説明

泡入り合わせガラスおよびその製造方法

【課題】ガラス板間に多数の泡を含む新規な泡入り合わせガラスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】2枚のガラス板の間に空間を包囲し注入孔を除いて前記空間を気密的に塞ぐようスペーサーを設ける。注入孔から空間にアクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入し、各ガラス板の間に設ける。アクリルシラップは少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含む。アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至85℃の温度で2乃至12時間加熱した後、90乃至100℃の温度で4乃至12時間加熱する。アゾ系高分子重合開始剤により重合させて各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成する。アクリルシラップ硬化物により各ガラス板を接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡入り合わせガラスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合わせガラスには、PVB(ポリビニールブチラール樹脂)等のフィルムを接着膜とし、熱と圧力で製作する方法(フィルム合わせ)と、2枚のガラス板に1mm〜4mm程度の幅の空間を作り、その空間に液体の樹脂を流し込み、化学反応させることで2枚のガラス板を接着させる方法(樹脂合わせ)とがある。
【0003】
樹脂合わせでは、2枚のガラス板間にスペーサーを装着し、その間隙にアクリルモノマーと重合開始剤とを注入し、続いて重合を行う製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、樹脂発泡体の製造方法として、部分的にアルカリ金属塩とされたアクリル酸モノマーの重合開始剤に、重合時に分解して窒素ガスを発生するアゾ系重合開始剤を用いて発泡させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2619288号公報
【特許文献2】特開平8−253615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の合わせガラスでは、ガラス板間に泡が生じるのは望ましくないため、泡を発生させたものは製品として用いられていなかった。従来、ガラス板間に泡が発生した合わせガラスは不良品でしかなく、泡を多数発生させて製品化しようとする発想は全くなかった。泡を多数発生させた合わせガラスの製品化を検討するとき、樹脂に特許文献2記載の樹脂発泡体を使用することが考えられるが、特許文献2記載の樹脂発泡体では、発生する泡の量が多くなるため、薄い間隙に設けられる合わせガラスには適さなかった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、ガラス板間に多数の泡を含む新規な泡入り合わせガラスおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法は、2枚のガラス板の間に、少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含むアクリルシラップと、アゾ系高分子重合開始剤との混合物を設け、前記アクリルシラップに含まれるアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを前記アゾ系高分子重合開始剤により重合させて各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成し、前記アクリルシラップ硬化物により各ガラス板を接着することを特徴とする。
本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法では、アクリルシラップに含まれるアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを重合させる際にアゾ系高分子重合開始剤から多量の窒素ガスの気泡が発生し、各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成する。各ガラス板は、泡を含んだアクリルシラップ硬化物により接着される。ガラス板間に多数の泡を含んだ泡入り合わせガラスは、新規で意匠性が高く、合わせガラスの用途を広げることができる。
本発明においてアクリルシラップとは、少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含み、常温において液状で、重合開始剤により硬化するものをいう。
【0008】
本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法では、各ガラス板の間に空間を包囲し注入孔を除いて前記空間を気密的に塞ぐようスペーサーを設け、前記注入孔から前記空間に前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入し各ガラス板の間に設けることが好ましい。
この場合、アクリルシラップの重合が進行するにつれて発生する泡が包囲するスペーサーにより阻まれて外部に逃げないため、泡をアクリルシラップ硬化物の中に効率的に含ませることができる。
【0009】
前記スペーサーは両面接着テープから成り、一方のガラス板の片面に前記スペーサーを環状に配置して貼り付け、他方のガラス板の片面に前記スペーサーをその片面の一部に剥離紙を貼り付けた状態で貼り付けることによって前記剥離紙の位置を前記注入孔として各ガラス板と前記スペーサーとの間に前記空間を形成することが好ましい。
この場合、アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入する注入孔と空間の形成を容易にすることができる。
【0010】
本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法では、前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至100℃の温度で加熱して硬化させることが好ましい。
特に、本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法では、前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至85℃の温度で2乃至12時間加熱した後、90乃至100℃の温度で4乃至12時間加熱して硬化させることが好ましい。
この場合、泡の発生を安定させ、泡の偏りを少なくし、泡をアクリルシラップ硬化物全体に均一に発生させるとともに、泡の大きさのばらつきを少なくすることができる。
【0011】
本発明に係る泡入り合わせガラスは、2枚のガラス板とアクリルシラップ硬化物とを有し、前記アクリルシラップ硬化物は、内部にアゾ系高分子重合開始剤と窒素ガスの泡とを含み、各ガラス板の間に設けられて各ガラス板を接着していることを、特徴とする。
本発明に係る泡入り合わせガラスは、本発明に係る泡入り合わせガラスの製造方法により好適に製造することができる。本発明に係る泡入り合わせガラスは、ガラス板間に多数の泡を含んでいるため、新規で意匠性が高い。本発明において、アクリルシラップ硬化物とは、少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含み、常温において液状のアクリルシラップを、重合開始剤により硬化させたものをいう。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガラス板間に多数の泡を含む新規な泡入り合わせガラスおよびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態の泡入り合わせガラスの製造方法の温度条件を示している。
本発明の実施の形態の泡入り合わせガラスの製造方法では、2枚のガラス板の間に空間を包囲し注入孔を除いてその空間を気密的に塞ぐようスペーサーを設ける。スペーサーは、両面接着テープから成る。一方のガラス板の片面にスペーサーを環状に配置して貼り付ける。環状の配置は、四角形の環状であっても円形の環状であっても、閉じた形状であればよい。他方のガラス板の片面に、スペーサーをその片面の一部に剥離紙を貼り付けた状態で貼り付ける。これによって剥離紙の位置を注入孔として各ガラス板とスペーサーとの間に空間を形成する。
【0014】
剥離紙の位置の注入孔から空間に、アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入し、各ガラス板の間に設ける。注入後、注入孔の位置の剥離紙を取り除き、スペーサーをガラス板に貼り付けて注入孔を塞ぐ。アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至100℃の温度で加熱して硬化させる。好ましくは、アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至85℃の温度で2乃至12時間加熱した後、90乃至100℃の温度で4乃至12時間加熱する。アゾ系高分子重合開始剤によりアクリルシラップに含まれるアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを重合させて各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成する。アクリルシラップ硬化物により各ガラス板を接着する。
【0015】
2枚のガラス板は、大きさ、厚さ、色、性質、その他、限定されない。また、2枚のガラス板にさらに1枚または複数枚のガラス板を重ね、各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成し、アクリルシラップ硬化物により各ガラス板を接着してもよい。スペーサーには、気密性のある粘着材を好適に用いることができ、気密性の両面接着テープのほか、弾力性のあるブチルゴム、熱可塑性ゴムなどを用いることができる。
2枚のガラス板の間隙は、限定されないが、1mm乃至4mm程度の範囲が好ましい。注入孔は、スペーサーをガラス板に配置する際に空間を完全に塞がずに設けるようにしても、空間を完全に塞いだ後に孔をあけて設けるようにしてもよい。
【0016】
アクリルシラップは、少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含み、常温において液状で、重合開始剤により硬化するものから成る。アクリルシラップに含まれるアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーとしては、アクリル酸エステル系のモノマーもしくはオリゴマー、これらの誘導体またはこれらの2種以上の混合物を用いることができ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-プロピル、(メタ)アクリル酸クロロ-2-ヒドロキシエチル、モノ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルおよび(メタ)アクリル酸イソボロノル等を挙げることができる。アクリルシラップは、アクリル系以外のモノマーやゴム状重合体などを含んでいてもよい。ゴム状重合体としては、アクリルゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、などの共役ジエン系ゴムまたはその水素添加物、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム、ポリイソブチレンゴムなどのオレフィン系ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑エラストマー等が挙げられる。
【0017】
使用するアクリルシラップの粘度を調節することにより、硬化時の気泡の形状を真円に近い形状やアメーバのように楕円を複雑に歪めた形状など種々の形状に変えることができる。硬化時の気泡の形状は、粘度を小さくした場合、真円に近い若しくは楕円のような形状となり、粘度を大きくした場合、アメーバのような複雑な形状となる。粘度の調節は、異なる粘度のアクリルシラップを任意の割合で混合することにより行うことができる。アクリルシラップ硬化物は、顔料、染料等で着色することができる。
アゾ系重合開始剤としては、公知のアゾ系重合開始剤を用いることができ、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオニトリル)、2,2'‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2'‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2'‐アゾビス(2‐シクロプロピルプロピオニトリル)、1,1'‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)、ジメチル‐2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)などが挙げられる。
【0018】
このようなアゾ系重合開始剤は、単独で用いても複数組み合わせて用いてもよく、アゾ系重合開始剤とアゾ系以外の重合開始剤とを組み合わせて用いてもよい。本発明では、このようなアゾ系重合開始剤を、アクリルシラップ100質量部に対して0.1乃至10質量部、好ましくは0.5乃至2質量部、特に好ましくは0.65乃至1質量部の量で使用することができる。アゾ系重合開始剤の量が少ないと泡の発生が不十分となるため、好ましくない。
【0019】
アクリルシラップを加熱重合する温度と時間は、第1段階が75乃至85℃の温度で2乃至12時間、好ましくは80℃で6時間、第2段階が90乃至100℃の温度で4乃至12時間、好ましくは90℃で6時間である。
アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を空間に注入する前に、数分間、撹拌脱泡させることが好ましい。これにより、泡をアクリルシラップ硬化物全体に均一に発生させやすくなる。
【0020】
アクリルシラップを重合させる際にアゾ系高分子重合開始剤から多量の窒素ガスの気泡が発生し、各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成する。アクリルシラップ硬化物に含まれる泡は、発生する際に包囲するスペーサーにより阻まれて外部に逃げないため、泡をアクリルシラップ硬化物の中に効率的に含ませることができる。アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至85℃の温度で2乃至12時間と、90乃至100℃の温度で4乃至12時間の2段階で加熱することにより、泡の発生を安定させ、泡の偏りを少なくし、泡をアクリルシラップ硬化物全体に均一に発生させるとともに、泡の大きさのばらつきを少なくすることができる。このため、見栄えが良好となる。上記の条件で2段階加熱することにより、泡を2mm乃至10mmの範囲にほぼ収めることができる。
【0021】
両面接着テープをスペーサーとし、一部に剥離紙を貼り付けた状態のスペーサーの剥離紙の位置を注入孔とすることにより、アクリルシラップとアゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入する注入孔と空間の形成を容易にすることができる。
ガラス板間に多数の泡を含んだ泡入り合わせガラスは、新規で意匠性が高く、合わせガラスの用途を広げることができる。泡入り合わせガラスは、例えば、間仕切りガラス、デザインガラスとして利用可能である。
【実施例1】
【0022】
<ガラステープ貼り>
1枚ガラス板(500mm×1000mm)の4辺にスペーサーとなる両面接着テープを貼り付けた。両面接着テープには、厚さが1mm乃至4mmのものを用いた。スペーサーを設置したガラスに同じ大きさのもう1枚のガラスを貼り合わせ、3辺を接着し、2枚のガラス板の間に空間を作った。4辺のうち1辺のスペーサーは、片面に剥離紙がある状態にし、その位置を樹脂の注入孔とした。
【0023】
<樹脂準備>
メタクリル酸メチル40質量%とアクリル酸n-ブチル26質量%とを主成分とする粘度10mPa・sの市販のアクリルシラップ100質量部とアゾ系高分子重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.75質量部とを8分間、撹拌混合し脱泡させて樹脂を準備した。
【0024】
<樹脂注入>
注入孔からガラス板の間の空間に、準備した樹脂を注入した後、注入孔の位置の剥離紙を取り除き、スペーサーをガラス板に貼り付けて注入孔を塞いだ。このとき、外径0.5乃至1.2mmの注射針を取り付けたシリンジを用い、注射針をスペーサー部分に刺して、余分な空気を取り除いた。
【0025】
<加熱養生>
樹脂を間に注入したガラス板を80℃に設定した加熱炉に投入した。加熱炉の温度条件を以下の(1)〜(9)のように変えて、アクリルシラップを加熱重合させ、泡入り合わせガラスを製造した。
(1)60℃で12時間加熱後、2時間で常温まで降温した。
(2)70℃で12時間加熱後、2時間で常温まで降温した。
(3)80℃で12時間加熱後、2時間で常温まで降温した。
(4)90℃で12時間加熱後、2時間で常温まで降温した。
(5)100℃で12時間加熱後、2時間で常温まで降温した。
(6)80℃で6時間加熱後、90℃まで1時間昇温し、90℃で6時間加熱、その後、2時間で常温まで降温した。
(7)80℃で2時間加熱後、90℃まで1時間昇温し、90℃で9時間加熱、その後、2時間で常温まで降温した。
(8)80℃で2時間加熱後、70℃まで1時間降温し、70℃で9時間加熱、その後、2時間で常温まで降温した。
(9)80℃で6時間加熱後、90℃まで1時間昇温し、90℃で3時間加熱、その後、2時間で常温まで降温した。
【0026】
<結果>
(3)、(4)、(5)のように75℃〜100℃付近の温度で養生した場合、気泡が無数に発生した。しかし、(1)、(2)のように60℃や70℃の比較的低い温度で養生した場合には、ガラス−樹脂界面に気体が集中する傾向があり、樹脂がガラス板から剥離した状態となった。(6)、(7)のように、75乃至85℃の温度で2乃至12時間加熱した後、90乃至100℃の温度で4乃至12時間加熱して2段階加熱を行った場合には、(3)、(4)、(5)に比べて泡の発生が安定して、泡がアクリルシラップ硬化物全体に均一に発生しており、泡の大きさのばらつきも少なかった。発生した泡は、2mm乃至10mmの範囲にほぼ収まる大きさで、見栄えが良好であった。しかし、(8)のように70℃の温度に降温して養生した場合、泡の発生は不十分であった。(9)のように90℃に昇温した後の養生時間が3時間以下の場合には、泡の発生が不十分な部分を生じた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のガラス板の間に、少なくともアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを含むアクリルシラップと、アゾ系高分子重合開始剤との混合物を設け、前記アクリルシラップに含まれるアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーを前記アゾ系高分子重合開始剤により重合させて各ガラス板の間に窒素ガスの泡を含むアクリルシラップ硬化物を形成し、前記アクリルシラップ硬化物により各ガラス板を接着することを特徴とする泡入り合わせガラスの製造方法。
【請求項2】
各ガラス板の間に空間を包囲し注入孔を除いて前記空間を気密的に塞ぐようスペーサーを設け、前記注入孔から前記空間に前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を注入し各ガラス板の間に設けることを特徴とする請求項1記載の泡入り合わせガラスの製造方法。
【請求項3】
前記スペーサーは両面接着テープから成り、一方のガラス板の片面に前記スペーサーを環状に配置して貼り付け、他方のガラス板の片面に前記スペーサーをその片面の一部に剥離紙を貼り付けた状態で貼り付けることによって前記剥離紙の位置を前記注入孔として各ガラス板と前記スペーサーとの間に前記空間を形成することを特徴とする請求項2記載の泡入り合わせガラスの製造方法。
【請求項4】
前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至100℃の温度で加熱して硬化させることを特徴とする請求項1,2または3記載の泡入り合わせガラスの製造方法。
【請求項5】
前記アクリルシラップと前記アゾ系高分子重合開始剤との混合物を75乃至85℃の温度で2乃至12時間加熱した後、90乃至100℃の温度で4乃至12時間加熱して硬化させることを特徴とする請求項1,2または3記載の泡入り合わせガラスの製造方法。
【請求項6】
2枚のガラス板とアクリルシラップ硬化物とを有し、前記アクリルシラップ硬化物は、内部にアゾ系高分子重合開始剤と窒素ガスの泡とを含み、各ガラス板の間に設けられて各ガラス板を接着していることを、特徴とする泡入り合わせガラス。