説明

植物支持用棒材保持具及び植物支持具

【課題】植物栽培用容器の開口縁部がいかなる形状であっても容易かつ強固に装着可能であって、装着による美観の低下や植物栽培用容器の損傷を招くことのない植物支持用棒材保持具、及びこれを備えた植物支持具を提供する。
【解決手段】棒材保持具20は、植物栽培用容器Pの開口端部Eに装着され、植物支持用棒材を保持するために使用されるものであり、支持部22と屈曲変形部24とを有する。支持部22は、支柱12を挿入可能でかつ任意の位置に固定可能な貫通孔32からなる挿入部34を有する。また、屈曲変形部24は、支柱12の挿入方向と略同一方向に延びるように形成されており、屈曲変形により開口端部Eを把持することが可能とされている。棒材保持具20を開口端部Eに固定すると、支持部22が開口端部Eの外側に接した状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木鉢等の植物栽培用容器に植物支持用棒材を保持するために使用される植物支持用棒材保持具、及び当該植物支持用棒材保持具を備えた植物支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植木鉢やプランター等の植物栽培用容器において、植物の茎、枝又は蔓等を支持するための棒材や、この棒材を保持するための保持具等が多数提供されている。具体的には、例えば、下記特許文献1の植木鉢用支柱保持具等が提供されており、植物栽培用容器内の土壌に差し込まれた棒材を植木鉢の開口端に取り付けた保持具によって保持することにより、棒材の固定強度を向上させている。
【0003】
特許文献1に開示されているように植物支持用の棒材を土壌に差し込むこととした場合は、植物の根が棒材によって切断される等の問題が生じる可能性がある。かかる問題を解消しうるものとして、下記特許文献2に開示されている支柱支持具、特許文献3に開示されている植木鉢用ステープラケット金具、特許文献4に開示されている植木鉢用支柱の外部装着セット、及び特許文献5に開示されている植木鉢用の支柱保持具等が提供されている。
【0004】
特許文献2の支柱支持具は、下部側が土壌中に動かないように埋設される本体と、該本体の上部側に形成され、細長い支柱の端部を鉛直に対し所定角度だけ傾けて保持可能な支柱保持部とを備えたことを特徴とするものである。
【0005】
特許文献3の植木鉢用ステープラケット金具は、植木鉢において草木を確実に支持すべく、植木鉢本体の縁に金属製であって環状のバンドを取り付け、これに対してボルト及び蝶ナットを用いて取り付けたブラケットによってステーとなる支持棒を固定したものである。
【0006】
また、特許文献4の植木鉢用支柱の外部装着セットは、上記特許文献2と同様に植木鉢本体の縁に金属製であって環状のバンドを取り付けるとともに、植木鉢の底部に設けられた皿にも支柱を支持するための支持具を設けることにより、植木鉢の外部において支柱を支持可能としたものである。
【0007】
更に、特許文献5の植木鉢用の支柱の保持具は、クランプと受け鞘とが一体化された構成とされており、クランプを植木鉢等の縁の上端部に差し込み、受け鞘に支柱を挿入することにより、支柱を植木鉢等の外部において支持可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−66115号公報
【特許文献2】特開平9−187173号公報
【特許文献3】登録実用新案3006670号公報
【特許文献4】実開平8−1553号公報
【特許文献5】登録実用新案3054715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献2のような構成とした場合は、支柱支持具の本体を土壌中に埋めなければならず、取り付けの際に手が汚れるため取付け操作が若干煩雑であり、また、上記特許文献3及び特許文献4のような構成とした場合は、植木鉢等の外部上縁に金属製のバンドを取り付け、更にブラケットや蝶ネジ等を取り付けたものであるため、取付け操作が煩雑で、これらの部材によって外観が損なわれてしまうという問題がある。
【0010】
また、上記特許文献5の保持具では、受け鞘に差し込まれた支柱をクランプの挟持力によって保持するものであり、支柱の位置ずれ等を防止するためには挟持力の高いクランプを採用する必要がある。そのため、この保持具においては、クランプを植木鉢等の上縁部に差し込む際に大きな力を要するばかりか、取り付け時にクランプと植木鉢等との間に大きな摩擦力が作用し、取付け操作が煩雑で、植木鉢を傷つけてしまう可能性があった。また、外観もよくない。
【0011】
更に、植物栽培用容器の上縁部乃至は開口端部の形状は必ずしも画一的ではないため、クランプの形状に合致しない形状である場合は上記特許文献5の保持具を強固に固定することができないという問題がある。上記特許文献2〜特許文献4においても、植物栽培用容器の開口端部の形状によらず容易に取付け可能な構造については検討されていない。
【0012】
そこで、本発明は、植木鉢等の植物栽培用容器の開口縁部がいかなる形状であっても容易かつ強固に装着可能であって、装着による美観の低下や植物栽培用容器の損傷を招くことのない植物支持用棒材保持具、及びこれを備えた植物支持具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
植物栽培用容器の開口端部に装着され、植物支持用棒材を保持するための植物支持用棒材保持具であって、
前記棒材を挿入可能でかつ任意の位置に固定可能な貫通孔からなる挿入部を有する支持部と、
前記棒材の挿入方向と略同一方向に延びるように前記支持部と一体的に形成され、屈曲変形して前記植物栽培用容器の開口端部を把持することが可能な屈曲変形部と、
を有し、
前記屈曲変形部を屈曲させて前記開口端部に固定することにより、前記支持部が前記開口端部の外側に接するように、前記植物栽培用容器の前記開口端部に装着可能であること、
を特徴とする植物支持用棒材保持具を提供する。
【0014】
上記本発明の植物支持用棒材保持具においては、前記屈曲変形部が、金属製の芯材と、前記芯材の外部を被覆する樹脂製のカバーと、で構成されており、前記カバーが、前記屈曲変形部と一体的に前記支持部を構成していることが好ましい。また、前記挿入部を構成する前記貫通孔が、前記棒材の挿入に伴って弾性変形により拡径し、前記棒材を任意の位置に固定可能であることが望ましい。
【0015】
上記本発明の植物支持用棒材保持具においては、前記屈曲変形部が、前記支持部の一端に複数形成され、かつ、前記支持部の他端にも複数形成されていること、が好ましい。
【0016】
上記本発明の植物支持用棒材保持具においては、前記カバーが、透光性を有する樹脂で構成されており、かつ前記カバーに発光体が設けられていること、が望ましい。
【0017】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
上記本発明の植物支持用棒材保持具と、
前記植物支持用棒材保持具の前記挿入部に挿入される棒材と、
を有し、
前記棒材が、外周面に所定の間隔で形成された複数の節を有すること、
を特徴とする植物支持具を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の植物支持用棒材保持具は、屈曲変形部を屈曲させて植物栽培用容器の開口端部に固定することが可能であるため、開口端部の形状によらず容易かつ強固に装着することが可能であり、植物栽培用容器の損傷等の問題も生じない。また、前記開口端部の外側に支持部が接するように装着可能であるため、挿入部に挿入された植物支持用棒材が植物栽培用容器内の土壌に差し込まれることがなく、植物の根が切断される等の問題が生じない。また、支持部に設けられた挿入部が、挿入された棒材を任意の位置において固定可能とされているため、棒材を適切な高さとなるように設置することが可能である。
【0019】
また、本発明の植物支持用棒材保持具は、金属製の芯材と、この芯材の外部を被覆する樹脂製のカバーとによって屈曲変形部を構成することにより、金属が直接的に植物栽培用容器に接触することを防止できる。これにより、植物栽培用容器の損傷や、植物栽培用容器や植物に対する錆の付着を防止することが可能となり、特に野菜や果物などの食物を栽培する際に好適に使用可能となる。
【0020】
また、挿入部を構成する貫通孔に対して前記棒材を挿入することにより貫通孔が弾性変形によって拡径した状態になり、棒材を任意の位置に固定することができる構成とすれば、棒材の高さを容易かつ適確に調整することが可能である。
【0021】
また、本発明の植物支持用棒材保持具は、上述したように、屈曲変形部が支持部の一端側及び他端側にそれぞれ複数形成されていることにより、植物栽培用容器の開口端部に一層強固に装着することが可能となる。
【0022】
本発明の植物支持用棒材保持具は、透光性を有する樹脂でカバーを構成し、かつカバーに発光体を設けることにより、美観を一層向上させることが可能である。
【0023】
本発明の植物支持具は、外周面に所定の間隔で形成された複数の節を有する棒材を備えたものであるため、上述した植物支持用棒材保持具の挿入部に挿入する際に棒材の高さを容易かつ適確に調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る植物支持具を植物栽培用容器に装着した状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係る植物支持用棒材保持具を示す正面図、(b)は(a)の支持部近傍の構造を示す平面図である。
【図3】図2に示す植物支持用棒材保持具を植物栽培用容器に装着した状態を示す平面図である。
【図4】(a)は変形例に係る植物支持用棒材保持具を示す正面図、(b)は(a)の支持部近傍の構造を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る植物支持具を植物栽培用容器の装着状態の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る植物支持具を植物栽培用容器の装着状態の更に別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
続いて、本発明の一実施形態に係る植物支持具10及び植物支持用棒材保持具20(以下、単に「棒材保持具20」とも称す)について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。また、重複する部分の説明については同一の符号を付し、省略している場合もあり、図面における各部材の形状や寸法は、本発明の作用効果を奏するための実際の形状や寸法を必ずしも正確に表していない場合もある。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の植物支持具10は、植木鉢やプランター等の植物栽培用容器Pに対して蔓性の植物を絡ませるための支柱12(植物支持用棒材)、各支柱12を環状に繋ぐ固定リング14、及び支柱12を保持するための棒材保持具20によって構成されている。支柱12は、樹脂製であって棒状の部材であり、長手方向に所定の間隔毎に節16を有する。また、固定リング14は、支柱12と同様に樹脂製の部材であり、植物栽培用容器Pの開口形状と同様の形状に形成された環状の部材である。
【0027】
図2に示すように、棒材保持具20は、棒材12を挿入し支持することが可能な支持部22と、所望の形状となるように自由に屈曲させることが可能な屈曲変形部24とを有する。棒材保持具20は、屈曲変形部24を植物栽培容器Pの開口端部Eに沿う形状となるように変形させることにより、支持部22が植物栽培容器Pの開口端部Eの外側に接するように装着することが可能である。本実施形態では、支持部22と屈曲変形部24とが一体的に形成されている。
【0028】
棒材保持具20の全体構成について具体的に説明すると、屈曲変形部24の芯材30として機能する金属製の部材(本実施形態では針金を使用)を樹脂製のカバー26によって被覆したものであり、このカバー26を構成する樹脂によって支持部22についても一体的に形成されている。カバー26や支持部22を構成する樹脂には、透光性を有し、自由に屈曲させることが可能な素材(例えばアクリル系のエラストマー樹脂等)を用いることができる。また、カバー26には、発光体28が設けられており、発光体28から発せられる光を外部から視認することができる。
【0029】
棒材保持具20の各部の構成について具体的に説明すると、支持部22には、支柱12を挿入可能かつ任意の位置に固定可能な貫通孔32からなる挿入部34が設けられている。貫通孔32は、支柱12の外径よりも僅かに小さい開口径を有するものであり、支柱12を挿入することにより弾性変形により拡径し、支柱12を任意の位置に固定することができる。
【0030】
支持部22の背面22aは、図2(b)に示すように表面22b側に向けて凸形状となるように湾曲しており、図3に示すように棒材保持具20を植木鉢等の外形が湾曲した植物栽培用容器Pに装着した際にその湾曲に沿って接触した状態になる。また、支持部22は、正面22b側の上端部及び下端部の部分には貫通孔32が設けられた部分を横切るように傾斜面22c、22dが設けられている。そのため、貫通孔32はその上端側及び下端側において開口面積が大きく、その分だけ支柱12を容易に差し込むことができる。また、傾斜面22c、22dが設けられているため、支持部22に散水により付着した水や雨水がスムーズに落下する。
【0031】
なお、図1においては、傾斜面22c、22dがそれぞれ支持部22の側面とが角度をもって設けられており、両者の間にエッジ部分がみられるが、このエッジ部分にも傾斜をもたせて全体的に丸みを帯びた優しい感じを思わせる形状としてもよい。
【0032】
屈曲変形部24は、支持部22における支柱12の挿入方向と略同一方向に延びるように形成されており、自由に屈曲させ所望の形状に変形させることが可能とされている。そのため、屈曲変形部24を植物栽培用容器Pの開口端部Eに沿う形状に変形させ、把持することが可能である。また、屈曲変形部24は、支持部22の上方及び下方に複数設けられている。本実施形態では、屈曲変形部24が支持部24の上下にそれぞれ2箇所ずつ設けられており、貫通孔32の両脇に均等配置されている。そのため、貫通孔32に差し込まれた支柱12から支持部22に作用する荷重をバランス良く支持することが可能である。
【0033】
続いて、植物支持具10及び棒材保持具20の使用態様について説明する。植物支持具10は、植木鉢等の植物栽培用容器Pの開口端部Eに複数の棒材保持具20を装着し、この棒材保持具20に対して支柱12を差し込んだ状態で使用される。また、各支柱12を環状に繋ぐように固定リング14が装着される。
【0034】
具体的には、棒材保持具20は、開口端部Eの外側に支持部22の背面22aを接触させ、支持部22の上下に2箇所ずつ設けられた各屈曲変形部24を開口端部Eに沿って屈曲させることにより植物栽培用容器Pに装着された状態になる。具体的には、支持部22から上方に向けて突出している2本の屈曲変形部24をフック状に折り曲げ開口端部Eに引っかかった状態とし、更に下方に向けて突出している2本の屈曲変形部24を開口端部Eに沿う形状に折り曲げ係合させることにより棒材保持具20によって開口端部Eが把持された状態になる。
【0035】
支柱12は、棒材保持具20の貫通孔32に挿入することにより固定された状態になる。また、支柱12は、節16の位置において径方向外側に膨出しているため、支柱12を貫通孔32に挿入した場合に節16の位置は他の部位に比べて通過しにくい。従って、節16が支柱12の取り付け位置を調整するためのアジャスターとしての機能を発揮し、支柱12を所望の高さ(取り付け位置)となるように容易に調整することができる。
【0036】
植物支持具10は、図1に示すように支柱12の下端が植物栽培用容器Pの設置面よりも上方の位置となるように設置する他、図4に示すように設置面よりも下方まで支柱12の下端が到達するように設置することも可能である。このように設置する場合は、支柱12の下端を埋設した状態とすることが可能である。これにより、支柱12が長手方向に3点以上の位置で固定された状態になる。即ち、支柱12の下端側の部分、中間部及び上端側の部分がそれぞれ土壌、棒材保持具20及び固定リング14によって固定された状態になる。従って、支柱12の下端部を設置面まで到達させ、埋設することとすれば、支柱12の固定強度をより一層向上させることが可能となる。
【0037】
上述したように、本実施形態の棒材保持具20は、屈曲変形部24を任意の形状に屈曲させることが可能であるため、植物栽培用容器Pの開口端部Eを把持するように屈曲変形部24を変形させることにより、開口端部Eの形状や大きさによらず容易かつ強固に装着することが可能である。また、棒材保持具20の支持部22を開口端部Eの外側にあてがい、屈曲変形部24を屈曲変形させるだけで着脱可能であるため、従来技術のもののように着脱時に植物栽培用容器Pに対して過大な摩擦力等が作用せず、植物栽培用容器Pを損傷させることがない。
【0038】
棒材保持具20は、開口端部Eの外側に支持部22が接するように装着することができるため、挿入部34に挿入された支柱12が植物栽培用容器P内の土壌に差し込まれ植物の根が切断されるという問題が発生しない。また、挿入部34をなす貫通孔32が、支柱12を差し込むことにより弾性変形によって拡径するものであり、留め具等を別途用意することなく支柱12を任意の位置において固定可能である。更に、支柱12には、長手方向に所定の間隔毎に節16が設けられているため、この節16がアジャスターとして機能するため、各支柱12の高さを容易かつ適確に調整することが可能である。
【0039】
上述したように、棒材保持具20は、屈曲変形部24が支持部22の一端側(上方側)及び他端側(下方側)にそれぞれ2箇所ずつ設けられているため、植物栽培用容器Pの開口端部Eに強固に装着することが可能となる。また、屈曲形成部24は、支持部22において貫通孔32が設けられた位置を挟んで両脇(左右)に均等配置されているため、支柱12をバランス良く支持することができる。なお、本実施形態では、支持部22の上方側及び下方側に屈曲変形部24をそれぞれ2箇所ずつ設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定される訳ではなく、それぞれ1箇所であってもよく、3箇所以上に設けられていても良い。また、屈曲変形部24の数は、支持部22の上方側及び下方側において相違していても良い。
【0040】
棒材保持具20は、支持部22と屈曲変形部24とが一体的に形成している樹脂製のカバー26により、屈曲変形部24の芯材30をなす針金が被覆されている。また、支柱12や固定リング14についても樹脂製とされている。そのため、金属が植物栽培用容器Pや植物に対して直接的に接触せず、錆の付着を防止することが可能となり、特に野菜や果物などの食物を栽培する際に好適である。なお、本実施形態では、カバー26を用いて支持部22と屈曲形成部24とを一体的に形成した構成を例示したが、支持部22と屈曲形成部24とを別部材として構成してもよい。このような構成とする場合についても、錆の付着を防止すべく、金属製の素材によって構成される部分を樹脂やゴム等によって被覆することが望ましい。
【0041】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、それぞれ本発明の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。例えば、支持部22の形状は図2(b)に示すような形状を有するものに限定されず、図4(b)に示すように扁平形状のもの等とすることが可能である。支持部22を図5に示すような形状とした場合は、植物栽培用容器Pに対して取り付けた状態において支持部22による突出量が小さくなり、より一層美観を向上させることが可能となる。
【0042】
上記実施形態においては、図5に示すように、3本の支柱12の下端が地面から離れた状態で保持された形態について説明したが、これら3本の支柱12の下端は地面に着く状態で保持されていてもよい。このような状態で保持されると、3本の支柱12でバランスよく植物栽培容器Pが保持され、植物栽培容器Pが植物の重みや風等の影響で倒れることを防止することができる。この場合、支柱12の数は、バランスよく支点を形成できる本数であればよく、3本以上であるのが好ましい。
【0043】
また、図6に示すように、固定リング14を用いず、植物栽培容器Pの中心からみて鉛直方向に対して内側に傾斜した状態で3本の支柱12を保持し、紐や輪ゴム等の結束手段36で支柱12を束ねておいてもよい。このとき、棒材保持具20そのものを植物栽培容器Pの開口端部Eの面に傾斜させて装着し、貫通孔32からなる挿入部34の挿入方向を植物栽培容器Pの中心からみて鉛直方向に対して内側に傾斜した方向としてもよい。
【0044】
また、その他にも、棒材保持具20は、発光体28を備えていないものとする他、カバー26を遮光性の素材によって形成した構成や、傾斜面22c、22dを有さない構成等してもよい。また、植物支持具10は、固定リング14を具備しない構成とする他、支柱12に節16を設けない構成とする等してもよい。支柱12は内部に空間を有しないものでも中空でもよく、金属製のロッドの表面に樹脂をコーティングしたものであってもよい。
【0045】
更に、上記実施形態においては、支持部22の両端に屈曲変形部24が2つずつ形成されている態様について説明したが、支持部22の一端には屈曲変形部を少なくとも1つ形成し、他端には、植物栽培容器Pの開口端部Eの上側又は下側に引っかかるように、屈曲変形せず一定の形状を有する鉤部が形成されていてもよい。例えば、支持部22の一端には2つの屈曲変形部を形成し、他端には2つの鉤部を形成してもよい。
【0046】
また、本発明の植物支持用棒材保持具には本発明の作用効果を奏する範囲で種々の材料を用いることができる。上記実施形態においては、カバー26や支持部22を構成する樹脂には、透光性を有し、自由に屈曲させることが可能な素材として、例えばアクリル系のエラストマー樹脂等が用いられると説明したが、透光性のないエラストマー樹脂等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の植物支持用棒材保持具は、植木鉢やプランター等、あらゆる植物栽培用容器に対して装着可能であり、本発明の植物支持用棒材保持具を有する植物支持具では、植物支持用の棒材を植木鉢等の外側において保持できることから、前記棒材によって植物の根が傷つけられるのを防止できる。
【符号の説明】
【0048】
10 植物支持具
12 支柱(植物支持用棒材)
16 節
20 植物支持用棒材保持具(棒材保持具)
22 支持部
24 屈曲変形部
26 カバー
28 発光体
30 芯材
32 貫通孔
34 挿入部
P 植物栽培容器
E 開口端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物栽培用容器の開口端部に装着され、植物支持用棒材を保持するための植物支持用棒材保持具であって、
前記棒材を挿入可能でかつ任意の位置に固定可能な貫通孔からなる挿入部を有する支持部と、
前記棒材の挿入方向と略同一方向に延びるように前記支持部と一体的に形成され、屈曲変形して前記植物栽培用容器の開口端部を把持することが可能な屈曲変形部と、
を有し、
前記屈曲変形部を屈曲させて前記開口端部に固定することにより、前記支持部が前記開口端部の外側に接するように、前記植物栽培用容器の前記開口端部に装着可能であること、
を特徴とする植物支持用棒材保持具。
【請求項2】
前記屈曲変形部が、金属製の芯材と、前記芯材の外部を被覆する樹脂製のカバーと、で構成されており、
前記カバーが、前記屈曲変形部と一体的に前記支持部を構成しており、
前記挿入部を構成する前記貫通孔が、前記棒材の挿入に伴って弾性変形により拡径し、前記棒材を任意の位置に固定可能であること、
を特徴とする請求項1に記載の植物支持用棒材保持具。
【請求項3】
前記屈曲変形部が、前記支持部の一端に複数形成され、かつ、前記支持部の他端にも複数形成されていること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の植物支持用棒材保持具。
【請求項4】
前記カバーが、透光性を有する樹脂で構成されており、かつ前記カバーに発光体が設けられていること、
を特徴とする請求項3に記載の植物支持用棒材保持具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれかに記載の植物支持用棒材保持具と、
前記植物支持用棒材保持具の前記挿入部に挿入される棒材と、
を有し、
前記棒材が、外周面に所定の間隔で形成された複数の節を有すること、
を特徴とする植物支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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