果実袋を背面から見た図および使用状態図。
【図12】1重の外袋を有する果実袋を背面から見た図および使用状態図。
【符号の説明】
【0040】
1 外袋
2 内袋
3 果実袋
13 正面紙
14 背面紙
15 折り畳み部
16aのりしろ面
16bのりしろ面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、
前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面紙側と前記外袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、
前記内袋は、果実の幼果を内包できる大きさの袋状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着し、前記内袋の下縁と一方の側縁とのいずれかまたは双方に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする果実袋。
【請求項2】
外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、
前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面紙側と前記外袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、
前記内袋は、収穫時の果実を内包できる大きさであると共に前記外袋に収納可能な大きさの袋状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着することを特徴とする果実袋。
【請求項3】
収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成された1重構造の果実袋において、
前記果実袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の内側と前記果実袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有することを特徴とする果実袋。
【請求項1】
外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、
前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面紙側と前記外袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、
前記内袋は、果実の幼果を内包できる大きさの袋状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着し、前記内袋の下縁と一方の側縁とのいずれかまたは双方に破断を容易にする切れ目を有することを特徴とする果実袋。
【請求項2】
外袋に内袋を内包させる2重構造の果実袋において、
前記外袋は、収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成され、前記外袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の背面紙側と前記外袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有し、
前記内袋は、収穫時の果実を内包できる大きさであると共に前記外袋に収納可能な大きさの袋状に形成され、前記外袋の開口している上縁付近の内側と前記内袋の開口している上縁付近の外側とが接着することを特徴とする果実袋。
【請求項3】
収穫時の果実を内包できる大きさの封筒状に形成された1重構造の果実袋において、
前記果実袋の上縁の一部開口している正面紙の上縁が背面紙の上縁よりも突起した形状の折り畳み部を有し、前記折り畳み部の内側と前記果実袋の前記背面紙の外側上部とのいずれか一方または双方に接着剤が塗布されたのりしろ面を有することを特徴とする果実袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−319003(P2007−319003A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149117(P2006−149117)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(506180383)日本農業資材株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(506180383)日本農業資材株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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