説明

浴室の音響装置

【課題】浴室から隔絶された位置にオーディオ装置を配設し、浴室に取り付けたオーディオスピーカをオーディオ装置で鳴動させて浴室内で音楽を楽しむ音響装置が提案されている。一方、浴室内に防水構造の浴室テレビを取り付けて、浴室内でテレビを鑑賞することが行われている。テレビを鑑賞中に音楽が聴きたくなり、あるいはテレビ音声をオーディオスピーカから発音させたい場合には、オーディオ装置の電源をオンにする操作の他に、浴室テレビに設けられているテレビスピーカからのテレビ音声を消音する操作をしなければならない。
【解決手段】オーディオ装置3の電源がオンにされると、オーディオスピーカ31に内蔵した発光部から、浴室テレビ2を消音させる操作信号が重畳された赤外線を照射し、オーディオ装置3と浴室テレビ2とを別途の配線で接続することなく、浴室テレビ2を消音するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビスピーカを備えた浴室テレビが設置された浴室に取り付けられる、浴室の音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入浴中に浴室内で音楽などを楽しみたいという要求がある。この要求を満たすため、浴室外に設置したラジオや音楽プレーヤからの出力信号を外部入力信号として入力し、浴室内に設けたオーディオスピーカを鳴動させるようにした音響装置が知られている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−291054号公報(請求項1、図1)
【特許文献2】特開平5−328443号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記公報に記載された音響装置とは別に、防水構造の浴室テレビを浴室内に設置することが行われている。この浴室テレビは単独で使用される場合があるため、テレビスピーカを備えており、テレビスピーカからテレビ音声を発音してテレビ画面を鑑賞することができるように構成されている。
【0004】
一方、上記公報に記載のような音響装置は、浴室テレビと同時に施工されるとは限らず、またメーカも一致しない場合があり、浴室テレビから音声信号が出力できるのであれば、その音声信号を外部入力信号として入力する程度の関係性しか持たすことができない場合が多い。
【0005】
このような構成では、例えば浴室テレビを単独で作動させ、テレビ音声をテレビスピーカから発音させている状態で、音響装置を作動させてオーディオスピーカでテレビ音声を発音させたい場合や、テレビ音声ではなく別途の音楽をオーディオスピーカから発音させたい場合には、音響装置を作動させると共に、浴室テレビを消音させる操作をしなければ、オーディオスピーカからの高品質な音声を楽しむことができない。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、このような煩わしさの生じない浴室の音響装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による浴室の音響装置は、テレビスピーカを備えた浴室テレビが設置された浴室に取り付けられる音響装置であって、浴室の内面に取り付けられたオーディオスピーカを鳴動させるオーディオ装置を有する浴室の音響装置において、オーディオ装置が作動を開始した場合にテレビスピーカからの発音を消音する消音手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
浴室テレビを鑑賞中にオーディオ装置を作動させても、上記常温手段によって自動的に浴室テレビの音声が消音され、オーディオスピーカから音楽や音声が発音される。このため、オーディオ装置を作動させるたびに浴室テレビを消音させる操作を行う必要がない。
【0009】
なお、浴室テレビからの音声出力を外部入力信号としてオーディオ装置に入力させ、浴室テレビの音声をオーディオスピーカから発音し得るように構成しておけば、テレビスピーカが消音してもオーディオスピーカからテレビ音声を引き続いて発音させることができる。
【0010】
また、上記浴室テレビは赤外線式のリモコンで操作され、上記オーディオ装置が作動すると、浴室テレビを消音させる制御信号が重畳された赤外線を射出する赤外線射出手段を設ければ、浴室テレビに消音信号を送るための有線接続工事が不要となる。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、オーディオ装置を作動させるたびに浴室テレビを消音させる操作を行う必要がないので、従来の音響装置のように、浴室テレビの消音操作を別途行わなければならないという煩わしさが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照して、1は浴室であり、この浴室1の壁面に浴室テレビ2が取り付けられている。この浴室テレビ2は防水構造のケーシング内に液晶表示部を備えており、更に1対のテレビスピーカ21を備えている。本実施に形態では、浴室テレビ2内にチューナ部を内蔵させず、浴室1の天井裏にチューナ部22を配設した。そのため、チューナ部22内で選局された画像信号および音声信号は共に浴室1に取り付けられている浴室テレビ2に送信され、テレビ画像が表示されると共にテレビ音声がテレビスピーカ21から発音されるように構成されている。
【0013】
一方、浴室1から隔絶された位置にオーディオ装置3が載置されている。このオーディオ装置3はラジオ受信機能や音楽再生機能を備えており、例えばCDやMDといった音楽ソフトが収録されている記録媒体がセットされ、再生されると音楽などの音声信号が浴室1の天井に取り付けられた1対のオーディオスピーカ31,32に出力され、これらオーディオスピーカ31,32から発音されるように構成されている。
【0014】
上記チューナ部32にはテレビの音声信号を出力する機能が備えられており、その音声信号は外部入力信号としてオーディオ装置3に入力される。
【0015】
浴室テレビ2およびオーディオ装置3の操作は、本実施例の場合共通1個のリモコン4で行うこととした。このリモコン4は各種の操作信号を重畳させた信号を照射すると共に、後述するように外部からの赤外線を受光することができる。
【0016】
浴室テレビ2には前面に受光部が設けられており、リモコン4から照射された赤外線はその受光部で受光され、制御信号が分離される。一方、図2に示すように、オーディオ装置3の受光部51はオーディオスピーカ31内に取り付けた。したがって、リモコン4から照射された赤外線は、この受光部51で受光される。受光部51はフォトトランジスタで構成されており、赤外線から制御信号が分離され、オーディオ装置3へと送られる。
【0017】
ところで、浴室テレビ2は浴室1内でリモコン4を操作する者が直接目視することができる。そのため、リモコン4により操作したあと、実際の作動状態は浴室テレビ2を目視することにより確認することができる。ところが、オーディオ装置3は浴室1から隔絶された位置に配設されているため、オーディオ装置3を直接目視することできない。
【0018】
そこで、オーディオ装置3から所定の周期で、実際のオーディオ装置3の作動状態を示す信号を重畳した赤外線を、発光部52から照射させるようにした。この発光部から照射された赤外線は、リモコン4の受光部で受光される。そして、リモコン4に表示部を設けておき、オーディオ装置3の実際の作動状態をその表示部に表示させるようにした。なお、この発光部52からは浴室テレビ2をミュート(消音)させる信号が重畳された赤外線も照射される。53は受光部51および発光部52で赤外線の受光および照射が行われている際に発光する確認用の発光ダイオードである。
【0019】
図3を参照して、リモコン4の操作によってオーディオ装置3の電源がONにされるまではオーディオ装置3は電源OFFの状態を保持する(S1,S2)。リモコン4の電源スイッチが押されるとオーディオ装置3の電源がオンにされ、続いて上記発光部52から、浴室テレビ2を消音させるミュート信号が射出される(S1,S3)。なお、このとき、浴室テレビ2の電源がOFF状態であってもミュート信号が射出されるようにした。
【0020】
但し、浴室テレビ2の電源がオンになっているか、もしくはリモコン4によってテレビ音声が選択されていれば(S4)、外部入力信号であるテレビ音声信号を再生してオーディオスピーカ31,32からテレビ音声を発音するようにした(S5)。また、浴室テレビ2がOFFの状態やリモコン装置4によってオーディオ再生が選択されている場合には、オーディオ装置3の有する再生機能で再生された音楽をオーディオスピーカ31,32から発音させるようにした(S6)。
【0021】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。例えば、上記実施に形態では1台のリモコン4で浴室テレビ2とオーディオ装置3とを操作したが、各々専用のリモコンを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】オーディオスピーカの詳細を示す図
【図3】オーディオスピーカから発音される音声等の切換を示すフロー図
【符号の説明】
【0023】
1 浴室
2 浴室テレビ
3 オーディオ装置
4 リモコン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビスピーカを備えた浴室テレビが設置された浴室に取り付けられる音響装置であって、浴室の内面に取り付けられたオーディオスピーカを鳴動させるオーディオ装置を有する浴室の音響装置において、オーディオ装置が作動を開始した場合にテレビスピーカからの発音を消音する消音手段を設けたことを特徴とする浴室の音響装置。
【請求項2】
浴室テレビからの音声出力を外部入力信号としてオーディオ装置に入力させ、浴室テレビの音声をオーディオスピーカから発音し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の浴室の音響装置。
【請求項3】
上記浴室テレビは赤外線式のリモコンで操作され、上記オーディオ装置が作動すると、浴室テレビを消音させる制御信号が重畳された赤外線を射出する赤外線射出手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴室の音響装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−53535(P2007−53535A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236655(P2005−236655)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】