説明

汚物洗い水栓

【課題】形状の異なる便器や便座へ的確に対応することができ、取付工事が容易で施工性にも優れた汚物洗い水栓を提供する。
【解決手段】汚物洗い水栓10は、洋式便器20の便器ボール面20dに向かって傾斜姿勢で吐水する使用位置と洋式便器20後部に起立する非使用位置との間で回動可能な吐水部11と、吐水部11の先端部に設けられた吐水口11aと、吐水口11aからの吐水と止水を切り替える操作部15と、吐水部11に水を供給する水栓本体12と、を有している。給水源から床面Fに配管された給水管13と本体部12とは可撓性ホース14を介して連結されている。水栓本体12は、洋式便器20の後方に位置する背もたれ16に対して上下調整可能に固定され、背もたれ16は、その後方に位置する壁面Wに対して前後調整可能に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチや尿瓶などを洗浄することのできるトイレに設置される汚物洗い水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1記載の水栓器具がある。特許文献1には、壁面が乾式施工パネルであっても、あるいは湿式施工のタイル壁またはコンクリート壁でもあっても、適正に水栓器具を取り付けられることのできる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−144831号公報
【特許文献2】特開2001−224532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
汚物洗い水栓を使用するときに吐水口から吐出される水は全て便器内へ回収されなければならないため、従来、便器や便座の形状に合わせたサイズの汚物洗い水栓が必要であり、背もたれについても、吐水部の回動を妨げることがなく、非使用位置にあるとき背もたれより便器側へ汚物洗い水栓が突出しない形状とする必要がある。従って、汚物洗い水栓を取り付けた後に、形状の異なる他の便器などへ取り替えると、それに合わせて汚物洗い水栓も取り替えなければならず、それに伴って背もたれも取り替えなければならなくなるので、大がかりな工事が必要である。
【0005】
特許文献1記載の水栓器具は、壁面の種類(材質、構造)を問わず、適正に取り付けることができる点においては優れているが、形状の異なる他の便器などへ取り替えた場合には対応することができない。
【0006】
特許文献2記載のトイレ用背もたれ装置においては、スパウトの回動動作が背もたれによって妨害されないように、背もたれの一部に切り欠き部が設けられているが、水栓は洋式便器に取り付けられているため、前述と同様、形状の異なる他の便器などへ取り替えた場合には対応することができない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、形状の異なる便器や便座へ的確に対応することができ、取付工事が容易で施工性にも優れた汚物洗い水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の汚物洗い水栓は、便器ボール面に向かって吐水する使用位置と便器後部に起立する非使用位置との間で回動可能な吐水部と、前記吐水部に設けられた吐水口と、前記吐水口からの吐水と止水を切り替える操作部と、前記吐水部に水を供給する水栓本体と、を有する汚物洗い水栓であって、
前記便器の後方に位置する背もたれに対して前記水栓本体を上下調整可能に固定し、前記背もたれ後方の壁面に対して前記背もたれを前後調整可能に固定したことを特徴とする。ここで、前記水栓本体とは、前記吐水部の回動中心を含む部分をいう。
【0009】
このような構成とすれば、壁面に対して前後調整可能に固定された背もたれに対して、水栓本体が上下調整可能に固定された状態となるため、水栓本体の上下位置及び前後位置の両方が調整可能となる。従って、施工時、壁面に対する背もたれの固定位置と、背もたれに対する水栓本体の固定位置とを調整するだけで、水栓を取り替えることなく、形状の異なる便器や便座へ的確に対応することができる。また、水栓本体を背もたれに固定する構造としたことにより、壁面に固定する部材は背もたれのみとなるため、取付工事が容易で、施工性も優れている。
【0010】
ここで、前記操作部を、前記背もたれの下方であって、且つ、前記背もたれの鉛直投影領域内に配置することが望ましい。
【0011】
このような構成とすれば、操作部は背もたれの下方に位置し、且つ、背もたれ上方から鉛直下方を見たときに操作部が背もたれの下方に隠れた状態となり、使用者が便座に着座した場合に操作部が使用者の背中付近に位置するので、使用者の視界に入り難くなり、操作部の誤操作を防止することができる。
【0012】
また、前記吐水部の非使用位置と使用位置との間の前記吐水部の回動に伴って前記操作部を覆ったり、露出させたりする誤操作防止用のカバーを設けることが望ましい。
【0013】
このような構成とすれば、吐水部が非使用位置にあるときは、操作部がカバーで覆われて操作不能な状態となるので、便座に着座した使用者が誤って操作部を操作することを防止することができる。
【0014】
一方、前記水栓本体に立設した垂直連接部材を固定部材で前記背もたれに固定することによって前記水栓本体を前記背もたれに固定し、前記固定部材の固定が解除されたときの前記水栓本体の下降を阻止する規制手段を前記背もたれに設けることができる。
【0015】
このような構成とすれば、固定部材と別に、水栓本体の下降を阻止する規制手段が背もたれに存在することとなるため、仮に水栓本体と背もたれとを固定する固定部材が緩んだり、外れたりした場合でも、水栓本体が落下して便器を破損するような事態を防ぐことができる。
【0016】
ここで、前記規制手段として、前記垂直連接部材の左右両側を挟持可能なガイド部を前記背もたれの背面から前記壁面に向かって突設するとともに、前記ガイド部に係止可能な突部を前記垂直連接部材の外周に突設することができる。
【0017】
このような構成とすれば、垂直連接部材の左右両側をガイド部で挟持することによって水栓本体の左右方向への移動が規制されるので固定部材の緩みを防ぐことができ、垂直連結部材の突部をガイド部へ係止させることにより、万一、水栓本体を背もたれに固定する固定部材が緩んだり、外れたりした場合にも、突部とガイド部との係止作用により、水栓本体が落下して便器を破損するような事態を防ぐことができる。
【0018】
また、前記ガイド部の前記壁面側の端部に、上方へ突出した返し片を設けることもできる。
【0019】
このような構成とすれば、返し片を有するガイド部は、前述した垂直連結部材の下降阻止機能に加え、壁面方向への移動阻止機能も発揮するので、万一、水栓本体を背もたれに固定する固定部材が緩んだり、外れたりした場合にも水栓本体が落下して便器を破損するような事態をより確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、形状の異なる便器や便座へ的確に対応することができ、取付工事が容易で施工性にも優れた汚物洗い水栓を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態である汚物洗い水栓において吐水部が非使用位置にあるときの斜視図である。
【図2】図1に示す汚物洗い水栓の吐水部が使用位置にあるときの斜視図である。
【図3】図1に示す汚物洗い水栓の正面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図1に示す汚物洗い水栓の一部拡大斜視図である。
【図6】図2示す汚物洗い水栓の一部拡大斜視図である。
【図7】図1に示す汚物洗い水栓のその他の使い方を示す側面図である。
【図8】本発明のその他の実施形態である汚物洗い水栓を示す背面斜視図である。
【図9】図8に示す汚物洗い水栓の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1〜図6に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態の汚物洗い水栓10は、洋式便器20の背面側に位置する壁面Wに固定されている。洋式便器20は、便器本体20a、便座20b及び機能部20cなどによって構成されている。機能部20cには衛生洗浄装置(図示せず)などが内蔵されている。
【0023】
汚物洗い水栓10は、洋式便器20の便器ボール面20dに向かって傾斜姿勢で吐水する使用位置(図2参照)と洋式便器20後部に起立する非使用位置(図1参照)との間で回動可能な吐水部11と、吐水部11の先端部に設けられた吐水口11aと、吐水口11aからの吐水と止水を切り替える操作部15と、吐水部11に水を供給する水栓本体12と、を有している。給水源(図示せず)から床面Fに配管された給水管13と本体部12とは可撓性ホース14を介して連結されている。また、図1に示すように、非使用位置にある吐水部11を収容するため、背もたれ16には、逆U字状の切欠部16aが設けられている。
【0024】
また、水栓本体12は、洋式便器20の後方に位置する背もたれ16に対して上下調整可能に固定され、背もたれ16は、その後方に位置する壁面Wに対して前後調整可能に固定されている。なお、水栓本体12とは、吐水部11の回動中心Cを含む部分をいう。
【0025】
ここで、図3,図4に基づいて、背もたれ16及び水栓本体12の固定構造について説明する。図3,図4に示すように、円管状をした左右一対の水平支持部材17が壁面Wに複数のネジ24で固定され、これらの水平支持部材17の先端開口部17aに、背もたれ16の背面に突設された円管状の一対の水平連接部材18の先端側18aがそれぞれスライド可能に挿入されている。そして、それぞれの水平支持部材17の周壁上部のネジ孔17bから垂直に差し込まれたネジ23を水平連接部材18の周壁に開設されたネジ孔18bに螺着することによって水平連接部材18が水平支持部材17に固定されている。ネジ孔18bは水平連接部材18の長手方向(軸心方向)に沿って所定間隔を置いて4つ開設されているため、水平支持部材17のネジ孔17bをいずれのネジ孔18に合わせるかによって、壁面Wに対する背もたれ16の前後位置を4段階に調整することができる。なお、ネジ孔17b,18bの個数は限定しないので、施工条件などに応じて適切な個数を開設することができる。
【0026】
また、背もたれ16背面の片側寄りの部分に付設された垂直支持部材19に、水栓本体12の上部に立設された垂直連接部材21を当接させ、垂直連接部材21の背面側から垂直支持部材19に複数のネジ22を螺着することによって水栓本体12が背もたれ16に固定されている。垂直支持部材19には4つのネジ孔19aが垂直方向に所定間隔をおいて開設され、垂直連接部材21には、隣り合うネジ孔19aの間隔と同間隔で2つのネジ孔21aが開設されているため、2つのネジ孔21aを4つのネジ孔19aのいずれか2つに合わせることによって、背もたれ16に対する水栓本体12の上下位置を3段階に調整を行うことができる。なお、ネジ孔19a,21aの個数も限定しないので、施工条件に応じた個数を開設することができる。
【0027】
このような構成とすれば、壁面Wに対して前後調整可能に固定された背もたれ16に対して、水栓本体12が上下調整可能に固定された状態となるため、水栓本体12の上下位置及び前後位置の両方が調整可能となる。従って、施工時、壁面Wに対する背もたれ16の固定位置と、背もたれ16に対する水栓本体12の固定位置とを調整するだけで、形状の異なる便器や便座へ的確に対応することができる。また、水栓本体12を背もたれ16に固定する構造としたことにより、壁面Wに固定する部材は背もたれ16のみとなるため、取付工事が容易であり、施工性も優れている。
【0028】
一方、図4に示すように、吐水部11の吐水口11a(図3参照)からの吐水と止水を切り替える操作部15を、背もたれ16の下方であって、且つ、背もたれ16の鉛直投影領域Z内に配置している。このような配置としたことより、操作部15は背もたれ16の下方に位置し、且つ、背もたれ16上方から鉛直下方を見たときに操作部15が背もたれ16の下方に隠れた状態となるので、使用者が便座20bに着座した場合に、操作部15が使用者の視界に入り難くなり、操作部15の誤操作を防止することができる。
【0029】
また、図5,図6に示すように、吐水部11の非使用位置(図5参照)と使用位置(図6参照)との間の吐水部11の回動に伴って操作部15を覆ったり、露出させたりする誤操作防止用のカバー25が設けられている。カバー25は、水栓本体12との間に隙間を設けて回動中心Cと略平行に配置された板状の部材であり、その基端部25bが吐水部11の回動部11bに固定され、先端部25aが操作部15の正面側に位置している。吐水部11が起立、倒伏すると、回動部11bに固定されたカバー25の先端部25aが操作部15の正面側と下面側の間を回動し、操作部15を覆ったり、露出させたりする。
【0030】
このような構成としたことにより、吐水部11が非使用位置(図5参照)にあるときは、操作部15がカバー25の先端部25aで覆われて操作不能な状態となるので、便座20bに着座した使用者が誤って操作部15を操作するのを防止することができる。
【0031】
汚物洗い水栓10を使用する場合、図2,図6に示すように、便座20bを便器本体20a上に倒伏させた状態で吐水部11を便器本体20a側へ傾斜させ、操作部15を開操作すれば、吐水口11aから便器ボール面20dに向かって吐水することができるが、汚物洗い水栓10の使い方はこれに限定するものではなく、図7に示すような使い方をすることもできる。
【0032】
即ち、図7に示すように、便座20bを起立させ、その開口部20e(図1参照)を通して吐水部11を便器本体20a側へ傾斜させ、この状態で操作部15を開操作することにより、吐水口11aから便器ボール面20dに向かって吐水することもできる。図7に示す使い方の場合、吐水口11aからの吐出される水が便座20bに付着するのを回避することができる、というメリットがある。
【0033】
次に、図8,図9に基づいて、本発明のその他の実施形態である汚物洗い水栓30について説明する。なお、図8,図9中において図1〜図7中の符号と同符号を付した部分は、前述した汚物洗い水栓10の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であり説明を省略する。
【0034】
図8,図9に示すように、本実施形態の汚物洗い水栓30においては、水栓本体12に立設した垂直連接部材31を固定部材であるネジ32を用いて背もたれ16の背面に固定することによって水栓本体12が背もたれ16に固定されている。また、ネジ32の固定が解除されたときの水栓本体12の下降を阻止する規制手段33が背もたれ16の背面に設けられている。
【0035】
規制手段33として、略丸棒形状の垂直連接部材31の左右両側を挟持可能な複数対のガイド部34aを背もたれ16の背面から壁面W(図4参照)に向かって突設するとともに、各ガイド部34aに係止可能な突部35を垂直連接部材31の外周に突設している。また、各ガイド部34aの壁面W側の端部に、上方へ突出した返し片34bが設けられている。
【0036】
垂直連接部材31は複数のネジ37によって水栓本体12の背面に起立姿勢で固定され、その中央よりも水栓本体12寄りの部分に滑らかに縮径した括れ部31aが形成されている。突部35は垂直連接部材31の軸心と直交して左右側面に突出した状態で設けられ、突部35を挟んだ上下2箇所に固定部材であるネジ32を挿通するためのネジ孔38が開設されている。垂直連接部材31に括れ部31aが形成されている理由は、汚物洗い水栓30に過度の負荷が加わったような場合に括れ部31aに応力を集中させ垂直連接部材31を優先的に変形させることにより、吐水部11の破損を回避するためである。即ち、汚物洗い水栓30に過度の負荷が加わった場合、吐水部11に比べて交換容易な垂直連節部材31の方を先に変形、破損させることにより、万一、変形や破損が起きた場合のメンテナンスを容易にすることを目的として括れ部31aが形成されている。
【0037】
複数対のガイド部34aは、背もたれ16の背面に縦長姿勢で取り付けられた略角柱形状のガイド部材34の長手方向に沿って一定間隔をおいてガイド部材34と一体的に形成されている。これにより、高さの異なる複数対のガイド部34aが上下方向に等間隔で配列された状態となっている。従って、高さの異なる複数対のガイド部34aのいずれかを選択して垂直連接部材31の突部35を係止することにより、水栓本体12の固定高さを調整することができる。
【0038】
汚物洗い水栓30においては、固定部材であるネジ32とは別に、水栓本体12の下降を阻止する規制手段33が背もたれ16の背面に存在しているため、仮に水栓本体12を背もたれ16に固定するネジ32が緩んだり、外れたりした場合でも、水栓本体12が落下して便器(図示せず)を破損するような事態を防ぐことができる。
【0039】
本実施形態では、規制手段33として、垂直連接部材31の左右両側を挟持可能な複数対のガイド部34aを突設するとともに、ガイド部34aに係止可能な突部35を垂直連接部材31の外周に突設している。これにより、垂直連接部材31の左右両側を複数対のガイド部34aで挟持することによって水栓本体12の左右方向への移動が規制されるので固定部材であるネジ32の緩みを防ぐことができる。また、垂直連結部材31の突部35がガイド部34aの上縁部に係止することにより、万一、ネジ32が緩んだり、外れたりした場合にも、突部35とガイド部34aとの係止作用により、水栓本体12が落下して便器を破損するような事態を防ぐことができる。
【0040】
また、返し片34bを有するガイド部34aは、全体形状が鈎形状をなし、前述した垂直連結部材31の下降阻止機能に加え、壁面W(図4参照)方向への移動阻止機能も発揮するので、万一、水栓本体12を背もたれ16に固定するネジ32が緩んだり、外れたりした場合にも水栓本体12が落下して便器を破損するような事態をより確実に防ぐことができる。
【0041】
図9に示すように、背もたれ16背面に固定されたガイド部材34に複数開設された上下位置調節用のネジ孔34cのうちの上下に隣り合う二つのネジ孔34cと、水栓本体12に立設された垂直連節部材31に開設された二つのネジ孔38と、がそれぞれ同軸上に重なり合ったときに、突部35がガイド部34aの上縁に載置された状態となるように複数のガイド部34aが設けられている。これにより、施工現場において、水栓本体12の垂直連節部材31を背もたれ16背面のガイド部材34に固定する際に、突部35をガイド部34aに係合させれば、ガイド部34aによって垂直連節部材31の下降が阻止されるので、ネジ32にて締め付け固定する前の各部材の位置を仮決めすることができる。従って、垂直連節部材31を片方の手で支持しながら他方の手でネジ32の締め付け作業を行うようなこともなくなり、作業性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の汚物洗い水栓は、トイレなどに設置される屎尿瓶洗浄用水栓として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10,30 汚物洗い水栓
11 吐水部
11a 吐水口
12 水栓本体
13 給水管
14 可撓性ホース
15 操作部
16 背もたれ
16a 切欠部
17 水平支持部材
17a 先端開口部
17b,18b,19a,21a,34c ネジ孔
18 水平連接部材
18a 先端側
19 垂直支持部材
20 洋式便器
20a 便器本体
20b 便座
20c 機能部
20d 便器ボール面
20e 開口部
21,31 垂直連接部材
22,23,24,32,37 ネジ
25 カバー
33 規制手段
34 ガイド部材
34a ガイド部
34b 返し片
35 突部
F 床面
W 壁面
Z 鉛直投影領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器ボール面に向かって吐水する使用位置と便器後部に起立する非使用位置との間で回動可能な吐水部と、前記吐水部に設けられた吐水口と、前記吐水口からの吐水と止水を切り替える操作部と、前記吐水部に水を供給する水栓本体と、を有する汚物洗い水栓であって、
前記便器の後方に位置する背もたれに対して前記水栓本体を上下調整可能に固定し、前記背もたれ後方の壁面に対して前記背もたれを前後調整可能に固定したことを特徴とする汚物洗い水栓。
【請求項2】
前記操作部を、前記背もたれの下方であって、且つ、前記背もたれの鉛直投影領域内に配置したことを特徴とする請求項1記載の汚物洗い水栓。
【請求項3】
前記吐水部の非使用位置と使用位置との間の前記吐水部の回動に伴って前記操作部を覆ったり、露出させたりする誤操作防止用のカバーを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の汚物洗い水栓。
【請求項4】
前記水栓本体に立設した垂直連接部材を固定部材で前記背もたれに固定することによって前記水栓本体を前記背もたれに固定し、
前記固定部材の固定が解除されたときの前記水栓本体の下降を阻止する規制手段を前記背もたれに設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の汚物洗い水栓。
【請求項5】
前記規制手段として、前記垂直連接部材の左右両側を挟持可能なガイド部を前記背もたれの背面から前記壁面に向かって突設するとともに、前記ガイド部に係止可能な突部を前記垂直連接部材の外周に突設したことを特徴とする請求項4記載の汚物洗い水栓。
【請求項6】
前記ガイド部の前記壁面側の端部に、上方へ突出した返し片を設けたことを特徴とする請求項5記載の汚物洗い水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−190028(P2010−190028A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228304(P2009−228304)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】