説明

機器の高さ調整装置

【課題】隣接する機器を位置調合用連結手段で連結した場合のように、隣接する機器に負荷を掛けることなく、隣接する複数の機器の高さを容易に調整することが可能な機器の高さ調整装置を提供する。
【解決手段】互いに隣接して配設される複数の機器2〜5のうち、少なくとも1つの機器2〜5に装着され、直進性を有する光線9を出射する光源10と、前記光源10が装着された機器以外の機器2〜5に装着され、前記光源10から出射された光線9の照射位置の照準となる照準部材38と、前記照準部材38によって特定された光線9の照射位置に応じて、当該機器2〜5の高さを調整する高さ調整手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機器の高さ調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記機器としての画像形成装置には、例えば、別体として設けられる大容量給紙装置から画像形成装置本体に用紙を供給し、画像形成装置本体において用紙に画像を形成した後、用紙を画像形成装置本体に隣接して設けられた大容量スタッカー装置を介して用紙後処理装置に搬送し、この用紙後処理装置において用紙にステープリング処理やパンチング処理等の後処理を施すように構成したものがある。
【0003】
かかる画像形成装置では、大容量給紙装置と、画像形成装置本体と、大容量スタッカー装置と、用紙後処理装置の間で用紙の受け渡しが行われるため、これらの給紙装置、画像形成装置本体、大容量スタッカー装置及び用紙後処理装置の高さが揃うように調整する必要がある。
【0004】
ところで、上記画像形成装置等の機器の高さ調整に関連する技術としては、例えば、特開平7−36242号公報や特開2007−331282号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0005】
上記特開平7−36242号公報に係る画像形成システムは、画像形成装置本体に対して、この画像形成装置本体との間で記録媒体の受け渡しを行う周辺機を接続するようにした画像形成システムにおいて、画像形成装置本体と、周辺機との間に、両者の接続時に、両者間の記録媒体受け渡し位置を高さ方向において合致させる位置調合用連結手段を設け、且つ、周辺機に、画像形成装置本体と接続されてないときは床面に全て接地し、接続されるときは前記手段による位置調合を可能とするように、一部が床面より浮き上がる、少なくとも3個の接地部材を設けるように構成したものである。
【0006】
また、上記特開2007−331282号公報に係る画像形成システムは、別筐体から形成された画像形成装置と、印字用紙を画像形成装置に供給する給紙装置と、前記画像形成装置で印刷後排出された用紙を収納する排紙装置とを備え、前記画像形成装置と給紙装置と排紙装置の少なくとも一つの筐体下部に高さ調整部材を備え、互いに一体に接続されて用紙を搬送する各筐体の各々に位置決め部材を有する画像形成システムにおいて、前記高さ調整部材の下側に摺動部材を設けるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−36242号公報
【特許文献2】特開2007−331282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、隣接する機器を位置調合用連結手段で連結した場合のように、隣接する機器に負荷を掛けることなく、隣接する複数の機器の高さを容易に調整することが可能な機器の高さ調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1に記載された発明は、互いに隣接して配設される複数の機器のうち、少なくとも1つの機器に装着され、直進性を有する光線を出射する光源と、
前記光源が装着された機器以外の機器に装着され、前記光源から出射された光線の照射位置の照準となる照準部材と、
前記照準部材によって特定された光線の照射位置に応じて、当該機器の高さを調整する高さ調整手段とを備えたことを特徴とする機器の高さ調整装置である。
【0010】
また、請求項2に記載された発明は、前記光源が装着された機器以外の機器には、前記光源から出射される光線を通過させる照準用孔と、前記照準用孔を通過した光線を予め定められた角度に反射する反射部材とが設けられることを特徴とする請求項1に記載の機器の高さ調整装置である。
【0011】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記反射部材は、互いに隣接して配設される複数の機器の最外周に対応した四隅に配設されることを特徴とする請求項2に記載の機器の高さ調整装置である。
【0012】
又、請求項4に記載された発明は、前記照準部材は、前記光源から出射された光線を分岐するハーフミラーと、前記ハーフミラーによって分岐された光線の照射位置を示す照準板とから構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の機器の高さ調整装置である。
【0013】
更に、請求項5に記載された発明は、前記高さ調整手段は、自動的に機器の高さを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の機器の高さ調整装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、隣接する機器を位置調合用連結手段で連結した場合のように、隣接する機器に負荷を掛けることなく、隣接する複数の機器の高さを容易に調整することができる。
【0015】
また、請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、光源が装着された機器以外の機器への光線の入射位置と、当該機器からの出射位置を容易に判別することができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、光源が装着された機器からの光線が、当該機器に戻るように調整することで、隣接する複数の機器の高さを容易に調整することができる。
【0017】
又、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、光線の照射位置を容易に判別することができる。
【0018】
更に、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、機器の高さ調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】高さ調整手段を示す構成図である。
【図4】レーザー光源の配置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置の調整作業を示す概略構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置の調整作業を示す概略構成図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置の調整作業を示す概略構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置の調整作業を示す概略構成図である。
【図9】標準部材を示す概略構成図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る機器の高さ調整装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係る機器の高さ調整装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る機器の高さ調整装置を適用した機器としての画像形成装置を示すものである。
【0022】
この画像形成装置1は、多数枚の用紙を収容した大容量給紙装置2と、大容量給紙装置2から供給される用紙に画像情報に応じた画像を出力する画像出力装置3と、他の画像形成装置で形成された用紙や表紙及び裏表紙等の多数枚の用紙を収容して供給可能な大容量収容装置4と、前記画像出力装置3によって画像が形成された用紙に対して、予め定められたステープリング処理やパンチング処理等の後処理を施して排出トレイ6上に排出する後処理装置5とから構成されている。なお、画像形成装置1は、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5のすべてを備えている必要は勿論のなく、大容量給紙装置2と、画像出力装置3との組み合わせや、給紙装置を内蔵した画像出力装置3と、後処理装置5の組み合わせなど、任意の組み合わせが可能であることは勿論である。また、機器としては、画像形成装置に限定されるものではなく、複数の機器を隣接した状態で配設し、これらの複数の機器の高さを調整する必要がある場合には、すべて適用できることは勿論である。
【0023】
上記画像形成装置1は、図2に示すように、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とを、これらの装置2〜5の底面に設けられたキャスター8を介して移動させて、オフィス等の床面7上に互いに隣接した状態で配設し、これら複数の装置2〜5間で用紙の受け渡しを行うことによって、小冊子やパンフレットの作成など、所望の画像形成動作を実行するように構成されている。その際、上記画像形成装置1は、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とを、横方向(水平方向)に沿って比較的長い距離にわたって配設する必要があり、しかもオフィス等の床面7は、必ずしも平面であるとは限らず、横方向や奥行方向に沿って高さにばらつきがある場合がある。
【0024】
また、上記大容量給紙装置2、画像出力装置3、大容量収容装置4及び後処理装置5の底面に設けられたベースフレーム40には、図3に示すように、キャスター8の近傍又はキャスター8とは異なる位置に、各装置2〜5の四隅等の高さを調整する高さ調整器具としての脚部材41が設けられている。この脚部材41は、図3に示すように、各装置2〜5のベースフレーム40に溶接等によって固着されたナット42にネジ結合されたボルト部43を備えており、当該ボルト部43に設けられた回動部44を図示しないスパナ等で回動させることにより、ナット42にネジ結合されるボルト部43の長さを調整することで、各装置2〜5の高さを調整可能となっている。図3中、符号45はボルト部43の下端に回動自在に取り付けられた脚部を、46は高さを固定するための締付用のナットをそれぞれ示している。
【0025】
そのため、上記画像形成装置1では、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5との高さを、予め定められた誤差(例えば、±2mm程度)の範囲内に調整しないと、複数の装置2〜5で用紙を受け渡す際に、複数の装置2〜5で用紙を受け渡すことができなかったり、用紙に斜行が生じたりする虞れがあり、良好に画像形成動作を実行できない場合がある。
【0026】
そこで、上記の高さを調整した上で、互いに連結した状態画像形成装置1では、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とを、オフィス等の床面7上に互いに隣接した状態で設置する際に、これら大容量給紙装置2、画像出力装置3、大容量収容装置4、後処理装置5からなる複数の装置で固定する必要がある。また、これらの大容量給紙装置2、画像出力装置3、大容量収容装置4や後処理装置5等の機器は、装置にもよるが、その重量が約200〜300Kgあるいはそれ以上の機種もある。
【0027】
この実施の形態では、図1及び図4に示すように、画像形成装置本体としての画像出力装置3の下部又はベースフレームの裏面などに、直進性を有する光線としてのレーザー光線9を出射する光源としてのレーザーポインターや半導体ダイオードと集光レンズとの組み合わせ等からなるレーザー発光部10が設けられている。このレーザー発光部10は、画像出力装置3の筺体11に対して、水平方向にレーザー光線9を出射するように、予め取付位置が調整された状態で固定して取り付けられており、このレーザー光線9は、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5との高さを調整する際の基準となるものである。上記レーザー発光部10は、図中例では、左側に隣接する大容量給紙装置2側に向けて、レーザー光線9を出射するように装着されている。上記画像出力装置3の筐体11の左側面12には、その前面側にレーザー発光部10から水平方向に出射されるレーザー光線9を通過させる小さな第1の出射孔13が開口されている。この第1の出射孔13は、レーザー発光部10からレーザー光線9が水平方向に出射された際に、当該レーザー光線9が通過する位置に開口されており、レーザー発光部10を発光させることにより、レーザー光線9が自ずと第1の出射孔13から出射される。
【0028】
また、上記画像出力装置3の左側に隣接して配設される大容量給紙装置2の筐体14には、図1に示すように、その右側の側面15の前面側に、画像出力装置3から出射されたレーザー光線9が入射される照準部材としての小さな第1の入射孔16が開口されている。この第1の入射孔16は、画像出力装置3と大容量給紙装置2との高さが予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、画像出力装置3から出射されたレーザー光線9が入射される位置に開口されている。したがって、これらの画像出力装置3や大容量給紙装置2が配設される床面7が水平でない場合や、高低差を有している場合などには、画像出力装置3から出射されたレーザー光線9が、第1の入射孔16から入射されずに、大容量給紙装置2の筐体14の右側側面15に照射される場合もある。
【0029】
また、上記大容量給紙装置2の筐体14内部又は底部には、図1に示すように、第1の入射孔16が設けられた側面15と対向する側面17の角部近傍に、第1の入射孔16から入射されたレーザー光線9を、水平面に対して予め定められた角度(ここでは、90度)に反射する反射部材としての第1のミラー18が固定した状態で配設されている。さらに、上記大容量給紙装置2の筐体14内部には、第1のミラー18が配設された角部と対向する背面側の角部近傍に、第1のミラー18で反射されたレーザー光線9を、水平面に対して予め定められた角度(ここでは、90度)に反射する反射部材としての第2のミラー19が固定した状態で配設されている。
【0030】
また、上記大容量給紙装置2の筐体14には、第1の入射孔16が設けられた側面15と同一の側面15の背面側近傍に、第2のミラー19で反射されたレーザー光線9を、隣接する機器としての画像出力装置3へ向けて出射する第2の出射孔20が開口されている。この第2の出射孔20は、画像出力装置3と大容量給紙装置2との高さが同一面内で予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、レーザー光線9が出射される位置に開口されている。
【0031】
さらに、上記画像出力装置3の筐体11には、第1の出射孔13が設けられた側面12と同一の側面12の背面側近傍に、大容量給紙装置2の第2の出射孔20から出射されたレーザー光線9が入射される第2の入射孔21が開口されているとともに、当該画像出力装置3の筐体11には、第2の入射孔21が設けられた側面12と対向する側面22の背面側近傍に、当該画像出力装置3の内部に入射されたレーザー光線9を、隣接する大容量収容装置4に向けて出射する第3の出射孔23が開口されている。この第3の出射孔23は、画像出力装置3と大容量給紙装置2との高さが同一面内で予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、レーザー光線9が出射される位置に開口されている。
【0032】
また、上記大容量収容装置4の筐体24には、その画像出力装置3側の側面25の背面側に、当該画像出力装置3から出射されたレーザー光線9が入射される第3の入射孔26が開口されているとともに、当該大容量収容装置4の筺体24には、第3の入射孔26が設けられた側面25と対向する側面26の背面側近傍に、当該大容量収容装置4の内部に入射されたレーザー光線9を、隣接する後処理装置5に向けて出射する第4の出射孔27が開口されている。この第4の出射孔27は、画像出力装置3と大容量収容装置4との高さが同一面内で予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、レーザー光線9が出射される位置に開口されている。
【0033】
更に、上記後処理装置5の筐体28には、図1に示すように、その左側の側面29に、大容量収容装置4から出射されたレーザー光線9が入射される小さな第4の入射孔30が開口されているとともに、当該後処理装置5の筐体28内部又は底部には、第4の入射孔30が設けられた側面29と対向する側面31の背面側の角部近傍に、第4の入射孔30から入射されたレーザー光線9を、水平面に対して予め定められた角度(ここでは、90度)に反射する反射部材としての第3のミラー32が固定した状態で配設されている。さらに、上記後処理装置5の筐体28内部又は底部には、第3のミラー32が配設された角部と対向する前面側の角部近傍に、第3のミラー32で反射されたレーザー光線9を、水平面に対して予め定められた角度(ここでは、90度)に反射する反射部材としての第4のミラー33が固定した状態で配設されている。
【0034】
また、上記後処理装置5の筐体28には、第4の入射孔30が設けられた側面29と同一の側面29の前面側近傍に、第4のミラー33で反射されたレーザー光線9を、隣接する機器としての大容量収容装置4へ向けて出射する第5の出射孔34が開口されている。この第5の出射孔34は、後処理装置5と大容量収容装置4との高さが同一面内で予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、レーザー光線9が出射される位置に開口されている。
【0035】
さらに、上記大容量収容装置4の筺体24には、第4の出射孔27が設けられた側面26と同一の側面26の前面側近傍に、後処理装置5の第5の出射孔34から出射されたレーザー光線9が入射される第6の入射孔35が開口されているとともに、当該大容量収容装置4の筐体24には、第4の入射孔26が設けられた側面25の前面側近傍に、当該大容量収容装置4の内部に入射されたレーザー光線9を、隣接する画像出力装置3に向けて出射する第6の出射孔36が開口されている。この第6の出射孔36は、大容量収容装置4と画像出力装置3の高さが同一面内で予め定められた誤差の範囲内で一致した場合に、レーザー光線9が出射される位置に開口されている。
【0036】
また、上記画像出力装置3の筐体11には、その大容量収容装置4側の側面22の前面側に、当該大容量収容装置4から出射されたレーザー光線9が入射される第7の入射孔37が開口されているとともに、当該第7の入射孔37と対向する位置には、大容量収容装置4から出射されたレーザー光線9を受光する受光素子からなるレーザー受光部38が固定した状態で配設されている。
【0037】
また、この実施の形態1では、図9に示すように、画像形成装置1を構成する大容量給紙装置2、画像出力装置3、大容量収容装置4、後処理装置5の間に設置した場合の高低差があるときに、レーザー光線9を基準として、各装置2〜5の高さ調整を容易とするために、光源から出射された光線を分岐するハーフミラーと、前記ハーフミラーによって分岐された光線の照射位置を示す照準板とから構成される照準部材を設けても良い。
【0038】
この照準部材50は、図9に示すように、例えば、大容量給紙装置2に入射されたレーザー光線9を分岐するハーフミラー51と、このハーフミラー51によって分岐されたレーザー光線9’の照射位置を示す摺りガラスや半透明な合成樹脂板等からなる照準板52とから構成される。上記照準部材50は、大容量給紙装置2、画像出力装置3、大容量収容装置4、後処理装置5の入射孔や出射孔、あるいはミラーの近傍に配設され、これらの入射孔や出射孔、あるいはミラー等に照射されるレーザー光線9の照射位置を判別して、装置2〜5の高さを調整する際の目印とするものである。なお、ハーフミラー51及び照準板52とから構成される照準部材50を用いる場合には、第1の入射孔16等の入射孔は、レーザー光線9の照射位置がずれても入射可能なように円形状や矩形状の大きな開口部として形成される。
【0039】
また、上記実施の形態1では、高さ調整手段として手動によって装置2〜5の高さを調整する脚部材41を用いたが、当該脚部材41の代わりに電動モーターや油圧等によって、装置2〜5の高さを自動的に調整する高さ調整手段を用いても良い。
【0040】
以上の構成において、この実施の形態に係る機器の高さ調整装置が適用された画像形成装置では、次のようにして、隣接する機器を位置調合用連結手段で連結した場合のように、隣接する機器に負荷を掛けることなく、隣接する複数の機器の高さを容易に調整することが可能となっている。
【0041】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置1では、図2に示すように、画像形成装置1が設置される床面7上に、当該画像形成装置1を構成する大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とを、これらの装置2〜5の底面に設けられたキャスター8を介して移動させる。
【0042】
次に、この実施の形態に係る機器の高さ調整装置では、図4に示すように、画像出力装置3の底部に設けられたレーザー発光部10を発光させ、当該レーザー発光部10からレーザー光線9を出射させる。このレーザー発光部10は、画像出力装置3の筐体11に水平方向に向けてレーザー光線9を出射するように装着されているが、画像出力装置3が配設された床面7が水平面であるとは限らず、画像出力装置3が水平面に対して傾斜した状態で配設される場合もある。
【0043】
そこで、この実施の形態では、必要に応じて、図示しない水平標準器を用いて、画像出力装置3の底面に設けられた高さ調整器具41を操作することにより、当該画像出力装置3が水平となるように、横方向及び奥行方向の高さを調整する操作が行われる。
【0044】
すると、上記画像出力装置3のレーザー発光部10から出射されたレーザー光線9は、図5に示すように、画像出力装置3の第1の出射孔13から外部へ向けて水平方向に出射され、隣接する大容量給紙装置2の側面15に照射される。
【0045】
このとき、床面7が水平又は水平でない場合であっても平面である場合、あるいは画像出力装置3と大容量給紙装置2との高低差が予め定められた範囲内である場合には、画像出力装置3のレーザー発光部10から出射されたレーザー光線9は、図6に示すように、隣接する大容量給紙装置2の側面15に設けられた照準用の第1の入射孔16から大容量給紙装置2の内部に入射される。
【0046】
また、床面7が水平又は平面でないか、あるいは画像出力装置3と大容量給紙装置2との高低差が予め定められた範囲以上である場合には、画像出力装置3のレーザー発光部10から出射されたレーザー光線9は、上述したように、隣接する大容量給紙装置2の側面15に照射される。
【0047】
そこで、サービスエンジニア等の作業者は、大容量給紙装置2の高さを、その底面に設けられた高さ調整器具を操作することにより、レーザー光線9が側面15に設けられた第1の入射孔16から大容量給紙装置2の内部に入射されるように調整する。このとき、併せて大容量給紙装置2が水平となるように調整する。
【0048】
すると、第1の入射孔16から大容量給紙装置2の内部に入射されるレーザー光線9は、図6に示すように、第1のミラー18によって90度反射されるとともに、第2のミラー19によって90度反射され、大容量給紙装置2の側面15に設けられた第2の出射孔20から出射される。その理由は、大容量給紙装置2が水平となるように調整されると、第1のミラー18及び第2のミラー19は、予め水平面に対してレーザー光線9を90度反射するように設置されているため、レーザー光線9が側面15に設けられた第1の入射孔16から大容量給紙装置2の内部に入射されると、第1のミラー18及び第2のミラー19によって平面に対して90度反射されて、第2の出射孔20から出射されるたである。
【0049】
次に、上記大容量給紙装置2の第2の出射孔20から出射されたレーザー光線9は、画像出力装置3と大容量給紙装置2との高さ調整が終了しているため、画像出力装置3の第2の入射孔21から入射されるとともに、同じく画像出力装置3の第3の出射孔23から出射される。
【0050】
上記画像出力装置3の第3の出射孔23から出射されたレーザー光線9は、床面7が水平又は平面でないか、あるいは画像出力装置3と大容量収容装置4との高低差が予め定められた範囲以上である場合には、画像出力装置3の第3の出射孔23から出射されたレーザー光線9は、図6に示すように、隣接する大容量収容装置4の側面25に照射される。
【0051】
そこで、サービスエンジニア等の作業者は、大容量収容装置4の高さを、その底面に設けられた高さ調整器具41を操作することにより、レーザー光線9が側面25に設けられた第3の入射孔26から大容量収容装置4の内部に入射されるように調整する。このとき、併せて大容量給紙装置2が水平となるように調整する。
【0052】
すると、第3の入射孔23から大容量収容装置4の内部に入射されるレーザー光線9は、図7に示すように、大容量収容装置4の内部を通過して第3の出射孔27から出射される。
【0053】
このとき、床面7が水平又は平面でないか、あるいは大容量給紙装置2と後処理装置5との高低差が予め定められた範囲以上である場合には、大容量収容装置4の第3の出射孔27から出射されたレーザー光線9は、図7に示すうように、隣接する後処理装置5の側面29に照射される。
【0054】
そこで、サービスエンジニア等の作業者は、後処理装置5の高さを、その底面に設けられた高さ調整器具41を操作することにより、レーザー光線9が側面29に設けられた第4の入射孔30から後処理装置5の内部に入射されるように調整する。このとき、併せて後処理装置5が水平となるように調整される。
【0055】
すると、第4の入射孔30から後処理装置5の内部に入射されるレーザー光線9は、図 8に示すように、第3のミラー32によって90度反射されるとともに、第4のミラー33によって90度反射され、後処理装置5の側面29に設けられた第5の出射孔34から出射される。その理由は、後処理装置5が水平となるように調整されると、第3のミラー32及び第4のミラー33は、予め水平面に対してレーザー光線9を90度反射するように設置されているため、レーザー光線9が側面29に設けられた第4の入射孔30から後処理装置5の内部に入射されると、第3のミラー32及び第4のミラー33によって平面に対して90度反射されて、第5の出射孔34から出射されるたである。
【0056】
次に、上記後処理装置5の第5の出射孔34から出射されたレーザー光線9は、後処理装置5と大容量収容装置4との高さ調整が終了しているため、大容量収容装置4の第5の入射孔35から入射されるとともに、同じく大容量収容装置4の第6の出射孔36から出射される。
【0057】
上記大容量収容装置4の第6の出射孔36から出射されたレーザー光線9は、第6の入射孔37を介して画像出力装置3の内部に入射され、レーザー受光部38で受光される。
【0058】
その結果、サービスエンジニア等の作業者は、後処理装置5の高さを高さ調整器具を操作することにより調整することで、後はレーザー受光部38の出力をモニターすることにより、当該レーザー受光部38がレーザー光線9を受光したことを確認するだけで、画像形成装置1の大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5との高さ調整作業が容易に行うことができる。
【0059】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、画像形成装置1が、大容量給紙装置2と、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とからなるのではなく、画像形成装置1が、画像出力装置3と、大容量収容装置4と、後処理装置5とからなるように構成されている。
【0060】
すなわち、この実施の形態2では、図10に示すように、画像出力装置3にレーザー発光部10と、レーザー受光部38が設けられているとともに、実施の形態1において、大容量給紙装置2に設けられていた第1及び第2のミラー18、19も画像出力装置3の内部に設けられている。
【0061】
なお、上記画像出力装置3には、第1及び第2のミラー18、19等を省略し、レーザー発光部10から隣接する大容量収容装置4に向けてレーザー光線9を出力するように構成しても良い。
【0062】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
実施の形態3
図11はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、光源と照準部材とを、機器の前面側と背面側にそれぞれ設けるように構成したものである。
【0064】
すなわち、この実施の形態3では、図11に示すように、画像形成装置1の端部に位置する大容量給紙装置2又は後処理装置5の前面側と背面側に、レーザー光源と照準部材としての入射孔及び出射孔をそれぞれ設けるように構成されており、画像形成装置1の前面側と背面側とで高さ調整操作をそれぞれ行うように構成されている。
【0065】
この場合には、画像形成装置1の前面側と背面側とで高低差、つまり画像形成装置1の設置面の傾きが残る虞れがあるが、この場合には、別途、水平標準器等を用いて、画像形成装置1の前面側と背面側とでの高低差を調整しても良い。
【0066】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0067】
1:画像形成装置、2:大容量給紙装置、3:画像出力装置、4:大容量収容装置、5:後処理装置、10:レーザー発光部、16:照準用の第1の入射孔。41:高さ調整手段としての脚部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接して配設される複数の機器のうち、少なくとも1つの機器に装着され、直進性を有する光線を出射する光源と、
前記光源が装着された機器以外の機器に装着され、前記光源から出射された光線の照射位置の照準となる照準部材と、
前記照準部材によって特定された光線の照射位置に応じて、当該機器の高さを調整する高さ調整手段とを備えたことを特徴とする機器の高さ調整装置。
【請求項2】
前記光源が装着された機器以外の機器には、前記光源から出射される光線を通過させる照準用孔と、前記照準用孔を通過した光線を予め定められた角度に反射する反射部材とが設けられることを特徴とする請求項1に記載の機器の高さ調整装置。
【請求項3】
前記反射部材は、互いに隣接して配設される複数の機器の最外周に対応した四隅に配設されることを特徴とする請求項2に記載の機器の高さ調整装置。
【請求項4】
前記照準部材は、前記光源から出射された光線を分岐するハーフミラーと、前記ハーフミラーによって分岐された光線の照射位置を示す照準板とから構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の機器の高さ調整装置。
【請求項5】
前記高さ調整手段は、自動的に機器の高さを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の機器の高さ調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−29292(P2011−29292A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171700(P2009−171700)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】