説明

正立等倍レンズアレイプレート、光走査ユニット、画像読取装置、および正立等倍レンズアレイプレートの製造方法

【課題】正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性を向上する。
【解決手段】正立等倍レンズアレイプレート11は、複数の凸レンズ25が両面に設けられた第1レンズアレイプレート24と、複数の凸レンズ25が両面に設けられ、第1レンズアレイプレート24と対向するように配置された第2レンズアレイプレート26と、第1レンズアレイプレート24と第2レンズアレイプレート26との間に設けられた、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材27とを備える。遮光部材27は、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26よりも、主走査方向の長さが長く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置や画像形成装置に用いられる正立等倍レンズアレイプレート、および正立等倍レンズアレイプレートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ等の画像読取装置として、正立等倍結像光学系を用いた装置が知られている。正立等倍結像光学系を用いた場合、縮小結像光学系の場合よりも装置をコンパクトにすることができる。画像読取装置の場合、正立等倍結像光学系は、ライン状光源と、正立等倍レンズアレイと、ラインイメージセンサから構成される。
【0003】
正立等倍結像光学系における正立等倍レンズアレイとしては、従来、正立等倍像を結像可能なロッドレンズアレイが用いられてきたが、近年では、両面に複数の微小凸レンズを規則的に配列した透明なレンズアレイプレートを、個々の凸レンズの光軸が一致するように2枚積層した正立等倍レンズアレイプレートが提案されている。このような正立等倍レンズアレイプレートは、射出成形などの方法により形成できるレンズアレイプレートを積層した構造であるため、正立等倍レンズアレイを比較的安価に製造することができる。
【0004】
正立等倍レンズアレイプレートでは、隣接したレンズ間に光線を隔離するための壁が無いため、正立等倍レンズアレイプレートに斜めに入射した光線が、プレート内部を斜めに進んで隣接した凸レンズに入り込み、出射してノイズ(ゴーストともいう)を形成するという迷光の問題がある。
【0005】
この迷光対策のため、たとえば特許文献1には、2枚のレンズアレイプレートの間に迷光を遮断するための遮光部材を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−069801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1で用いられている遮光部材は、フィルム状の部材であるため非常に撓みやすい。従って、2枚のレンズアレイプレートの間に遮光部材を精度良く配置するのが困難であり、正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性に改善の余地がある。
【0008】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性を向上することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の正立等倍レンズアレイプレートは、複数のレンズが両面に設けられた第1レンズアレイプレートと、複数のレンズが両面に設けられ、第1レンズアレイプレートと対向するように配置された第2レンズアレイプレートと、第1レンズアレイプレートと第2レンズアレイプレートとの間に設けられた、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材とを備える。遮光部材は、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートよりも、主走査方向および/または副走査方向の長さが長く形成されている。
【0010】
この態様によると、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部を例えば把持治具により把持しながら、第1レンズアレイプレートと第2レンズアレイプレートとの間に遮光部材を配置することができる。第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレート間の適切な位置に位置決めされるまで遮光部材を把持できるので、遮光部材の配置が容易となり、その結果、正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性を向上できる。
【0011】
また、この態様によると、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部を把持治具により把持できるため、把持治具によりレンズアレイプレートを傷つけてしまう事態を回避できる。
【0012】
遮光部材の主走査方向および/または副走査方向の両端部は、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出していてもよい。これにより、遮光部材の主走査方向および/または副走査方向の両端部を把持治具により把持できるようになるので、より遮光部材の位置決めが容易となる。また、遮光部材が反っているような場合でも、遮光部材にテンションを与えて反りを補正しながら配置することが可能となる。
【0013】
遮光部材は、折り曲げ可能に形成されていてもよい。この場合、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部の処理が容易となる。
【0014】
本発明の別の態様は、光走査ユニットである。この光走査ユニットは、被読取画像に光を照射するライン状光源と、被読取画像から反射した光を集光する上述の正立等倍レンズアレイプレートと、正立等倍レンズアレイプレートを透過した光を受光するラインイメージセンサと、ライン状光源、正立等倍レンズアレイプレートおよびラインイメージセンサを収容する筐体とを備える。筐体は、正立等倍レンズアレイプレートを固定するための凹部が設けられており、正立等倍レンズアレイプレートは、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部が凹部の側面により折り曲げられた状態で凹部内に固定される。
【0015】
この態様によると、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部を切断することなく、正立等倍レンズアレイプレートを光走査ユニットの筐体に収容することができる。その結果、組立工数および製造コストを低減することが可能となる。
【0016】
また、遮光部材の端部を切断した場合、切断に際して生じたゴミがレンズ部分に入り込んで光学性能を低下させるおそれがある。本態様によればこのような事態を回避することができる。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、画像読取装置である。この装置は、上述の光走査ユニットと、光走査ユニットによって検出された画像信号を処理する画像処理部とを備える。
【0018】
この態様によると、組立工数および製造コストが低減された画像読取装置を実現できる。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、正立等倍レンズアレイプレートの製造方法である。この方法は、複数のレンズが両面に設けられた第1レンズアレイプレート上に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材を配置する工程と、遮光部材上に、複数のレンズが両面に設けられた第2レンズアレイプレートを配置する工程とを備える。遮光部材は、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートよりも、主走査方向および/または副走査方向の長さが長く形成されている。遮光部材を配置する工程は、第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部を把持しながら行われる。
【0020】
この態様によると、レンズアレイプレートの端部よりも突出した遮光部材の端部を把持しながら、第1レンズアレイプレート上に遮光部材を配置することができる。第1レンズアレイプレート上の適切な位置に位置決めされるまで遮光部材を把持できるので、遮光部材の配置が容易となり、その結果、正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、正立等倍レンズアレイプレートの組立作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置を説明するための図である。
【図2】図2(a)(b)は、本発明の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートを示す図である。
【図3】図3(a)〜(e)は、本実施の形態に係る光走査ユニットの製造方法を説明するための図である。
【図4】正立等倍レンズアレイプレートの側面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートを示す平面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置100を説明するための図である。図1に示すように、画像読取装置100は、光走査ユニット10、原稿Gを載置する原稿台としてのガラス板14、光走査ユニット10を走査する駆動機構(図示せず)、光走査ユニット10によって読み取られたデータを処理する画像処理部(図示せず)等を備える。
【0024】
光走査ユニット10は、ガラス板14上に載置された原稿Gに光を照射するライン状光源16と、原稿Gからの反射光を集光する正立等倍レンズアレイプレート11と、正立等倍レンズアレイプレート11により集光された光を受けるラインイメージセンサ(光電変換素子)20と、ライン状光源16、正立等倍レンズアレイプレート11およびラインイメージセンサ20を収容する筐体12とを備える。
【0025】
筐体12は、略直方体形状に形成されており、筐体12の上面には第1凹部12aおよび第2凹部12bが形成され、下面には第3凹部12cが形成されている。筐体12は、樹脂の射出成形により形成される。射出成形により筐体12を形成することにより、筐体12を容易に形成でき、安価とすることができる。第1凹部12a内には、ライン状光源16が斜めに固定されている。ライン状光源16は、照射光の光軸が、正立等倍レンズアレイプレート11の光軸Axとガラス板14の上面との交点を通るように固定される。
【0026】
第2凹部12bには、正立等倍レンズアレイプレート11が固定されている。第3凹部12cには、ラインイメージセンサ20を備えた基板22が取り付けられている。基板22は、その上面が第3凹部12cに設けられた段差部12dに当接するように固定されている。
【0027】
正立等倍レンズアレイプレート11は、複数の凸レンズ25を両面に形成した第1レンズアレイプレート24、第2レンズアレイプレート26が対応するレンズの組が共軸のレンズ系を構成するように積層されたものである。
【0028】
第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の材質は、射出成型に使用可能で、必要な波長帯域の光に対して光透過性が高く、吸水性の低いものが望ましい。望ましい材質としては、シクロオレフィン系樹脂や、オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などを例示することができる。
【0029】
第1レンズアレイプレート24と第2レンズアレイプレート26の間には、遮光部材27が設けられている。遮光部材27には、第1レンズアレイプレート24、第2レンズアレイプレート26の凸レンズ25に対応する複数の貫通孔27aが形成されている。貫通孔27aには、対応する第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の凸レンズ25が嵌入されている。この遮光部材27は、結像に寄与しない光(以下、迷光とも称する)を遮断する機能を有する。遮光部材27は、光学的透過率が小さいフィルム状の部材に貫通孔27aを設けることにより形成されている。遮光部材27は、厚みが例えば0.1〜0.3mm程度と非常に薄く、従って折り曲げ可能に形成されている。遮光部材27の望ましい材質としては、黒色のシクロオレフィン系樹脂や、オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などを例示することができる。
【0030】
第1レンズアレイプレート24、第2レンズアレイプレート26および遮光部材27は、ホルダ30により保持されている。このホルダ30は、たとえば黒色のABS樹脂などの遮光性材料を用いて射出成形などの方法により形成された、断面コの字状の第1ホルダ部30a、第2ホルダ部30bから構成されている。第1レンズアレイプレート24、第2レンズアレイプレート26および遮光部材27は、第1ホルダ部30aおよび第2ホルダ部30bにより挟み込まれることにより、ホルダ30内に保持されている。第1ホルダ部30a、第2ホルダ部30bには、複数の貫通孔28が形成されている。貫通孔28には、対応する第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の凸レンズ25が嵌入されている。このように構成されたホルダ30もまた、迷光を遮断する機能を有する。
【0031】
正立等倍レンズアレイプレート11は、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように画像読取装置100に装着される。正立等倍レンズアレイプレート11は、上方に位置する原稿Gから反射されたライン状の光を受けて、下方に位置する像面、すなわちラインイメージセンサ20の受光面に正立等倍像を形成する。画像読取装置100は、光走査ユニット10を副走査方向に走査することにより、原稿Gを読み取ることができる。
【0032】
図2(a)(b)は、本発明の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート11を示す図である。図2(a)は、正立等倍レンズアレイプレート11の平面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す正立等倍レンズアレイプレート11のX−X断面図である。なお、図2(a)(b)においては、ホルダの図示を省略している。
【0033】
上述したように、正立等倍レンズアレイプレート11は、対向するように配置された第1レンズアレイプレート24と第2レンズアレイプレート26の間に、遮光部材27が設けられた構造となっている。第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26は、平面視において長方形状であり、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように配置されている。
【0034】
また、遮光部材27も平面視において長方形状であり、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように配置されている。ここで、本実施の形態においては、遮光部材27は、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26よりも、主走査方向の長さが長く形成されている。このように遮光部材27が形成されたことにより、遮光部材27の主走査方向の両端部は、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の端部よりも突出している。以下においては、この突出している部分を「把持部27b」と称する。
【0035】
図3(a)〜(e)は、本実施の形態に係る光走査ユニットの製造方法を説明するための図である。
【0036】
まず、図3(a)に示すように、遮光部材27の主走査方向両端の把持部27bをピンセット等の把持治具50で把持しながら、第1レンズアレイプレート24上に遮光部材27を配置する。遮光部材27は、遮光部材27の貫通孔27aに対応する凸レンズ25が嵌入されるよう位置合わせを行いながら配置する。
【0037】
遮光部材27に把持部27bが設けられていない場合、すなわち遮光部材27の主走査方向の長さが第1レンズアレイプレート24と同程度に形成されている場合、把持治具50で遮光部材27の主走査方向の両端を把持しながら第1レンズアレイプレート24上に配置しようとすると、把持治具50と第1レンズアレイプレート24が接触し、第1レンズアレイプレート24を傷つけるおそれがある。また、第1レンズアレイプレート24を傷つけないように、遮光部材27が第1レンズアレイプレート24に接触する寸前に把持治具50から遮光部材27を開放した場合、貫通孔27aと凸レンズ25の位置ずれが発生するおそれがある。貫通孔27aと凸レンズ25の位置ずれは、結像性能の低下を引き起こす可能性がある。
【0038】
本実施の形態によれば、遮光部材27に把持部27bを設けたことにより、遮光部材27が第1レンズアレイプレート24上に載置されるまで把持治具50が遮光部材27を把持していたとしても、第1レンズアレイプレート24を傷つけることはない。また、最終的な位置の微調整を行うまで把持治具50が遮光部材27を把持できるので、貫通孔27aと凸レンズ25の位置合わせの精度を向上できる。
【0039】
さらに、本実施の形態においては、遮光部材27の主走査方向の両端部に把持部27bが設けられているため、例えば遮光部材27が反っているような場合でも、遮光部材27にテンションを与えて反りを補正しながら配置することができる。また、このように遮光部材27が反っている場合には、遮光部材27を配置した後、後述する図3(b)の工程によって遮光部材27が固定されるまで両端の把持部27bを把持し続けてもよい。
【0040】
次に、図3(b)に示すように、遮光部材27上に、第2レンズアレイプレート26を配置する。第2レンズアレイプレート26は、遮光部材27の貫通孔27aに対応する凸レンズ25が嵌入されるよう位置合わせを行いながら配置する。第1レンズアレイプレート24と第2レンズアレイプレート26により挟み込まれることにより、遮光部材27は位置が固定される。
【0041】
次に、図3(c)に示すように、第1レンズアレイプレート24、遮光部材27、および第2レンズアレイプレート26を、第1ホルダ部30aおよび第2ホルダ部30bにより挟み込む。第1ホルダ部30aおよび第2ホルダ部30bは、貫通孔28に対応する凸レンズ25が嵌入されるよう位置合わせを行いながら取り付けられる。
【0042】
図4は、正立等倍レンズアレイプレート11の側面図である。図4に示すように、ホルダ30は、主走査方向の端部から第1レンズアレイプレートおよび第2レンズアレイプレートに入射する光を遮断するために、主走査方向の両端部に側壁32を有している。そして、この側壁32には、遮光部材27の把持部27bをホルダ30の外部へ逃がす逃がし孔31が設けられている。
【0043】
このようにホルダ30の側壁32にに逃がし孔31を設けたことにより、図3(d)に示すようにホルダ30の主走査方向の両端部から把持部27bが突出している。正立等倍レンズアレイプレート11は、このようにホルダ30から把持部27bが突出した状態で、筐体12の第2凹部12b内に挿入される。
【0044】
図3(e)は、筐体12の第2凹部12b内に正立等倍レンズアレイプレート11が固定された状態を示している。図3(e)に示すように、正立等倍レンズアレイプレート11は、把持部27bが第2凹部12bの側面により折り曲げられた状態で第2凹部12b内に固定される。このように、本実施の形態によれば、遮光部材27が折り曲げ可能に形成されていることにより、遮光部材27の把持部27bを切断することなく、正立等倍レンズアレイプレート11を光走査ユニット10の筐体12に固定することができる。把持部27bを切断する工程が不要となるので、組立工数および製造コストを低減することが可能となる。
【0045】
また、把持部27bを切断した場合、切断に際して生じたゴミがレンズ部分に入り込んで光学性能を低下させるおそれがある。本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート11によれば、このような事態を回避することができる。
【0046】
図5は、本発明の別の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート111を示す平面図である。図5に示すように、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート111においては、遮光部材27の副走査方向の長さが、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の副走査方向の長さよりも長く形成されている。このように遮光部材27が形成されたことにより、遮光部材27の副走査方向の両端部は、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレートの端部よりも突出しており、把持治具によって遮光部材27を把持するための把持部27bが形成されている。このように、把持部27bは遮光部材27の副走査方向の両端に設けられてもよい。
【0047】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート211を示す平面図である。図6に示すように、本実施の形態に係る正立等倍レンズアレイプレート211においては、遮光部材27の主走査方向および副走査方向の長さが、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレート26の主走査方向および副走査方向の長さよりもそれぞれ長く形成されている。このように遮光部材27が形成されたことにより、遮光部材27の主走査方向および副走査方向の両端部は、第1レンズアレイプレート24および第2レンズアレイプレートの端部よりも突出しており、把持治具によって遮光部材27を把持するための把持部27bが形成されている。このように、把持部27bは遮光部材27の主走査方向および副走査方向の両端に設けられてもよい。
【0048】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0049】
10 光走査ユニット、 11、111、211 正立等倍レンズアレイプレート、 12 筐体、 20 ラインイメージセンサ、 24 第1レンズアレイプレート、 25 凸レンズ、 26 第2レンズアレイプレート、 27 遮光部材、 27b 把持部、 100 画像読取装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズが両面に設けられた第1レンズアレイプレートと、
複数のレンズが両面に設けられ、前記第1レンズアレイプレートと対向するように配置された第2レンズアレイプレートと、
前記第1レンズアレイプレートと前記第2レンズアレイプレートとの間に設けられた、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材と、
を備える正立等倍レンズアレイプレートであって、
前記遮光部材は、前記第1レンズアレイプレートおよび前記第2レンズアレイプレートよりも、主走査方向および/または副走査方向の長さが長く形成されていることを特徴とする正立等倍レンズアレイプレート。
【請求項2】
前記遮光部材の主走査方向および/または副走査方向の両端部は、前記第1レンズアレイプレートおよび前記第2レンズアレイプレートの端部よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載の正立等倍レンズアレイプレート。
【請求項3】
前記遮光部材は、折り曲げ可能に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の正立等倍レンズアレイプレート。
【請求項4】
被読取画像に光を照射するライン状光源と、
前記被読取画像から反射した光を集光する請求項1から3のいずれかに記載の正立等倍レンズアレイプレートと、
前記正立等倍レンズアレイプレートを透過した光を受光するラインイメージセンサと、
前記ライン状光源、前記正立等倍レンズアレイプレートおよび前記ラインイメージセンサを収容する筐体と、
を備える光走査ユニットであって、
前記筐体は、前記正立等倍レンズアレイプレートを固定するための凹部が設けられており、
前記正立等倍レンズアレイプレートは、前記第1レンズアレイプレートおよび前記第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した前記遮光部材の端部が前記凹部の側面により折り曲げられた状態で前記凹部内に固定されることを特徴とする光走査ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の光走査ユニットと、
前記光走査ユニットによって検出された画像信号を処理する画像処理部と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
複数のレンズが両面に設けられた第1レンズアレイプレート上に、結像に寄与しない光を遮断する遮光部材を配置する工程と、
前記遮光部材上に、複数のレンズが両面に設けられた第2レンズアレイプレートを配置する工程と、
を備える正立等倍レンズアレイプレートの製造方法であって、
前記遮光部材は、前記第1レンズアレイプレートおよび前記第2レンズアレイプレートよりも、主走査方向および/または副走査方向の長さが長く形成されており、
前記遮光部材を配置する工程は、前記第1レンズアレイプレートおよび前記第2レンズアレイプレートの端部よりも突出した前記遮光部材の端部を把持しながら行われることを特徴とする正立等倍レンズアレイプレートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−17840(P2011−17840A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161684(P2009−161684)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】