説明

液晶パネルの製造方法

【課題】 液晶パネルの製造工程において基板上に露光により各部材を形成するときの露光位置を正確に制御できるようにする。
【解決手段】 アラインメントマーク、カラーフィルター基板に形成されたブラックマトリクスあるいはアレイ基板に形成されたゲート電極パターンなどを識別して、識別した対象の位置座標を取得する(S304)。識別した対象を頂点とする矩形領域に記録する領域画像を、取得された位置座標に基づいて補正する(S305)。DMD露光装置などのデジタル露光装置により、実際のパターンの位置に合うように、補正した画像を記録する(S306)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの製造方法に関する。詳しくは、液晶パネルを構成する基板に各種パターンを露光形成するときのパターンの位置制御に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの製造工程では、パネルの画素開口率を高めることが常に重要な課題とされてきた。特に最近は、液晶ディスプレイの製造コストを抑えるべく低価格なバックライトが採用されるようになり、画素開口率についての要求は、より厳しくなっている。画素開口率を大きくするためには、液晶パネルを構成するカラーフィルター基板のブラックマトリクスを細線化する必要がある。しかし、カラーフィルター基板を構成する部材の中には、ブラックマトリクスの線幅内に配置しなければならない部材もある。ブラックマトリクスの細線化が進めば、そのような部材の配置に非常に高い位置精度が要求されることとなる。
【0003】
液晶パネルを構成する各部材の形成は、通常マスクを用いた面露光により行われている(例えば特許文献1参照)。しかし、マスクを用いた面露光ではパターンの位置ずれが生じやすいため、ブラックマトリクスの線幅を太くすることで位置ずれの影響を吸収するしかない。このため、面露光による部材形成では、ブラックマトリクスの細線化は難しい。
【0004】
これに対し、近年、デジタル露光装置を用いて基板の露光を行う方法が提案されている。例えば特許文献2には、記録媒体が歪んでいる場合に、画像の記録位置ずれを補正することができるデジタル露光装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−350897号公報
【特許文献2】特開2005−037911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、液晶テレビなどの製品の大型化に伴い、液晶パネル製造工程で取り扱われるガラス基板の大きさは2メートルを越えるようになった。基板が大きくなると、わずかな温度変化でもガラスの変形量は無視できなくなる。例えば、温度膨張係数が32e−7/℃と比較的低いガラス基材でも、2メートルのガラスであれば、0.15度の温度変化で大きさが1μm変化することになる。露光により層状にパターンを形成している過程で、このような温度変化が生じれば、形成されるパターンにずれが生じ、製品の歩留まりは悪化する。
【0006】
特許文献2が開示する装置は、基板上に設けられた位置決めマークを基準にして基板上に領域を定義し、領域ごとに記録する画像を補正することにより、記録位置のずれを補正している。しかし、大型基板上に高密度にパターンが形成されている場合、位置決めマークを記録しておける位置は、ある程度限られる。このため、位置決めマークにより特定される領域が、補正の単位領域として適当な大きさの領域になるとは限らない。
【0007】
そこで、本発明は、大型基板上に高密度にパターンを形成する液晶パネルの製造工程において、露光位置を正確に制御できるようにして、ブラックマトリクスを細線化してもパターンの位置ずれにより液晶パネルの開口率が低下することがないようにする。さらには、位置ずれ発生による歩留の低下を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶パネル製造方法は、液晶パネルを構成する少なくとも1種の構造部材を、
次の3つのステップを含む工程により形成することを特徴とする。第1のステップは、基板上に存在する複数の対象を、その基板の撮影画像から読み取って各対象の位置座標を取得する基板読取ステップである。第2のステップは、形成しようとしている構造部材のパターン形状を表す画像であって複数の対象の位置により特定される領域に記録する領域画像を、基板読取工程において取得された位置座標に基づいて補正する画像補正ステップである。第3のステップは、画像補正ステップにおいて補正された領域画像を構成する各画素の値に基づいて、基板を走査する光ビームをオン/オフ制御することにより、基板読取ステップにおいて取得した位置座標により特定される領域に、画像補正ステップにより補正された領域画像を記録する画像記録ステップである。
【0009】
前記構造部材は、具体的には、液晶パネルを構成するカラーフィルター基板上に形成される柱状のスペーサや液晶配向制御材、さらにはアレイ基板上に形成される薄膜トランジスタのチャネル部、ソース部および/またはドレイン部、コンタクトホール部などである。
【0010】
また、前記基板読取ステップにおける読取りの対象は、位置決め目的で形成されたアラインメントマークでもよいが、液晶パネルの表示部を構成する構造部材を読み取るようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の液晶パネルの製造方法によれば、基板を構成する各部材を形成するときに、基板上の複数の箇所を撮影して、その箇所にあるべきマークやパターンの実際の位置座標を取得し、その位置ずれに合わせてその基板上に露光記録する画像を変形あるいは移動する。このため、ブラックマトリクス上に形成すべきスペーサをはじめ、各部材の配置位置を高精度に制御することができる。
【0012】
特に、位置あわせを目的として基板端部に形成されるアラインメントマークのみならず、カラーフィルター基板のブラックマトリクスやアレイ基板のゲート電極などを識別するようにすれば、アラインメントマークの設置間隔によらず、小さな領域を単位として位置あわせを行なうことができ、基板サイズや製品パネルのサイズによらず、常に適切なサイズの領域を単位として位置あわせを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態として、TFT液晶パネルの製造方法を示す。
【0014】
図1に、液晶パネルの製造工程の概要を示す。液晶パネルは、カラーフィルター基板製造工程1において製造されたカラーフィルター基板と、アレイ基板製造工程2において製造されたTFTアレイ基板とを、液晶セル製造工程3において貼り合せることにより製造される。
【0015】
カラーフィルター基板製造工程1およびアレイ基板製造工程2では、通常、1枚の透明基板上に、製品パネル数枚分のカラーフィルター構造、もしくはTFTアレイ構造が形成される。例えば、図2に例示するカラーフィルター基板4は、横幅約2メートルの透明基板上に20インチ液晶パネル16個分のカラーフィルター構造5を形成したものである。
【0016】
透明基板上には、カラーフィルター構造領域5のほか、基板上の主な位置(四隅、中心など)を示すマーク6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6hおよび6iが形成される。TFTアレイ基板製造工程2でも同様に、1枚の透明基板上に液晶パネル複数個分のアレイ構造と、基板上の位置を示すマークが形成される。カラーフィルター基板とTFTアレイ基板は、液晶セル製造工程3において、基板同士を貼り合せる前に、もしくは貼り合せた後に、製品サイズに分割され、これにより液晶パネルが完成する。
【0017】
以下、カラーフィルター基板製造工程1について説明する。図3は、カラーフィルター基板製造工程1の詳細を示すフローチャートである。カラーフィルター基板は、透明基板上に図3のフローチャートの各ステップに示される部材を形成することにより製造される。透明基板としては、表面に酸化珪素被膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板またはプラスチックフィルムを用いることができる。
【0018】
図に示すように、カラーフィルター基板製造工程1では、まず、透明基板上にブラックマトリクスを形成する(S101)。図4Aおよび図4Bは、ステップS101のブラックマトリクス形成工程後の基板の一部を拡大して示した図である。図4Aは基板の上面、図4Bは基板の断面を示しており、両図とも液晶パネルの約1画素分に相当する領域を示している。
【0019】
図4Aおよび図4Bが示すように、本実施形態では、ステップS101において、膜厚0.5〜5μm程度のブラックマトリクスパターン8を形成する。ブラックマトリクスパターン8は、一方向(図の縦方向)に平行に伸びた複数の線から、各線と垂直な方向(図の横方向)に100μm弱の短い線と、それよりさらに短い線が、縦方向に約150μm間隔で交互に突き出た構造とする。この構造では、一画素分のパターンはアルファベットのEを3個並べたような形になる。
【0020】
後述するように、本実施形態では、カーボンブラックなどの黒色顔料を含む感光性レジストを露光・現像により上記形状に加工することによりブラックマトリクスパターン8を形成する。但し、本発明においてブラックマトリクスの形成方法、パターン形状、材料は特に限定されず、あらゆる公知技術を用いることができる。例えば、特開2004−361447号に開示されているように、金属微粒子を含有する感光性組成物によりブラックマトリクスを形成してもよい。
【0021】
また、本実施形態では、ブラックマトリクスパターン8とともに、図2に示したマーク6a〜6iを形成する。すなわち、黒色感光性レジストの所定箇所を、図2に示した十文字パターン形状に露光する。
【0022】
続いて、透明基板7上に、R(赤)の着色画素層を形成する(S102)。図5Aおよび図5Bに示すように、R画素パターン9は、透明基板7上のブラックマトリクスパターン8の上記平行に伸びた複数の線の間に3列に1列の割合で形成する。R画素パターン9の材料は、顔料成分等の赤色着色剤及びバインダーを主成分とし、必要に応じて光重合性のモノマーやオリゴマーからなる光重合成化合物、光重合開始材などを含む材料とする。
【0023】
R画素パターン9は、上記材料を露光・現像により上記パターン形状に加工することによって形成する。この際、本実施形態では、露光処理に先立ち、ステップS101で形成したブラックマトリクスパターン8とマーク6a〜6iの観測を行う。そして、観測したパターンを基準にして着色画素パターン9を形成する領域を決定する。観測パターンに基づく位置あわせについては、後述する。
【0024】
続いて、緑色着色剤、青色着色剤を含む材料を用いて、同様の方法により、Rの着色画素層が形成されていない列に、G(緑)の着色画素層とB(青)の着色画素層を形成する(S103、S104)。図6Aおよび図6Bに、G画素パターン10、B画素パターン11形成後の状態を示す。なお、着色画素パターンの材料は特に限定されず、カラーフィルターの材料として公知のあらゆる材料を採用することができるが、後述する位置あわせのためのパターン観測は、光透過性が高い材料ほど容易になる。
【0025】
3色の着色画素層を形成したら、次に、それらの層を覆うように透明樹脂からなる保護膜13を形成する(S105)。さらに、その上にスパッタリングにより透明電極14(ITO:Indium Tin Oxide)を形成する(S106)。本実施形態では、保護膜13は1μm程度、透明電極14の膜厚は800Å程度である。これらの層についても、公知の保護膜あるいは透明電極の材料を採用することができるが、後述する位置あわせのためのパターン観測は、光透過性が高い材料ほど容易になる。
【0026】
続いて、透明電極14上に、スペーサ12を形成する(S107)。スペーサ12は、液晶セルのギャップを均一に制御できる程度の間隔で、ブラックマトリクスパターン8の線と重なるように形成する。本実施形態では、図6Aおよび図6Bに示すように、R画素パターン9の周囲を囲むように形成されたブラックマトリクスパターンのE型の短いほうの横線と縦線との交点上に、2〜4μm程度の高さの円柱状のスペーサ12を配置する。スペーサ12は、公知の感光性樹脂を露光・現像により上記パターン形状に加工することによって形成する。
【0027】
スペーサ12の材料としては透明樹脂を採用することが好ましいが、本実施形態では光透過性が低い材料を採用することも可能である。本実施形態では、露光処理に先立ち、ステップS101で形成したブラックマトリクスパターン8とマーク6の観測を行うことにより、スペーサをブラックマトリクスパターン8と重なる位置に正確に配置することができるからである。
【0028】
なお、液晶セルのギャップを制御するスペーサとしては、液晶セル製造工程において基板上に散布するビーズ状のスペーサボールが知られているが、本明細書では、上記のとおり、カラーフィルター基板製造工程1において、基板上の所定の位置に露光により形成される柱状の部材をスペーサと称する。
【0029】
次に、透明電極14の上に、配向制御部材(リブ材)を形成する(S108)。図7Aおよび図7Bに、配向制御部材形成後の基板の状態を示す。本実施形態では、配向制御部材は、図7Aに示すように、着色画素パターン9,10、および11上で、一の方向に平行に形成された複数の線状パターンと、その方向と略垂直な方向に平行に形成された複数の線状パターンとからなる。また、この線状パターン15は、図7Bに示すように、高さ1μm程度の突起状のパターンである。この突起状のパターンはカラーフィルター基板とアレイ基板の貼り合せ後、液晶セルの液晶分子を所定の向きに配向する。配向制御部材の材料としては、公知の透明感光性樹脂を用いることができる。
【0030】
また、配向制御部材の形成工程でも、ステップS101で形成したブラックマトリクスパターン8とマーク6の観測を行う。また、先に形成したスペーサ12の観測を合わせて行なってもよい。そして、線状パターン15を形成する際には、観測されたパターンなどの位置を基準としてパターンの形成位置を調整する。
【0031】
上記のように、本実施形態では、カラーフィルター基板4を構成する各構造部材を、露光および現像により形成する。そこで、以下、露光・現像による構造部材の形成手順について、さらに説明する。
【0032】
図8は、図3のステップS101のブラックマトリクス形成工程を示すフローチャートである。まず、透明基板を洗浄して(S201)、洗浄した基板の全面もしくはカラーフィルター構造を形成する領域に、黒色のネガ型感光性レジストを塗布する(S202)。続いて、レジスト材料に応じた適切な温度でベーキングを行い(プリベーク:S203)、塗布したレジスト層をブラックマトリクスパターンの形状に露光する。露光は、後述するDMD露光装置を用いたデジタル記録により行なう(S204)。具体的には、ブラックマトリクスパターンを表す2値画像を生成し、その2値画像の各画素値に基づいて、値が1の画素に対応する箇所は露光され、値が0の画素に対応する箇所は露光されないように、基板への光の照射を制御する。
【0033】
続いて、露光後の基板を現像する(S205)。本実施形態では、レジストはネガ型レジストであるため、露光された部分がパターンとして基板上に残る。このパターンを、再度ベーキングを行って(ポストベーク)基板上に固定する(S206)。以上により、図4A、図4Bを参照して説明したブラックマトリクスパターン8が形成される。
【0034】
図9は、図3のR画素形成工程(S102)、G画素形成工程(S103)、B画素形成工程(S104)、スペーサ形成工程(S107)あるいは配向制御部材形成工程(S108)に共通な、部材形成工程を示すフローチャートである。
【0035】
まず、パターンが形成された基板を洗浄する(S301)。例えばR画素形成工程ではブラックマトリクスが形成された基板を洗浄する。また、配向制御部材形成工程では、ブラックマトリクス、着色画素層およびスペーサが形成された基板を洗浄する。続いて、形成する部材の材料となるレジストを塗布する(S302)。本実施形態では、ネガ型の感光レジストを塗布する。続いて、レジスト材料に応じた適切な温度でベーキングを行う(プリベーク:S303)。
【0036】
その後、下層に形成されているパターンと、これから形成するパターンとの位置を合わせるために、基板の読取り(S304)と、画像の補正(S305)を行なう。これらの処理については、後述する。
【0037】
続いて、塗布したレジストを、補正された画像に描かれているパターン形状に露光する(S306)。露光はブラックマトリクス形成時と同様、DMD露光装置を用いたデジタル記録により行う。そして、露光後の基板を現像し(S307)、現像後基板上に残ったパターンを、再度ベーキングを行って(ポストベーク)基板上に固定する(S308)。以上により、各部材のパターンが形成される。
【0038】
以下、パターンの位置合わせのための処理、すなわちステップS304の基板読取処理およびステップS305の画像補正処理について、説明する。
【0039】
ステップS304の基板読取処理は、基板表面を探索的に撮影して得られた画像から、図2に例示したマーク6や基板上に形成された所定のパターンを識別し、識別したマークやパターンの所定の座標系における位置座標を取得する処理である。マークやパターンの識別には公知のあらゆる画像識別手法を用いることができるが、本実施形態では、パターンマッチングの手法を用いて識別を行なう。
【0040】
例えば、マークの位置座標を取得するときは、ブラックマトリクス形成工程S101においてマーク6を記録した位置にカメラを設定して基板表面を撮影する。そして撮影画像の中心から、マーク6相当の大きさの領域画像を切り出し、その領域画像を対象としてパターンマッチングによる識別を行なう。マーク6を記録した工程以降の工程で基板が伸縮していなければ、マーク6はその領域画像内に存在するのでパターンマッチングによる照合結果は一致するはずである。この場合には、その領域画像の中心位置の座標を現在のマーク6の位置座標として取得する。
【0041】
一方、マーク6を記録した工程以降の工程で基板が伸縮していれば、マーク6は撮影画像の中心から少しずれた位置に存在するので、パターンマッチングによる照合結果は一致しない。この場合には、撮影画像内で領域画像を少しずつずらしながら照合結果が一致するまでパターンマッチングを繰り返し、照合結果が一致したときの領域画像の中心座標を、現在のマーク6の位置座標として取得する。
【0042】
また、基板上に形成されているパターンの位置座標を取得するときは、位置座標を取得するにあたり画像撮影を行なう位置を予め決めておき、その位置にカメラを設定して基板表面を撮影する。図10は読取対象基板上に形成されたパターンと撮影位置の関係を例示した図である。撮影位置は、基板の縦方向、横方向にそれぞれ何箇所か設定し、隣接する撮影位置同士が図10に示す撮影位置16a、16b、16cおよび16dのように矩形領域の頂点を構成するように決めておく。本実施形態では、矩形の一辺の長さが30cmとなるように撮影位置を定めている。
【0043】
各撮影位置に記録されているパターンは、その撮影位置の座標から特定することができる。よって、撮影画像の中から、その特定したパターンを識別して、そのパターンの位置座標を取得する。具体的には、撮影画像の中心から、特定したパターン相当の大きさの領域画像を切り出し、その領域画像を対象としてパターンマッチングによる識別を行なう。そのパターンを記録した工程以降の工程で基板が伸縮していなければ、識別しようとするパターンはその領域画像内に存在するのでパターンマッチングによる照合結果は一致するはずである。この場合には、その領域画像の中心位置の座標、もしくはそのパターンの特徴部(頂点など)の座標を、そのパターンの現在の位置座標として取得する。
【0044】
一方、そのパターンを記録した工程以降の工程で基板が伸縮していれば、識別しようとするパターン撮影画像の中心から少しずれた位置に存在するので、パターンマッチングによる照合結果は一致しない。
【0045】
例えば、図10の撮影位置16aにおいて、図11に実線で示されるパターンがあることを予想して撮影およびパターンマッチングを行なったとする。基板伸縮により実際のパターンが図11の破線で示される位置までずれていたとすれば、撮影位置16aを中心とする領域画像を対象としたパターンマッチングの照合結果は一致しない。
【0046】
この場合には、撮影画像内で領域画像を少しずつずらしながら照合結果が一致するまでパターンマッチングを繰り返し、照合結果が一致したときの領域画像の中心、もしくはそのパターンの特徴部(頂点など)の座標17を、そのパターンの現在の位置座標として取得する。
【0047】
なお、ステップS103以降の工程では、形成済みのパターンの中に着色画素層があるので、パターン形状の照合に加え色の照合を行なってもよい。あるいは、形状のマッチングは行なわずに、色のみに基づいてパターンを識別してもよい。例えば、本実施形態では、図6Aに例示したように、スペーサ12はR画素パターン9の列のブラックマトリクス上にのみ形成され、G画素パターン10、B画素パターン11の列のブラックマトリクス上には形成されない。このような場合、スペーサ形成工程S107における基板読取処理S304では色の情報を考慮したマッチングを行なうほうが、パターンの識別が容易になる。
【0048】
次に、図12および図13を参照して、ステップS305の画像補正処理について説明する。ステップS305の画像補正処理は、ステップS304の基板読取処理において取得された位置座標の情報に基づいて、後続のステップS306で基板上に記録する2値画像を補正する処理である。本実施形態では、ブラックマトリクスパターン8の所定箇所とマーク6の位置座標に基づいて、画像を補正する。
【0049】
例えば、図10の撮影位置16a、16b、16cおよび16dにおいてパターンの識別を行なった結果、各撮影位置において図11に例示したようにパターンの位置ずれが観測されたとする。そして、その観測結果から、位置16a、16b、16cおよび16dを頂点とする領域が、図12(a)のような矩形領域であるはずのところ、実際には図12(b)のような歪んだ領域となってしまっていることがわかったとする。このような場合には、その矩形領域に記録する矩形画像を、観測された歪に合わせて歪んだ画像に変形する。
【0050】
画像の変形は、撮影位置の間隔を短く、言い換えれば画像を変形するときの単位領域を狭く設定するほど、実際の歪に忠実な変形を行なうことができる。しかしながら、製造効率が優先される場合には、ある程度広い領域を単位領域として画像の補正を行うほうが好ましい。例えば、図13に示すように、図2に例示したマーク6a〜6iの中の4つのマークの位置を頂点とする矩形領域を画像補正の単位領域とすれば、1枚の基板につき9箇所で撮影を行い、4つの領域画像について画像補正を行うだけでよいので、位置合わせのための処理時間は比較的短くなる。
【0051】
但し、図2に例示したようなマークは、液晶パネルとしての機能を実現するためのパターンが形成されている範囲、すなわち液晶パネルの表示領域には形成できない。このため、製造する液晶パネルのサイズが小さい場合にはマークのみを用いた位置あわせで十分な位置精度が得られるが、パネルサイズが大きい場合には、ブラックマトリクスパターン8の読取りを行なわなければ十分な位置精度が得られないこともある。したがって、位置座標を取得する対象をマークのみとするか、ブラックマトリクスパターンの位置座標をも取得するかは、製造する液晶パネルのサイズや基板のサイズに応じて適宜定めることが好ましい。マークとブラックマトリクスパターンの両方を用いて位置あわせを行なうことも可能であることはいうまでもない。
【0052】
矩形画像を歪んだ方形領域に合うように変形する方法としては、例えば次の方法が考えられる。矩形画像を画像ABCDとし、画像ABCD内の点をXとする。また、位置座標の取得により特定された歪んだ方形領域をA´B´C´D´とし、その領域内の座標点をX´とする。
【0053】
辺A´B´をt:(1−t)に内分する点をG、辺D´C´をt:(1−t)に内分する点をHとし、線GHをs:(1−s)に内分する点がXであるとすると、以下の関係式(1)が成り立つ。
【数1】

【0054】
この関係式(1)から、次の連立方程式(2)が導き出され、この連立方程式を解くことにより、tおよびsを求めることができる。
【0055】
ast+bs+ct=d
fst+gs+ht=e … (2)
(但し、a,b,c,d,e,f,g,hは定数)
次に、求められたtおよびsの値を利用して、矩形画像ABCDを歪んだ方形領域A´B´C´D´と同様に内分することによって、方形領域内の点X´に対応する矩形画像ABCD内の点Xを求める。その点Xに位置する画素の値を、方形領域内の点X´に位置する画素の値に決定する。方形領域A´B´C´D´の境界線上および内部にあるすべての座標点について同様の処理を行えば、方形領域A´B´C´D´を構成するすべての画素の値が決定される。これにより、方形領域A´B´C´D´の形状および大きさに合った画像が得られる。
【0056】
この他、アフィン変換や共一次変換などの変換処理を実行する処理も考えられる。アフィン変換は、線型変換と平行移動の組み合わせにより、図形を変形する方式である。もとの図形を構成する点の座標を(x,y)、変形後の図形を構成する点の座標を(X,Y)とし、両者の関係を下記式(3)により表す。
【0057】
X=ax+by+c
Y=dx+ey+f …(3)
カラーフィルター基板から読取られたマークやブラックマトリクスパターンの座標と、それらのマークやパターンが本来あるべき位置の座標(形成されたときの座標)を式(3)に代入すると、6個の式が得られる。この6個の式からなる連立方程式を解くことにより、a,b,c,d,eおよびfの値が求まる。このa,b,c,d,eおよびfの値が設定された式(3)に基づいて、各画素の座標を置き換える。これにより、読取られたマークやパターンにより特定される三角形の領域に合った形状のビットマップ画像が得られる。
【0058】
共一次変換は擬似アフィン変換とも呼ばれる方法で、アフィン変換の(3)式に代えて、次の(4)式を使用する。
【0059】
X=axy+by+cy+d
Y=exy+fx+gy+h …(4)
カラーフィルター基板から読取られたマークやブラックマトリクスパターンの座標と、それらのマークやパターンが本来あるべき位置の座標を式(4)に代入すると、8個の式が得られる。この8個の式からなる連立方程式を解くことにより、a,b,c,d,e、f、gおよびhの値が求まる。このa,b,c,d,e、f、gおよびhの値が設定された式(4)に基づいて、各画素の座標を置き換える。これにより、読み取られたマークやパターンにより特定される方形領域に合った形状の画像が得られる。
【0060】
なお、上記変換は領域画像を変形させる処理であるが、領域画像を変形させるのではなく、領域画像に含まれる各画素の画像を領域の歪に合わせて平行移動するような画像補正を行ってもよい。この際平行移動は、画素ごとに個別に行なってもよいが、数個の画素のまとまりを移動単位とし、移動単位ごとに平行移動してもよい。この方法では、領域画像内での移動方向と移動量を計算するだけでよいので、領域画像を変形する処理よりも処理時間を短縮することができる。
【0061】
図14は、上記画像の補正を行うことによる効果を説明するための図である。実際のパターンが図11の破線により示される位置にあるのにも拘わらず、実線により示される位置にあるものとして画像の補正を行わずにスペーサ12を形成した場合、ブラックマトリクスパターン8とスペーサ12の位置関係は、図7Aに示した位置関係とはならず、図14に例示するような位置関係になる。すなわち、本来はブラックマトリクスパターン8に重なるように形成されるべきスペーサ12が、ブラックマトリクスパターン8に隣接して形成されてしまう。このような位置ずれは、画素開口率の低下につながるため好ましくない。
【0062】
また、図14のような横方向の位置ずれではなく縦方向の位置ずれが発生した場合、配向制御部材15がスペーサ12と重なって形成され、スペーサ12の高さが本来のスペーサ12の高さよりも高くなることがある。スペーサ12の高さが不均一であれば、液晶セルのギャップを適正に制御することはできない。また、配向制御部材15の位置ずれは液晶パネルの視野角にも影響するため、好ましくない。
【0063】
したがって、ステップS304の基板読取処理とステップ305の画像補正処理を行って、下層のパターンと上層のパターンとの位置ずれを軽減することが、製品の品質向上あるいは歩留の改善につながることは明らかである。
【0064】
ここで、図8のステップS204のブラックマトリクスの記録と、図9のステップS304の基板読取、ステップS305の画像補正、ステップS306の画像記録に使用する露光装置について説明する。図15および図16に、露光装置31の概略構造を示す。図15は露光装置31を斜め上方から見た図であり、図16は横方向から見た図である。
【0065】
露光装置31は、板状の設置台20と、その上に配置された2本の線路状のガイド21と、そのガイド21上をガイド21に沿って往復移動するステージ台30と、ステージ台30の上に回転可能な状態で取り付けられた平板状のステージ22とを備える。ステージ22は、その上面に露光する基板23を吸着して保持することができる。
【0066】
ステージ22の移動経路の上方には、ステージ22の移動方向と垂直な方向にライン上に配列された複数の露光ヘッド群からなるスキャナ25が配置されている。スキャナ25は、設置台20の中央部に2本のガイド21を挟むように配置された2本の支柱24により支えられたゲート29aに備え付けられている。本実施形態では、スキャナ25を構成する露光ヘッドは2ラインに配列されており、1ライン目の露光ヘッドと2ライン目の露光ヘッドは千鳥状に配置されている。
【0067】
各露光ヘッドは、その内部に米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を備えている。露光装置31が備える図示されない光源から発せられた光ビームは、図示されないレンズ系を経て露光ヘッド内へと導かれ、DMDに入射される。また、DMDを構成する各マイクロミラーの反射面の角度は、露光により記録する画像を構成する各画素の値に基づいて制御される。具体的には、画素の値が1の場合にはDMDに入射した光ビームがマイクロミラーにより反射してステージ22上の基板23に照射されるように制御される。一方、画素の値が0の場合には入射した光ビームが、マイクロミラーにより反射した結果、基板23に照射されなくなるように制御される。
【0068】
基板の露光は、基板に記録する画像を分割して各露光ヘッドに分割された画像データを割り当て、ステージ22をガイドに沿って移動させながら、各露光ヘッドのDMDを制御することにより行なう。基板は各露光ヘッドにより、ステージの移動方向に長い帯状に露光される。この際、露光ヘッドの幅はDMDの幅よりも広いため、1ラインに並んだ露光ヘッドによる露光では、露光ヘッドの間に露光されない領域が生じてしまうが、1ライン目で露光されなかった領域は、千鳥状に配置された2ライン目の露光ヘッドにより露光される。これにより基板23の全面を露光することができる。
【0069】
露光装置31は、さらにステージ22上に吸着された基板23の縁付近を撮影できるように設置された2台の低倍率カメラ27を備える。なお、低倍率カメラ27とは、撮影倍率が、撮影画像から図2に例示したマーク6を識別し得る倍率に設定された状態のカメラを意味するものとする。すなわち、高倍率撮影が可能なカメラの撮影倍率を低く設定した場合も含むものとする。カメラ27は、支柱およびゲートからなる支持体26に据え付けられ、ステージ22の一の角と、その角の対角の上方に設置されている。
【0070】
また、露光装置31は、基板23の縁以外の部分を撮影できるように設置された複数台の高倍率カメラ28を備える。高倍率カメラ28は、撮影画像から、基板上に形成されたブラックマトリクスパターン、着色画素パターン、スペーサ、配向制御部材など個々の部材を識別し得る倍率に設定された状態のカメラである。高倍率カメラ28は、支柱24に支えられたゲート29bに一定の間隔で据え付けられている。ゲート29bはレールを備えており、高倍率カメラ28はそのレール上に据え付けられており、上記間隔は必要に応じて変更することができる。本実施形態では、6台の高倍率カメラ28が30cm間隔で配置されている。
【0071】
図17は、高倍率カメラ28の照明機能について説明するための図である。高倍率カメラ28は、その内部に光源を備え、図の矢印が示すように落射照明により基板を撮影する。例えば、スペーサの形成工程では、図に例示するように、透明電極14までが形成された状態の基板を撮影して位置合わせを行なうことになるが、前述のようにカラーフィルター基板は、ブラックマトリクス8を除き、光透過性を有する部材により構成されているので、落射照明による撮影で、ブラックマトリクス8を識別し得る画像を取得することができる。
【0072】
以上に説明したステージ22、露光ヘッド、低倍率カメラ27および高倍率カメラ28は、制御部により制御される。図18は、制御部の詳細について説明するためのブロック図である。図に示すように、露光装置31の制御部32は、露光装置により基板に記録する画像、すなわちブラックマトリクスパターン、着色画素パターン、スペーサ、配向制御部材パターンの設計図を生成するCAD/CAMシステムからの画像データの取込みを制御する画像入力制御部33と、ステージ22の移動および回転を制御するステージ制御部35と、低倍率カメラ27および高倍率カメラ28による撮影を制御する撮影制御部36と、露光ヘッド25および露光ヘッドに供給される光ビームの光源を制御する露光制御部37を備える。さらに制御部32は、露光により記録するパターンの記録位置がずれないように記録位置を制御する記録位置制御部34を備える。
【0073】
本実施形態では、画像入力制御部33、ステージ制御部35、撮影制御部36、露光制御部37および記録位置制御部34は、制御基板上に配された各機能専用のコントローラである。但し、制御部32は、汎用のCPUおよびメモリを備えた制御基板の前記メモリに、上記各機能を実現するプログラムを組み込むことによって実現してもよい。
【0074】
以下、制御部32により実行される制御処理について、スペーサ12の形成工程を例にあげて説明する。なお、CAD/CAMシステムから取り込んだ画像を基板上にそのまま記録するときの動作については、特開2005−055881号公報などの公知文献に詳細な説明があるため本明細書では説明を省略する。
【0075】
図19は、記録位置を制御するための初期化処理を示すフローチャートである。スペーサ12の形成工程では、露光装置31のステージ22にセットされるのは、透明電極14上にスペーサ12の材料である感光性樹脂が成膜された基板23である。
【0076】
基板23がセットされると、記録位置制御部34は、撮影制御部36に対し低倍率カメラ27による撮影を指示する信号を送出する。これにより基板23の角付近が低倍率で撮影される(S401)。記録位置制御部34は、撮影により得られた画像から基板23上のマークを読み取る(S402)。詳細には、撮影により得られた画像に対し前述のパターンマッチング処理を施して、マークの位置座標を取得する。例えば、ここでは図2に例示したマークのうち、マーク6cとマーク6fを読み取るものとする。
【0077】
続いて、読み取ったマークの位置座標に基づいて、基板23がステージ22の移動方向に対してまっすぐに、すなわち移動方向と平行に配置されているか否かを判定する(S403)。図20Aおよび図20Bは、この判定のしかたについて説明するための図である。
【0078】
図20Aに示すように、初期状態では、ステージ22はステージ台30の上にステージの移動方向と平行に配置されている。例えば、読み取られたマーク6cの位置が位置40であり、マーク6fの位置が位置42であった場合、記録位置制御部34は、取得したマーク6cの位置40、基板23の大きさおよびステージ22の移動方向に基づいて、計算により、基板23がステージ22の移動方向に対しまっすぐ配置されていた場合のマーク6fの位置41を求める。
【0079】
さらに、記録位置制御部34は、位置40、位置41および位置42の関係から、基板23のステージ23に対する傾きθを求める。傾きθの値が0であれば、基板23はステージ22の上にまっすぐに配置されていると判定し、基板23上に座標系を設定する(S405)。例えば、図に例示するように、マーク6fの位置42を原点(0,0)とし、ステージ移動方向にx軸、ステージ移動方向と垂直な方向にy軸を設定する。
【0080】
傾きθの値が0以外の値であれば、記録位置制御部34は、基板はまっすぐに配置されていないと判断し、傾きθを示すデータを、ステージ制御部35に供給する。ステージ制御部35は、ステージ台30を回転制御することにより、図20Bに示すように、ステージ22がステージ移動方向に対し角度θだけ傾くように、ステージ向きを調整する(S404)。ステップS401〜S403までの処理を繰り返すことにより、基板23がステージの移動方向に対し平行に設置されていることを確認したら、ステップS405において座標系を設定する。
【0081】
なお、図20Aおよび図20Bでは、理解を容易にするため、傾きθを大きめに表現しているが、実際には傾きθは、図20Bに示すようにステージ22を回転させても、ステージの移動には支障はない程度の角度である。
【0082】
続いて、図21を参照して、座標系が設定された後の記録位置制御部34の処理について説明する。記録位置制御部34は、設定した座標系に基づいて、撮影対象のマークもしくはブラックマトリクスパターンの座標を計算する。但し、本実施形態では、図15を参照して説明したように高倍率カメラ28はステージの移動方向と垂直なゲート29bに30cm間隔で据付けられているため、撮影位置のy座標(ステージ22の移動方向と垂直な方向の座標)は予め固定されている。よって、撮影位置のx座標のみ計算すれば、6つの撮影位置の座標が同時に求まる。計算により求めた座標が示す位置は、撮影位置として設定される(S401)。
【0083】
次に、記録位置制御部34は、ステージ制御部35に対しステージ22の移動を指示し、各高倍率カメラ28が、設定された撮影位置の上方に配置された状態になるようにステージ22を移動方向に移動する(S402)。続いて記録位置制御部34は、撮影制御部36に対し、高倍率カメラ28による撮影を指示する(S403)。
【0084】
次に、記録位置制御部34は、高倍率カメラ28による撮影で得られた画像から、設定した撮影位置に存在するはずのパターンもしくはマークを前述のパターンマッチング処理を繰り返すことにより探索する(S404)。そして、パターンを識別することができたら、そのパターンの予め定めておいた座標(例えばパターンの中心座標)を取得する(S405)。
【0085】
記録位置制御部34は、ステップS401からS405までの処理を、予め定めた全撮影位置についてのパターンもしくはマークの読取が終了するまで繰り返す。
【0086】
次に、図22を参照して、取得された座標値を利用した画像補正処理について説明する。記録位置制御部34は、撮影位置として設定された位置を頂点として定義される領域に記録する領域画像を、領域ごとにメモリに読み込む(S501)。一方で、図21に示した処理により取得された座標に基づいて、その領域画像を記録しようとしている基板上の実際の領域の形状を把握する。そして、実際の領域の形状に合わせて、読み込んだ領域画像を補正する(S502)。すなわち、読み込んだ領域画像を、基板上の、その画像を記録する領域の実際の形状となるように変形あるいは移動する。
【0087】
基板に記録する画像は複数の領域画像に分割されており、また基板上には複数の撮影位置により複数の領域が定義されている。よって、領域画像ごとに、ステップS501とS502の処理を繰り返す。全領域画像について処理が終了したら(S503)、補正後の領域画像を合成して、基板に記録される画像全体を表す1つの画像にまとめる(S504)。その後、記録位置制御34は、露光制御部37に対し合成された画像の基板への記録を指示する。露光制御部37による記録処理は、露光装置の一般的な処理、すなわちCAD/CAMシステムから入力された画像を基板にそのまま記録するときの処理と同様である。
【0088】
以上、カラーフィルター基板製造工程1について説明したが、次に、図1に示したアレイ基板製造工程2について説明する。図23は、アレイ基板製造工程2の詳細を示すフローチャートである。アレイ基板は、透明基板上に図23のフローチャートの各ステップに示される部材を形成することにより製造される。透明基板は、カラーフィルター基板と同様、表面に酸化珪素被膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板またはプラスチックフィルムを用いることができる。
【0089】
図24Aは、主要な部材が形成された状態の基板の上面を示しており、液晶パネルの約1画素分に相当する領域を拡大して示している。図24Bは、図24Aに示される構造のうちTFT構造部をさらに拡大して示した図である。また、図25A、図25B、図25C、図25Dおよび図25Eは、図24Bに示したTFT構造部が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図である。
【0090】
図23に示すように、アレイ基板製造工程2では、まず、透明基板上にゲート電極を形成する(S601)。透明基板50の上に形成されるゲート電極パターン51は、図24Aに示すように平行に並んだ線状パターン上に等間隔に、TFTのソースやドレインとの交差部を設けたパターン形状をしている。
【0091】
ゲート電極パターン51を形成するには、まず、スパッタリングにより、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)などの金属を、膜厚250〜300nmとなるように透明基板50上に成膜する。
【0092】
続いて、その金属膜上に感光性レジストを塗布し、レジスト材料に応じた適切な温度でベーキングを行い(プリベーク)、露光装置31を用いて上記パターン形状にレジスト層を露光する。露光後の基板を現像すると、露光された部分がパターンとして基板上に残る。このレジストパターンを、再度ベーキングを行なって(ポストベーク)基板上に固定する。
【0093】
そして、固定されたレジストパターンをエッチングマスクとして、レジストパターンの下にある金属膜をエッチングし、最後に剥離液処理やアッシングなどによりレジストを剥離する。図25Aは、以上の工程により透明基板50の上にゲート電極パターン51を形成した後のTFT構造部の断面を表している。
【0094】
次に、ステップS602および図25Bに示すように、窒化シリコン(SiNx)からなる膜厚300〜400nmのゲート酸化膜55と、アモルファスシリコン(α-Si)からなる膜厚200〜300nmの半導体膜56と、窒化シリコン(SiNx)からなるチャネル部57を形成する。チャネル部57は、半導体膜56上に、膜厚200nmの窒化シリコン膜を、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリングにより形成し、ゲート電極パターン51の形成工程と同様、その上に感光性レジストを塗布し、露光装置31を用いてレジスト層をパターン形状に露光・現像し、レジストパターンをエッチングマスクとして窒化シリコンをエッチングすることにより形成する。図25Bは、チャネル部57形成後のTFT構造部の断面を示している。
【0095】
本実施形態では、チャネル部57を形成する際に、露光装置31により前述のような記録位置の制御を行ない、チャネル部57と下層のゲート電極パターン51とが、図24Aおよび図24Bに示すような位置関係で精度よく配置されるようにしている。
【0096】
次に、TFTを構成するドレインおよびソースを形成する(S603)。ステップS603では、まず、TFT構造を形成する領域に、上記半導体膜57のパターンやその下の半導体膜56を覆うように、N+型のアモルファスシリコン(α-Si)層58およびN+型微結晶シリコン(μc-Si)層59を膜厚の合計が40〜50nmとなるように成膜し、その上に、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)などの金属膜を成膜する。さらに、その金属膜の上に、後続のコンタクトホール形成工程でエッチングストップ層として機能する層61を形成する。そして、ゲート電極パターン51の形成工程と同様、層61上に感光性レジストを塗布し、露光装置31を用いてレジスト層をパターン形状に露光・現像し、レジストパターンをエッチングマスクとして、層61、金属膜、層58および層59をエッチングする。これにより、図24Aおよび図24Bに示すようなソース52およびドレイン53のパターンを基板上に形成する。図25Cは、ソースおよびドレイン形成後のTFT構造部の断面を示している。
【0097】
なお、本実施形態では、ソース52およびドレイン53を形成する際に、露光装置31により前述のような記録位置の制御を行ない、ソース52およびドレイン53のパターンと下層のゲート電極パターン51とが、図24Aおよび図24Bに示すような位置関係で精度よく配置されるようにしている。
【0098】
続いて、保護膜とコンタクトホールを形成する(S604)。保護膜とコンタクトホールは、まずソース52およびドレイン53の上に保護膜の材料となる窒化シリコン(SiNx)をCVD法などにより膜厚が300nm以下となるように堆積する。その上に上記ゲート電極パターン形成工程と同様、露光および現像によりレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ドレイン上の一部領域をエッチングしてコンタクトホール54を形成するとともに、基板の周辺部分をエッチングして下層の端子を露出させる。この際、前述の層61がエッチングストップ層として機能する。図25Dは、保護膜62およびコンタクトホール54形成後のTFT構造部の断面を示している。
【0099】
なお、図24Bに示すように、コンタクトホール54はドレイン53の上部に形成される必要がある。このため、本実施形態では、保護膜およびコンタクトホールを形成する際にも、露光装置31により前述のような記録位置の制御を行なっている。
【0100】
最後に、画素電極を形成する(S605)。画素電極63は、ITOをスパッタリングにより堆積し、ゲート電極パターン形成工程と同様、露光および現像によりレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、エッチングによりパターンニングする。図25Eは、画素電極63形成後のTFT構造部の断面を表している。画素電極63を形成する際も、露光装置31による記録位置制御を行なう。
【0101】
図26に示すフローチャートは、アレイ基板製造工程2における各部材の形成工程のうち、記録位置制御を行なう工程、具体的には、チャネル部57、ソース52、ドレイン53、コンタクトホール54を形成する工程に共通な処理を示すフローチャートである。
【0102】
まず、パターンが形成された基板を洗浄する(S701)。続いて、形成する部材の材料をCVD法やスパッタリングにより基板上に成膜する(S702)。その後、その膜上に感光性レジストを塗布し(S703)、レジスト材料に応じた適切な温度でベーキングを行う(プリベーク:S704)。
【0103】
その後、下層に形成されているパターンと、これから形成するパターンとの位置を合わせるために、基板の読取り(S705)と、画像の補正(S706)を行なう。これらの処理の内容およびこれらの処理に使用する露光装置31の構成はカラーフィルター基板製造工程1の説明の中で示したとおりであるが、アレイ基板製造工程2では、カラーフィルター基板製造工程1と異なり、光透過性がない材料を成膜する工程がある。
【0104】
具体的には、感光性レジスト、ゲート絶縁膜、保護膜および透明電極は光透過性を有するが、ゲート電極、ソース、ドレインなどの金属とアモルファスシリコンは、光透過性を有さない。例えば、チャネル部57の形成工程では、チャネル部57をパターンニングする層の下にはアモルファスシリコンの層があるため、図17に示した落下照明による撮影画像から、ゲート電極パターン51を識別することは難しい。
【0105】
そこで、アレイ基板製造工程2では、図27の矢印が示すようにパターンの斜め上方から照明光をあてて、撮影画像においてパターンのエッジの段差が陰影として浮かび上がるようにする。これにより、撮影画像から、ゲート電極パターン51相当の形状を識別することができ、カラーフィルター基板製造工程1の場合と同様のパターンの位置あわせを実現することができる。
【0106】
画像を補正したら、次に塗布したレジストを補正された画像に描かれているパターン形状に露光する(S707)。チャネル部57、ソース52、ドレイン53を形成するときは、露光・現像後にそれらのパターン形状にレジストが残るように露光し、コンタクトホール54を形成するときは露光・現像後に穴形状にレジストが残らない部分ができるように露光する。そして、露光後の基板を現像し(S708)、現像後基板上に残ったレジストパターンを、再度ベーキングを行って(ポストベーク)基板上に固定する(S709)。
【0107】
続いて、固定されたレジストパターンをエッチングマスクとして、ステップS702で成膜した層をエッチングする(S710)。最後に、レジストを剥離して基板を洗浄することにより、部材が形成される(S711)。
【0108】
以上、アレイ基板製造工程2について説明したが、最後に、図28を参照して、図1に示した液晶セル製造工程3について説明する。液晶セル製造工程3では、カラーフィルター基板およびアレイ基板に液晶をセル内に保持するための接着剤(シール材)を塗布する(S801、S804)。続いて、ショートディスペンス工程(S802)において、カラーフィルター基板の電極とアレイ基板の電極とを電気的に接続するための導電性ペーストを塗布する。
【0109】
その後、カラーフィルター基板側のカラーフィルター構造が形成された領域に液晶を滴下し、(S803)、カラーフィルター基板とアレイ基板を貼り合わせる(S805)。基板の貼りあわせは、各々の基板に形成されたアラインメントマーク(図2に例示したマーク6など)同士を合わせることで、TFTアレイとカラーフィルターとが精度よく重なり合うようにし、加圧および紫外線照射により仮止めをする。その後、さらなる加圧もしくは紫外線照射により、シール材を熱硬化させる(S806)。この際、2枚の基板の距離、すなわちセルギャップは、カラーフィルター基板上に形成されたスペーサ12により高精度に制御される。
【0110】
続いて、貼りあわされた基板を、製品パネルのサイズに分断する(S807)。具体的には、ガラス表面に分断する線に沿った傷をつけ、圧力衝撃を与えて基板を割る。さらに、セルを一旦加熱し、その後冷却することにより、良好な配向を得る(S808)。最後にセル上に偏光板を置き、ローラーで加圧して貼りつければ(S809)、液晶パネルが完成する。
【0111】
以上に説明した液晶パネルの製造工程では、前述のとおり、基板を構成する各部材を形成するときに、基板上の複数の箇所を撮影して、その箇所にあるべきマークやパターンの実際の位置座標を取得し、その位置ずれに合わせてその基板上に露光記録する画像を変形あるいは移動する。このため、カラーフィルター基板製造工程において、ブラックマトリクス上に形成すべきスペーサは、ブラックマトリクスの細線化が進んだとしてもブラックマトリクス上に精度よく配置することができる。また、スペーサと重なって形成されると困る液晶配向制御材も、スペーサと重なることなく精度よく配置することができる。さらには、アレイ基板製造工程においても、ゲート電極の上部に配置されるべきチャネル部、ゲート電極と所定の位置関係で配置されるべきソースおよびドレイン、ドレイン上に形成されるべきコンタクトホールなどの配置位置を高精度に制御することができる。
【0112】
また、製品のパネルサイズが大型化すると、基板端部に形成するアラインメントマークの間隔を広くせざるを得ないため、アラインメントマークによる位置あわせだけでは十分な精度を確保できない場合もあるが、本実施形態の方法では、位置あわせを目的として基板端部に形成されるアラインメントマークのみならず、カラーフィルター基板のブラックマトリクスやアレイ基板のゲート電極などを識別することにより、アラインメントマークの設置間隔によらず、小さな領域を単位として位置あわせを行なうことができる。このため、製品のパネルサイズが大きくなっても、また製造工程で取り扱う透明基板のサイズが大きくなっても、適切なサイズの領域を単位として位置あわせを行ない、パターン同士の位置関係を高い精度で調整することができる。
【0113】
なお、当業者であれば上記実施形態の種々の変形例を考え得ると思われるが、上記実施の形態と異なる方法であっても特許請求の範囲に記載された手順を含む方法は、すべて本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
【0114】
例えば、上記実施形態では、基板端部のマーク読取には低倍率カメラ27、ブラックマトリクスなどの部材のパターンの読取には高倍率カメラ28を用いることとしており、また各種類のカメラがそれぞれ複数台設置されているが、1台の移動可能なカメラを移動させながら、さらには倍率を変更しながら、必要な箇所の撮影を行なうようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】液晶パネルの製造工程の概要を示す図
【図2】カラーフィルター基板の例を示す図
【図3】カラーフィルター基板製造工程の詳細を示すフローチャート
【図4A】ブラックマトリクス形成工程後の基板の上面の一部を拡大して示した図
【図4B】図4Aに対応する断面図
【図5A】R画素パターン形成工程後の基板の上面の一部を拡大して示した図
【図5B】図5Aに対応する断面図
【図6A】全着色画素パターン形成工程後の基板の上面の一部を拡大して示した図
【図6B】図6Aに対応する断面図
【図7A】配向制御部材形成工程後の基板の上面の一部を拡大して示した図
【図7B】図7Aに対応する断面図
【図8】ブラックマトリクス形成工程を示すフローチャート
【図9】各部材の形成工程を示すフローチャート
【図10】読取対象基板上に形成されたパターンと撮影位置の関係を例示した図
【図11】パターンの位置ずれについて説明するための図
【図12】ブラックマトリクスパターンにより定義される領域を単位として行なう画像補正処理について説明するための図
【図13】アラインメントマークにより定義される領域を単位として行なう画像補正処理について説明するための図
【図14】画像の補正を行うことによる効果を説明するための図
【図15】露光装置の概略構造を示す図(上方から見た図)
【図16】露光装置の概略構造を示す図(横方向から見た図)
【図17】高倍率カメラによる撮影時の照明について説明するための図
【図18】露光装置の制御部の詳細を示す図
【図19】記録位置制御のための初期化処理を示すフローチャート
【図20A】基板の設置向きの判定方法について説明するための図
【図20B】基板の設置向きの調整方法について説明するための図
【図21】記録位置制御のための画像読取処理を示すフローチャート
【図22】記録位置制御のための画像補正処理を示すフローチャート
【図23】アレイ基板製造工程の詳細を示すフローチャート
【図24A】TFTを構成する主要な部材が形成された状態の基板の上面を示す図
【図24B】図24AのTFT構造部の拡大図
【図25A】図24Bに示した部分が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図
【図25B】図24Bに示した部分が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図
【図25C】図24Bに示した部分が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図
【図25D】図24Bに示した部分が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図
【図25E】図24Bに示した部分が形成されるまでの各過程における基板の断面を示す図
【図26】アレイ基板製造工程における記録位置制御処理を示すフローチャート
【図27】光透過性がない層を撮影するときの照明について説明するための図
【図28】液晶セル製造工程の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
【0116】
4 カラーフィルター基板、 5 カラーフィルター構造、 6a〜6i マーク、
7 透明基板、 8 ブラックマトリクスパターン、 9 R画素パターン、
10 G画素パターン、 11 B画素パターン、 12 スペーサ、 13 保護膜、
14 透明電極、 15 配向制御部材、 16a〜16d 撮影位置、
17 実際の位置
20 設置台、 21 ガイド、 22 ステージ、 23 基板、 24 支柱、
25 スキャナ、 26 支持体、 27 低倍率カメラ、 28 高倍率カメラ、
29 ゲート、 31 露光装置、
51 ゲート電極パターン、 52 ソース、 53 ドレイン、 54 コンタクトホール、 57 チャネル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルを構成する少なくとも1種の構造部材を、
基板上に存在する複数の対象を該基板の撮影画像から読み取って該各対象の位置座標を取得する基板読取ステップと、
前記構造部材のパターン形状を表す画像であって前記複数の対象の位置により特定される領域に記録する領域画像を、前記基板読取ステップにおいて取得された位置座標に基づいて補正する画像補正ステップと、
前記画像補正ステップにおいて補正された領域画像を構成する各画素の値に基づいて、基板を走査する光ビームをオン/オフ制御することにより、前記基板読取ステップにおいて取得した位置座標により特定される領域に、前記画像補正ステップにより補正された領域画像を記録する画像記録ステップとを含む工程により形成することを特徴とする液晶パネル製造方法。
【請求項2】
前記基板読取ステップにおける読取りの対象が、液晶パネルの表示部を構成する構造部材であることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル製造方法。
【請求項3】
前記構造部材が、カラーフィルター基板上に形成される柱状のスペーサであることを特徴とする請求項1または2記載の液晶パネル製造方法。
【請求項4】
前記構造部材が、カラーフィルター基板上に形成される液晶配向制御材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の液晶パネル製造方法。
【請求項5】
前記構造部材が、アレイ基板上に形成される薄膜トランジスタのチャネル部であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の液晶パネル製造方法。
【請求項6】
前記構造部材が、アレイ基板上に形成される薄膜トランジスタのソース部および/またはドレイン部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の液晶パネル製造方法。
【請求項7】
前記構造部材が、アレイ基板上に形成される薄膜トランジスタのコンタクトホール部であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の液晶パネル製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−337696(P2006−337696A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162006(P2005−162006)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【復代理人】
【識別番号】100118614
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 万里
【Fターム(参考)】