植物抽出物を含有するアトピー性皮膚炎改善用組成物
【課題】植物抽出物を含有するアトピー性皮膚炎改善用組成物、これを含む健康増進用食品及びアトピー性皮膚炎改善用組成物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の組成物は、アトピー性皮膚炎改善用組成物は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含む。前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含んでいてもよい。
【解決手段】本発明の組成物は、アトピー性皮膚炎改善用組成物は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含む。前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含んでいてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎の症状を改善させる植物混合抽出物を含有する組成物に係り、より詳細には、このような組成物、これを含む健康増進用食品及びアトピー性皮膚改善用組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎は、増悪と寛解とが繰り返される慢性の炎症性皮膚疾患であって、そう痒症とアレルギー性鼻炎や喘息などにも関連する。
【0003】
アトピー性皮膚炎は、その原因が十分には解明されていないが、下記のような原因によるとされている。即ち、アレルギーに係る免疫グロブリンであるIgEの増加による免疫過敏反応またはTリンパ球の機能不全によるものとされている。
【0004】
IgEは、粘膜や皮膚の肥満細胞(mast cell)に結合し、その濃度が高いと、肥満細胞からヒスタミン(histamine)が分泌されて炎症を生じさせる。多くのアトピー性皮膚炎患者において、血清IgEの値が上昇しており、その数値とアトピー性皮膚炎の臨床的重症度が正の相関があることに明らかになっている。
【0005】
肥満細胞により、IgEの産生を誘導するIL−4、IgEの生成を促進するIL−5、IgEの生成を増幅させるIL−6などのサイトカインを分泌するとされている。アトピー性皮膚炎の更に他の因子として、活性酸素を含むフリーラジカル(free radical)が考えられていて、活性酸素の発生が多すぎると皮膚細胞のコレステロールや中性脂肪などと反応して過酸化脂質が生成され、これによって皮膚角質層の保湿機能が低下することによってダニなど接触性の刺激に敏感になりアトピー性皮膚炎が発生するとされる。
【0006】
このような免疫過敏反応と活性酸素の過剰発生は根本的な発生原因が明確ではないが、遺伝的原因の他、主に環境汚染によるダイオキシンのような環境ホルモンの人体内への流入など、外因的ストレスによる免疫系の機能悪化や障害によって発生すると考えられている。そして、アトピー性皮膚炎に伴い、二次的な細菌感染、薬物の副作用による感受性の上昇、真菌やウイルスなどの感染による抵抗力の低下なども現れる。
【0007】
アトピー性皮膚炎を治療する方法としては、アレルギー源を除去するか免疫系を改善させる方法が行われているが、アレルギー源は除去しにくいため、主に免疫にかかわる治療と、肥満細胞からのヒスタミンの放出を減少させるための薬物治療を受けるのが一般的な方法である。現在行われている治療方法としては、免疫抑制剤を用いてアトピー性皮膚炎によって発生する各種症状を緩和させるか、もしくはアトピー性皮膚炎の患者の皮膚の乾燥を防ぐために保湿剤を塗布すると同時に、炎症を治療するために、外用合成副腎皮質ホルモン剤などを塗布している。
【0008】
しかし、外用合成副腎皮質ホルモン剤を長期間用いる場合、皮膚の萎縮及び血管拡張など多様な皮膚の副作用を誘発するので、このような副作用を起こすことなく抗炎症効果を有する天然素材を開発するための研究が活発に進行されつつある。
【0009】
アトピー性皮膚炎の症状緩和のための抗菌性及びフリーラジカル消去能を活用した天然物由来の先行技術としては、アトピー性皮膚炎の二次的な疾患である、皮膚炎をさらに悪化させる炎症を誘発する細菌等の増殖を抑制する抗菌成分を含有したアロエベラ、緑茶、及びオウゴン抽出物などを含有した化粧品(特許文献1)が開発され、霊芝、及び楡根皮、決明子、蒲公英などを用いて皮膚組織の角質化と感染した細菌の増殖を抑制しうる漢方化粧品(特許文献2)がある。
【0010】
また、殺菌効果を有する桂枝抽出物を含有するアトピー性皮膚炎の緩和及び予防用化粧料(特許文献3)、苦参及び白きゅう、知母、小葉麦門冬(ジャノヒゲ)などの混合抽出物を有効成分にして抗菌及びフリーラジカルの消去、抗炎症、保湿効果を有してアトピー性皮膚炎を改善する化粧品(特許文献4)、白きゅう及び紫蘇、エキナシア、醗酵大豆抽出物を一定の割合で混合して抗菌効果及び保湿効果、抗炎症効果、フリーラジカル除去効果などがあってアトピー性皮膚炎の治癒改善効能を有する化粧品(特許文献5)、グアバ抽出物を醗酵して抗酸化及び抗菌、抗炎症効果を有するアトピー改善組成物(特許文献6)などが知られている。
【0011】
そして、アロエ及び竹などに存在するイソオリエンチン(isoorientin)を含み、過剰のヒスタミンによって惹起された疾患の予防あるいは治療用薬学組成物(特許文献7)が報告されている。
【0012】
免疫過敏反応の抑制を通してアトピー性皮膚炎を治療する先行技術としては、三白草(saururus chinensis)抽出物、あるいはこれから分離された(−)−ソーサーネオール(saucerneol)、ソーサーネオールC、マナサンチンAまたはBを有効成分として含有する免疫抑制用組成物であって、正常でないB細胞及びT細胞の増殖を効果的に抑制して、優れた免疫抑制効果を有するため、臓器移植拒否反応、自己免疫疾患、アレルギー、アトピーなどのような免疫過敏反応によって惹起される疾患の予防及び治療のための薬学組成物及び食品添加物(特許文献8)と、地楡(sanuisorba officinalis)抽出物を有効成分に含有する過敏性皮膚疾患治療剤で、IgEを減少させる効果及びフリーラジカル消去及び免疫細胞の増殖を促進する効果がり、細胞毒性の少ないアトピー性皮膚炎治療剤(特許文献9)が報告されている。
【0013】
なお、蓁ぎょう(Gentianae macrophyllae radix)抽出物も地楡抽出物と同様の効果を有している皮膚疾患治療剤(特許文献10)として知られていて、樺皮及び生地おう、玄参、当帰、桂枝、蒼朮、麻黄、羌活、荊芥、防風、細辛、川烏、川きゅう、甘草、何首烏、石雄黄を用いてIgE及びIL−4などサイトカイン分泌を調節してアトピー性皮膚炎に役立つ漢薬組成物(特許文献11)が報告されている。
【0014】
しかし、アトピー性皮膚炎の発生原因のうち、ダイオキシンのような環境ホルモンによる免疫系の障害がもっとも深刻な発病原因と判断され、体内に吸収された環境ホルモンを解毒するとともに免疫過敏反応を起こすIgEを減少させ、IL−6などのサイトカインの分泌を抑制させる物質を探索して適正割合で混合した新規な組成物の製造が要求されている。
【特許文献1】韓国特許出願第2001−16162号
【特許文献2】韓国特許出願第2003−2827号
【特許文献3】韓国特許出願第2002−60286号
【特許文献4】韓国特許出願第2003−53370号
【特許文献5】韓国特許出願第2003−38851号
【特許文献6】韓国特許出願第2006−116279号
【特許文献7】韓国特許出願第2005−22772号
【特許文献8】韓国特許出願第2005−130601号
【特許文献9】韓国特許出願第2005−24430号
【特許文献10】韓国特許出願第2005−24429号
【特許文献11】韓国特許出願第2005−26551号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、体内への環境ホルモンの流入による免疫系の混乱によって発生するアトピー性皮膚炎の予防及び治療に有用なアトピー性皮膚炎改善用組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、前記組成物を含む健康増進用食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような課題を実施するために本発明の一実施例によるアトピー性皮膚改善用組成物は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含む。例えば、前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含んでいてもよい。
【0017】
例えば、前記の各植物抽出物は、抽出液を乾燥させた粉末状態であってもよい。
【0018】
本発明の一実施例による健康増進用食品は、前記の組成物を含有する。前記食品は、散剤、錠剤、カプセル剤、禅食、チューインガム、キャンディ、ビスケット、健康飲料などの形態に製造してもよい。
【0019】
本発明の一実施例によるアトピー性皮膚炎予防及び治療用組成物の製造方法は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモにそれぞれ10〜30倍の有機溶媒を加え、有機溶媒が加えられたそれぞれの楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモを10℃〜30℃で2〜5日間抽出して濾過し、前記濾過後の結果物の減圧濃縮する、前記減圧濃縮の結果物を乾燥すること、を含む。
【0020】
例えば、前記有機溶媒としては、40〜90%のエタノール水溶液を用いることができる。また、前記アトピー性皮膚炎及び治療用組成物の製造方法は、前記各楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を混合することを更に含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明による組成物は、周辺で容易に得ることができる人体に無害な植物であって、過剰量服用しても副作用なしにアトピー性皮膚炎に代表される過敏性皮膚疾患の予防及び治療に優れる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
前記目的を達成するために、本発明では、免疫調節活性のみならず炎症抑制効果を有する4種の植物抽出物を含有することを特徴とする天然物素材を提供する。例えば、前記各抽出物は、いずれも同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含むことができる。以下、本発明をより詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)本発明から選別された4種の植物抽出物の製法
本発明から得られた4種の植物に対する抽出方法を整理すると下記のようである。
楡根皮抽出物の製法
楡根皮(Ulmus davidiana var.)、すなわち、陰乾したニレの根の皮を粉砕機で細切してその体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜50℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過したした後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。このとき、抽出溶媒としてはエタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0024】
決明子抽出物の製法
決明子(Cassia obtusifolia)を粉砕した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0025】
蒲公英抽出物の製法
蒲公英(Taraxacum platycarpum)を粉砕した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0026】
スモモ抽出物の製法
スモモ(Prunus salicina)の核を除去して4等分して50℃以下の熱風乾燥または凍結乾燥した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程で製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0027】
具体的に、本発明の望ましい実施例では、還流装置が接続された抽出機を用いて楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモまたはそれの乾燥物に対して10倍の70%エタノール水溶液を用いて72時間攪拌しながら抽出してから濾過し、濾液を減圧濃縮してエタノール抽出物を得、この抽出物に必要に応じてはマルトデキストリンのような賦形剤を添加して凍結乾燥するか、あるいは噴霧乾燥して抽出物粉末を得る。
【0028】
(実施例2)脱顆粒抑制の効果
β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)は、ヒト肥満細胞(human mast cell line−1(HMC−1))中の顆粒内にヒスタミン(histamine)のように存在する炎症前駆物質である。抗原が、肥満細胞(mast cell)の細胞膜の表面に存在するFc受容体と結合しているIgE抗体との間に架橋結合(cross liking)を形成すると、細胞膜が活性化され、酵素反応を経て短時間に脱顆粒されてβ−ヘキソサミニダーゼとヒスタミンが分泌される。ヒスタミンは、肥満細胞内に低い濃度で存在し、その測定には多数の段階を経るため、分析偏差が大きい。そのため、比較的誤差が少なく、安定的に測定されるβ−ヘキソサミニダーゼアッセイ(β−hexosaminidase assay)を用いた。
【0029】
HMC−1を培養した後、遠心分離して細胞を集め、サイロイドバッファー(thyroid buffer)に2×106cell/mlに濃度を合わせて900μlずつ48ウェルプレート(48well plate)に分取した。サイロイドバッファーに最終濃度が10μg/ml、100μg/mlとなるように希釈された楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物を各ウェルに添加した後、37℃、5%CO2のインキュベーター(incubator)で30分間培養した後、脱顆粒誘発物質であるコンパウンド48/80(compound 48/80)を6μg/mlの濃度になるように添加して、再び37℃、5%CO2のインキュベーターで30分間培養した。
【0030】
48ウェルプレートを10分間アイスバス(ice bath)に置いて反応を終結させた後、遠心分離して細胞を沈め、上澄液30μlを96ウェルプレートに移した後、各ウェルに基質として1nM p−nitrophenyl−N−acetyl−β−D−glucosaminideの30μlを添加して37℃で1時間反応させた後、120μlの反応停止液(sodium bicarbonate、pH 10.2)を入れてエライザマイクロプレートリーダー(ELISA micro reader)を用いて405nmで吸光度を測定した。
β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量は、下記の数式(1)を用いて求めた。
【0031】
【数1】
【0032】
前記式において、Aはポジティブコントロール(positive control)吸光度であり、Bは試料で処理したサンプルの吸光度を示す。
その結果を図1に示す。
【0033】
即ち、コンパウンド48/80(compound 48/80)を単独処理したポジティブコントロールに比べて決明子及び楡根皮、蒲公英、スモモ抽出物を10μg/ml処理した場合、95%のレベルの有意差がある脱顆粒の抑制を示し、100μg/ml処理時に全ての処理サンプルで、99%のレベルの有意差がある脱顆粒の抑制を示した。
【0034】
(実施例3)皮膚疾患の症状改善用混合抽出物(AF−343)の組成比
外部抗原に対する反応としてヒト肥満細胞(human mast cell)の脱顆粒によるβ−ヘキソサミニダーゼとヒスタミンの分泌を抑制して、皮膚疾患に有用な4種の植物抽出物、即ち、楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物などをそれぞれ同一の成分割合に混合して天然物製剤(AF−343)を完成した。AF−343を用いてβ−ヘキソサミニダーゼ分泌抑制能を測定した結果、各植物の抽出物を単独に用いるよりも優れた効果を示した(図2)。即ち、1μg/mlのレベルにおいても95%レベルの有意差が認められ、処理濃度が増加するほど脱顆粒抑制効果が強く現れた。
【0035】
(実施例4)免疫活性(cytokines分泌量の抑制効果)
多くのアトピー性皮膚炎患者において、免疫過敏の反応として血清IgE値が増加していて、IgEの生成を増幅させるIL−6などのサイトカインを分泌することが知られている。よって、実施例3で、脱顆粒を抑制する効能が明らかになったAF−343を用いて免疫活性にかかわるサイトカインの分泌量を確認した。
【0036】
即ち、HMC−1をIMDMに3×106cell/mlの濃度で24ウェルプレート(24well plate)に分取し、混合抽出物1μg/ml、10μg/ml、100μg/mlの濃度に希釈された試料を添加して37℃、5%のCO2インキュベーターで30分間培養した後、40nMのホルボール(phorbol)12−myristate 13−acetatと1uMのCalcium ionophore A23187Iを添加して37℃、5%のCO2インキュベーターで4時間培養した後、1200rpmで5分間遠心分離して上澄液を得た。
【0037】
この上澄液を用いてTNF−αとIL−6、IL−8の定量はQuantikine kit(R&D systems、cat.DTA00C)を用いて定量し、RT−PCR(Reverse transcriptaes−polymerase chain reaction)を用いて確認した。結果は、図3、図4、及び図5のようである。即ち、図3に示すTNF−αの場合、95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時、有意に低下することに示されたが、濃度が増加してもその抑制力には大きな差異がないことがわかった。
【0038】
また、IL−6の場合、図4のように95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時、有意に低下することが示されたが、10μg/mlでは濃度増加による差はなく、100μg/ml処理時に大きく減少することが示された。図5に示すIL−8の場合、TNF−αと類似に95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時に有意に低下することが示されたが、濃度が増加してもその抑制力には大きな差異がないことがわかった。
【0039】
(実施例5)抗炎症効能評価
アトピー性皮膚炎誘発モデルとしてよく知られている6週齢の雄のマウスNC/Ngaを用いて7日間、実験環境に適応させるため飼育した後、4週間の実験を行った。無処理群とアトピー性皮膚炎の誘発物質処理群、及びアトピー性皮膚炎誘発物質処理群にAF−343を1.667mg/kg/day(体重60kgである場合1日0.1g)、16.67mg/kg/day,166.7mg/kg/day経口投与した実験群に区分して実験した。
【0040】
各試料は、同一時間に毎日経口投与し、対照群は1%のDMSOの含まれたPBS試料を投与したマウスに同様の方法で体重に合わせて投与した。また、アトピー性皮膚炎誘発のためにコナヒョウヒダニ(Dermato−phagoides farinae(DF))を抗原として用いて、二日に一度ずつ両耳に5mg/mlの濃度で10μlずつ塗布した。炎症の発症現像を測定するために二日に一度ずつ抗原を塗布する前に、ノギス(vernier calipers)を用いて耳の厚さを測定した。実験結果は、図6に示したとおりである。
【0041】
即ち、1.667mg/kg/day以上、4週間経口投与時、アトピー性皮膚炎誘発物質処理群に比べて95%のレベルの有意差で炎症が抑制されることがわかり、処理濃度が増加するほど炎症抑制効果が強く現れた。
【0042】
図7〜図11は、アトピー性皮膚炎誘発物質処理後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を確認するために、耳組織をhematoxylin and eosin染色をして組織を観察した結果である。より詳細には、図7は正常群(NC)、図8はアトピー性皮膚炎誘発物質処理群(PC)、図9は1.667mg/kg/dayを投与した群、図10は、16.67mg/kg/dayを投与した群、図11は、166.7mg/kg/dayを投与した群の耳組織の写真である。
【0043】
図7〜図11の顕微鏡写真でも確認できるように、正常群(NC)に比べてアトピー性皮膚炎誘発物質処理群(PC)では、浮腫が発生して組織が厚くなって破壊されることがわかった。そして、AF−343処理濃度が増加するに応じて耳の厚さが薄くなり、組織も正常化することがわかった。
【0044】
(実施例6)実験動物の血中IgEの測定
図12は、4週間試験飼育したNC/Ngaマウスの血清を採取してアトピー性皮膚炎の誘発にかかわるIgEの濃度を測定した結果である。即ち、アトピー性皮膚炎誘発物質のみを処理したPC群に比べて、アトピー性皮膚炎誘発物質で処理しAF−343を1.667mg/kg/dayずつ経口投与した場合、95%の有意差レベルでIgEの低下効果が示され、16.67mg/kg/day以上では、アトピー性皮膚炎誘発物質を処理しない正常群のIgEの濃度とは差があるものの、99%のレベルでPC群に比べて有意差のあるIgEの分泌を抑制することが示された。
【0045】
(実施例7)臨床実験
アトピー性皮膚炎の一般人30名を対象として、4週間、AF−343を500mg/day投与した後、その治療効果を確認した質問の結果である(図13)。質問の番号は下記の内容で、7点尺度法を用いて、最も深刻な場合7点、全然そうでない場合1点にして評価した。
【0046】
1.石けんまたは化粧品の使用後、痒くてちくちくする程度がどれくらいですか。
2.花粉の飛ぶ季節には他の季節に比べて痒いかあるいは赤くなる程度がどれくらいですか。
3.腕の内側や首しわなど折られる部分に汗が出ると、痒いかあるいは赤くなる程度はどれくらいですか。
4.皮膚が乾燥しており、特に皮膚が更に乾燥した場合、痒いですか。
5.平素に患部の痒みの程度はどれくらいですか。
6.皮膚を掻いた後、痒いかあるいは赤く腫れる程度がどれくらいですか。
7.皮膚を掻いた後、掻いた部位に炎症が生じる程度どれくらいですか。
8.皮膚を掻いた後、掻いた部位に角質が生じる程度どれくらいですか。
9.寝ているとき、患部を掻いて血が出るか、あるいは痒みで目が覚めたことがありますか。
10.ほこりの多い日に外出した後、患部の痒みや炎症が更にひどくなりますか。
【0047】
図13で示したように、アトピー性皮膚炎である一般人に1日にAF−343 500mgを4週間摂取させたとき、全ての項目でアトピー性皮膚炎にかかわる症状が緩和したことがわかった。
【0048】
[製造例1]散剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合し、包装用袋に充填して散剤を製造する。
【0049】
[製造例2]錠剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 100mg
乳糖 100mg
トウモロコシでんぷん 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法によって打錠して錠剤を製造する。
【0050】
[製造例3]カプセル剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 100mg
乳糖 100mg
トウモロコシでんぷん 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常のカプセルの剤製造方法によってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造する。
【0051】
[製造例4]禅食
玄米40%、麦30%、はと麦20%、アルファ米粉10%を焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの穀類粉末を作る。
黒豆40%、黒ゴマ30%、エゴマ30%を焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの種実類粉末を作る。
【0052】
本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物を、噴霧乾燥機を用いて乾燥粉末を作る。
前記製造した穀類75%、種実類20%、及び楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物の乾燥粉末5%を配合した後、顆粒化して禅食を製造する。
【0053】
[製造例5]チューインガム
ガムベース20%、砂糖76%、香料1.5%、及び水2%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物0.5%を配合して通常の方法でチューインガムを製造する。
【0054】
[製造例6]キャンディ
砂糖60%、水あめ39%、及び香料0.5%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物0.5%を配合して通常の方法でキャンディを製造する。
【0055】
[製造例7]ビスケット
薄力粉25%、中力粉23%、精白糖6%、食塩1%、パームショートニング13%、ミルクフレーバ0.1%、脱脂粉乳3%、全粉乳7%、及び水16.9%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物5%を配合して通常の方法でビスケットを製造する。
【0056】
[製造例8]健康飲料
蜂蜜5重量%、果糖3%、塩酸リボフラビンナトリウム0.0001%、塩酸ピリドキシン0.0001%、及び水86.9998%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物5%を配合して通常の方法で健康飲料を製造する。
【0057】
[製造例9]健康機能食品
オクタコサノール粉末15%、乳糖加水分解粉末15%、分離大豆たんぱく粉末15%、キトオリゴ糖15%、酵母抽出物粉末10%、ビタミンミネラル混合製材10%、ステアリン酸マグネシウム4.6%、二酸化チタニウム0.2%、及びグリセリン脂肪酸エステル0.2%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物20%を配合して通常の方法で錠剤型健康機能食品を製造する。
【0058】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】植物抽出物処理濃度別β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量の変化を示すグラフである。
【図2】AF−343処理濃度によるβ−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量の変化を示すグラフである。
【図3】AF−343処理濃度によるTNF−αの分泌量の変化を示すグラフである。
【図4】AF−343処理濃度によるIL−6分泌量の変化を示すグラフである。
【図5】AF−343処理濃度によるIL−8分泌量の変化を示すグラフである。
【図6】AF−343の給与がアトピー性皮膚炎誘発物質処理マウスの耳の厚さに及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図7】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図8】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図9】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図10】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図11】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図12】アトピー性皮膚炎誘発物質の処理後、AF−343の投与がマウスの血液内のIgE濃度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図13】AF−343の摂取がアトピー性皮膚炎の症状に及ぼす影響を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎の症状を改善させる植物混合抽出物を含有する組成物に係り、より詳細には、このような組成物、これを含む健康増進用食品及びアトピー性皮膚改善用組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎は、増悪と寛解とが繰り返される慢性の炎症性皮膚疾患であって、そう痒症とアレルギー性鼻炎や喘息などにも関連する。
【0003】
アトピー性皮膚炎は、その原因が十分には解明されていないが、下記のような原因によるとされている。即ち、アレルギーに係る免疫グロブリンであるIgEの増加による免疫過敏反応またはTリンパ球の機能不全によるものとされている。
【0004】
IgEは、粘膜や皮膚の肥満細胞(mast cell)に結合し、その濃度が高いと、肥満細胞からヒスタミン(histamine)が分泌されて炎症を生じさせる。多くのアトピー性皮膚炎患者において、血清IgEの値が上昇しており、その数値とアトピー性皮膚炎の臨床的重症度が正の相関があることに明らかになっている。
【0005】
肥満細胞により、IgEの産生を誘導するIL−4、IgEの生成を促進するIL−5、IgEの生成を増幅させるIL−6などのサイトカインを分泌するとされている。アトピー性皮膚炎の更に他の因子として、活性酸素を含むフリーラジカル(free radical)が考えられていて、活性酸素の発生が多すぎると皮膚細胞のコレステロールや中性脂肪などと反応して過酸化脂質が生成され、これによって皮膚角質層の保湿機能が低下することによってダニなど接触性の刺激に敏感になりアトピー性皮膚炎が発生するとされる。
【0006】
このような免疫過敏反応と活性酸素の過剰発生は根本的な発生原因が明確ではないが、遺伝的原因の他、主に環境汚染によるダイオキシンのような環境ホルモンの人体内への流入など、外因的ストレスによる免疫系の機能悪化や障害によって発生すると考えられている。そして、アトピー性皮膚炎に伴い、二次的な細菌感染、薬物の副作用による感受性の上昇、真菌やウイルスなどの感染による抵抗力の低下なども現れる。
【0007】
アトピー性皮膚炎を治療する方法としては、アレルギー源を除去するか免疫系を改善させる方法が行われているが、アレルギー源は除去しにくいため、主に免疫にかかわる治療と、肥満細胞からのヒスタミンの放出を減少させるための薬物治療を受けるのが一般的な方法である。現在行われている治療方法としては、免疫抑制剤を用いてアトピー性皮膚炎によって発生する各種症状を緩和させるか、もしくはアトピー性皮膚炎の患者の皮膚の乾燥を防ぐために保湿剤を塗布すると同時に、炎症を治療するために、外用合成副腎皮質ホルモン剤などを塗布している。
【0008】
しかし、外用合成副腎皮質ホルモン剤を長期間用いる場合、皮膚の萎縮及び血管拡張など多様な皮膚の副作用を誘発するので、このような副作用を起こすことなく抗炎症効果を有する天然素材を開発するための研究が活発に進行されつつある。
【0009】
アトピー性皮膚炎の症状緩和のための抗菌性及びフリーラジカル消去能を活用した天然物由来の先行技術としては、アトピー性皮膚炎の二次的な疾患である、皮膚炎をさらに悪化させる炎症を誘発する細菌等の増殖を抑制する抗菌成分を含有したアロエベラ、緑茶、及びオウゴン抽出物などを含有した化粧品(特許文献1)が開発され、霊芝、及び楡根皮、決明子、蒲公英などを用いて皮膚組織の角質化と感染した細菌の増殖を抑制しうる漢方化粧品(特許文献2)がある。
【0010】
また、殺菌効果を有する桂枝抽出物を含有するアトピー性皮膚炎の緩和及び予防用化粧料(特許文献3)、苦参及び白きゅう、知母、小葉麦門冬(ジャノヒゲ)などの混合抽出物を有効成分にして抗菌及びフリーラジカルの消去、抗炎症、保湿効果を有してアトピー性皮膚炎を改善する化粧品(特許文献4)、白きゅう及び紫蘇、エキナシア、醗酵大豆抽出物を一定の割合で混合して抗菌効果及び保湿効果、抗炎症効果、フリーラジカル除去効果などがあってアトピー性皮膚炎の治癒改善効能を有する化粧品(特許文献5)、グアバ抽出物を醗酵して抗酸化及び抗菌、抗炎症効果を有するアトピー改善組成物(特許文献6)などが知られている。
【0011】
そして、アロエ及び竹などに存在するイソオリエンチン(isoorientin)を含み、過剰のヒスタミンによって惹起された疾患の予防あるいは治療用薬学組成物(特許文献7)が報告されている。
【0012】
免疫過敏反応の抑制を通してアトピー性皮膚炎を治療する先行技術としては、三白草(saururus chinensis)抽出物、あるいはこれから分離された(−)−ソーサーネオール(saucerneol)、ソーサーネオールC、マナサンチンAまたはBを有効成分として含有する免疫抑制用組成物であって、正常でないB細胞及びT細胞の増殖を効果的に抑制して、優れた免疫抑制効果を有するため、臓器移植拒否反応、自己免疫疾患、アレルギー、アトピーなどのような免疫過敏反応によって惹起される疾患の予防及び治療のための薬学組成物及び食品添加物(特許文献8)と、地楡(sanuisorba officinalis)抽出物を有効成分に含有する過敏性皮膚疾患治療剤で、IgEを減少させる効果及びフリーラジカル消去及び免疫細胞の増殖を促進する効果がり、細胞毒性の少ないアトピー性皮膚炎治療剤(特許文献9)が報告されている。
【0013】
なお、蓁ぎょう(Gentianae macrophyllae radix)抽出物も地楡抽出物と同様の効果を有している皮膚疾患治療剤(特許文献10)として知られていて、樺皮及び生地おう、玄参、当帰、桂枝、蒼朮、麻黄、羌活、荊芥、防風、細辛、川烏、川きゅう、甘草、何首烏、石雄黄を用いてIgE及びIL−4などサイトカイン分泌を調節してアトピー性皮膚炎に役立つ漢薬組成物(特許文献11)が報告されている。
【0014】
しかし、アトピー性皮膚炎の発生原因のうち、ダイオキシンのような環境ホルモンによる免疫系の障害がもっとも深刻な発病原因と判断され、体内に吸収された環境ホルモンを解毒するとともに免疫過敏反応を起こすIgEを減少させ、IL−6などのサイトカインの分泌を抑制させる物質を探索して適正割合で混合した新規な組成物の製造が要求されている。
【特許文献1】韓国特許出願第2001−16162号
【特許文献2】韓国特許出願第2003−2827号
【特許文献3】韓国特許出願第2002−60286号
【特許文献4】韓国特許出願第2003−53370号
【特許文献5】韓国特許出願第2003−38851号
【特許文献6】韓国特許出願第2006−116279号
【特許文献7】韓国特許出願第2005−22772号
【特許文献8】韓国特許出願第2005−130601号
【特許文献9】韓国特許出願第2005−24430号
【特許文献10】韓国特許出願第2005−24429号
【特許文献11】韓国特許出願第2005−26551号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、体内への環境ホルモンの流入による免疫系の混乱によって発生するアトピー性皮膚炎の予防及び治療に有用なアトピー性皮膚炎改善用組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、前記組成物を含む健康増進用食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような課題を実施するために本発明の一実施例によるアトピー性皮膚改善用組成物は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含む。例えば、前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含んでいてもよい。
【0017】
例えば、前記の各植物抽出物は、抽出液を乾燥させた粉末状態であってもよい。
【0018】
本発明の一実施例による健康増進用食品は、前記の組成物を含有する。前記食品は、散剤、錠剤、カプセル剤、禅食、チューインガム、キャンディ、ビスケット、健康飲料などの形態に製造してもよい。
【0019】
本発明の一実施例によるアトピー性皮膚炎予防及び治療用組成物の製造方法は、楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモにそれぞれ10〜30倍の有機溶媒を加え、有機溶媒が加えられたそれぞれの楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモを10℃〜30℃で2〜5日間抽出して濾過し、前記濾過後の結果物の減圧濃縮する、前記減圧濃縮の結果物を乾燥すること、を含む。
【0020】
例えば、前記有機溶媒としては、40〜90%のエタノール水溶液を用いることができる。また、前記アトピー性皮膚炎及び治療用組成物の製造方法は、前記各楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を混合することを更に含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明による組成物は、周辺で容易に得ることができる人体に無害な植物であって、過剰量服用しても副作用なしにアトピー性皮膚炎に代表される過敏性皮膚疾患の予防及び治療に優れる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
前記目的を達成するために、本発明では、免疫調節活性のみならず炎症抑制効果を有する4種の植物抽出物を含有することを特徴とする天然物素材を提供する。例えば、前記各抽出物は、いずれも同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含むことができる。以下、本発明をより詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)本発明から選別された4種の植物抽出物の製法
本発明から得られた4種の植物に対する抽出方法を整理すると下記のようである。
楡根皮抽出物の製法
楡根皮(Ulmus davidiana var.)、すなわち、陰乾したニレの根の皮を粉砕機で細切してその体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜50℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過したした後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。このとき、抽出溶媒としてはエタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0024】
決明子抽出物の製法
決明子(Cassia obtusifolia)を粉砕した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0025】
蒲公英抽出物の製法
蒲公英(Taraxacum platycarpum)を粉砕した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程によって製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0026】
スモモ抽出物の製法
スモモ(Prunus salicina)の核を除去して4等分して50℃以下の熱風乾燥または凍結乾燥した後、その体積に対して2〜200倍、望ましくは10〜30倍の有機溶媒を加えて、10〜30℃で1〜10日間、望ましくは2〜5日間抽出して濾過した後、減圧濃縮して乾燥する工程で製造することができる。ここで、抽出溶媒としては、エタノール及びメタノール、ジクロロメタンなどを用いることができ、40〜90%のエタノール水溶液が望ましい。
【0027】
具体的に、本発明の望ましい実施例では、還流装置が接続された抽出機を用いて楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモまたはそれの乾燥物に対して10倍の70%エタノール水溶液を用いて72時間攪拌しながら抽出してから濾過し、濾液を減圧濃縮してエタノール抽出物を得、この抽出物に必要に応じてはマルトデキストリンのような賦形剤を添加して凍結乾燥するか、あるいは噴霧乾燥して抽出物粉末を得る。
【0028】
(実施例2)脱顆粒抑制の効果
β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)は、ヒト肥満細胞(human mast cell line−1(HMC−1))中の顆粒内にヒスタミン(histamine)のように存在する炎症前駆物質である。抗原が、肥満細胞(mast cell)の細胞膜の表面に存在するFc受容体と結合しているIgE抗体との間に架橋結合(cross liking)を形成すると、細胞膜が活性化され、酵素反応を経て短時間に脱顆粒されてβ−ヘキソサミニダーゼとヒスタミンが分泌される。ヒスタミンは、肥満細胞内に低い濃度で存在し、その測定には多数の段階を経るため、分析偏差が大きい。そのため、比較的誤差が少なく、安定的に測定されるβ−ヘキソサミニダーゼアッセイ(β−hexosaminidase assay)を用いた。
【0029】
HMC−1を培養した後、遠心分離して細胞を集め、サイロイドバッファー(thyroid buffer)に2×106cell/mlに濃度を合わせて900μlずつ48ウェルプレート(48well plate)に分取した。サイロイドバッファーに最終濃度が10μg/ml、100μg/mlとなるように希釈された楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物を各ウェルに添加した後、37℃、5%CO2のインキュベーター(incubator)で30分間培養した後、脱顆粒誘発物質であるコンパウンド48/80(compound 48/80)を6μg/mlの濃度になるように添加して、再び37℃、5%CO2のインキュベーターで30分間培養した。
【0030】
48ウェルプレートを10分間アイスバス(ice bath)に置いて反応を終結させた後、遠心分離して細胞を沈め、上澄液30μlを96ウェルプレートに移した後、各ウェルに基質として1nM p−nitrophenyl−N−acetyl−β−D−glucosaminideの30μlを添加して37℃で1時間反応させた後、120μlの反応停止液(sodium bicarbonate、pH 10.2)を入れてエライザマイクロプレートリーダー(ELISA micro reader)を用いて405nmで吸光度を測定した。
β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量は、下記の数式(1)を用いて求めた。
【0031】
【数1】
【0032】
前記式において、Aはポジティブコントロール(positive control)吸光度であり、Bは試料で処理したサンプルの吸光度を示す。
その結果を図1に示す。
【0033】
即ち、コンパウンド48/80(compound 48/80)を単独処理したポジティブコントロールに比べて決明子及び楡根皮、蒲公英、スモモ抽出物を10μg/ml処理した場合、95%のレベルの有意差がある脱顆粒の抑制を示し、100μg/ml処理時に全ての処理サンプルで、99%のレベルの有意差がある脱顆粒の抑制を示した。
【0034】
(実施例3)皮膚疾患の症状改善用混合抽出物(AF−343)の組成比
外部抗原に対する反応としてヒト肥満細胞(human mast cell)の脱顆粒によるβ−ヘキソサミニダーゼとヒスタミンの分泌を抑制して、皮膚疾患に有用な4種の植物抽出物、即ち、楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物などをそれぞれ同一の成分割合に混合して天然物製剤(AF−343)を完成した。AF−343を用いてβ−ヘキソサミニダーゼ分泌抑制能を測定した結果、各植物の抽出物を単独に用いるよりも優れた効果を示した(図2)。即ち、1μg/mlのレベルにおいても95%レベルの有意差が認められ、処理濃度が増加するほど脱顆粒抑制効果が強く現れた。
【0035】
(実施例4)免疫活性(cytokines分泌量の抑制効果)
多くのアトピー性皮膚炎患者において、免疫過敏の反応として血清IgE値が増加していて、IgEの生成を増幅させるIL−6などのサイトカインを分泌することが知られている。よって、実施例3で、脱顆粒を抑制する効能が明らかになったAF−343を用いて免疫活性にかかわるサイトカインの分泌量を確認した。
【0036】
即ち、HMC−1をIMDMに3×106cell/mlの濃度で24ウェルプレート(24well plate)に分取し、混合抽出物1μg/ml、10μg/ml、100μg/mlの濃度に希釈された試料を添加して37℃、5%のCO2インキュベーターで30分間培養した後、40nMのホルボール(phorbol)12−myristate 13−acetatと1uMのCalcium ionophore A23187Iを添加して37℃、5%のCO2インキュベーターで4時間培養した後、1200rpmで5分間遠心分離して上澄液を得た。
【0037】
この上澄液を用いてTNF−αとIL−6、IL−8の定量はQuantikine kit(R&D systems、cat.DTA00C)を用いて定量し、RT−PCR(Reverse transcriptaes−polymerase chain reaction)を用いて確認した。結果は、図3、図4、及び図5のようである。即ち、図3に示すTNF−αの場合、95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時、有意に低下することに示されたが、濃度が増加してもその抑制力には大きな差異がないことがわかった。
【0038】
また、IL−6の場合、図4のように95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時、有意に低下することが示されたが、10μg/mlでは濃度増加による差はなく、100μg/ml処理時に大きく減少することが示された。図5に示すIL−8の場合、TNF−αと類似に95%の有意差レベルで1μg/mlの濃度以上での処理時に有意に低下することが示されたが、濃度が増加してもその抑制力には大きな差異がないことがわかった。
【0039】
(実施例5)抗炎症効能評価
アトピー性皮膚炎誘発モデルとしてよく知られている6週齢の雄のマウスNC/Ngaを用いて7日間、実験環境に適応させるため飼育した後、4週間の実験を行った。無処理群とアトピー性皮膚炎の誘発物質処理群、及びアトピー性皮膚炎誘発物質処理群にAF−343を1.667mg/kg/day(体重60kgである場合1日0.1g)、16.67mg/kg/day,166.7mg/kg/day経口投与した実験群に区分して実験した。
【0040】
各試料は、同一時間に毎日経口投与し、対照群は1%のDMSOの含まれたPBS試料を投与したマウスに同様の方法で体重に合わせて投与した。また、アトピー性皮膚炎誘発のためにコナヒョウヒダニ(Dermato−phagoides farinae(DF))を抗原として用いて、二日に一度ずつ両耳に5mg/mlの濃度で10μlずつ塗布した。炎症の発症現像を測定するために二日に一度ずつ抗原を塗布する前に、ノギス(vernier calipers)を用いて耳の厚さを測定した。実験結果は、図6に示したとおりである。
【0041】
即ち、1.667mg/kg/day以上、4週間経口投与時、アトピー性皮膚炎誘発物質処理群に比べて95%のレベルの有意差で炎症が抑制されることがわかり、処理濃度が増加するほど炎症抑制効果が強く現れた。
【0042】
図7〜図11は、アトピー性皮膚炎誘発物質処理後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を確認するために、耳組織をhematoxylin and eosin染色をして組織を観察した結果である。より詳細には、図7は正常群(NC)、図8はアトピー性皮膚炎誘発物質処理群(PC)、図9は1.667mg/kg/dayを投与した群、図10は、16.67mg/kg/dayを投与した群、図11は、166.7mg/kg/dayを投与した群の耳組織の写真である。
【0043】
図7〜図11の顕微鏡写真でも確認できるように、正常群(NC)に比べてアトピー性皮膚炎誘発物質処理群(PC)では、浮腫が発生して組織が厚くなって破壊されることがわかった。そして、AF−343処理濃度が増加するに応じて耳の厚さが薄くなり、組織も正常化することがわかった。
【0044】
(実施例6)実験動物の血中IgEの測定
図12は、4週間試験飼育したNC/Ngaマウスの血清を採取してアトピー性皮膚炎の誘発にかかわるIgEの濃度を測定した結果である。即ち、アトピー性皮膚炎誘発物質のみを処理したPC群に比べて、アトピー性皮膚炎誘発物質で処理しAF−343を1.667mg/kg/dayずつ経口投与した場合、95%の有意差レベルでIgEの低下効果が示され、16.67mg/kg/day以上では、アトピー性皮膚炎誘発物質を処理しない正常群のIgEの濃度とは差があるものの、99%のレベルでPC群に比べて有意差のあるIgEの分泌を抑制することが示された。
【0045】
(実施例7)臨床実験
アトピー性皮膚炎の一般人30名を対象として、4週間、AF−343を500mg/day投与した後、その治療効果を確認した質問の結果である(図13)。質問の番号は下記の内容で、7点尺度法を用いて、最も深刻な場合7点、全然そうでない場合1点にして評価した。
【0046】
1.石けんまたは化粧品の使用後、痒くてちくちくする程度がどれくらいですか。
2.花粉の飛ぶ季節には他の季節に比べて痒いかあるいは赤くなる程度がどれくらいですか。
3.腕の内側や首しわなど折られる部分に汗が出ると、痒いかあるいは赤くなる程度はどれくらいですか。
4.皮膚が乾燥しており、特に皮膚が更に乾燥した場合、痒いですか。
5.平素に患部の痒みの程度はどれくらいですか。
6.皮膚を掻いた後、痒いかあるいは赤く腫れる程度がどれくらいですか。
7.皮膚を掻いた後、掻いた部位に炎症が生じる程度どれくらいですか。
8.皮膚を掻いた後、掻いた部位に角質が生じる程度どれくらいですか。
9.寝ているとき、患部を掻いて血が出るか、あるいは痒みで目が覚めたことがありますか。
10.ほこりの多い日に外出した後、患部の痒みや炎症が更にひどくなりますか。
【0047】
図13で示したように、アトピー性皮膚炎である一般人に1日にAF−343 500mgを4週間摂取させたとき、全ての項目でアトピー性皮膚炎にかかわる症状が緩和したことがわかった。
【0048】
[製造例1]散剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合し、包装用袋に充填して散剤を製造する。
【0049】
[製造例2]錠剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 100mg
乳糖 100mg
トウモロコシでんぷん 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法によって打錠して錠剤を製造する。
【0050】
[製造例3]カプセル剤
楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物 100mg
乳糖 100mg
トウモロコシでんぷん 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常のカプセルの剤製造方法によってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造する。
【0051】
[製造例4]禅食
玄米40%、麦30%、はと麦20%、アルファ米粉10%を焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの穀類粉末を作る。
黒豆40%、黒ゴマ30%、エゴマ30%を焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの種実類粉末を作る。
【0052】
本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物を、噴霧乾燥機を用いて乾燥粉末を作る。
前記製造した穀類75%、種実類20%、及び楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物の乾燥粉末5%を配合した後、顆粒化して禅食を製造する。
【0053】
[製造例5]チューインガム
ガムベース20%、砂糖76%、香料1.5%、及び水2%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物0.5%を配合して通常の方法でチューインガムを製造する。
【0054】
[製造例6]キャンディ
砂糖60%、水あめ39%、及び香料0.5%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物0.5%を配合して通常の方法でキャンディを製造する。
【0055】
[製造例7]ビスケット
薄力粉25%、中力粉23%、精白糖6%、食塩1%、パームショートニング13%、ミルクフレーバ0.1%、脱脂粉乳3%、全粉乳7%、及び水16.9%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物5%を配合して通常の方法でビスケットを製造する。
【0056】
[製造例8]健康飲料
蜂蜜5重量%、果糖3%、塩酸リボフラビンナトリウム0.0001%、塩酸ピリドキシン0.0001%、及び水86.9998%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物5%を配合して通常の方法で健康飲料を製造する。
【0057】
[製造例9]健康機能食品
オクタコサノール粉末15%、乳糖加水分解粉末15%、分離大豆たんぱく粉末15%、キトオリゴ糖15%、酵母抽出物粉末10%、ビタミンミネラル混合製材10%、ステアリン酸マグネシウム4.6%、二酸化チタニウム0.2%、及びグリセリン脂肪酸エステル0.2%と本発明の楡根皮及び決明子、蒲公英、スモモ抽出物20%を配合して通常の方法で錠剤型健康機能食品を製造する。
【0058】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】植物抽出物処理濃度別β−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量の変化を示すグラフである。
【図2】AF−343処理濃度によるβ−ヘキソサミニダーゼ(β−hexosaminidase)の分泌量の変化を示すグラフである。
【図3】AF−343処理濃度によるTNF−αの分泌量の変化を示すグラフである。
【図4】AF−343処理濃度によるIL−6分泌量の変化を示すグラフである。
【図5】AF−343処理濃度によるIL−8分泌量の変化を示すグラフである。
【図6】AF−343の給与がアトピー性皮膚炎誘発物質処理マウスの耳の厚さに及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図7】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図8】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図9】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図10】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図11】アトピー性皮膚炎誘発物質処理の後、AF−343の投与が耳の組織に及ぼす影響を示す顕微鏡写真である。
【図12】アトピー性皮膚炎誘発物質の処理後、AF−343の投与がマウスの血液内のIgE濃度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図13】AF−343の摂取がアトピー性皮膚炎の症状に及ぼす影響を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトピー性皮膚炎の予防及び治療に効果を有する楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記各抽出物は、抽出液を乾燥させた粉末状態であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかによる組成物を含有することを特徴とする健康増進用食品。
【請求項5】
前記食品が飲料形態であることを特徴とする請求項4に記載の乾燥増進用食品。
【請求項6】
楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモにそれぞれ10〜30倍の有機溶媒を加え、
前記有機溶媒が加えられたそれぞれの楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモを10℃〜30℃で2〜5日間抽出して濾過し、
前記濾過後の結果物を減圧して濃縮し、
前記減圧濃縮の結果物を乾燥する、ことを含むアトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【請求項7】
前記有機溶媒は、40〜90%のエタノール水溶液であることを特徴とする請求項6に記載のアトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【請求項8】
前記楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモの抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を混合することを更に含むことを特徴とする請求項6に記載アトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【請求項1】
アトピー性皮膚炎の予防及び治療に効果を有する楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモ抽出物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記各抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記各抽出物は、抽出液を乾燥させた粉末状態であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかによる組成物を含有することを特徴とする健康増進用食品。
【請求項5】
前記食品が飲料形態であることを特徴とする請求項4に記載の乾燥増進用食品。
【請求項6】
楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモにそれぞれ10〜30倍の有機溶媒を加え、
前記有機溶媒が加えられたそれぞれの楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモを10℃〜30℃で2〜5日間抽出して濾過し、
前記濾過後の結果物を減圧して濃縮し、
前記減圧濃縮の結果物を乾燥する、ことを含むアトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【請求項7】
前記有機溶媒は、40〜90%のエタノール水溶液であることを特徴とする請求項6に記載のアトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【請求項8】
前記楡根皮、決明子、蒲公英、及びスモモの抽出物は、全て同一の固形分含量を有するように濃縮されたものを基準に、1〜60重量部の楡根皮抽出物、1〜60重量部の決明子抽出物、1〜60重量部の蒲公英抽出物、及び1〜60重量部のスモモ抽出物を混合することを更に含むことを特徴とする請求項6に記載アトピー性皮膚炎の予防及び治療用組成物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−227654(P2009−227654A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288600(P2008−288600)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea
【出願人】(508335451)スン キュン バイオテック カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea
【出願人】(508335451)スン キュン バイオテック カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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