説明

治療靴

改善された血液の動き、むくみの軽減、下肢痙攣の軽減、足の足底筋膜炎の治療などを可能にする静脈組織の動的加圧を促進するためのシステム及び方法。例示的実施形態では、治療靴は、完全に、足の静脈集網叢領域に加圧力を提供する治療デバイスを含む。システムは、深部静脈血栓症などの循環の望ましくない合併症の発生を低減する血液の循環を援助する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、医学治療を提供するためのシステム及び方法に関し、具体的には、血流の促進、むくみの軽減、下肢痙攣の軽減、足の足底筋膜炎の治療、及び/又は、運動遠足からの回復の促進を支援するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、概ね、様々な病気を治療するため及び/又は物理的な運動の後の運動回復を提供するために着用者の足に圧力を加える取り外し可能な及び/又は一体化された装置を保持するように構成された靴に関する。
【背景技術】
【0002】
人の体、特に足と脚部の循環を高めるために、予め決められた時間間隔で足の集網叢領域などの組織の定期的又は周期的な加圧が有益である。通常の状況下では、血液は、歩行時などの足又は脚部の筋肉の収縮や一般的な運動に起因して脚部を上方に移動する。人が固定されて普通に動くことができない場合あるいは病気によってもたらされる血行不足を有する場合には、自然な血液の戻り機構が損なわれ、潰瘍や深部静脈血栓症などの循環の問題が発生する可能性がある。
【0003】
これらの問題を軽減するためには、脚部及び/又は足の全体の静脈に対する加圧力を集中させることが望ましい。現在のシステムは、主に、足全体、ふくらはぎ、または太ももを絞る空気加圧装置に基づいている。これらのシステムは、かなりの電力を必要とし、そして、血管の最高濃度を有する領域に集中させるよりも足又は脚部の全体にわたって高レベルな力を提供するために、非効率的である。さらに、これらのシステムは、特にバッグ内の高圧で継ぎ目部分で破裂する可能性があるエアバッグを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の様々なデバイスでは、テザーのエアラインは、移動性を制限し、デバイスが使用されている間人が歩こうとして怪我につながる可能性がある。さらに、既存のデバイスは、連続使用に適していない。使用者は、それらで歩くことができず、あるいは加圧ユニットから離れて動くことができない。デバイスは、使用者が歩くことができる前に取り除かなければならない。さらに、現在のデバイスは、使用者の使用状況及びコンプライアンスを追跡して報告する能力を欠いている。また、ほとんどの空気圧デバイスは、かなり騒々しく、そして、潰瘍につながる皮膚の炎症を引き起こす可能性がある。
【0005】
さらに、現在のデバイスは、普通の服とよく調和せず、そして、医療デバイスとして有効でない。普通の服として着用され、明らかな医療援助ではない治療靴を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態では、履き物のアイテムは、ハウジングと、ハウジンの穴に配置された治療デバイスと、結合部分とを備える。結合部分は、足の一部分を保持するように構成される。
【0007】
他の例示的な実施形態では、足を加圧するための方法は、そこに完全に含まれる治療デバイスを有する履き物のアイテムを提供するステップと、履き物のアイテムを足に結合するステップと、治療デバイスを作動させるステップとを備える。
【0008】
他の例示的な実施形態では、運動靴は、可撓性開口カバーを有する開口を有するように構成されたハウジングを備える。運動靴は、さらに、ハウジング内に配置された足加圧システムを備える。足加圧システムは、可撓性開口カバーを足の静脈集網叢領域に接触させて少なくとも部分的に配置するために拡張可能な圧力パッドを備える。ハウジングは、ハウジングの外面に開口を有するように構成される。開口は、足加圧システムの制御構成部分にアクセスするのを許容する。
【0009】
他の例示的な実施形態では、履き物のアイテムは、そこを通る開口を有するハウジングを備える。開口は、可撓性開口カバーを有するように構成される。履き物のアイテムは、さらに、靴と、ハウジングと靴との間に配置された治療デバイスとを備える。治療デバイスは、足の一部分を加圧するために開口を少なくとも部分的に延びるように構成される。アイテムは、履き物のアイテムが着用されたときに治療デバイスの存在を完全に隠すように構成された履き物である。
【0010】
この要約部の内容は、単に開示の簡略化された前書きとして提供され、添付の特許請求の範囲を限定するために用いられることを意図していない。
以下の説明及び添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、例示的な実施形態による治療靴を示す。
【図2】図2は、図1の治療靴の斜視図を示す。
【図3】図3は、*図1及び図2の治療靴の上面図を示す。
【図4】図4は、例示的な実施形態による治療靴に連結された足加圧システムを示す。
【図5】図5は、例示的な実施形態による治療靴に連結された足加圧システムのブロック図を示す。
【図6】図6は、例示的な実施形態による加圧覆いに連結された治療靴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の詳細が、様々な構成要素のアイテム及び処理ステップで本明細書中に記載される。そのような構成要素及びステップは、特定の機能を実行するように構成された多くのハードウェア及び/又はソフトウェアの構成要素によって実現されることができることを理解すべきである。例えば、下肢及び/又は足の加圧システム一部分を補助するように構成された治療デバイス又は運動回復のためのシステムは、一つ以上の制御システム又は他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行する、様々な医療デバイス、入力及び/又は出力要素などを利用することができる。さらに、本開示の原理は、あらゆる多くの医療や治療の場面で実施でき、本明細書に記載されるよう深部静脈血栓症の治療システムに関連する典型的な実施例は、単にいくつかの例示的なアプリケーションである。例えば、本開示の原理は、運動回復に関連して利用することができる。さらにまた、説明された原理、特徴及び方法は、任意の適切な医学的または他の組織又は処理アプリケーションに適用されることができる。
【0013】
さらに、本開示の原理は、“足加圧システム”と題された米国特許出願公開第2010/0010398として公開された2009年7月8日に提出された米国特許出願第12/499473に開示された足加圧システム及び方法の原理と適当に組み合わされることができ、その内容がその全体の参照によって本明細書中に組み込まれる。また、本開示の原理は、“足加圧システム”と題された2011年1月11日に提出された米国特許出願第13/004754に開示された足加圧システム及び方法の原理と適当に組み合わされることができ、その内容がその全体の参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0014】
治療効果のある履き物のアイテム、例えば、治療靴100は、着用者の一部分、例えば人間の足に加圧力を提供することに役立つように構成されたデバイスにすることができる。図1乃至図3を参照すると、例示的な実施形態によれば、治療靴100は、ハウジング部分101及び連結部分102を備える。
【0015】
図1を更に参照すると、例示的な実施形態によれば、治療靴100は、ハウジング部分101及び連結部分102を備える。一例示的実施形態では、ハウジング部分101は、足の表面などの着用者の一部分に医学治療を提供することができる治療デバイス400及び/又は他の治療デバイスなどの治療デバイスを保持する。さまざまな例示的実施形態では、治療デバイス400は、例えば、“足加圧システム”と題された2011年1月11日に提出された米国特許出願第13/004754に開示されたような足加圧システムを備えることができる。一例示的実施形態では、治療デバイス400などの治療デバイスは、治療靴100に一体である。一例示的実施形態では、治療デバイス400などの治療デバイスは、治療靴100に取り外し可能に結合される。
【0016】
様々な実施形態では、治療靴100は、様々な医療アプリケーション、例えば、血流の増加、深部静脈血栓症、下肢のむくみ、潰瘍及び/又はその他の治療及び/又は防止に使用するために構成される。さらに、治療靴100は、例えば、“足加圧システム”と題された2011年1月11日に提出された米国特許出願第13/004754に開示されたような運動回復の原理に従って、運動回復に使用するために構成される。
【0017】
治療靴100の一例示的実施形態はサンダルのような履き物のアイテムとして説明されかつ図示されているが、本開示の原理は、明示的に示された治療靴100に限定されない。具体的に限定するものではないが、治療靴100は、治療デバイス400を少なくとも部分的に収容する、治療デバイス400を完全に収容する及び/又は治療デバイス400に結合するように構成された履き物又は覆いの部分にすることができる。その点では、治療靴100は、靴下、スリッパ、サンダル、テニスシューズ、ランニングシューズ、運動靴、ブーツ、ドレスシューズ、ハイヒール靴、ミュール、つっかけ式スリッパ、スリングバック、木ぐつダンスなどの形態にすることができる(がこれらに限定されない)。さらに治療靴100は、様々なファッションの嗜好にアピールするために様々なデザインで製造されることができる。様々な例示的実施形態では、治療靴100は、履き物の他の部分に似ているように、及び/又は、治療靴100の機能を書いている従来の履き物から区別することが困難である(見分けがつかない)ように、設計される。
【0018】
一例示的実施形態では、ハウジング部分101に結合された結合部分102は、治療デバイス400などの治療デバイスを、集網叢領域などの足の表面の一部分に固定する。ハウジング部分101及び結合部分102は、それぞれの機能を実行するために、適当な材料で作られ、及び/又は、適当な構造及び/又は形状に形成されることができる。
【0019】
一例示的実施形態では、図1を再度参照すると、ハウジング部分101は、着用可能な治療靴100のベースに配置され、及び/又は一体である。例示的実施形態では、ハウジング部分101は、囲まれ、部分的に囲まれ、あるいは、露出されることの一つにすることができる。一例示的実施形態では、ハウジング部分101は、上ハウジング上面135とハウジング底面130と少なくとも一つのハウジング側面105とによって画定された(図1に明示的に示されていない)ハウジングキャビティを備える。この実施形態では、ハウジングキャビティの寸法は、特定のデバイス、例えば、ハウジング部分101によって収容される治療デバイス400を保持するために設計される。例えば、一例示的実施形態では、ハウジングキャビティは、提供される治療デバイス400よりもわずかに大きく設計される。従って、ハウジングキャビティは、ハウジングキャビティによって収容される治療デバイス400の外寸法を効果的に反映させることができる。代替的に、一例示的実施形態では、ハウジングキャビティは、追加の要素を収容する及び/又は保持するように構成された追加のキャビティ部分を有するハウジングキャビティに収容された治療デバイス400の外寸法に反映するように設計されることができる。これらの追加の要素は、電源、治療デバイスを保持するストラップ、スペーサー、カウンターバランス、衝撃吸収材、クッション、センサ構造支持部及び/又はその他を含む。
【0020】
一例示的実施形態では、ハウジング側面105は、ハウジング部分101の周りを効果的に包む及び/又は部分的に包む一つの連続面を含むことができる。別の例示的実施形態では、ハウジング側面105は、ハウジング部分101の一部分を形成するために組み合わさる複数の表面を備えることができる。ハウジング側面105は、治療デバイス400などの治療デバイスの効果的な封じ込め及び/又は保持を提供するためのあらゆる適当な材料から作られる。別の例示的な実施形態では、ハウジング側面105は、使用者の体重を支持するために効果的な構造支持部を提供するためのあらゆる適当な材料から作られる。例えば、一例示的実施形態では、ハウジング側面105は、プラスチック、発泡体、金属、コルク、木材、天然ゴム、合成ゴム、合成物又は他の耐久性のある材料の一つ以上から作られることができる。ハウジング側面105は、一定の幅にすることができ、あるいは、可変幅を含んでもよい。例示的な一実施形態では、ハウジング側面105の幅は、治療デバイス400の高さの相関関係である。一例示的実施形態では、ハウジング側面105の幅(すなわち、ハウジング部分101の高さ)は、できるだけ小さい。一例示的実施形態では、治療靴100のヒール領域は、追加のヒールサポートを備えることができる。個のヒールサポートは、衝撃吸収を提供するように構造する及び/又は構成されることができる。
【0021】
一例示的実施形態では、ハウジング側面105、ハウジング上面135及び/又はハウジング底面130などの表面は、治療デバイス400などの提供される治療デバイスの一部分にアクセスするために開口部110を備える。一例示的実施形態では、図1を再度参照すると、開口部110は、ハウジング側面105上に配置される。一例示的実施形態では、開口部110は、治療デバイス400などの提供される治療デバイスにアクセスするための適当な寸法を備えることができる。このアクセスは、視覚的及び/又は物理的にすることができる。例えば、開口部110の寸法及び/又は位置は、治療デバイス400などの提供される治療デバイス上の制御部及び/又は表示部の位置に関連する。このような制御部及び/又は表示部は、オン/オフボタン、照明、スイッチ及び/又はその他を備える。これらへのアクセスは、開口部110を介して提供される。
【0022】
一例示的実施形態では、ハウジング部分101にごみ及び/又は不要物が入るのを防止するために、カバー(図示せず)が開口部110に結合される。一例示的実施形態では、カバーは、カバーは、透明にすることができる。カバーは、圧入、ラッチ、ねじ、接着剤、エポキシ樹脂、スナップ及び/又はその他などのあらゆる適当なコンポーネント及び/又は方法によって開口部110に結合されることができる。さらに、カバーは、ハウジング側面105と同じ材料あるいはハウジング側面105と同じ材料以外の材料など、あらゆる適当な材料から作られることができる。例えば、カバー材料は、例えば、ハウジング部分101にごみ及び/又は不要物が入るのを防止しながら使用者が治療デバイス400の制御部を操作することを可能にするために、少なくとも部分的に透明及び/又は可撓性にすることができる。
【0023】
様々な例示的実施形態では、治療靴100は、開口部110をなくすように構成されることができる。これらの例示的な実施形態では、治療デバイス400の制御部へのアクセスは、ハウジング部分101を通る一つ以上のワイヤを介して、治療デバイス400との無線通信を介して、及び/又は、必要に応じて任意の他の適切な方法を介して、提供されることができる。さらに、特定の例示的実施形態では、治療デバイス400は、誘導結合を介して電力が供給される及び/又は充電されるように構成されることができる。
【0024】
例示的実施形態では、ゲートウェイ(図示せず)がハウジング部分101に配置され、例えば、ハウジング底面130に連結される。例示的実施形態では、ゲートウェイは、治療デバイス400などの提供される治療デバイスにアクセスするために、治療デバイス400などの提供される治療デバイスを交換するために、治療デバイス400などの提供される治療デバイスを取り付ける及び/又は取り外すためにあらゆる適当な寸法を備える。例えば、ゲートウェイの寸法は、治療デバイス400の外装(ハウジング)の外形の相関関係にすることができる。一例示的実施形態では、アクセスパネルは、ハウジング部分101にごみ及び/又は不要物が入るのを防止するために及び/又は提供された治療デバイス400がハウジング部分101から外れるのを防止するために、ゲートウェイに結合される。アクセスパネルは、圧入、ラッチ、ねじ、接着剤、エポキシ樹脂、スナップ及び/又はその他などのあらゆる適当なコンポーネント及び/又は方法によってゲートウェイに結合される。アクセスパネル(図示せず)は、ハウジング底面と同じ材料あるいはハウジング底面と同じ材料以外の材料など、あらゆる適当な材料から作られることができる。例えば、一実施形態では、アクセスパネルは、靴の外底と同じ材料から作られることができ、靴の外底と同じ表面の質感を有することができる。
【0025】
例示的実施形態では、ハウジング底面130の外側(靴の外底の材料)は、ざらざらした表面にすることができる。例えば、ハウジング底面130の外側は、トレッドパターンからなるように構成されることができる。例示的実施形態では、ハウジング底面130のざらざらした表面は、治療靴100の静止摩擦を改善するように構成されることができる。さらに、ハウジング底面130のざらざらした表面は、あらゆる適当なパターン又は形状にすることができる。
【0026】
例示的実施形態では、図2及び図3を参照すると、開口150がハウジング上面135に配置される。開口150は、ハウジング部分101から結合部分102まで延びる。一例示的実施形態では、開口150は、治療デバイス400が治療を提供するのを助けるためにあらゆる適当な寸法を備える。例えば、開口150の寸法は、提供される治療デバイス400の治療要素の配向及び形状に相関関係する。様々な例示的実施形態では、開口150は、約6平方センチメートルから約40平方メートルまでの領域を有する開口からなる。様々な例示的実施形態では、開口150は、治療デバイス400などの提供される治療デバイスが足の静脈叢の領域に接触するのを容易にするために構成された開口からなる。例えば、開口150は、治療デバイス400が足の土踏まず領域に加圧力を加えるのを容易にするために構成された開口からなる。
【0027】
特定の実施形態では、ハウジング上面135は、連続である(すなわち開口150が存在しない)ように構成されることができる。これらの例示的実施形態では、ハウジング上面135の少なくとも一部分は、例えば、治療デバイス400によって加えられた力に応じて変形して足の静脈叢領域と接触するために、可撓性のある及び/又は変形可能なように構成される。
【0028】
例示的実施形態では、開口カバー155は、治療デバイス400の足との接触を容易にしながらハウジング部分101にごみ及び/又は不要物が入るのを防止するために、少なくとも部分的に開口150に結合し、開口150を塞ぎ、及び/又は開口150を覆うことができる。一般的には、開口カバー155は、可撓性のある及び/又は変形可能なように構成される。
【0029】
例えば、例示的実施形態では、開口カバー155は、力が治療デバイス400によって提供されない第1位置及び/又は形態から、着用者の一部分まで、そして、力が着用者に治療デバイス400によって提供される第2位置及び/又は形態まで伸ばすことができる。同様に、例示的実施形態では、開口カバー155は、力が着用者の一部分に治療デバイス400によって提供される第2位置及び/又は形態から着用者の一部分まで、そして、力が着用者に治療デバイス400によって提供されない第1位置及び/又は形態まで戻ることができる。開口カバー155は、着用者の一部分に提供する力に耐えるように構成された任意の適切な材料から作ることができる。例えば、開口部カバー155は、ラテックス、プラスチック、ゴム、合成物、布、ファブリックなどから作られることができる。一例示的実施形態では、開口カバー155は、洗えることができる。
【0030】
様々な例示的実施形態では、開口カバー155は、着用者の一部分にわたって圧力を分散させるように構成された材料からなる。例えば、一例示的実施形態では、開口カバー155は、ジェルパックなどの非固体材料を含む。この非固体材料は、皮膚の損傷の予防に役立つことがある。他の例示的実施形態では、クッション、綿、詰め物、泡、ジェルパック、ガーゼ及び/又はその他などの柔らかい材料は、開口カバー155に結合され及び/又は一体にされる。様々な例示的実施形態では、この開口カバー155に結合された柔らかい材料は、皮膚の損傷の予防に役立つ。さらに、開口カバー155は、圧入、ラッチ、ねじ、接着剤、エポキシ樹脂、スナップ及び/又はその他などのあらゆる適当なコンポーネント及び/又は方法によって開口150に結合されることができる。
【0031】
例示的実施形態では、結合部分102は表面120を備える。一実施形態では、表面120は、ハウジング上面135の外面に結合される。表面120は、足の裏などの着用者の一部分を少なくとも部分的に収容する及び/又は支持するように構成される。従って、表面120は、あらゆる適当な形状又は寸法を有するように構成される。例示的実施形態では、表面120は、提供される足よりも大きい。さらに、表面120は、発泡体、皮革、スポンジ、ゴム、プラスチック、合成物、コルク及び/又はその他などのあらゆる適当な材料から作られることができる。
【0032】
様々な例示的実施形態では、表面120は、足に触れるための快適な表面を提供するように構成される。例えば、表面120は、衝撃吸収性を提供するように構成された靴の内底を備えることができる。様々な実施形態では、表面120に結合された靴の内底は、洗浄及び/又はクリーニングなどのために取り外し可能である。さらに、様々な実施形態では、カスタム機能回復訓練は、表面120と一体に及び/又は表面120に結合されることができる。
【0033】
例示的実施形態では、結合部分120は、足、足首及び/又は下肢の一部など着用者の一部分を受け入れて保持するために連結部を備える。連結部は、カスタムサイズの材料、ベルト、ゴムひも、バックル、スナップ、ネクタイ、フック及びループスタイルファスナー(例えば、Velcro USA, Incによって提供されたベルクロ(登録商標)ブランドのファスナー)、ボタン、ジッパー、シースなどにすることができる。
【0034】
例示的実施形態では、連結部は、周知なように背面、かかと及び/又は他の部分などの足の一部分を受け入れて保持するように構成されたストラップ160、163、165などの調整可能なストラップを備える。さらに、治療靴100は、適当な数のストラップを備えることができる。一例示的実施形態では、各ストラップ160、163、165は、第1側面及び第2側面を備える。第1側面及び/又は第2側面は、第1側面及び/又は第2側面の上面及び/又は底面の少なくとも一つ上の対向するフック及びループファスナーと合わせて結合するように構成された、第1フック及びループファスナー及び/又は第2フック及びループファスナーなどのファスナーの一部分を備えるように構成される。
【0035】
例示的実施形態では、ストラップ160、163、165に関し、第1側面は、第2側面の一部分がそこを通って供給される開口部を有するように構成される。ストラップ160、163、165の第2側面の一部は、ストラップ160、163、165の第1側面の開口部を通って供給され、ストラップ160、163、165の第1側面の一部分にフック及びループファスナーなどのファスナーを使用して調整可能に固定される。この実施形態では、ストラップ160、163、165の第1側面の一部分は、ストラップ160、163、165の第2側面と重なり、フック及びループファスナーなどのファスナーを使用して調整可能に固定される。
【0036】
ストラップ(例えば、ストラップ160、163、165)は、あらゆる適当な位置に配置される。一実施形態では、ストラップ160は、足首の後ろ部分を受け入れて保持するように配置される。一実施形態では、ストラップ163は、足首の前部分及び/又は足の上面を受け入れて保持するように配置される。一実施形態では、ストラップ165は、足の上面を受け入れて保持するように配置される。他の実施形態では、クッション、綿、詰め物、泡、ジェルパック、ガーゼ及び/又はその他などの柔らかい材料が、使用者のための快適性を提供するためにストラップ160、163、165の内面に結合されることができる。さらに、ストラップ(例えば、ストラップ160、163、165)は、個々の足の差異(例えば、アーチの高さ、アーチの曲率、幅、長さ及び/又はその他など)を受け入れるように構成される。
【0037】
他の例示的実施形態では、ストラップ(例えば、ストラップ160、163、165)は、排除され、他の周知な履き物の構成が提供される。これらの例は、レース、ボタン、舌、デザイナーストラップ(ハイヒールの靴にあるものなど)、及び他の同様な構成を含むが、これらに限定されない。さらに、現在知られているかまたは履き物を構築するために将来的に使用される任意の材料が、好適に使用される事ができ、本開示の範囲内に入ると考えられる。
【0038】
例示的実施形態では、防水カバーなどのカバーは、治療靴100に結合されることができる。例えば、バッグ又はシュラウドは、砂、水、ほこり、破片及び/又は粒子などの不要な要素が治療靴100と接するのを防止するために治療靴100の周りに結合されることができる。様々な例示的実施形態では、治療靴100は、天然ゴム、合成ゴム、高分子複合材料、または他の防水性及び/又は耐水性の材料を少なくとも部分的に備える。
【0039】
様々な実施形態では、治療靴100は、外部のオブジェクトに連結される。例えば、外部のオブジェクトは、地面に結合された固定位置の楔などの固定面にすることができる。外部のオブジェクトは、フットレストなどの高い位置にある表面にすることができる。代替的に、外部のオブジェクトは、ベッド、椅子、病院用ベッド、カート、または車椅子の一部分などの可動物に連結される及び/又はそれらを備えることができる。結合は、磁石、機械、フック及びループファスナー、ストラップ、締結具、ひも、タイ及び/又はその他などのあらゆる適当な手段にすることができる。
【0040】
例示的実施形態では、治療靴100は、靴、ブーツ、サンダル又は他の履き物に一体に製作されるように構成される。さらに、治療靴100は、業界標準のサイズを含む様々なサイズを有するように構成されることができる。例えば、治療靴100は、米国の男性サイズ(例えば、C、D、E及び/又はその他などのあらゆる適当な幅で)6乃至16;米国の女性サイズ(例えば、狭い、平均、広い、さらに広い及び/又はその他などのあらゆる適当な幅で)4乃至14;米国の子供サイズ6乃至13及び1乃至3;欧州の男性サイズ35乃至51;欧州の女性サイズ35乃至48.5;一般的:小、中、大、XL、XXL及び/又はその他など、の少なくとも一つの足のサイズに適合され関連されたサイズに形成される。特定の靴のサイズが本明細書中に記載されているが、履き物のあらゆるサイズのアイテムが本開示の範囲内にあると考えられる。
【0041】
さらに、例示的実施形態では、治療靴100は、フリーサイズとなるように構成される。例えば、結合部分102及び/又はハウジング101などの治療靴100の部分は、様々な足のサイズ、幅及び長さに対応するように拡張可能及び/又は伸縮自在にすることができる。様々な例示的実施形態では、治療靴100は、右足を受け入れるように形状づけられた、左足を受け入れるように形状づけられた、あるいは、右足又は左足を受け入れるように形状づけられた、の一つであるように構成される。特定の実施形態では、治療靴100は、対に、例えば、右足及び左足が各々一つの二つの治療靴100で提供されることができる。
【0042】
図4を参照すると、例示的実施形態では、使用者(及び/又は介護者、第三者等)は、治療靴100のキャビティ(図示せず)の中に治療デバイス400を挿入することができる。治療靴100の(第1の閉じた状態からの)ストラップ160、163、165は開かれる。下肢(例えば足)などの使用者の一部は、ストラップ160、163、165の第1及び第2の側面の間に挿入され、表面120と接触する。治療靴120の表面120及び/又は他の構成要素に対する使用者の部分の位置は、治療靴100の要素及び/又は使用者の個別の体の位置の相関関係にすることができる。ひとたび使用者の一部分が所望の位置にあると、ストラップ160、163、165は、(例えば、第2の位置から第1の閉じた位置に)調整される及び/又は閉じられる。治療靴400は、開口部110を通じて作動される。
【0043】
様々な例示的実施形態では、治療靴100は、使用者によって提供される力に耐えるように構成されながら、治療靴100は使用に結合される。例えば、使用者は、治療靴100に結合されながら立ったり歩いたりすることによって治療靴100に力を提供する。使用者は、治療靴100に結合されながらあらゆるペースで動くことができる。特定の実施形態では、治療靴100は使用者が動くことを許容するように構成されているが、他の実施形態では、治療靴100は、治療靴100に結合されながら歩行不能のままの使用者による使用のために構成されることができることを理解されるであろう。
【0044】
例えば、特定の実施形態では、治療靴100は、“ウォーキング”靴として構成されることができる。これらの実施形態では、治療靴100は、従来の靴と同様に着用者によって利用される。これらの実施形態では、治療靴400は、例えば、着用者の不快感、治療装置400への損傷及び/又はその他などを防止するために、着用者が歩くときに作動しないように構成されることができる。他の例示的実施形態では、治療靴100は、“非ウォーキング”靴として構成されることができる。これらの実施形態では、治療靴100は、非歩行のときに着用者によって利用されることができる。これらの実施形態では、治療靴400は、常に作動、スケジュールされた間隔で作動などに構成されることができる。
【0045】
図6を参照すると、様々な例示的実施形態では、治療靴100は、加圧衣服、例えば、加圧靴下680に連結され、及び/又は加圧衣服、例えば、加圧靴下680と連結して利用されることができる。加圧靴下680は、例えば、深部静脈血栓症を治療するため、運動回復を容易にするため及び/又はその他のために、治療デバイス400と相補的に動作するように構成されることができる。例示的実施形態では、加圧靴下680は、ジッパー、スナップ、ストラップ、ボタン、フック、フック及びループファスナー及び/又はその他などの一つ以上を介して治療靴100に解放可能に結合される。他の例示的実施形態では、加圧靴下680は、例えば、接着、縫合及び/又はその他などを介して、治療靴100に恒久的に結合される。
【0046】
加圧靴下680は、あらゆる適当な可撓性材料からなり、そして、肢の一部分を少なくとも部分的に収容するため及び/又は加圧するために、必要に応じてあらゆる適当な寸法、形状、曲線、ステッチ及び/又はその他などを有するように構成されることができる。さらに、加圧靴下680は、あらゆる適当な加圧レベル、例えば、約5mmHg乃至約50mmHgを有するように構成されることができる。加圧靴下680は、腿が高いように、腿が高いように、パンティーストッキングのように、及び/又はあらゆる他の適当な構造に構成されることができる。
【0047】
加圧靴下680は、使用者によって着用されたときに表面の静脈、動脈、筋肉、および他の軟組織を加圧するために、循環する血液は、狭い循環チャネルを通じて強制されて動脈圧を増加させる。この着用者の手足の血液の分配は、治療デバイス400の動作に反応して改善された結果(例えば、血液循環の増加、足や下肢などに血液が貯留するのを減少など)を容易にすることができる。別の言い方をすれば、加圧靴下680及び治療装置400が一列に並んで作動するとき、血流は、運動回復の促進、深部静脈血栓症の低減、浮腫の低減及び/又はその他の結果で、さらに濃縮されて増加される。
【0048】
本開示は、様々な例示的実施形態に介して上述した。しかしながら、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、変更および修正は例示的実施形態になされ得ることを認識されるであろう。例えば、様々な操作手順と同様に、操作手順を行うためのコンポーネントは、特定の用途に応じて別の方法で、またはシステムの動作に関連するコスト関数の任意の数を考慮して実装することができ、例えば、手順の一つ以上が、変更、削除、または他のステップと組み合わせることができる。さらに、上記の加圧を支援するための方法およびシステムは足の使用に適しているが、同じようなアプローチは、手、ふくらはぎ、四肢または体の他の部分に使用することができることに留意すべきである。これらおよび他の変更や修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
前述の明細書では、本開示は、様々な実施形態を参照して説明された。しかし、当業者は、様々な修正および変更が特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることを認識される。従って、本明細書では、限定的な意味ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、そのようなすべての修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。同様に、利益、他の利点および問題の解決策は、様々な実施形態に関して説明された。しかし、利益、利点、または解決策が発生した場合や、より顕著に生じる又はなる利益、利点、問題の解決策、任意の要素(複数可)は、特許請求の範囲の全ての、重要な、必要な、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。本明細書中に使用されるように、用語“備える”、“備えている”又はあらゆる他のその変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図され、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、これらの要素だけを含まず、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に特にリストされていない又は内在しない他の要素を含む。また、本明細書に使用されているように、用語“結合された”、“結合する”又はあらゆる他のその変形は、物理的な結合、電気結合、磁気結合、光結合、コミュニケーション結合、機能的な結合及び/又はその他の結合を包含することを意図している。さらに、“A、B又はCの少なくとも一つ”と同様な用語が特許請求の範囲で使用される場合、フレーズが次のいずれかを意味することが意図される:(1)Aの少なくとも一つ;(2)Bの少なくとも一つ;(3)Cの少なくとも一つ;(4)Aの少なくとも一つ及びBの少なくとも一つ;(5)Bの少なくとも一つ及びCの少なくとも一つ;(6)Aの少なくとも一つ及びCの少なくとも一つ;又は(7)Aの少なくとも一つ、Bの少なくとも一つ及びCの少なくとも一つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部分を有するハウジングを備える靴であって、
ハウジング部分は、
底面と、
底面に取り付けられた側面と、
側面に取り付けられた、開口を有する上面と、
底面と側面と上面とによって画定されたハウジングの穴とを備え、
ハウジングの穴は、治療デバイスを受け入れるように構成される、靴。
【請求項2】
請求項1記載の靴において、
ハウジングに結合された加圧覆いを更に備える、靴。
【請求項3】
請求項1記載の靴において、
開口は、足加圧システムの制御構成部を隠すために移動可能なカバーを有するように構成される、靴。
【請求項4】
請求項1記載の靴において、
側面は、約6平方センチメートル乃至約40平方センチメートルの領域を有する、靴。
【請求項5】
請求項1記載の靴において、
靴は、運動靴である、靴。
【請求項6】
請求項1記載の靴において、
ハウジングの穴内に配置された治療デバイスを更に備え、治療デバイスは、靴の着用者が歩かないときに作動し、その着用者が歩くときに作動しないように構成される、靴。
【請求項7】
足を加圧するための方法であって、
そこに収容された、電源を備える治療デバイスを有する履き物のアイテムを提供するステップと、
履き物のアイテムを足に結合するステップと、
治療デバイスを作動するステップと、を備える、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
治療デバイスを作動するステップは、足の静脈集網叢領域を繰り返し加圧するステップを備える、方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、
治療デバイスを作動するステップは、足の一部分を加圧するために圧力パッドを足と接触させるために1回目に圧力パッドを動かすステップと、
足の一部分が少なくとも部分的に血液で満たすのを許容するために圧力パッドを足から外すために2回目に圧力パッドを動かすステップと、
足の一部分の外に少なくとも血液の一部分を押すために圧力パッドを足と接触させるために3回目に圧力パッドを動かすステップと、を備える、方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、
足と関連した肢に加圧覆いを結合するステップを更に備える、方法。
【請求項11】
請求項7記載の方法において、
治療デバイスは、履き物のアイテムの使用者が歩くときに足に加圧力を提供しないように構成される、方法。
【請求項12】
履き物のアイテムであって、
そこを通る開口を有するハウジングであって、開口は可撓性開口カバーを有するように構成された、ハウジングと、
ハウジングに結合された加圧覆いと、
靴と、
ハウジングと靴との間に配置され、足の一部分を加圧するために開口を少なくとも部分的に延びるように構成された治療デバイスと、を備え、
履き物のアイテムは、履き物のアイテムが着用されたときに治療デバイスの存在を完全に隠すように構成される、履き物のアイテム。
【請求項13】
請求項11記載の履き物のアイテムにおいて、
ハウジング及び靴の少なくとも一つは、使い捨て可能である、履き物のアイテム。
【請求項14】
請求項11記載の履き物のアイテムにおいて、
治療デバイスは、履き物のアイテム内に完全に収容される、履き物のアイテム。
【請求項15】
履き物のアイテムであって、
ハウジングと、
ハウジングの穴に配置された治療デバイスと、
足の一部分を保持するように構成された結合部分と、を備える、履き物のアイテム。
【請求項16】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
ハウジングは、さらに、
足に隣接されるように構成されたハウジングの一部分に配置された開口を備え、
開口は、治療デバイスが足の一部分に加圧力を提供するのを許容するように構成される、履き物のアイテム。
【請求項17】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
履き物のアイテムは、ブーツ、運動靴、ドレス靴又はサンダルの少なくとも一つからなる、履き物のアイテム。
【請求項18】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
履き物のアイテムは、加圧覆いに結合される、履き物のアイテム。
【請求項19】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
開口は、可撓性部材によって少なくとも部分的に覆われる、履き物のアイテム。
【請求項20】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
履き物のアイテムは、治療デバイスを収容するように構成された穴がない履き物のアイテムと外観が同じである、履き物のアイテム。
【請求項21】
請求項15記載の履き物のアイテムにおいて、
履き物のアイテムは、運動回復を容易にするために運動中に着用可能であるように構成される、履き物のアイテム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−521099(P2013−521099A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−557126(P2012−557126)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/027220
【国際公開番号】WO2011/109725
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(511008311)エイベックス, エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】