説明

横取り装置の設置時における列車防護方法および横取り装置用列車防護装置

【課題】横取り装置を本線に装着した場合の本線上の安全を確保する。
【解決手段】キーロック機構を有する横取り装置用列車防護装置である。キーロック機構は、横取り装置の本線への設置に先立ち、横取り装置の防護機能の管理、監視用制御器の起動と横取り装置の開錠用に共通のキーを用い、制御器のキースイッチの鍵穴内にキーを差し込んだ状態で、スタートボタン19を扱って制御器を起動したのち、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は、キースイッチの鍵穴内からキーの抜き取りを不能にする機構である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引込み線と本線間に装着する横取り装置の設置時における列車防護方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横取り装置3は、図7(a)に示すように横取りレール3aを引込み線レール2と本線レール1とを繋いで設置し、引込み線レール2を本線レール1に開通させ、保守基地線に留置されている保守用車20を引込み線レール2から本線レール1へ移動させ、あるいは逆に本線レール1上の保守用車20を引込み線レール2に移動させる場合に使用するものである(特許文献1参照)。
【0003】
通常、保守用車の使用は、終列車が通過した後、あるいは本線レール1の使用を禁止した状態で十分な安全を確認して保守用車20を本線上に乗り入れを許可する約束にはなっているが、連絡ミス,思い違いなどの不測の原因から、横取り装置の使用中にもかかわらず、本線上を列車が進入してきたときには列車及び地上作業員の双方にとって極めて危険である。
【0004】
横取り装置には各種の方式のものが知られているが、大部分の方式は、不使用時に横取りレールを安全な場所に保管しておき、使用時に保管場所から運搬して所定位置にセットし、使用後、再び所定場所に保管する方式である。
【0005】
横取り装置を使用する場合には、本線上の列車の安全確保はもとより、その取扱い者の手作業によって取付け並びに撤去が行われるものであるために取扱い者に対する安全が十分に保証されていなければならない。取扱い者にとっては、横取り装置が設置される以前の準備の段階から安全対策が必要であり、さらに、設置後の取扱いについても慎重な保安,管理が要求される。
【0006】
然るに、従来は、安全対策として、横取り装置の各横取りレールに対し一個所ずつ近接スイッチを設けて横取りレールが正規に取付けられたかどうかを近接スイッチで検知し、取付けに支障があるときのみ警報ブザーを鳴動させて取扱い者に報知する安全対策が講じられていたが、このような対策では、本線上の列車及び取扱い者に対する安全管理としては不十分であるとして、横取り装置の設置に際し、不測の事態が発生して本線上に列車が進入してくるようなことがあっても安全を確保できる列車防護装置が開発された(特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2に記載された列車防護装置は、制御器の起動と横取り装置の開錠用に共通のキーを用い、保守用車の使用に際しては、その準備段階として制御器を起動させてからキーが制御器に戻されるまでブザー音を鳴動させ、また、制御器から取外したキーをもって、横取り装置を開錠し、さらに横取りレールを本線と引き込み線レール上に正規にセットしたとき、あるいはレール上から取外したときに検知信号を発生させて作業の状態,動作の正否の確認を制御器に表示し、横取り装置の取扱中は本線の列車停止指示装置を動作させ、本線レールに対しては停止信号、あるいは警報信号を現示、発報して作業員及び列車の双方の安全を確保するというものである。
【0008】
図7(a)において、横取り装置3を装着する場所(横取基地という)の手前の閉そく回路の信号機25から横取基地までの区間を進入禁止区間Lとしたときに、特許文献2による列車防護装置によれば、列車Tが、工事のための進入禁止区間Lの手前の信号機25より外方の本線レール1上に在線している場合に、横取り装置3を装着したときに、本線上の列車Tの運転士は、進入禁止区間Lの手前の信号機25の停止現示あるいは発光機7aの発報等を確認することにより列車Tを停止させることができる。図7(a)中、20は保守用車である。保守用車20は、横取り装置3によって本線レール1に装着された引き込み線レール2を通して本線レール1に乗り入れ、本線上を移動し、作業員を動員して保線に必要な工事が行われる。10’は制御器である。制御器10’は、横取り装置3の収納、装着の管理、動作の監視を行い、本線上の列車停止指示装置である信号機25の停止信号現示制御、あるいは発光機7aによる発報警報の発報制御、管理を行うためのものである。
【0009】
したがって、不測の事態が発生して本線上に列車が進入してくるようなことがあっても、特許文献2の列車防護装置によれば制御器10で視監し、本線上の列車停止指示装置を動作させ、停止あるいは警報信号を現示、発報して列車及び地上の横取り装置の取扱い者に対して警告を発することは可能である。
【0010】
ところが、図7(b)のように、横取り装置3が装着される前、したがって信号機25が進行現示(青現示)のときに、本線レール1の当該進入禁止区間Lに列車Tが進入したような場合に、運転士が信号機25の停止信号を視認することができないまま列車Tが進入禁止区間L内を走行することとなって、横取り装置3あるいは本線レール1上の保守用車20に接触あるいは衝突して列車事故の原因になり、更には本線上で作業する作業員の人身事故を引き起こす危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実公平4−34161号公報
【特許文献2】特許3020117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする問題点は、横取り装置が本線に装着される前に本線の当該進入禁止区間に列車が進入した場合に、本線列車の運転士が進入禁止区間の手前の信号機の停止信号を視認することができないため、そのまま列車が本線レール上に乗り込んだ保守用車や本線上の作業員、さらには本線レールに装着された横取り装置に接触して列車事故、人身事故発生の危険があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明においては、横取り装置用列車防護装置の制御器のスタートスイッチを扱った後は、本線上に設定した進入禁止区間内への列車の進入を禁止するとともに、当該進入禁止区間内に既に進入している列車に対しては、当該区間を通過する時間を見込んでその時間内は、横取り装置を本線に装着できないようにした点を最大の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
横取り装置は常時保管場所にロックされており、制御器のキースイッチの鍵穴から取り外されたキーによって横取り装置のロックが開錠されるが、本発明によれば、本線上の進入禁止区間を列車が通過するまでの一定時間の間はキーを制御器から取り出すことができず、制御器から取り外したキーを使用しなければ、横取り装置をその保管場所から持ち出せないので、本線上に装着することは絶対的に不能となる。
【0015】
したがって、本発明によれば、図7(c)に示すように、列車Tが仮に誤って列進入禁止区間内に列車が進入し、進入禁止区間Lの始点である閉そく回路の信号機25の内方に列車Tが在線しているときに横取り装置3を本線レール1に装着しようとしても、列車が少なくとも進入禁止区間Lを通過するまでの間は横取り装置を扱うことができないため、列車Tは横取り装置3や本線上に進入した保守用車20に衝突したり、接触したりする危険がなく、進入禁止区間Lの本線上で作業する作業員と列車との接触による人身事故を未然に回避することができる。さらに後続の列車T1が進入禁止区間Lの始点に達したとしても、列車停止指示装置である信号機25の停止現示によって進入禁止区間Lの手前で停止させることができる。
【0016】
また、列車が進入禁止区間手前の信号機から横取り装置を越えて当該進入禁止区間を通過するまでの時間の設定にはタイマーを用い、進入禁止区間の長,短に合わせて横取り装置を絶対的に扱うことができない時間を設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例に用いた制御回路のブロック図である。
【図2】横取り装置の設置例を示す図である。
【図3】検知器と発光機との設置例を示す図である。
【図4】検知器の側面図である。
【図5】制御器のパネルを示す正面図である。
【図6】タイマー回路の1例を示す図である。
【図7】(a)は、横取り装置の装着後、列車を進入禁止区間の外側で停車される場合の説明図、(b)は、進入禁止区間に列車がすでに進入し、進入禁止区間の始点の信号現示を確認できない状態を示す図、(c)は、本発明の方法により、進入禁止区間に列車がすでに進入していても本線上に横取り装置の装着を禁止し、後続の列車を進入禁止区間の手前で停止させている例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
横取り装置が本線に装着される前に、進入禁止区間に列車が進入した場合に、本線列車の運転士が列車停止指示装置である進入禁止区間の手前の信号機の停止信号を視認することができなくても、列車事故、人身事故を発生させないという目的を、本線上に設定された工事のための進入禁止区間Lの手前の信号機に列車停止信号を現示させたのち、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は、本線上へ横取り装置の装着を不能にすること、特に、横取り装置の防護機能の管理、監視用制御器に備えたスタートスイッチを扱った後の一定時間は横取り装置を開錠するために必要なキーを制御器から取り出せないようにすることによって実現した。
【実施例】
【0019】
以下に本発明を可動式横取り装置に適用した実施例を図によって説明する。横取り装置は、本線レールと引き込み線レール間を開通させる装置であり、図2に示すように本線レール1と引き込み線レール2とが交わる3個所に設置される3組の横取りレール3aを有するものである。なお、横取り装置には、可動式横取り装置と、可搬式横取り装置とがあり、可動式横取り装置は、本線レール1の外側に横取りレール3aを反転可能に設置し、必要時にはヒンジを中心に反転させて本線レール1と引き込み線レール2上に跨って設置するものである。
【0020】
この実施例では、可動式横取り装置に適用した例を説明するが、可搬式横取り装置に適用した場合においても基本的に同じである。図3は検知器及び発光機の配置例を示している。検知器は、第1検知器4a、第2検知器4b、第3検知器4cの3種類の組合せからなり、各々の検知器は、本線レール1と引き込み線レール2とが交わる3個所の位置にそれぞれ設置され、それぞれの検知器には、図4に示すように検知レバー5を有している。
【0021】
検知レバー5は、一定角度をなす第1の腕5aと第2の腕5bとを有し、回転軸5cを中心としてブラケット5dに転回可能に支承されたものであり、横取りレール3aが本線レール1と引き込み線レール2との交叉部に跨って正規に設置されたときに第1の腕5aに横取りレール3aの重量が作用して図示のように反時計方向に転回し、第2の腕5bが回路制御器6のスイッチを動作させ、スイッチオフの状態で各々の検出器4a、4b、4cからそれぞれ検知信号を出力するようになっているものである。
【0022】
図3において、軌道回路を有している本線上では、列車停止指示装置として進入禁止区間の始点として設定された横取り装置の設置位置を含む閉そく回路の信号機25を使用してもよい。また本線レール1の上り,下り線側に設置して警報を発光現示する第1発光機7aと第2発光機7bを使用してもよい。さらにこれらを併用してもよい。
【0023】
本線上の列車停止指示装置を動作させ、停止あるいは警報信号を現示、発報は従来は、制御器のキースイッチの操作によって行っていたが、本発明においてはキースイッチとは別に設けたスタートスイッチの操作によって行うものである。図1は、スタートスイッチの投入を入力として起動し、信号機25の進行停止の現示または、発光機7a、7bに現示制御信号を出力してこれを発光現示させる制御器10の回路図である。制御器10は、商用電源をトランス8で減圧し、整流器9で直流に変換して直流で動作させるものであるが、非常用に電池18を備えている。
【0024】
制御器10は、前述のように、スタートスイッチの投入によって、信号機25の現示または発光機7a、7bの現示発光制御を行うほか、防護機能の動作、例えば検知器4a〜4c、信号機25、および発光機7a、7bの動作確認、ブザーを鳴動させる機能、さらには、制御器の診断結果を表示する機能を備えているが、これらの機能の内容については、本発明と直接関係がないためその詳細に関しては説明を省略する。なお、これらの機能は、制御器の起動によって動作状態となるが、防護機能の始動、動作完了のスイッチ操作は、制御器10の起動用キーK1を用いるが、このキーK1は、図5に示すように保管場所に横取りレールを保管するための施錠用キーK2が互いに分離できないようにつながれている。
【0025】
すなわち、制御器10の始動にはキーK1を用い、横取り装置3を保管場所に施錠し、あるいは横取り装置3を保管場所から開錠するときには、キーK2を用いて実行されるが、キーK1と、キーK2とは切り離せないので、制御器10からキーK1が取り外されなければ、キーK2を用いて横取り装置の開錠あるいは施錠を行うことはできない。もっとも、制御器10の起動用と施錠用とに共用のキーを用いることもできる。
【0026】
図5は、制御器10の制御パネル10aを示している。制御パネル10aには、制御器10の電源表示灯(緑発色)11、制御器10の正常表示灯(緑発色)12と異常表示灯(赤発色)21及び各検知器の励磁(横取りレール不使用)表示灯(OFF表示)13と検知器の無励磁(横取りレール使用)表示灯(ON表示)14並びに発光機の発報表示灯15を備えている。16はキースイッチ、17はブザー、19は後述するスタートスイッチである。図示は略すが端子板にはそれぞれ検知器,発光機及び供給電源の配線が接続される。
【0027】
図1において、制御器10にはキーロック機構22を備えている。キーロック機構22は、横取り装置の本線への装着に先立ち、キースイッチ16の鍵穴内に差し込まれたキーKをキースイッチ16の鍵穴内から引き抜きを不能にする機構である。この実施例においては、タイマーを用いている。図6にタイマー回路の1例を示す。
【0028】
キーロック機構22は、スタートスイッチ19の接点(PB)と、タイマー起動用リレー(S1R)23と、タイマー(TM)24と、キーロック用ソレノイド(KSW)26とを有している。スタートスイッチ19の接点(PB)は、押釦操作により接点を構成して、タイマー起動用リレー(S1R)23を動作させ、タイマー(TM)24を起動して時間のカウントを開始させるものである。
【0029】
タイマー24は、設定時間経過後、その接点(TM)を閉じ、その接点(TM)を通じてキーロック用ソレノイド(KSW)26に電源を供給するものである。キーロック用ソレノイド(KSW)26は、タイマー24による設定時間の間、横取り装置の開錠用のキーKをキースイッチ16の鍵穴内にロックし、タイマーによる設定時間経過後、前記キーをキースイッチの鍵穴内から開放するものである。
【0030】
次に順を追ってその動作要領を説明する。図6において、キースイッチ16の鍵穴内にキーKが差し込まれた状態において、キーKは、ソレノイド(KSW)26のスイッチ(KSW)によってロックされている。まず、スタートスイッチ(PB)19をONすることによって、リレー(S1R)23の接点(S1R)が扛上する。この接点(S1R)の扛上によって、信号機25を動作させる起動回路の短絡器(図示略)に制御信号が出力され、信号機25の現示を停止現示(赤現示)に現示切り替えを行う。あるいは制御器10から発光機7a、7bを直接制御して発光させる場合もある。
【0031】
一方、スタートスイッチ(PB)19をONすると同時にタイマー(TM)24が始動し、時間のカウントを開始する。タイマー(TM)24のカウント時間は、本線上を進行する列車Tが進入禁止区間Lを通過するまでの時間が列車の走行する速度に応じて設定されている。タイマー(TM)24がカウントアップすると、その接点(TM)が閉じ、その接点およびリレー(S1R)23の接点(S1R)を通じてキーロック用ソレノイド(KSW)26に電源が供給されて励磁し、そのスイッチ(KSW)がLOCKからONに切り替えられてキーKの施錠を開錠する。これによってキースイッチ16からキーKを引き抜くことができるようになる。
【0032】
作業員は、ロックが解除されたキーKを一定角度転回させて制御器10のキースイッチ16の鍵穴から取り外し、横取りレールの保管場所に赴き、そのキーKを用いて保管場所に施錠されている3組の横取りレール3aを開錠し、それぞれの横取りレール3aを本線レール1に装着してレール2上に跨って設置したのち、図3に示すように引き込み線レール2より本線レール1上へ保守用車20を乗り入れて禁止区間として設定された区間内で所定の工事の作業を行う。
【0033】
作業終了後は、保守用車20を引き込み線レール2へ戻し、横取りレール3aを本線レール1及び引き込み線レール2上より撤去し、制御器10のキースイッチ16の鍵穴内に差し込み、一定角度転回させて防護機能の動作を終了させる。これは、可動式及び可搬式の横取り装置に共通の取扱いである。
【0034】
本発明は、横取り装置が本線に装着される前に本線の当該進入禁止区間に列車が進入した場合を予想し、その列車が進入禁止区間を通過後でなければ、横取り装置を本線に装着できないという手順を実行する確実な方法として、横取りレールを開錠するためのキーを一定時間の間、制御器10のキースイッチ16の鍵穴から取り出せないようにしたものである。実施例では制御器10のキースイッチ16の鍵穴から取り出せない時間の設定にタイマーを用いる例を説明した。そのほか、たとえば進入禁止区間L内の列車検知を行い、列車を検知しないことによりキーの施錠を開放するといった方法も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、引き込み線レールと本線レール間に設置される横取り装置の設置に際し、不測の事態が発生して本線上に列車が進入してくるようなことがあっても、列車及び地上の横取り装置の取扱い者に対する安全を十分に確保できる。
【符号の説明】
【0036】
1 本線レール,2 引き込み線レール,3 横取り装置,3a 横取りレール,4a〜4c 検知器,5 検知レバー,5a〜5b 腕,5c 回転軸,5d ブラケット,6 回路制御器,7a〜7b 発光機,8 トランス,9 整流器,10、10’ 制御器,10a 制御パネル,11 電源表示灯,12 正常表示灯,13 検知器の励磁表示灯,14 検知器の無励磁表示灯,15 発報表示灯,16 キースイッチ,17 ブザー,18 電池,19 スタートスイッチ,20 保守用車,21 異常表示灯,22 キーロック機構,23 リレー,24 タイマー,25 信号機,26 ソレノイド,K キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本線上に設定された工事のための進入禁止区間Lの列車停止指示装置に列車停止を現示させたのち、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は、本線上へ横取り装置の装着を不能にすることを特徴とする列車防護方法。
【請求項2】
横取り装置の防護機能の管理、監視用の制御器の起動と横取り装置の開錠用に共通のキーを用い、キー操作によって制御器を起動した後、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は、横取り装置の開錠用キーを使用不能にすることを特徴とする請求項1に記載の列車防護方法。
【請求項3】
前記制御器の起動と横取り装置の解錠用に分離不能のキーを用い、制御器のスタートボタンを操作して制御器を起動したあと、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は横取り装置をその保管場所に施錠するキーを制御器のキースイッチの鍵穴内にロックすることを特徴とする請求項1に記載の列車防護方法。
【請求項4】
スタートボタンを扱って前記制御器を起動した後、列車が進入禁止区間手前の信号機から横取り装置を越えて当該進入禁止区間を通過するまでの時間をタイマーによって設定することを特徴とする請求項2または3のいずれか1に記載の列車防護方法。
【請求項5】
キーロック機構を有する横取り装置用列車防護装置であって、
キーロック機構は、横取り装置の本線への設置に先立ち、横取り装置の防護機能の管理、監視用制御器の起動と横取り装置の開錠用に共通のキーを用い、制御器のキースイッチの鍵穴内にキーを差し込んだ状態で、スタートボタンを扱って制御器を起動したのち、本線上に設定された進入禁止区間を列車が通過する時間を見込んでその時間内は、キースイッチの鍵穴内からキーの抜き取りを不能にする機構であることを特徴とする横取り装置用列車防護装置。
【請求項6】
キーロック機構は、スタートスイッチの接点と、タイマー起動用リレーと、タイマーと、キーロック用ソレノイドとを有し、
スタートスイッチは、スイッチの投入により、タイマー起動用リレーを動作させ、タイマーを起動して時間のカウントを開始させるものであり、
タイマー起動用リレーは、スタートスイッチの投入後、タイマーを起動させるものであり、
タイマーは、設定時間経過後、キーロック用ソレノイドを動作させるものであり、
キーロック用ソレノイドは、タイマーによる設定時間の間、横取り装置の開錠用のキーをスタートスイッチの鍵穴内にロックし、タイマーによる設定時間経過後、前記キーをスタートスイッチの鍵穴内から開放するものであることを特徴とする請求項5に記載の横取り装置用列車防護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−116272(P2011−116272A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276243(P2009−276243)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000144348)株式会社三工社 (48)
【Fターム(参考)】