泡立て方法および泡立て用具、皮膚洗浄用布帛
【課題】泡立て方法に関し、均一で細かい泡を作製する方法、および泡立て用具、皮膚洗浄布帛を提供する。
【解決手段】
(1)向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立て、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡する。
(2)布帛やフィルムを擦り合わせて泡立て、布帛やフィルムの厚みにより整泡する。
(3)0.15mm未満の厚みの布帛を用いて、石鹸等を泡立てて皮膚を洗浄する。
【解決手段】
(1)向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立て、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡する。
(2)布帛やフィルムを擦り合わせて泡立て、布帛やフィルムの厚みにより整泡する。
(3)0.15mm未満の厚みの布帛を用いて、石鹸等を泡立てて皮膚を洗浄する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細かく均一な泡を作製する方法、特に、皮膚洗浄用の細かく均一な泡を作製する方法に関する。さらに、細かく均一な泡を作製するための泡立て用具および皮膚洗浄用布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より泡は例えば顔や体を洗う場合であったり、洗濯や食器洗い、カーペットや風呂釜、浴室、ガラスの掃除などの生活に密着した場面でよく利用されている。それぞれの用途で泡に要求される特性は異なってくるが、例えばヒトの毛穴や繊維の間の汚れを落とすためには非常に細かい泡が適していたり、一方で洗剤を洗い流すためには泡切れがよいことが求められたり、風呂釜等壁面の洗浄では擦らずに清掃できる様に壁面に泡を長時間密着させたりすることが求められる。このような要求を満たすため、洗剤等の被泡立て原料については数多くの研究がされている。しかしながら、泡立て方法に関してはあまり検討されていない。
【0003】
特開2003―175293号公報は、洗剤泡による洗濯機が提案がされており、泡による洗濯の効果が示されている。この文献において泡立て方法は洗剤液に空気を送り込むことで泡を発生させているが、このように空気を送り込む方法は、一般的に泡が大きくなり、また、泡の大きさを揃えるといったことができない。
【0004】
特開平7−275678号公報は、多段にメッシュを設けて、シャボン玉を作る要領で泡立てる方法を提案している。メッシュの網目を選択することで整泡できることを示しているが、網目を細かくすれば、その分高い圧力が必要になり、細かい泡を作成するには不十分であった。
【0005】
実開昭58−40037号公報では、攪拌することによる泡立てが示されている。洗剤液をスターラー等で攪拌すると、細かく均一な泡ができるが、泡の質を観察すると泡の膜が厚く、しゃびしゃびの泡しかできないという問題があった。
【0006】
また、特開2004―332149号公報は、極細繊維で構成された皮膚洗浄用布帛を提案しており、石鹸を泡立てたとき極めの細かい泡ができるとしているが、泡の径をコントロールすることについては記載はない。
【特許文献1】特開2003―175293号公報
【特許文献2】特開平7−275678号公報
【特許文献3】実開昭58−40037号公報
【特許文献4】特開2004―332149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の様な従来の泡立て方法では達成できなかった均一で細かく、膜が厚くない良質な泡を作製する方法を提供するものである。具体的には、擦り合わせて泡立てる方法に着目し、その原理を追求することで、容易に泡の大きさを調整することが可能な手段を提供するものである。
【0008】
また、前記手段を用いて細かく均一な泡を発生する泡立て用具、および皮膚に優しく、毛穴など非常に細かい部分にまで泡を送り込むことができる洗浄効果に優れた皮膚洗浄用布帛を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため下記の構成を有する。
(1)向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立てる方法であって、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
(2)前記表面がシート表面であり、かつ前記運動が往復運動であることを特徴とする泡立て方法。
(3)シートを擦り合わせて泡立てる方法であって、該シートの厚みを変えることにより所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
(4)(3)項のシートが布帛またはフィルムであることを特徴とする泡立て方法。
(5)(4)項の布帛あるいはフィルムに皺を作りながら泡立てることを特徴とする泡立て方法。
(6)前記(1)、(2)の泡立て方法を実現するために、略一定の隙間を有する2つの表面を有し、互いの表面を略平行に、かつ例えば往復運動など相対的に速度差が生じる様に運動させることができ、前記隙間を変えて所望の大きさに整泡する泡立て用具。
(7)前記(3)〜(5)の泡立て方法を利用した皮膚洗浄用布帛。
【発明の効果】
【0010】
本発明の泡立て方法は、均一で細かい泡を作製することができ、かつ、簡単に泡の大きさを調整することができる。
【0011】
また、本発明の皮膚洗浄用布帛は、均一で細かい泡を作製することができるため、皮膚に優しく、毛穴など細かい部分まで汚れを落とす効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の泡立て方法について以下に説明するが、本発明の泡立て用具はこの方法を実施するための用具であり、合わせて説明する。
【0013】
本発明の第1の泡立て方法について、泡立て用具の一例を図1に示して態様を説明する。図1の泡立て用具はシート1とシート1’の間にスペーサー2を配しており、このスペーサー2によりシート1表面とシート1’表面は一定間隔の隙間を有している。この隙間に被泡立て原料を供給し、シート1とシート1’が相対的に速度差が生じる様、例えばシート1とシート1’を互いに略平行に相反する方向に往復運動させる、または、シート1を固定してシート1’のみを略平行方向に往復運動させる様に摺動させることで泡を整泡するものである。
【0014】
ここで「整泡」とは泡の大きさを揃えることで、シートを摺動させるにつれて泡は細分化されて略均一な大きさとなる。摺動回数は被泡立て原料により異なるが、例えば石鹸水などは50往復程度で整泡できる。また、「略平行」とは、完全な平行でなくとも、おおむね平行であればよいことを意味する。
【0015】
前記シート表面間の隙間の間隔を変えることで泡の大きさが調整できる。間隔を狭くすれば泡は細かくなり、間隔を大きくすれば泡は大きくなる。泡の大きさも被泡立て原料の粘性や濃度などにより影響されるため、所望の大きさに泡を整泡するには表面の間隔を実験的に求めなければならない。適当な濃度の石鹸水を泡立てる場合を例にあげると、泡の大きさを平均して0.02mm2以下にするには、シート間隔はおよそ2mm以下にして摺動すればよい。
【0016】
泡の大きさを均一にするにはシート表面の間隔は一定であることが望ましい。そのため、シートは摺動によって変形しない程度に剛性があることが好ましいが、シート材料としてはガラス、プラスチック、金属など特に限定されるものではない。シートの形状も特に限定されるものではなく、図1の様に平板状のシートを互いに速度差が生じる様に略平行に往復運動させて泡立ててもよいし、図2に示す様な直径の異なる2つの円筒形あるいは円筒の一部を利用した泡立て用具(シート)で、直径の小さい円筒具の外面と直径の大きい円筒具の内面で作られる隙間内で円筒具を速度差が生じる様に回転させて泡立ててもよい。また、シートの枚数は何段であってもよい。
【0017】
シートの間隔は、一定であるのが望ましいとしたが、例えば、連続的に被泡立て原料を供給しながら泡立てる場合には、図2の様に泡の出口側に向かって間隔を徐々に狭めたりしてもよく、局所的に見て略一定の間隔であれば、泡の大きさを揃えることができるものである。また、泡の大きさのみでなく、泡の位置を揃えるためにシートに案内溝などを設けてもよい。
【0018】
ここで、製泡するにあたっては、被泡立て原料は、空気などの気体と混合して供給されなければならない。シート表面間に被泡立て原料だけが満たされる状態では、摺動しても空気が供給がないのでほとんど満足な泡にはならない。大きな泡やシャボン膜の状態で供給されれば、泡を作るのに十分な気体が得られるので好適である。
【0019】
被泡立て原料としては、一般に洗剤として使用されている石鹸水や各種洗剤液などあげられるが、緩衝材や断熱材、軽量プラスチックなど硬化させて成形品となる原料など特に限定されるものではない。被泡立て原料は泡立て易く、かつ使用状況に合わせて濃度など調整されているのが好ましい。
【0020】
以上、本発明の第1の泡立て方法における物体をシートで説明してきたが、後述する本発明の第2の泡立て方法と同様、シートの他、例えば、布帛あるいはフィルム等、ある程度の面積の表面を有する物体であれば特に限定されない。
【0021】
本発明の第2の泡立て方法は、シート、例えば、布帛あるいはフィルムなどを擦り合わせて被泡立て原料を泡立てるもので、シートの厚みにより泡の大きさを調整する方法である。
【0022】
タオルなどの布帛に石鹸水を供給して擦り合わせれば泡立つことはよく知られているが、その現象については、詳細にわかっておらず、本発明者らは、どのような布帛やフィルムを使い、どのような擦り方をすれば、細かく均一な泡ができるのか種々の検討を重ね、以下のことを見いだした。
【0023】
まず、布帛やスポンジの泡立ちを観察すると、手で押して揉むようにして擦ると泡が発生する。よく観察すると、編織物やスポンジの空隙に張ったシャボンの膜が揉み押すときの圧力で空気を取り込み泡になっている。しかし、こうしてできた泡は細かく均一にはならない。フィルムで泡立てみると泡立つことからも、泡立てには空隙が必須ではないと言える。
【0024】
次に、布帛の表面の形状、凹凸について注目し、布帛をまっすぐ張った状態で手で擦ってみる。すると泡はほとんど発生させることができないことがわかる。今度は、指の形状に似せて直径1cm程度のパイプを4つ連ねた治具を作製し、連ねたパイプに布帛を沿わせて擦ってみた。すると若干ではあるが、パイプの隙間部分に泡が溜まっていた。
【0025】
すなわち、布帛やフィルムでの泡立ては指の隙間や、擦り合わせたときにできる布帛やフィルムの襞がスペーサーの役割となってできる隙間、さらには緩く擦り合わせたとき、すでに発生している泡の圧力で微妙な隙間ができ、これらが泡を細かく分割して多くの泡を発生させるのである。
【0026】
特に泡の大きさは襞の厚みによる影響が大きく、すなわち布帛やフィルムの厚みが厚いほど泡が大きくなり、厚みが薄いほど細かい泡を作ることができることを見出した。すなわち、布帛やフィルムの厚みを設定することによって、製泡する泡の径をコントロールすることができる。
【0027】
泡立てネットなど、ネット状のものが泡立て易いのも、この原理を応用したもので、ネットの隙間、すなわち厚みが泡を分割しているものと考えられる。
【0028】
次に、本発明の皮膚洗浄用布帛について説明する。
【0029】
本発明の皮膚洗浄用布帛とは、厚みが0.15mm未満の布帛で、石鹸水を布帛で泡立てて泡を介して顔などの皮膚の洗浄に用いるものである。泡を介して皮膚を洗うことで角質などの皮膚を傷めることがなく、また、本発明の第2の泡立て方法において示したとおり、布帛の厚みを薄くする、具体的には0.15mm未満とすることで細かく均一な泡を作ることができるため、泡を毛穴など細かい部分まで送り込むことができる。
【0030】
また、本発明の皮膚洗浄用布帛は、KES法により測定される曲げかたさ(B)が0.015g・cm2/cm以下であるのが好ましい。本発明の第2の泡立て方法において示したとおり、細かい泡を作るには襞が有用であり、布帛が柔らく、襞がたくさんできるのが好ましい。
【0031】
さらに、本発明の皮膚洗浄用布帛は、保水量が80g/m2以上、170g/m2以下であることが好ましい。布帛は石鹸や洗顔料などを泡立てるものであるため、その濃度も泡立ち方に影響する。一般に石鹸や洗顔料は濃度が薄いと泡保ちの悪く、大きな泡しかできないか、薄すぎて泡にならなくなるため、布帛が必要以上に保水するのは好ましくない。一方、保水量が少なすぎても泡の発生量に影響する。泡のシャボン膜は水の両面を石鹸や洗顔料の界面活性剤が覆う様にして安定するものであり、水が不足していては余った界面活性剤はミセルを作るだけで泡はできなくなる。使用者が水を補給することは可能であるが、煩わしいだけであり、布帛が適度な保水力を持つのが好ましい。
【0032】
洗顔に使用する場合、顔全体を洗うのに約75ml程度の泡は必要であり、手の大きさに合わせた500cm2程度の布帛で、この量の泡を発生させるには保水量を80g/m2以上にするのが好ましい。
【0033】
なお、ここで保水量は、布帛を完全に水に浸し、布帛が折り重なって水がたまらように引き上げた後、両手で軽い力で50回擦過した後の布帛に含まれている水の重量のことである。
【0034】
本発明の皮膚洗浄用布帛は、単繊維繊度が、0.001デシテックス以上、1.0デシテックス以下のポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維を含んだ構成された布帛で、布帛の空隙が0.01mm2以下であるのが好ましい。
【0035】
布帛がいわゆる極細繊維から構成されていれば、繊維が細く布帛を柔らかくでき、また、毛穴などに詰まった汚れを掻き出す手助けと極細繊維内に汚れをトラップする効果も有する。繊維の強度および布帛のかたさの点から、0.01デシテックス以上、0.1デシテックス以下とするのがより好ましい。繊維の組成は特に限定するものではないが、極細繊維を使用する場合には、ポリエステル系および/またはポリアミド系の合成繊維が製造が容易で、設計に自由度があるため広く使用される。ポリエステル系繊維とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体などからなる繊維であり、ポリアミド系繊維とは、例えば、ナイロン4、ナイロン66およびこれらの共重合体などからなる繊維である。
【0036】
また、布帛は織物、編物、不織布であっても特に限定されるものではないが、例えば織物であれば織密度は高くなければならない。具体的には布帛の空隙が0.01mm2以下の構成を有するものが好ましい。本発明は泡を介して皮膚を洗浄するものであるから、毛穴など細かい部分まで泡を送り込むためには空隙が泡よりも小さくなければ、泡が漏れてしまって細部まで皮膚を洗うことができない。
【0037】
ここで、空隙とは布帛を平面として見て、穴の空いた部分のことで、織物で言えば、糸と糸との間の隙間のことである。
【0038】
9割以上の空隙が0.01mm2以下であることが望ましいが、ほぼ全数の空隙が0.01mm2以下であることがより好ましい。
【0039】
また、上記極細繊維で構成された本発明の皮膚洗浄用布帛は、必要に応じて高圧水流処理されていてもよい。高圧水流処理は繊維同士を絡み合わせて汚れをトラップする効果を高めることができるとともに、布帛の空隙を減少させ、また、保水量を増加させる効果も有するため、高圧水流処理の条件の調整により、設計の自由度を高めることができる。
【0040】
例えば、単繊維繊度が0.01デシテックス以上、0.1デシテックス以下のポリエステル系繊維で構成され、織密度がタテ、ヨコとも110〜170本/2.54cmの平織された厚さ0.08mm以上の布帛においては、水圧4〜6MPaで、布帛の20〜60%の面積に高圧水流処理されるのがよい。高圧水流処理により布帛の厚みはおよそ1.1〜1.6倍増加するが、一方、保水力もおよそ1.1〜1.3倍に増加させることができ、空隙率もおよそ0.5〜0.8倍にさせることができる。
【0041】
布帛はデザインとして染色さるのもよい。染色は分散染料で130℃程度の高温で処理されることが多く、この場合、高水圧処理の効果をマイルドにすることができる。
【実施例】
【0042】
次に実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例で用いる被泡立て原料、および評価方法について以下に示す。
【0043】
<被泡立て原料>
被泡立て原料(1)としては、市販されている花王(株)製”ビオレ(登録商標)洗顔フォーム”(成分:水、アルキル(C11,13,15)リン酸K、ソルビトール、ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、エタノール、リン酸、オクトキシグリセリン、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー、酸化チタン、PEG−65M、PG、安息香酸Na、香料、PEG−6、BHT)を純水に溶かして4.0重量%の石鹸水を作製して用いた。
【0044】
被泡立て原料(2)としては、市販されているカネボウ(株)“ハイシルク化粧石鹸”(成分:石鹸素地、ラウリン酸、エチドロン酸、水、エデト酸塩、香料、酸化チタン)を純水に溶かして2.0重量%の石鹸水を作製して用いた。
【0045】
<泡の大きさの評価方法>
実施例、比較例で泡立てた泡は、以下の方法にて大きさを評価した。
【0046】
泡立てた泡を素早くガラスプレート(75×75×1.1mm)に移行し、あらかじめ用意しておいた顕微鏡サンプル台上の2cm程度の高さのガラスプレート設置台に、泡を付けたガラスプレートを泡を下向きにセットし、顕微鏡(透過光)にてガラスと泡の境界面にピントを合わせて泡の写真を撮影した(約2.3mm×3.6mm)。泡の写真をA4用紙に印刷し、泡を黒マジックでなぞった後、スキャナーで画像を取り込んだ。取り込んだ画像を画像処理装置で二値価した後、略円で囲まれている図形の平均直径、面積、および個数を計数した。計数した泡を平均直径0.1mm毎に区間をとり、それぞれの区間の泡が占める総面積の割合をパーセンテージにてグラフ化した。
【0047】
<布帛の厚み測定>
布帛の厚みはダイヤルゲージにて測定した。布帛の凹凸やダイヤルゲージの針の圧力による影響を避けるため、2cm角のフィルム(厚さ200μm)を布帛の上に敷いて、布帛とフィルムを合わせた厚みを測定し、後にフィルム厚みを引いて計算した。3箇所測定し、その平均を布帛厚みとした。
【0048】
<布帛の曲げかたさの評価方法>
布帛の曲げかたさはKESの曲げかたさ(B)法の測定方法にて測定した。
【0049】
<布帛の保水量の測定方法>
布帛の保水量は、完全に乾燥した状態の布帛の重量を測定し、次に布帛を完全に水に浸し、布帛が折り重ならないように引き上げた後、軽い力で50回擦過した後の重量を測定した。5回測定し、前後の重量差の平均を保水量とした。なお、擦るときの力加減によるばらつきが大きいため、誤差が10%以上ある場合は、再測定して誤差に考慮した。
【0050】
<布帛の空隙の測定方法>
布帛の顕微鏡(反射光)画像を14型テレビモニターにて観察しながら、空隙に焦点を合わせつつ、顕微鏡に接続された測長可能なシステム(KEYENCE製VH−6300C)にて空隙をマウスカーソルで多角形近似して空隙の面積を測定した。およそ0.2mm2の範囲にある空隙の面積、および測定範囲の面積を測定し、さらに布帛の20箇所で同じ測定を行った後、一空隙面積の平均と標準偏差を求めた。
【0051】
<布帛の織密度>
前記測長可能な顕微鏡にて1cm間の糸本数をカウントし、3回の計数結果の平均から織密度を計算した。
【0052】
<泡立ち量の評価>
純水に十分浸した布帛に上記洗顔料をそれぞれ0.2g、0.4g、0.6g、0.8gつけて1分間手で泡立てた後、できた泡を集めてメスシリンダーで泡の体積を測定した。3回試験し、その平均を泡立ち量とした。
【0053】
実施例1〜3
シートとして100×150×2mmのガラス板2枚を用意した。
【0054】
実施例1はその1枚に140×10×1mmの2枚のアクリル板のスペーサーをガラス板の両端に貼り合わせ、上記被泡立て原料(1)(石鹸水)をストローで吹いて作成した大きな泡をスプーンですくいとってのせた後、もう1枚のガラス板を合わせて、約1mmの隙間間隔で100回ガラスを往復運動させて泡を作成した。
【0055】
実施例2はスペーサーの厚みを2mmに、実施例3はスペーサー厚みを3mmとした以外は実施例1と同様にして泡を作成した。
【0056】
実施例1〜3で作製した泡の顕微鏡写真を参考としてそれぞれ図3〜5に示す。作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図6)。図6より、隙間を狭くするほど、均一で細かい泡を作成することができたことがわかる。
【0057】
実施例4〜6
実施例1〜3に対し、被泡立て原料を被泡立て原料(2)変えた以外は同じ方法で実験を行い、それぞれを実施例4〜6とした。
【0058】
作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図7)。 図6、7より、被泡立て原料(石鹸水)に関わらず、隙間を狭くするほど、均一で細かい泡ができることがわかる。
【0059】
実施例7〜9
実施例7として、市販されている厚み0.010mmのポリエチレンのゴミ袋を300mm×190mmにカットし、これを上記泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で擦り合わせて泡を作成した。
【0060】
実施例8は厚み0.025mmのポリエチレン、実施例9は厚み0.040mmのポリエチレンとした以外は実施例7と同様にして泡を作成した。
【0061】
作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図8)。図8より、フィルムを薄くするほど、均一で細かい泡を作成することができたことがわかる。
【0062】
実施例10〜13
実施例10として、以下の布帛を用いた。
【0063】
繊維として、トータル繊度が50デシテックス、9フィラメント(70島/フィラメント)の海島型ポリエステル複合繊維で、島成分がポリエステルテレフタレートで、海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5−ナトリウムイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶ポリエステルからなる繊維(海島比率は20/80)を用いた。この繊維をタテ密度145本/2.54cm、ヨコ密度107本/2.54cmの平織物として通常の織機で製織した。得られて生機を130℃×30分間マレイン酸処理により、その海成分を脆化させた後、80℃×45分間水酸化ナトリウム処理することにより、その海成分を完全に除去した(短繊維繊度0.07デシテックス)。その後、分散染料をもちいて130℃×60分条件下にてライトブルーに染色した。この布帛を300mm×190mmにカットして皮膚洗浄用布帛とした。
【0064】
この布帛を、実施例7と同じ被泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で擦り合わせて泡を作成した。
【0065】
実施例11は、実施例10の布帛に水圧4.9MPaで布帛の約35%の面積に高圧水流が当たるように水流を蛇行させながら高圧水流処理を行った。以外は実施例10と同様にして泡を作成した。
【0066】
実施例12は、実施例11と同様の高圧水流処理を染色を行う前に施した。以外は実施例11と同様にして泡を作成した。
【0067】
実施例13は、水圧を9.8MPaとし、布帛の約45%の面積に高圧水流処理した以外は実施例11と同様にして泡を作成した。
【0068】
実施例10〜13の布帛の厚み、曲げかたさ、保水量、空隙、織密度を表1に示す。また、上記泡の大きさの評価方法にて測定した結果を図9に示す。
【0069】
表1より、高圧水流処理条件、染色加工により、布帛の厚み、保水量など調整でき、図9より布帛の厚みが薄いほど、泡を細かくすることができるのがわかる。布帛の厚みが0.15mm以上になると、比較例2、3の手や市販されている綿の布帛で泡立てた時とあまり変わらない大きさになってしまう。
【0070】
【表1】
【0071】
比較例1、2
比較例1として、上記被泡立て原料(石鹸水)を手で直接泡立てた。
【0072】
比較例2として、市販されている綿の布帛を被泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で泡立てた。なお、綿の布帛の厚みは0.24mm、織密度はタテ、ヨコそれぞれ84、70本/2.54cmで、保水量は267g/m2であった。
【0073】
そのときの泡の大きさを上記泡の大きさの評価方法にて評価した(図10)。
【0074】
手で泡立てたり、厚い綿の布帛で泡立てた泡は実施例10〜13に比べて泡の大きさがばらついていて、細かい泡にならない。
【0075】
また、実施例10〜13、比較例2の布帛について、保水量と泡立ち量の関係を図11に示す。ここで、被泡立て原料の推奨使用量は約0.4gである。布帛の保水量が増加するに伴って泡立ち量も増加している。一方、被泡立て原料(1)に対して保水量が多すぎると泡ができづらくなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の泡立て用具の構成例(1)を表した概略図である。
【図2】本発明の泡立て用具の構成例(2)を表した概略図である。
【図3】実施例1の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図4】実施例2の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図5】実施例3の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図6】実施例1〜3の泡の大きさの測定結果である。
【図7】実施例4〜6の泡の大きさの測定結果である。
【図8】実施例7〜9の泡の大きさの測定結果である。
【図9】実施例10〜13の泡の大きさの測定結果である。
【図10】比較例1、2の泡の大きさの測定結果である。
【図11】実施例10〜13、比較例2の布帛の保水量と泡立ち量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0077】
1、1’: シート
2 : スペーサー
3 : 泡
4、4’: 円筒状シート
5 : 泡
6 : 被泡立て原料投入口
7 : 泡排出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、細かく均一な泡を作製する方法、特に、皮膚洗浄用の細かく均一な泡を作製する方法に関する。さらに、細かく均一な泡を作製するための泡立て用具および皮膚洗浄用布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より泡は例えば顔や体を洗う場合であったり、洗濯や食器洗い、カーペットや風呂釜、浴室、ガラスの掃除などの生活に密着した場面でよく利用されている。それぞれの用途で泡に要求される特性は異なってくるが、例えばヒトの毛穴や繊維の間の汚れを落とすためには非常に細かい泡が適していたり、一方で洗剤を洗い流すためには泡切れがよいことが求められたり、風呂釜等壁面の洗浄では擦らずに清掃できる様に壁面に泡を長時間密着させたりすることが求められる。このような要求を満たすため、洗剤等の被泡立て原料については数多くの研究がされている。しかしながら、泡立て方法に関してはあまり検討されていない。
【0003】
特開2003―175293号公報は、洗剤泡による洗濯機が提案がされており、泡による洗濯の効果が示されている。この文献において泡立て方法は洗剤液に空気を送り込むことで泡を発生させているが、このように空気を送り込む方法は、一般的に泡が大きくなり、また、泡の大きさを揃えるといったことができない。
【0004】
特開平7−275678号公報は、多段にメッシュを設けて、シャボン玉を作る要領で泡立てる方法を提案している。メッシュの網目を選択することで整泡できることを示しているが、網目を細かくすれば、その分高い圧力が必要になり、細かい泡を作成するには不十分であった。
【0005】
実開昭58−40037号公報では、攪拌することによる泡立てが示されている。洗剤液をスターラー等で攪拌すると、細かく均一な泡ができるが、泡の質を観察すると泡の膜が厚く、しゃびしゃびの泡しかできないという問題があった。
【0006】
また、特開2004―332149号公報は、極細繊維で構成された皮膚洗浄用布帛を提案しており、石鹸を泡立てたとき極めの細かい泡ができるとしているが、泡の径をコントロールすることについては記載はない。
【特許文献1】特開2003―175293号公報
【特許文献2】特開平7−275678号公報
【特許文献3】実開昭58−40037号公報
【特許文献4】特開2004―332149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の様な従来の泡立て方法では達成できなかった均一で細かく、膜が厚くない良質な泡を作製する方法を提供するものである。具体的には、擦り合わせて泡立てる方法に着目し、その原理を追求することで、容易に泡の大きさを調整することが可能な手段を提供するものである。
【0008】
また、前記手段を用いて細かく均一な泡を発生する泡立て用具、および皮膚に優しく、毛穴など非常に細かい部分にまで泡を送り込むことができる洗浄効果に優れた皮膚洗浄用布帛を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため下記の構成を有する。
(1)向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立てる方法であって、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
(2)前記表面がシート表面であり、かつ前記運動が往復運動であることを特徴とする泡立て方法。
(3)シートを擦り合わせて泡立てる方法であって、該シートの厚みを変えることにより所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
(4)(3)項のシートが布帛またはフィルムであることを特徴とする泡立て方法。
(5)(4)項の布帛あるいはフィルムに皺を作りながら泡立てることを特徴とする泡立て方法。
(6)前記(1)、(2)の泡立て方法を実現するために、略一定の隙間を有する2つの表面を有し、互いの表面を略平行に、かつ例えば往復運動など相対的に速度差が生じる様に運動させることができ、前記隙間を変えて所望の大きさに整泡する泡立て用具。
(7)前記(3)〜(5)の泡立て方法を利用した皮膚洗浄用布帛。
【発明の効果】
【0010】
本発明の泡立て方法は、均一で細かい泡を作製することができ、かつ、簡単に泡の大きさを調整することができる。
【0011】
また、本発明の皮膚洗浄用布帛は、均一で細かい泡を作製することができるため、皮膚に優しく、毛穴など細かい部分まで汚れを落とす効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の泡立て方法について以下に説明するが、本発明の泡立て用具はこの方法を実施するための用具であり、合わせて説明する。
【0013】
本発明の第1の泡立て方法について、泡立て用具の一例を図1に示して態様を説明する。図1の泡立て用具はシート1とシート1’の間にスペーサー2を配しており、このスペーサー2によりシート1表面とシート1’表面は一定間隔の隙間を有している。この隙間に被泡立て原料を供給し、シート1とシート1’が相対的に速度差が生じる様、例えばシート1とシート1’を互いに略平行に相反する方向に往復運動させる、または、シート1を固定してシート1’のみを略平行方向に往復運動させる様に摺動させることで泡を整泡するものである。
【0014】
ここで「整泡」とは泡の大きさを揃えることで、シートを摺動させるにつれて泡は細分化されて略均一な大きさとなる。摺動回数は被泡立て原料により異なるが、例えば石鹸水などは50往復程度で整泡できる。また、「略平行」とは、完全な平行でなくとも、おおむね平行であればよいことを意味する。
【0015】
前記シート表面間の隙間の間隔を変えることで泡の大きさが調整できる。間隔を狭くすれば泡は細かくなり、間隔を大きくすれば泡は大きくなる。泡の大きさも被泡立て原料の粘性や濃度などにより影響されるため、所望の大きさに泡を整泡するには表面の間隔を実験的に求めなければならない。適当な濃度の石鹸水を泡立てる場合を例にあげると、泡の大きさを平均して0.02mm2以下にするには、シート間隔はおよそ2mm以下にして摺動すればよい。
【0016】
泡の大きさを均一にするにはシート表面の間隔は一定であることが望ましい。そのため、シートは摺動によって変形しない程度に剛性があることが好ましいが、シート材料としてはガラス、プラスチック、金属など特に限定されるものではない。シートの形状も特に限定されるものではなく、図1の様に平板状のシートを互いに速度差が生じる様に略平行に往復運動させて泡立ててもよいし、図2に示す様な直径の異なる2つの円筒形あるいは円筒の一部を利用した泡立て用具(シート)で、直径の小さい円筒具の外面と直径の大きい円筒具の内面で作られる隙間内で円筒具を速度差が生じる様に回転させて泡立ててもよい。また、シートの枚数は何段であってもよい。
【0017】
シートの間隔は、一定であるのが望ましいとしたが、例えば、連続的に被泡立て原料を供給しながら泡立てる場合には、図2の様に泡の出口側に向かって間隔を徐々に狭めたりしてもよく、局所的に見て略一定の間隔であれば、泡の大きさを揃えることができるものである。また、泡の大きさのみでなく、泡の位置を揃えるためにシートに案内溝などを設けてもよい。
【0018】
ここで、製泡するにあたっては、被泡立て原料は、空気などの気体と混合して供給されなければならない。シート表面間に被泡立て原料だけが満たされる状態では、摺動しても空気が供給がないのでほとんど満足な泡にはならない。大きな泡やシャボン膜の状態で供給されれば、泡を作るのに十分な気体が得られるので好適である。
【0019】
被泡立て原料としては、一般に洗剤として使用されている石鹸水や各種洗剤液などあげられるが、緩衝材や断熱材、軽量プラスチックなど硬化させて成形品となる原料など特に限定されるものではない。被泡立て原料は泡立て易く、かつ使用状況に合わせて濃度など調整されているのが好ましい。
【0020】
以上、本発明の第1の泡立て方法における物体をシートで説明してきたが、後述する本発明の第2の泡立て方法と同様、シートの他、例えば、布帛あるいはフィルム等、ある程度の面積の表面を有する物体であれば特に限定されない。
【0021】
本発明の第2の泡立て方法は、シート、例えば、布帛あるいはフィルムなどを擦り合わせて被泡立て原料を泡立てるもので、シートの厚みにより泡の大きさを調整する方法である。
【0022】
タオルなどの布帛に石鹸水を供給して擦り合わせれば泡立つことはよく知られているが、その現象については、詳細にわかっておらず、本発明者らは、どのような布帛やフィルムを使い、どのような擦り方をすれば、細かく均一な泡ができるのか種々の検討を重ね、以下のことを見いだした。
【0023】
まず、布帛やスポンジの泡立ちを観察すると、手で押して揉むようにして擦ると泡が発生する。よく観察すると、編織物やスポンジの空隙に張ったシャボンの膜が揉み押すときの圧力で空気を取り込み泡になっている。しかし、こうしてできた泡は細かく均一にはならない。フィルムで泡立てみると泡立つことからも、泡立てには空隙が必須ではないと言える。
【0024】
次に、布帛の表面の形状、凹凸について注目し、布帛をまっすぐ張った状態で手で擦ってみる。すると泡はほとんど発生させることができないことがわかる。今度は、指の形状に似せて直径1cm程度のパイプを4つ連ねた治具を作製し、連ねたパイプに布帛を沿わせて擦ってみた。すると若干ではあるが、パイプの隙間部分に泡が溜まっていた。
【0025】
すなわち、布帛やフィルムでの泡立ては指の隙間や、擦り合わせたときにできる布帛やフィルムの襞がスペーサーの役割となってできる隙間、さらには緩く擦り合わせたとき、すでに発生している泡の圧力で微妙な隙間ができ、これらが泡を細かく分割して多くの泡を発生させるのである。
【0026】
特に泡の大きさは襞の厚みによる影響が大きく、すなわち布帛やフィルムの厚みが厚いほど泡が大きくなり、厚みが薄いほど細かい泡を作ることができることを見出した。すなわち、布帛やフィルムの厚みを設定することによって、製泡する泡の径をコントロールすることができる。
【0027】
泡立てネットなど、ネット状のものが泡立て易いのも、この原理を応用したもので、ネットの隙間、すなわち厚みが泡を分割しているものと考えられる。
【0028】
次に、本発明の皮膚洗浄用布帛について説明する。
【0029】
本発明の皮膚洗浄用布帛とは、厚みが0.15mm未満の布帛で、石鹸水を布帛で泡立てて泡を介して顔などの皮膚の洗浄に用いるものである。泡を介して皮膚を洗うことで角質などの皮膚を傷めることがなく、また、本発明の第2の泡立て方法において示したとおり、布帛の厚みを薄くする、具体的には0.15mm未満とすることで細かく均一な泡を作ることができるため、泡を毛穴など細かい部分まで送り込むことができる。
【0030】
また、本発明の皮膚洗浄用布帛は、KES法により測定される曲げかたさ(B)が0.015g・cm2/cm以下であるのが好ましい。本発明の第2の泡立て方法において示したとおり、細かい泡を作るには襞が有用であり、布帛が柔らく、襞がたくさんできるのが好ましい。
【0031】
さらに、本発明の皮膚洗浄用布帛は、保水量が80g/m2以上、170g/m2以下であることが好ましい。布帛は石鹸や洗顔料などを泡立てるものであるため、その濃度も泡立ち方に影響する。一般に石鹸や洗顔料は濃度が薄いと泡保ちの悪く、大きな泡しかできないか、薄すぎて泡にならなくなるため、布帛が必要以上に保水するのは好ましくない。一方、保水量が少なすぎても泡の発生量に影響する。泡のシャボン膜は水の両面を石鹸や洗顔料の界面活性剤が覆う様にして安定するものであり、水が不足していては余った界面活性剤はミセルを作るだけで泡はできなくなる。使用者が水を補給することは可能であるが、煩わしいだけであり、布帛が適度な保水力を持つのが好ましい。
【0032】
洗顔に使用する場合、顔全体を洗うのに約75ml程度の泡は必要であり、手の大きさに合わせた500cm2程度の布帛で、この量の泡を発生させるには保水量を80g/m2以上にするのが好ましい。
【0033】
なお、ここで保水量は、布帛を完全に水に浸し、布帛が折り重なって水がたまらように引き上げた後、両手で軽い力で50回擦過した後の布帛に含まれている水の重量のことである。
【0034】
本発明の皮膚洗浄用布帛は、単繊維繊度が、0.001デシテックス以上、1.0デシテックス以下のポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維を含んだ構成された布帛で、布帛の空隙が0.01mm2以下であるのが好ましい。
【0035】
布帛がいわゆる極細繊維から構成されていれば、繊維が細く布帛を柔らかくでき、また、毛穴などに詰まった汚れを掻き出す手助けと極細繊維内に汚れをトラップする効果も有する。繊維の強度および布帛のかたさの点から、0.01デシテックス以上、0.1デシテックス以下とするのがより好ましい。繊維の組成は特に限定するものではないが、極細繊維を使用する場合には、ポリエステル系および/またはポリアミド系の合成繊維が製造が容易で、設計に自由度があるため広く使用される。ポリエステル系繊維とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体などからなる繊維であり、ポリアミド系繊維とは、例えば、ナイロン4、ナイロン66およびこれらの共重合体などからなる繊維である。
【0036】
また、布帛は織物、編物、不織布であっても特に限定されるものではないが、例えば織物であれば織密度は高くなければならない。具体的には布帛の空隙が0.01mm2以下の構成を有するものが好ましい。本発明は泡を介して皮膚を洗浄するものであるから、毛穴など細かい部分まで泡を送り込むためには空隙が泡よりも小さくなければ、泡が漏れてしまって細部まで皮膚を洗うことができない。
【0037】
ここで、空隙とは布帛を平面として見て、穴の空いた部分のことで、織物で言えば、糸と糸との間の隙間のことである。
【0038】
9割以上の空隙が0.01mm2以下であることが望ましいが、ほぼ全数の空隙が0.01mm2以下であることがより好ましい。
【0039】
また、上記極細繊維で構成された本発明の皮膚洗浄用布帛は、必要に応じて高圧水流処理されていてもよい。高圧水流処理は繊維同士を絡み合わせて汚れをトラップする効果を高めることができるとともに、布帛の空隙を減少させ、また、保水量を増加させる効果も有するため、高圧水流処理の条件の調整により、設計の自由度を高めることができる。
【0040】
例えば、単繊維繊度が0.01デシテックス以上、0.1デシテックス以下のポリエステル系繊維で構成され、織密度がタテ、ヨコとも110〜170本/2.54cmの平織された厚さ0.08mm以上の布帛においては、水圧4〜6MPaで、布帛の20〜60%の面積に高圧水流処理されるのがよい。高圧水流処理により布帛の厚みはおよそ1.1〜1.6倍増加するが、一方、保水力もおよそ1.1〜1.3倍に増加させることができ、空隙率もおよそ0.5〜0.8倍にさせることができる。
【0041】
布帛はデザインとして染色さるのもよい。染色は分散染料で130℃程度の高温で処理されることが多く、この場合、高水圧処理の効果をマイルドにすることができる。
【実施例】
【0042】
次に実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例で用いる被泡立て原料、および評価方法について以下に示す。
【0043】
<被泡立て原料>
被泡立て原料(1)としては、市販されている花王(株)製”ビオレ(登録商標)洗顔フォーム”(成分:水、アルキル(C11,13,15)リン酸K、ソルビトール、ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、エタノール、リン酸、オクトキシグリセリン、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー、酸化チタン、PEG−65M、PG、安息香酸Na、香料、PEG−6、BHT)を純水に溶かして4.0重量%の石鹸水を作製して用いた。
【0044】
被泡立て原料(2)としては、市販されているカネボウ(株)“ハイシルク化粧石鹸”(成分:石鹸素地、ラウリン酸、エチドロン酸、水、エデト酸塩、香料、酸化チタン)を純水に溶かして2.0重量%の石鹸水を作製して用いた。
【0045】
<泡の大きさの評価方法>
実施例、比較例で泡立てた泡は、以下の方法にて大きさを評価した。
【0046】
泡立てた泡を素早くガラスプレート(75×75×1.1mm)に移行し、あらかじめ用意しておいた顕微鏡サンプル台上の2cm程度の高さのガラスプレート設置台に、泡を付けたガラスプレートを泡を下向きにセットし、顕微鏡(透過光)にてガラスと泡の境界面にピントを合わせて泡の写真を撮影した(約2.3mm×3.6mm)。泡の写真をA4用紙に印刷し、泡を黒マジックでなぞった後、スキャナーで画像を取り込んだ。取り込んだ画像を画像処理装置で二値価した後、略円で囲まれている図形の平均直径、面積、および個数を計数した。計数した泡を平均直径0.1mm毎に区間をとり、それぞれの区間の泡が占める総面積の割合をパーセンテージにてグラフ化した。
【0047】
<布帛の厚み測定>
布帛の厚みはダイヤルゲージにて測定した。布帛の凹凸やダイヤルゲージの針の圧力による影響を避けるため、2cm角のフィルム(厚さ200μm)を布帛の上に敷いて、布帛とフィルムを合わせた厚みを測定し、後にフィルム厚みを引いて計算した。3箇所測定し、その平均を布帛厚みとした。
【0048】
<布帛の曲げかたさの評価方法>
布帛の曲げかたさはKESの曲げかたさ(B)法の測定方法にて測定した。
【0049】
<布帛の保水量の測定方法>
布帛の保水量は、完全に乾燥した状態の布帛の重量を測定し、次に布帛を完全に水に浸し、布帛が折り重ならないように引き上げた後、軽い力で50回擦過した後の重量を測定した。5回測定し、前後の重量差の平均を保水量とした。なお、擦るときの力加減によるばらつきが大きいため、誤差が10%以上ある場合は、再測定して誤差に考慮した。
【0050】
<布帛の空隙の測定方法>
布帛の顕微鏡(反射光)画像を14型テレビモニターにて観察しながら、空隙に焦点を合わせつつ、顕微鏡に接続された測長可能なシステム(KEYENCE製VH−6300C)にて空隙をマウスカーソルで多角形近似して空隙の面積を測定した。およそ0.2mm2の範囲にある空隙の面積、および測定範囲の面積を測定し、さらに布帛の20箇所で同じ測定を行った後、一空隙面積の平均と標準偏差を求めた。
【0051】
<布帛の織密度>
前記測長可能な顕微鏡にて1cm間の糸本数をカウントし、3回の計数結果の平均から織密度を計算した。
【0052】
<泡立ち量の評価>
純水に十分浸した布帛に上記洗顔料をそれぞれ0.2g、0.4g、0.6g、0.8gつけて1分間手で泡立てた後、できた泡を集めてメスシリンダーで泡の体積を測定した。3回試験し、その平均を泡立ち量とした。
【0053】
実施例1〜3
シートとして100×150×2mmのガラス板2枚を用意した。
【0054】
実施例1はその1枚に140×10×1mmの2枚のアクリル板のスペーサーをガラス板の両端に貼り合わせ、上記被泡立て原料(1)(石鹸水)をストローで吹いて作成した大きな泡をスプーンですくいとってのせた後、もう1枚のガラス板を合わせて、約1mmの隙間間隔で100回ガラスを往復運動させて泡を作成した。
【0055】
実施例2はスペーサーの厚みを2mmに、実施例3はスペーサー厚みを3mmとした以外は実施例1と同様にして泡を作成した。
【0056】
実施例1〜3で作製した泡の顕微鏡写真を参考としてそれぞれ図3〜5に示す。作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図6)。図6より、隙間を狭くするほど、均一で細かい泡を作成することができたことがわかる。
【0057】
実施例4〜6
実施例1〜3に対し、被泡立て原料を被泡立て原料(2)変えた以外は同じ方法で実験を行い、それぞれを実施例4〜6とした。
【0058】
作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図7)。 図6、7より、被泡立て原料(石鹸水)に関わらず、隙間を狭くするほど、均一で細かい泡ができることがわかる。
【0059】
実施例7〜9
実施例7として、市販されている厚み0.010mmのポリエチレンのゴミ袋を300mm×190mmにカットし、これを上記泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で擦り合わせて泡を作成した。
【0060】
実施例8は厚み0.025mmのポリエチレン、実施例9は厚み0.040mmのポリエチレンとした以外は実施例7と同様にして泡を作成した。
【0061】
作成した泡を上記泡の大きさの測定方法にて測定して比較した(図8)。図8より、フィルムを薄くするほど、均一で細かい泡を作成することができたことがわかる。
【0062】
実施例10〜13
実施例10として、以下の布帛を用いた。
【0063】
繊維として、トータル繊度が50デシテックス、9フィラメント(70島/フィラメント)の海島型ポリエステル複合繊維で、島成分がポリエステルテレフタレートで、海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5−ナトリウムイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶ポリエステルからなる繊維(海島比率は20/80)を用いた。この繊維をタテ密度145本/2.54cm、ヨコ密度107本/2.54cmの平織物として通常の織機で製織した。得られて生機を130℃×30分間マレイン酸処理により、その海成分を脆化させた後、80℃×45分間水酸化ナトリウム処理することにより、その海成分を完全に除去した(短繊維繊度0.07デシテックス)。その後、分散染料をもちいて130℃×60分条件下にてライトブルーに染色した。この布帛を300mm×190mmにカットして皮膚洗浄用布帛とした。
【0064】
この布帛を、実施例7と同じ被泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で擦り合わせて泡を作成した。
【0065】
実施例11は、実施例10の布帛に水圧4.9MPaで布帛の約35%の面積に高圧水流が当たるように水流を蛇行させながら高圧水流処理を行った。以外は実施例10と同様にして泡を作成した。
【0066】
実施例12は、実施例11と同様の高圧水流処理を染色を行う前に施した。以外は実施例11と同様にして泡を作成した。
【0067】
実施例13は、水圧を9.8MPaとし、布帛の約45%の面積に高圧水流処理した以外は実施例11と同様にして泡を作成した。
【0068】
実施例10〜13の布帛の厚み、曲げかたさ、保水量、空隙、織密度を表1に示す。また、上記泡の大きさの評価方法にて測定した結果を図9に示す。
【0069】
表1より、高圧水流処理条件、染色加工により、布帛の厚み、保水量など調整でき、図9より布帛の厚みが薄いほど、泡を細かくすることができるのがわかる。布帛の厚みが0.15mm以上になると、比較例2、3の手や市販されている綿の布帛で泡立てた時とあまり変わらない大きさになってしまう。
【0070】
【表1】
【0071】
比較例1、2
比較例1として、上記被泡立て原料(石鹸水)を手で直接泡立てた。
【0072】
比較例2として、市販されている綿の布帛を被泡立て原料(1)(石鹸水)に完全に浸した後、1分間手で泡立てた。なお、綿の布帛の厚みは0.24mm、織密度はタテ、ヨコそれぞれ84、70本/2.54cmで、保水量は267g/m2であった。
【0073】
そのときの泡の大きさを上記泡の大きさの評価方法にて評価した(図10)。
【0074】
手で泡立てたり、厚い綿の布帛で泡立てた泡は実施例10〜13に比べて泡の大きさがばらついていて、細かい泡にならない。
【0075】
また、実施例10〜13、比較例2の布帛について、保水量と泡立ち量の関係を図11に示す。ここで、被泡立て原料の推奨使用量は約0.4gである。布帛の保水量が増加するに伴って泡立ち量も増加している。一方、被泡立て原料(1)に対して保水量が多すぎると泡ができづらくなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の泡立て用具の構成例(1)を表した概略図である。
【図2】本発明の泡立て用具の構成例(2)を表した概略図である。
【図3】実施例1の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図4】実施例2の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図5】実施例3の泡の顕微鏡撮影写真である。
【図6】実施例1〜3の泡の大きさの測定結果である。
【図7】実施例4〜6の泡の大きさの測定結果である。
【図8】実施例7〜9の泡の大きさの測定結果である。
【図9】実施例10〜13の泡の大きさの測定結果である。
【図10】比較例1、2の泡の大きさの測定結果である。
【図11】実施例10〜13、比較例2の布帛の保水量と泡立ち量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0077】
1、1’: シート
2 : スペーサー
3 : 泡
4、4’: 円筒状シート
5 : 泡
6 : 被泡立て原料投入口
7 : 泡排出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立てる方法であって、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
【請求項2】
前記表面がシート表面であり、かつ前記運動が往復運動であることを特徴とする請求項1に記載の泡立て方法。
【請求項3】
シートを擦り合わせて泡立てる方法であって、該シートの厚みを変えることにより所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
【請求項4】
前記シートが布帛またはフィルムであることを特徴とする請求項3に記載の泡立て方法。
【請求項5】
布帛あるいはフィルムに皺を作りながら泡立てることを特徴とする請求項3または4に記載の泡立て方法。
【請求項6】
所望の大きさに整泡する泡立て用具であって、略一定の隙間を構成する2つの表面を有し、互いの表面を略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させることを特徴とする泡立て用具。
【請求項7】
前記運動が往復運動であることを特徴とする請求項6に記載の泡立て用具。
【請求項8】
布帛の厚みが0.15mm未満であり、擦り合わせたときに皺ができることを特徴とする皮膚洗浄用布帛。
【請求項9】
KES法により測定される曲げかたさ(B)が0.015g・cm2/cm以下であることを特徴とする請求項8に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項10】
0.01mm2以下の空隙を有することを特徴とする請求項8または9に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項11】
保水量が80g/m2以上、170g/m2以下であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項12】
単繊維繊度が、0.001デシテックス以上、1.0デシテックス以下のポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維を含んで構成された布帛であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項13】
高圧水流処理されていることを特徴とする請求項12に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項14】
織密度がタテ、ヨコとも110〜170本/2.54cmの平織された厚さ0.08mm以上の布帛に、水圧4〜6MPaで、布帛の20〜60%の面積に高圧水流処理されていることを特徴とする請求項13に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項15】
前記高圧水流処理された後に、染色されていることを特徴とする請求項13または14に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項1】
向かい合った2つの物体表面を互いに略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させて泡立てる方法であって、表面間の距離を変えることで所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
【請求項2】
前記表面がシート表面であり、かつ前記運動が往復運動であることを特徴とする請求項1に記載の泡立て方法。
【請求項3】
シートを擦り合わせて泡立てる方法であって、該シートの厚みを変えることにより所望の大きさに整泡することを特徴とする泡立て方法。
【請求項4】
前記シートが布帛またはフィルムであることを特徴とする請求項3に記載の泡立て方法。
【請求項5】
布帛あるいはフィルムに皺を作りながら泡立てることを特徴とする請求項3または4に記載の泡立て方法。
【請求項6】
所望の大きさに整泡する泡立て用具であって、略一定の隙間を構成する2つの表面を有し、互いの表面を略平行に、かつ相対的に速度差が生じる様に運動させることを特徴とする泡立て用具。
【請求項7】
前記運動が往復運動であることを特徴とする請求項6に記載の泡立て用具。
【請求項8】
布帛の厚みが0.15mm未満であり、擦り合わせたときに皺ができることを特徴とする皮膚洗浄用布帛。
【請求項9】
KES法により測定される曲げかたさ(B)が0.015g・cm2/cm以下であることを特徴とする請求項8に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項10】
0.01mm2以下の空隙を有することを特徴とする請求項8または9に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項11】
保水量が80g/m2以上、170g/m2以下であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項12】
単繊維繊度が、0.001デシテックス以上、1.0デシテックス以下のポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維を含んで構成された布帛であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項13】
高圧水流処理されていることを特徴とする請求項12に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項14】
織密度がタテ、ヨコとも110〜170本/2.54cmの平織された厚さ0.08mm以上の布帛に、水圧4〜6MPaで、布帛の20〜60%の面積に高圧水流処理されていることを特徴とする請求項13に記載の皮膚洗浄用布帛。
【請求項15】
前記高圧水流処理された後に、染色されていることを特徴とする請求項13または14に記載の皮膚洗浄用布帛。
【図1】
【図2】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−54244(P2007−54244A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242309(P2005−242309)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
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