歩行型作業機
【課題】内筒のスライド移動による操縦ハンドルの伸縮操作をより滑らかに実施することができるようにすること。
【解決手段】操縦ハンドルが、複数の係合穴80を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒P2と、内筒P2を挿入及び引き出し自在に収容する外筒P1とを備え、内筒の係合穴80に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体54を外筒P1側に回転可能に支持し、回転体54を正回転させると内筒P2を外筒P1の外側に送りだして操縦ハンドルを伸長させ、回転体54を逆回転させると内筒P2を外筒P1の内側に取り込んで操縦ハンドルを短縮させる。
【解決手段】操縦ハンドルが、複数の係合穴80を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒P2と、内筒P2を挿入及び引き出し自在に収容する外筒P1とを備え、内筒の係合穴80に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体54を外筒P1側に回転可能に支持し、回転体54を正回転させると内筒P2を外筒P1の外側に送りだして操縦ハンドルを伸長させ、回転体54を逆回転させると内筒P2を外筒P1の内側に取り込んで操縦ハンドルを短縮させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機に関し、特に操縦ハンドルの長さ調節に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の歩行型作業機としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。この特許文献に記載される歩行型作業機の操縦ハンドルは、内筒と、内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒と、内筒の外周面に形成した嵌入溝に設けられる係止体と、係止体を押圧可能に外筒に設けられる固定具とを備える。かかる構成により、固定具の締め込みを緩めることで、内筒の嵌入溝に対する係止体の圧接を解除して、内筒を外筒に対してスライド移動させて操縦ハンドルの長さを調節し、その後固定具を締め込むことで、固定具が係止体を押して内筒の嵌入溝に圧接させて、内筒の位置を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐165509号公報(図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記歩行型作業機の操縦ハンドルでは、内筒を外筒に対してスライド移動させて伸縮操作を行う際に、内筒と外筒との間にこじれが生じると、そこから内筒をわずかに挿入したりあるいは引き出したりして長さを微調整することが難しくなる場合があり、改善する余地が残されていた。
【0005】
本発明の目的は、内筒のスライド移動による操縦ハンドルの伸縮操作をより滑らかに実施することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の歩行型作業機の第1特徴構成は、作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機であって、前記操縦ハンドルが、複数の係合穴を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒と、該内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒とを備え、前記内筒の係合穴に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体を前記外筒側に回転可能に支持し、該回転体を正回転させると前記内筒を前記外筒の外側に送りだして前記操縦ハンドルを伸長させ、前記回転体を逆回転させると前記内筒を前記外筒の内側に取り込んで前記操縦ハンドルを短縮させる点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、複数の係合片を外周部に備えた回転体を回転させることによって、回転体の係合片を内筒の複数の係合穴に係合させながら、内筒を外筒に対してスライド移動させて、操縦ハンドルの伸縮操作を実施することができる。このため、仮に内筒と外筒との間にこじれが生じた場合も、回転体を回転させることによって、そこから内筒をわずかに挿入したりあるいは引き出したりして長さを微調整することができ、操縦ハンドルの伸縮操作をより滑らかに実施することができる。
また、内筒の基端側の末端部分に係合穴を形成しないようにすれば、回転体の係合片が、内筒の基端側の最も端に位置する係合穴に係合した後は、回転体はそれ以上回転できなくなる。これにより、内筒の外筒からの抜け止めがなされる。
【0008】
第2特徴構成は、前記複数の係合穴を前記内筒の下面に形成してある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、複数の係合穴を内筒の下面に形成すれば、雨水などが係合穴から内筒の内部に侵入する虞が少なくなる。さらに、操縦ハンドルを伸長させたときに内筒の係合穴が見え難く、外観上の見栄えが良い。
【0010】
第3特徴構成は、前記外筒における前記内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に、前記内筒を前記外筒に固定する固定機構を設けてある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、外筒における内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に固定機構を設けてあるため、固定機構を外筒の長手方向の中間部に設ける場合と比べて、外筒に対して内筒をより長く突出させた状態で固定機構により固定することができる。
【0012】
第4特徴構成は、前記回転体を前記固定機構に設けてある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、回転体を固定機構に設けることによって、固定機構を回転体の支持部材に兼用することができ、回転体用の支持部材を新たに別途設ける必要がなくなるためコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】操縦ハンドルを最も短縮させたときの歩行型草刈機の全体側面図である。
【図2】最も伸長させたときの操縦ハンドルの全体側面図である。
【図3】歩行型草刈機の平面図である。
【図4】伝動構造を模式的に示す図である。
【図5】ハンドル支持部の縦断面図である。
【図6】ハンドル支持部の平面図である。
【図7】保持機構の側面図である。
【図8】操縦ハンドルのグリップ及び第3パイプ付近の側面図である。
【図9】操縦ハンドルのグリップ及び第3パイプ付近の平面図である。
【図10】保持機構の縦断正面図である。
【図11】操縦ハンドルの第1接続部付近の側面図である。
【図12】操縦ハンドルの第1接続部付近の平面図である。
【図13】操縦ハンドルの第1接続部付近の縦断正面図である。
【図14】操縦ハンドルの第1接続部付近の縦断側面図である。
【図15】操縦ハンドルの第1接続部付近の拡大縦断正面図である。
【図16】操縦ハンドルの第2接続部付近の縦断側面図である。
【図17】操縦ハンドルの第2接続部付近の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態として、本発明の構成を採用した歩行型草刈機を図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
図1〜図3に示すように、歩行型草刈機は、走行機体を構成する作業機本体Aと、長手方向に沿って伸縮操作可能に作業機本体Aに連結される操縦ハンドルHとを備える。
【0016】
(作業機本体)
作業機本体Aは、前車輪1、後車輪2、ハウジング3、エンジン4、伝動ケース5、刈取機構C、及び走行伝動機構Dを備えて構成される。
【0017】
前車輪1及び後車輪2のそれぞれは、ハウジング3の前端位置及び後端位置に配置される。尚、本明細書において、前側とは、歩行型草刈機の前進方向側(図1の紙面左側)を意味し、後側とは、歩行型草刈機の後進方向側(図1の紙面右側)を意味する。
【0018】
伝動ケース5は、原動部としてのエンジン4を上部に備え、ハウジング3に対して上下に貫通する状態で設けられている。
【0019】
刈取機構Cは、ハウジング3の中に配置され、伝動ケース5の下端の駆動軸6からの駆動力により縦向きの駆動軸心Y周りで回転する複数の刈刃7を備える。また、走行伝動機構Dは、伝動ケース5からの駆動力を前車輪1及び後車輪2に伝えるものである。
【0020】
図4に示すように、伝動ケース5の上部位置には、主クラッチMCを備え、この主クラッチMCからの駆動力を駆動力下端の駆動軸6に伝える刈取用の伝動系に刈取クラッチCCを介装している。
【0021】
また、主クラッチMCからの駆動力を前車輪1及び後車輪2に伝える走行用の伝動系には、駆動速度(単位時間あたりの回転数)を高低2段に切り換える速度切換機構SMと、この速度切換機構SMからの駆動力を前進のための正転駆動力、又は、後進のための逆転駆動力に変換して出力軸8に伝える前後進切換機構FRMとを備えている。
【0022】
刈取クラッチCCは、エンジン4からの駆動力が伝えられる駆動回転体101に対し、駆動軸6にスプライン嵌合するクラッチ部材102を駆動軸心Yに沿ってシフトすることにより伝動状態と動力遮断状態とを現出するドッグクラッチ式に構成されている。
【0023】
速度切換機構SMは、エンジン4からの駆動力がウオームギヤ機構WGによって減速されて伝えられる減速軸103と動力取出軸104とが平行姿勢で配置されると共に、減速軸103に遊転支承した減速側の第1ギヤ105と、これに噛合することで動力取出軸104に動力を伝える第2ギヤ106と、減速軸103に遊転支承した増速側の第3ギヤ107と、これに噛合することで動力取出軸104に動力を伝える第4ギヤ108とを備え、更に、減速軸103にスプライン嵌合し、シフト作動により第1ギヤ105又は第3ギヤ107の何れかに噛合するシフト部材109を備えている。
【0024】
前後進切換機構FRMは、動力取出軸104と一体回転するベベルギヤ110と、このベベルギヤ110に噛合するように出力軸8に遊転支承した一対の切換ギヤ111と、出力軸8にスプライン嵌合し、シフト作動により一対の切換ギヤ111の何れかに噛合する切換部材112とを備えている。
【0025】
前述した出力軸8が、前述したハンドル支持部Bと反対側に突出する形態で配置されている。走行伝動機構Dとして、出力軸8からの駆動力が伝えられる主チェーンケース10と、この主チェーンケース10の前端側からの駆動力を前車輪1に伝える前部チェーンケース11と、主チェーンケース10の後端部からの駆動力を後車輪2に伝える後部チェーンケース12とを備えている。
【0026】
(操縦ハンドル)
図1及び図2に示すように、操縦ハンドルHは、延出端側に設けられる操作部Mと、ハウジング3の横側面に設けられるハンドル支持部Bに支持される基端部Eと、それぞれ外径の大きさが異なる第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3とを備える。
【0027】
〔1〕操作部
図8及び図9に示すように、操作部Mは、作業者が作業中に把持するループ状のグリップGと、主クラッチMCを操作する主クラッチレバー13と、前後進切換機構FRMを変速操作する前後進切換レバー14と、第1ロック機構L1の解除操作を行う第1ロック解除レバー15と、第2ロック機構L2の解除操作を行う第2ロック解除レバー16と、エンジン4の回転速度を設定するスロットル操作具17と、速度切換機構SMを操作する変速操作具18と、刈取クラッチCCを操作するクラッチ操作具19とを備える。
【0028】
操作部Mの主クラッチレバー13、前後進切換レバー14、第1ロック解除レバー15、第2ロック解除レバー16、スロットル操作具17、変速操作具18、及びクラッチ操作具19のそれぞれが、作業機本体A側に設けられる被操作部の主クラッチMC、前後進切換機構FRM、第1ロック機構L1、第2ロック機構L2、エンジン4、速度切換機構SM、及び刈取クラッチCCとそれぞれのワイヤWを介して連係されている。そして、図1及び図2に示すように、これらのワイヤWの束が、操縦ハンドルHに沿って、後述する第1接続部21のU字状のブラケット55、第2接続部22のU字状のブラケット55及び保持機構Kによってループ状に支持されている。
【0029】
より詳細には、図1及び図2に示すように、ワイヤWは、作業機本体A側の各被操作部から第1パイプP1に沿って先端側(操縦ハンドルHの操作部M側)に延出し、保持機構Kの受け部材69とフック部材68により支持されつつ第1パイプP1の基端側(操縦ハンドルHの基端部E側)に湾曲する。そして、保持機構Kの揺動アーム60のプーリ65に支持されて、傾斜姿勢の操縦ハンドルHの上側にループRPを形成しながら第1パイプP1の先端側に湾曲し、再び受け部材69に支持されながら、第1接続部21のU字状のブラケット55及び第2接続部22のU字状のブラケット55の中を通って、操作部Mに接続される。尚、各ワイヤWの長さは、操縦ハンドルHを最大に伸長させたときの長さに対応させてある。
【0030】
〔2〕第1〜第3パイプ
図2に示すように、細長い筒状の第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3は、この順序で基端部E側から順に配置されて接続される。第1パイプP1の内径の大きさは、第2パイプP2の外径の大きさよりも大きく、第2パイプP2の内径の大きさは、第1パイプP1の外径の大きさより大きく構成されている。これにより、第1パイプP1は、第2パイプP2を挿入及び引き出し自在に収容可能であり、第2パイプP2は、第3パイプP3を挿入及び引き出し自在に収容可能に構成される。即ち、第1パイプP1と第2パイプP2とでは、第1パイプP1が外筒で第2パイプP2が内筒であり、第2パイプP2と第3パイプP3とでは、第2パイプP2が外筒で第3パイプP3が内筒である。また、これらの第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3に適用可能な素材としては、例えば、スチール製、及びアルミ製などが挙げられるが、特にこれらの素材に限定されるものではない。尚、本実施形態では、第1パイプP1及び第2パイプP2をスチール製として、第3パイプP3をアルミ製とする。
【0031】
図14及び図15に示すように、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の端部の下面に開口部ap1が形成され、その端部の横側面に長手方向に沿うスリットS1が形成されている。
【0032】
図16及び図17に示すように、第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の端部の下面に開口部ap2が形成され、その端部の横側面に長手方向に沿うスリットS2が形成されている。
【0033】
図14及び図16に示すように、第2パイプP2及び第3パイプP3のそれぞれの下面には、複数の係合穴80が、第2パイプP2及び第3パイプP3のそれぞれの基端側(操縦ハンドルHの基端部E側)の末端部分を除いて、長手方向に沿って一定間隔で形成されている。尚、係合穴80の形状は、丸形に限らず、四角形など、多角形を有するものでも良い。
【0034】
図14及び図15に示すように、第1パイプP1の端部の内面に樹脂パイプ81が取り付けられて、樹脂パイプ81に第2パイプP2が挿入されている。この樹脂パイプ81は、その外径が第1パイプP1の内径と略等しく且つその内径が第2パイプP2の外径と略等しいため、水やごみ等が第1パイプP1と第2パイプP2との隙間から侵入するのを防ぐと共に、第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する際の第1パイプP1の内面と第2パイプP2の外面との間に生じる摩擦を低減させて、第2パイプP2の外周面に施される塗装がはがれるのを防止する。尚、この樹脂パイプ81にも開口部ap4が形成されている。
【0035】
〔a〕第1接続部及び第2接続部
図2に示すように、第2パイプP2を第1パイプP1に固定する第1接続部21が、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の端部に設けられている。また、第3パイプP3を第2パイプP2に固定する第2接続部22が、第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の端部に設けられている。
【0036】
図14及び図15に示すように、第1接続部21は、第1パイプP1の端部の外周面を取り巻くように配置されるリング状の締め付け部材23と、締め付け部材23を半径方向中心側に締め込むための締め込み用レバー27と、締め付け部材23のリング部分23aの下面に溶接固定される伸縮操作機構Fと、ワイヤを支持するU字状のブラケット55とを備える。締め付け部材23と締め込み用レバー27によって、第2パイプP2を第1パイプP1に対してより確実に固定するための固定機構が構成されている。
【0037】
図15に示すように、締め付け部材23は、そのリング部分23aの一部が横側方に向けて開放されており、その開放部分にL字型の締め込み用レバー27が設けられている。また、締め付け部材23のリング部分23aの下面には、開口部ap3が形成されている。
【0038】
締め付け部材23の開放部分は、横側方に突出した状態で上下に配置される2つの突出部23b,23cから構成されている。締め込み用レバー27の基端部が、2つの突出部23b,23cにわたって貫通した状態で設けられており、下側の突出部23cから下に突き出た部分に抜け止め用のダブルナット28を設けることによって、締め込み用レバー27がその基端部の軸心R1周りに回動可能に取り付けられている。
【0039】
締め込み用レバー27の基端部、及び上側の突出部23bの上面のそれぞれには、同じ傾斜角度の傾斜面を有するカム部材29a,29bが溶接されている。図13及び図15に示す状態では、2つのカム部材29a,29bのそれぞれの傾斜面が互いに密着しており、締め付け部材23による第1パイプP1の締め付けがなされていない状態となっている。
【0040】
図12及び図13に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させると、締め込み用レバー27側のカム部材29aの回転に伴って、2つのカム部材29a,29bの間に隙間が生じて、締め込み用レバー27が上方に移動する。これにより、締め付け部材23の下側の突出部23cが、締め込み用レバー27のダブルナット28に押し上げられて上に移動して上側の突出部23bに接近する。その結果、第1パイプP1が、締め付け部材23のリング部分23aによって半径方向中心側に締め付けられ、第1パイプP1のスリットS1の幅が狭められて第1パイプP1の端部が縮径することによって、第2パイプP2が第1パイプP1に固定される。
【0041】
図14及び図15に示すように、伸縮操作機構Fは、複数の係合片を外周部に備えた回転体の一例としてのスプロケット54と、スプロケット54と伸縮操作用レバー53とを支持する支持部材50と、スプロケット54を回転操作するためのクランク形状の伸縮操作用レバー53とを備える。スプロケット54は、支持部材50の内部に位置する配置でスプロケット54に回転可能に支持されている。伸縮操作機構Fは、締め付け部材23のリング部分23aの下面に固定されている。
【0042】
支持部材50は、締め付け部材23のリング部分23aの下面に溶接した2つのボルト挿通部49と、ボルト挿通部49の両端にボルト連結された2つのプレート51と、プレート51の下端に溶接された断面コの字型のカバー部材52とを備える。
【0043】
2つのプレート51には、伸縮操作用レバー53の基端部を支持するための挿通孔51aが形成されている。スプロケット54は、伸縮操作用レバー53の基端部に固定されており、伸縮操作用レバー53の基端部がスプロケット54の回転中心を貫通した状態で2つのプレート51の挿通孔51aに亘るように設置される。これにより伸縮操作用レバー53とスプロケット54が、伸縮操作用レバー53の基端部の軸心R2周りに回転可能に支持される。
【0044】
図13及び図14に示すように、U字状のブラケット55の両端の平板部56が、支持部材50の上前端部のボルト挿通部49に設けるボルトB1及びナットN1によって、プレート51と共に共締め固定されている。
【0045】
図14及び図15に示すように、スプロケット54の上方には、締め付け部材23のリング部分23aの開口部ap3、第1パイプP1の開口部ap1、及び樹脂パイプ81の開口部ap4が、上下方向に連通するように配置され、さらにこれらの開口部ap1,ap3,ap4の上方に第2パイプP2の係合穴80が配置される。
【0046】
第2接続部22は、上記第1接続部21と略同様の構成を有するものであり、第1接続部21で説明した構成部品と同じ作用を有する構成部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
図16及び図17に示すように、第2パイプP2及び第3パイプP3は、樹脂パイプ81を備えずに直接挿入されている。第2接続部22のスプロケット54の上方には、締め付け部材23のリング部分23aの開口部ap3、及び第2パイプP1の開口部ap2が、上下方向に連通するように配置され、さらにこれらの開口部ap2,ap3の上方に第3パイプP3の係合穴80が配置される。
【0048】
尚、図15及び図17に示すように、第1接続部21の締め込み用レバー27及び伸縮操作用レバー53のそれぞれの取付位置は、第2接続部22の締め込み用レバー27及び伸縮操作用レバー53のそれぞれの取付位置と、第1〜第3パイプP1〜P3を挟んで逆側になるように取付けられている。
【0049】
〔b〕操縦ハンドルHの伸縮操作
第1接続部21において、操縦ハンドルHの伸縮操作を実施する場合について説明する。
まず、図12に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに回動させて、締め付け部材23による第1パイプP1の締め付けを解除する。本実施形態では、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させることにより、操縦ハンドルHの長手方向に沿う固定姿勢(図12の実線部分)から、操縦ハンドルHの長手方向に直行する方向に沿う解除姿勢(図12の二点鎖線部分)に変更する。
【0050】
次いで、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに回転させることによって、第2パイプP2を第1パイプP1から引き出すかあるいは第2パイプP2を第1パイプP1の中に挿入する操作を行う。このとき、操縦ハンドルHを大きく伸縮させるときは、作業者が操作部MのグリップGを持ちながら第2パイプP2を押し引きすれば、伸縮操作用レバー53が回転して操縦ハンドルHが伸縮する。一方、長さを微調整するときは、作業者が伸縮操作用レバー53を持って回転させれば良い。つまり、操作部MのグリップGの押し引き操作と、伸縮操作用レバー53の回転操作とを組み合わせることによって、操縦ハンドルHの伸縮操作をスムーズに実施することができる。
【0051】
第2パイプP2を第1パイプP1から引き出す場合は、伸縮操作用レバー53を、その基端部の軸心R2周りに正回転させる。これにより、図14に示すスプロケット54が正回転し(本実施形態では、スプロケット54が時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が、上方に連通する3つの開口部ap1,ap3,ap4を通って第2パイプP2の複数の係合穴80に順次係合していき、第2パイプP2が第1パイプP1の外側に送り出されるため、操縦ハンドルHが伸長する。
【0052】
このとき、スプロケット54の歯が、第2パイプP2の係合穴80に係合しているため、第2パイプP2がその軸心周りに回転することがない。また、第2パイプP2の基端側の末端部分には係合穴80が形成されていないため、スプロケット54の歯が、第2パイプP2の基端側の最も端に位置する係合穴80に係合した後は、スプロケット54はそれ以上回転できなくなる。これにより、第2パイプP2の第1パイプP1からの抜け止めがなされる。
【0053】
一方、第2パイプP2を第1パイプP1に挿入する場合は、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに逆回転させる。これにより、図14に示すスプロケット54が逆回転し(本実施形態では、スプロケット54が反時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が第2パイプP2の複数の係合穴80に順次係合していき、第2パイプP2を第1パイプP1の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させる。
【0054】
第2パイプP2を所望する長さに調整した後、再び締め込み用レバー27を、その基端部の軸心周りに90度回動させて、操縦ハンドルHの長手方向に直行する方向に沿う解除姿勢(図12の二点鎖線部分)から、操縦ハンドルHの長手方向に沿う固定姿勢(図12の実線部分)に変更して、締め付け部材23により第1パイプP1を締め付けて第2パイプP2を固定して伸縮操作を完了する。
【0055】
図16及び図17に示す第2接続部22において操縦ハンドルHの伸縮操作を実施する場合も、上記第1接続部21の場合と同様の操作を行うことによって、第3パイプP3を第2パイプP2の外側に送り出して操縦ハンドルHを伸長させたり、あるいは第3パイプP3を第2パイプP2の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させることにより、操縦ハンドルHの伸縮操作を実施することができる。
【0056】
まず、図9に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに回動させて、締め付け部材23による第2パイプP2の締め付けを解除する。本実施形態では、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させることにより、固定姿勢(図9の実線部分)から解除姿勢(図9の二点鎖線部分)に変更する。
【0057】
次いで、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに回転させることによって、第3パイプP3を第2パイプP2から引き出すかあるいは第3パイプP3を第2パイプP2の中に挿入する操作を行う。このとき、操縦ハンドルHを大きく伸縮させるときは、作業者が操作部MのグリップGを持ちながら第3パイプP3を押し引きすれば、伸縮操作用レバー53が回転して操縦ハンドルHが伸縮する。一方、長さを微調整するときは、作業者が伸縮操作用レバー53を持って回転させれば良い。つまり、操作部MのグリップGの押し引き操作と、伸縮操作用レバー53の回転操作とを組み合わせることによって、操縦ハンドルHの伸縮操作をスムーズに実施することができる。
【0058】
第3パイプP3を第2パイプP2から引き出す場合は、伸縮操作用レバー53を、その基端部の軸心R2周りに正回転させる。これにより、図16に示すスプロケット54が正回転し(本実施形態では、スプロケット54が時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が、上方に連通する3つの開口部ap2,ap3を通って第3パイプP3の複数の係合穴80に順次係合していき、第3パイプP3が第2パイプP2の外側に送り出されるため、操縦ハンドルHが伸長する。
【0059】
このとき、スプロケット54の歯が、第3パイプP3の係合穴80に係合しているため、第3パイプP3がその軸心周りに回転することがない。また、第3パイプP3の基端側の末端部分には係合穴80が形成されていないため、スプロケット54の歯が、第3パイプP3の基端側の最も端に位置する係合穴80に係合した後は、スプロケット54はそれ以上回転できなくなる。これにより、第3パイプP3の第2パイプP2からの抜け止めがなされる。
【0060】
一方、第3パイプP3を第2パイプP2に挿入する場合は、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに逆回転させる。これにより、図16に示すスプロケット54が逆回転し(本実施形態では、スプロケット54が反時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が第3パイプP3の複数の係合穴80に順次係合していき、第3パイプP3を第2パイプP2の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させる。
【0061】
第3パイプP3を所望する長さに調整した後、再び締め込み用レバー27を、その基端部の軸心周りに90度回動させて、解除姿勢(図9の二点鎖線部分)から固定姿勢(図9の実線部分)に変更して、締め付け部材23により第2パイプP2を締め付けて第3パイプP3を固定して伸縮操作を完了する。
尚、第1接続部21及び第2接続部22は、それぞれ独立して伸縮操作を実施することができるように構成されている。
【0062】
〔c〕保持機構
図1及び図2に示すように、第1パイプP1の上方に形成されたループRPを保持する保持機構Kが、操縦ハンドルHの第1パイプP1に設けられている。
【0063】
保持機構Kは、第1パイプP1の基端側(操縦ハンドルHの基端部側)に設けられる揺動アーム60と、第1パイプP1の長手方向に沿って配置されるバネ部材としてのコイルバネ67と、第1パイプP1の第1接続部21側に設けられるフック部材68と、第1パイプP1の横側面に設けられる受け部材69とを備える。尚、これらの構成部材のうち、フック部材68と受け部材69は、ワイヤWの中間部に形成されたループRPをより安定に保持するためのものであるため、これらの部材については必要に応じて設ける構成としても良い。
【0064】
図7及び図10に示すように、揺動アーム60は、L字型の棒状のアーム部材61と、アーム部材61の端部に溶接される基端部62と、アーム部材61の先端の折り曲げ部分61aに設けられるプーリ65とを備える。
【0065】
図10に示すように、断面コの字型の第1ステー70が、第1パイプP1の基端側の上面に溶接固定されている。揺動アーム60の基端部62の側面に筒体63が溶接されており、この筒体63が第1ステー70の対峙する2つの側壁の間に配置され、ピン71が筒体63と第1ステー70の2つの側壁にわたって挿通される。即ち、揺動アーム60の基端部62が、第1パイプP1の第1ステー70において、ピン71の軸心R3周りに回動可能に枢支連結されており、これにより、揺動アーム60が第1パイプP1の長手方向(操縦ハンドルHの伸縮方向に沿う方向)に揺動可能に第1パイプP1に支持される。
【0066】
また、揺動アーム60の基端部62の下端が、横側方に折り曲げられることによって、ストッパー部62aが形成されている。即ち、揺動アーム60が第1パイプP1の基端側に揺動するとき、揺動アーム60が第1パイプP1の長手方向に対して略垂直に配置される位置まで揺動すると揺動アーム60のストッパー部62aが第1ステー70の側壁に当接し、それ以上揺動することができないように構成されている。
【0067】
プーリ65は、ワイヤWによって形成されるループRPを支持する部材である。プーリ65は、アーム部材61の折り曲げ部分61aの軸心R4周りに遊転可能に設けられており、折り曲げ部分61aの先端に螺着したナットN2により抜け止めがなされている。また、プーリ65の外周部には、ワイヤWを入り込ませる湾曲凹溝が形成され、プーリ65には、ワイヤWの束の外れを防止するコの字型の外れ止め66が設けられている。この外れ止め66は、プーリ65の外周部に配置されて、アーム部材61の折り曲げ部分61aの軸心R4周りに遊転可能に設けられており、プーリ65と同様に折り曲げ部分61aの先端に螺着したナットN2により抜け止めがなされている。
【0068】
図11に示すように、断面コの字型の第2ステー72が、第1パイプP1の第1接続部21側の上面に溶接固定されている。8の字状のフック部材68が、第2ステー72に対して第1パイプP1の長手方向に揺動可能に設けられている。
【0069】
図10に示すように、受け部材69は、細長いフレームで構成されたラック状の部材であって、第1パイプP1の下面に溶接固定されている。図1に示すように、受け部材69は、第1パイプP1における第1ステー70と第2ステー72との間の中間部に配置され、図10に示すように第1パイプP1の横側方に突き出た状態で設けられている。
【0070】
図7に示すように、コイルバネ67は、その一端が第2ステー72に掛止されており、その他端が、揺動アーム60の起立片64に掛止されている。図10に示すように、起立片64は、揺動アーム60の基端部62の筒体63の外面に溶接固定されている。
【0071】
揺動アーム60の起立片64は、コイルバネ67の弾性復元力によって、常に第1ステー70側に引っ張られる状態となっている。そのため、揺動アーム60のプーリ65は、常に第1パイプP1の基端側(図7の紙面左側)に揺動するように付勢される。
【0072】
〔d〕操縦ハンドルHの伸縮操作時のワイヤの保持
上述の操縦ハンドルHの第1接続部21及び第2接続部22の少なくともいずれかにおいて、操縦ハンドルHの短縮操作を実施すると、操縦ハンドルHが短くなるにつれて、ワイヤWの中間部に形成されるループRPが大きくなる。
【0073】
これは、揺動アーム60のプーリ65がコイルバネ67の働きによって常に第1パイプP1の基端側の方向に揺動するように付勢されるため、操縦ハンドルHの短縮によってワイヤWに弛みが生じようとすると、揺動アーム60が基端部62のピン71を回動支点として図2に示す倒伏した姿勢から徐々に第1パイプP1の基端側に揺動して起立していく。これにより、ループRPが揺動アーム60によって広げられることになるため、ループRPが大きくなる。つまり、揺動アーム60は、コイルバネ67によってワイヤのループRPを大きくする方向に付勢されている。
【0074】
また、操縦ハンドルHの第1接続部21及び第2接続部22の少なくともいずれかにおいて、操縦ハンドルHの伸長操作を実施すると、操縦ハンドルHが長くなるにつれてワイヤWが操作部M側に引っ張られていく。これにより、揺動アーム60が、基端部のピン71を回動支点として図1に示す起立した姿勢から徐々に第1パイプP1の第1接続部21側に揺動して倒伏していくため、ワイヤWの中間部に形成されたループRPが小さくなる。
【0075】
尚、本実施形態では、図1に示す状態が操縦ハンドルHを最も短縮させたときの状態であり、このときループRPの大きさが最大となる。一方、図2に示す状態が操縦ハンドルHを最大に伸長させたときの状態であり、このときループRPの大きさが最小となる。
【0076】
(ハンドル支持部)
図3に示すように、操縦ハンドルHは、ハウジング3の横側面に設けられているハンドル支持部Bにおいて支持されている。
【0077】
図5及び図6に示すように、ハンドル支持部Bは、切換軸心Pと同軸心で配置される縦向き姿勢の筒状体35と、この筒状体35の上端部に備えた水平姿勢の支持プレート36と、筒状体35に対して回転自在に挿入された回転軸37と、支持プレート36の上面に摺接して移動可能となるように回転軸37に連結固定された回転プレート38と、横軸心Qを中心とする円弧面を有し回転プレート38に支持されたロックフレーム40とを備えている。操縦ハンドルHにおける第1パイプP1の基端側に連結された断面コの字型の基端部E(基端ブラケット)を、回転軸37の上端に溶接されているボス部材の両端に亘るように配置して、ボルトを操縦ハンドルHの基端部Eとボス部材とに亘るように挿通してナットを締結させることによって、操縦ハンドルHが横軸心Qを中心として揺動自在に接続される。
【0078】
第1ロック機構L1は、支持プレート36に対して切換軸心Pを中心とする円弧状の領域上に穿設された多数の係合孔36Aと、これらの係合孔36Aに係入する方向にバネ付勢され回転プレート38に支持された第1ロックピン41と、第1ロック解除レバー15(図9参照)の操作力で第1ロックピン41を係合孔36Aから引き出す方向に操作する第1操作ワイヤ45(W)とを備えている。
【0079】
この構成から第1ロック解除レバー15を作業者が握り操作することにより、第1操作ワイヤ45(W)のインナーが引き操作されて、第1ロックピン41が係合孔36Aから上へ抜けるため、切換軸心Pを中心とした操縦ハンドルHの回動姿勢を任意に設定することが可能となる。そして、第1ロック解除レバー15の握り操作を解除することで、第1ロックピン41が係合孔36Aに係入し、切換軸心Pを中心とした操縦ハンドルHの姿勢が維持される。
【0080】
第2ロック機構L2は、ロックフレーム40に穿設された多数の係合孔40Aと、これらの係合孔40Aに係入する方向にバネ付勢され基端部Eに支持された第2ロックピン42と、第2ロック解除レバー16(図9参照)の操作力で第2ロックピン42に対して係合孔40Aから引き出す方向に作用させる第2操作ワイヤ46(W)とを備えている。
【0081】
この構成から第2ロック解除レバー16を作業者が握り操作することにより、第2操作ワイヤ46(W)のインナーが引き操作されて、第2ロックピン42が係合孔40Aから抜けるため、横軸心Qを中心とした操縦ハンドルHの揺動姿勢を任意に設定することが可能となる。そして、第2ロック解除レバー16の握り操作を解除することで、第2ロックピン42が係合孔40Aに係入し、横軸心Qを中心とした操縦ハンドルHの姿勢が維持される。
【0082】
以上の構成により、操縦ハンドルHは、ハンドル支持部Bに対し縦向き姿勢の切換軸心Pを中心として回動自在に支持されると共に、横向きの横軸心Qを中心として姿勢変更自在に支持される。
【0083】
〔その他の実施形態〕
1.上述の実施形態における固定機構を構成する締め付け部材23を、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の先端、及び第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の先端に溶接して構成するようにしても良い。
2.上述の実施形態の第1パイプP1及び第2パイプP2のそれぞれにおける伸縮操作機構Fを、第1パイプP1及び第2パイプP2のそれぞれの長手方向の中間部に設ける構成としても良い。
3.上述の実施形態の固定機構を、外筒に雌ネジ孔を設けて、その雌ネジ孔にネジ式の固定具を螺入させることにより内筒を押圧固定するような構成としても良い。
4.上述の実施形態では、回転体としてスプロケットを採用した例を示したが、複数の係合片を外周部に備えた回転体であれば異なるものであって良く、例えば平ギアや円板状の部材の外周部にピン等の係合片を固定したものであって良い。
5.上述の実施形態では、操縦ハンドルHを第1パイプP1と、第2パイプP2と、第3パイプP3とにより3分割構造で構成した例を示したが、操縦ハンドルHを第1パイプP1と、第2パイプP2との2分割構造で構成しても良く、4分割以上の構造で構成しても良い。この場合、最も先端側のパイプの延出端側に操作部Mを設ければ良く、それぞれのパイプ同士の接続箇所に伸縮操作機構Fを設ければ良い。
6.上述の実施形態では、伸縮操作機構Fをパイプの下側に配置した例を示したが、伸縮操作機構Fをパイプの上側や横側に配置しても良い。
7.上述の実施形態では、ワイヤWのループRPが操縦ハンドルHの上側に形成されるように構成した例を示したが、ワイヤWのループRPが操縦ハンドルHの下側や横側に形成されるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、歩行型草刈機や、歩行型管理機などの歩行型作業機に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
A 作業機本体
H 操縦ハンドル
P1〜P3 第1〜第3パイプ(外筒、内筒)
23 締め付け部材(固定機構)
27 締め込み用レバー(固定機構)
54 スプロケット(回転体)
80 係合穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機に関し、特に操縦ハンドルの長さ調節に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の歩行型作業機としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。この特許文献に記載される歩行型作業機の操縦ハンドルは、内筒と、内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒と、内筒の外周面に形成した嵌入溝に設けられる係止体と、係止体を押圧可能に外筒に設けられる固定具とを備える。かかる構成により、固定具の締め込みを緩めることで、内筒の嵌入溝に対する係止体の圧接を解除して、内筒を外筒に対してスライド移動させて操縦ハンドルの長さを調節し、その後固定具を締め込むことで、固定具が係止体を押して内筒の嵌入溝に圧接させて、内筒の位置を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐165509号公報(図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記歩行型作業機の操縦ハンドルでは、内筒を外筒に対してスライド移動させて伸縮操作を行う際に、内筒と外筒との間にこじれが生じると、そこから内筒をわずかに挿入したりあるいは引き出したりして長さを微調整することが難しくなる場合があり、改善する余地が残されていた。
【0005】
本発明の目的は、内筒のスライド移動による操縦ハンドルの伸縮操作をより滑らかに実施することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の歩行型作業機の第1特徴構成は、作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機であって、前記操縦ハンドルが、複数の係合穴を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒と、該内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒とを備え、前記内筒の係合穴に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体を前記外筒側に回転可能に支持し、該回転体を正回転させると前記内筒を前記外筒の外側に送りだして前記操縦ハンドルを伸長させ、前記回転体を逆回転させると前記内筒を前記外筒の内側に取り込んで前記操縦ハンドルを短縮させる点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、複数の係合片を外周部に備えた回転体を回転させることによって、回転体の係合片を内筒の複数の係合穴に係合させながら、内筒を外筒に対してスライド移動させて、操縦ハンドルの伸縮操作を実施することができる。このため、仮に内筒と外筒との間にこじれが生じた場合も、回転体を回転させることによって、そこから内筒をわずかに挿入したりあるいは引き出したりして長さを微調整することができ、操縦ハンドルの伸縮操作をより滑らかに実施することができる。
また、内筒の基端側の末端部分に係合穴を形成しないようにすれば、回転体の係合片が、内筒の基端側の最も端に位置する係合穴に係合した後は、回転体はそれ以上回転できなくなる。これにより、内筒の外筒からの抜け止めがなされる。
【0008】
第2特徴構成は、前記複数の係合穴を前記内筒の下面に形成してある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、複数の係合穴を内筒の下面に形成すれば、雨水などが係合穴から内筒の内部に侵入する虞が少なくなる。さらに、操縦ハンドルを伸長させたときに内筒の係合穴が見え難く、外観上の見栄えが良い。
【0010】
第3特徴構成は、前記外筒における前記内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に、前記内筒を前記外筒に固定する固定機構を設けてある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、外筒における内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に固定機構を設けてあるため、固定機構を外筒の長手方向の中間部に設ける場合と比べて、外筒に対して内筒をより長く突出させた状態で固定機構により固定することができる。
【0012】
第4特徴構成は、前記回転体を前記固定機構に設けてある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、回転体を固定機構に設けることによって、固定機構を回転体の支持部材に兼用することができ、回転体用の支持部材を新たに別途設ける必要がなくなるためコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】操縦ハンドルを最も短縮させたときの歩行型草刈機の全体側面図である。
【図2】最も伸長させたときの操縦ハンドルの全体側面図である。
【図3】歩行型草刈機の平面図である。
【図4】伝動構造を模式的に示す図である。
【図5】ハンドル支持部の縦断面図である。
【図6】ハンドル支持部の平面図である。
【図7】保持機構の側面図である。
【図8】操縦ハンドルのグリップ及び第3パイプ付近の側面図である。
【図9】操縦ハンドルのグリップ及び第3パイプ付近の平面図である。
【図10】保持機構の縦断正面図である。
【図11】操縦ハンドルの第1接続部付近の側面図である。
【図12】操縦ハンドルの第1接続部付近の平面図である。
【図13】操縦ハンドルの第1接続部付近の縦断正面図である。
【図14】操縦ハンドルの第1接続部付近の縦断側面図である。
【図15】操縦ハンドルの第1接続部付近の拡大縦断正面図である。
【図16】操縦ハンドルの第2接続部付近の縦断側面図である。
【図17】操縦ハンドルの第2接続部付近の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態として、本発明の構成を採用した歩行型草刈機を図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
図1〜図3に示すように、歩行型草刈機は、走行機体を構成する作業機本体Aと、長手方向に沿って伸縮操作可能に作業機本体Aに連結される操縦ハンドルHとを備える。
【0016】
(作業機本体)
作業機本体Aは、前車輪1、後車輪2、ハウジング3、エンジン4、伝動ケース5、刈取機構C、及び走行伝動機構Dを備えて構成される。
【0017】
前車輪1及び後車輪2のそれぞれは、ハウジング3の前端位置及び後端位置に配置される。尚、本明細書において、前側とは、歩行型草刈機の前進方向側(図1の紙面左側)を意味し、後側とは、歩行型草刈機の後進方向側(図1の紙面右側)を意味する。
【0018】
伝動ケース5は、原動部としてのエンジン4を上部に備え、ハウジング3に対して上下に貫通する状態で設けられている。
【0019】
刈取機構Cは、ハウジング3の中に配置され、伝動ケース5の下端の駆動軸6からの駆動力により縦向きの駆動軸心Y周りで回転する複数の刈刃7を備える。また、走行伝動機構Dは、伝動ケース5からの駆動力を前車輪1及び後車輪2に伝えるものである。
【0020】
図4に示すように、伝動ケース5の上部位置には、主クラッチMCを備え、この主クラッチMCからの駆動力を駆動力下端の駆動軸6に伝える刈取用の伝動系に刈取クラッチCCを介装している。
【0021】
また、主クラッチMCからの駆動力を前車輪1及び後車輪2に伝える走行用の伝動系には、駆動速度(単位時間あたりの回転数)を高低2段に切り換える速度切換機構SMと、この速度切換機構SMからの駆動力を前進のための正転駆動力、又は、後進のための逆転駆動力に変換して出力軸8に伝える前後進切換機構FRMとを備えている。
【0022】
刈取クラッチCCは、エンジン4からの駆動力が伝えられる駆動回転体101に対し、駆動軸6にスプライン嵌合するクラッチ部材102を駆動軸心Yに沿ってシフトすることにより伝動状態と動力遮断状態とを現出するドッグクラッチ式に構成されている。
【0023】
速度切換機構SMは、エンジン4からの駆動力がウオームギヤ機構WGによって減速されて伝えられる減速軸103と動力取出軸104とが平行姿勢で配置されると共に、減速軸103に遊転支承した減速側の第1ギヤ105と、これに噛合することで動力取出軸104に動力を伝える第2ギヤ106と、減速軸103に遊転支承した増速側の第3ギヤ107と、これに噛合することで動力取出軸104に動力を伝える第4ギヤ108とを備え、更に、減速軸103にスプライン嵌合し、シフト作動により第1ギヤ105又は第3ギヤ107の何れかに噛合するシフト部材109を備えている。
【0024】
前後進切換機構FRMは、動力取出軸104と一体回転するベベルギヤ110と、このベベルギヤ110に噛合するように出力軸8に遊転支承した一対の切換ギヤ111と、出力軸8にスプライン嵌合し、シフト作動により一対の切換ギヤ111の何れかに噛合する切換部材112とを備えている。
【0025】
前述した出力軸8が、前述したハンドル支持部Bと反対側に突出する形態で配置されている。走行伝動機構Dとして、出力軸8からの駆動力が伝えられる主チェーンケース10と、この主チェーンケース10の前端側からの駆動力を前車輪1に伝える前部チェーンケース11と、主チェーンケース10の後端部からの駆動力を後車輪2に伝える後部チェーンケース12とを備えている。
【0026】
(操縦ハンドル)
図1及び図2に示すように、操縦ハンドルHは、延出端側に設けられる操作部Mと、ハウジング3の横側面に設けられるハンドル支持部Bに支持される基端部Eと、それぞれ外径の大きさが異なる第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3とを備える。
【0027】
〔1〕操作部
図8及び図9に示すように、操作部Mは、作業者が作業中に把持するループ状のグリップGと、主クラッチMCを操作する主クラッチレバー13と、前後進切換機構FRMを変速操作する前後進切換レバー14と、第1ロック機構L1の解除操作を行う第1ロック解除レバー15と、第2ロック機構L2の解除操作を行う第2ロック解除レバー16と、エンジン4の回転速度を設定するスロットル操作具17と、速度切換機構SMを操作する変速操作具18と、刈取クラッチCCを操作するクラッチ操作具19とを備える。
【0028】
操作部Mの主クラッチレバー13、前後進切換レバー14、第1ロック解除レバー15、第2ロック解除レバー16、スロットル操作具17、変速操作具18、及びクラッチ操作具19のそれぞれが、作業機本体A側に設けられる被操作部の主クラッチMC、前後進切換機構FRM、第1ロック機構L1、第2ロック機構L2、エンジン4、速度切換機構SM、及び刈取クラッチCCとそれぞれのワイヤWを介して連係されている。そして、図1及び図2に示すように、これらのワイヤWの束が、操縦ハンドルHに沿って、後述する第1接続部21のU字状のブラケット55、第2接続部22のU字状のブラケット55及び保持機構Kによってループ状に支持されている。
【0029】
より詳細には、図1及び図2に示すように、ワイヤWは、作業機本体A側の各被操作部から第1パイプP1に沿って先端側(操縦ハンドルHの操作部M側)に延出し、保持機構Kの受け部材69とフック部材68により支持されつつ第1パイプP1の基端側(操縦ハンドルHの基端部E側)に湾曲する。そして、保持機構Kの揺動アーム60のプーリ65に支持されて、傾斜姿勢の操縦ハンドルHの上側にループRPを形成しながら第1パイプP1の先端側に湾曲し、再び受け部材69に支持されながら、第1接続部21のU字状のブラケット55及び第2接続部22のU字状のブラケット55の中を通って、操作部Mに接続される。尚、各ワイヤWの長さは、操縦ハンドルHを最大に伸長させたときの長さに対応させてある。
【0030】
〔2〕第1〜第3パイプ
図2に示すように、細長い筒状の第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3は、この順序で基端部E側から順に配置されて接続される。第1パイプP1の内径の大きさは、第2パイプP2の外径の大きさよりも大きく、第2パイプP2の内径の大きさは、第1パイプP1の外径の大きさより大きく構成されている。これにより、第1パイプP1は、第2パイプP2を挿入及び引き出し自在に収容可能であり、第2パイプP2は、第3パイプP3を挿入及び引き出し自在に収容可能に構成される。即ち、第1パイプP1と第2パイプP2とでは、第1パイプP1が外筒で第2パイプP2が内筒であり、第2パイプP2と第3パイプP3とでは、第2パイプP2が外筒で第3パイプP3が内筒である。また、これらの第1パイプP1、第2パイプP2、及び第3パイプP3に適用可能な素材としては、例えば、スチール製、及びアルミ製などが挙げられるが、特にこれらの素材に限定されるものではない。尚、本実施形態では、第1パイプP1及び第2パイプP2をスチール製として、第3パイプP3をアルミ製とする。
【0031】
図14及び図15に示すように、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の端部の下面に開口部ap1が形成され、その端部の横側面に長手方向に沿うスリットS1が形成されている。
【0032】
図16及び図17に示すように、第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の端部の下面に開口部ap2が形成され、その端部の横側面に長手方向に沿うスリットS2が形成されている。
【0033】
図14及び図16に示すように、第2パイプP2及び第3パイプP3のそれぞれの下面には、複数の係合穴80が、第2パイプP2及び第3パイプP3のそれぞれの基端側(操縦ハンドルHの基端部E側)の末端部分を除いて、長手方向に沿って一定間隔で形成されている。尚、係合穴80の形状は、丸形に限らず、四角形など、多角形を有するものでも良い。
【0034】
図14及び図15に示すように、第1パイプP1の端部の内面に樹脂パイプ81が取り付けられて、樹脂パイプ81に第2パイプP2が挿入されている。この樹脂パイプ81は、その外径が第1パイプP1の内径と略等しく且つその内径が第2パイプP2の外径と略等しいため、水やごみ等が第1パイプP1と第2パイプP2との隙間から侵入するのを防ぐと共に、第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する際の第1パイプP1の内面と第2パイプP2の外面との間に生じる摩擦を低減させて、第2パイプP2の外周面に施される塗装がはがれるのを防止する。尚、この樹脂パイプ81にも開口部ap4が形成されている。
【0035】
〔a〕第1接続部及び第2接続部
図2に示すように、第2パイプP2を第1パイプP1に固定する第1接続部21が、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の端部に設けられている。また、第3パイプP3を第2パイプP2に固定する第2接続部22が、第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の端部に設けられている。
【0036】
図14及び図15に示すように、第1接続部21は、第1パイプP1の端部の外周面を取り巻くように配置されるリング状の締め付け部材23と、締め付け部材23を半径方向中心側に締め込むための締め込み用レバー27と、締め付け部材23のリング部分23aの下面に溶接固定される伸縮操作機構Fと、ワイヤを支持するU字状のブラケット55とを備える。締め付け部材23と締め込み用レバー27によって、第2パイプP2を第1パイプP1に対してより確実に固定するための固定機構が構成されている。
【0037】
図15に示すように、締め付け部材23は、そのリング部分23aの一部が横側方に向けて開放されており、その開放部分にL字型の締め込み用レバー27が設けられている。また、締め付け部材23のリング部分23aの下面には、開口部ap3が形成されている。
【0038】
締め付け部材23の開放部分は、横側方に突出した状態で上下に配置される2つの突出部23b,23cから構成されている。締め込み用レバー27の基端部が、2つの突出部23b,23cにわたって貫通した状態で設けられており、下側の突出部23cから下に突き出た部分に抜け止め用のダブルナット28を設けることによって、締め込み用レバー27がその基端部の軸心R1周りに回動可能に取り付けられている。
【0039】
締め込み用レバー27の基端部、及び上側の突出部23bの上面のそれぞれには、同じ傾斜角度の傾斜面を有するカム部材29a,29bが溶接されている。図13及び図15に示す状態では、2つのカム部材29a,29bのそれぞれの傾斜面が互いに密着しており、締め付け部材23による第1パイプP1の締め付けがなされていない状態となっている。
【0040】
図12及び図13に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させると、締め込み用レバー27側のカム部材29aの回転に伴って、2つのカム部材29a,29bの間に隙間が生じて、締め込み用レバー27が上方に移動する。これにより、締め付け部材23の下側の突出部23cが、締め込み用レバー27のダブルナット28に押し上げられて上に移動して上側の突出部23bに接近する。その結果、第1パイプP1が、締め付け部材23のリング部分23aによって半径方向中心側に締め付けられ、第1パイプP1のスリットS1の幅が狭められて第1パイプP1の端部が縮径することによって、第2パイプP2が第1パイプP1に固定される。
【0041】
図14及び図15に示すように、伸縮操作機構Fは、複数の係合片を外周部に備えた回転体の一例としてのスプロケット54と、スプロケット54と伸縮操作用レバー53とを支持する支持部材50と、スプロケット54を回転操作するためのクランク形状の伸縮操作用レバー53とを備える。スプロケット54は、支持部材50の内部に位置する配置でスプロケット54に回転可能に支持されている。伸縮操作機構Fは、締め付け部材23のリング部分23aの下面に固定されている。
【0042】
支持部材50は、締め付け部材23のリング部分23aの下面に溶接した2つのボルト挿通部49と、ボルト挿通部49の両端にボルト連結された2つのプレート51と、プレート51の下端に溶接された断面コの字型のカバー部材52とを備える。
【0043】
2つのプレート51には、伸縮操作用レバー53の基端部を支持するための挿通孔51aが形成されている。スプロケット54は、伸縮操作用レバー53の基端部に固定されており、伸縮操作用レバー53の基端部がスプロケット54の回転中心を貫通した状態で2つのプレート51の挿通孔51aに亘るように設置される。これにより伸縮操作用レバー53とスプロケット54が、伸縮操作用レバー53の基端部の軸心R2周りに回転可能に支持される。
【0044】
図13及び図14に示すように、U字状のブラケット55の両端の平板部56が、支持部材50の上前端部のボルト挿通部49に設けるボルトB1及びナットN1によって、プレート51と共に共締め固定されている。
【0045】
図14及び図15に示すように、スプロケット54の上方には、締め付け部材23のリング部分23aの開口部ap3、第1パイプP1の開口部ap1、及び樹脂パイプ81の開口部ap4が、上下方向に連通するように配置され、さらにこれらの開口部ap1,ap3,ap4の上方に第2パイプP2の係合穴80が配置される。
【0046】
第2接続部22は、上記第1接続部21と略同様の構成を有するものであり、第1接続部21で説明した構成部品と同じ作用を有する構成部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
図16及び図17に示すように、第2パイプP2及び第3パイプP3は、樹脂パイプ81を備えずに直接挿入されている。第2接続部22のスプロケット54の上方には、締め付け部材23のリング部分23aの開口部ap3、及び第2パイプP1の開口部ap2が、上下方向に連通するように配置され、さらにこれらの開口部ap2,ap3の上方に第3パイプP3の係合穴80が配置される。
【0048】
尚、図15及び図17に示すように、第1接続部21の締め込み用レバー27及び伸縮操作用レバー53のそれぞれの取付位置は、第2接続部22の締め込み用レバー27及び伸縮操作用レバー53のそれぞれの取付位置と、第1〜第3パイプP1〜P3を挟んで逆側になるように取付けられている。
【0049】
〔b〕操縦ハンドルHの伸縮操作
第1接続部21において、操縦ハンドルHの伸縮操作を実施する場合について説明する。
まず、図12に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに回動させて、締め付け部材23による第1パイプP1の締め付けを解除する。本実施形態では、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させることにより、操縦ハンドルHの長手方向に沿う固定姿勢(図12の実線部分)から、操縦ハンドルHの長手方向に直行する方向に沿う解除姿勢(図12の二点鎖線部分)に変更する。
【0050】
次いで、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに回転させることによって、第2パイプP2を第1パイプP1から引き出すかあるいは第2パイプP2を第1パイプP1の中に挿入する操作を行う。このとき、操縦ハンドルHを大きく伸縮させるときは、作業者が操作部MのグリップGを持ちながら第2パイプP2を押し引きすれば、伸縮操作用レバー53が回転して操縦ハンドルHが伸縮する。一方、長さを微調整するときは、作業者が伸縮操作用レバー53を持って回転させれば良い。つまり、操作部MのグリップGの押し引き操作と、伸縮操作用レバー53の回転操作とを組み合わせることによって、操縦ハンドルHの伸縮操作をスムーズに実施することができる。
【0051】
第2パイプP2を第1パイプP1から引き出す場合は、伸縮操作用レバー53を、その基端部の軸心R2周りに正回転させる。これにより、図14に示すスプロケット54が正回転し(本実施形態では、スプロケット54が時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が、上方に連通する3つの開口部ap1,ap3,ap4を通って第2パイプP2の複数の係合穴80に順次係合していき、第2パイプP2が第1パイプP1の外側に送り出されるため、操縦ハンドルHが伸長する。
【0052】
このとき、スプロケット54の歯が、第2パイプP2の係合穴80に係合しているため、第2パイプP2がその軸心周りに回転することがない。また、第2パイプP2の基端側の末端部分には係合穴80が形成されていないため、スプロケット54の歯が、第2パイプP2の基端側の最も端に位置する係合穴80に係合した後は、スプロケット54はそれ以上回転できなくなる。これにより、第2パイプP2の第1パイプP1からの抜け止めがなされる。
【0053】
一方、第2パイプP2を第1パイプP1に挿入する場合は、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに逆回転させる。これにより、図14に示すスプロケット54が逆回転し(本実施形態では、スプロケット54が反時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が第2パイプP2の複数の係合穴80に順次係合していき、第2パイプP2を第1パイプP1の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させる。
【0054】
第2パイプP2を所望する長さに調整した後、再び締め込み用レバー27を、その基端部の軸心周りに90度回動させて、操縦ハンドルHの長手方向に直行する方向に沿う解除姿勢(図12の二点鎖線部分)から、操縦ハンドルHの長手方向に沿う固定姿勢(図12の実線部分)に変更して、締め付け部材23により第1パイプP1を締め付けて第2パイプP2を固定して伸縮操作を完了する。
【0055】
図16及び図17に示す第2接続部22において操縦ハンドルHの伸縮操作を実施する場合も、上記第1接続部21の場合と同様の操作を行うことによって、第3パイプP3を第2パイプP2の外側に送り出して操縦ハンドルHを伸長させたり、あるいは第3パイプP3を第2パイプP2の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させることにより、操縦ハンドルHの伸縮操作を実施することができる。
【0056】
まず、図9に示すように、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに回動させて、締め付け部材23による第2パイプP2の締め付けを解除する。本実施形態では、締め込み用レバー27を、その基端部の軸心R1周りに90度回動させることにより、固定姿勢(図9の実線部分)から解除姿勢(図9の二点鎖線部分)に変更する。
【0057】
次いで、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに回転させることによって、第3パイプP3を第2パイプP2から引き出すかあるいは第3パイプP3を第2パイプP2の中に挿入する操作を行う。このとき、操縦ハンドルHを大きく伸縮させるときは、作業者が操作部MのグリップGを持ちながら第3パイプP3を押し引きすれば、伸縮操作用レバー53が回転して操縦ハンドルHが伸縮する。一方、長さを微調整するときは、作業者が伸縮操作用レバー53を持って回転させれば良い。つまり、操作部MのグリップGの押し引き操作と、伸縮操作用レバー53の回転操作とを組み合わせることによって、操縦ハンドルHの伸縮操作をスムーズに実施することができる。
【0058】
第3パイプP3を第2パイプP2から引き出す場合は、伸縮操作用レバー53を、その基端部の軸心R2周りに正回転させる。これにより、図16に示すスプロケット54が正回転し(本実施形態では、スプロケット54が時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が、上方に連通する3つの開口部ap2,ap3を通って第3パイプP3の複数の係合穴80に順次係合していき、第3パイプP3が第2パイプP2の外側に送り出されるため、操縦ハンドルHが伸長する。
【0059】
このとき、スプロケット54の歯が、第3パイプP3の係合穴80に係合しているため、第3パイプP3がその軸心周りに回転することがない。また、第3パイプP3の基端側の末端部分には係合穴80が形成されていないため、スプロケット54の歯が、第3パイプP3の基端側の最も端に位置する係合穴80に係合した後は、スプロケット54はそれ以上回転できなくなる。これにより、第3パイプP3の第2パイプP2からの抜け止めがなされる。
【0060】
一方、第3パイプP3を第2パイプP2に挿入する場合は、伸縮操作用レバー53をその基端部の軸心R2周りに逆回転させる。これにより、図16に示すスプロケット54が逆回転し(本実施形態では、スプロケット54が反時計回りに回転する)、スプロケット54の歯が第3パイプP3の複数の係合穴80に順次係合していき、第3パイプP3を第2パイプP2の内側に取り込んで操縦ハンドルHを短縮させる。
【0061】
第3パイプP3を所望する長さに調整した後、再び締め込み用レバー27を、その基端部の軸心周りに90度回動させて、解除姿勢(図9の二点鎖線部分)から固定姿勢(図9の実線部分)に変更して、締め付け部材23により第2パイプP2を締め付けて第3パイプP3を固定して伸縮操作を完了する。
尚、第1接続部21及び第2接続部22は、それぞれ独立して伸縮操作を実施することができるように構成されている。
【0062】
〔c〕保持機構
図1及び図2に示すように、第1パイプP1の上方に形成されたループRPを保持する保持機構Kが、操縦ハンドルHの第1パイプP1に設けられている。
【0063】
保持機構Kは、第1パイプP1の基端側(操縦ハンドルHの基端部側)に設けられる揺動アーム60と、第1パイプP1の長手方向に沿って配置されるバネ部材としてのコイルバネ67と、第1パイプP1の第1接続部21側に設けられるフック部材68と、第1パイプP1の横側面に設けられる受け部材69とを備える。尚、これらの構成部材のうち、フック部材68と受け部材69は、ワイヤWの中間部に形成されたループRPをより安定に保持するためのものであるため、これらの部材については必要に応じて設ける構成としても良い。
【0064】
図7及び図10に示すように、揺動アーム60は、L字型の棒状のアーム部材61と、アーム部材61の端部に溶接される基端部62と、アーム部材61の先端の折り曲げ部分61aに設けられるプーリ65とを備える。
【0065】
図10に示すように、断面コの字型の第1ステー70が、第1パイプP1の基端側の上面に溶接固定されている。揺動アーム60の基端部62の側面に筒体63が溶接されており、この筒体63が第1ステー70の対峙する2つの側壁の間に配置され、ピン71が筒体63と第1ステー70の2つの側壁にわたって挿通される。即ち、揺動アーム60の基端部62が、第1パイプP1の第1ステー70において、ピン71の軸心R3周りに回動可能に枢支連結されており、これにより、揺動アーム60が第1パイプP1の長手方向(操縦ハンドルHの伸縮方向に沿う方向)に揺動可能に第1パイプP1に支持される。
【0066】
また、揺動アーム60の基端部62の下端が、横側方に折り曲げられることによって、ストッパー部62aが形成されている。即ち、揺動アーム60が第1パイプP1の基端側に揺動するとき、揺動アーム60が第1パイプP1の長手方向に対して略垂直に配置される位置まで揺動すると揺動アーム60のストッパー部62aが第1ステー70の側壁に当接し、それ以上揺動することができないように構成されている。
【0067】
プーリ65は、ワイヤWによって形成されるループRPを支持する部材である。プーリ65は、アーム部材61の折り曲げ部分61aの軸心R4周りに遊転可能に設けられており、折り曲げ部分61aの先端に螺着したナットN2により抜け止めがなされている。また、プーリ65の外周部には、ワイヤWを入り込ませる湾曲凹溝が形成され、プーリ65には、ワイヤWの束の外れを防止するコの字型の外れ止め66が設けられている。この外れ止め66は、プーリ65の外周部に配置されて、アーム部材61の折り曲げ部分61aの軸心R4周りに遊転可能に設けられており、プーリ65と同様に折り曲げ部分61aの先端に螺着したナットN2により抜け止めがなされている。
【0068】
図11に示すように、断面コの字型の第2ステー72が、第1パイプP1の第1接続部21側の上面に溶接固定されている。8の字状のフック部材68が、第2ステー72に対して第1パイプP1の長手方向に揺動可能に設けられている。
【0069】
図10に示すように、受け部材69は、細長いフレームで構成されたラック状の部材であって、第1パイプP1の下面に溶接固定されている。図1に示すように、受け部材69は、第1パイプP1における第1ステー70と第2ステー72との間の中間部に配置され、図10に示すように第1パイプP1の横側方に突き出た状態で設けられている。
【0070】
図7に示すように、コイルバネ67は、その一端が第2ステー72に掛止されており、その他端が、揺動アーム60の起立片64に掛止されている。図10に示すように、起立片64は、揺動アーム60の基端部62の筒体63の外面に溶接固定されている。
【0071】
揺動アーム60の起立片64は、コイルバネ67の弾性復元力によって、常に第1ステー70側に引っ張られる状態となっている。そのため、揺動アーム60のプーリ65は、常に第1パイプP1の基端側(図7の紙面左側)に揺動するように付勢される。
【0072】
〔d〕操縦ハンドルHの伸縮操作時のワイヤの保持
上述の操縦ハンドルHの第1接続部21及び第2接続部22の少なくともいずれかにおいて、操縦ハンドルHの短縮操作を実施すると、操縦ハンドルHが短くなるにつれて、ワイヤWの中間部に形成されるループRPが大きくなる。
【0073】
これは、揺動アーム60のプーリ65がコイルバネ67の働きによって常に第1パイプP1の基端側の方向に揺動するように付勢されるため、操縦ハンドルHの短縮によってワイヤWに弛みが生じようとすると、揺動アーム60が基端部62のピン71を回動支点として図2に示す倒伏した姿勢から徐々に第1パイプP1の基端側に揺動して起立していく。これにより、ループRPが揺動アーム60によって広げられることになるため、ループRPが大きくなる。つまり、揺動アーム60は、コイルバネ67によってワイヤのループRPを大きくする方向に付勢されている。
【0074】
また、操縦ハンドルHの第1接続部21及び第2接続部22の少なくともいずれかにおいて、操縦ハンドルHの伸長操作を実施すると、操縦ハンドルHが長くなるにつれてワイヤWが操作部M側に引っ張られていく。これにより、揺動アーム60が、基端部のピン71を回動支点として図1に示す起立した姿勢から徐々に第1パイプP1の第1接続部21側に揺動して倒伏していくため、ワイヤWの中間部に形成されたループRPが小さくなる。
【0075】
尚、本実施形態では、図1に示す状態が操縦ハンドルHを最も短縮させたときの状態であり、このときループRPの大きさが最大となる。一方、図2に示す状態が操縦ハンドルHを最大に伸長させたときの状態であり、このときループRPの大きさが最小となる。
【0076】
(ハンドル支持部)
図3に示すように、操縦ハンドルHは、ハウジング3の横側面に設けられているハンドル支持部Bにおいて支持されている。
【0077】
図5及び図6に示すように、ハンドル支持部Bは、切換軸心Pと同軸心で配置される縦向き姿勢の筒状体35と、この筒状体35の上端部に備えた水平姿勢の支持プレート36と、筒状体35に対して回転自在に挿入された回転軸37と、支持プレート36の上面に摺接して移動可能となるように回転軸37に連結固定された回転プレート38と、横軸心Qを中心とする円弧面を有し回転プレート38に支持されたロックフレーム40とを備えている。操縦ハンドルHにおける第1パイプP1の基端側に連結された断面コの字型の基端部E(基端ブラケット)を、回転軸37の上端に溶接されているボス部材の両端に亘るように配置して、ボルトを操縦ハンドルHの基端部Eとボス部材とに亘るように挿通してナットを締結させることによって、操縦ハンドルHが横軸心Qを中心として揺動自在に接続される。
【0078】
第1ロック機構L1は、支持プレート36に対して切換軸心Pを中心とする円弧状の領域上に穿設された多数の係合孔36Aと、これらの係合孔36Aに係入する方向にバネ付勢され回転プレート38に支持された第1ロックピン41と、第1ロック解除レバー15(図9参照)の操作力で第1ロックピン41を係合孔36Aから引き出す方向に操作する第1操作ワイヤ45(W)とを備えている。
【0079】
この構成から第1ロック解除レバー15を作業者が握り操作することにより、第1操作ワイヤ45(W)のインナーが引き操作されて、第1ロックピン41が係合孔36Aから上へ抜けるため、切換軸心Pを中心とした操縦ハンドルHの回動姿勢を任意に設定することが可能となる。そして、第1ロック解除レバー15の握り操作を解除することで、第1ロックピン41が係合孔36Aに係入し、切換軸心Pを中心とした操縦ハンドルHの姿勢が維持される。
【0080】
第2ロック機構L2は、ロックフレーム40に穿設された多数の係合孔40Aと、これらの係合孔40Aに係入する方向にバネ付勢され基端部Eに支持された第2ロックピン42と、第2ロック解除レバー16(図9参照)の操作力で第2ロックピン42に対して係合孔40Aから引き出す方向に作用させる第2操作ワイヤ46(W)とを備えている。
【0081】
この構成から第2ロック解除レバー16を作業者が握り操作することにより、第2操作ワイヤ46(W)のインナーが引き操作されて、第2ロックピン42が係合孔40Aから抜けるため、横軸心Qを中心とした操縦ハンドルHの揺動姿勢を任意に設定することが可能となる。そして、第2ロック解除レバー16の握り操作を解除することで、第2ロックピン42が係合孔40Aに係入し、横軸心Qを中心とした操縦ハンドルHの姿勢が維持される。
【0082】
以上の構成により、操縦ハンドルHは、ハンドル支持部Bに対し縦向き姿勢の切換軸心Pを中心として回動自在に支持されると共に、横向きの横軸心Qを中心として姿勢変更自在に支持される。
【0083】
〔その他の実施形態〕
1.上述の実施形態における固定機構を構成する締め付け部材23を、第1パイプP1における第2パイプP2を挿入及び引き出し操作する側の先端、及び第2パイプP2における第3パイプP3を挿入及び引き出し操作する側の先端に溶接して構成するようにしても良い。
2.上述の実施形態の第1パイプP1及び第2パイプP2のそれぞれにおける伸縮操作機構Fを、第1パイプP1及び第2パイプP2のそれぞれの長手方向の中間部に設ける構成としても良い。
3.上述の実施形態の固定機構を、外筒に雌ネジ孔を設けて、その雌ネジ孔にネジ式の固定具を螺入させることにより内筒を押圧固定するような構成としても良い。
4.上述の実施形態では、回転体としてスプロケットを採用した例を示したが、複数の係合片を外周部に備えた回転体であれば異なるものであって良く、例えば平ギアや円板状の部材の外周部にピン等の係合片を固定したものであって良い。
5.上述の実施形態では、操縦ハンドルHを第1パイプP1と、第2パイプP2と、第3パイプP3とにより3分割構造で構成した例を示したが、操縦ハンドルHを第1パイプP1と、第2パイプP2との2分割構造で構成しても良く、4分割以上の構造で構成しても良い。この場合、最も先端側のパイプの延出端側に操作部Mを設ければ良く、それぞれのパイプ同士の接続箇所に伸縮操作機構Fを設ければ良い。
6.上述の実施形態では、伸縮操作機構Fをパイプの下側に配置した例を示したが、伸縮操作機構Fをパイプの上側や横側に配置しても良い。
7.上述の実施形態では、ワイヤWのループRPが操縦ハンドルHの上側に形成されるように構成した例を示したが、ワイヤWのループRPが操縦ハンドルHの下側や横側に形成されるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、歩行型草刈機や、歩行型管理機などの歩行型作業機に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
A 作業機本体
H 操縦ハンドル
P1〜P3 第1〜第3パイプ(外筒、内筒)
23 締め付け部材(固定機構)
27 締め込み用レバー(固定機構)
54 スプロケット(回転体)
80 係合穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機であって、
前記操縦ハンドルが、複数の係合穴を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒と、該内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒とを備え、前記内筒の係合穴に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体を前記外筒側に回転可能に支持し、該回転体を正回転させると前記内筒を前記外筒の外側に送りだして前記操縦ハンドルを伸長させ、前記回転体を逆回転させると前記内筒を前記外筒の内側に取り込んで前記操縦ハンドルを短縮させる歩行型作業機。
【請求項2】
前記複数の係合穴を前記内筒の下面に形成してある請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記外筒における前記内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に、前記内筒を前記外筒に固定する固定機構を設けてある請求項1又は2に記載の歩行型作業機。
【請求項4】
前記回転体を前記固定機構に設けてある請求項3に記載の歩行型作業機。
【請求項1】
作業機本体と、長手方向に沿って伸縮操作可能に前記作業機本体に連結される操縦ハンドルとを備える歩行型作業機であって、
前記操縦ハンドルが、複数の係合穴を長手方向に沿って一定間隔で外面に形成してある内筒と、該内筒を挿入及び引き出し自在に収容する外筒とを備え、前記内筒の係合穴に係合する複数の係合片を外周部に備えた回転体を前記外筒側に回転可能に支持し、該回転体を正回転させると前記内筒を前記外筒の外側に送りだして前記操縦ハンドルを伸長させ、前記回転体を逆回転させると前記内筒を前記外筒の内側に取り込んで前記操縦ハンドルを短縮させる歩行型作業機。
【請求項2】
前記複数の係合穴を前記内筒の下面に形成してある請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記外筒における前記内筒を挿入及び引き出し操作する側の端部に、前記内筒を前記外筒に固定する固定機構を設けてある請求項1又は2に記載の歩行型作業機。
【請求項4】
前記回転体を前記固定機構に設けてある請求項3に記載の歩行型作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−152141(P2012−152141A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14376(P2011−14376)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(599118768)株式会社斎藤農機製作所 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(599118768)株式会社斎藤農機製作所 (47)
【Fターム(参考)】
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