説明

洗濯機

【課題】使用者の状況に応じて表示内容を変更する洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗濯機本体101に、表示部102と、使用者との距離を検出する距離検出手段103と、前記距離検出手段103により検出された距離情報をもとに使用者の接近状態を判定する接近判定部105と、前記接近判定部105により判定された情報をもとに前記表示部102へ表示する内容を制御する表示制御部106とを備えた洗濯機において、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、表示する内容を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯運転に関連した表示動作を行なうための表示装置を備えた洗濯機に関し、特に、使用者の操作性を向上させるユーザインタフェース技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機の表示装置は、洗濯運転中の洗い、すすぎ、脱水等の洗濯行程の進行状況と、洗濯運転の残時間情報とを予め設定された文字サイズで表示するものである。
【0003】
しかしながら、全自動洗濯機においては、使用者は、一旦洗濯機の運転を開始すると、洗濯機本体から離れるのが通常で、現在の進行状況を確認したい場合は、わざわざ洗濯機本体まで近づく必要がある、といった課題を有していた。
【0004】
このような表示装置の課題を解決する手段として、表示装置本体に人と表示装置との距離を検出する距離検出手段を備え、前記距離検出手段により検出される距離情報に応じて表示する文字サイズ、図形サイズなどを変更(例えば、特許文献1参照)し、表示する情報量を変更することにより、人に情報を効果的に見てもらう技術が提案されている。
【0005】
ここで、特許文献1に記載された表示装置を図13示す。図13において、表示装置は表示部102と、人と表示装置との距離を検出する距離検出手段103と、表示する情報を格納する表示情報格納部110と、距離ごとに表示する方法を格納する距離情報格納部111と、距離に応じて表示内容を加工する表示制御部106から構成される。
【0006】
以上のように構成された表示装置は、距離検出手段103により検出された人との距離情報をもとに、距離情報格納部111に格納された距離ごとの表示方法に従い、表示情報格納部110に格納された表示内容を表示することが可能となり、人と表示装置との距離に応じて表示部102へ表示する内容を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−271283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の手段では、人が表示装置より離れている場合は、文字や図形サイズを大きくし、逆に人が表示装置に近づいた場合は、文字や図形サイズを小さくしたりすることは可能であるが、人との距離に応じてのみ表示内容を変更するため、変更した表示内容が使用者の状況により最適ではない場合がある。
【0009】
特に洗濯機などの近年の白物家電においては、高機能化や多機能化に伴い、人が表示装置に近づいた場合に文字サイズを小さくし、表示する情報量を増やしてしまうと、表示項目が多くなり、目当ての操作を見つけづらく、慣れるまで操作に時間がかかってしまう、といった課題を有していた。
【0010】
そこで本発明は、使用者の接近状態と洗濯機の運転状態を判断して、状況に応じて最適な表示内容を行なう洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するために、洗濯機の表示部に、使用者との距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された距離情報をもとに使用者の接近状態を判定する接近判定部と、前記接近判定部で判定された情報をもとに前記表示部へ表示する内容を制御する表示制御部とを備えた洗濯機としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、使用者の接近状態と洗濯機の運転状態を判断して、状況に応じて最適な表示内容を行なうことが可能となるため、機能が多く操作が複雑な白物家電においても、使用者の操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1から形態5における洗濯機の概略図
【図2】本発明の実施の形態1における洗濯機の構成図
【図3】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2から形態4における洗濯機の構成図
【図5】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2における表示画面を示す図
【図7】本発明の実施の形態3におけるフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における表示画面示す図
【図9】本発明の実施の形態4におけるフローチャート
【図10】本発明の実施の形態4における表示画面示す図
【図11】本発明の実施の形態5における洗濯機の構成図
【図12】本発明の実施の形態5におけるフローチャート
【図13】従来の洗濯機の構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、洗濯機の表示部に、使用者との距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された距離情報をもとに使用者の接近状態を判定する接近判定部と、前記接近判定部で判定された情報をもとに前記表示部へ表示する内容を制御する表示制御部とを備えたものである。
【0015】
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、洗濯機の操作が必要な場合に最適な表示を行なうことができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の洗濯機において、表示部に使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すキーを備えたものである。
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、使用者が意図しない表示内容に変更された場合においても、表示内容を元に戻すことができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の洗濯機において、前記表示制御部に洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯コース情報をもとに表示内容を判定する洗濯コース判定部をさらに備えたものである。
【0018】
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯コース情報に応じて前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯コースを変更したい場合においても、最適な表示を行なうことができる。
【0019】
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明の洗濯機において、前記表示制御部に洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯行程情報をもとに表示内容を判
定する洗濯行程判定部をさらに備えたものである。
【0020】
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯行程情報に応じて前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯行程を変更したい場合においても、最適な表示を行なうことができる。
【0021】
第5の発明は、特に、第1から第4のいずれか1つの発明の洗濯機において、前記表示制御部に洗濯運転の残時間情報と現在の洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する現在行程判定部をさらに備えたものである。
【0022】
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯行程情報に応じて前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯行程を変更したいタイミングに応じて、最適な表示を行なうことができる。
【0023】
第6の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明の洗濯機において、前記表示制御部に洗濯機が運転中に操作された内容を記憶する記憶手段と、洗濯運転の残時間情報と前記記憶手段に記憶された操作履歴情報をもとに表示内容を判定する操作履歴判定部をさらに備えたものである。
【0024】
これによって、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記操作履歴情報に応じて前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者の使用パターンに応じて最適な表示を行なうことができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の外観の概略図を、図2は、本実施の形態における洗濯機の構成図を示したものである。
【0027】
図1、2において、洗濯機本体101は、表示部102と、使用者との距離を検出する距離検出手段103と、洗濯内容を設定する設定キー104と、前記距離検出手段103で検出された距離情報をもとに使用者の接近状態を判定する接近判定部105と、前記接近判定部105で判定された情報をもとに前記表示部102へ表示する内容を制御する表示制御部106と、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻す、戻るキー107と、洗濯モータ等の洗濯制御を行なう洗濯制御部108と、前記洗濯制御部108と通信を行なう通信手段109とから構成される。
【0028】
ここで、前記接近判定部105は、使用者が接近してきたことを判定する距離レベルが予め設定されているものとする。また、表示制御部106は、前記通信手段109を介して、洗濯制御部108から洗濯コース、洗濯行程、残時間等の表示に関する情報を取得するものとし、使用者が接近してきた場合に表示する表示データが予め設定されているものとする。
【0029】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作・作用を図3のフローチャートを使用して説明する。
【0030】
まず、洗濯機本体101の設定キー104を介して、使用者が洗濯内容を設定し、洗濯機本体101の運転を開始する。
【0031】
洗濯運転中に、距離検出手段103は、使用者との距離を検出し、検出した距離情報を接近判定部105へ通知する(ステップ301)。前記接近判定部105は、前記距離検出手段103から取得した距離情報と予め設定された距離レベルを比較(ステップ302)する。
【0032】
使用者が洗濯機本体101へ接近していると判定した場合(ステップ303)、表示制御部106へ表示内容の変更要求を通知する(ステップ304)。前記表示制御部106は、前記接近判定部105から表示内容の変更要求を取得すると、予め設定された表示データを表示部102へ送信する(ステップ305)。
【0033】
例えば、前記表示制御部106に使用者が接近してきた場合に表示する表示データとして一時停止データが設定されていた場合、図1に示すように、表示部102に残時間が120分と表示されている洗濯運転中に使用者が接近すると、一時停止させる表示を使用者が認識し易い大きさで表示部102へ表示することになる。
【0034】
ここで、前記接近判定部105に予め設定された距離レベル、および前記表示制御部106に予め設定された表示データは、使用者が設定キー104を介して任意に設定・変更できる構成としてもよいものとする。
【0035】
以上のように、本実施の形態においては、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記表示部への表示内容を変更することが可能となり、洗濯機の操作が必要な場合に最適に表示を変更することができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、戻るキー107を使用して、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すことができる。
【0037】
さらに、本実施の形態においては、表示部102は、LCD等の液晶ディスプレイに限らず、LEDを使用して、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記表示制御部106に予め設定された表示データに該当する操作箇所を、点灯あるいは点滅させる構成としてもよいものとする。
【0038】
(実施の形態2)
次に、本発明における第2の実施の形態について図4を使用して説明する。
【0039】
図4は、図2の洗濯機の構成図に対して、表示制御部106に、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯コース情報をもとに表示内容を判定する洗濯コース判定部201と、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する洗濯行程判定部202と、洗濯運転の残時間情報と現在の洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する現在行程判定部203を備えた構成とする。
【0040】
実施の形態2においては、実施の形態1に対して、表示制御部106に、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯コース情報をもとに表示内容を判定する洗濯コース判定部201を備えた構成とする。
【0041】
ここで、前記接近判定部105は、使用者が接近してきたことを判定する距離レベルが予め設定されているものとする。
【0042】
また、前記表示制御部106は、洗濯制御部108から通信手段109を介して、洗濯コース、洗濯行程、残時間等の表示に関する情報を取得するものとし、表示を変更する残時間レベルが予め設定されているものとする。
【0043】
さらに、前記洗濯コース判定部201は、設定された洗濯コース情報に応じて表示する表示データが予め設定されているものとする。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作・作用を図5のフローチャートを使用して説明する。
【0044】
まず、洗濯機本体101の設定キー104を介して、使用者が洗濯内容を設定し、洗濯機本体101の運転を開始する。洗濯運転中に、距離検出手段103は、使用者との距離を検出し、検出した距離情報を接近判定部105へ通知する(ステップ501)。
【0045】
前記接近判定部105は、前記距離検出手段103から取得した距離情報と予め設定された距離レベルを比較(ステップ502)し、使用者が洗濯機本体101へ接近していると判定した場合(ステップ503)、表示制御部106へ表示内容の変更要求を通知する(ステップ504)。
【0046】
前記表示制御部106は、前記接近判定部105から表示内容の変更要求を取得すると、予め設定された残時間レベルと、洗濯制御部108から通信手段109を介して取得した現在の残時間情報を比較(ステップ505)する。
【0047】
現在の残時間情報が予め設定された残時間レベル以上であった場合、洗濯コース判定部201において、前記洗濯制御部108から取得した洗濯コース情報と予め設定された表示データをもとに表示する表示データを確定(ステップ506)し、表示部102へ表示データを送信する。
【0048】
例えば、前記洗濯コース判定部201に使用者が接近してきた場合に表示する表示データとして乾燥停止データが設定され、残時間レベルとして100分が設定されていた場合、図6に示すように、洗濯機本体101に、洗濯コースとして、洗濯、乾燥が設定されており、表示部102に残時間が120分と表示されている状態で使用者が接近してきた場合、乾燥を停止させる表示を使用者が認識し易い大きさで、追加で表示部102へ表示する。
【0049】
ここで、前記接近判定部105に予め設定された距離レベル、および前記洗濯コース判定部201に予め設定された表示データは、使用者が設定キー104を介して任意に設定・変更できる構成としてもよいものとする。
【0050】
以上のように、本実施の形態においては、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、洗濯の残時間と設定された洗濯コースに応じて表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯コースを変更したい場合においても、最適に表示を変更することができる。
【0051】
また、本実施の形態においては、戻るキー107を使用して、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すことができる。
【0052】
さらに、本実施の形態においては、前記表示部102は、LCD等の液晶ディスプレイに限らず、LEDを使用して、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記洗濯コース判定部201に予め設定された表示データに該当する操作箇所を、点灯あるいは点滅させる構成としてもよいものとする。
【0053】
(実施の形態3)
次に、本発明における第3の実施の形態について図4を使用して説明する。
【0054】
実施の形態3においては、実施の形態2に対して、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する洗濯行程判定部202を備えた構成とする。
【0055】
ここで、前記接近判定部105は、使用者が接近してきたことを判定する距離レベルが予め設定されているものとする。また、前記表示制御部106は、洗濯制御部108から通信手段109を介して、洗濯コース、洗濯行程、残時間等の表示に関する情報を取得するものとし、表示を変更する残時間レベルが予め設定されているものとする。
【0056】
さらに、前記洗濯行程判定部202は、設定された洗濯行程情報に応じて表示する表示データが予め設定されているものとする。
【0057】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作・作用を図7のフローチャートを使用して説明する。
【0058】
まず、洗濯機本体101の設定キー104を介して、使用者が洗濯内容を設定し、洗濯機本体101の運転を開始する。
【0059】
洗濯運転中に、距離検出手段103は、使用者との距離を検出し、検出した距離情報を接近判定部105へ通知する(ステップ701)。前記接近判定部105は、前記距離検出手段103から取得した距離情報と予め設定された距離レベルを比較(ステップ702)し、使用者が洗濯機本体101へ接近していると判定した場合(ステップ703)、表示制御部106へ表示内容の変更要求を通知する(ステップ704)。
【0060】
前記表示制御部106は、前記接近判定部105から表示内容の変更要求を取得すると、予め設定された残時間レベルと、洗濯制御部108から通信手段109を介して取得した現在の残時間情報を比較(ステップ705)する。
【0061】
現在の残時間情報が予め設定された残時間レベル以上であった場合、洗濯行程判定部202において、前記洗濯制御部108から取得した洗濯行程情報と予め設定された表示データをもとに表示する表示データを確定(ステップ706)し、表示部102へ表示データを送信する。
【0062】
例えば、前記洗濯行程判定部202に使用者が接近してきた場合に表示する表示データとしてすすぎ回数、脱水時間変更データが設定され、残時間レベルとして60分が設定されていた場合、図8に示すように、洗濯機本体101に、洗濯行程として、洗い、すすぎ、脱水行程が設定されている。
【0063】
表示部102に残時間が60分と表示されている状態で使用者が接近してきた場合、すすぎ回数、脱水時間を変更させる表示を使用者が認識し易い大きさで、追加で表示部102へ表示することになる。
【0064】
ここで、前記接近判定部105に予め設定された距離レベル、および前記洗濯行程判定部202に予め設定された表示データは、使用者が設定キー104を介して任意に設定・変更できる構成としてもよいものとする。
【0065】
以上のように、本実施の形態においては、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、洗濯の残時間と設定された洗濯行程に応じて表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯行程の設定値を変更したい場合においても、最適に表示を変更するこ
とができる。
【0066】
また、本実施の形態においては、戻るキー107を使用して、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すことができる。
【0067】
さらに、本実施の形態においては、前記表示部102は、LCD等の液晶ディスプレイに限らず、LEDを使用して、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記洗濯行程判定部202に予め設定された表示データに該当する操作箇所を、点灯あるいは点滅させる構成としてもよいものとする。
【0068】
(実施の形態4)
次に、本発明における第4の実施の形態について図4を使用して説明する。
【0069】
実施の形態3においては、実施の形態3に対して、洗濯運転の残時間情報と現在の洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する現在行程判定部203を備えた構成とする。
【0070】
ここで、前記接近判定部105は、使用者が接近してきたことを判定する距離レベルが予め設定されているものとする。また、前記表示制御部106は、洗濯制御部108から通信手段109を介して、洗濯コース、洗濯行程、残時間等の表示に関する情報を取得するものとし、表示を変更する残時間レベルが予め設定されているものとする。
【0071】
さらに、前記現在行程判定部203は、現在の洗濯行程情報に応じて表示する表示データが予め設定されているものとする。
【0072】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作・作用を図9のフローチャートを使用して説明する。
【0073】
まず、洗濯機本体101の設定キー104を介して、使用者が洗濯内容を設定し、洗濯機本体101の運転を開始する。洗濯運転中に、距離検出手段103は、使用者との距離を検出し、検出した距離情報を接近判定部105へ通知する(ステップ901)。
【0074】
前記接近判定部105は、前記距離検出手段103から取得した距離情報と予め設定された距離レベルを比較(ステップ902)し、使用者が洗濯機本体101へ接近していると判定した場合(ステップ903)、表示制御部106へ表示内容の変更要求を通知する(ステップ904)。
【0075】
前記表示制御部106は、前記接近判定部105から表示内容の変更要求を取得すると、予め設定された残時間レベルと、洗濯制御部108から通信手段109を介して取得した現在の残時間情報を比較(ステップ905)する。
【0076】
現在の残時間情報が予め設定された残時間レベル以上であった場合、現在行程判定部203において、前記洗濯制御部108から取得した現在の洗濯行程情報と予め設定された表示データをもとに表示する表示データを確定(ステップ906)し、表示部102へ表示データを送信する。
【0077】
例えば、前記現在行程判定部203に使用者が接近してきた場合に表示する表示データとして一時停止データが設定され、残時間レベルとして50分が設定されていた場合、図10に示すように、表示部102に残時間が60分と表示されており、現在の洗濯行程が洗い行程中に使用者が接近してきた場合、一時停止を設定させる表示を使用者が認識し易い大きさで、追加で表示部102へ表示することになる。
【0078】
ここで、前記接近判定部105に予め設定された距離レベル、および前記現在行程判定部203に予め設定された表示データは、使用者が設定キー104を介して任意に設定・変更できる構成としてもよいものとする。
【0079】
以上のように、本実施の形態においては、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、洗濯の残時間と現在に洗濯行程に応じて表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者が洗濯開始直後に洗濯物を追加で投入したい場合においても、最適に表示を変更することができる。
【0080】
また、本実施の形態においては、戻るキー107を使用して、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すことができる。
【0081】
さらに、本実施の形態においては、前記表示部102は、LCD等の液晶ディスプレイに限らず、LEDを使用して、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記現在行程判定部203に予め設定された表示データに該当する操作箇所を、点灯あるいは点滅させる構成としてもよいものとする。
【0082】
(実施の形態5)
次に、本発明における第5の実施の形態について図11を使用して説明する。
【0083】
図11は、図4の洗濯機の構成図に対して、表示制御部106に、洗濯機が運転中に操作された内容を記憶する記憶手段301と、洗濯運転の残時間情報と前記記憶手段301に記憶された操作履歴情報をもとに表示内容を判定する操作履歴判定部204を備えた構成とする。
【0084】
ここで、前記接近判定部105は、使用者が接近してきたことを判定する距離レベルが予め設定されているものとする。表示制御部106は、洗濯制御部108から前記通信手段109を介して、洗濯コース、洗濯行程、残時間等の表示に関する情報を取得するものとし、表示を変更する残時間レベルが予め設定されているものとする。
【0085】
また、操作履歴判定部204は、表示を変更する残時間かどうかを判定する残時間範囲レベルが予め設定されているものとする。記憶手段301には、過去に使用者が洗濯運転中に設定内容を変更した残時間情報、変更前の洗濯内容、変更後の洗濯内容が予め記憶されているものとする。
【0086】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作・作用を図12のフローチャートを使用して説明する。
【0087】
まず、洗濯機本体101の設定キー104を介して、使用者が洗濯内容を設定し、洗濯機本体101の運転を開始する。洗濯運転中に、距離検出手段103は、使用者との距離を検出し、検出した距離情報を接近判定部105へ通知する(ステップ1201)。
【0088】
前記接近判定部105は、前記距離検出手段103から取得した距離情報と予め設定された距離レベルを比較(ステップ1202)し、使用者が洗濯機本体101へ接近していると判定した場合(ステップ1203)、表示制御部106へ表示内容の変更要求を通知する(ステップ1204)。
【0089】
前記表示制御部106は、前記接近判定部105から表示内容の変更要求を取得すると、操作履歴判定部204は、記憶手段301に記憶された過去の変更時の残時間情報と現
在の残時間情報を比較する(ステップ1205)。
【0090】
前記現在の残時間情報が、予め設定された残時間範囲レベル以内であった場合(ステップ1206)、前記記憶手段301に記憶された過去の変更前の洗濯内容と現在の洗濯内容を比較し、洗濯内容が同一であった場合(ステップ1207)、前記記憶手段301に記憶された過去の変更後の洗濯内容を設定させる表示を使用者が認識し易い大きさで、表示部102へ表示することになる(ステップ1208)。
【0091】
以上のように、本実施の形態においては、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、過去の変更内容に基づいて表示部への表示内容を変更することが可能となり、使用者の使用パターンに応じて最適に表示を変更することができる。
【0092】
また、本実施の形態においては、戻るキー107を使用して、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すことができる。
【0093】
さらに、本実施の形態においては、前記表示部102は、LCD等の液晶ディスプレイに限らず、LEDを使用して、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記記憶手段301に記憶された過去の変更後の洗濯内容に該当する操作箇所を、点灯あるいは点滅させる構成としてもよいものとする。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように本発明にかかる使用者の接近状態と洗濯機の運転状態を判断して、状況に応じて最適な表示内容を行なう方法は、洗濯機以外の家電機器においても適用可能であり、本発名により使用者の操作性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0095】
101 洗濯機本体
102 表示部
103 距離検出手段
104 設定キー
105 接近判定部
106 表示制御部
107 戻るキー
108 洗濯制御部
109 通信手段
110 表示情報格納部
111 距離情報格納部
201 洗濯コース判定部
202 洗濯行程判定部
203 現在行程判定部
204 操作履歴判定部
301 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、使用者との距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段により検出された距離情報をもとに使用者の接近状態を判定する接近判定部と、前記接近判定部により判定された情報をもとに前記表示部へ表示する内容を制御する表示制御部とを備えた洗濯機。
【請求項2】
前記表示部は、使用者が接近してきた場合に変更された表示内容を元に戻すキーを備えた請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記表示制御部は、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯コース情報をもとに表示内容を判定する洗濯コース判定部をさらに備え、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯コース情報に応じて前記表示部への表示内容を変更する請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記表示制御部は、洗濯運転の残時間情報と使用者に設定された洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する洗濯行程判定部をさらに備え、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯行程情報に応じて前記表示部への表示内容を変更する請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記表示制御部は、洗濯運転の残時間情報と現在の洗濯行程情報をもとに表示内容を判定する現在行程判定部をさらに備え、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記洗濯行程情報に応じて前記表示部への表示内容を変更する請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記表示制御部は、洗濯機が運転中に操作された内容を記憶する記憶手段と、洗濯運転の残時間情報と前記記憶手段に記憶された操作履歴情報をもとに表示内容を判定する操作履歴判定部をさらに備え、洗濯運転中に使用者が接近してきた場合に、前記残時間情報と前記操作履歴情報に応じて前記表示部への表示内容を変更する請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−130379(P2012−130379A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282778(P2010−282778)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】