説明

洗濯機

【課題】洗濯物のドア部接触などの影響を排除し精度よく布量判定して、節水、省電力可能な洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯機は、回転ドラム3内の洗濯物をセンサ101で検知・状態の判別を行い、洗濯物のドア部2への接触などの影響がある場合には、布量検知を再度行うなどすることで精度よく布量判定して洗濯条件を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動回路とを備え、前記回転ドラムに投入された洗濯物の量を検知するための布量センサを有する洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラム式洗濯機においては、布量と布ごとの吸水性の違いから水位の調整や洗濯時間・制御方法の決定までに時間がかかると言う課題があった。このため、布量検知を回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付くように回転させ、その後惰性による回転時間を回転検知部の出力変化により得ることで布量を検知し、それによって最適な洗濯制御方法をすばやく決定するドラム式洗濯機が考案されている。
【0003】
図6に、従来考案されている洗濯機のブロック図を示す。以下、図6を参照して従来の洗濯機の動作について簡単に説明する。洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽1には、外部と隔離可能なドア部2が付いており、洗濯物はこのドア部2から投入される。前記洗濯槽1の中には、洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラム3が配置されている。洗濯機全体の動作や状態管理は、制御回路4と各センサ、各回路との間で信号のやり取りを行うことで実行する。前記回転ドラム3は洗濯を行う際、前記制御回路4からのモータ制御信号aの指示でモータ駆動回路5からの駆動信号bを得たモータ駆動部6により回転駆動される。また、モータ駆動部6は、その回転状態を検知するためにモータの回転子の位置を検出する回転検知部7が設けられている。
【0004】
以上のような構成のドラム式洗濯機において、前記回転ドラム3に投入された洗濯物の布量を検出し、布量に応じて洗濯時間等を決定する制御方法を前記制御回路4は有している。そこで、次に布量検出の方法の一例について説明する。洗濯を開始すると、まず前記制御回路4は前記モータ駆動部6を始動して前記回転検知部7から検知出力を得る。前記回転検知部7の検出信号の周波数は前記モータ駆動部6が前記回転ドラム3を回転させる回転数に比例変化する。前記制御回路4は、回転検知部7からの入力周波数が小さいときは、モータ駆動部6の駆動電圧の平均値を大きくし、逆に周波数が大きくなった場合には平均電圧を小さくする。布量検知の工程では、回転制御を行ないながら前記制御回路4から徐々に前記モータ駆動部6に印加する前記駆動信号bの平均電圧を上昇させて高速回転させ遠心力により洗濯物が前記回転ドラム3の内壁に均一に貼り付くようにする。その状態から所定時間回転をした後、前記モータ駆動部6の通電を停止する。これより前記回転ドラム3は惰性回転を行い、前記モータ駆動部6を逆に回転させる状態となる。このとき前記回転検知部7は、前記回転ドラム3の惰性回転が摩擦トルクによって徐々に低下し停止する様子を分回転数に変換して出力する。通電停止から前記回転ドラム3の停止までの時間が、長いときには布量が多く、短いときには布量が少ない。すなわち、この停止に要する時間の違いは布量に比例するので、このことを利用して布量を検知する。
【0005】
また、更に前記モータ駆動部6に所定の加速トルクを発生させることで前記回転ドラム3の回転を加速して、所定の回転数N1からN2まで回転数が上昇する間の加速時角加速度α1を測定する第1の検知工程と、第1の検知工程の後に、前記モータ駆動部6に所定の減速トルクを発生させることで前記回転ドラムの回転を減速して、所定の回転数N3からN4まで回転数が低下する間の減速時角加速度α2を計測する第2の検知工程を行って、前記加速時角加速度α1と前記減速時角加速度α2に基づいて布量を検知することで、
回転ドラムの回転軸摩擦トルクのバラツキの影響を抑制して精度よく布量を検する制御方法も考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−168786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来の構成・制御方法では、前記回転ドラムに入れた洗濯物が洗濯機のドア部など非回転部分に接触するなどの影響により、ドラムが停止するまでの時間と布量の比例関係が一定とならず、洗濯物の回転ドラム内での位置状態によって結果が相違してしまう場合があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するため、前記回転ドラム内の洗濯物の位置状態を検知することで、洗濯物が洗濯機の布量検知工程の開始と同時に音波センサまたは撮像装置により検知された前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態、すなわち前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付く状態に相似しているか否かを判定する判定処理回路を具備し、布量検知工程とセンサによる判定を同時に複数回行い、前記判定処理回路にて前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態に相似すると判定された時の布量検知結果を基にして洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機。の非回転部分に接触するなどの影響を排除して精度よく検知することが可能な制御方法を有する洗濯機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の洗濯装置は、前記ドア部の回転ドラム側に圧力センサを具備し、前記ドア部に洗濯物が接触したか否かを圧力にて検出して接触の可能性がある場合には、モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態とし再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の洗濯機およびその制御方法によれば、布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を判別することで、より精度よく布量検知することができる。こうした構造にすることにより、回転ドラムに入れた洗濯物の位置状態を判別することで、より精度よく布量を検知して正確な洗濯実行時間の選定およびユーザーへの表示とともに、それによって節水、省電力を行うことができる洗濯機が提供できる点で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における洗濯装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における洗濯装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における洗濯装置のブロック図
【図4】本発明の実施の形態4における洗濯装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態5における洗濯装置のブロック図
【図6】従来考案されている洗濯装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の洗濯装置は、前記ドア部の回転ドラム側に圧力センサを具備し、前記ドア部に洗濯物が接触したか否かを圧力にて検出して接触
の可能性がある場合には、モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態とし再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明の請求項2の洗濯装置は、前記回転ドラムの内側に音波センサを具備し、前記ドア部に洗濯物が接触したか否か、および洗濯物が前記回転ドラム3の内壁に均一に貼り付いているかどうかを音波にて検出し、接触の可能性がある場合には前記モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態となるようにし、再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明の請求項3の洗濯装置では、圧力や音波ではなく前記回転ドラム内を直接撮影した画像から画像処理により判別することを特徴としている。
【0015】
本発明の請求項4の洗濯装置は、請求項2または3の洗濯装置において、布量検知工程の開始と同時に音波センサまたは撮像装置により検知された前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態、すなわち前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付く状態に相似しているか否かを判定する判定処理回路を具備し、布量検知工程とセンサによる判定を同時に複数回行い、前記判定処理回路にて前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態に相似すると判定された時の布量検知結果を基にして洗濯条件を決定することができることを特徴としている。
【0016】
本発明の請求項5の洗濯装置は、請求項2または3の洗濯装置において、布量検知工程の開始と同時に音波センサまたは撮像装置により検知された前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態、すなわち前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付く状態に相似しているか否かを判定する判定処理回路を具備し、布量検知工程とセンサによる判定を同時に複数回行い、前記判定処理回路にて前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態に相似すると判定された時の布量検知結果を複数用いて統計的処理を行うことで、より正確な布量を検知して洗濯条件を決定することができることを特徴としている。
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯装置のブロック図である。なお、その他の構成は従来例:図6と同様であるため、図6と同一機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。図1において、圧力センサ101は前記2ドア部に内蔵されており、前記回転ドラム3内からの圧力を検知する。洗濯物が大量に前記回転ドラム内に投入された場合や水分を含んだ洗濯物の一部がドア部に貼り付いた場合、これを検出する。検出された信号は、圧力センサ信号eとして圧力センサ回路102に送られ、圧力センサ情報信号fとして前記制御回路4に送られる。前記制御回路4は、異常な圧力が検出された場合には、洗濯開始時の布量検知行程に先立って前記回転ドラム3の中の洗濯物を攪拌するため、前記モータ駆動回路を通じて前記モータ駆動部を動かす。前記圧力センサからの信号内容が洗濯前の前記回転ドラム内に何も入っていなかった状態と同じ、または近い状態になったら、攪拌動作を停止して布量検知行程を開始する。
【0019】
このように本実施の形態では、回転ドラムに入れた洗濯物がドア部に接触するなどの影響により布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を判別し、攪拌動作を布量検知に前もって行うことで、より精度よく布量を検知できることで、最適な洗濯を可能としている。
【0020】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における洗濯装置のブロック図である。図2では、音波センサ201は前記2ドア部に内蔵されており、前記回転ドラム3内の物体の位置を検知する。洗濯物が大量に前記回転ドラム内に投入された場合や水分を含んだ洗濯物の一部がドア部に貼り付いた場合、これを検出する。また、洗濯物がアンバランスに偏った場合も同様に検出することができる。検出された信号は、音波センサ信号gとして音波検出処理回路202に送られる。前記音波検出処理回路202では、検出した前記回転ドラム内の洗濯物の分布状態を洗濯物分布情報信号hとして判定処理回路203に送られる。前記判定処理回路203は、洗濯物の分布が布量検知行程に移行してもよい状態にあるか否かを判定し、その結果を洗濯物分布判定信号jとして前記制御回路4に送る。前記制御回路4は、前記洗濯物分布判定信号jの結果がNGならば、洗濯開始時の布量検知行程に先立って前記回転ドラム3の中の洗濯物を攪拌するため、前記モータ駆動回路を通じて前記モータ駆動部を動かし、再度前記洗濯物分布判定信号jの結果を確認する。洗濯物分布判定信号jの結果がOKになったら、攪拌動作を停止して布量検知行程を開始する。
【0021】
このように本実施の形態では、音波センサを用いることで回転ドラムに入れた洗濯物がドア部に接触するなどの影響により布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を判別し、攪拌動作を布量検知に前もって行うことで、より精度よく布量を検知できることで、最適な洗濯を可能としている。
【0022】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における洗濯装置のブロック図である。図3では、本発明の実施の形態2における洗濯装置が音波センサを用いたのに対して、撮像装置301を用いている。前記撮像装置301は、前記音波センサと同じく前記2ドア部に内蔵されており、前記回転ドラム3内の物体の位置を画像として検知する。検出された信号は、画像処理回路302にて処理され、洗濯物が大量に前記回転ドラム内に投入された場合や水分を含んだ洗濯物の一部がドア部に貼り付いた場合、あらかじめ撮っておいた空の前記回転ドラムの画像とこれを比較することで迅速に検出することが可能である。また、洗濯物がアンバランスに偏った場合も同様に検出することができる。検出した前記回転ドラム内の洗濯物の分布状態を洗濯物分布情報信号hとして判定処理回路203に送られる。前記判定処理回路203は、洗濯物の分布が布量検知行程に移行してもよい状態にあるか否かを判定し、その結果を洗濯物分布判定信号jとして前記制御回路4に送る。前記制御回路4は、前記洗濯物分布判定信号jの結果がNGならば、洗濯開始時の布量検知行程に先立って前記回転ドラム3の中の洗濯物を攪拌するため、前記モータ駆動回路を通じて前記モータ駆動部を動かし、再度前記洗濯物分布判定信号jの結果を確認する。洗濯物分布判定信号jの結果がOKになったら、攪拌動作を停止して布量検知行程を開始する。
【0023】
このように本実施の形態では、撮像装置を用いることで回転ドラムに入れた洗濯物がドア部に接触するなどの影響により布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を画像で判別できるので判定を迅速に行うことができ、攪拌動作を布量検知に前もって行うことで、より精度よく布量を検知できることで、最適な洗濯を可能としている。
【0024】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における洗濯装置のブロック図である。
【0025】
図4では、本発明の実施の形態3における洗濯装置をベースに本発明の実施の形態4における洗濯装置の内容を示している。前記制御回路4は、撮像装置での前記回転ドラム内の洗濯物の状態検知を行うと共に布量検知行程を同時に開始する。前記撮像装置301は
、同じく前記2ドア部に内蔵されており、前記回転ドラム3内の物体の位置を画像として検知する。検出された信号は、画像処理回路302にて処理され、洗濯物が大量に前記回転ドラム内に投入された場合や水分を含んだ洗濯物の一部がドア部に貼り付いた場合、あらかじめ撮っておいた空の前記回転ドラムの画像とこれを比較することで迅速に検出することが可能である。また、洗濯物がアンバランスに偏った場合も同様に検出することができる。検出した前記回転ドラム内の洗濯物の分布状態を洗濯物分布情報信号hとして判定処理回路401に送られる。前記判定処理回路401は、前記制御回路4からの布量検知信号mにより布量検知行程が始まったことを検知し、直前に検知した洗濯物の分布が布量検知行程に移行してもよい状態にあるか否かを判定し、その結果を洗濯物分布判定信号jとして前記制御回路4に送る。前記制御回路4は、前記洗濯物分布判定信号jの結果がNGならば、今行っている布量検知行程を中断して前記回転ドラム3の中の洗濯物を攪拌を行い、再度布量検知行程を開始する。洗濯物分布判定信号jの結果がOKになったら、その時の布量検知行程で確認された布量で持って洗濯条件を決定する。
【0026】
このように本実施の形態では、撮像装置を用いることで回転ドラムに入れた洗濯物がドア部に接触するなどの影響により布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を連続的に画像で判別できるので、布量検知行程や攪拌工程を同時に開始しつつ判定を迅速に行うことができ攪拌動作を行うことで、より精度よく布量を検知できることで、最適な洗濯を可能としている。
【0027】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5における洗濯装置のブロック図である。
【0028】
図5では、本発明の実施の形態3における洗濯装置をベースに本発明の実施の形態5における洗濯装置の内容を示している。前記制御回路4は、撮像装置での前記回転ドラム内の洗濯物の状態検知を行うと共に布量検知行程を同時に開始する。前記撮像装置301は、同じく前記2ドア部に内蔵されており、前記回転ドラム3内の物体の位置を画像として検知する。検出された信号は、画像処理回路302にて処理され、洗濯物が大量に前記回転ドラム内に投入された場合や水分を含んだ洗濯物の一部がドア部に貼り付いた場合、あらかじめ撮っておいた空の前記回転ドラムの画像とこれを比較することで迅速に検出することが可能である。また、洗濯物がアンバランスに偏った場合も同様に検出することができる。検出した前記回転ドラム内の洗濯物の分布状態を洗濯物分布情報信号hとして判別回路501に送られる。前記判別回路501は、前記制御回路4からの布量情報信号pにより直近の布量検知情報を得て、直前に検知した洗濯物の分布が布量検知行程に移行してもよい状態にあるか否かを判定し、その結果がOKならばその布量検知情報を適正情報信号qとして統計演算回路502に送る。判定結果がNGの場合には送らない。前記統計演算回路502は、複数の布量検知情報が得られた段階で統計的演算処理を行い、前記制御回路4に最終的な布量検知情報として演算結果情報信号rを送る。なお、布量検知は連続して行うが、前記洗濯物分布判定信号jの結果がNGならば、中断して前記回転ドラム3の中の洗濯物を攪拌を行い、再度布量検知行程を開始する。
【0029】
このように本実施の形態では、複数の布量検知情報を用いることで、より精度を上げている。また、布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を連続的に画像で判別しながら布量検知行程や攪拌工程を同時に継続するので、判定を迅速に行うことができることで、最適な洗濯を可能としている。
【0030】
なお、本実施例ではブロック回路構成で示したが、複数データの処理はメモリとマイクロコンピュータを用いた構成でも実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明にかかる洗濯機は、回転ドラムに入れた洗濯物がドアなどに接触するなどの影響により布量が正しく検知できないような回転ドラム内での洗濯物の位置状態を判別することで、より精度よく布量を検知して正確な洗濯実行時間の選定およびユーザーへの表示とともに、それによって節水、省電力を行うことができる洗濯機が提供できる点で有用である。
【符号の説明】
【0032】
1 洗濯槽
2 ドア部
3 回転ドラム
4 制御回路
5 モータ駆動回路
6 モータ駆動部
7 回転検知部
a モータ制御信号
b 駆動信号
c 回転検知信号
d 回転情報信号
101 圧力センサ
102 伝達部
e 圧力センサ信号
f 圧力情報信号
201 音波センサ
202 音波検出処理回路
203 判定処理回路
g 音波センサ信号
h 洗濯物分布情報信号
j 洗濯物分布判定信号
301 撮像装置
302 画像処理回路
k 圧力センサ信号
401 判定処理回路
m 布量検知信号
n 判定結果情報信号
501 判別回路
502 統計演算回路
p 布量情報信号
q 適正情報信号
r 演算結果情報信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムに洗濯物を投入するときには開き洗濯中は外部と隔離することが可能なドア部と、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動部と、前記モータ駆動部の回転動作を検知する回転検知部と、前記モータ駆動部を駆動するモータ駆動回路を備え、前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付くように回転させ、その後惰性による回転時間を前記回転検知部の出力変化により得ることで布量を検知し、それによって最適な洗濯制御方法を決定するドラム式洗濯機において、前記ドア部の回転ドラム側に圧力センサを具備し、布量検知を行う前に前記ドア部に洗濯物が接触したか否かを圧力にて検出して接触の可能性がある場合には、モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態とし再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムに洗濯物を投入するときには開き洗濯中は外部と隔離することが可能なドア部と、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動部と、前記モータ駆動部の回転動作を検知する回転検知部と、前記モータ駆動部を駆動するモータ駆動回路を備え、前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付くように回転させ、その後惰性による回転時間を前記回転検知部の出力変化により得ることで布量を検知し、それによって最適な洗濯制御方法を決定するドラム式洗濯機において、前記回転ドラムの内側に音波センサを具備し、布量検知を行う前に前記ドア部に洗濯物が接触しているか否かを判別して接触の可能性がある場合には、モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態とした上で、再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムに洗濯物を投入するときには開き洗濯中は外部と隔離することが可能なドア部と、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動部と、前記モータ駆動部の回転動作を検知する回転検知部と、前記モータ駆動部を駆動するモータ駆動回路を備え、前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付くように回転させ、その後惰性による回転時間を前記回転検知部の出力変化により得ることで布量を検知し、それによって最適な洗濯制御方法を決定するドラム式洗濯機において、前記回転ドラムの内側に回転ドラム内を撮影できる撮像装置と、撮影した画像から前記回転ドラム内の洗濯物の状態を分析する画像処理回路を具備し、布量検知を行う前に前記回転ドラム内の洗濯物の状態を撮影・画像処理してドア部などに接触したか否かを判別して接触の可能性がある場合には、再度モータ駆動部より前記回転ドラムの回転を行って洗濯物がドアに接触しない状態とした上で、再度布量検知を行うことにより正確な布量を測定して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
布量検知工程の開始と同時に音波センサまたは撮像装置により検知された前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態、すなわち前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付く状態に相似しているか否かを判定する判定処理回路を具備し、布量検知工程とセンサによる判定を同時に複数回行い、前記判定処理回路にて前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態に相似すると判定された時の布量検知結果を基にして洗濯条件を決定することができる制御回路を備えた請求項2または3に記載の洗濯機。
【請求項5】
布量検知工程の開始と同時に音波センサまたは撮像装置により検知された前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態、すなわち前記回転ドラム内の洗濯物が内壁に均一に張り付く状態に相似しているか否かを判定する判定処理回路を具備し、布量検知工程とセンサによる判定を同時に複数回行い、前記判定処理回路にて前記回転ドラム内の洗濯物の状態が本来布量検知で想定している理想的状態に相似すると判定された時の布量検知結果を複数用いて統計的処理を行うことで、より正確な布量を検知して洗濯条件を決定することができる制御回路を備えた請求項2または3に記載のことを特徴とする洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−36580(P2011−36580A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188885(P2009−188885)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】