説明

洗髪機

【課題】洗浄水が噴霧口から浸入することを防止しつつ、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡るようにした洗髪機を提供する。
【解決手段】ミストを発生するミスト発生部55と、シンク2の底面に突設され、ミスト発生部55が発生したミストをシンク2の内側に噴霧するためのミスト噴霧口106、106が上部に形成されたミスト供給部65と、ミスト噴霧口106、106を覆った状態でミスト供給部65に取り付けられ、上ノズルリンクなどの噴射手段から噴射された後の洗浄水がミスト噴霧口106、106を介してミスト供給部65内へ浸入することを防止する傘部90と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は洗髪機に関し、特に、主として理容院や美容院等で使用される洗髪機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、被洗髪者の頭部を収めるシンクの内側に、頭部に向けて洗浄水を噴射するノズルリンクを備え、このノズルリンクによって被洗髪者の頭部や髪に洗浄水を噴射することにより自動で洗髪を行えるようにした自動洗髪機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の自動洗髪機では、ノズルリンクからトリートメント液を噴射可能に構成するとともに、ミストを発生するミスト発生装置を設け、このミスト発生装置が発生したミストを、シンクに形成された噴霧口を介してシンクの内部に供給可能に構成し、ミストを利用してトリートメント効果を向上させたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−236511号公報
【特許文献2】特開2005−253837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した自動洗髪機では、ノズルリンクから噴射された後の洗浄水が、シンクに形成された噴霧口を介して、噴霧口に接続されたミスト搬送管に浸入し、シンク内部への円滑なミストの供給を阻害するおそれがあるという問題があった。この問題を解決するために、ノズルリンクから離れた位置に噴霧口を設けたり、ノズルリンクから噴射された後の洗浄水が入らない向きに噴霧口を設けたりした場合、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡りにくくなるという問題が生じてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、洗浄水が噴霧口から浸入することを防止しつつ、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡るようにした洗髪機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、被洗髪者の頭部を収めるシンクと、頭部に向けて洗浄水を噴射する噴射手段とを備える洗髪機において、ミストを発生するミスト発生部と、前記シンクの底面に突設され、前記ミスト発生部が発生したミストを前記シンクの内側に噴霧するためのミスト噴霧口が上部に形成されたミスト供給部と、前記ミスト噴霧口を覆った状態で前記ミスト供給部に取り付けられ、前記噴射手段から噴射された後の洗浄水が前記ミスト噴霧口を介して前記ミスト供給部内へ浸入することを防止する傘部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ミスト噴霧口を介して洗浄水が浸入することが傘部によって防止されるため、ミストの噴霧口を被洗髪者の頭部の近傍や、下方に形成することができ、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡るようにすることができる。
【0005】
ここで、上記発明の洗髪機において、前記ミスト供給部は、前記シンクの内側に被洗髪者の頭部を収めた場合における、被洗髪者の頭部の下方に対応する位置に設けられているようにしてもよい。
この構成によれば、ミスト供給部に形成されたミスト噴霧口が、被洗髪者の頭部の下方に位置することとなり、ミスト噴霧口を介して主に上方へ向かって噴霧するミストを好適に被洗髪者の頭部や髪に行き渡らせることができる。
【0006】
また、上記発明の洗髪機において、ミストに芳香を与える芳香添加手段をさらに備えるようにしてもよい。
この構成によれば、ミストに与えられた芳香が、被洗髪者によって嗅がれることとなり、被洗髪者の快適性が向上するとともに、リラクゼーション効果も期待できる。
【0007】
また、上記発明の洗髪機において、前記傘部は、前記ミスト供給部に対し着脱自在に設けられ、前記芳香添加手段は、前記ミスト供給部内に着脱自在に設けられ、かつ、前記ミスト噴霧口から噴霧されるミストに芳香を与える芳香添加物を備え、前記ミスト供給部から前記傘部を取り外した状態で、前記ミスト供給部に設けられた前記芳香添加物を交換できるようにしてもよい。
この構成によれば、ミストに芳香を与える芳香添加物を交換することができるため、芳香添加物の経年劣化に起因して芳香添加物からミストに与えられる芳香が弱まった際に、この芳香添加物を交換することにより、芳香添加物からミストに与えられる芳香の強さを維持することができる。
【0008】
また、上記発明の洗髪機において、前記ミスト発生部と前記ミスト供給部との経路に、ミストの噴霧に起因して発生した結露水を排出するための排水弁を有する排出経路を接続し、前記ミスト発生部が前記ミスト供給部へミストを供給している間は前記排水弁を閉状態とし、前記ミスト発生部が前記ミスト供給部へミストを供給していない間は前記排水弁を開状態とするようにしてもよい。
この構成によれば、ミストの噴霧に起因して発生した結露水を排出するための排出経路を、ミスト発生部とミスト供給部との経路に接続して設けているため、ミストを噴霧していない間に排水弁を開状態とし、結露水を排出することができるとともに、ミストを噴霧している間は排水弁を閉状態とし、スムーズにミストの噴霧を実行することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、傘部によってミスト噴霧口を介して洗浄水が浸入することが防止され、ミストの噴霧口を被洗髪者の頭部の近傍や、下方に形成することができるため、洗浄水が噴霧口から浸入することを防止しつつ、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡るようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1において、1は自動洗髪機(洗髪機)を示している。
この自動洗髪機1は、被洗髪者の頭部を収容するためのシンク2と、シンク2を保持するシンク保持台3と、シンク保持台3の前方に配置され、被洗髪者が座るための椅子4と、椅子4を保持する椅子保持台5とを備えている。
【0011】
シンク2は、図2に示すように、その上面に開口を有する碗状の部材である。シンク2の前側には、仰向け姿勢の被洗髪者の首元を、シンク2の内側に臨ませた状態にして、被洗髪者の後頭部を支える頭部支えネット70が配置されている。また、シンク2の前側の壁部2Aには、椅子4に座った状態で被洗髪者が仰向けで、頭部支えネット70に後頭部を載せた状態で、首を載せることができるネック台7が配置されている。シンク2の上面の開口は、カバー8により覆うことができる。カバー8は、その後端が連結部9を介してシンク2の後端に連結されていて、連結部9を中心にして鉛直面内で回動可能となっている。洗髪時などには、カバー8を開いた状態で、椅子4に座っている被洗髪者の首をネック台7に載せた後、カバー8を閉じることにより、被洗髪者に頭部をシンク2内に収容することができる。
【0012】
シンク2内には、被洗髪者の頭部および髪に向けて洗浄水(温水、シャンプー液が混入された温水、トリートメント液が混入された温水など)を噴射するための上ノズルリンク11(噴射手段)および下ノズルリンク12(噴射手段)が配置されている。上ノズルリンク11は、被洗髪者の頭部に沿うように、図示位置で上に凸の略円弧状に湾曲した管状の部材であって、その左端部が回動可能に片持ち支持されており、被洗髪者の頭部に向かって洗浄水を噴射する。下ノズルリンク12は、後方に向かって洗浄水を噴射することにより、後方側に垂れ下がった被洗髪者の髪(想像線で示す。)及び後頭部を洗浄する。この下ノズルリンク12は、被洗髪者の髪を囲うように、図示位置で左方に凸の略弓形状に湾曲した管状の部材であって、その左端部が上ノズルリンク11よりも下方で回転可能に片持ち支持されている。また、シンク2内には、仰向け姿勢の被洗髪者の首元に向けて洗浄水を噴射する首元用ノズルリンク80(噴射手段)が配置されている。
【0013】
上下ノズルリンク11,12、および首元用ノズルリンク80には、それぞれ複数のノズルが備えられていて、洗髪時には、上下ノズルリンク11,12、および首元用ノズルリンク80内に送られてきた洗浄水が各ノズルから噴射される。上下ノズルリンク11,12は回動し、首元用ノズルリンク80は固定である。各ノズルから洗浄水を噴射することで、被洗髪者の頭部および髪の全体を洗浄できる。シンク2内の後側上部には、ハンドシャワー13(噴射手段)が配置されている。オペレータ(美容院の従業員など)は、ハンドシャワー13の右方に配置されたコック14を回すことにより、ハンドシャワー13から放水する水量を調節して、手動で洗髪できる。
【0014】
自動洗髪機1で使用する水は、図3に示すように、機外の水道設備および給湯設備(図示せず)からミキシングバルブ15および給水管16を介して機内に供給される。ミキシングバルブ15には、水道設備から水供給部17を介して水が与えられるとともに、給湯設備から湯供給部18を介して湯が与えられる。ミキシングバルブ15は、水供給部17および湯供給部18から与えられる水および湯を混合し、温水にして給水管16に送り出すためのものである。給水管16内の途中部には、ミキシングバルブ15から送り出される温水の温度を検知するための第1サーミスタ19が配置されている。第1サーミスタ19の検知結果に基づいてモータ20が駆動されることにより、ミキシングバルブ15が開閉されて水と湯との混合割合が調整され、設定温度の温水が生成される。ミキシングバルブ15は、モータ20で調整される電動タイプである。モータ20は、DCモータまたは直流電動機であり、ブラシなどを備えている。
【0015】
また、シンク2の側方には、操作パネル60(図2)が設けられており、設定温度は、オペレータ(ユーザ)が操作パネル60を操作することにより決定される。給水管16は、途中部(第1サーミスタ19よりも下流側)からハンドシャワー用給水管21と貯湯用給水管22とに分岐している。ハンドシャワー用給水管21は、コック14によって開閉可能なハンドシャワー用バルブ23を介してハンドシャワー13に連通している。一方、貯湯用給水管22は、給湯バルブとしての貯湯バルブ24を介して貯湯タンク25内に温水を供給することができる。
【0016】
貯湯タンク25の内部には、当該貯湯タンク25に貯められている温水の水位を検知するための第1水位センサ26および第2水位センサ27が、上下方向に一定間隔を空けて配置されている。貯湯タンク25内の温水が使用されて、所定の最低水位に達したことが第2水位センサ27により検知された場合には、貯湯バルブ24が開かれて、貯湯タンク25内に温水が供給される。その後、貯湯タンク25内の温水が所定の最高水位に達したことが第1水位センサ26により検知されると、貯湯バルブ24が閉じられて、温水の供給が停止する。このようにして、貯湯タンク25内には、最低水位と最高水位との間で、常に温水が貯められた状態となっている。
【0017】
貯湯タンク25の上部(第1水位センサ26よりも上方)には、第1水位センサ26の故障などに起因して貯湯タンク25内に最高水位以上の温水が供給された場合に、その余分な温水を貯湯タンク25の外部に溢れ出させるための溢水口28が形成されている。溢水口28から溢れ出した温水は、オーバフロータンク29によって受けられ、このオーバフロータンク29に連通する排水管30を通って機外に排出される。オーバフロータンク29内にはオーバフローセンサ31が配置され、たとえば排水管30が詰まってオーバフロータンク29内の水位が最高水位に到達したことがオーバフローセンサ31によって検知された場合には、自動洗髪機1の運転が停止される。
【0018】
貯湯タンク25の最下部には、一端がメインポンプ32に接続された吸込管33の他端が接続されている。メインポンプ32は、インバータ64(図9)から交流電流が供給されることにより駆動され、吸込管33を介して貯湯タンク25内の温水を吸い込むものである。吸込管33の途中には、シャンプー液が収容されたシャンプー容器34に至るシャンプー供給管35と、トリートメント液が収容されたトリートメント容器36に至るトリートメント供給管37とが接続されている。シャンプー供給管35およびトリートメント供給管37の途中部には、それぞれシャンプー用ポンプ38およびトリートメント用ポンプ39が備えられていて、シャンプー用ポンプ38およびトリートメント用ポンプ39の働きにより、吸込管33内を通る温水に、シャンプー液およびトリートメント液の混入量を適度に調整することにより、メインポンプ32には、そのとき使用すべき洗浄水が汲み込まれることとなる。
なお、本実施形態では、シャンプー容器34およびトリートメント容器36を備える構成であったが、シャンプー容器34およびトリートメント容器36のほかに、他のシャンプー液や他のトリートメント液など任意の洗浄液を収容可能なオプション容器を備える構成であってもよい。
【0019】
吸込管33からメインポンプ32内に吸い込まれた洗浄水は、複数(たとえば、5つ)の分路を有する送水管40に送り出される。送水管40内には、フィルタ41が設けられていて、その下流側の5つの分路には、上ノズルバルブ42、下ノズルバルブ43、首元用ノズルバルブ74、排水バルブ44および予備バルブ45の5つのバルブが設けられている。上ノズルバルブ42、下ノズルバルブ43、首元用ノズルバルブ74、排水バルブ44および予備バルブ45が設けられた5つの分路には、それぞれ、分岐路46,47,75,48,49が延設されている。上ノズルバルブ42から延設された分岐路46の終端は上ノズルリンク11に接続され、下ノズルバルブ43から延設された分岐路47の終端は下ノズルリンク12に接続され、首元用ノズルバルブ74から延設された分岐路75の終端は首元用ノズルリンク80に接続されている。
【0020】
シンク2の底面には、当該シンク2内に水を排出するための排出口50が形成されていて、この排出口50は、逆流を防止するための排水トラップ51を介して排水管30に連通している。これにより、シンク2の排出口50から排出された水は、排水管30を通って、機外に排水されるようになっている。排水バルブ44から延設された分岐路48の終端は、排水トラップ51に接続されている。
【0021】
本実施形態に係る自動洗髪機1には、ミストを発生し、シンク2内へ供給するミスト発生機構52を備えている。ミスト発生機構52は、予備バルブ45を介して分岐管49に送り出される温水を貯めておくための予備タンク53と、この予備タンク53の下部に一端が接続された接続管54の他端に接続され、予備タンク53に貯められた温水を用いてミストを発生させるためのミスト発生部55と、このミスト発生部55にミスト搬送管59(経路)を介して接続されたミスト供給部65と、を備えている。予備タンク53は、予備タンク53内に貯められた温水を加熱するためのヒータ56と、予備タンク53内に貯められた温水の温度を検知するための第2サーミスタ57と、予備タンク53内の温水が最高水位に到達したか否かを検知するための第3水位センサ58とを備えている。
【0022】
ミスト発生部55は、ミスト搬送管59を介してシンク2の底面2Bに設けられたミスト供給部65に接続されていて、ミスト発生部55が発生したミストは、ミスト搬送管59を介してミスト供給部65からシンク2内に供給されるようになっている。ミスト発生部55は、超音波を発生して、予備タンク53から接続管54を介して送られてくる温水を振動させることにより、温水を霧状にしてミストを発生させる超音波発生装置61と、この超音波発生装置61の働きにより発生したミストをミスト搬送管59へと送り出すためのファン62とを備えている。
【0023】
ミスト搬送管59には、結露水排出管66(排出経路)の一端が接続され、この結露水排出管66の他端が排水トラップ51に接続されている。この結露水排出管66には、結露水用排水バルブ67(排水弁)が設けられている。ミスト発生部55におけるミストの発生、及び、発生したミストのシンク2内への供給に起因して、ミスト搬送管59や、ミスト供給部65、後述する傘部90などに結露水が発生するが、結露水排出管66は、この結露水を排出するための配管である。
本実施形態では、ミストを噴霧するため、ミスト発生部55からミスト供給部65へミストを供給している間は結露水用排水バルブ67を閉状態とし、ミスト発生部55からミスト供給部65へスムーズにミストの供給を行えるようにする。一方、ミスト発生部55からミスト供給部65へミストを供給していない間は結露水用排水バルブ67を開状態とし、結露水排出管66を介して結露水を排出する。
【0024】
図4は、頭部支えネット70および首元用ノズルリンク80の関係を示す図である。首元用ノズルリンク80は、図4Aに示すように、略M字状に曲げられた管状の部材であって、2つの隅部にブラケット81,81が溶接で固定され、このブラケット81,81を介してシンク2の前側の内壁に固定されている。首元用ノズルリンク80の水平部82は、被洗髪者の首元の形状に倣って下に凸に湾曲しており、上部の中央寄りには、適宜の間隔をあけて、3つのノズル83,83,83が取り付けられている。また、水平部82には、図4Bに示すように、該水平部82に直交して、シンク2の内側に向けてほぼ水平に延びる2つの支持棒84が溶接により固定されており、2つの支持棒84には、頭部支えネット70の両端の支持部71が支持されている。
【0025】
頭部支えネット70は樹脂成形部材であり、図5A,Bに示すように、その両端に、支持棒84が嵌る支持部71を有している。この頭部支えネット70は、被洗髪者の後頭部頂点に対応する中央部72寄りの網目72Aが大きく、両端の支持部71に近づくほど網目71Aが小さく形成されている。この頭部支えネット70は、図2を参照し、上ノズルリンク11および下ノズルリンク12の動作に影響を与えない位置、すなわち各リンク11,12の軌跡を避けた位置に固定されている。
【0026】
上ノズルリンク11および下ノズルリンク12は、共に片持ち支持した状態で、同期して往復回転自在である。上ノズルリンク11は、回転軸Aを中心に上方から矢印C方向に回転を開始し、ほぼ130°回転した後に鉛直姿勢となって、そこから逆回転して図示の位置に戻る。また、下ノズルリンク12は、回転軸Bを中心に下方から矢印D方向に回転を開始し、ほぼ80°回転した後、そこから逆回転して図示の位置に戻る。このような各リンク11,12の動作中、ノズルから常に洗浄水が噴射され、被洗髪者の頭部および髪が自動洗髪される。なお、各リンクの回転角は適宜に定められる。
【0027】
本実施の形態では、上記構成により、シンク2内の頭部支えネット70に被洗髪者の頭部を位置させたときに、その首元がシンク2の内側に臨む。そして、この被洗髪者の首元に向けて、首元用ノズルリンク80から洗浄水が噴射されるため、上ノズルリンク11および下ノズルリンク12の動作と相まって、首元を含めたほぼ完全な自動洗髪が可能になる。また、頭部支えネット70は、各ノズルリンク11,12の移動軌跡を避けるように配置したため、頭部支えネット70がノズルリンク11,12の動作の支障にならず、干渉が回避できる。また、頭部の支え部がネット70で形成されることで、各ノズルリンク11,12からの洗浄水が被洗髪者の後頭部に行き渡りやすくなる。また、頭部支えネット70の両端の支持部71が、首元用ノズルリンク80の支持棒84に連結されているため、頭部支えネット70を取り付けるために、わざわざシンク2に追加加工などをする必要がなく、簡易な取り付けが実現できる。
【0028】
さらに、首元用ノズルリンク80は両端がシンク2により支持されるため、首元用ノズルリンク80の周囲にはスペースが確保でき、ハンドシャワー13による洗髪を行う際に、首元用ノズルリンク80が邪魔にならず洗髪時の手の動きが阻害されない。また、頭部支えネット70と首元用ノズルリンク80は被洗髪者の首元下方で連結されているため、これによっても、左右の洗髪空間が確保できる。
また、頭部支えネット70は後頭部頂点に対応する中央部72の網目が大きいため、各ノズルリンク11,12からの洗浄水が後頭部頂点の近傍に行き渡りやすく、両端の支持部71に近づくほど網目が小さく形成されているため、支持部71寄りの強度が高まり、支持の強度が向上する。
【0029】
図6は、ミスト供給部65およびこのミスト供給部65に着脱自在に取り付けられる傘部90の斜視図である。図7は、傘部90を取り付けた状態のミスト供給部65の断面図である。
ミスト供給部65は、図1および図2に示すように、シンク2の底面2Bであって、シンク2の内側に被洗髪者の頭部を収めた状態において、この頭部の下方に対応する位置に突設されている。より具体的には、頭部の下方に対応する位置には、シンク2の底面2Bを貫通して貫通孔92(図8)が形成されており、この貫通孔92を貫通した状態でミスト供給部65が設けられている。
【0030】
ミスト供給部65は、図6及び図7に示すように、底面2Bの裏面側に設けられた基礎部94と、この基礎部94に係合し、底面2Bに対して突出して設けられた突出部95と、を備えている。
基礎部94は、ミストが流れるミスト通路96が内部に形成された円筒状の部材であり、上下方向における上部には、基礎部側フランジ97が形成されている。この基礎部側フランジ97は、上面が底面2Bの裏面に接触して基礎部94の軸方向における位置決めをするほか、突出部95に形成された突出部側フランジ98とともにシンク2の底面2Bを把持することによりシンク2に対してミスト供給部65を固定する。
基礎部94において、基礎部側フランジ97より上方には、貫通孔92を上方へ向かって貫通する雄ネジ部99が形成されている。この雄ネジ部99の外周には、雄ネジが形成されており、突出部95に形成された雌ネジ部100が螺合し、これにより、基礎部94に対して突出部95が固定される。また、雄ネジ部99の基端における外周は、貫通孔92の内周と接触し、基礎部94の周方向における位置決めをする。
基礎部側フランジ97よりも下方の基礎部94において、径が一段小さくなった部分には、ミスト搬送管59が接続される接続部101が形成されている。
【0031】
一方、突出部95は、基礎部94から導入されたミストが流れるミスト通路105が内部に形成された円筒状の部材であり、その基端に突出部側フランジ98が形成されている。この突出部側フランジ98は下面が底面2Bの表側に接触して突出部95の軸方向における位置決めをするほか、基礎部94に形成された基礎部側フランジ97とともにシンク2の底面2Bを把持することによりシンク2に対してミスト供給部65を固定する。
突出部95の基端における内周には、基礎部94の雄ネジ部99と螺合する雌ネジ部100が形成されおり、この雌ネジ部100が雄ネジ部99と螺合することにより、基礎部94に対し突出部95が固定される。
突出部95の上下方向における上部にはミスト噴霧口106、106が形成されている。このミスト噴霧口106、106は、ミスト供給部65に導入されたミストを、シンク2に対して噴霧するための孔であり、突出部95の上部における所定の位置の外周のほぼ全域が切り欠かれて形成されている。このように、突出部95の上部において、所定の位置の外周のほぼ全域が切り欠かれてミスト噴霧口106、106が形成されているため、ミスト供給部65に導入されたミストは、ミスト噴霧口106、106を介して円滑にシンク2へ排出される。
【0032】
また、突出部95において、ミスト噴霧口106、106の下方における内周には、内側へ向かって突出したアロマベース載置部107が形成されており、このアロマベース載置部107には、アロマベース91(芳香添加物)が載置される。
アロマベース91は、所定の芳香を発するリング状の部材であり、アロマベース91の付近に存在するミストや、アロマベース91の中央の孔を通過するミストに対し、当該芳香を与える。具体的には、アロマベース91は、パルプ100%の紙でできたアロマベース本体に合成香料溶剤を染みこませたものである。合成香料溶剤の種類としては、例えば、ラベンダーの香り、ローズマリーの香り、ピーチの香りなど複数の種類が存在する。
本実施形態では、アロマベース91として、リラクゼーション効果があるといわれている芳香を発するものが使用されている。このため、ミストに与えられた芳香が、シンク2を介して被洗髪者によって嗅がれた際、この被洗髪者の快適性が向上するとともに、この被洗髪者のリラクゼーション効果も期待できる。
また、アロマベース91は、同形状のものが予め複数用意されており、他のアロマベース91と交換することができるようになっている。このため、アロマベース91の経年劣化に起因してアロマベース91からミストに与えられる芳香が弱まった際に、このアロマベース91を交換することにより、アロマベース91からミストに与えられる芳香の強さを維持することができる。
なお、本実施形態では、アロマベース91がミストに芳香を与える芳香添加手段として機能する。
【0033】
図7に示すように、ミスト供給部65には、このミスト供給部65を覆って傘部90が設けられている。この傘部90は、ミスト供給部65に形成されたミスト噴霧口106、106を介して、上ノズルリンク11や、下ノズルリンク12、首元用ノズルリンク80などから噴射された後の洗浄水がミスト供給部65の内部へ浸入することを防止するものであり、内部に空洞110が形成された半球状の部材である。
傘部90は、ミスト供給部65に対し着脱自在である。具体的には、傘部90の頭頂部の内側には、円筒状に形成された嵌め込み部111が形成されており、ミスト供給部65に対し傘部90を取り付ける際は、この嵌め込み部111の内側にミスト供給部65の突出部95の先端が嵌め込まれて取り付けられる。一方、ミスト供給部65から傘部90を取り外す際は、嵌め込み部111からミスト供給部65の突出部95の先端が抜き取られて、取り外される。なお、上述したアロマベース91を交換する際は、図6に示すように、ミスト供給部65から傘部90を取り外して、アロマベース91を露出した後、アロマベース載置部107からアロマベース91を取り外し、新しいアロマベース91をアロマベース載置部107に載置する。
【0034】
図7に示すように、ミスト供給部65に対し傘部90を取り付けた状態においてミスト供給部65の突出部95の外周と、傘部90の内側の面との間には、ミスト流通路112が形成される。このミスト流通路112は、ミスト噴霧口106、106から排出されたミストが、シンク2へ向かって流れる際の流通路である。ここで、ミストの流れを詳述すると、図7のY1に示すように、ミスト噴霧口106、106を介してミスト供給部65から排出されたミストは、ミスト流通路112を下方へ向かって流れる。ここで、傘部90の内面においてミスト流通路112に対応する箇所には、シンク2へ向かってなだらかに湾曲した湾曲部113が形成されており、ミスト噴霧口106、106を介してミスト供給部65から排出されたミストは、この湾曲部113に導かれて、ミスト流通路112をスムーズに流通する。ミスト流通路112を下方へ向かって流れたミストは、シンク2の底面2Bと傘部90の下端との間に形成された隙間114を介してシンク2へ排出される。隙間114を介してシンク2へ排出されたミストは、シンク2内を上昇し、シンク2の内側に収められた被洗髪者の頭部や、髪に噴霧される。ここで、上述したように、ミスト供給部65は、シンク2の内側に被洗髪者の頭部を収めた状態において、この頭部の下方に対応する位置に設けられている。従って、本実施形態では、主に上方へ向かって噴霧するミストを好適に被洗髪者の頭部や髪に行き渡らせることができる。
【0035】
上述したように、傘部90は、上ノズルリンク11や、下ノズルリンク12、首元用ノズルリンク80などから噴射された後の洗浄水がミスト噴霧口106、106を介してミスト供給部65の内部へ浸入することを防止している。具体的には、矢印Y2に示すように、傘部90のシンク2に対して露出する面が、防御壁となり、洗浄水がミスト噴霧口106、106へ直接浸入することを防止している。さらに、ミスト噴霧口106、106は、隙間114に対して上方に位置する構成となっており、矢印Y3に示すように、隙間114を介してシンク2の底面2Bに反射した洗浄水がミスト流通路112に入った場合であっても、この洗浄水がミスト噴霧口106、106には至らないようになっている。
【0036】
本実施形態では、上述したミスト発生機構52を自動洗髪機1が備えることにより、以下の効果を奏する。すなわち、ミスト発生機構52によって暖かいミストを発生し、このミストを被洗髪者の頭部に噴霧した場合、被洗髪者の頭部を穏やかに暖めることができ、被洗髪者の快適性を向上することができる。また、ミストを被洗髪者の頭部に噴霧した場合、頭部の毛穴が開き、シャンプー液やトリートメント液の薬用成分をより強く毛穴に浸透させることができる。
特に、本実施形態では、ミストに所定の芳香が与えられ、被洗髪者によってこの芳香が嗅がれることとなるが、被洗髪者に芳香を嗅がせることにより、この被洗髪者の快適性が向上するとともに、リラクゼーション効果も期待できる。
【0037】
図8は、自動洗髪機1の電気的構成を示すブロック図である。
自動洗髪機1の動作は、マイクロコンピュータ89により制御される。マイクロコンピュータ89には、第1水位センサ26、第2水位センサ27、第3水位センサ58、オーバフローセンサ31、第1サーミスタ19および第2サーミスタ57の他、当該自動洗髪機1の動作内容を設定操作するための操作パネル60からの信号が入力されるようになっている。
【0038】
また、マイクロコンピュータ89には、モータ20、貯湯バルブ24、シャンプー用ポンプ38、トリートメント用ポンプ39、インバータ64、上ノズルバルブ42、下ノズルバルブ43、排水バルブ44、予備バルブ45、超音波発生装置61、ファン62、ヒータ56および結露水用排水バルブ67などが制御対象として接続されている。モータ20にはミキシングバルブ15が接続されていて、マイクロコンピュータ89は、モータ20を駆動制御してミキシングバルブ15を開閉させることにより、給水管16へと送られる温水の温度を調節することができる。また、インバータ64にはメインポンプ32が接続されていて、マイクロコンピュータ89は、インバータ64を制御してメインポンプ32の吐出圧力を変化させることにより、送水管40に送り出される温水の水量を調節することができる。
【0039】
図9は、ミスト発生機構52によってミストを発生し、シンク2へ供給することにより、被洗髪者の頭部にミストを噴霧する際の自動洗髪機1の動作を示すフローチャートである。
マイクロコンピュータ89は、まず、メインポンプ32を駆動させるとともに(ステップSA1)、予備バルブ45を開く(ステップSA2)。これにより、予備タンク53内に貯湯タンク25から送られてくる温水が貯められることとなる。そして、第3水位センサ58によって予備タンク53内の温水が最高水位に到達したと検知されると(ステップSA3:YES)、マイクロコンピュータ89は、メインポンプ32を停止させて(ステップSA4)、予備バルブ45を閉じることにより(ステップSA5)、予備タンク53内への温水の供給を停止させる。
【0040】
その後、マイクロコンピュータ89は、ヒータ56を駆動させることにより(ステップSA6)、予備タンク53内に貯められている温水を加熱する。そして、第2サーミスタ57によって予備タンク53内の温水の温度が所定温度(たとえば、75℃)に到達したと検知されると(ステップSA7:YES)、マイクロコンピュータ89は、ヒータ56の駆動を停止させることにより(ステップSA8)、予備タンク53内の温水の加熱を停止させる。
このようにして、予備タンク53内に貯められている温水の温度を適当な温度にした後、マイクロコンピュータ89は、超音波発生装置61を駆動させることにより(ステップSA9)、予備タンク53から接続管54を介してミスト発生部55に供給される温水を超音波で振動させ、その温水を霧状にすることによりミストを発生させるとともに、ファン62を駆動させることにより(ステップSA10)、超音波発生装置61から発生したミストを、ミスト搬送管59を介してシンク2内へと送り込む。これにより、シンク2内に収容されている被洗髪者の頭部にミストが噴霧される。
【0041】
次いで、ミスト発生機構52の使用の態様について説明する。なお、以下の説明では、自動洗髪機1が、被洗髪者の洗髪に係る一連の動作として、洗髪工程、第1すすぎ工程、コンディショニング工程、第2すすぎ工程の各工程を順に行うものとする。
ここで、洗髪工程では、マイクロコンピュータ89は、シャンプー用ポンプ38およびメインポンプ32を駆動させることにより、上下ノズルリンク11、12及び首元用ノズルリンク80からシャンプー液が混入した温水を噴射させる。これにより、被洗髪者の髪に付着した汚れが除去される。
また、第1すすぎ工程では、マイクロコンピュータ89は、シャンプー用ポンプ38およびトリートメント用ポンプ39を駆動させることなくメインポンプ32を駆動させることにより、上下ノズルリンク11、12及び首元用ノズルリンク80からシャンプー液およびトリートメント液が混入していない温水を噴射させる。これにより、被洗髪者の髪に残っているシャンプー液の成分が除去される。
また、コンディショニング工程では、マイクロコンピュータ89は、トリートメント用ポンプ39およびメインポンプ32を駆動させることにより、上下ノズルリンク11、12及び首元用ノズルリンク80からトリートメント液が混入した温水を噴射させる。これにより、被洗髪者の髪全体にトリートメント液の成分が付着する。
また、第2すすぎ工程では、マイクロコンピュータ89は、シャンプー用ポンプ38およびトリートメント用ポンプ39を駆動させることなくメインポンプ32を駆動させることにより、上下ノズルリンク11、12及び首元用ノズルリンク80からシャンプー液およびトリートメント液が混入していない温水を噴射させる。これにより、被洗髪者の髪に残っているトリートメント液の成分が除去される。
【0042】
本実施形態に係る自動洗髪機1では、ミスト発生機構52は、自動洗髪機1が上述した一連の動作を行っている間中、暖かいミストを発生するとともに、発生したミストをシンク2内に供給することにより、被洗髪者の頭部にミストを噴霧する。
この態様によれば、自動洗髪機1が洗髪に係る一連の動作を行っている間中、被洗髪者の頭部が穏やかに暖められ、被洗髪者は、快適さを感じることとなる。
さらに、洗髪工程及びコンディショニング工程の間中、被洗髪者の頭部にミストが噴霧されることとなる。このため、これら各工程において、被洗髪者の頭部の毛穴が開いた状態となり、これら各工程において、シャンプー液やトリートメント液の薬用成分をより強く毛穴に浸透させることができる。
さらに、自動洗髪機1が洗髪に係る一連の動作を行っている間中、被洗髪者によってミストに与えられた芳香が嗅がれることとなり、被洗髪者の快適性を大きく向上することができるとともに、多大なリラクゼーション効果も期待できる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る自動洗髪機1は、被洗髪者の頭部を収めるシンク2の内側に、頭部に向けて洗浄水を噴射する上ノズルリンク11、下ノズルリンク12及び首元用ノズルリンク80を備えている。そして、自動洗髪機1は、ミストを発生するミスト発生部55と、シンク2の底面に突設され、ミスト発生部55が発生したミストをシンク2の内側に噴霧するためのミスト噴霧口106、106が上部に形成されたミスト供給部65と、ミスト噴霧口106、106を覆った状態でミスト供給部65に取り付けられ、上ノズルリンク11や下ノズルリンク12から噴射された後の洗浄水がミスト噴霧口106、106を介してミスト供給部65内へ浸入することを防止する傘部90と、を備えている。
これによれば、傘部90によってミスト噴霧口106、106を介して洗浄水が浸入することが防止されるため、ミスト噴霧口106、106を被洗髪者の頭部の近傍や、下方に形成することができ、被洗髪者の頭部や髪にミストが行き渡るようにすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、ミスト供給部65は、シンク2の内側に被洗髪者の頭部を収めた場合における該被洗髪者の頭部の下方に対応する位置に設けられている。
これによれば、ミスト供給部65に形成されたミスト噴霧口106、106が、被洗髪者の頭部の下方に位置することとなり、ミスト噴霧口106、106を介して主に上方へ向かって噴霧するミストを好適に被洗髪者の頭部や髪に行き渡らせることができる。
【0045】
また、本実施形態では、ミストに芳香を与えるアロマベース91を備えている。
これによれば、アロマベース91によってミストに与えられた芳香が、被洗髪者によって嗅がれることとなり、被洗髪者の快適性が向上するとともに、リラクゼーション効果も期待できる。
【0046】
また、本実施形態では、傘部90は、ミスト供給部65に対し着脱自在に設けられている。さらに、ミスト供給部65から傘部90を取り外した状態で、ミスト供給部65に設けられたアロマベース91を交換できる。
これによれば、ミストに芳香を与えるアロマベース91を交換することができるため、アロマベース91の経年劣化に起因してアロマベース91からミストに与えられる芳香が弱まった際に、このアロマベース91を交換することにより、アロマベース91からミストに与えられる芳香の強さを維持することができる。
【0047】
また、本実施形態では、ミスト発生部55とミスト供給部65とを結ぶミスト搬送管59に、ミストの噴霧に起因して発生した結露水を排出するための結露水排出管66を接続し、この結露水排出管66上に結露水用排水バルブ67を設け、ミストを噴霧するためミスト発生部55からミスト供給部65へミストを供給している間は結露水用排水バルブ67を閉状態とし、ミスト発生部55からミスト供給部65へミストを供給していない間は結露水用排水バルブ67を開状態とする。
これによれば、ミストの噴霧に起因して発生した結露水を排出するための結露水用排水バルブ67を、ミスト発生部55とミスト供給部65とを結ぶミスト搬送管59に接続して設けているため、ミストを噴霧していない間に結露水用排水バルブ67を開状態とし、結露水を排出することができるとともに、ミストを噴霧している間は結露水用排水バルブ67を閉状態とし、スムーズにミストの噴霧を実行することができる。
【0048】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ミスト発生機構52の予備タンク53には、予備バルブ45を介して温水が供給されていたが、予備タンク53に温水を供給する方法はこれに限らず、例えば、水供給部17および湯供給部18から直接供給されるようにしてもよく、また、他の給湯装置から供給されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、上ノズルリンク11および下ノズルリンク12から洗浄水を噴射して、自動洗髪を行う自動洗髪機1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、自動洗髪機に限らず、人間が操作するハンドシャワー(噴射手段)のみを備える洗髪機など、洗髪機に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態にかかる自動洗髪機の内部構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のシンク部分の拡大図である。
【図3】自動洗髪機に使用する水の流れを示す水路図である。
【図4】頭部支えネットおよび首元用ノズルリンクの関係を示す図であり、Aは正面図、Bは平面図である。
【図5】頭部支えネットを示す図であり、Aは平面図、Bは端面図である。
【図6】ミスト供給部および傘部の斜視図である。
【図7】ミスト供給部および傘部の断面図である。
【図8】自動洗髪機の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】自動洗髪機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 自動洗髪機(洗髪機)
2 シンク
2B 底面
11 上ノズルリンク(噴射手段)
12 下ノズルリンク(噴射手段)
13 ハンドシャワー(噴射手段)
55 ミスト発生部
59 ミスト搬送管(経路)
65 ミスト供給部
66 結露水排出管(排出経路)
67 結露水用排水バルブ(排水弁)
80 首元用ノズルリンク(噴射手段)
90 傘部
91 アロマベース(芳香添加手段、芳香添加物)
106 ミスト噴霧口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗髪者の頭部を収めるシンクと、頭部に向けて洗浄水を噴射する噴射手段とを備える洗髪機において、
ミストを発生するミスト発生部と、
前記シンクの底面に突設され、前記ミスト発生部が発生したミストを前記シンクの内側に噴霧するためのミスト噴霧口が上部に形成されたミスト供給部と、
前記ミスト噴霧口を覆った状態で前記ミスト供給部に取り付けられ、前記噴射手段から噴射された後の洗浄水が前記ミスト噴霧口を介して前記ミスト供給部内へ浸入することを防止する傘部と、を備えることを特徴とする洗髪機。
【請求項2】
前記ミスト供給部は、前記シンクの内側に被洗髪者の頭部を収めた場合における、被洗髪者の頭部の下方に対応する位置に設けられていることを特徴とする洗髪機。
【請求項3】
ミストに芳香を与える芳香添加手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗髪機。
【請求項4】
前記傘部は、前記ミスト供給部に対し着脱自在に設けられ、
前記芳香添加手段は、
前記ミスト供給部内に着脱自在に設けられ、かつ、前記ミスト噴霧口から噴霧されるミストに芳香を与える芳香添加物を備え、
前記ミスト供給部から前記傘部を取り外した状態で、前記ミスト供給部に設けられた前記芳香添加物を交換できることを特徴とする請求項3に記載の洗髪機。
【請求項5】
前記ミスト発生部と前記ミスト供給部との経路に、ミストの噴霧に起因して発生した結露水を排出するための排水弁を有する排出経路を接続し、
前記ミスト発生部が前記ミスト供給部へミストを供給している間は前記排水弁を閉状態とし、前記ミスト発生部が前記ミスト供給部へミストを供給していない間は前記排水弁を開状態とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の洗髪機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−178978(P2010−178978A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26227(P2009−26227)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(308012668)三洋アクア株式会社 (37)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】