説明

水中運動用滑り止めサポーター

【課題】着脱が容易な水中運動用滑り止めサポーターを提供する。
【解決手段】 少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部(2,5)となっており、裏面に滑り止め部(6)が加工されている水中運動用滑り止めサポーター(1)である。前記足指先端部分の開口部(5)が、親指根元を収容する円筒(51)、人差し指及び中指の根元を収容する円筒(52)、薬指及び小指の根元を収容する円筒(53)、の3円筒からなるのが好ましい。さらに、足首部分及び足指先端部分以外に足の甲及び踵部分を開口部(3,4)とするのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プールでの水中ウォーキング、エクササイズ、アクアビクスで使用する水中運動用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
健康の管理・増進のために多くの人がプールで水中ウォーキング、エクササイズ、アクアビクス等の運動を行っている。そのとき、裸足のままであれば、水の浮力のためにプールの底に足裏が確実に着地できずに転倒するようなことがあった。また、濡れたプールサイドですべって転倒するような事故もあった。
【0003】
このような問題に対して、従来、例えば、特開2000−166608、特開2008−104593に記載されているような水中・プールサイド歩行用シューズが提案されている。また、特開平11−244416号、特開2004−65752に記載されているような水中歩行用の装着具も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の製品は、足裏がプール底に馴染まず、靴を履いたまま濡れるといった違和感を拭えない問題があり、足首とのフィット感は締め付け過ぎても緩過ぎても裸足運動としての充足感を損なうことになるといった問題があった。
【0005】
また、この製品は足に密着させて着用するものであるので、力を込めて引っ張ったり伸ばしたりして足指に装着しなければならないが、それが面倒で時間がかかるという問題もあった。
【0006】
本発明はこれらの問題点を解決し、足首とのフィット感がよく、着脱が容易な水中運動用滑り止めサポーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第一の観点では、少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部となっており、裏面に滑り止め部が加工されている水中運動用滑り止めサポーターであって、前記足指先端部分の開口部が、親指根元を収容する円筒、人差し指及び中指の根元を収容する円筒、薬指及び小指の根元を収容する円筒、の3円筒からなることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
第二の観点では、本発明は、少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部となっており、裏面に滑り止め部が加工されている水中運動用滑り止めサポーターであって、前記足指先端部分の開口部が、親指根元を収容する円筒、人差し指及び中指の根元と薬指及び小指の根元の間の仕切り紐からなることを特徴とする(請求項2)。
【0009】
本発明は、第三の観点では、少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部となっており、裏面に滑り止め部が加工されている水中運動用滑り止めサポーターであって、前記足指先端部分の開口部が、5本の足指をそれぞれ収容する5本の円筒であることを特徴とする(請求項3)。
【0010】
好ましくは、足首部分及び足指先端部分以外に足の甲及び踵部分を開口部とする(請求項4)。
【発明の効果】
【0011】
本発明請求項1及び2の発明では、足首部分と足指先端部分が開口部となっているので、裸足感が得られると共に、足首とのフィット感も良好である。しかも、足指先端部分の開口部が親指の根元と、人差し指及び中指の根元と、薬指及び小指の根元の3個所に分岐している。したがって、着用するときに、足を滑り込ませるだけで容易に足指が3つに分岐して収容される。
【0012】
本願請求項3の発明では、足指先端部分の開口部が5本の足指をそれぞれ収容する5本の円筒である。請求項1と較べると、履きやすさという点では劣るが、足首とのフィット感は同様に優れている。
【0013】
本願請求項4の発明では、足首部分及び足指先端部分以外に足の甲及び踵部分を開口部としているので、さらに裸足感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施例に係る水中運動用滑り止めサポーター着用時の斜視図である。(a)は足の甲側から見たもので、(b)は足裏側から見たものである。
【図2】図1の実施例は左足用のサポーターの着用前の形状であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る水中運動用滑り止めサポーター着用時の斜視図である。(a)は足の甲側から見たもので、(b)は足裏側から見たものである。
【図4】図3の実施例サポーターの着用前の形状であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図である。
【図5】図4の矢印部の断面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る水中運動用滑り止めサポーター着用時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1、図2に示す左足用の水中運動用滑り止めサポーター1は、表糸として、ナイロン110d/2×1本、ポリエステル150d/1×2本、裏糸として、ポリウレタン伸縮弾性糸210d×1本を使用して編み立てている。
【0017】
本発明で使用する糸条は次のとおり市販されている。
(1)「ナイロン糸 110d/2」:ウーリー加工糸。双糸。三山株式会社製造「ホシカブト(品名)」
(2)「ポリエステル糸 150d/1」:ウーリー加工。単糸。三山株式会社製造。
(3)「ポリウレタン伸縮弾性糸210d 」:別名スパンデックス、「ライクラ」(デュポン社の商標)。裸糸(ベアヤーン)。オペロンテックス株式会社製造。耐塩素機能を持たせることが好ましい。
【0018】
編み生地は平編み(天竺編み)生地が普通であり、またそれで十分である。編み立ては、通常の手袋編機や靴下編機で可能である。
【0019】
このサポーターは、足首部分2以外に足の甲3及び踵部分4及び足指先端部分5が開口部となり、着用者の肌・指が露出している。さらに裏側において、滑り止め用のゴム板6が取り付けられている。
【0020】
足の甲3の開放部は、不装着(無負荷)時で短径5〜7cm、長径6〜9cmの楕円形であり、踵部分4の開放部は、不装着(無負荷)時で短径4〜6cm、長径5〜7cmの楕円形である。足の甲3及び踵部分4を開放するように形成することにより、裸足感が得られると共に、生地面積が小さいので、コンパクトに持ち運べ、洗濯も容易である。
【0021】
滑り止め用のゴム板6としては、ABS系弾性樹脂等の弾性樹脂材やゴム等のシートの接地面に凹凸による滑り止め構造を設定して構成する。このように構成することにより、蹴り足運動時における足のショックを吸収すると共に、プールから上がった後の水切りや乾燥を容易にしている。
【0022】
足指根元部分は、親指根元を収容する円筒51、人差し指及び中指の根元を収容する円筒52、薬指及び小指の根元を収容する円筒53、の3円筒からなる。
【0023】
このように3円筒を用いることにより、着用するときに、足を滑り込ませるだけで容易に足指が3円筒に収容される。
【実施例2】
【0024】
図3、図4に示す水中運動用滑り止めサポーター1Aも、足首部分2A以外に足の甲3A及び踵部分4A及び足指先端部分5Aが開口部となり、着用者の肌・指が露出している。さらに裏側において、滑り止め用のゴム板6Aが取り付けられている。この形状及び構造は、前記した実施例1と同様である。
【0025】
実施例2が実施例1と異なるのは、足指根元部分5Aは、親指根元を収容する円筒51A、人差し指及び中指の根元と薬指及び小指の根元の間の仕切り紐54からなる点である。この仕切り紐54はサポーターと一体的に編成するのが好ましいが、図5に示すように、後付けにより糸55で縫いつけてもよい。
【0026】
実施例2の製品の使用方法及び効果は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0027】
図6に示す左足用の水中運動用滑り止めサポーター1Bは、足首部分2B以外に足の甲3B及び踵部分4B及び足指先端部分5Bが開口部となり、着用者の肌・指が露出している。さらに裏側において、滑り止め用のゴム板6Bが取り付けられている。足指根元部分は、5本の足指根元を収容する円筒51B,54,55,56,57となっている。
【0028】
実施例3の製品の使用方法及び効果は実施例1及び2と同様である。
【符号の説明】
【0029】
1,1A,1B 水中運動用滑り止めサポーター
2,2A,2B 足首部分開口部
3,3A,3B 甲部分開口部
4,4A,4B 踵部分開口部
5,5A 足指先端部分開口部
51,51A,51B 円筒
52,52A 円筒
53,53A 円筒
54〜57 円筒
6,6A,6B ゴム板
54 紐
55 糸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2000−166608
【特許文献2】特開2008−104593
【特許文献3】特開平11−244416号
【特許文献4】特開2004−65752

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部(2,5)となっており、裏面に滑り止め部(6)が加工されている水中運動用滑り止めサポーター(1)であって、
前記足指先端部分の開口部(5)が、親指根元を収容する円筒(51)、人差し指及び中指の根元を収容する円筒(52)、薬指及び小指の根元を収容する円筒(53)、の3円筒からなることを特徴とする水中運動用滑り止めサポーター。
【請求項2】
少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部(2A,5A)となっており、裏面に滑り止め部(6A)が加工されている水中運動用滑り止めサポーター(1A)であって、
前記足指先端部分の開口部(5A)が、親指根元を収容する円筒(51A)、人差し指及び中指の根元と薬指及び小指の根元の間の仕切り紐(54)からなることを特徴とする水中運動用滑り止めサポーター。
【請求項3】
少なくとも足首部分と足指先端部分が開口部(2B,5B)となっており、裏面に滑り止め部(6B)が加工されている水中運動用滑り止めサポーター(1B)であって、
前記足指先端部分の開口部(5B)が、5本の足指をそれぞれ収容する5本の円筒(51B,54,55,56,57)であることを特徴とする水中運動用滑り止めサポーター。
【請求項4】
足首部分及び足指先端部分以外に足の甲及び踵部分を開口部(3,4;3A,4A;3B,4B)とした請求項1〜3のいずれかに記載の水中運動用滑り止めサポーター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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