説明

洋式コタツ

【課題】従来のコタツはしゃがんだり座ったりして、足腰の弱い人には苦痛になることがあり、また、最近販売されている洋式コタツは、椅子に熱の遮蔽装置がセットになってついていて、椅子が無駄であり又重かった。、
【解決手段】洋式コタツにおいて、人が足部を挿入後は元の状態に復元して閉塞する観音開き状の弾性シートの両側を各支脚の下方に取着し、且つ、天板から垂れ下がる覆いカバーが支脚間の4面の空間を囲繞すると共に、その覆いカバーは該弾性シートの上端より低い高さに形成し、更に、支脚と平行する縦長状の棒体の熱源を配した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコタツ自体に保温装置を設けた洋式コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コタツは座敷用と掘りゴタツ形式のものが殆どで、どちらの形式の場合でも、足腰が弱った人には、しゃがんだり座ったりすることが苦痛になることがある。
また、最近販売されている洋式コタツは、熱を逃がさないために椅子の脚間に板状で熱を遮蔽する装置がついて、コタツとセットになっているものが多かった。(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001-355857
【特許文献2】特開H11-351583
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、椅子をセットで購入しなければならず、日常使用している椅子が使えなくて無駄になり、また、椅子の脚間に装着された熱遮蔽装置のついた椅子自体も重くなるなどの欠陥があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、天板の4隅に支脚を装備し、この支脚間の4面の空間に出し入れされる脚付椅子とで成した洋式コタツに於いて、各支脚の下方にその両側を取着された観音開き状の弾性シートであって、而も該弾性シートは人体の足部の挿入に際し内側に開くと共に、該足部の挿入後は元の状態に復帰して支脚間の空間を閉塞する様にした。更に、前記天板から垂れ下ると共に、その支脚間の4面の空間を囲繞する柔軟性の覆いカバーの裾が、該弾性シートの上端より低い高さに形成されることにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成により、洋式コタツに於いて、コタツ自体に保温効果を有するので、椅子を別に購入する必要が無く、少ない熱量で暖房機能を有する従来のコタツは、現在の省エネ時代には特に有効であり、足腰の弱った人でも座ったりしゃがんだりしなくても、コタツを楽に使用することができる。また、支脚と平行する縦長状の棒体の熱源は、棒体の周囲に暖気を容易にいきわたらせるので、コタツ全体の保温効果を高める。而も、一層の保温効果を得るために、且つ、インテリアデザインを考慮してコタツ掛布を使用する場合でも、コタツ自体に保温装置を設けてあるので床迄届く長さは必要でなく、床に着いて汚れる心配がないので衛生的である。
【0007】
該コタツの足部挿入開口部に人が足を挿入すると、常時は閉塞する方向に形成されている開閉部が開閉して、足部挿入後は足の後ろで閉塞して暖気を保つ。また、覆い部は天板から続けて四方に垂れ下がり、その垂れ下がった4面の各中央部に2ヶ所の切りこみ部を設けることにより膝を覆うひざ掛けが形成されて、膝を暖めると共にその両側の覆い部は弾性シートに添って垂れ下がり、弾性シートの上端より低い高さに形成して保温の効果を上げる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
図1に示すように、洋式コタツ1は、支脚3間の空間Xに位置し、その両側を取付具4bによって各支脚3の下方に取着された観音開き状の弾性シート4を装着し、更に、天板2から垂れ下がると共に、その支脚3間の4面の空間Xを柔軟性の覆いカバー5にて囲繞している。且つ、洋式コタツの中央に、支脚3と平行に縦長状の棒体に形成された発熱源6を配している。
【0010】
図2、図3に示すように、弾性シート4は、弾性材料にて作られており、支脚3間の空間Xに位置して、その両側を取付具4bにより支脚3の下方に取着され、観音開き状に形成されている。而してその弾性材料としては、耐熱性合成樹脂板、合成ゴム、更には布とゴムとの混合材を用いる。この弾性シート4に於いて、長方形シート4wの短尺の一辺を椅子の座位の高さより短く、長尺は隣り合った2本の支脚の間隔より短くない長さに形成して、この弾性シートの長尺を直角に折り曲げて形成する折れ線部4aの外側を支脚3の下方に装着する。
【0011】
具体的には、図4に示すように取付具4bをC型リングとし、弾性シート4の折れ線部4aの両側に小孔4dを設けて、C型リングである取付具4bを挿入して支脚3の横溝3aに嵌合している。また図5に示すように上下爪4eとその軸線4fとを一本の金属線にて形成してコ字形とし、この軸線4fを弾性シート4の折れ線部4aの外側にて押え且つ上下爪4eを支脚3の上下小孔3bに圧入している。更に、その弾性シート4の内側には耐熱性を考慮し金属箔4cを貼りつけても良い。この金属箔4cは、熱源6からの輻射熱を有効に活用するための反射作用を行う。
【0012】
弾性シート4の装着の方法としては、蝶番を用いるか、或いは、洗濯バサミ状又はその他のバネ状の取付具によって着脱自在にすることも可能である。弾性シート4は折り曲げて形成しなくても、8枚のシート状或いは板状の素材を2枚づつ各支脚それぞれに固着してもよい。
【0013】
図1に示すように、洋式コタツ1の中央に配した熱源6は、支脚3と平行する縦長状の棒体に形成することにより、棒体の周囲から暖気がコタツ全体にいきわたる。熱源6は、図示のような棒体でなくても、コタツ内の上部に固着したり、また、堀ゴタツのように床に置く形式を用いても良い。
【0014】
図6に示すように、洋式コタツ1の覆いカバー5は、保温シート素材を用いて天板2から垂れ下がると共に、その支脚間の4面の空間Xを囲繞する柔軟性の覆いカバーであり、その垂下片の中央部に脚付椅子Cの幅とほぼ同じ巾となるように切り離して、人体Hの足部Haの挿入時に人体Hの膝上を覆うひざ掛け5aを形成するが、覆いカバー5に於いて、ひざ掛け部5a以外の部位は、弾性シート4の上端より低い高さに垂れ下るように形成したものである。
【0015】
保温効果をより高めると共に、インテリアデザインとして楽しむために、コタツ全体を覆う掛布を使用する場合にも、コタツ自体に保温装置がなされているので、床に着く長さは必要ないので汚れ難く衛生的である。
【実施例2】
【0016】
当該コタツを、日常使用しているテーブルの下に入るサイズの縮尺洋式コタツに形成することにより、日常の椅子用テーブルの下に置いて、簡単に洋式コタツとして使用することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の洋式コタツの斜視図。
【図2】同上の弾性シートの分解斜視図。
【図3】同上の洋式コタツの脚部に弾性シートを装着した状態を示す斜視図。
【図4】同上の弾性シートの分解斜視図。
【図5】同上の弾性シートの分解斜視図。
【図6】洋式コタツの使用状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0018】
1 コタツ本体
2 天板
3 支脚
4 弾性シート
5 覆いカバー
6 熱源
C 脚付椅子
X 支脚間の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の4隅に支脚を装備し、この支脚間の4面の空間に出し入れされる脚付き椅子とで成した洋式コタツに於いて、その4面の空間に位置し、その両側を各支脚の下方に取着された観音開き状の弾性シートであって、而も該シートは人体の足部の挿入に際し内側に開き、且つ、挿入後は元の状態に復帰して支脚間の空間を閉塞すると共に、該天板から垂れ下がって、その支脚間の4面の空間を囲繞する柔軟性の覆いカバーを設けたことを特徴とした洋式コタツ。
【請求項2】
弾性シートは、その両側を支脚にC型リングにて取着された請求項1記載の洋式コタツ。
【請求項3】
弾性シートは、内側に金属箔を貼り付けたことを特徴とした請求項1、2記載の洋式コタツ。
【請求項4】
支脚間の4面の空間に天板から垂れ下がる覆いカバーの垂下片を、脚付椅子の巾とほぼ同じ巾となる様に切り離したことを特徴とした請求項1、2記載の洋式コタツ。
【請求項5】
発熱源をコタツの中央に配し、支脚と平行に縦長状の棒体に形成されている請求項1、2記載の洋式コタツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−225212(P2007−225212A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48020(P2006−48020)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成17年11月18日〜20日 社団法人全国発明婦人協会主催の「第22回「関西暮らしの発明展」」に出品
【出願人】(599055061)
【Fターム(参考)】