説明

流体圧駆動装置用手動操作装置

【課題】バルブステムの回転作動と流体圧駆動装置の作動干渉を避けうる流体圧駆動装置用手動操作装置の提供。
【解決手段】バルブステムに回動自由に取り付けられたウォームホイールと、これに噛合うウォームと、減速装置を介して連結されるハンドルとを有し、ウォームホイールには、噛合い歯を有するハースカップリングが取り付けられ、これに対向して伝達ハースカップリングがバルブステムに一体回転すると共に摺動可能に取付られ、その対向面にはハースカップリングの噛合い歯と契合する噛合い歯を有する。この伝達ハースカップリングは、両カップリングの噛合い歯の契合、離脱を行うために、手動操作装置の外部から水平方向に移動可能で、水平方向に対して傾斜した傾斜面を有する一対の作動部材を有し、これにより、手動操作による回転をバルブステムに伝達し、バルブの開閉を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブを作動するために油圧を動力源として使用し、あるいは空気圧力等のガス圧力を使用する流体圧駆動装置に備えられ、その流体圧駆動装置に代わり手動操作を可能にするための手動操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体圧駆動装置として代表的なシリンダ式駆動装置には、パイプラインの弁を作動させるために、特許文献1に記載されているような駆動装置が1例として上げられる。このような駆動装置では、ガス・油圧式増圧器から供給された油圧を切換弁により、閉側または開側のシリンダに供給して、往復作動するロッドをスコッチヨークで回転作動に変換して、バルブの開閉を行っている。
【0003】
このような駆動装置では、弁の開閉作動により減圧したガス圧力を復圧するために、電動油ポンプが設けられていて、増圧器のロッド位置をリミットスイッチにより検出することにより自動運転されるようになっている。
【0004】
さらに、このようなシリンダ式駆動装置には、電動油ポンプが使用不能のときのために、手動油ポンプが設けられている。
【特許文献1】特開平8−54083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなシリンダ式の油圧駆動装置では、配管の損傷等で両油ポンプが使用不可能でも、パルブの作動を手動で可能にするために、機械式の手動操作装置をさらに設けることが考慮されている。この手動操作装置は、後で詳述するが、バルブの操作に先だって90度(実質的には、96度)の回転範囲の回転を与えることができるようになっており、特に、手動操作装置とは無関係に電動油ポンプによる自動操作を可能とするために、90度の回転範囲では手動操作装置が空転するようになっている。
【0006】
それは、このような手動操作装置において、シリンダ式駆動装置が往復作動であるのに対して、回転作動であるために、互いの作動が干渉しないことが必要であることによるものである。そのために、この手動操作装置をバルブのステムに接続するには、手動操作装置の作動時にのみ接続させるための機構が必要である。
【0007】
この手動操作装置は、回転伝達フランジにウォームホイールを取り付け、このウォームホイールと、ウォームホイールを外部からの操作により作動するためのウォームとを一対とするように設け、このウォームには外部に設けた1次減速機を介して回転および動力を伝えられるが、一般的には、ウォームホイールとウォームとハンドルのみでは操作可能なバルブは、小口径となるために、多くの場合ウォームとハンドルとの間には1次減速機が設けられ、また、ウォームとウォームホイールとは二次減速機として機能するように設けられている。
【0008】
このような手動操作装置を備えたシリンダ式駆動装置においては、一方側をバルブステムに嵌合し、他方側をシリンダ駆動装置の回転機構となるスコッチヨークに嵌合した回転伝達フランジを有していて、回転伝達フランジには空転用溝を形成したウォームホイールが取り付けられていて、回転伝達フランジに固定された固定ピンがウォームホイールの空転用溝に係合されていて、ウォームホイールの回転を回転伝達フランジに固定ピンの係合により伝達してバルブステムを回転することができるようになっている。そのために、ウォームホイールを使用した開閉作動は、ウォームホイールの空転用溝が固定ピンを引張る状態で回転することによって行われるので、作動後はその状態を保持して、バルブステムを反対方向に作動させることができない。したがって、作動後は、必ずウォームホイールを回転させて、空転用溝を反対側に回転移動させておく必要がある。また、ウォームとウォームホイールおよび減速機を使用している場合は、総減速比が大きいので、空転用溝を反対側の位置まで、即ち、90度回転させるのは非常に労力を要することになる。
【0009】
まして、この手動操作装置の任意の位置において、バルブステムを開側または閉側へと作動させる度に、空転用溝内を90度だけ空転させる必要があるために,大変な仕事量と時間を要しないと、バルブステムが作動しないという問題点があった。また、ウォームホイールの空転用溝がどのような位置にあるかを表示するために、そのための機構をさらに設けることが必要となっていた。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、バルブステムを作動する流体圧駆動装置に設けた電動ポンプおよび手動ポンプのいずれもが使用できなくても、バルブステムの回転作動と流体圧駆動装置の往復作動とが互いに干渉することなく作動させることができるようにした流体圧駆動装置用手動操作装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、バルブステムの回転作動を必要とする場合に即座に手動操作によって作動することができるようにした流体圧駆動装置用手動操作装置を提供することである。
【0012】
本発明の目的を達成するための流体圧駆動装置用手動操作装置は、
パイプライン等に設けられたバルブのステムを回動する油圧回動機構等を備えた流体圧駆動装置に設けられ、
流体圧駆動装置の外部からバルブのステムを直接作動するための流体圧駆動装置用手動操作装置であって、
手動操作装置が、バルブステムに回転自由に組込まれたウォームホイールと、このウォームホイールに噛み合うウォームと、このウォームに必要に応じて減速装置を介して連結されるハンドルとを有し、そして
ウォームホイールが、流体圧駆動装置の作動と手動操作装置のバルブステムへの回転運動との干渉防止機構を介して、バルブステムに連結されていることを特徴とする。
【0013】
このような流体圧駆動装置は、ガスまたは空気等の気体圧力を油圧に変換し、この油圧を動力源としてシリンダ内で加圧されて往復作動するピストン、このピストンと一体のロッドを有するとともに、ロッドと連動するスコッチヨーク等を有する回転機構を備え、この回転機構によってバルブステムを回転作動させるシリンダ式駆動装置であることを特徴とする。
【0014】
また、このような流体圧駆動装置用手動操作装置は、流体圧駆動装置が、ガス、空気等の気体圧力、または油圧を駆動源として、ロータ組立体に直接作用させて回転運動を得ることができる回転機構を有し、この回転機構によってバルブのステムを回転作動させるロータリ式駆動装置であることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の他の目的を達成するために、本発明による流体圧駆動装置用手動操作装置は、干渉防止機構がウォームホイールに設けられかつ噛合い歯を有するハースカップリングと、このハースカップリングの噛合い歯に係合する噛合い歯を有しかつ前記バルブステムに取り付けられた伝達ハースカップリングとからなり、噛合い歯を互いに噛み合わせることによって前記ハースカップリングと伝達ハースカップリングとが必要に応じて接続されるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、このような流体圧駆動装置用手動操作装置において、ハースカップリングがバルブステムに回動自由に組込まれるとともに、伝達ハースカップリングがバルブステムに摺動可能に取り付けられていて、必要に応じて伝達ハースカップリングの噛合い歯をハースカップリングの噛合い歯に対して噛合わせるための摺動機構を備えていることを特徴とする。
【0017】
また、この流体圧駆動装置用手動操作装置では、摺動機構が、駆動装置の外部から水平内方向に移動させることができかつ水平方向に対して傾斜する作動面を有する一方の作動部材と、この一方の作動部材の作動面に滑り接触する反対方向に傾斜した作動面を有する他方の部材とを有し、他方の作動部材が伝達ハースカップリングをハースカップリングに対して同位置において契合方向に摺動させることができかつ回転可能に支持していることを特徴とする。
【0018】
さらに、この流体圧駆動装置用手動操作装置においては、摺動機構における他方の作動部材が伝達ハースカップリングを同位置に回動自在に嵌合して保持し、一方の作動部材を手動操作装置の水平外方向へ移動させることにより、伝達ハースカップリングをハースカップリングから離脱する方向に摺動させることができることを特徴とする。
【0019】
このような流体圧駆動装置用手動操作装置は、手動操作装置における干渉防止機構がバルブステムに設けられた回転伝達ピンと、前記ウォームホイールに所定の回転角度だけ回転伝達ピンが係合して自由に移動することができるよう形成された空転溝とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この流体圧駆動装置用手動操作装置において、流体圧駆動装置の外部からバルブのステムを直接作動するために、バルブステムに直結されるウォームホイールと、このウォームホイールに噛み合うウォームと、該ウォームに減速装置を介して連結されるハンドルとを有し、ウォームホイールが流体圧駆動装置の作動と手動操作装置のバルブステムへの回転運動との干渉防止機構を備えているので、流体圧駆動装置の電動油ポンプあるいは手動油ポンプ等が全て不調であっても、直接手動によりパイプライン等に用いられるバルブを緊急に作動させることができ、また、流体圧駆動装置によるバルブステムの回転運動とウォームの回転によるウォームホイールのバルブステムの回転作動とは干渉防止機構により、通常は手動操作装置とは関係なくバルブの自動的な作動を可能にし、必要時にのみ手動操作を可能としているので、効率的な作動を行うことができる。
【0021】
上記の手動操作装置が設けられる流体圧駆動装置は、油圧を駆動源として往復運動するピストンロッドを有し、スコッチヨーク等の回転機構を有するシリンダ式駆動装置、あるいはガス、空気等の期待圧力、または油圧を駆動減として、ロータ組立体に直接作用させて回転作動させることができるロータリ式駆動装置であってもよく、回転作動を得られる駆動装置であれば、流体圧駆動装置として用いることができる。
【0022】
このように流体圧駆動装置用手動操作装置に対して、干渉防止機構がウォームホイールに設けられかつ噛合い歯を有するハースカップリングと、このハースカップリングの噛合い歯に契合する噛合い歯を有しかつ前記バルブステムに取り付けられた伝達ハースカップリングとからなり、噛合い歯を互いに噛み合わせることによって前記ハースカップリングと伝達ハースカップリングとが必要に応じて接続されるように構成されているので、必要に応じた手動操作のための回転伝達を両カップリングの噛合い歯を互いに噛合わせるだけで行うことができ、手動操作によってを確実に行うことができる。
【0023】
また、上記のような流体圧駆動装置用手動操作装置においては、ハースカップリングがバルブステムに固定されるとともに、伝達ハースカップリングが前記バルブステムに摺動可能に取り付けられていて、必要に応じて伝達ハースカップリングの噛合い歯をハースカップリングの噛合い歯に対して噛合わせるための摺動機構を備えているので、両ハースカップリングの噛合い歯を噛合わせるために、操作を摺動のみで行うことができ、それだけ構造も単純化することができる。
【0024】
また、このような摺動機構は、駆動装置の外部から水平内方向に移動させることができかつ水平方向に対して傾斜する作動面を有する一方の作動部材と、該一方の作動部材の作動面に滑り接触する反対方向に傾斜した作動面を有する他方の作動部材とを有し、他方の作動部材が伝達ハースカップリングをハースカップリングに対して直角方向に摺動させることができかつ回転可能に支持しているので、外部から移動させることができる一方の作動部材を水平方向に移動させるだけで、一方の作動部材の傾斜した作動面が他方の作動部材の反対方向に傾斜した作動面を滑りにより押し上げることができ、その押し上げにより伝達ハースカップリングが回転作動は維持したまま、ハースカップリングに対して噛合い歯を確実に契合させるように摺動させることができ、バルブステムの流体圧駆動装置による自動作動から手動式の操作へ即座に正確にしかも容易に切換えることができる。
【0025】
さらに、この流体圧駆動装置用手動操作装置においては、摺動機構における他方の作動部材が伝達ハースカップリングを同位置に回動自在に嵌合して保持し、一方の作動部材を手動操作装置の水平外方向へ移動させることにより、伝達ハースカップリングをハースカップリングから離脱する方向に摺動させることができるので、一方の作動部材の外部から内方向への移動による伝達ハースカップリングとハースカップリングの噛合い歯同士の契合を行うだけでなく、他方の作動部材による伝達ハースカップリングの離脱方向への作動を確実に行うことができる。
【0026】
また、上記構成の流体圧駆動装置用手動操作装置は、干渉防止機構がバルブステムに設けられた回転伝達ピンと、ウォームホイールに所定の回転角度だけ回転伝達ピンが係合して自由に移動することができるよう形成された空転溝とを有しているので、簡単な構成によって手動操作の際には空転溝の端部と回転伝達ピンの係合により回転運動を伝達することができ、その他の場合には複雑な機構を要することなく流体圧駆動装置によるバルブステムの回転作動を自由に行うことができる。
【0027】
本発明の新規な特徴および構成、効果に関しては、以下の説明に関連する添付図面からさらに理解することができる。なお、図面において、同じ符号は同じ構成部材を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1から図6までの本発明の実施の形態による流体圧駆動装置用手動操作装置に先立って、まず、図7から図10までに示された流体圧駆動装置用手動操作装置を中心に説明する。
図7および図8に示されたガス−油圧式駆動装置200’は、図6に示されているようなパイプラインに設けられたバルブ300を作動するために用いられる。外観の形状は異なるものの、図6に示されたシリンダ式の油圧駆動装置200も同様な機構を有するものである。
【0029】
ガス−油圧式駆動装置200’は、図7および図8に示されるように、1例としてスコッチヨーク202’によりシリンダ203’内のピストンによるロッド204’の往復運動を、パイプライン等におけるバルブ300’を開閉させるために、バルブステム6を回転作動させるような構造を有した、いわゆるシリンダ式油圧駆動装置と称されるものである。そして、切換弁取付金具214’に設けられた図示されていない弁を操作することにより自動的にピストンロッド204’の往復運動によりバルブステム6を開閉作動させることができる。また、実際に使用されるときには、ガス圧力を油圧に変換し増圧させるために増圧器208’が設けられて、シリンダ203’へ切換弁を介して油圧を供給し、必要とするバルブの作動を行うが、その操作を補うために電動ポンプ205’が設けられ、バルブステム6の回動によってオン・オフするリミットスイッチ209’により駆動されることにより、次ぎの作動のために蓄圧器207’に油圧を蓄えることができる。さらに、電動油ポンプ205’が使用できないときのために、手動油ポンプ206’が設けられていて、シリンダ203’への油圧の供給を行うことができるようになっている。
【0030】
このようなシリンダ式の油圧駆動装置においては、油圧供給管が損傷した場合には、バルブ300の作動が不可能になる恐れがあるために、図6および図7に示されるように、油圧作動装置200、200’とバルブ300との間に手動操作装置100,100’が設けられ、直接バルブ300の開閉作動を行うことができるようになっている。
【0031】
次ぎに、本発明の一実施の形態による手動操作装置100について、図1から図5までを参照して説明すると、六角穴付ボルト44によって固定される上蓋5によって閉じられるケーシング1の内部を貫通してバルブステム6が位置され、貫通部は、上蓋5および底板に対してOリング37,38によってシールするとともに、バルブステムベアリング29,30によって回転支持されている。バルブステム6の上端部は、図8に示されるようなスコッチヨーク202’が取り付けられ、下端部にはバルブ300から延びる作動軸が軸穴に嵌合されて接続される。バルブステム6には、その中間部の張出し環状部にシム35、スラストベアリング32を挟持してウォームホイール8が取り付けられ、ウォームホイール8は、上蓋5との間に、シム36、ウォームホイール押さえ28、スラストベアリング34を挟持して保持されている。ウォームホイール8の底面側凹部には下方円周部に噛合い歯9aを有するハースカップリング9が六角ボルト46によって取り付けられており、また、ハースカップリング用ピン22によりウォームホイール8とハースカップリング9との間の回転方向の剪断力を受けている。このハースカップリング9に対向してその対向面の円周部に噛合い歯10bを有する伝達ハースカップリング10がバルブステム6に対して摺動可能であるとともに、バルブステムキー23によって一体回転するように取り付けられている。
【0032】
上記のようなバルブステム6への、流体圧駆動装置200のスコッチヨーク202’による回動運動とウォーム7によるウォームホイール8の回転作動との干渉防止機構について、以下説明する。この干渉防止機構は、他方の作動部材である上側昇降金具11および一方の作動部材である下側昇降金具12を有し、下側昇降金具12がその両側部を保持するように、ケーシング1の底板に六角穴付ボルト45によって固定された昇降金具ガイド13が設けられ、図3において手前側は図示しないが、それらの内側の下端部に凹溝を形成するように上昇防止ガイド13aが設けられている。両昇降金具ガイド13の間に摺動可能に配置される下側昇降金具12には、バルブステム6が同位置にある状態で移動可能なような形状にされてその中央部にバルブステム貫通部12aが設けられ、このバルブステム貫通部12aを除くその中央部に昇降金具側ガイド13側の側壁12cを残して傾斜面12fを形成し、この傾斜面12fの上端側には、下側昇降金具12を摺動させるための昇降用ハンドル軸17の端部を係合する昇降用ハンドル軸組合せ部12bが形成され、さらに、両側壁12c外側下端部には昇降金具12の上昇を防止する上昇防止ガイド12eが昇降金具ガイド13の上昇防止ガイド13aに摺動可能に係合して設けられている。
【0033】
また、上側昇降金具11は,図3および図4に示すように、その底面側に下側昇降金具12の傾斜面12fを摺動するように反対方向に傾斜した傾斜面11aが形成され、その傾斜面11aの側部側にはほぼ中央部に昇降用ピン19が突出するように設けられている。この昇降用ピン19は、下側昇降金具12の側壁12cのほぼ中央部に傾斜面12fと同じ傾斜方向に設けられた昇降溝12dに移動可能に係合されている。そして、図4に示されるように、上側昇降金具11には、そのほぼ中央部にバルブステム6が回動可能に貫通される貫通孔が形成され、この貫通孔と同心に伝達ハースカップリング10の図示底部の回動可能な円筒状部を嵌合する伝達ハースカップリング嵌合部11bが形成されている。さらに、伝達ハースカップリング嵌合部11bには、その内部に、直径方向に対向して突出する同位置回転用ピン20が設けられている。この同位置回転用ピン20は、伝達ハースカップリング10の円筒状部に形成された同位置回転用ピン収納溝10aに収納されて設けられ、伝達ハースカップリング10を上側昇降金具11に回転自在に嵌合して保持している。
【0034】
また、下側昇降金具11は、上記構成によりバルブステム6に摺動可能に取り付けられた上側昇降金具11を昇降させるために、図1において水平方向に移動するための摺動機構を有している。この摺動機構は、下側昇降用金具12の昇降用ハンドル軸組合せ部12bに一方の端部が係合される昇降用ハンドル軸17が昇降金具操作軸ボス4において、そのナット部に昇降用ハンドル軸17のボルト部をねじ込むことにより、昇降用ハンドル軸17の他方の端部に取り付けられた昇降金具用ハンドル66の回転操作により移動させることができるように構成されており、下側昇降金具12の操作を調節することができ、さらに、昇降用操作軸ボス4と昇降金具軸用ハンドル66との間に位置確認板18が位置確認板止金具26、スプリングピン53で固定されている。この昇降金具操作軸ボス4においては、昇降用ハンドル軸17にOリング41、スクレーパ42、止輪43を備えていて、内部のグリース70の外部への洩れ、また、外部からの異物の進入を防止する。この位置確認板18によりリミットスイッチ68をONにすれば、シリンダ式駆動装置の運転可能の信号をコントロール室に発信する。また、詳細には示されていないが、間違って不必要な手動操作の切換えを防止するように、U字型の昇降金具ストッパ27を取り外しできないようにするために、南京錠51よって固定されることもできる。
【0035】
さらに、上記構成の手動操作装置100には、図2に明瞭に示されるように、ウォーム7を回転するための操作機構が設けられている。この操作機構は、ウォーム7のウォーム軸の両端部を、ウォーム減速機側ボス2とウォーム支持側ボス3とにおいて支持し、ウォーム減速機側ボス2には、一次減速機64が六角穴付ボルト48によって固定され、一次減速機64の入力軸には一次減速機用ハンドル65が六角止ねじ52および一次減速機入力軸キー25によって取り付けられ,六角穴付ボルト49によって一次減速機ハンドル表示板58が取り付けられている。ウォーム減速機側ボス2においては、一次減速機64の出力軸であるウォーム軸用スリーブ16にウォーム軸キー24によってウォーム軸が連結され、ウォーム減速機側ボス2の端部には六角穴付ボルト47によってウォーム減速機側フランジ14が取り付けられるとともに、Oリング39、40によってシールされるとともに、ウォーム軸ベアリング31によって軸支されている。ウォーム支持側ボス3においては、ウォーム軸カバーフランジ15がOリング39によってシールされるとともに、六角穴付ボルト47によって固定され、ウォーム軸ベアリング31によって支持されている。ウォーム軸は、さらにスラストベアリング受け54がウォーム減速機側ボス2とウォーム支持側ボス3とのそれぞれに対向するようにスラストベアリング受54が設けられ、これらの間にスラストベアリング63が設けられている。
【0036】
また、上記バルブ位置確認板18に連動するための作動用回転ローラを有するリミットスィツチ68がケーシング1に一体に設けられたリミットスイッチ取付版55に六角穴付ボルト60、ばね座金61によって取り付けられていて、バルブ位置確認板18の進退により回転ローラを押し込み、戻り作動させて、リミットスイッチ68を作動させ、その作動により送られた信号により、その操作状態を遠隔の位置で確認することができるようになっている。また、ケーシング1の正面側壁面には、表示板57が表示板取付座56を挟んで十字穴付小ねじ59によって固定されている。
【0037】
上記構成の手動操作装置100は、以下のように操作することができる。図1に示される状態では、ウォームホイール8と一体のハースカップリング9と、バルブステム6にバルブステムキー23によって図において上下動可能に設けられた伝達ハースカップリング10とがそれらの噛合い歯9a,10bを互いに噛合っていない状態にしていて、一次減速機用ハンドル65によって一次減速機64を介してウォーム7を回転させて、それに伝達噛合いしているウォームホイール8を回転させても、バルブステム6に対しては空転をするだけで、回転を伝達することができない。この状態は、上蓋5の上方に設けられた流体圧駆動装置200に接続されるバルブステム6に対して流体圧駆動装置200の作動により回転作動が伝達されると、その回転作動はそのままこの手動操作装置100の下側に位置したバルブ300に伝達される。この時、伝達ハースカップリング10は、バルブステムキー23により一体にされているので、バルブステム6と一緒に回転することができる。
【0038】
この手動操作装置100において、手動操作をする場合には、まず、昇降金具軸用ハンドル66を右側に回転させると、昇降用ハンドル軸17を図1における右側に移動させることができ、ケーシング1に固定された昇降金具ガイド13に挟まれた上側昇降金具12が側壁12cに形成した昇降溝12dの長さW1の距離だけ図右側に移動させることができる。この移動を可能にするために、バルブステム貫通部12aには、バルブステム6との間にW2の空間が設けられていて、W2>W1の関係を有するようにされている。
【0039】
また、下側昇降金具12の両側面の側壁12cに設けた昇降溝12dには、上側昇降金具11の両側面に固定された昇降用ピン19が係合されて、両側壁12の間に上側昇降金具11が互いの傾斜面11a、12fが傾斜方向を逆にして合わせられ、組み込まれている。これにより、下側昇降金具12が図右側に移動されると、その傾斜面12fが上側昇降金具11の傾斜面11aをバルブステム6の軸線方向の分力でもって上方に押し上げる。そして、上側昇降金具11が上方に移動すると、図4に示すように、伝達ハースカップリング嵌合部11aに位置を保持して回動自在に嵌合している伝達ハースカップリング10が一緒に上方に移動され、図5に示すように、ウォームホイール8と一体のハースカップリング9の噛合い歯9aと伝達ハースカップリング10の噛合い歯10bとが噛合い、これによりウォーム7からの回転力がウォームホイール8、ハースカップリング9、伝達ハースカップリング10を介してバルブステム6に伝達され、バルブ300の開閉作動を行うことができる。
【0040】
なお、上記のようにハースカップリング9と伝達ハースカップリング10との噛合い歯9a、10bが互いに噛合わない場合には、伝達ハースカップリング10を昇降金具軸用ハンドル66の操作により上方に移動させながら、ウォーム7をバルブ開側または閉側に回転させて、噛合わせればよい。
【0041】
次ぎに、手動操作装置100の作動をバルブステム6の作動から切り離す場合は、昇降金具軸用ハンドル66を左回転させると、昇降用ハンドル軸17がその端部を下側昇降金具12に設けた昇降ハンドル軸組合部12bに連結されているので、下側昇降金具12の昇降用溝12dが図左側へ移動され、傾斜面12fに平行に設けた昇降用溝12dに係合する上側昇降金具11の昇降用ピン19が下側昇降金具12の移動方向には移動しないので、上側昇降金具11が下方向に移動されることになる。この上側昇降金具11の下方向の移動は、下側昇降金具12の下部に設けられた上昇防止ガイド12eが昇降金具ガイド13の上昇防止ガイド13aに係合して案内されるので、下側昇降金具12の押し引きの作動がスムーズに行われて、確実にかつ正確に行うことができる。
【0042】
また、伝達ハースカップリング10の下方への移動は、上側昇降金具11に設けた昇降用ピン19が下側昇降金具12の昇降用溝12dに係合されていて、さらに伝達ハースカップリング10に形成された同位置回転用ピン収納溝10a内に伝達ハースカップリング嵌合部11b内に突出して設けられた同位置回転用ピン20が係合しているので、下側昇降金具12の図左方向の移動による上側昇降金具11の下方への移動によって確実かつ正確に行うことができる。
【0043】
このように、上記の手動操作装置100においては、伝達ハースカップリング10とハースカップリング9とが噛合っている場合には、ウォーム7の開閉作動に対して、バルブステム6を直接開閉作動をさせることができ、不必要な作動を必要としない。したがって、バルブの位置確認のための機構を別に設ける必要がない。
【0044】
また、手動操作装置100を使用しないで、シリンダ式油圧駆動装置を使用している場合には、ウォーム7およびウォームホイール8の空転は自由に行うことができるが、バルブ300の作動には何等関係しないことになる。しかしながら、間違って手動操作を行ってしまうことを防止するために、昇降用ハンドル軸17にU字形をした昇降金具ストッパ27をまたぐように設け、南京錠67を使用して取り外しできないようにするとともに、位置確認板18を利用して昇降用ハンドル軸が動かなくすることができる。
【0045】
本発明の実施の形態による流体圧駆動装置用手動操作装置は、また、図1から図6までに示された手動操作装置に先立って開発されたような、図7から図10に示し、以下に説明するような他の実施の形態による手動操作装置であってもよい。一部上記したような流体圧駆動装置200’に組合わされた手動操作装置100’は、ウォーム7、このウォーム7に噛合うウォームホイール8、一次減速機64等を備えた点は上記手動操作装置100とほぼ同じである。その特徴とするところは、バルブステム6への回転力の伝達が、バルブステム6に回動自在に設けられたウォームホイール8に対向してバルブステム6と一体の回転伝達フランジ80が設けられ、この回転伝達フランジに対称的に取り付けられた一対の回転伝達ピン81を、図7の線X−Xに沿ってみた図である図10に示すように、ウォームホイール8に形成された2つの回転伝達ピン81と同心の同半径を有してほぼ90°の回転角度に相当する2つの円弧状の空転溝83に移動可能に係合させたことである。
【0046】
また、ウォームホイール8の図上方に隣接して平歯車(大)72が設けられ、図7および図7の線IX−IXに沿った図である図9に示すように、接続ピン85によってウォームホイール8に一体にされていて、その回転を手動操作用開度指針76へ伝えて、回転状態を表示することができる。そのために、ケーシング1の底板に取付けられた小支軸73の上端部にかさ歯車(小)77に一体に回転するように重ねられて平歯車(小)74が平歯車(大)72に噛合うように設けられている。かさ歯車(小)77からの回転を伝達するために、ケーシング1の側部に設けたボスに支持された開度指針用支軸75に固定したかさ歯車(大)76がかさ歯車(小)77に噛合うように設けられている。
【0047】
ウォーム7の回転作動を行うために、図示されていないハンドルが取り付けられている一次減速機64の出力軸に連結されたウォーム軸の一端部を減速機側ボス2において、また、ウォーム軸の他端部をウォーム支持側ボス3において回転支持している。
【0048】
上記構成の手動操作装置100’においては、通常は、バルブステム6がシリンダ式駆動装置200’の作動によってバルブステム6が自動的に回動操作をされていて、バルブの開閉作動を行っている。その場合、バルブステム6の回動は、回転伝達フランジ80と共に、回転伝達ピン81を移動させるが、バルブの開閉角度は90°であり、図9または図10に示すように、静止したウォームホイール8の空転溝83内をバルブの開閉作動に応じて自由に移動することができる。その際、空転溝83の両端部は、実際にはさらに3°ずつ回転角度が広がるように形成されていて、手動操作を行う場合に、直に回動作動を行わないように、余裕のある操作を可能にしている。ウォームホイール8が空転溝83の端部まで、実際には3°だけ回動されたあと、そこから90°だけ回転伝達ピン81を空転溝83の端部に当てた状態で移動させ、回転伝達フランジ80を介してバルブステム6を90°だけ作動させてバルブの開閉を行い、その後3°の回動操作により空転溝83の端部に当たるまで合計96°の回動を行うことになる。
【0049】
通常は、手動操作用指針78が自動の位置になるように、ウォーム7の1次減速機64による回動操作をしておけば、空転溝83内の90°の範囲をシリンダ式駆動装置200’により回転伝達ピン81が回動してバルブの開閉を自動的に行うことができる。
【0050】
以上のように、干渉防止機構がバルブステム6の回転伝達フランジ80に取り付けた回転伝達ピン81とウォームホイール8の空転溝83とによって提供され、構成部品も少なくすることができ、バルブの作動状態を知るためにウォームホイール8の回転を取出すための構造も簡単にすることができる。
【0051】
なお、上記実施の形態による手動操作装置は、流体圧駆動装置200,200’として説明したが,図11および図12に示されるように、ロータリ式の駆動装置200”であってもよく、このロータリ式駆動装置は、底部を下方ヘッド214”によって閉じられて、この下方ヘッド214”にはバルブステム6が貫通され、円筒状本体210”の内壁部分には静止シュー216がボルト止されている。また、バルブステム6の円筒状本体210”内部の部分にはロータ組立体218”が固定して取り付けられ、円筒状本体210”の頂部が上方ヘッド212”によって閉じられて構成される。
【0052】
このロータリ式駆動装置200”では、静止シュー216”とロータ組立体218”との間の室にガス圧、空気圧あるいは油圧が供給されることにより、ロータ組立体218”を回動させることによりバルブステム6に回転運動を与えることができ、上記のような手動操作装置100,100’と組合せれば、流体圧駆動装置200,200’と同様な機能を得ることができる。
【0053】
以上述べたように、本発明による流体圧駆動装置用手動操作装置は、上記実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術範囲において実施し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態による流体圧駆動装置用手動操作装置を示す部分破断側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による図1に示された流体圧駆動装置用手動操作装置の平面図である。
【図3】図1の手動操作装置における上側および下側昇降金具の分解斜視図である。
【図4】同手動操作装置における上側昇降金具と伝達ハースカップリングとの分解斜視図である。
【図5】同手動操作装置におけるハースカップリングと伝達ハースカップリングとの噛合い歯の噛合い状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による流体圧駆動装置、手動操作装置およびバルブを組合せた外観図である。
【図7】本発明の他の実施の形態による手動操作装置を備えた流体圧駆動装置の部分断面立面図である。
【図8】図7の本発明の他の実施の形態に流体圧駆動装置の平面図である。
【図9】図7のA−A線に沿って矢印方向にみた説明図である。
【図10】図7のB−B線に沿って矢印方向にみた説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態による流体圧駆動装置の破断斜視図である。
【図12】図11の流体圧駆動装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ケーシング
2 ウォーム減速機側ボス
3 ウォーム支持側ボス
4 昇降金具操作軸ボス
5 ケーシング上蓋
6 バルブステム
7 ウォーム
8 ウォームホイール
9 ハースカップリング
9a 噛合い歯
10 伝達ハースカップリング
10a 同位置回転用ピン収納溝
10b 噛合い歯
11 上側昇降金具
11a 上側昇降金具傾斜面
11b 伝達ハースカップリング嵌合部
12 下側昇降金具
12a バルブステム貫通部
12b 昇降ハンドル軸組合部
12c 下側昇降金具側壁
12d 昇降用溝
12e 上昇防止ガイド
12f 下側昇降金具傾斜面
13 昇降金具ガイド
13a 上昇防止用ガイド
14 ウォーム軸減速機側フランジ
15 ウォーム軸カバーフランジ
16 ウォーム軸用スリーブ
17 昇降用ハンドル軸
18 バルブ位置確認板
19 昇降用ピン
20 同位置回転用ピン
21 上蓋用ピン
22 ハースカップリング用ピン
【0056】
23 バルブステムキー
24 ウォーム軸キー
25 1次減速機入力軸キー
26 位置確認板止金具
27 昇降金具ストッパ
28 ウォームホイール押え
29 バルブステムベアリング
30 バルブステムベアリング
31 ウォーム軸ベアリング
32 スラストベアリング
33 スラストベアリング
34 スラストベアリング
35 シム
36 シム
37 Oリング
38 Oリング
39 Oリング
40 Oリング
41 Oリング
42 スクレーパ
43 止軸
44 六角穴付ボルト
45 六角穴付ボルト
46 六角穴付ボルト
47 六角穴付ボルト
48 六角穴付ボルト
49 六角穴付ボルト
50 六角ナット
51 平座金
52 六角穴付止ねじ
53 スプリングピン
54 スラストベアリング受
【0057】
55 リミットスイッチ取付板
56 表示板取付座
57 表示板
58 一次減速機ハンドル指示板
59 十字穴付小ねじ
60 六角穴付ボルト
61 ばね座金
62 六角ナット
63 スラストベアリング
64 一次減速機
65 一次減速機用ハンドル
66 昇降金具軸用ハンドル
67 南京錠
68 リミットスイッチ
69 六角穴付止ねじ
70 グリース
71 二次減速機ケーシング
72 平歯車(大)
73 指針用歯車支軸
74 平歯車(小)
75 指針用支軸
76 かさ歯車(大)
77 かさ歯車(小)
78 手動操作用開度指針
79 接続ピン
80 回転伝達フランジ
81 回転伝達ピン
82 取付ボルト
83 空転溝
84 トルクピン
【0058】
100,100’ 手動操作装置
200,200’,200’’ ガス−油圧駆動装置
210’’ 本体
212’’ 上方ヘッド部
214’’ 下方ヘッド部
216’’ 静止シュー
218’’ ロータ組立体
300 バルブ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧力を動力源として、パイプライン等に設けられたバルブのステムを回転する回転機構等を備えた流体圧駆動装置に設けられ、
該流体圧駆動装置の外部から前記バルブのステムを直接作動するための流体圧駆動装置用手動操作装置であって、
該手動操作装置が、バルブステムに回動自由に組込まれたウォームホイールと、該ウォームホイールに噛み合うウォームと、該ウォームに必要に応じて減速装置を介して連結されるハンドルとを有し、そして
前記ウォームホイールが、前記流体圧駆動装置の作動と前記手動操作装置のバルブステムへの回転運動との干渉防止機構を介して、前記バルブステムに連結されていることを特徴とする流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項2】
前記流体圧駆動装置が、ガスまたは空気等の気体圧力を油圧に変換し、この油圧を動力源として、また、ガスまたは空気等の気体圧力でシリンダ内で加圧されて往復作動するピストン、該ピストンと一体のロッドを有するとともに、該ロッドと連動するスコッチヨーク等を有する回転機構を備え、該回転機構によって前記バルブステムを回転作動させるシリンダ式駆動装置であることを特徴とする請求項1に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項3】
前記流体圧駆動装置が、ガス、空気等の気体圧力、または油圧を駆動源として、ロータ組立体に直接作用させて回転運動を得ることができる回転機構を有し、該回転機構によって前記バルブのステムを回転作動させるロータリ式駆動装置であることを特徴とする請求項1に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項4】
前記手動操作装置の前記干渉防止機構が前記ウォームホイールに設けられかつ噛合い歯を有するハースカップリングと、該ハースカップリングの噛合い歯に契合する噛合い歯を有しかつ前記バルブステムに取り付けられた伝達ハースカップリングとからなり、前記噛合い歯を互いに噛み合わせることによって前記ハースカップリングと前記伝達ハースカップリングとが必要に応じて契合されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項5】
前記ハースカップリングが前記バルブステムに回動自由に組込まれるとともに、前記伝達ハースカップリングが前記バルブステムに摺動可能に取り付けられていて、必要に応じて前記伝達ハースカップリングの噛合い歯を前記ハースカップリングの噛合い歯に対して契合させるための摺動機構を備えていることを特徴とする請求項4に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項6】
前記摺動機構が、前記手動操作装置の外部から水平内方向に移動させることができかつ水平方向に対して傾斜する作動面を有する一方の作動部材と、該一方の作動部材の作動面に滑り接触する反対方向に傾斜した作動面を有する他方の作動部材とを有し、該他方の作動部材が前記伝達ハースカップリングを前記ハースカップリングに対して同位置において契合方向に摺動させることができかつ回転可能に支持していることを特徴とする請求項5に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項7】
前記摺動機構における前記他方の作動部材が前記伝達ハースカップリングを同位置に回動自在に嵌合して保持し、前記一方の作動部材を前記手動操作装置の水平外方向へ移動させることにより、前記伝達ハースカップリングを前記ハースカップリングから離脱する方向に摺動させることができることを特徴とする請求項6に記載された流体圧駆動装置用手動操作装置。
【請求項8】
前記手動操作装置における前記干渉防止機構が前記バルブステムに設けられた回転伝達ピンと、前記ウォームホイールに所定の回転角度だけ前記回転伝達ピンが係合して自由に移動することができるよう形成された空転溝とを有していることを特徴とする請求項1に記載された油圧駆動装置用手動操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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