説明

流体充填ブラダおよび/または内部チャンバを有するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド

(a)打球面を有しかつリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体と、(b)キャビティ内の流体充填ブラダと、(c)キャビティ内で流体充填ブラダを保持する保持部材とを含む、ゴルフクラブヘッドを開示する。他のクラブヘッドは、(a)打球面を有しかつリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体と、(b)打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを内側に含む、リヤキャビティ内の挿入部材とを含む。チャンバは、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%および/またはリヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆ってもよい。これらのクラブヘッドを含むゴルフクラブ、ならびにそのようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを作製する方法も記載されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。本発明の特定の例示的局面は、流体充填ブラダ部材および/または内部チャンバを有するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ゴルファーがゴルフボールとのインパクト時にクラブヘッドフェースをスクエアにするのを助けることによってゴルファーの精度を高めるために様々なゴルフクラブヘッドが設計されてきた。多くのゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドの重心の位置を変えるためにゴルフクラブヘッドのウェイトの位置を変える。ゴルフクラブヘッドの重心の位置は、ゴルフボールが意図する方向に推進されるかどうかを決定する1つのファクタである。重心が接触面上の係合点の後方に位置する場合、ゴルフボールはほぼ真直ぐなルートをたどる。しかしながら、重心が係合点の側部に離間されると、ゴルフボールは、意図しない方向に飛ぶ場合があり、および/または左または右に曲げるルート、すなわち、しばしば「プル」、「プッシュ」、「ドロー」、「フェード」、「フック」、もしくは「スライス」と称されるボール飛行をたどる場合がある。同様に、重心が係合点の上または下に離間されると、ゴルフボールの飛行はそれぞれ、穴を掘るような(boring)または上昇する弾道をさらに示す場合がある。
【0003】
キャビティバッククラブヘッドなどのゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド外周にわたってゴルフクラブヘッドの重量(ウェイト)の大半を位置付けることによってゴルファーを支援する。一般に、これらのゴルフクラブヘッドは、キャビティバックでないゴルフクラブヘッドよりも許容範囲が広く、それにより比較的良好な距離および精度を保ちながら、ゴルフボールを中心からいくらか外して打球することまたはミスヒットすることができる。キャビティバッククラブヘッドは、平均的なゴルファーがミスヒットを減らしてスコアを伸ばすのを助けてきた。
【0004】
ゴルファーは、ゴルフクラブの「感触」に影響されがちである。ゴルフクラブの「感触」は、クラブの様々な構成部分と、ボールを狙って打つおよび/または打つときにプレーヤーが経験する知覚的な感覚を生み出すクラブと関連付けられる様々な特徴との組み合わせを備える。クラブウェイト、ウェイト配分、スイングウェイト、空気力学、スイング速度などの全てが、クラブを振ってボールを打つときのクラブの「感触」に影響を及ぼす場合がある。また、「感触」は、クラブヘッドがボールを打ってボールを動作状態へと送り出すときに生み出される音にも関連付けられると考えられてきた。クラブヘッドがインパクト時に不快な音、雑音、または意外な音を出す場合、ユーザーは、スイング時にたじろいで、あきらめ、スイングを減速し、グリップから手を放し、および/またはスイング時に完全にフォロースルーせず、それにより、スイングの距離、方向、および/または他の性能性状、ならびにその結果として得られるボールの動きに影響が及ぶ場合がある。この不快な音、雑音、または意外な音をユーザーが予見すると、ボールを打つ前であってもスイングに影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明の少なくとも幾つかの例示的局面に係るゴルフクラブヘッドは、(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置する(任意で、打球面の後面に隣接しかつ/または該後面と接触する)流体充填ブラダと、(c)クラブヘッド本体と係合し、流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する保持部材とを含む。
【0006】
本発明の少なくとも幾つかの局面に係るゴルフクラブヘッドの他の例は、(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置し、クラブヘッド本体と係合する挿入部材であって、挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含み、打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成する、挿入部材とを含んでもよい。本発明の少なくとも幾つかの例において、一つまたは複数のチャンバは、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う。幾つかのさらに特定の例では、必要に応じて、一つまたは複数のチャンバは、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも50%、75%、85%、90%、または、さらには95%を覆う。これに加えてまたはこれに代えて、必要に応じて、本発明の少なくとも幾つかの例では、一つもしくは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆ってもよく、または、さらにはリヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも50%、75%、85%、90%、もしくは95%を覆ってもよい。挿入部材(クラブヘッド本体構造と共に流体充填ブラダなどの他の構造を保持するために使用してもよい)は、リヤキャビティの主要内面の全て、実質的に全て、または任意の所望部分を覆ってもよい。
【0007】
流体充填ブラダおよび/またはチャンバは様々な有利な効果を有することができる。第1に、これらの特徴の軽量な性質により、さもなければクラブヘッド設計に含まれる場合があるウェイトを選択的に移動させてクラブヘッド構造内の他の所望位置に(例えば、ドロー、フェード、ハイショット、ローショット等を打つためにクラブヘッドにバイアスをかけるため、または、スライス、フックなどを排除するのに役立つスイングの欠陥を矯正もしくは補正するクラブを提供するために、例えばクラブヘッドのヒール、トウ、または、背面などへ向けて、)位置付けることができる。また、流体充填ブラダおよび/またはチャンバの存在は、例えば、その重み特性(例えば、重さ分布、スイングウェイトなど)を変えることにより、打球中にクラブヘッドから発する音を変えることにより、振動を減少させるまたは除去することなどにより、クラブの「感触」に影響を与えることができる。
【0008】
本発明の更なる局面は、例えば前述したタイプのゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブ構造に関する。そのようなゴルフクラブ構造は、クラブヘッドに対して(任意で、別個のホーゼル部材を介して、またはクラブヘッドもしくはシャフトのうちの一つもしくは複数の一体部分として提供されるホーゼル部材を介して)取り付けられるシャフト部材;シャフト部材に取り付けられるグリップまたはハンドル部材;クラブヘッド本体、シャフト、またはグリップ等のうちの一つまたは複数に取り付けられるウェイト部材、のうちの一つまたは複数をさらに含んでもよい。
【0009】
本発明のさらに他の局面は、本発明の例に係るゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造を形成するための方法に関する。そのような方法は、例えば、(a)例えばゴルフクラブヘッドを製造または形成することによって、他の供給源からゴルフクラブヘッドを入手することなどによって、前述した様々なタイプのゴルフクラブヘッドを提供する段階と、(b)シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる段階と、(c)グリップ部材をシャフト部材と係合させる段階とを含んでもよい。
【0010】
本発明を一例として説明するが、本発明は添付図面に限定されない。図中、同様の参照符号は全体にわたって同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るゴルフクラブヘッドの一例を有するゴルフクラブの一例の図を示す。
【図2】本発明に係るゴルフクラブヘッドの一例の正面図を示す。
【図3】図3A〜図3Cは、本発明に係るゴルフクラブヘッドの一例の背面図、分解図、および断面図を示す。
【図4】図4Aおよび図4Bは、本発明に係るゴルフクラブヘッドの他の例の分解図および断面図を示す。
【図5】図5Aおよび図5Bは、本発明に係るゴルフクラブヘッドの他の例の背面図および断面図を示す。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本発明に係るゴルフクラブヘッドの他の例の分解図および背面図を示す。
【図7】流体充填ブラダ構造を伴わない本発明に係るゴルフクラブヘッド構造の更なる例の背面断面図を示す。
【図8】流体充填ブラダ構造を伴わない本発明に係るゴルフクラブヘッド構造の更なる例の背面断面図を示す。
【図9】流体充填ブラダ構造を伴わない本発明に係るゴルフクラブヘッド構造の更なる例の背面断面図を示す。
【図10】流体充填ブラダ構造を伴わない本発明に係るゴルフクラブヘッド構造の更なる例の背面断面図を示す。
【図11】図11A〜図11Fは、本発明に係るゴルフクラブヘッドにおける挿入部材、流体充填ブラダ、および/または内部チャンバの配置の様々な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
以下の説明および添付図面は、本発明に係るゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ(例えば、アイアンまたはアイアン型ハイブリッドのゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド)の特徴を開示する。
【0013】
I.本発明に係るゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ、および方法の実施例の一般的な説明
本発明の局面は、ゴルフクラブヘッドおよびそのようなクラブヘッドを含むゴルフクラブに関する。本発明の少なくとも幾つかの例示的局面に係るゴルフクラブヘッドは、(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置する(任意で、打球面の後面に隣接しかつ/または該後面と接触する)流体充填ブラダと、(c)クラブヘッド本体と係合し、流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する保持部材とを含んでもよい。必要に応じて、クラブヘッドは、(a)保持部材に画成されるウインドウ開口および/もしくは保持部材と係合するウインドウ要素(例えば、流体充填ブラダの少なくとも一部がウインドウ開口もしくはウインドウ要素に隣接し、ウインドウ開口もしくはウインドウ要素を通じて露出し、かつ/またはウインドウ開口もしくはウインドウ要素を通じて見える)、(b)任意で、保持部材および/もしくは流体充填ブラダをクラブヘッド本体に対して所定位置に保持するのに役立つように、例えば保持部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材、ならびに/または(c)例えば保持部材と係合し、クラブヘッド本体と係合し、流体充填ブラダと係合し、保持部材に画成されるチャンバ内に提供され、流体充填ブラダ内に提供される、ウェイト部材などのうちの一つまたは複数をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の更なる局面および/または他の局面に係るゴルフクラブヘッドは、(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置しかつクラブヘッド本体と係合する挿入部材であって、挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含みかつ打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成する、挿入部材とを含んでもよい。本発明の少なくとも幾つかの例において、一つまたは複数のチャンバは、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う。幾つかのさらに特定の例では、必要に応じて、一つまたは複数のチャンバが、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも50%、75%、85%、90%、またはさらには95%を覆う。これに加えてまたはこれに代えて、必要に応じて、本発明の少なくとも幾つかの例では、一つもしくは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆ってもよく、またはさらにはリヤキャビティの主要内側表面積全体の50%、75%、85%、90%、もしくは95%を覆ってもよい。挿入部材は、リヤキャビティの主要内側表面積の全て、実質的に全て(例えば、少なくとも95%)、殆ど(例えば、少なくとも50%)、または任意の所望部分を覆ってもよい。
【0015】
必要に応じて、本発明のこれらの例示的局面に係る挿入部材の一つまたは複数のチャンバは、内部に少なくとも部分的に収容される流体充填ブラダ部材をさらに含んでもよい。また、本発明のこれらの例示的局面に係るクラブヘッド構造は、挿入部材に画成されるウインドウ開口および/もしくは挿入部材と係合するウインドウ要素、任意で挿入部材をクラブヘッド本体に対して所定位置に保持するのに役立つように、例えば挿入部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材、ならびに/または例えば挿入部材と係合し、クラブヘッド本体と係合し、流体充填ブラダと係合し、挿入部材に画成されるチャンバ内に提供され、流体充填ブラダ内に提供される、ウェイト部材などのうちの一つまたは複数をさらに含んでもよい。
【0016】
前述した本発明の様々な局面に係るクラブヘッド本体は、本発明から逸脱することなく、例えば、アイアン型クラブヘッド構造(0番アイアン〜10番アイアン、ウェッジ(例えば、ピッチングウェッジ、ギャップウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジなど)、アイアン型ハイブリッドクラブ構造、ドライビングアイアン構造などの任意のタイプのアイアン構造を含む)、パター型クラブヘッド構造(マレット型パターヘッド、ブレード型パターヘッドなどを含む)などを含む様々な形状および構造を成しうる。これらの特定のタイプのクラブヘッドは、本発明から逸脱することなく、キャビティバック構造、周辺加重(perimeter weighted)構造、ブレード型アイアン構造、マッスルバック型アイアン構造などの様々な形状を成しうる。様々なタイプのクラブヘッド本体は、本発明から逸脱することなく、例えば、単一部品の材料から(例えば、鍛造、鋳造などによって)、互いに接合される複数部品の材料から(例えば、接着技術、溶接技術、融解技術、機械的連結具、保持構造、摩擦嵌合などによって(打球面を画成するための)フェースプレートが取り付けられて成る本体部材を含む)、任意の所望の様式で形成されてもよい。任意の好ましいクラブヘッド本体のタイプ、材料、および/または構造が、本発明にしたがって可能である。
【0017】
本発明の更なる局面は、例えば前述したタイプのゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブ構造に関する。そのようなゴルフクラブ構造は、クラブヘッドに取り付けられるシャフト部材(任意で、別個のホーゼル部材を介して、またはクラブヘッドおよび/もしくはシャフトのうちの一つもしくは複数の部品として提供されるホーゼル部材を介して);シャフト部材に取り付けられるグリップまたはハンドル部材;クラブヘッド本体、シャフト、またはグリップのうちの一つまたは複数に取り付けられるウェイト部材など、のうちの一つまたは複数をさらに含んでもよい。
【0018】
本発明のさらに他の局面は、本発明の実施例に係るゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造を形成するための方法に関する。そのような方法は、例えば、(a)例えばゴルフクラブヘッドを製造もしくは形成することによって、第三の供給源からゴルフクラブヘッドを入手することなどによって、前述した様々なタイプのゴルフクラブヘッド(前述した任意のもしくは全ての様々な構造、特徴、および/もしくは配置を含む)を提供する段階、(b)シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合する段階、ならびに/または(c)グリップ部材をシャフト部材と係合する段階を含んでもよい。
【0019】
先に提供された本発明の局面の一般的な説明を前提として、本発明に係るゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドの様々な特定の例のさらに詳しい説明が以下で提供される。
【0020】
II.本発明に係るゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ構造、および方法の実施例の詳細な説明
以下の説明および添付図面は、本発明の実施例に係る様々なゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造について記載している。
【0021】
図1を参照すると、本発明に係るゴルフクラブ100は、シャフト102およびシャフト102に取り付けられたゴルフクラブヘッド104を含む。図1のゴルフクラブヘッド104は、任意のアイアン型またはハイブリッド型のゴルフクラブヘッド、パターヘッドなどを表していてもよい。ゴルフクラブ100のシャフト102は、当技術分野において従来から公知でありかつ使用される材料を含むスチール、アルミニウム、チタン、グラファイト、または複合材料、ならびに合金および/またはこれらの組み合わせなどの様々な材料から形成されてもよい。また、シャフト102は、当技術分野において公知でありかつ使用される従来の様式を含む任意の所望の様式で(例えば、ホーゼル要素において接着剤またはセメントによって、融解技術(例えば、溶接、蝋付け、半田付けなど)によって、ネジまたは他の機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素構造によってなど)、クラブヘッド104に対して取り付けられてもよい。ゴルフクラブシャフト102を把持するためのスリップ抵抗面をゴルファーに提供するために、グリップまたは他のハンドル要素106をシャフト102上に位置付ける。グリップ要素106は、当技術分野において公知でありかつ使用される従来の様式を含む任意の所望の様式で(例えば、接着剤またはセメントによって、ネジまたは他の機械的連結具によって、融解技術によって、摩擦嵌合によって、保持要素構造によってなど)、シャフト102に対して取り付けられてもよい。
【0022】
図2は、ゴルフクラブヘッド104の一実施例をさらに詳しく示している。図示のように、本実施例のゴルフクラブヘッド104は、ヒール部204とトウ部206とを有する本体部材202を含む。ヒール部204は、シャフト102をゴルフクラブヘッド104に対して接続するためのホーゼル208に対して取り付けられかつ/または該ホーゼル208から(例えば、単一のまたは一体型の一体構造として、別個の接続要素として等)延びている。また、本体部材202はトップ部210およびソール部212も含む。トップ部210とソール部212との間、およびトウ206とヒール204との間には打球面214が提供される。打球面214は、ゴルフボールと係合してゴルフボールを意図する方向に推進させるための接触領域を提供する。打球面214は、打球中に打球面214から水および/または芝を除去するための溝216(例えば、図示の例では、フェース214を横切って延びる略水平な溝216)を含んでもよい。本発明から逸脱することなく、任意の数の溝、従来の溝パターンおよび/または構造を含む所望の溝パターンおよび/または溝構造が提供されてもよい(あるいは、必要に応じて、溝が無くてもよい)。打球面214は、単一の一体構造として、クラブヘッド本体部材202の残りの部分と一体化して形成されてもよく、または(例えば、接着剤もしくはセメントによって、溶接、蝋付け、半田付けによって、もしくは他の融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素構造によってなど)クラブヘッド本体部材202に対して取り付けられる別個の部品であってもよい。
【0023】
ゴルフクラブヘッド104の本体部材202および/または打球面214は、スチール、チタン、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、これらの金属の合金、グラファイト、ポリマー、繊維強化材料、もしくは複合体、またはこれらの組み合わせなどの当技術分野において従来から公知でありかつ使用される材料を含む多種多様な異なる材料から構成されてもよい。また、必要に応じて、クラブヘッド104は、任意の数の断片(例えば、別個のフェースプレートを有するなど)から、ならびに/または例えば鋳造、鍛造、溶接、および/もしくは当技術分野において公知でありかつ使用される他の方法を含む任意の構成技術によって、形成されてもよい。
【0024】
図3A〜図3Cは、本発明の幾つかの実施例に係るゴルフクラブヘッド104の様々な図を示している。この図示の実施例において、クラブヘッド104は、キャビティバック構造(図3Bのリヤキャビティ302に留意されたい)および周辺加重(周辺ウェイト部材304)を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドを構成する。この図示の実施例では、リヤキャビティ302の主要内面214aが打球面214の裏面を構成するが、これは必要条件ではない。例えば、必要に応じて、打球面214がクラブヘッド本体部材202の他の部分と係合し、それによりクラブヘッド本体部材202のこの更なる部分が打球面214下に位置してリヤキャビティの内面を画成してもよい。
【0025】
図3Bおよび図3Cに示されるように、本実施例のゴルフクラブヘッド構造104は、流体充填ブラダ部材306(本実施例の構造104では、ガス充填ブラダ部材306)を含む。この図示の実施例のガス充填ブラダ部材306は、ガスなどの流体で満たされてもよい内部チャンバ306bを画成する外被構造306aを含む。ブラダ306は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の様式で形成される任意の所望の材料(例えば、ブロー成形によって形成される高分子材料など)からなってもよい。幾つかのさらに特定の実施例では、ブラダ306は、弾性バリア膜、熱可塑性バリア膜、エラストマーバリア膜、例えばポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン(鋳造されたまたは押し出し成形されたエステル系ポリウレタン膜、例えばTetra Plastics TPW-250など);熱可塑性ウレタン、例えばPELLETHANE(商標)(ミシガン州のミッドランドのDow Chemical Companyの製品)、ELASTOLLAN(登録商標)(BASF社の製品)、およびESTANE(登録商標)(B. F. Goodrich Co.の製品)(これらの全てはエステル系またはエーテル系である);ポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、およびポリカーボネートマクロゲルに基づく熱可塑性ウレタン;それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み入れられるRudyの米国特許第4,936,029号および第5,042,176号に開示されているような結晶材料を含有する熱可塑性膜;参照によりその全体が本明細書に組み入れられるBonkらの米国特許第6,013,340号に開示されるようなポリエステルポリオールを含むポリウレタン;および/または参照によりその全体が本明細書に組み入れられるMitchellらの米国特許第5,952,065号に開示されるような、少なくとも1つのエラストマー熱可塑性材料層とエチレンおよびビニルアルコールの共重合体からなるバリア材料層とから形成される多層膜から形成されてもよい。本発明から逸脱することなく、ガス充填ブラダ材料および/またはオレゴン州のビーヴァートンのNIKE社から市販されている「AIR」タイプ履き物製品および/または他の履き物製品で使用されるタイプの構成要素がガス充填ブラダ306として使用されてもよい。
【0026】
また、ブラダ306の内部チャンバ306bを満たすため、本発明から逸脱することなく、空気、不活性ガス、液体などを含む任意のガスまたは他の流体が使用されてもよい。充填ガスまたは流体は、本発明から逸脱することなく、加圧下にあってもよく、真空下にあってもよく、または標準状態下もしくは大気状態下にあってもよい。必要に応じて、ガス充填ブラダ306が大気に対して密封されるかまたは大気に通気されてもよい。
【0027】
ガス充填ブラダ306は、それが嵌め込まれる空間の形状と容易に適合するように柔軟であってもよく、いくらか適合可能であってもよく、力が加えられている状態でその形状を実質的に保持するように比較的硬質であってもよく、または非常に硬質であってもよい。そのような剛性/適合性特徴は、ブラダの壁厚などのブラダ306の構造全体;材料;成形構造または特徴;例えばブラダ306に別個の要素として成形される支持構造などの有無などに依存してもよい。また、本発明から逸脱することなく、単一のガス充填ブラダ306内に任意の数の独立したチャンバ(任意で相互接続されるチャンバ)が提供されてもよく、および/またはクラブヘッド構造104全体に任意の数のガス充填ブラダ306が提供されてもよい。
【0028】
ガス充填ブラダ306は、ゴルフクラブヘッド104の他の要素または構造のための支持体またはハウジングとして使用してもよい。この図示の実施例において、ガス充填ブラダ306は、任意で、ウェイト部材308(例えば、鉛またはタングステンを含有する構造)を収容する。無論、これらの更なる要素(ウェイト部材など)は、それが存在する場合、本発明から逸脱することなく、任意の所望の位置および/または場所に提供されてもよい。図示の実施例では、ウェイト部材308がブラダ306の外被306a内に提供される。必要に応じてまたは望ましい場合には、ウェイト部材308(または他の要素)は、セメントまたは接着剤によって、外被306aと係合し、例えば外被306aの内壁または外壁に対して係合してもよい。更なる可能性として、ウェイト部材308(または他の要素)を支持するために、構成要素支持構造を外被306a内またはブラダ306内に提供してもよい。更なる付加的な実施例として、必要に応じて、ウェイト部材308(または他の要素)は、例えばセメント、接着剤、融解技術、機械的連結具、保持要素構造、摩擦嵌合などによって、外被306aの内面または外面と係合してもよく、かつ/またはそれらは、本発明から逸脱することなく、外被306aの内面上または外面上に提供される(かつ任意で、チャンバ306b内へまたは該チャンバから僅かに延びる)構成要素支持構造と係合してもよい。ウェイト部材308(または他の構成要素)をガス充填ブラダ構造306と係合する、ガス充填ブラダ構造306内で係合する、かつ/またはガス充填ブラダ構造306上に係合する任意の望ましいやり方が、本発明から逸脱することなく使用されてもよい。また、任意の数のウェイト部材308(または他の構成要素)が、本発明から逸脱することなく、例えばスイングおよび/またはクラブヘッド104と関連付けられたボール飛行特性に影響を与えるため(特定のユーザーのためまたはスイングタイプのためにクラブをカスタマイズするため、ドローバイアスを提供するため、フェードバイアスを提供するため、高弾道バイアス(high trajectory bias)を提供するため、低弾道バイアス(low trajectory bias)を提供するためなど)、任意の所望の位置に提供されてもよい。
【0029】
必要に応じて、ガス充填ブラダ306は、例えば接着剤、セメント、機械的連結具、融解技術、摩擦嵌合、保持要素などを使用して、クラブヘッド本体部材202に対して直接に取り付けられてもよい(例えば、リヤキャビティ302の主要内面214aに対して取り付けられる)。これに加えてまたはこれに代えて、ガス充填ブラダ306は、図3A〜図3Cに示されるように、保持部材310によって、少なくとも部分的に所定位置に保持されてもよい。保持部材310は、本発明から逸脱することなく、ゴルフクラブ構造で従来から使用される材料、例えば金属、複合体、ポリマー、繊維強化ポリマーなどを含む任意の所望の材料から形成されてもよい。適切な材料のさらに特定の例としては、軽量材料、例えばチタン;アルミニウム;マグネシウム;チタン合金;アルミニウム合金;マグネシウム合金;カーボンファイバ複合体;熱可塑性ポリエステルエラストマー、例えばHYTREL(登録商標)5526(DuPontから入手できる)およびPEBAX(登録商標)5533(Elf Atochemから入手できる);熱可塑性ポリウレタン;熱可塑性ポリエチレン;熱可塑性ポリアミド;熱可塑性ポリプロピレン;繊維強化ポリマー、例えばファイバガラスなどが含まれる。
【0030】
保持部材310の内面または一部は、一つまたは複数のクラブヘッド本体係合部(例えば、周辺部材312、他の支持壁または構造など)を含んでもよく、またクラブヘッド本体の主要内面214aに面する内部チャンバ314(該チャンバ内にはガス充填ブラダ306の少なくとも一部が嵌め込まれる)を画成してもよい。ガス充填ブラダ306は、保持部材310の内部チャンバ314を完全にまたは部分的に満たしてもよい。クラブヘッド本体係合部312は、クラブヘッド本体(例えば、リヤキャビティ302の主要内面214a)と係合してもよく、また保持部材310とクラブヘッド本体202との係合を助けるために使用してもよい。
【0031】
保持部材310は、本発明から逸脱することなく、接着剤またはセメント、融解技術、機械的連結具、摩擦嵌合、保持要素等によるなどの当技術分野において従来から公知でありかつ使用される様式を含む任意の所望の様式で、クラブヘッド本体202と係合してもよい。この図示の実施例において、保持部材310は、保持部材310の下面316と周辺重み(perimeter weighting)部材304の内面304aとの間に塗布される接着剤によって少なくとも部分的にクラブヘッド本体部材202に対して所定位置に保持される。また、必要に応じて、ガス充填ブラダ306は、本発明から逸脱することなく、保持部材310と係合してもよい(例えば接着剤またはセメントによって、融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素などによって、例えば、内部チャンバ314内で)。また、必要に応じて、保持部材310は、クラブヘッド本体係合部312でリヤキャビティ302の主要内面214aと係合してもよい(例えば、接着剤またはセメントによって、融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素によって、など)。無論、クラブヘッド本体係合部312は、必要に応じて周辺重み部材の他の部分などのクラブヘッド本体部材202の他の部分と係合するために提供されてもよい。
【0032】
保持部材310は、本発明から逸脱することなく他の特徴を含んでもよい。例えば、図3A〜図3Cに示されるように、例えば保持部材310の内部チャンバ314および/またはガス充填ブラダ部材306を見ることができるおよび/または露出させることができるようにするため、保持部材310にウインドウ318が画成されてもよい。ウインドウ318は、本発明から逸脱することなく任意の所望の様式で提供されてもよい。例えば、ウインドウ318は、例えば保持部材構造310内全体にわたって透明なまたは半透明な部分を一体化して提供することによって、保持部材構造310に一体形成されてもよい。他の実施例として、ウインドウ318は、保持要素310構造内にウインドウ開口318aを提供することによって形成されてもよい(図3A〜図3Cに示されるように、本実施例の構造104におけるガス充填ブラダ306の少なくとも一部は、ウインドウ開口318aに隣接して位置する)。ウインドウ開口318aは必要に応じて開放されたままであってもよいが、他の選択肢として、ウインドウ開口318aを少なくとも部分的に覆うために(任意で完全に覆うために)ウインドウ要素318bが提供されてもよい。ウインドウ要素318bは、本発明から逸脱することなく、透明であってもよく、半透明であってもよく、透明感があってもよく、様々に着色されてもよい。本発明から逸脱することなく、ウインドウ要素318bのために高分子材料を含む任意の所望の材料を使用してもよい。
【0033】
無論、本発明から逸脱することなく、構造、形状、および配置において多種多様な保持部材310および/またはウインドウ318が可能である。以下では、更なる図面の一部と併せて、様々な更なる実施例についてさらに詳しく説明する。
【0034】
図3A〜図3Cは、本発明の幾つかの実施例に係るゴルフクラブヘッドに存在してもよい更なる構造的特徴を示している。より具体的には、図3A〜図3Cは、クラブヘッド構造104における「ブリッジ部材」320(例えば、SLINGSHOT(商標)標章下でオレゴン州のビーヴァートンのNIKE, Inc.から入手できる市販のゴルフクラブ製品に含まれる類似のブリッジ部材と同種)を示している。ブリッジ部材320は、本発明から逸脱することなく、セメントまたは接着剤による、融解技術による、機械的連結具による、摩擦嵌合による、保持要素等によるなどの任意の所望の様式で、クラブヘッド104と係合してもよい。図示の実施例において、クラブヘッド本体部材202は、ブリッジ部材320の自由端が嵌入する台座部材(seat member)322を形成する。ブリッジ部材320の自由端は、この図示の実施例に示されるように、ネジ式の機械的連結具324(ネジまたはボルト要素)を介して台座部材322でクラブヘッド本体部材202と係合してもよいが、本発明から逸脱することなく、他の接続システムおよび/または機構も可能である。また、本発明から逸脱することなく、任意の数の台座部材、接続点、接続要素、接続配置、および/または接続場所が使用されてもよい。
【0035】
図示のように、ブリッジ部材320と係合するために使用される同じ台座部材322が全クラブヘッド104における他の構造要素と係合してもよい。例えば、図示の構造104において、台座部材322は、例えばこの要素をクラブヘッド本体202の残りの部分に対して所定位置に保持するのに少なくとも部分的に役立つように、保持部材310と係合する表面322aまたは他の構造を提供する。これに加えてまたはこれに代えて、必要に応じて、台座部材322(例えば、表面322a)は、例えばこの要素をクラブヘッド本体202の残りの部分に対して所定位置に保持するのに少なくとも部分的に役立つように、ガス充填ブラダ306と係合してもよい。
【0036】
ブリッジ部材320は、本発明の実施例に係るクラブヘッド構造104において様々な特徴を提供し、かつ/または様々な機能を果たし得る。例えば、ブリッジ部材320を、保持部材310をクラブヘッド構造104の残りの部分に対して所定位置に少なくとも部分的に固定するために使用してもよい(任意で必要に応じて、ブリッジ部材320は、少なくともブリッジ部材320の全長の一部に沿って保持部材構造310の少なくとも一部に対して強固に取り付けられてもよい)。必要に応じて、ブリッジ部材320および保持部材310は、例えば接着剤、セメント、融解技術、機械的連結具、摩擦嵌合、保持要素などによって互いに固定されてもよい。他の実施例として、必要に応じて、保持部材310は、それが台座部材322とブリッジ部材320の自由端との間に挟まれるように、台座部材322上にわたって嵌合するべく構成されてもよい(任意で連結具324またはブリッジ部材320のために使用される他の係合システムによってそこに保持される)。これに加えてまたはこれに代えて、ブリッジ部材320を、クラブヘッド104に対して所望の重み特性を提供するために使用してもよい(例えば、クラブヘッド104の重心位置を調整するために使用する)。更なる他の実施例として、ブリッジ部材320を、一つまたは複数のウェイト部材、オーダーメード要素などのゴルフクラブヘッド構造全体の他の要素を支持するためのベースとして使用してもよい。
【0037】
前述したように、図3A〜図3Cの構造例において、保持部材310は、リヤキャビティ302の主要内面214aに対して開放して露出されたままの内部チャンバ314を画成する(また、ガス充填ブラダ306がこのチャンバ314内に嵌入する)。他の選択肢も可能である。例えば、必要に応じて、チャンバ314の開放端上にわたって端壁またはドア部材が提供されてもよく(任意で、ガス充填ブラダが既にチャンバ内に含まれている)、それにより保持部材310全体およびガス充填ブラダ306は、単一の構造として装着され、さもなければ一緒に取り扱われ、またこの前壁またはドア部材は最終構造においてリヤキャビティ302の主要内面214aに隣接して位置する(例えば、押圧する)。
【0038】
図3A〜図3Cはまた、保持部材310および/またはガス充填ブラダ部材306がクラブヘッド構造104のリヤキャビティ全体を本質的に満たす(例えば、主要内面214aの少なくとも95%が保持部材310および/またはガス充填ブラダ306によって覆われる)クラブヘッド構造104の一例も示している。これは必要条件ではない。図4Aおよび図4Bは、本発明の幾つかの実施例に係るクラブヘッド構造400の他の例を示している。本実施例のクラブヘッド構造400における図3A〜図3Cに示される構造104との一般的な類似性の一部に起因して、適切な場合には、同じまたは類似の部品を分類するために同じ参照符号が使用されている(かつ重複する記載は省略されている)。
【0039】
図4Aおよび図4Bのゴルフクラブヘッド構造400において、クラブヘッド本体202は、図3A〜図3Cに示される一般的構造と同じ一般的構造を有する。主な違いは、クラブヘッド本体202に取り付けられる構造の特徴にある。例えば、図4Aおよび図4Bに示されるように、本実施例の構造400では、ガス充填ブラダ部材306が図3A〜図3Cに示されるそれよりも小さい。また、本実施例の構造400において、保持部材310は、それがクラブヘッド本体部材202のリヤキャビティ302を部分的にだけ満たすように寸法付けられて形成されている。図示の実施例では保持部材310およびガス充填ブラダ306が任意の所望の位置でおよび/または任意の所望の配置でリヤキャビティ302内に位置してもよいが、これらの要素は、保持部材310の下面316がリヤキャビティ302の下側内面304aと係合するようにかつ保持部材310の上面332が露出されるように配置される。
【0040】
また、ブリッジ部材320は、図4Aおよび図4Bの構造400の例では、図3A〜図3Cの構造104におけるブリッジ部材320と比べていくらか異なっている。この図示の実施例の構造400において、ブリッジ部材320の軸長の少なくとも一部は、断面がほぼ「L形状」であり、例えば、略上端ブランチ320aと略前面ブランチ320bとを含む。必要に応じて、本実施例の構造400では、保持部材310は、その前側外面および上端外面がブリッジ部材320のブランチ320aと320bとの間に画成される領域内へと少なくとも部分的に延びるように構成されて配置されてもよい。ブリッジ部材320は、その全長に沿って保持部材310と当接してこれをしっかりと保持するが、任意で、必要に応じて、少なくともブリッジ部材320の軸長の一部に沿って、ブリッジ部材320と保持部材310との間に隙間334が維持されてもよい(隙間334は、保持部材310の前面に沿って、保持部材310の上面に沿って、または上面および前面の両方に沿って存在してもよい)。この隙間334は、例えば、打球中の圧縮または変形などの結果としての打球面214、ガス充填ブラダ306、および/または保持部材310のいくらかの動きを許容するために役立ち得る。必要に応じて、幾つかの実施例において、隙間334は、ブリッジ部材320の軸長の中心部に沿って存在してもよいが、ブリッジ部材320および保持部材310は、例えば保持部材310をクラブヘッド本体202の残りの部分に対して所定位置に保持するのに役立つように、ブリッジ部材320の一つまたは複数の端部(例えば、台座部材322の近傍)へ向けて互いに直接に係合してもよい。あるいは、必要に応じて、ブリッジ部材320の一部は、保持部材310の表面に画成される溝および/または保持部材310の構造中に画成されるスロット内に嵌合してもよい。
【0041】
図3A〜図4Bにおいて前述した様々な構造例では、保持部材310が一部品として示されているが、必要に応じて、保持部材は、本発明から逸脱することなく、複数の独立した部品から形成されてもよい。保持部材の個々の部分の全てがガス充填ブラダおよび/またはそのためのチャンバ314を有する必要があるとは限らない。これに加えてまたはこれに代えて、必要に応じて、保持部材310の全ての部分がウインドウ構造318を含む必要があるとは限らない(実際、望ましい場合には、保持部材310のいかなる部分にもウインドウ318が不要である)。
【0042】
無論、本発明から逸脱することなく、クラブヘッド構造および設計における多くの他の変形も可能である。図5Aおよび図5Bは、本発明の幾つかの実施例に係るクラブヘッド構造500の他の例を示している。本実施例のクラブヘッド構造500と図3A〜図3Cに示される構造104との一般的な類似性の一部に起因して、適切な場合には、同じまたは類似の部品を分類するために同じ参照符号が使用されている(かつ重複する記載は省略されている)。図5Aおよび図5Bの実施例の構造500は、図3A〜図3Cに示される構造104に類似しているが、幾つかの重要な違いを含む。1つの顕著な違いは、前述したブリッジ部材320の欠如に関する。図5Aおよび図5Bの構造500の例に示されるように、ブリッジ部材320は、本発明の幾つかの実施例では、ゴルフクラブヘッド構造から排除されてもよい。そのような構造500において、保持部材310は、何らかの様式で、例えば接着剤またはセメントによって、融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素などによって、クラブヘッド本体部材202と係合してもよい。図示の構造500において、保持部材310は、接着剤またはセメントによって周辺重み部材304の内面の少なくとも幾つかの部分と(例えば、表面304aに沿って)係合する。また、任意で、必要に応じて、保持部材310は、例えば接着剤もしくはセメントまたは他の手段によって、(例えば、クラブヘッド係合要素312において)リヤキャビティの主要内面214aと係合してもよい。
【0043】
図5Aおよび図5Bに示される実施例の構造500は、クラブヘッド構造の他の部分(例えば本体部材202)とは別個の部品として、クラブヘッド500の打球面214も含む。打球面214は、このように構成されると、本発明から逸脱することなく、任意の所望の様式で(例えば、接着剤またはセメントによって、融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持構造によってなど)クラブヘッド構造の他の部分に対して固定されてもよい。無論、この特徴は必要条件ではない(すなわち、図5Aおよび図5Bの実施例の構造500では、図3A〜図4Bに示される一体構造を使用してもよい)。また、必要に応じて、図3A〜図4Bの実施例の構造では、本発明から逸脱することなく、この同じタイプの複数部品クラブヘッド構造が使用されてもよい。
【0044】
図5Aおよび図5Bの構造500は、本発明に係るこの例示的構造および/または他の例示的構造(図3A〜図4Bに関連して前述した構造を含む)で利用され得る更なる他の特徴を示している。例えば、図5Aおよび図5Bの構造500は、一つまたは複数のポート502が画成される外面を有する保持部材310を含む。これらのポート502を、図5Aおよび図5Bに示されるように、一つまたは複数のウェイト部材504などの一つまたは複数の更なる部材をクラブヘッド構造500に対して固定するために使用してもよい。無論、本発明から逸脱することなく、保持部材構造310上の任意の所望の場所(またはクラブヘッド構造500全体の他の場所)に任意の所望の数のポート502および/またはウェイトもしくは他の部材504が提供されてもよい。また、全てのポート502がウェイト504で一時に満たされる必要があるとは限らず、および/または全てのポート502が同じ質量のウェイトで満たされる必要があるとは限らない(例えば、それによって、例えばドローバイアス、フェードバイアス、より高弾道バイアス、より低弾道バイアス等のためのクラブヘッド500のオーダーメードが可能になる)。無論、本発明から逸脱することなく、ウェイト504を保持部材310に対して固定するために、ポケット、機械的接続、保持要素、接着剤またはセメント、融解材料など、ポート502以外の構造が使用されてもよい。また、ウェイト504は、ポート502の外側へ延びていてもよく、かつ/または保持部材310の外面から離間してかつ/もしくは該外面を越えて延びていてもよい。
【0045】
ウェイト504または他の部材は、本発明から逸脱することなく、接着剤またはセメント、融解技術、機械的連結具、摩擦嵌合、保持要素などの使用によることを含む任意の所望の様式でポート502内または他の構造内に固定されてもよい。本発明から逸脱することなく、ウェイトまたは他の物体をクラブヘッド構造に対して固定するために、当技術分野において公知でありかつ使用される任意の様々なやり方が使用されてもよい。さらに他の実施例として、必要に応じて、ポート502は、(例えば、表面214aへ向けて、および保持部材310の内面上で)クラブヘッド500のリヤキャビティの内部に面していてもよく、したがってウェイト504は、保持部材310を所定位置に保持する同じ手段によってポート502および/またはクラブヘッド構造500全体内に保持されてもよい。任意で、必要に応じて、保持部材310は、例えばそのように一体装着されたウェイト504、ガス充填ブラダ306、保持部材310、および/または他の構造を除去、交換、および/または再配置できるように、クラブヘッド本体部材202の残りの部分に対して取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0046】
図6Aおよび図6Bは、本発明に係るゴルフクラブヘッド構造600の他の実施例を示している。このクラブヘッド構造600の幾つかの構造的特徴は前述した他のクラブヘッド構造に含まれる構造的特徴と同じかまたは類似し得るため、図6Aおよび図6Bにおいては同じまたは類似の部品に関して同じ参照符号が使用され、かつ重複する説明は省略される。
【0047】
図6Aおよび図6Bの実施例の構造600において、流体充填ブラダ部材306は、前述した任意の様々な様式で、クラブヘッド本体部材202のリヤキャビティ302内に含まれる。流体充填ブラダ306の(クラブヘッド本体部材202におけるその方向に対して)外側の後面602には、ポケットまたはチャンバ604が画成されている(例えば、成形プロセス中などにおいてブラダ306に一体形成される)。チャンバ604内には(例えば、前述したタイプの)ウェイト部材308が嵌め込まれてもよい。その後、この構造は、(任意で、前述したように、ウインドウ318を有していてもよい)保持部材310によって覆われてもよい。任意で、保持部材310の内面は、ウェイト部材308と係合するための構造を含んでもよく、例えばウェイト部材を所定位置に保持し、その動きを制限または制御することなどを助ける。必要に応じて、図6Bに示されるように、ウェイト部材308(および/または流体充填ブラダ306)がウインドウ318を通じて露出されてもよい。また、必要に応じて、流体充填ブラダ306、ウェイト部材308、および保持部材310は、キャビティバックゴルフクラブおよび/または周辺加重ゴルフクラブ本体部材202のリヤキャビティ302内にユニットとして組み込まれてもよい「アセンブリ」として提供されてもよい。
【0048】
このクラブヘッド構造600は、構造600が実際にはクラブヘッド構造600全体内でウェイト部材308を懸垂し得る(流体充填ブラダ306を使用して効果的にウェイト部材を懸垂する)という点で有益である。流体充填ブラダ306は優れた感触および振動減衰特性を提供し(例えば、特に「中心から外れた」打球時に)、一方「懸垂された」ウェイト部材308は、性能向上を助けるためにクラブヘッドの重心を後方へ移動させるのに役立つ。より具体的には、本実施例の構造600では、ゴルフボールとのインパクト中に、「懸垂された」ウェイト308が流体充填ブラダ306によってインパクトから分離され、それによりクラブの振動特性が(ウェイト部材がその主本体202に接続されるクラブヘッドと比べて)変化する。また、流体充填ブラダ306は、クラブヘッド600全体に対する付加加重(支持構造の形態を成す)が最小のウェイト部材308も支持する。
【0049】
無論、ウェイト部材308およびその対応するチャンバ604は、本発明から逸脱することなく、例えばドローバイアスクラブ、フェードバイアスクラブ、高弾道バイアスクラブ、低弾道バイアスクラブを提供してスイング不良等を補正するのを助けるために、任意の所望の位置に提供されてもよい。本発明から逸脱することなく、クラブをオーダーメードする目的でユーザーおよび/またはその他の人がウェイト308を選択的に位置付けしかつ/または再配置できるように、複数のウェイト部材308および/またはチャンバ604を、任意でアクセス可能な様式で単一のクラブヘッド構造600に提供してもよい。また、ウェイト部材308および/またはそれらの関連するチャンバ604は、流体充填ブラダ306の背面外面602上に示されているが、本発明から逸脱することなく、流体充填ブラダ306の他の表面上、および/または保持部材310上(例えば、保持部材の内面)に提供されてもよい。さらに他の可能な選択肢として、必要に応じて、チャンバ604が省かれてもよく、また例えば、接着剤、セメント、融解技術、機械的連結具等によって、加重材料を様々な所望の位置に含めるようにブラダ306を一体形成することにより(例えば、鉛、タングステン、または他の高密度材料を、ブラダの高分子構造中に、選択された所望の位置で含めることなどによって)、加重材料を様々な所望の位置に含めるように保持部材310を一体形成することにより(例えば、鉛、タングステン、または他の高密度材料を、保持部材構造中に、選択された所望の位置で含めることなどによって)、ウェイト部材308が何らかの他の様式でブラダ306および/または保持部材310と共に含まれてもよい。
【0050】
図7〜図9は、本発明の少なくとも幾つかの実施例に係るクラブヘッド構造700、800、および900の更なる例をそれぞれ示している。これらの実施例の構造では、図3A〜図3C、図4Aおよび図4B、ならびに図5Aおよび図5Bにおけるそれらの類似の対応物のそれぞれと比べて、ガス充填ブラダ部材306が図7、8、および9のクラブヘッド構造700、800、および900のそれぞれから除去されている。むしろ、ガス充填ブラダ306を提供する代わりに、内部チャンバ714を有する挿入部材710が提供されている(先の実施例の構造における「保持部材」310およびそれらのチャンバ314と類似する)。これらの内部チャンバ714は、単に開放されたままであり、空のままであり、キャビティ302の主要内面214aへ向けて露出されたままである。任意で、前述したように、必要に応じて、本発明から逸脱することなく、挿入部材710の前開口(内部チャンバ714にアクセスできるようにする)が壁またはドアによって仕切られ、それにより挿入部材710が単に内部空間314を含むようにしてもよい。
【0051】
図7、8、および9の構造700、800、および900はそれぞれ、望ましい軽量化を引き続き提供するとともに、クラブヘッド構造においてより優先的な重量配分を可能にするが、これらの構造700、800、および900は、費用の増加とクラブヘッド構造中にガス充填ブラダ306を含めることに関する製造上の問題とを回避する。しかしながら、図7〜9のガス充填ブラダを有さない構造700、800、および900はそれぞれ、ガス充填ブラダ306を含む前述した類似の構造104、400、および500に存在しない幾つかの制限を有する場合がある。例えば、ブラダ306の存在は、打球面214の何らかの更なる後方支持および/または打球面214との相互作用を提供することができ、それによりボールを打つときのクラブヘッドの音および/または他の感触特性を変えることができかつ/または制御することができる(例えば、ブラダ306内のガス圧を変えることによって、異なる内部構造を有するブラダ306を提供することによってなど)。例えば、ガス充填ブラダ306を含むクラブヘッドからは、そのようなブラダ306を含まない同様のクラブヘッドと比べて、いくらか異なる音を発する場合がある(例えば、ブラダの内部ガス圧、その構造など、ブラダ306の特性を変えることによって、感触のこの音性状をさらに制御することができ、細かく調整することなどができる)。また、ブラダ306の存在は、ボールを打つときにユーザーに提供される振動、刺すような感触(stinging)、および/または他の感覚的なフィードバックをいくらか調節してもよい。
【0052】
図10は、本発明の幾つかの実施例に係るクラブヘッド構造1000の他の例を示している。基本的なクラブヘッド構造1000は、図9に示されるクラブヘッド構造に類似しているが、本実施例のクラブヘッド構造1000は、クラブヘッド本体1004と係合し、かつクラブヘッド本体1004の一部として一体化して形成されるウェイト部材1002を含む(例えば、クラブヘッド本体1004の一部として提供されるチャンバ内に収容され;接着剤またはセメントによって、融解技術によって、機械的連結具によって、摩擦嵌合によって、保持要素等によって、クラブヘッド本体1002に対して取り付けられ;例えば鋳造、鍛造などによるクラブヘッド本体1004の製造中にクラブヘッド本体1004の一部として形成される)。無論、ウェイト部材1002は、クラブヘッド構造1000上の任意の位置に提供されてもよく、かつ/または、クラブヘッド本体1004上の複数の異なる位置に(例えば、オーダーメード、ドローバイアス、フェードバイアス、高弾道バイアス、低弾道バイアス、スイング不良の矯正などを可能にするためにクラブヘッド本体1004に提供される様々な異なるポートに)取り外し可能に装着されかつ装着できてもよい。また、任意で、必要に応じて、複数のウェイト部材1002を様々な異なる位置でクラブヘッド構造1000と係合してもよい。必要に応じてまたは望ましい場合には、挿入部材1006(および任意でガス充填ブラダ、ブリッジ部材、または、他の構造などの任意の更なる構造)は、ウェイト部材1004および/またはそれらの支持構造を収容するための開口または凹部1008を含んでもよい。無論、図10に示されるタイプのウェイト部材は、本発明から逸脱することなく、前述した任意の様々な実施例のクラブヘッド構造全体にわたって含まれてもよい。
【0053】
前述したように、ガス充填ブラダ306ならびに/または保持部材310および挿入部材710に画成される内部チャンバ314および714はそれぞれ、クラブヘッド本体部材202に画成されるリヤキャビティ302の主要内面214aに面していてもよく、また任意で、主要内面214aに対して直接に露出されてもよい。本発明から逸脱することなく、ガス充填ブラダ306、保持部材または挿入部材310および710、ならびに/またはそれらの内部チャンバ314および714の多種多様な形状、サイズ、配置、および/または方向を提供してもよく、かつ図11A〜図11Fは幾つかの例を示すのに役立つ。これらの図面において、クラブヘッド本体部材202は、保持部材310および/または挿入部材710(図11A〜図11Fにおいて、この挿入部材には、全体的に参照符号1110が付されている)が嵌め込まれるリヤキャビティ302を含む。図11A〜図11Fのリヤキャビティ302内の実線は、挿入部材1110の外周を示している。これらの部材1110には、リヤキャビティ302の主要内面214a(すなわち、打球面214または他の構造部材の背面を構成してもよいリヤキャビティ302内の露出面)と係合するためのクラブヘッド係合部材または構造312が提供される。図中、部材1110の内部チャンバ314および714(図11A〜図11Fでは、全体的に参照符号1114が付されている)が破線によって示されている。図11A〜図11Fに示される本発明の少なくとも幾つかの実施例によれば、一つまたは複数のチャンバ1114は、共同して、挿入部材1110の内面(すなわち、リヤキャビティ302の主要内面214aに面する面)の表面積全体の少なくとも30%を覆う。幾つかのさらに特定の実施例では、必要に応じて、一つまたは複数のチャンバ1114は、共同して、挿入部材1110の内面の表面積全体の少なくとも50%、75%、85%、90%、またはさらには95%を覆う(すなわち、存在する全てのチャンバ1114を互いに加えることによって覆われる表面全体)。これに加えてまたはこれに代えて、必要に応じて、本発明の少なくとも幾つかの実施例では、一つまたは複数のチャンバ1114は、共同して、リヤキャビティ302の主要内面214a領域全体の少なくとも30%、またはさらにはリヤキャビティ302の主要内面214a領域全体の50%、75%、85%、90%、もしくは95%を覆うかもしくはこれらの割合に対応してもよい。任意で、必要に応じて、一つまたは複数のガス充填ブラダ(例えば、ブラダ306)が提供されてチャンバ1114内に少なくとも部分的に収容されてもよい。
【0054】
図11Aは、図3A〜図3C、5A、5B、7、9、および10のクラブヘッド構造に類似するクラブヘッド構造の一実施例を示している。より具体的には、図11Aのクラブヘッド1100の実施例において、内部チャンバ1114は、挿入部材1100の内面の比較的大きな部分(図示の例では少なくとも75%)を覆っている。また、挿入部材1100は、リヤキャビティ302の主要内面214aの実質的に全て(≧95%)を覆っており、したがって内部チャンバ1114は、リヤキャビティ302の主要内面214aの比較的大きな部分(図示の例では、少なくとも75%)に対応しかつ/または該部分を覆う。
【0055】
図11Bは、図11Aの構造1100に類似するクラブヘッド構造1120を示しているが、本実施例の構造1120において、内部チャンバ1114は、形状が異なりかついくらか小さく、例えば挿入部材1110の内面の30%〜50%およびリヤキャビティ302の主要内面214a領域の30%〜50%を覆っている。この場合も先と同様に、挿入部材1110は、本実施例の構造1120では、リヤキャビティ302の主要内面214aの実質的に全体を覆っている。
【0056】
図11Cのクラブヘッド構造1130において、挿入部材1110は、リヤキャビティ302の主要内面214aの全てをいくらか下回って覆っている(例えば、本例では、約65%〜75%)。内部チャンバ1114は、挿入部材1110の内面の少なくとも50%を覆っており、本実施例ではリヤキャビティ302の主要内面214aの少なくとも30%を覆っている。
【0057】
図11Dの実施例のクラブヘッド構造1140は図11Aおよび図11Bに示される構造に類似するが、本実施例の構造において、挿入部材1110の内面には、複数の独立したチャンバ1114a、1114b、1114c、および1114dが画成されている。無論、本発明から逸脱することなく、任意の数のチャンバを任意の所望の配置および/または相対的サイズで提供してもよい。本実施例の構造1140において、内部チャンバ1114a〜1114dは、共同して、挿入部材1110の内面の少なくとも75%を覆い、リヤキャビティ302の主要内面214aの少なくとも75%を覆うかまたは少なくとも75%に対応する(必要条件ではないが、本実施例では、挿入部材1110がリヤキャビティ302の主要内面214aの実質的に全てを覆う)。任意で、任意の一つまたは複数のチャンバ1114a〜1114dは内部にガス充填ブラダも含んでもよい。
【0058】
図11Eのクラブヘッド構造1150は図11Dの構造に類似しているが、本実施例の構造1150において、ウェイト部材1152は、内部チャンバのうちの1つの内部(すなわち、図示の実施例では、内部チャンバ1114b内)に装着される。必要に応じて、クラブヘッド構造1150は、例えば挿入部材1110を除去してウェイト部材1152を再配置するかまたは異なるウェイト部材1152を挿入することによって、ウェイト部材1152が任意の様々なチャンバ1114a、1114b、1114c、および/または1114d内などの様々な異なる位置で取り外し可能でありかつ位置決め可能であるように画成されてもよい(例えば、オーダーメード、ドローバイアス、フェードバイアス、高弾道バイアス、低弾道バイアスなどを可能にするため)。無論、本発明から逸脱することなく、1つより多いウェイトが任意の一つまたは複数のチャンバ1114a、1114b、1114c、および/もしくは1114d内、ならびに/またはクラブヘッド構造1150全体の他の場所に提供されてもよい。また、本発明から逸脱することなく、前述した任意の他の実施例の構造において図11Eに示されるタイプの一つまたは複数のウェイト部材が使用されてもよい。ウェイト部材1152を収容するかまたはウェイト部材1152と係合するために、任意の所望の構造をチャンバ1114a〜1114d内に含んでもよい。
【0059】
図11Fは、図11D、および図11Eに示される構造に類似するクラブヘッド構造1160を示しているが、図11Fの構造1160は、2つの別個の独立した部品としての挿入部材、すなわち、挿入部材1110aおよび1110bを提供する。挿入部材の各部は、必要に応じて一つまたは複数のチャンバを有していてもよい。例えば、挿入部材1110aがチャンバ1114aおよび1114cを有し、挿入部材1110bがチャンバ1114bおよび1114dを有する。無論、本発明から逸脱することなく、挿入部材および/またはチャンバの任意の組み合わせ、数、配置、および/または方向を提供してもよい。また、必要に応じて、本発明から逸脱することなく、前述したように、任意のチャンバ1114a〜1114d内に一つまたは複数のウェイト部材、ガス充填ブラダなどを提供してもよい。
【0060】
図11Fの実施例の構造1160は、単一のリヤキャビティ302内に2つの挿入部材1110aおよび1110bを示している。無論、本発明から逸脱することなく、任意の数の挿入部材が使用されてもよい。また、必要に応じて、キャビティ302が別個の部分またはセクションへと分けられてもよく(例えば、キャビティ302の一部にわたって及ぶ壁要素等を含めることによって)、また、一つまたは複数の挿入部材(または、無くてもよい)がリヤキャビティ302の各部分またはセクション内に含まれてもよい。
【0061】
本発明の実施例に係るゴルフクラブヘッドは、1つのセット、例えばアイアン型および/またはハイブリッド型のゴルフクラブのセットに組み込まれてもよい。例えば、本発明の局面を、2つ以上のハイブリッド型クラブ、ドライビングアイアン、ゼロ番アイアン、1番アイアン、2番アイアン、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、10番アイアン、ピッチングウェッジ、ロブウェッジ、ギャップウェッジ、サンドウェッジなどの番手が増大するアイアンゴルフクラブを有するクラブセットを提供するために使用してもよい。本発明を用いると、ゴルファー、クラブ設計者、および/またはクラブ組立工は、プレーヤーの独自の要求、スキル、またはプレースタイルを満たすように各ゴルフクラブ毎に重心の位置を変更することができる。セット内の各クラブ毎に、挿入部材(および/またはクラブヘッドの他の特徴、例えばブリッジ部材、ガス充填チャンバ、重み部材など)を、任意で特定のゴルファーによる使用のためにカスタマイズされる特定のクラブの使用に重心をより良好に適合させるために、1つのクラブ部材の重心をセット内の他のクラブ部材に対して変えるように次第に変更することができる。クラブの様々な「感触」特性が、前述したように制御されてもよい。
【0062】
また、主にアイアンタイプのゴルフクラブヘッド(アイアンタイプのハイブリッドゴルフクラブヘッドを含む)における使用に関して本発明を説明してきたが、当業者に理解されるように、本発明の局面および特徴は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドとの使用に限定されるわけではない。例えば、必要に応じて、図1〜図10Fに示されるアイアンタイプのクラブヘッド本体部材をパタータイプの本体部材に置き換えてもよく、また、本発明から逸脱することなく、同一または類似の特徴および/または構造をパター構造に含めることができる。
【0063】
III.結論
本発明は、様々な構造、特徴、要素、および構造と特徴と要素との組み合わせの実施例に関して、上に記載されかつ添付図面に描かれている。しかしながら、開示によって果たされる目的は、本発明に関連する様々な特徴および概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、前述した態様に対して多くの変形および改変を行ってもよい。例えば、図1〜11Fに関連して前述した様々な特徴および概念は、本発明から逸脱することなく、個別におよび/または任意の組み合わせもしくはサブコンビネーションで使用されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、
リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置する流体充填ブラダと、
該クラブヘッド本体と係合し、該流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する保持部材と
を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
保持部材がウインドウ要素を含み、流体充填ブラダの少なくとも一部が該ウインドウ要素に隣接する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
流体充填ブラダの少なくとも一部がウインドウ要素を通じて露出される、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
流体充填ブラダの少なくとも一部がウインドウ要素を通じて見える、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
保持部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材をさらに備える、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
ブリッジ部材がクラブヘッド本体と係合する、請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
ブリッジ部材の内面と保持部材の外面の少なくとも一部分との間に隙間が画成される、請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
ブリッジ部材が、少なくとも部分的に、保持部材をクラブヘッド本体に対して所定位置に保つ、請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
クラブヘッド本体が、その内部に画成される少なくとも1つの台座部材(seat member)を含み、ブリッジ部材が、該台座部材においてクラブヘッド本体と係合する、請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
台座部材が保持部材と係合する、請求項9記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
保持部材と係合するウェイト部材をさらに備える、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
クラブヘッド本体と係合するウェイト部材をさらに備える、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
保持部材が、流体充填ブラダの少なくとも一部が嵌まり込むチャンバを画成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
チャンバが、打球プレートの後面と対向する開口を含む、請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
保持部材が、その内部に画成されるウインドウ開口を含み、流体充填ブラダの少なくとも一部が、該ウインドウ開口に隣接して位置する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み(perimeter weighting)部材を含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
保持部材が周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項16記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
保持部材が打球面の後面とさらに係合する、請求項17記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
アイアンタイプのクラブヘッドである、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
流体充填ブラダと係合するウェイト部材をさらに備える、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、
(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置する流体充填ブラダと、
(c)該クラブヘッド本体と係合し、該流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する、保持部材と
を含むゴルフクラブヘッド;および
該ゴルフクラブヘッドと係合するシャフト部材
を備える、ゴルフクラブ。
【請求項22】
保持部材がウインドウ要素を含み、流体充填ブラダの少なくとも一部が該ウインドウ要素に隣接する、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項23】
ゴルフクラブヘッドが、保持部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材をさらに含む、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項24】
ブリッジ部材がクラブヘッド本体と係合する、請求項23記載のゴルフクラブ。
【請求項25】
ブリッジ部材の内面と保持部材の外面の少なくとも一部分との間に隙間が画成される、請求項23記載のゴルフクラブ。
【請求項26】
ブリッジ部材が、少なくとも部分的に、保持部材をクラブヘッド本体に対して所定位置に保つ、請求項23記載のゴルフクラブ。
【請求項27】
クラブヘッド本体が、その内部に画成される少なくとも1つの台座部材を含み、ブリッジ部材が、該台座部材においてクラブヘッド本体と係合する、請求項23記載のゴルフクラブ。
【請求項28】
台座部材が保持部材と係合する、請求項27記載のゴルフクラブ。
【請求項29】
保持部材と係合するウェイト部材をさらに備える、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項30】
保持部材が、流体充填ブラダの少なくとも一部が嵌まり込むチャンバを画成する、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項31】
チャンバが、打球プレートの後面と対向する開口を含む、請求項30記載のゴルフクラブ。
【請求項32】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、保持部材が、周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項33】
保持部材が打球面の後面とさらに係合する、請求項32記載のゴルフクラブ。
【請求項34】
ゴルフクラブヘッドがアイアンタイプのクラブヘッドである、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項35】
流体充填ブラダと係合するウェイト部材をさらに備える、請求項21記載のゴルフクラブ。
【請求項36】
打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、
リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置しかつクラブヘッド本体と係合する挿入部材であって、該挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含み、かつ打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成し、かつ該一つまたは複数のチャンバが、共同して挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う、挿入部材と
を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項37】
挿入部材がウインドウを含み、該ウインドウが少なくとも1つのチャンバへと延びる、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項38】
挿入部材の外面の一部に沿って延びかつクラブヘッド本体と係合するブリッジ部材をさらに備える、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項39】
挿入部材の少なくとも1つのチャンバ内に少なくとも部分的に含まれる流体充填ブラダをさらに備える、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項40】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ挿入部材が、周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項41】
挿入部材が、クラブヘッド本体係合構造によって打球面の後面とさらに係合する、請求項40記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項42】
アイアンタイプのクラブヘッドである、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項43】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも50%を覆う、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項44】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも75%を覆う、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項45】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆う、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項46】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも50%を覆う、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項47】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも75%を覆う、請求項36記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項48】
(a)打球面を含み、該打球面の反対側にリヤキャビティを画成する、クラブヘッド本体と、
(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置しかつクラブヘッド本体と係合する挿入部材であって、該挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含み、かつ打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成し、かつ該一つまたは複数のチャンバが、共同して挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う、挿入部材と
を含むゴルフクラブヘッド;および
該ゴルフクラブヘッドと係合するシャフト部材
を備える、ゴルフクラブ。
【請求項49】
挿入部材がウインドウを含み、該ウインドウが少なくとも1つのチャンバへと延びる、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項50】
挿入部材の外面の一部に沿って延びかつクラブヘッド本体と係合するブリッジ部材をさらに備える、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項51】
挿入部材の少なくとも1つのチャンバ内に少なくとも部分的に含まれる流体充填ブラダをさらに備える、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項52】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ挿入部材が、周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項53】
挿入部材がクラブヘッド本体係合構造によって打球面の後面とさらに係合する、請求項52記載のゴルフクラブ。
【請求項54】
クラブヘッド本体がアイアンタイプのクラブヘッド本体部材である、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項55】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆う、請求項48記載のゴルフクラブ。
【請求項56】
打球面を含みかつ該打球面の反対側にリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体を提供する段階と、
リヤキャビティ内に流体充填ブラダを少なくとも部分的に含める段階と、
保持部材をクラブヘッド本体と係合し、それにより、流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する段階と
を含む、ゴルフクラブヘッドを形成する方法。
【請求項57】
保持部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材をクラブヘッド本体と係合させる段階をさらに含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
ブリッジ部材が、少なくとも部分的に、保持部材をクラブヘッド本体に対して所定位置に保つ、請求項57記載の方法。
【請求項59】
ブリッジ部材を係合させる段階が、ブリッジ部材とクラブヘッド本体に画成される台座部材とを係合させる段階を含む、請求項57記載の方法。
【請求項60】
台座部材が保持部材とさらに係合する、請求項59記載の方法。
【請求項61】
保持部材が、流体充填ブラダの少なくとも一部が嵌まり込むチャンバを画成し、かつ該チャンバが、打球プレートの後面と対向する開口を含む、請求項56記載の方法。
【請求項62】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ保持部材を係合させる段階が、保持部材と周辺重み部材の少なくとも一部とを係合させる段階を含む、請求項56記載の方法。
【請求項63】
保持部材を係合させる段階が、保持部材を打球面の後面と係合させる段階をさらに含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
クラブヘッド本体がアイアンタイプのクラブヘッド本体である、請求項56記載の方法。
【請求項65】
(a)打球面を有しかつ該打球面の反対側にリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置する流体充填ブラダと、(c)クラブヘッド本体と係合し、流体充填ブラダをリヤキャビティ内に少なくとも部分的に保持する保持部材とを含むゴルフクラブヘッドを提供する段階;および
シャフト部材を該ゴルフクラブヘッドと係合させる段階
を含む、ゴルフクラブを形成する方法。
【請求項66】
提供する段階が、保持部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材を提供する段階を含む、請求項65記載の方法。
【請求項67】
ブリッジ部材を提供する段階が、ブリッジ部材とクラブヘッド本体に画成される少なくとも1つの台座部材とを係合させる段階を含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
台座部材が保持部材とさらに係合する、請求項67記載の方法。
【請求項69】
保持部材が、流体充填ブラダの少なくとも一部が嵌まり込むチャンバを画成し、かつ該チャンバが、打球プレートの後面と対向する開口を含む、請求項65記載の方法。
【請求項70】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ保持部材が、該周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項65記載の方法。
【請求項71】
保持部材が打球面の後面とさらに係合する、請求項70記載の方法。
【請求項72】
ゴルフクラブヘッドがアイアンタイプのクラブヘッドである、請求項65記載の方法。
【請求項73】
打球面を含みかつ該打球面の反対側にリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体を提供する段階;および
リヤキャビティ内で挿入部材をクラブヘッド本体と少なくとも部分的に係合させる段階であって、該挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含み、かつ打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成し、かつ該一つまたは複数のチャンバが、共同して挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う、段階
を含む、ゴルフクラブヘッドを形成するための方法。
【請求項74】
挿入部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材をクラブヘッド本体と係合させる段階をさらに含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
挿入部材の少なくとも1つのチャンバ内に少なくとも部分的に流体充填ブラダを提供する段階をさらに含む、請求項73記載の方法。
【請求項76】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ係合させる段階が、挿入部材を周辺重み部材の少なくとも一部と係合させる段階を含む、請求項73記載の方法。
【請求項77】
係合させる段階が、クラブヘッド本体係合構造によって挿入部材を打球面の後面と係合させる段階をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項78】
クラブヘッド本体がアイアンタイプのクラブヘッド本体である、請求項73記載の方法。
【請求項79】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆う、請求項73記載の方法。
【請求項80】
(a)打球面を有しかつ該打球面の反対側にリヤキャビティを画成するクラブヘッド本体と、(b)リヤキャビティ内に少なくとも部分的に位置しかつクラブヘッド本体と係合する挿入部材であって、挿入部材の内面が、クラブヘッド本体係合構造を含み、かつ打球面の後面と対向する一つまたは複数のチャンバを画成し、かつ該一つまたは複数のチャンバが、共同して挿入部材の内面の表面積全体の少なくとも30%を覆う、挿入部材とを含むゴルフクラブヘッドを提供する段階;および
シャフト部材を該ゴルフクラブヘッドと係合させる段階
を含む、ゴルフクラブを形成する方法。
【請求項81】
提供する段階が、挿入部材の外面の一部に沿って延びるブリッジ部材を提供する段階を含む、請求項80記載の方法。
【請求項82】
提供する段階が、挿入部材の少なくとも1つのチャンバ内に少なくとも部分的に流体充填ブラダを提供する段階を含む、請求項80記載の方法。
【請求項83】
クラブヘッド本体が、リヤキャビティを少なくとも部分的に画成する周辺重み部材を含み、かつ挿入部材が、周辺重み部材の少なくとも一部と係合する、請求項80記載の方法。
【請求項84】
挿入部材がクラブヘッド本体係合構造によって打球面の後面とさらに係合する、請求項83記載の方法。
【請求項85】
ゴルフクラブヘッドがアイアンタイプのクラブヘッドである、請求項80記載の方法。
【請求項86】
一つまたは複数のチャンバが、共同して、リヤキャビティの主要内側表面積全体の少なくとも30%を覆う、請求項80記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【公表番号】特表2009−542412(P2009−542412A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519445(P2009−519445)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/014825
【国際公開番号】WO2008/008175
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】