枝豆収穫機
【課題】 本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な枝豆収穫機を提供することを目的とする。
【解決手段】 植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は前記機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、前記左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成し、前記駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて前記走行機体Aを遠隔操作し得るように構成したものである。
【解決手段】 植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は前記機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、前記左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成し、前記駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて前記走行機体Aを遠隔操作し得るように構成したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝豆収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば畑に植えられる枝豆を茎ごと抜き取り、茎から枝豆を手でもぎ取る作業は大変である。
【0003】
そこで、本出願人は、この手作業による重労働を解消すべく、特許第2884024号、特許第3482392号、特許第3511490号により畑に植えたままの茎から枝豆だけを直接もぎ取ることができる枝豆収穫機を提案している。
【0004】
【特許文献1】特許第2884024号公報
【特許文献2】特許第3482392号公報
【特許文献3】特許第3511490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、この枝豆収穫機について更なる研究開発を進め、より一層商品価値に秀れ画期的な枝豆収穫機を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は前記機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、前記左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成し、前記駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて前記走行機体Aを遠隔操作し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機に係るものである。
【0008】
また、少なくとも前記制御部28は前記受信部29により受信する無線制御信号により前記各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0009】
また、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位にエンジン30を車載し、このエンジン30で前記発電装置27を発電駆動するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0010】
また、前記発電装置27及び前記エンジン30は一つずつとし、前記電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と前記電動モータ26とを電気コードで接続したことを特徴とする請求項3記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0011】
また、前記左右の車輪24は前記走行機体Aに対して昇降調整自在に構成して、前記走行機体Aの接地時の高さを調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な枝豆収穫機となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0014】
本発明は、機体5(走行機体A)を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により茎2から枝豆3がもぎ取られる。
【0015】
また、本発明は、機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、機体5若しくは機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により各電動モータ26を駆動するように構成し、駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて走行機体Aを遠隔操作し得るように構成している。
【0016】
従って、走行する駆動源として電動モータ26を採用することでエンジンを利用した走行機構とした場合に必須となるギアやクラッチ等が不要となり操作が簡易になるのは勿論、枝豆収穫機全体の軽量化が達成され、電動モータ26故に騒音の発生を可及的に防止することができ、しかも、この発電装置27の電気を利用して電動モータ26を駆動することができるのは勿論、この電動モータ26の他にも種々の電気制御し得る装置の具備が可能となり将来への発展(多機能化)が期待できる。
【0017】
また、本発明は、走行機体Aは遠隔操作し得る構成であるから、もぎ取り作業の自動化が達成されることになり、例えば早朝のもぎ取り作業など農作業者に負担のかかる場面での使用は特にその効果を発揮し得る(農作業者の負担が可及的に軽減される)ことになる。
【0018】
また、少なくとも制御部28は受信部29により受信する無線制御信号により各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成した場合には、機体5の前後方向への進退移動だけでなく、例えば一方の電動モータ26のみを停止したり、互いに逆方向に駆動させて左右の車輪24を逆方向に回動させて左右方向へ反転させたり向きを変えたりする操作も円滑且つ静かに行なわれることになる。
【0019】
また、機体5若しくは機体5と共に走行移動する部位にエンジン30を車載し、このエンジン30で発電装置27を発電駆動するように構成した場合には、例えばエンジン30で発電装置27を発電駆動しつつ電動モータ26等の駆動を行なうから、例えばバッテリーの充電が行なわれながら各種の制御が非常に効率の良く行なわれることになる。
【0020】
また、発電装置27及びエンジン30は一つずつとし、電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と電動モータ26とを電気コードで接続した場合には、左右の各車輪24を駆動する電動モータ26に対して発電装置27及びエンジン30から発生する電気を供給することができることになる。
【0021】
また、左右の車輪24は走行機体Aに対して昇降調整自在に構成して、走行機体Aの接地時の高さを調整自在に構成した場合には、例えば畝の高さや畝間に位置する凹溝(車輪24が通過する部位)の深さなどのその作業場所の条件によって高さ調整を行なうことで枝豆もぎ取り装置4が良好にもぎ取り処理し得る状態が確実に得られることになる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、畑の畝31に植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機である。尚、本実施例に係る枝豆3のもぎ取り構造は枝豆を収穫する収穫機だけに限らず、本実施例の特性を発揮することができる使用形態となる構成であれば適宜設計変更し得るものである。
【0024】
以下、本実施例に係る構成各部の詳細な説明をする。
【0025】
機体5は、図1に図示したように前方部32Aと後方部32Bとから成る金属製のフレーム体32で構成され、この前方部32Aには、その上面及び左右側面を覆う透明部33a付きのボックス体33が配設され、このボックス体33の上面には開閉扉34が設けられている。
【0026】
また、ボックス体33の正面となる部位には開口部33bが設けられ、この開口部33bは植付枝豆1を通過させることができる高さ及び巾を備えて植付枝豆1の植付枝豆導入部として構成されている。
【0027】
この植付枝豆導入部33bには閉塞体38が設けられている。
【0028】
この閉塞体38は、図6に図示したように適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材38a,38bで構成され、このブラシ材38a,38bは、夫々植付枝豆導入部33bの対向する開口左右縁に互いに先端同志が当接するように前方部の内方へ向けて突設されている。
【0029】
このブラシ材38a,38bの柔軟性とは、後述する引き寄せ導入装置9に係る回動軸8Aは勿論、植付枝豆1の通過を許容し、且つ、植付枝豆1が植付枝豆導入部33bを通過した際、植付枝豆1の形状に応じて形状変化をして植付枝豆1が挟まった状態にあっても植付枝豆導入部33bの閉塞状態を維持して植付枝豆1の通過を許容する程度の柔軟性に設定されている。
【0030】
従って、この閉塞体38により後述する枝豆もぎ取り装置4でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆導入部33bから機体5の外部へ排出されるのが防止されることになる。尚、この閉塞体38として、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。
【0031】
また、機体5は、走行移動自在に設けられている。
【0032】
具体的には、その左右側面に車輪24が設けられ、この各車輪24は夫々を別個に駆動する電動モータ26が設けられており、フレーム体32の上部に配設された発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成されている。尚、機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体(図示省略)の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体とした構成としても良い。
【0033】
従って、本実施例に係る機体5は、自ら駆動源を備えた自走式に構成され、農耕用作業車として走行するに必要不可欠な基本構造は具備せしめられており、走行駆動源として電動モータ26を採用することでエンジンを利用した走行機構とした場合に必須となるギアやクラッチ等が不要となり操作が簡易になるのは勿論、枝豆収穫機全体の軽量化が達成され、しかも、モータ故に騒音の発生を可及的に防止することができる。
【0034】
また、本実施例は、駆動モータ26の駆動を制御する制御部に無線制御信号を受信する受信部を設けて機体5を遠隔操作し得るように構成されており、制御部は受信部により受信する無線制御信号により各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成されている。この機体5の遠隔操作は、機体5の走行を制御し得るのは勿論、後述する枝豆もぎ取り装置4や引き寄せ導入装置9や土除去用振り払い装置17や送風装置43等の装置の制御も可能である。GPSを利用した遠隔操作機能を具備せしめても良い。
【0035】
また、本実施例は、機体5にエンジン30を車載し、このエンジン30で発電装置27を発電駆動するように構成している。
【0036】
具体的には、図8に図示したように発電装置27及びエンジン30は一つずつとし、電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と電動モータ26とを電気コードで接続している。
【0037】
この発電装置27で発生させた電気を利用することで、前述した装置の他にも様々な装置の制御が可能となる(様々な機能への発展が可能となる。)。
【0038】
また、左右の車輪24は、機体5に対して昇降調整自在に構成されている。
【0039】
具体的には、左右の車輪24は、夫々図1,6に図示したように該車輪24が取り付けられる車輪取り付け部36を、機体5に係るフレーム体32の左右側面に設けられる昇降装置37に連結して昇降自在に構成されている。
【0040】
従って、機体5は、その接地時の植付地面31aに対して高さが調整自在となる。
【0041】
また、機体5は、その前方部32Aの先端部位及び後方部32Bの基端部位の2箇所に夫々同一構造の操作部35が設けられている。
【0042】
この操作部35は、駆動源(発電装置27及びエンジン30)を始動させるスターター、アクセル(スロットル)、機体5の進行方向等を切り替えるチェンジレバー、ブレーキレバーなどの走行手段を操作し得るのは勿論、後述する枝豆もぎ取り装置4や引き寄せ導入装置9や土除去用振り払い装置17や茎葉除去装置18や送風装置43等の装置を作動させたり停止したりするなどの操作も行えるように構成されている。この後方部32Bの基端部位に配設された操作部35は、例えば機体5を畝31に跨がせる際など、枝豆3のもぎ取り時以外の時に機体5の向きを変えたりする時に使用し、一方、前方部32Aの先端部位に配設された操作部35は、主に枝豆3のもぎ取りに際して機体5を直進移動させる時であって、作業者が機体5の前方にて枝豆3のもぎ取り処理作業が良好に行われているか否かを確認しながら移動させる時に使用することができる。
【0043】
以上の構成から、機体5は遠隔操作により無人操作可能であり、しかも、有人操作の際には作業者はその都度操作部35を自由に選択して機体5を一人で良好に移動操作できることになる。
【0044】
また、機体5の前方部32Aには枝豆もぎ取り装置4が設けられている。
【0045】
具体的には、この枝豆もぎ取り装置4は、図2〜5に図示したように植付枝豆1の茎2を挟んで対向し得るように回転部6を対向配設し、この回転部6を回転させた機体5を走行移動させて植付枝豆1を回転部6間に導入することで、回転部6のもぎ取り部7によるしごき(打撃若しくは振り払い)によって枝豆3を茎2からもぎ取るように構成されている。
【0046】
この左右の回転部6は、夫々回転軸6Aの対向位置に放射状にして螺旋状に柔軟板材から成るもぎ取り部7を突設して構成されている。尚、回転部6の回転方向と螺旋状のもぎ取り部7の螺旋方向とは植付枝豆1を良好に引き寄せる条件となるよう適宜設計するものである。
【0047】
また、この回転部6は、夫々前方部32A内に回転軸6Aが植付枝豆1の植付方向が軸方向となるように配される共に、互いに所定の間隔を介した状態で前進方向に対して後方側を高くして斜設され(対向する前記回転部6の回転軸6Aは植付枝豆導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設され)、前述した駆動源(エンジン30)を介して回転自在に設けられている。尚、この回転部6を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0048】
また、この左右の回転部6は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0049】
以上の構成からなる回転部6における枝豆3のもぎ取り処理工程について説明すると、回転させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、2本の回転部6夫々のもぎ取り部7の先端同志が枝豆3を上方にしごき上げるようにして(打撃若しくは振り払いして)、植付枝豆1の根本側から上端側へと茎2から枝豆3をもぎ取るもぎ取り処理が行われることになる。
【0050】
また、機体5の前方部32A正面位置にして枝豆もぎ取り装置4の対向回転部6間の植付枝豆導入口側には、この対向回転部6間に導入される若しくは導入された植付枝豆1をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部8から成る引き寄せ導入装置9が設けられている。
【0051】
この引き寄せ導入部9は、機体5の正面に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設して構成されている。
【0052】
具体的には、このガイド部11は、図2,4,5に図示したように先端部から前記枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とし、駆動源(エンジン30)の作動により回転する回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して成る引き寄せ回転部8を対設して構成されており、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢して引き寄せ力を生じせしめて、少なくとも回転部6間に植付枝豆1を導入した際若しくは導入後前記枝豆3のもぎ取りを開始する際に生じる植付枝豆1の導入反対方向に生じる逃げ力に抗するように引き寄せ導入装置9を構成している。尚、この引き寄せ回転部8を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0053】
また、引き寄せ回転部8は、図2,4に図示したように引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成されている。
【0054】
また、この引き寄せ回転部8は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0055】
また、引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8は、回転部6の上方に配設されるように構成されている。
【0056】
具体的には、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の植付枝豆導入口部の上方でやや重合するように配設している。また、図4に図示したように回転軸8Aの後端部にして引き寄せ部10が突設されていない部位においても回転部6の上方に配される構成とし、当該部位もガイド機能を発揮するように構成されている。尚、引き寄せ回転部8の後端部は回転部6間の導入口部の上方において必要以上に重合させる必要はなく、上方で一致するようにしても良いなど適宜設計変更し得るものである。
【0057】
以上の構成からなる引き寄せ導入装置9における植付枝豆1の引き寄せについて説明すると、回動させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、回転する引き寄せ回転部8の引き寄せ部10で植付枝豆1を回転部6間への導入方向へ押圧若しくは打撃し引き寄せ力を生じせしめて、当該回転部6間へ植付枝豆1を導入することになる。
【0058】
従って、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができるから、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0059】
また、本実施例は、この引き寄せ導入装置9で植付枝豆1を引き寄せることで、機体5の走行移動に対する抵抗が減少することになり、よって、この引き寄せ導入装置9が機体5の走行を助力することにもなる。
【0060】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成したから、種々の高さ位置にある植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0061】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とする回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して引き寄せ回転部8を構成し、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢するように構成したから、植付枝豆1を叩き起こすような強引に引き寄せるのではない為、植付枝豆1が傷つくのを可及的に防止しつつ円滑且つ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0062】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成した場合には、例えば広がったり倒れたりしている茎2や枝を束ねるように植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0063】
また、本実施例は、機体5に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設したから、例えば進行方向に対して左右に広がる植付枝豆1を束ねるようにして確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができ、しかも、この左右に対設されるガイド部11によって植付枝豆1をセンター出しが行なわれた状態で確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0064】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向に長さを有する引き寄せ回転部8を対設してこの引き寄せ回転部8をガイド部11としたから、このガイド部11として枝豆もぎ取り装置4における回転構造と同様の回転構造を採用することで、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0065】
また、本実施例は、少なくとも回転部6間の植付枝豆導入口部は植付枝豆1になる枝豆3よりも下方に位置するように構成し、この回転部6の上方に引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8を配設した場合には、確実に植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を引き寄せ導入装置9によって引き寄せつつ枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0066】
また、本実施例は、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して前記植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の導入口部の上方でやや重合するように配設したから、引き寄せ回転部8は植付枝豆1が回転部6間に導入されるまで確実にガイドすることになり、よって、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができることになり、しかも、植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を回転部6の間へ導入して確実にもぎ取ることができる。
【0067】
また、本実施例は、機体5(前方部32A)の正面下部左右位置にして前記枝豆もぎ取り装置4に対して水平若しくは下方となる位置に植付地面31aを滑走する一対の滑走部12を設けている。
【0068】
この各滑走部12は、その先端部に畝31上部の植付地面31aを削り取る削り縁13を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁14を立設して、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置15を設け、更に、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部16から成る土除去用振り払い装置17を枝豆もぎ取り装置4の前方に設けている。
【0069】
土除去用滑走装置15は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を前記削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると前記植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0070】
更に具体的には、土除去用滑走装置15は、図9,10,11に図示したようにL形アングル材(正面方向から見て外方へ屈曲状)の先端縁を削り縁13とし、底板部を滑走部12とし内側の立ち上がり部を土誘導壁部14とし、このL形アングル材を機体5の先端部左右にハ字状に配設して、この滑走部12間に植付枝豆1が通過するように機体5を走行移動させると、植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0071】
また、滑走部12は、その後方部位に後述する土除去用振り払い装置16に係る振り払い移動部16により払われた土を排出する排出孔部12aが切り欠き状に設けられている。
【0072】
土除去用振り払い装置17は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けてを構成されている。
【0073】
この振り払い移動部16は、図9,10,12に図示したように下端縁が植付枝豆1の側方の植付地面31aに接地する回転板16Aを前述した駆動源(エンジン30)の作動により回動する回動軸39の下端部に設けて回転移動自在に設けて構成されている。尚、この回動軸39を回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0074】
また、振り払い移動部16は、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定されており、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定している。尚、振り払い移動部16は植付枝豆1に近接する長さに設定しても良い。
【0075】
また、振り払い移動部16に係る回転板16Aは適度な柔軟性を有する部材(合成樹脂部材)で構成されており、よって、振り払い移動部16は屈曲自在であり、該振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように構成されている。
【0076】
以上の構成からなる滑走部12における機能に説明すると、土除去用滑走装置15は、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土を削りつつ左右外方へ押し分けて除去し、土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を土除去用振り払い装置17で振り払い除去することになる。この際、機体5に設けた枝豆もぎ取り装置4を、除去した土分だけ低い位置で植付枝豆1に対して走行移動し得ることになる。
【0077】
従って、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けるとともに、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面が振り払い除去されることになるから、枝豆もぎ取り装置4をどの低い位置で植付枝豆1に対して走行移動させても常に枝豆もぎ取り装置4が通過する位置は土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により土が除去されることになり、枝豆もぎ取り装置4で植付地面の土を拾ってしまうようなことはなく、よって、この構成から、植付枝豆1の低い位置(植付地面に近い位置)になる枝豆3を確実且つ良好にもぎ取ることができることになる。
【0078】
また、本実施例は、機体5の先端部左右に植付地面を滑走する滑走部12を設けることにより機体5の走行移動が安定することになり、しかも、この滑走部12に土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17を設けることにより、常に機体5を水平な状態で走行移動させることができることになるから、地面の状態によって機体5が斜めを向いたりすることがなく、常に枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態が得られることになる(枝豆もぎ取り装置4は、機体5が水平状態の際、枝豆3が良好にもぎ取られるように設計される。)。
【0079】
また、本実施例は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように土除去用滑走装置15を構成したから、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土を削り取って左右外方へ押し分けることができ、しかも、極めて簡易構造であるからコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0080】
また、本実施例は、下端縁が植付地面に接地する回転板16Aを植付枝豆1の側方で回転移動自在に設けて振り払い移動部16を構成し、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定したから、より一層植付枝豆1の根元間近の地面を振り払い除去することができることになる。
【0081】
また、本実施例は、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定し、この振り払い移動部16を屈曲自在に設けてこの振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように土除去用振り払い装置17を構成したから、植付枝豆1が枝豆もぎ取り装置4に導入する前に植付枝豆1(茎2)を折ったり傷付けてしまうようなことはなく、よって、枝豆もぎ取り装置4へ最良の状態で植付枝豆1を導入することができることになる。
【0082】
また、本実施例は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けて土除去用振り払い装置17を構成したから、少なくとも植付枝豆1の根元間近の左右の土を確実に除去することができることになる。
【0083】
また、機体5の前方部3Aの先端側下部には、茎1を浮かせないようにし、茎1から枝豆2を良好にもぎ取る為のソリ状の接地板44が左右に並設されている。この接地板44の間は植付枝豆1の茎2を通過させる茎導入間隙に設定されている。
【0084】
この接地板44の後端は少なくともに枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置させることが望ましい。これは、枝豆3が回転部6間でしごき上げられ該枝豆3がもぎ取られる初期段階において茎2が地面から引き抜かれようとする力が最も働き、よって、これを防止する為、接地板44の後端は少なくとも枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置にする必要がある為である。
【0085】
尚、接地板44の内側に挟持板を立設して茎2を挟持するように構成しても良いし、挟持板の代わりに左右に挟持無端ベルトを対設し、この対向するベルト間で挟持する構成を採用しても良い。
【0086】
また、機体5には、茎葉除去装置18が設けられている。
【0087】
この茎葉除去装置18は、図13,14に図示したように植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように構成されている。
【0088】
具体的には、この茎葉除去装置18は、機体5に係る前方部32Aの正面下部中央位置に設けた植付枝豆1の上部が導入されるケース体から成る導入部20に切断用回転部19を前述した駆動源(エンジン30)の作動により回転自在に配設して構成されており、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2を切断除去する切断用回転部19により構成している。尚、この切断用回転部19を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0089】
また、導入部20の側方部には、排出開口部を設けて切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21が設けられており、この茎葉導出部21からは切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を機体5の進行方向と直交する方向に排出することになる。
【0090】
以上の構成からなる茎葉除去装置18における機能に説明すると、機体5を走行移動させた際、枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に茎葉除去装置18により植付枝豆1の上部の茎や葉などは切断除去され、植付枝豆1は所定の高さとなる。
【0091】
従って、前述した茎葉除去装置18により確実に植付枝豆1の上部の茎2や葉を切除除去するから、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができ、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0092】
また、本実施例は、茎葉除去装置18で予め切断除去することにより大量の葉が枝豆もぎ取り装置4へ導入されることがないから、この点においても枝豆もぎ取り装置4の取り残しを減らすことができ、しかも、茎2や葉を詰まりにくくすることができて枝豆もぎ取り装置4の故障が可及的に防止されることになり、また、機体5の走行移動の抵抗を低減することもでき、また、茎2や葉が周囲へ飛散するのも確実に抑制することができ、また、枝豆もぎ取り装置4でのもぎ取り作業後の仕分けも良好となる。
【0093】
また、本実施例は、茎葉除去装置18は、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2や葉を切断除去する切断用回転部19により構成したから、機体5を走行移動させながら確実に植付枝豆1の上部の茎を切断除去することができることになる。
【0094】
また、本実施例は、機体5の走行移動により植付枝豆1の上部が導入される導入部20に切断用回転部19を回転自在に配設したから、植付枝豆1を導入部20内に順次導入させて切断用回転部19により確実に切断除去することができる。
【0095】
また、本実施例は、導入部20に切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21を設けたから、切断除去した茎及び葉を決められた位置から排出してコントロールすることができ、周囲への飛散等を確実に抑制することができる。
【0096】
また、機体5には搬送体40が設けられている。
【0097】
この搬送体40は、前述した駆動源(エンジン30)の作動により回動する一対の回動軸40aと、この回動軸40a間に架設される一対の搬送ベルト40bとで構成されており、機体5に係る前方部32A内にして枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の後方(下方)位置に平行状態となるように斜設されている。従って、この搬送体40に受けられた枝豆3は後方部32B側へ搬送されることになる。尚、この回動軸40aを回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0098】
また、搬送体40は、その先端側(下端側)中央部位に間隙(通過部)が形成されている。
【0099】
この通過部は、前述した接地板44と同様に枝豆がもぎ取られた植付枝豆1を搬送体40の後方へ移動可能にする為のものである。
【0100】
更に具体的に説明すると、この通過部は、回転部6間の下方位置(後方位置)にして搬送体40の中央位置に設けられているが、これは、本実施例は、搬送体40を回転部6の後方に設けることで、該回転部6から落下する枝豆3を確実に受けることができる構成とした為、当該搬送体40の位置に植付枝豆1を通過させる必要があるからである。
【0101】
また、通過部には、もぎ取られた枝豆3が通過するのを阻止する閉塞体が設けられている。
【0102】
この閉塞体は、植付枝豆1の通過を許容し得る程度の適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材から成り、この一対のブラシ材を通過部の開口左右縁に互いに内方へ向けて対向状態に突設して構成されている。従って、閉塞体は、植付枝豆1が回転部間を通過させた際、茎の形状に応じて形状変化することで植付枝豆1のみの通過を許容することになり、よって、植付枝豆1が通過部を通過中であっても、回転部6でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆1の通過部から機体5の外部へ排出されるのが可及的に防止されることになる。つまり、仮に、閉塞体が硬質のもので構成された場合、この閉塞体を通過する植付枝豆1が挟まってつっかえ棒のような状態となり、当該閉塞体を構成する部材間に隙間が生じてしまい、よって、この隙間から枝豆3が機体5の外部へ排出されることになってしまうが、この点、本実施例の構成であればそのような問題が生じることはない。尚、この閉塞体としては、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。また、この閉塞体と同素材のものが前記茎導入部にも設けられている。
【0103】
以上の構成から、機体5の前方部3Aは略全面を閉塞されたケース状に構成され、よって、枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6でもぎ取られた枝豆3が機体5の外部へ排出(落下)することは可及的に防止されることになる。
【0104】
また、機体5の後方部32Bにして搬送体40の終端位置近傍には仕分け体41が設けられている。
【0105】
この仕分け体41は、複数の円柱状の軸体41aを回動自在に並設したものであり、この回転軸体41a同志は所定の間隔を介した位置に配設され、この間隙は、万一枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の作用により地面から抜けたり或いは折れたりした植付枝豆1が搬送体40で搬送された場合、該植付枝豆1をこの仕分け体41を介して間隙Lの下方に設置される収穫箱42に落下させず、該仕分け体41の後方へ送り出すようにする為のものである。
【0106】
また、機体5の後方部32B内にして搬送体40の終端の下方位置に送風装置43(ブロアー)が設けられている。
【0107】
この送風装置43は、前述した駆動源(エンジン30)の作動により回転する回転羽根43aを設け、搬送体40の終端と仕分け体41との間隙に下方から後方向(図2中a方向)へ向けて所定の風圧で風が吹き上がるように構成されており、この風圧とは、仮に搬送体40の終端と仕分け体41との間隙を通過できる大きさのものであっても、この風に吹き飛ばされる重量の軽い葉屑やゴミなどは間隙を通過させることなく上記植付枝豆1と同様に機体5の後方(外部)へ排出させ、一方、この風に吹き飛ばされない比較的重量の重い枝豆3は収穫箱42内に落下するように構成されている。尚、この回転羽根43aを回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0108】
従って、搬送体40で搬送される枝豆3だけが収穫箱42内へ落下して、それ以外の葉屑や植付枝豆1などと確実に選別されることになる。
【0109】
以下、本実施例に係る枝豆収穫機を使用した枝豆の収穫方法について説明する。
【0110】
まず、機体5を畑の畝31を跨がせた状態で枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6を回転させながら前進させると、引き寄せ導入装置9により植付枝豆1は引き寄せられると共に、左右の接地板44間に植付枝豆1は導入され、そのまま機体5を前進させると、一対の回転部6は機体5の前進に伴ってその植付枝豆1へのもぎ取り位置が次第に高い位置となり植付枝豆1から枝豆3が全てもぎ取られることになる。この際、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により畝31の邪魔な土は除去されると共に、茎葉除去装置18により植付枝豆1の上方の茎や葉は除去される。
【0111】
続いて、もぎ取られた枝豆3や一部の葉屑などは搬送体40により上方へ送られ、適宜選別されて枝豆3のみが収穫箱42へ集められることになる。
【0112】
本実施例は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになる。
【0113】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本実施例を示す斜視図である。
【図2】本実施例の概略動作説明図である。
【図3】本実施例に係る要部の説明図である。
【図4】本実施例に係る要部の説明図である。
【図5】本実施例に係る要部の説明図である。
【図6】本実施例に係る要部の説明図である。
【図7】本実施例を示す側面図である。
【図8】本実施例に係る要部の説明図である。
【図9】本実施例に係る要部の説明図である。
【図10】本実施例に係る要部の説明図である。
【図11】本実施例に係る要部の説明図である。
【図12】本実施例に係る要部の説明図である。
【図13】本実施例に係る要部の説明図である。
【図14】本実施例に係る要部の説明図である。
【符号の説明】
【0115】
A 走行機体
1 植付枝豆
2 茎
3 枝豆
4 枝豆もぎ取り装置
5 機体
24 車輪
26 電動モータ
27 発電装置
28 制御部
29 受信部
30 エンジン
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝豆収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば畑に植えられる枝豆を茎ごと抜き取り、茎から枝豆を手でもぎ取る作業は大変である。
【0003】
そこで、本出願人は、この手作業による重労働を解消すべく、特許第2884024号、特許第3482392号、特許第3511490号により畑に植えたままの茎から枝豆だけを直接もぎ取ることができる枝豆収穫機を提案している。
【0004】
【特許文献1】特許第2884024号公報
【特許文献2】特許第3482392号公報
【特許文献3】特許第3511490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、この枝豆収穫機について更なる研究開発を進め、より一層商品価値に秀れ画期的な枝豆収穫機を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は前記機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、前記左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成し、前記駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて前記走行機体Aを遠隔操作し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機に係るものである。
【0008】
また、少なくとも前記制御部28は前記受信部29により受信する無線制御信号により前記各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0009】
また、前記機体5若しくは前記機体5と共に走行移動する部位にエンジン30を車載し、このエンジン30で前記発電装置27を発電駆動するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0010】
また、前記発電装置27及び前記エンジン30は一つずつとし、前記電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と前記電動モータ26とを電気コードで接続したことを特徴とする請求項3記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0011】
また、前記左右の車輪24は前記走行機体Aに対して昇降調整自在に構成して、前記走行機体Aの接地時の高さを調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な枝豆収穫機となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0014】
本発明は、機体5(走行機体A)を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により茎2から枝豆3がもぎ取られる。
【0015】
また、本発明は、機体5の左右に車輪24を設けてこの機体5を走行機体Aとした構成又は機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体Aとした構成とし、左右の車輪24夫々を別個に駆動する電動モータ26を設け、機体5若しくは機体5と共に走行移動する部位に車載した発電装置27から出力される電力により各電動モータ26を駆動するように構成し、駆動モータ26の駆動を制御する制御部28に無線制御信号を受信する受信部29を設けて走行機体Aを遠隔操作し得るように構成している。
【0016】
従って、走行する駆動源として電動モータ26を採用することでエンジンを利用した走行機構とした場合に必須となるギアやクラッチ等が不要となり操作が簡易になるのは勿論、枝豆収穫機全体の軽量化が達成され、電動モータ26故に騒音の発生を可及的に防止することができ、しかも、この発電装置27の電気を利用して電動モータ26を駆動することができるのは勿論、この電動モータ26の他にも種々の電気制御し得る装置の具備が可能となり将来への発展(多機能化)が期待できる。
【0017】
また、本発明は、走行機体Aは遠隔操作し得る構成であるから、もぎ取り作業の自動化が達成されることになり、例えば早朝のもぎ取り作業など農作業者に負担のかかる場面での使用は特にその効果を発揮し得る(農作業者の負担が可及的に軽減される)ことになる。
【0018】
また、少なくとも制御部28は受信部29により受信する無線制御信号により各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成した場合には、機体5の前後方向への進退移動だけでなく、例えば一方の電動モータ26のみを停止したり、互いに逆方向に駆動させて左右の車輪24を逆方向に回動させて左右方向へ反転させたり向きを変えたりする操作も円滑且つ静かに行なわれることになる。
【0019】
また、機体5若しくは機体5と共に走行移動する部位にエンジン30を車載し、このエンジン30で発電装置27を発電駆動するように構成した場合には、例えばエンジン30で発電装置27を発電駆動しつつ電動モータ26等の駆動を行なうから、例えばバッテリーの充電が行なわれながら各種の制御が非常に効率の良く行なわれることになる。
【0020】
また、発電装置27及びエンジン30は一つずつとし、電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と電動モータ26とを電気コードで接続した場合には、左右の各車輪24を駆動する電動モータ26に対して発電装置27及びエンジン30から発生する電気を供給することができることになる。
【0021】
また、左右の車輪24は走行機体Aに対して昇降調整自在に構成して、走行機体Aの接地時の高さを調整自在に構成した場合には、例えば畝の高さや畝間に位置する凹溝(車輪24が通過する部位)の深さなどのその作業場所の条件によって高さ調整を行なうことで枝豆もぎ取り装置4が良好にもぎ取り処理し得る状態が確実に得られることになる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、畑の畝31に植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機である。尚、本実施例に係る枝豆3のもぎ取り構造は枝豆を収穫する収穫機だけに限らず、本実施例の特性を発揮することができる使用形態となる構成であれば適宜設計変更し得るものである。
【0024】
以下、本実施例に係る構成各部の詳細な説明をする。
【0025】
機体5は、図1に図示したように前方部32Aと後方部32Bとから成る金属製のフレーム体32で構成され、この前方部32Aには、その上面及び左右側面を覆う透明部33a付きのボックス体33が配設され、このボックス体33の上面には開閉扉34が設けられている。
【0026】
また、ボックス体33の正面となる部位には開口部33bが設けられ、この開口部33bは植付枝豆1を通過させることができる高さ及び巾を備えて植付枝豆1の植付枝豆導入部として構成されている。
【0027】
この植付枝豆導入部33bには閉塞体38が設けられている。
【0028】
この閉塞体38は、図6に図示したように適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材38a,38bで構成され、このブラシ材38a,38bは、夫々植付枝豆導入部33bの対向する開口左右縁に互いに先端同志が当接するように前方部の内方へ向けて突設されている。
【0029】
このブラシ材38a,38bの柔軟性とは、後述する引き寄せ導入装置9に係る回動軸8Aは勿論、植付枝豆1の通過を許容し、且つ、植付枝豆1が植付枝豆導入部33bを通過した際、植付枝豆1の形状に応じて形状変化をして植付枝豆1が挟まった状態にあっても植付枝豆導入部33bの閉塞状態を維持して植付枝豆1の通過を許容する程度の柔軟性に設定されている。
【0030】
従って、この閉塞体38により後述する枝豆もぎ取り装置4でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆導入部33bから機体5の外部へ排出されるのが防止されることになる。尚、この閉塞体38として、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。
【0031】
また、機体5は、走行移動自在に設けられている。
【0032】
具体的には、その左右側面に車輪24が設けられ、この各車輪24は夫々を別個に駆動する電動モータ26が設けられており、フレーム体32の上部に配設された発電装置27から出力される電力により前記各電動モータ26を駆動するように構成されている。尚、機体5と縦列若しくは並列してこの機体5を走行移動させる駆動機体(図示省略)の左右に車輪24を設けてこの駆動機体を走行機体とした構成としても良い。
【0033】
従って、本実施例に係る機体5は、自ら駆動源を備えた自走式に構成され、農耕用作業車として走行するに必要不可欠な基本構造は具備せしめられており、走行駆動源として電動モータ26を採用することでエンジンを利用した走行機構とした場合に必須となるギアやクラッチ等が不要となり操作が簡易になるのは勿論、枝豆収穫機全体の軽量化が達成され、しかも、モータ故に騒音の発生を可及的に防止することができる。
【0034】
また、本実施例は、駆動モータ26の駆動を制御する制御部に無線制御信号を受信する受信部を設けて機体5を遠隔操作し得るように構成されており、制御部は受信部により受信する無線制御信号により各電動モータ26を夫々正逆停止駆動制御し得るように構成されている。この機体5の遠隔操作は、機体5の走行を制御し得るのは勿論、後述する枝豆もぎ取り装置4や引き寄せ導入装置9や土除去用振り払い装置17や送風装置43等の装置の制御も可能である。GPSを利用した遠隔操作機能を具備せしめても良い。
【0035】
また、本実施例は、機体5にエンジン30を車載し、このエンジン30で発電装置27を発電駆動するように構成している。
【0036】
具体的には、図8に図示したように発電装置27及びエンジン30は一つずつとし、電動モータ26は左右の駆動させる車輪24に各一つずつ設け、左右の各車輪24と電動モータ26とを電気コードで接続している。
【0037】
この発電装置27で発生させた電気を利用することで、前述した装置の他にも様々な装置の制御が可能となる(様々な機能への発展が可能となる。)。
【0038】
また、左右の車輪24は、機体5に対して昇降調整自在に構成されている。
【0039】
具体的には、左右の車輪24は、夫々図1,6に図示したように該車輪24が取り付けられる車輪取り付け部36を、機体5に係るフレーム体32の左右側面に設けられる昇降装置37に連結して昇降自在に構成されている。
【0040】
従って、機体5は、その接地時の植付地面31aに対して高さが調整自在となる。
【0041】
また、機体5は、その前方部32Aの先端部位及び後方部32Bの基端部位の2箇所に夫々同一構造の操作部35が設けられている。
【0042】
この操作部35は、駆動源(発電装置27及びエンジン30)を始動させるスターター、アクセル(スロットル)、機体5の進行方向等を切り替えるチェンジレバー、ブレーキレバーなどの走行手段を操作し得るのは勿論、後述する枝豆もぎ取り装置4や引き寄せ導入装置9や土除去用振り払い装置17や茎葉除去装置18や送風装置43等の装置を作動させたり停止したりするなどの操作も行えるように構成されている。この後方部32Bの基端部位に配設された操作部35は、例えば機体5を畝31に跨がせる際など、枝豆3のもぎ取り時以外の時に機体5の向きを変えたりする時に使用し、一方、前方部32Aの先端部位に配設された操作部35は、主に枝豆3のもぎ取りに際して機体5を直進移動させる時であって、作業者が機体5の前方にて枝豆3のもぎ取り処理作業が良好に行われているか否かを確認しながら移動させる時に使用することができる。
【0043】
以上の構成から、機体5は遠隔操作により無人操作可能であり、しかも、有人操作の際には作業者はその都度操作部35を自由に選択して機体5を一人で良好に移動操作できることになる。
【0044】
また、機体5の前方部32Aには枝豆もぎ取り装置4が設けられている。
【0045】
具体的には、この枝豆もぎ取り装置4は、図2〜5に図示したように植付枝豆1の茎2を挟んで対向し得るように回転部6を対向配設し、この回転部6を回転させた機体5を走行移動させて植付枝豆1を回転部6間に導入することで、回転部6のもぎ取り部7によるしごき(打撃若しくは振り払い)によって枝豆3を茎2からもぎ取るように構成されている。
【0046】
この左右の回転部6は、夫々回転軸6Aの対向位置に放射状にして螺旋状に柔軟板材から成るもぎ取り部7を突設して構成されている。尚、回転部6の回転方向と螺旋状のもぎ取り部7の螺旋方向とは植付枝豆1を良好に引き寄せる条件となるよう適宜設計するものである。
【0047】
また、この回転部6は、夫々前方部32A内に回転軸6Aが植付枝豆1の植付方向が軸方向となるように配される共に、互いに所定の間隔を介した状態で前進方向に対して後方側を高くして斜設され(対向する前記回転部6の回転軸6Aは植付枝豆導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設され)、前述した駆動源(エンジン30)を介して回転自在に設けられている。尚、この回転部6を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0048】
また、この左右の回転部6は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0049】
以上の構成からなる回転部6における枝豆3のもぎ取り処理工程について説明すると、回転させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、2本の回転部6夫々のもぎ取り部7の先端同志が枝豆3を上方にしごき上げるようにして(打撃若しくは振り払いして)、植付枝豆1の根本側から上端側へと茎2から枝豆3をもぎ取るもぎ取り処理が行われることになる。
【0050】
また、機体5の前方部32A正面位置にして枝豆もぎ取り装置4の対向回転部6間の植付枝豆導入口側には、この対向回転部6間に導入される若しくは導入された植付枝豆1をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部8から成る引き寄せ導入装置9が設けられている。
【0051】
この引き寄せ導入部9は、機体5の正面に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設して構成されている。
【0052】
具体的には、このガイド部11は、図2,4,5に図示したように先端部から前記枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とし、駆動源(エンジン30)の作動により回転する回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して成る引き寄せ回転部8を対設して構成されており、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢して引き寄せ力を生じせしめて、少なくとも回転部6間に植付枝豆1を導入した際若しくは導入後前記枝豆3のもぎ取りを開始する際に生じる植付枝豆1の導入反対方向に生じる逃げ力に抗するように引き寄せ導入装置9を構成している。尚、この引き寄せ回転部8を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0053】
また、引き寄せ回転部8は、図2,4に図示したように引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成されている。
【0054】
また、この引き寄せ回転部8は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0055】
また、引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8は、回転部6の上方に配設されるように構成されている。
【0056】
具体的には、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の植付枝豆導入口部の上方でやや重合するように配設している。また、図4に図示したように回転軸8Aの後端部にして引き寄せ部10が突設されていない部位においても回転部6の上方に配される構成とし、当該部位もガイド機能を発揮するように構成されている。尚、引き寄せ回転部8の後端部は回転部6間の導入口部の上方において必要以上に重合させる必要はなく、上方で一致するようにしても良いなど適宜設計変更し得るものである。
【0057】
以上の構成からなる引き寄せ導入装置9における植付枝豆1の引き寄せについて説明すると、回動させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、回転する引き寄せ回転部8の引き寄せ部10で植付枝豆1を回転部6間への導入方向へ押圧若しくは打撃し引き寄せ力を生じせしめて、当該回転部6間へ植付枝豆1を導入することになる。
【0058】
従って、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができるから、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0059】
また、本実施例は、この引き寄せ導入装置9で植付枝豆1を引き寄せることで、機体5の走行移動に対する抵抗が減少することになり、よって、この引き寄せ導入装置9が機体5の走行を助力することにもなる。
【0060】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成したから、種々の高さ位置にある植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0061】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とする回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して引き寄せ回転部8を構成し、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢するように構成したから、植付枝豆1を叩き起こすような強引に引き寄せるのではない為、植付枝豆1が傷つくのを可及的に防止しつつ円滑且つ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0062】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成した場合には、例えば広がったり倒れたりしている茎2や枝を束ねるように植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0063】
また、本実施例は、機体5に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設したから、例えば進行方向に対して左右に広がる植付枝豆1を束ねるようにして確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができ、しかも、この左右に対設されるガイド部11によって植付枝豆1をセンター出しが行なわれた状態で確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0064】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向に長さを有する引き寄せ回転部8を対設してこの引き寄せ回転部8をガイド部11としたから、このガイド部11として枝豆もぎ取り装置4における回転構造と同様の回転構造を採用することで、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0065】
また、本実施例は、少なくとも回転部6間の植付枝豆導入口部は植付枝豆1になる枝豆3よりも下方に位置するように構成し、この回転部6の上方に引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8を配設した場合には、確実に植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を引き寄せ導入装置9によって引き寄せつつ枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0066】
また、本実施例は、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して前記植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の導入口部の上方でやや重合するように配設したから、引き寄せ回転部8は植付枝豆1が回転部6間に導入されるまで確実にガイドすることになり、よって、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができることになり、しかも、植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を回転部6の間へ導入して確実にもぎ取ることができる。
【0067】
また、本実施例は、機体5(前方部32A)の正面下部左右位置にして前記枝豆もぎ取り装置4に対して水平若しくは下方となる位置に植付地面31aを滑走する一対の滑走部12を設けている。
【0068】
この各滑走部12は、その先端部に畝31上部の植付地面31aを削り取る削り縁13を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁14を立設して、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置15を設け、更に、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部16から成る土除去用振り払い装置17を枝豆もぎ取り装置4の前方に設けている。
【0069】
土除去用滑走装置15は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を前記削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると前記植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0070】
更に具体的には、土除去用滑走装置15は、図9,10,11に図示したようにL形アングル材(正面方向から見て外方へ屈曲状)の先端縁を削り縁13とし、底板部を滑走部12とし内側の立ち上がり部を土誘導壁部14とし、このL形アングル材を機体5の先端部左右にハ字状に配設して、この滑走部12間に植付枝豆1が通過するように機体5を走行移動させると、植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0071】
また、滑走部12は、その後方部位に後述する土除去用振り払い装置16に係る振り払い移動部16により払われた土を排出する排出孔部12aが切り欠き状に設けられている。
【0072】
土除去用振り払い装置17は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けてを構成されている。
【0073】
この振り払い移動部16は、図9,10,12に図示したように下端縁が植付枝豆1の側方の植付地面31aに接地する回転板16Aを前述した駆動源(エンジン30)の作動により回動する回動軸39の下端部に設けて回転移動自在に設けて構成されている。尚、この回動軸39を回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0074】
また、振り払い移動部16は、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定されており、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定している。尚、振り払い移動部16は植付枝豆1に近接する長さに設定しても良い。
【0075】
また、振り払い移動部16に係る回転板16Aは適度な柔軟性を有する部材(合成樹脂部材)で構成されており、よって、振り払い移動部16は屈曲自在であり、該振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように構成されている。
【0076】
以上の構成からなる滑走部12における機能に説明すると、土除去用滑走装置15は、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土を削りつつ左右外方へ押し分けて除去し、土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を土除去用振り払い装置17で振り払い除去することになる。この際、機体5に設けた枝豆もぎ取り装置4を、除去した土分だけ低い位置で植付枝豆1に対して走行移動し得ることになる。
【0077】
従って、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けるとともに、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面が振り払い除去されることになるから、枝豆もぎ取り装置4をどの低い位置で植付枝豆1に対して走行移動させても常に枝豆もぎ取り装置4が通過する位置は土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により土が除去されることになり、枝豆もぎ取り装置4で植付地面の土を拾ってしまうようなことはなく、よって、この構成から、植付枝豆1の低い位置(植付地面に近い位置)になる枝豆3を確実且つ良好にもぎ取ることができることになる。
【0078】
また、本実施例は、機体5の先端部左右に植付地面を滑走する滑走部12を設けることにより機体5の走行移動が安定することになり、しかも、この滑走部12に土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17を設けることにより、常に機体5を水平な状態で走行移動させることができることになるから、地面の状態によって機体5が斜めを向いたりすることがなく、常に枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態が得られることになる(枝豆もぎ取り装置4は、機体5が水平状態の際、枝豆3が良好にもぎ取られるように設計される。)。
【0079】
また、本実施例は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように土除去用滑走装置15を構成したから、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土を削り取って左右外方へ押し分けることができ、しかも、極めて簡易構造であるからコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0080】
また、本実施例は、下端縁が植付地面に接地する回転板16Aを植付枝豆1の側方で回転移動自在に設けて振り払い移動部16を構成し、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定したから、より一層植付枝豆1の根元間近の地面を振り払い除去することができることになる。
【0081】
また、本実施例は、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定し、この振り払い移動部16を屈曲自在に設けてこの振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように土除去用振り払い装置17を構成したから、植付枝豆1が枝豆もぎ取り装置4に導入する前に植付枝豆1(茎2)を折ったり傷付けてしまうようなことはなく、よって、枝豆もぎ取り装置4へ最良の状態で植付枝豆1を導入することができることになる。
【0082】
また、本実施例は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けて土除去用振り払い装置17を構成したから、少なくとも植付枝豆1の根元間近の左右の土を確実に除去することができることになる。
【0083】
また、機体5の前方部3Aの先端側下部には、茎1を浮かせないようにし、茎1から枝豆2を良好にもぎ取る為のソリ状の接地板44が左右に並設されている。この接地板44の間は植付枝豆1の茎2を通過させる茎導入間隙に設定されている。
【0084】
この接地板44の後端は少なくともに枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置させることが望ましい。これは、枝豆3が回転部6間でしごき上げられ該枝豆3がもぎ取られる初期段階において茎2が地面から引き抜かれようとする力が最も働き、よって、これを防止する為、接地板44の後端は少なくとも枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置にする必要がある為である。
【0085】
尚、接地板44の内側に挟持板を立設して茎2を挟持するように構成しても良いし、挟持板の代わりに左右に挟持無端ベルトを対設し、この対向するベルト間で挟持する構成を採用しても良い。
【0086】
また、機体5には、茎葉除去装置18が設けられている。
【0087】
この茎葉除去装置18は、図13,14に図示したように植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように構成されている。
【0088】
具体的には、この茎葉除去装置18は、機体5に係る前方部32Aの正面下部中央位置に設けた植付枝豆1の上部が導入されるケース体から成る導入部20に切断用回転部19を前述した駆動源(エンジン30)の作動により回転自在に配設して構成されており、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2を切断除去する切断用回転部19により構成している。尚、この切断用回転部19を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0089】
また、導入部20の側方部には、排出開口部を設けて切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21が設けられており、この茎葉導出部21からは切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を機体5の進行方向と直交する方向に排出することになる。
【0090】
以上の構成からなる茎葉除去装置18における機能に説明すると、機体5を走行移動させた際、枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に茎葉除去装置18により植付枝豆1の上部の茎や葉などは切断除去され、植付枝豆1は所定の高さとなる。
【0091】
従って、前述した茎葉除去装置18により確実に植付枝豆1の上部の茎2や葉を切除除去するから、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができ、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0092】
また、本実施例は、茎葉除去装置18で予め切断除去することにより大量の葉が枝豆もぎ取り装置4へ導入されることがないから、この点においても枝豆もぎ取り装置4の取り残しを減らすことができ、しかも、茎2や葉を詰まりにくくすることができて枝豆もぎ取り装置4の故障が可及的に防止されることになり、また、機体5の走行移動の抵抗を低減することもでき、また、茎2や葉が周囲へ飛散するのも確実に抑制することができ、また、枝豆もぎ取り装置4でのもぎ取り作業後の仕分けも良好となる。
【0093】
また、本実施例は、茎葉除去装置18は、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2や葉を切断除去する切断用回転部19により構成したから、機体5を走行移動させながら確実に植付枝豆1の上部の茎を切断除去することができることになる。
【0094】
また、本実施例は、機体5の走行移動により植付枝豆1の上部が導入される導入部20に切断用回転部19を回転自在に配設したから、植付枝豆1を導入部20内に順次導入させて切断用回転部19により確実に切断除去することができる。
【0095】
また、本実施例は、導入部20に切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21を設けたから、切断除去した茎及び葉を決められた位置から排出してコントロールすることができ、周囲への飛散等を確実に抑制することができる。
【0096】
また、機体5には搬送体40が設けられている。
【0097】
この搬送体40は、前述した駆動源(エンジン30)の作動により回動する一対の回動軸40aと、この回動軸40a間に架設される一対の搬送ベルト40bとで構成されており、機体5に係る前方部32A内にして枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の後方(下方)位置に平行状態となるように斜設されている。従って、この搬送体40に受けられた枝豆3は後方部32B側へ搬送されることになる。尚、この回動軸40aを回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0098】
また、搬送体40は、その先端側(下端側)中央部位に間隙(通過部)が形成されている。
【0099】
この通過部は、前述した接地板44と同様に枝豆がもぎ取られた植付枝豆1を搬送体40の後方へ移動可能にする為のものである。
【0100】
更に具体的に説明すると、この通過部は、回転部6間の下方位置(後方位置)にして搬送体40の中央位置に設けられているが、これは、本実施例は、搬送体40を回転部6の後方に設けることで、該回転部6から落下する枝豆3を確実に受けることができる構成とした為、当該搬送体40の位置に植付枝豆1を通過させる必要があるからである。
【0101】
また、通過部には、もぎ取られた枝豆3が通過するのを阻止する閉塞体が設けられている。
【0102】
この閉塞体は、植付枝豆1の通過を許容し得る程度の適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材から成り、この一対のブラシ材を通過部の開口左右縁に互いに内方へ向けて対向状態に突設して構成されている。従って、閉塞体は、植付枝豆1が回転部間を通過させた際、茎の形状に応じて形状変化することで植付枝豆1のみの通過を許容することになり、よって、植付枝豆1が通過部を通過中であっても、回転部6でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆1の通過部から機体5の外部へ排出されるのが可及的に防止されることになる。つまり、仮に、閉塞体が硬質のもので構成された場合、この閉塞体を通過する植付枝豆1が挟まってつっかえ棒のような状態となり、当該閉塞体を構成する部材間に隙間が生じてしまい、よって、この隙間から枝豆3が機体5の外部へ排出されることになってしまうが、この点、本実施例の構成であればそのような問題が生じることはない。尚、この閉塞体としては、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。また、この閉塞体と同素材のものが前記茎導入部にも設けられている。
【0103】
以上の構成から、機体5の前方部3Aは略全面を閉塞されたケース状に構成され、よって、枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6でもぎ取られた枝豆3が機体5の外部へ排出(落下)することは可及的に防止されることになる。
【0104】
また、機体5の後方部32Bにして搬送体40の終端位置近傍には仕分け体41が設けられている。
【0105】
この仕分け体41は、複数の円柱状の軸体41aを回動自在に並設したものであり、この回転軸体41a同志は所定の間隔を介した位置に配設され、この間隙は、万一枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の作用により地面から抜けたり或いは折れたりした植付枝豆1が搬送体40で搬送された場合、該植付枝豆1をこの仕分け体41を介して間隙Lの下方に設置される収穫箱42に落下させず、該仕分け体41の後方へ送り出すようにする為のものである。
【0106】
また、機体5の後方部32B内にして搬送体40の終端の下方位置に送風装置43(ブロアー)が設けられている。
【0107】
この送風装置43は、前述した駆動源(エンジン30)の作動により回転する回転羽根43aを設け、搬送体40の終端と仕分け体41との間隙に下方から後方向(図2中a方向)へ向けて所定の風圧で風が吹き上がるように構成されており、この風圧とは、仮に搬送体40の終端と仕分け体41との間隙を通過できる大きさのものであっても、この風に吹き飛ばされる重量の軽い葉屑やゴミなどは間隙を通過させることなく上記植付枝豆1と同様に機体5の後方(外部)へ排出させ、一方、この風に吹き飛ばされない比較的重量の重い枝豆3は収穫箱42内に落下するように構成されている。尚、この回転羽根43aを回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0108】
従って、搬送体40で搬送される枝豆3だけが収穫箱42内へ落下して、それ以外の葉屑や植付枝豆1などと確実に選別されることになる。
【0109】
以下、本実施例に係る枝豆収穫機を使用した枝豆の収穫方法について説明する。
【0110】
まず、機体5を畑の畝31を跨がせた状態で枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6を回転させながら前進させると、引き寄せ導入装置9により植付枝豆1は引き寄せられると共に、左右の接地板44間に植付枝豆1は導入され、そのまま機体5を前進させると、一対の回転部6は機体5の前進に伴ってその植付枝豆1へのもぎ取り位置が次第に高い位置となり植付枝豆1から枝豆3が全てもぎ取られることになる。この際、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により畝31の邪魔な土は除去されると共に、茎葉除去装置18により植付枝豆1の上方の茎や葉は除去される。
【0111】
続いて、もぎ取られた枝豆3や一部の葉屑などは搬送体40により上方へ送られ、適宜選別されて枝豆3のみが収穫箱42へ集められることになる。
【0112】
本実施例は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになる。
【0113】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本実施例を示す斜視図である。
【図2】本実施例の概略動作説明図である。
【図3】本実施例に係る要部の説明図である。
【図4】本実施例に係る要部の説明図である。
【図5】本実施例に係る要部の説明図である。
【図6】本実施例に係る要部の説明図である。
【図7】本実施例を示す側面図である。
【図8】本実施例に係る要部の説明図である。
【図9】本実施例に係る要部の説明図である。
【図10】本実施例に係る要部の説明図である。
【図11】本実施例に係る要部の説明図である。
【図12】本実施例に係る要部の説明図である。
【図13】本実施例に係る要部の説明図である。
【図14】本実施例に係る要部の説明図である。
【符号の説明】
【0115】
A 走行機体
1 植付枝豆
2 茎
3 枝豆
4 枝豆もぎ取り装置
5 機体
24 車輪
26 電動モータ
27 発電装置
28 制御部
29 受信部
30 エンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植えてある植付枝豆の茎から枝豆をもぎ取る枝豆もぎ取り装置を、植付枝豆の植付地面に対して走行移動する機体に設けた枝豆収穫機において、前記機体の左右に車輪を設けてこの機体を走行機体とした構成又は前記機体と縦列若しくは並列してこの機体を走行移動させる駆動機体の左右に車輪を設けてこの駆動機体を走行機体とした構成とし、前記左右の車輪夫々を別個に駆動する電動モータを設け、前記機体若しくは前記機体と共に走行移動する部位に車載した発電装置から出力される電力により前記各電動モータを駆動するように構成し、前記駆動モータの駆動を制御する制御部に無線制御信号を受信する受信部を設けて前記走行機体を遠隔操作し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機。
【請求項2】
少なくとも前記制御部は前記受信部により受信する無線制御信号により前記各電動モータを夫々正逆停止駆動制御し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機。
【請求項3】
前記機体若しくは前記機体と共に走行移動する部位にエンジンを車載し、このエンジンで前記発電装置を発電駆動するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。
【請求項4】
前記発電装置及び前記エンジンは一つずつとし、前記電動モータは左右の駆動させる車輪に各一つずつ設け、左右の各車輪と前記電動モータとを電気コードで接続したことを特徴とする請求項3記載の枝豆収穫機。
【請求項5】
前記左右の車輪は前記走行機体に対して昇降調整自在に構成して、前記走行機体の接地時の高さを調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。
【請求項1】
植えてある植付枝豆の茎から枝豆をもぎ取る枝豆もぎ取り装置を、植付枝豆の植付地面に対して走行移動する機体に設けた枝豆収穫機において、前記機体の左右に車輪を設けてこの機体を走行機体とした構成又は前記機体と縦列若しくは並列してこの機体を走行移動させる駆動機体の左右に車輪を設けてこの駆動機体を走行機体とした構成とし、前記左右の車輪夫々を別個に駆動する電動モータを設け、前記機体若しくは前記機体と共に走行移動する部位に車載した発電装置から出力される電力により前記各電動モータを駆動するように構成し、前記駆動モータの駆動を制御する制御部に無線制御信号を受信する受信部を設けて前記走行機体を遠隔操作し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機。
【請求項2】
少なくとも前記制御部は前記受信部により受信する無線制御信号により前記各電動モータを夫々正逆停止駆動制御し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機。
【請求項3】
前記機体若しくは前記機体と共に走行移動する部位にエンジンを車載し、このエンジンで前記発電装置を発電駆動するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。
【請求項4】
前記発電装置及び前記エンジンは一つずつとし、前記電動モータは左右の駆動させる車輪に各一つずつ設け、左右の各車輪と前記電動モータとを電気コードで接続したことを特徴とする請求項3記載の枝豆収穫機。
【請求項5】
前記左右の車輪は前記走行機体に対して昇降調整自在に構成して、前記走行機体の接地時の高さを調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−238723(P2006−238723A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55038(P2005−55038)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000137720)株式会社ミツワ (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000137720)株式会社ミツワ (10)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]