説明

気泡混合軽量土の処理方法

【課題】使用後の気泡混合軽量土軽量土を処理する場合、処理費が嵩まずかつ簡単に処理できる気泡混合軽量土の処理方法を提供することである。
【解決手段】気泡混合軽量土の処理方法は、気泡混合軽量土1の使用後に、該気泡混合軽量土1中の気泡5を潰して体積を減少させることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気泡混合軽量土の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、軟弱地盤などの地盤改良をする場合、軟弱地盤内に改良機械を搬入するための仮設道路を気泡混合軽量土などで盛土造成し、地盤改良が終了した後に、この仮設道路を解体して、その残土を他の箇所に運搬処理している。またこの他の気泡混合軽量土の処理方法としては、例えば特開2004−156275号公報の発明が開示されている。
【特許文献1】特開2004−156275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のように気泡混合軽量土で盛土造成した仮設道路を解体して処理する場合は、盛土の体積分の処理費がかかる他、この気泡混合軽量土を再利用する場合も、盛土の体積分の利用先、すなわち利用箇所の確保が必要であるため、その確保が困難であった。
【0004】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用後の気泡混合軽量土を処理する場合、処理費が嵩まずかつ簡単に処理できる気泡混合軽量土の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための気泡混合軽量土の処理方法は、気泡混合軽量土の使用後に、該気泡混合軽量土中の気泡を潰して体積を減少させることを特徴とする。また気泡混合軽量土中の気泡を任意の量に管理することを含む。また気泡混合軽量土中の気泡量は全体積の30%以上であることを含む。また気泡混合軽量土中の気泡量の70%以上を潰すことを含むものである。
【発明の効果】
【0006】
気泡混合軽量土の使用後に、該気泡混合軽量土中の気泡を潰して体積を減少させることにより、処理費が嵩まずかつ簡単に処理できる。また体積が減少するため再利用する際にも利用先の確保が簡単にできる。また気泡混合軽量土中の気泡量を任意の量に管理することにより、処理する箇所や再利用の箇所を自由に選ぶことが可能になった。また気泡混合軽量土中の気泡量を全体積の30%以上にしたことにより、密度が軽くなるため軟弱地盤にかかる荷重が小さくなるとともに、沈下抑制や周辺への影響が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の気泡混合軽量土の処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この気泡混合軽量土1は盛土などを造成する箇所の土砂(土粒子)2と水3とセメント4および、体積の50%以上の気泡5を混合して形成したものである。本発明は、このように土中に人為的に形成した気泡5を計画的に潰して気泡量を減少させることにより、気泡混合軽量土1の体積を減少させるものである。すなわち使用前に人為的に大きくしたものを、使用後に人為的に小さくして処理しようとするものである。
【0008】
図1はこのような気泡混合軽量土1を軟弱地盤6上に盛土して造成した仮設道路7の断面図である。この気泡混合軽量土1には体積の50%以上の気泡5が混合されているため、体積変化を大きくすることができるとともに、密度が軽くなって軟弱地盤6にかかる荷重を小さくすることができ、かつ沈下抑制や周辺地盤への影響を軽減することもできる。
【0009】
次に、この気泡混合軽量土1からなる仮設道路7を撤去する場合は、この仮設道路7の盛土を掘削・解砕して、再利用する箇所に運搬し、ローラーやタンパなどで転圧することにより気泡混合軽量土1中の気泡5を潰して体積を小さくする。例えば、気泡混合軽量土1中の気泡量(体積の50%以上)の70%以上を潰すと、35%以上の体積が減少するため、同図に示すように、再利用箇所8が小さくても対応することができる。
【0010】
この気泡量の減少は、必要に応じて任意に設定することができ、再利用箇所8の大きさなどによって決定し、その削減量は予め決めておくものとする。
【実施例】
【0011】
次に、本発明の実施例について説明する。下記の表1に示す配合の気泡混合軽量土を用いて材令28日以降の強度を確認した後、気泡混合軽量土を解砕して突固めによる土の締固め試験および締固め土のコーン指数試験を行った。
【0012】
【表1】

【0013】
この結果、解砕前の気泡混合軽量土の状態は以下の通りである。
〔試験前(解砕前)〕
湿潤密度 0.61g/cm
含水比 58.20%
一軸圧縮強さ(q)840.00KN/mて(材令28日)
〔試験後(解砕後)〕
湿潤密度 1.15〜1.19g/cm
含水比 67.0〜80%
コーン指数(q)8700〜11700KN/m
空気間隙率 24.5〜25.3%
【0014】
この結果、気泡量が65%から25%に減少するため、解砕して締固めることで40%程度の体積が減少している。また締固め後の強度としてコーン指数でq=10000KN/m程度が得られる。また締固め後でも湿潤密度が1.2g/m程度まで上昇するが、砂盛土などの1.8g/mに比べて軽量性を保っている。
【0015】
このように気泡5を潰して体積を減少させることにより、気泡混合軽量土の処理費が嵩まずかつ簡単に処理できるという本発明の効果を確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】気泡混合軽量土の処理方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 気泡混合軽量土
2 土砂
3 水
4 セメント
5 気泡
6 軟弱地盤
7 架設道路
8 再利用箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡混合軽量土の使用後に、該気泡混合軽量土中の気泡を潰して体積を減少させることを特徴とする気泡混合軽量土の処理方法。
【請求項2】
気泡混合軽量土中の気泡量を任意の量に管理することを特徴とする請求項1に記載の気泡混合軽量土の処理方法。
【請求項3】
気泡混合軽量土中の気泡量は全体積の30%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の気泡混合軽量土の処理方法。
【請求項4】
気泡混合軽量土中の気泡量の70%以上を潰すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気泡混合軽量土の処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−270429(P2007−270429A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93829(P2006−93829)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(591172537)太平洋ソイル株式会社 (14)
【Fターム(参考)】