液晶表示装置の製造方法及び液晶滴下装置
【課題】滴下注入法によって液晶が注入される液晶表示装置の製造方法において、輝度むらの発生が防止され、従来よりも表示性能が優れた液晶表示装置の製造方法及びその製造方法で使用する液晶滴下装置を提供する。
【解決手段】液晶滴下工程において、基板上に液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることにより、基板を貼り合わせて液晶セル内に液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位における不純物濃度を30ppm以下とする。この液晶滴下工程では、複数の吐出口63a〜63dを備えた分岐ノズル63を有する液晶滴下装置が使用され、1回の吐出で基板10上の複数の箇所に液晶30が同時に滴下される。
【解決手段】液晶滴下工程において、基板上に液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることにより、基板を貼り合わせて液晶セル内に液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位における不純物濃度を30ppm以下とする。この液晶滴下工程では、複数の吐出口63a〜63dを備えた分岐ノズル63を有する液晶滴下装置が使用され、1回の吐出で基板10上の複数の箇所に液晶30が同時に滴下される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の製造方法及び液晶滴下装置に関し、特に滴下注入法で液晶を基板に供給する液晶表示装置の製造方法と、その製造方法で使用する液晶滴下装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、薄型軽量であると共に、低電圧で駆動できて消費電力が低いという特徴があり、様々な用途に利用されている。このような幅広い需要により液晶表示装置に対する要望も多様化している。その中で、表示性能の向上や低価格化が強く要望されている。
【0003】
通常、液晶表示装置は、画素電極、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等が設けられたTFT基板と、対向電極、カラーフィルタ、スペーサ等が設けられた対向基板との間に液晶が封入されて基本構成されている。
【0004】
TFT基板と対向基板との間に封入される液晶を注入する方法としては、真空注入法や滴下注入法がある。滴下注入法は、真空注入法に比べて作業時間を短縮できるという利点があり、安定した表示性能と高い生産性とを実現することができる。
【0005】
以下、滴下注入法によりTFT基板と対向基板との間に封入される液晶を注入する方法について説明する。滴下注入法では、まず、TFT基板を洗浄した後に、TFT基板上にポリミイド膜を印刷法により塗布した後に、ポリイミド膜を本硬化させて配向膜を得る。また、同様な方法により、対向基板上にも配向膜を形成する。
【0006】
次に、TFT基板の表示領域を囲むようにシール剤を選択的に形成する。
【0007】
次に、ディスペンサのノズルから液晶をTFT基板に吐出させてTFT基板上に液晶を滴下する。さらに、ディスペンサを所定距離移動させて滴下位置を変えてから、再び液晶をディスペンサのノズルから吐出する。このような動作を繰り返すことにより、図1に示すように、所定間隔の碁盤目状に配置された液晶101がTFT基板100上に形成される。
【0008】
その後、真空雰囲気でTFT基板と対向基板とを位置合わせした状態でシール剤により貼り合わせる。これにより、TFT基板上に滴下された液晶が、TFT基板、対向基板及びシール剤に囲まれた空間内に広がる。また、TFT基板と対向基板との間隔は、対向基板側に設けられたスペーサにより一定に維持される。このようにして、TFT基板と対向基板との間に液晶が封入される。
【0009】
上記したような滴下注入法により液晶を注入する方法は、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平5−232481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記したような滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置では、駆動したときの表示画像において、滴下された液晶が基板間で水平方向に拡散して液晶同士が衝突する部位に格子状の輝度むら(色の濃淡) が発生することがある。
【0011】
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、滴下注入法によって液晶が注入される液晶表示装置の製造方法において、輝度むらの発生が防止され、従来よりも表示性能がより優れた液晶表示装置の製造方法、及び、その製造方法で使用する液晶滴下装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題は、液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法により解決する。
【0013】
また、上記した課題は、基板を載置するステージと、前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置により解決する。
【0014】
本願発明者は、滴下注入法で液晶が注入された液晶表示装置を駆動したときに表示画面に発生する格子状の輝度ムラを防止するために鋭意研究した。その結果、一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより基板上の複数の箇所に滴下された液晶を液晶セル内で拡散させたときに、液晶同士が衝突する部位の不純物濃度が30ppm以下となるときに輝度ムラが発生しないことを見出した。
【0015】
従って、本願の液晶表示装置の製造方法では、例えば液晶を基板に滴下する工程で液晶を滴下する間隔を15mm以下としている。これにより、液晶が拡散したときに液晶が他の液晶と衝突するまでに取り込む不純物の量が少なくなるので、液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることができる。
【0016】
しかしながら、液晶を滴下する間隔を15mm以下と小さくした場合には、液晶を滴下する回数が増えてしまい、処理時間が長くなってしまうことがある。また、この場合には、1回に滴下する液晶の量を少なくする必要もあるので、ディスペンサの制御が困難となる。
【0017】
そこで、本願発明者は、液晶の吐出量を制御可能なディスペンサに接続され、先端部に液晶が吐出される複数の吐出口を備えたノズルを有する液晶滴下装置を考案した。この液晶滴下装置では、基板上の複数の箇所に液晶を同時に滴下することができるので、液晶を滴下する間隔を小さくした場合でも液晶を滴下する回数を抑えることができる。また、ノズルの各吐出口から吐出される液晶の量を少なくした場合でもディスペンサから1回に吐出される液晶の量は少なくならないので、ディスペンサの制御が容易となる。このように、この液晶滴下装置によって本願の液晶表示装置の製造方法を容易に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態を説明する前に、滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置で格子状の輝度むらが発生する原因について説明する。
【0019】
本願発明者は、滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置について鋭意研究した結果、液晶セル内の不純物が不均一に分布することに起因して格子状の輝度ムラが発生することを見出した。なお、このような不純物は、例えば、フタル酸ジエチルなどのフタル酸誘導体であった。フタル酸誘導体の他でも極性の高い化学物質ほど輝度ムラが発生しやすい。
【0020】
すなわち、図2(a)に示すように、貼り合わせ前の基板1上にはほぼ均一な分布で不純物4が付着している。また、この基板1上には一定の間隔(図2(a)では30mm)で液晶3が滴下されている。そして、図2(b)に示すように、基板1,2を貼り合わせると、基板1上に滴下された液晶3が液晶セル5の空間内に広がる。このとき、基板上の不純物4が液晶3に取り込まれて液晶3が広がる方向に移動し、液晶3と液晶3とが衝突する部位Aに集められる。この結果、液晶セル5内には不純物4が集まっている部分、つまり不純物濃度の高い部分が格子状に形成される。この不純物濃度の高い部分とそれ以外の不純物濃度の低い部分とが、液晶表示装置を駆動したときに液晶セル5内での保持率及び残留DCの不均一さとなって、表示画面に格子状の輝度ムラが発生する。
【0021】
このため、基板上の不純物を完全に除去すれば、液晶セル内では不純物濃度の差が生じないので、輝度ムラは発生しないと考えられる。しかしながら、基板上の不純物を完全に除去することは極めて困難であり、基板洗浄時間を長くしたり、基板の放置時間を極力少なくしたとしても解決できるものではない。
【0022】
そこで、本願発明者は、不純物濃度の高い部分の濃度を低くして、不純物濃度の高い部分と不純物濃度の低い部分との濃度差を小さくすることにより輝度ムラの発生を抑制することを考え、基板上に液晶を滴下する間隔に着目した。
【0023】
すなわち、図3(a)に示すように、液晶を滴下する間隔を小さくすることにより、基板1上に滴下された液晶3の間隔(図3(a)では15mm)が小さくなれば、図3(b)に示すように、基板1,2を貼り合わせて液晶3が液晶セル5内で広がったときに、液晶3が他の液晶3と衝突するまでに取り込む不純物4の量は少なくなるので、液晶同士が衝突する部位Aに集められる不純物4の量も少なくなる。この結果、不純物4が集まっている部分の不純物濃度が低くなるので、液晶表示装置を駆動したときに発生する輝度ムラは抑制される。
【0024】
このため、本願発明者は、液晶を滴下する間隔を種々変えて格子状の輝度ムラの発生状況を調べる実験を行った。この実験結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示すように、液晶を滴下する間隔が15mmより大きい場合には格子状の輝度ムラが発生し、15mm以下の場合には輝度ムラは発生しなかった。また、液晶を滴下する間隔が30mmのときの輝度ムラの幅は約5mmであり、同じく20mmのときは約3.5mmであった。
【0027】
この実験の結果、液晶を滴下する間隔が小さいほど格子状の輝度ムラが発生しにくく、また輝度ムラが発生した場合でもその幅が狭くなることが判明した。つまり、液晶を滴下する間隔に起因する液晶同士が衝突する部位の不純物濃度がある値より高くなったときに輝度ムラが発生するといえる。
【0028】
しかしながら、液晶セル内の特定部位における不純物濃度を測定することは困難である。これは、液晶セル内の不純物が液晶中に溶け込んでいるのではなく、液晶と基板との界面に存在するからである。
【0029】
そこで、本願発明者は、基板を貼り合わせる前の基板上の総不純物量(不純物濃度)を予め測定しておき、基板を貼り合わせて液晶が液晶セル内に広がったときの液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を液晶を滴下する間隔(基板上に滴下された液晶間の距離)を変えて算出した。このとき、(液晶同士が衝突する部位の不純物濃度)=(A*B*c)/r*(A+B−r)とした。但し、Aは横方向(基板面の水平方向)の液晶間の距離(mm)であり、Bは縦方向(基板面の垂直方向)の液晶間の距離(mm)であり、cは貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)であり、及び、rは輝度ムラの幅(mm)である。
【0030】
まず、基板を貼り合わせる前の基板上の不純物濃度を測定したところ、液晶セル領域において約10ppmであった。次に、この結果に基づき、上記した式によって液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を算出すると、横方向及び縦方向の液晶間の距離がそれぞれ30mmのときは37.2ppmとなり、20mmのときは31.3ppmとなった。液晶間の距離が15mmのときには輝度ムラは発生しなかったが、仮に輝度ムラが発生したとし、その幅を3mmとして不純物濃度を算出すると27.8ppmとなった。
【0031】
この結果によれば、輝度ムラが発生するときの不純物濃度のしきい値は約30ppmであるといえる。すなわち、(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)が満たされるときに輝度ムラが発生しないといえる。
【0032】
このように、輝度ムラが発生する要因として、基板上の不純物量、液晶間の距離及び輝度ムラの幅が挙げられる。これらのうち、輝度ムラの幅は液晶表示装置の製造条件などによっても変化する。また、基板上の不純物を完全に除去することは極めて困難である。但し、安定した製造条件においては基板上の不純物量はほぼ一定となる。従って、液晶間の距離を小さくすること、すなわち液晶を滴下する間隔を小さくすることが輝度ムラの発生を防止するのに最も効果的であるといえる。表1に示す実験結果によれば、液晶を滴下する間隔を15mm以下にすると輝度ムラは発生しない。
【0033】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0034】
図4〜図10は本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図である。ここでは、MVA(Multi-domain Vertical Alignment )型液晶表示装置の製造方法を例にして説明する。
【0035】
まず、2枚のガラス基板を用意し、TFT基板となる一方のガラス基板にそれぞれゲートバスライン、データバスライン、TFT、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電体からなる画素電極等を形成する。そして、ガラス基板を洗浄してから、この基板上にポリミイド溶液を印刷法により塗布して配向膜を形成する。その後、80℃の温度で1分間の条件でプリベークを行ってから、190℃の温度で10分間の条件で本ベークを行って配向膜を硬化させる。このようにして、TFT基板が完成する。
【0036】
また、対向基板となる他方のガラス基板にそれぞれカラーフィルタ、ITO等の透明導電体からなるコモン電極、ドメイン規制用の突起、セルギャップを一定するための柱状スペーサ等を形成する。そして、ガラス基板を洗浄してから、この基板上にポリミイド溶液を印刷法により塗布して配向膜を形成する。その後、TFT基板と同様の条件でプリベーク及び本ベークを行って配向膜を硬化させる。このようにして、対向基板が完成する。
【0037】
次に、図4に示すように、TFT基板10の上に紫外線硬化型の樹脂(シール剤)を塗布し、液晶表示装置の表示領域を囲むシール18を形成する。
【0038】
そして、TFT基板10の上に垂直配向型液晶30を滴下する。図5(a)に示すように、まず、液晶滴下装置40のステージ41の上にTFT基板10を載せる。次に、精密ディスペンサ42のノズル43からTFT基板10のシール18が形成された領域の内側に向けて液晶30を0.5mg吐出する。これにより、液晶30がTFT基板10上に滴下される。1回の吐出が終わると、精密ディスペンサ42を横方向(TFT基板10面の水平方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び精密ディスペンサ42から0.5mgの液晶30を吐出する。横方向の1列分の滴下が終わると、精密ディスペンサ42を縦方向(TFT基板10面の垂直方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び横方向の滴下を行う。このような動作を繰り返すことにより、図5(b)に示すように、TFT基板10上には15mm間隔の碁盤目状に配置された液晶30が形成される。なお、図5(b)ではシール18の図示を省略している。
【0039】
その後、図6に示すように、貼り合わせ装置50の下側の定盤51にTFT基板10を取り付け、上側の定盤52に対向基板20を取り付ける。
【0040】
次に、図7に示すように、貼り合わせ装置50のチャンバ内を排気して真空にする。そして、図示しないカメラを使用して上側の対向基板20と下側のTFT基板10との位置合わせを行う。基板10,20の位置合わせは、それぞれの基板10,20に設けられた位置合わせマークを目印にして行う。
【0041】
次に、図8に示すように、定盤51,52を相互に近づけて、シール剤により基板10,20を仮接合する。これにより、シール18の内側に液晶30が広がり、基板10,20及びシール18で囲まれた空間に液晶30が密封される。
【0042】
次に、図9に示すように、貼り合わせ装置50のチャンバ内に大気を導入して、チャンバ内を大気圧にする。これにより、大気圧により上側の対向基板20が下側のTFT基板10に押し付けられ、スペーサにより決まる一定のセルギャップに維持される。以下、基板10,20を接合してなる構造物を液晶セル31と呼ぶ。
【0043】
次いで、液晶セル31を貼り合わせ装置50から取り出し、図10に示すように、紫外線ランプ55の光で照射してシール剤を硬化させる。その後、液晶セル31を一対の偏光板で挟んで、液晶表示装置が形成する。
【0044】
このように、本実施形態においては、液晶滴下工程での液晶を滴下する間隔を15mmとすることにより、貼り合わせ工程で液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下としている。このため、液晶表示装置を駆動したときに表示画面には格子状の輝度ムラは発生しない。
【0045】
なお、本実施形態においては、液晶30を滴下する間隔を15mmとしているが、15mm以下で適宜調整すればよい。また、基板上の不純物量や液晶表示装置の製造条件等に応じて液晶30を滴下する間隔を調整してもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、TFT基板10の上に液晶30を滴下しているが、対向基板20の上に液晶30を滴下するようにしてもよい。
【0047】
更に、本実施形態においては、1回の精密ディスペンサ42からの吐出量を同じにして液晶30を滴下しているが、1回の吐出量をそれぞれ変えて液晶30を滴下するようにしてもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0049】
第2の実施形態の製造方法が第1の実施形態と異なる点は液晶滴下工程にあり、その他の工程については第1の実施形態と同じであるので、ここではその他の工程についての説明を省略する。
【0050】
第1の実施形態においては、液晶を滴下する間隔を15mm以下としている。しかしながら、液晶を滴下する間隔を小さくすると、液晶を滴下する回数が増えてしまい、処理時間が長くなってしまうことがある。例えば、液晶を滴下する間隔を15mmとした場合と、液晶を滴下する間隔を30mmとした場合とを比較すると、前者の場合の滴下回数は後者の場合の4倍となる。
【0051】
また、第1の実施形態においては、1回に滴下する液晶の量を0.5mgとしている。一般的に、精密ディスペンサでは1回の吐出量が少なくなるほど液晶の吐出量を精密に制御することが困難となる。特に1回の吐出量が1.0mgより少なくなると、吐出する毎に液晶の吐出量が変化してしまい、基板上に滴下された液晶の量にばらつきが生じてしまうことがある。なお、上述した液晶を滴下する間隔を30mmとした場合では、液晶を滴下する回数が第1の実施形態の1/4となるので、1回に滴下する液晶の量は2.0mgとなる。
【0052】
そこで、本願発明者は、1回の吐出で複数の箇所に同時に液晶を滴下することが可能、且つ、液晶の吐出量の制御が容易な液晶滴下装置を考案した。
【0053】
図11は、本発明の第2の実施形態の液晶滴下装置の構成を示す図である。
【0054】
図11に示すように、本実施形態の液晶滴下装置60は、基板10を載置するステージ61と、ステージ61の上方に配置され、液晶30が充填される精密ディスペンサ62と、精密ディスペンサ62の下部に取り付けられた分岐ノズル63とにより基本構成されている。分岐ノズル63は先端部に4つの吐出口63a〜63dを備えており、これらの吐出口63a〜63dのそれぞれから液晶30が吐出される。これらの吐出口63a〜63dは15mm間隔で直線状に配置されている。また、吐出口63a〜63dの内径は全て同じ大きさとなっている。例えば精密ディスペンサ62から吐出口63a〜63dに分岐するまでの分岐ノズル63の内径を1としたとき、吐出口63a〜63dの内径はいずれも0.5となっている。
【0055】
精密ディスペンサ62では、液晶30を吐出する量を調整したり、ステージ61上の基板10に対して液晶30を滴下する位置を変えたりするなどの動作が制御可能となっている。
【0056】
第2の実施形態の液晶表示装置の製造方法においては、液晶滴下工程で液晶滴下装置60を使用する。
【0057】
液晶滴下工程において、図11に示すように、まず、液晶滴下装置60のステージ61の上にTFT基板10を載せる。次に、精密ディスペンサ62の分岐ノズル63からTFT基板10のシール18が形成された領域の内側に向けて液晶30を2.0mg吐出する。このとき、液晶30は各吐出口63a〜63dから同時に0.5mgづつ吐出されて、TFT基板10上には液晶30が直線状に4箇所(例えばTFT基板10面の垂直方向に4箇所)に滴下される。1回の吐出が終わると、精密ディスペンサ62を横方向(TFT基板10面の水平方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び精密ディスペンサ62から2.0mgの液晶30を吐出する。横方向の滴下が終わると、精密ディスペンサ62を縦方向(TFT基板10面の垂直方向)に60mm移動して滴下位置を変えてから、再び横方向の滴下を行う。このような動作を繰り返すことにより、図12に示すように、TFT基板10上には、図5(b)に示す液晶30の配置と同様の15mm間隔の碁盤目状に配置された液晶30が形成される。なお、図12ではシール18の図示を省略している。
【0058】
このように、本実施形態においても、液晶滴下工程での液晶を滴下する間隔を15mmとすることにより、貼り合わせ工程で液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下としているので、液晶表示装置を駆動したときに表示画面には格子状の輝度ムラは発生しない。
【0059】
また、本実施形態においては、1回の吐出で同時に4つの吐出口63a〜63dから液晶30を吐出しているので、第1の実施形態よりも液晶30を滴下する回数が減り、液晶滴下工程の処理時間が短くなる。
【0060】
更に、本実施形態では、分岐ノズル63の吐出口63a〜63dからの吐出量をそれぞれ制御しているのではなく、第1の実施形態と同様に精密ディスペンサ62の吐出量のみを制御している。また、本実施形態では、1回の精密ディスペンサ62の吐出量は2.0mgであり、第1の実施形態における1回の精密ディスペンサ42の吐出量(0.5mg)よりも多い。このため、本実施形態においては、第1の実施形態よりも液晶30の吐出量の制御が容易となる。また、本実施形態においては、液晶30を滴下する回数を減らすために、例えば1回の吐出量が0.5mgの精密ディスペンサを4つ備えるよりも簡単な構成となる。
【0061】
以上より、本実施形態においては、第1の実施形態よりも本発明の液晶表示装置の製造方法を容易に遂行することができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、分岐ノズル63は4つの吐出口63a〜63dを備えているが、吐出口を2つ以上備えていればよい。また、本実施形態においては、分岐ノズル63は直線状に15mm間隔で配置された吐出口63a〜63dを備えているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、四角形状に15mm間隔で配置された吐出口65a〜65dを備えた分岐ノズル65としてもよい。更に、直線状又は四角形状に15mm以下の間隔で配置された複数の吐出口を備えた分岐ノズルとしてもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、分岐ノズル63の吐出口63a〜63dの内径を全て同じにすることにより各吐出口63a〜63dからの吐出量を同じにしているが、吐出口63a〜63dの内径をそれぞれ変えることにより各吐出口63a〜63dからの吐出量をそれぞれ異なるようにしてもよい。
【0064】
上述した第1及び第2の実施形態は、本発明をMVA型液晶表示装置の製造に適用した例について説明したが、本発明はMVA型液晶表示装置の製造方法に限定されるものではない。本発明は、VA(Vertical Alignment)型又はTN(Twisted Nematic)型などの各種の液晶表示装置の製造に適用することができる。
(付記1) 液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、
前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記2) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を調整することにより、前記液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記3) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記4) 前記液晶を滴下する工程において、下記の関係式を満たすように前記液晶を滴下する間隔を調整することを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)
但し、
A:横方向の液晶間の距離(mm)、
B:縦方向の液晶間の距離(mm)、
c:貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)、
r:輝度ムラの幅(mm)
(付記5) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を前記複数の箇所のうちの2つ以上の箇所に同時に滴下することを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記6) 基板を載置するステージと、
前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、
前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、
前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置。
(付記7) 前記複数の吐出口の間隔は15mm以下であることを特徴とする付記6に記載の液晶滴下装置。
(付記8) 前記複数の吐出口は一定間隔で配置されていることを特徴とする付記6に記載の液晶滴下装置。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、従来の基板上に滴下された液晶の配置の一例を示す図である。
【図2】図2は格子状の輝度ムラが発生する原因を説明する図であり、図2(a)は基板を貼り合わる前の基板上の不純物の分布及び液晶の配置を示す図であり、図2(b)は基板を貼り合わせた後の不純物の分布を示す図である。
【図3】図3は本発明に係る格子状の輝度ムラの発生を抑制する原理を説明する図であり、図3(a)は基板を貼り合わる前の基板上の不純物の分布及び液晶の配置を示す図であり、図3(b)は基板を貼り合わせた後の不純物の分布を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その1)である。
【図5】図5は本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その2)であり、図5(a)は液晶滴下装置のステージに基板を載置したときの状態を示す図であり、図5(b)は基板上に滴下された液晶の配置を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その3)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その4)である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その5)である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その6)である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その7)である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施形態の液晶滴下装置の構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法(液晶滴下工程)を示す図であり、基板上に滴下された液晶の配置を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施形態の他の液晶滴下装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0066】
1、2…基板、
3、30…液晶、
4…不純物、
5、31…液晶セル、
10…TFT基板、
18…シール、
20…対向基板、
40、60…液晶滴下装置、
41、61…ステージ、
42、62…精密ディスペンサ、
43…ノズル、
63、65…分岐ノズル、
63a〜63d、65a〜65d…吐出口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の製造方法及び液晶滴下装置に関し、特に滴下注入法で液晶を基板に供給する液晶表示装置の製造方法と、その製造方法で使用する液晶滴下装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、薄型軽量であると共に、低電圧で駆動できて消費電力が低いという特徴があり、様々な用途に利用されている。このような幅広い需要により液晶表示装置に対する要望も多様化している。その中で、表示性能の向上や低価格化が強く要望されている。
【0003】
通常、液晶表示装置は、画素電極、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等が設けられたTFT基板と、対向電極、カラーフィルタ、スペーサ等が設けられた対向基板との間に液晶が封入されて基本構成されている。
【0004】
TFT基板と対向基板との間に封入される液晶を注入する方法としては、真空注入法や滴下注入法がある。滴下注入法は、真空注入法に比べて作業時間を短縮できるという利点があり、安定した表示性能と高い生産性とを実現することができる。
【0005】
以下、滴下注入法によりTFT基板と対向基板との間に封入される液晶を注入する方法について説明する。滴下注入法では、まず、TFT基板を洗浄した後に、TFT基板上にポリミイド膜を印刷法により塗布した後に、ポリイミド膜を本硬化させて配向膜を得る。また、同様な方法により、対向基板上にも配向膜を形成する。
【0006】
次に、TFT基板の表示領域を囲むようにシール剤を選択的に形成する。
【0007】
次に、ディスペンサのノズルから液晶をTFT基板に吐出させてTFT基板上に液晶を滴下する。さらに、ディスペンサを所定距離移動させて滴下位置を変えてから、再び液晶をディスペンサのノズルから吐出する。このような動作を繰り返すことにより、図1に示すように、所定間隔の碁盤目状に配置された液晶101がTFT基板100上に形成される。
【0008】
その後、真空雰囲気でTFT基板と対向基板とを位置合わせした状態でシール剤により貼り合わせる。これにより、TFT基板上に滴下された液晶が、TFT基板、対向基板及びシール剤に囲まれた空間内に広がる。また、TFT基板と対向基板との間隔は、対向基板側に設けられたスペーサにより一定に維持される。このようにして、TFT基板と対向基板との間に液晶が封入される。
【0009】
上記したような滴下注入法により液晶を注入する方法は、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平5−232481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記したような滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置では、駆動したときの表示画像において、滴下された液晶が基板間で水平方向に拡散して液晶同士が衝突する部位に格子状の輝度むら(色の濃淡) が発生することがある。
【0011】
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、滴下注入法によって液晶が注入される液晶表示装置の製造方法において、輝度むらの発生が防止され、従来よりも表示性能がより優れた液晶表示装置の製造方法、及び、その製造方法で使用する液晶滴下装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題は、液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法により解決する。
【0013】
また、上記した課題は、基板を載置するステージと、前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置により解決する。
【0014】
本願発明者は、滴下注入法で液晶が注入された液晶表示装置を駆動したときに表示画面に発生する格子状の輝度ムラを防止するために鋭意研究した。その結果、一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより基板上の複数の箇所に滴下された液晶を液晶セル内で拡散させたときに、液晶同士が衝突する部位の不純物濃度が30ppm以下となるときに輝度ムラが発生しないことを見出した。
【0015】
従って、本願の液晶表示装置の製造方法では、例えば液晶を基板に滴下する工程で液晶を滴下する間隔を15mm以下としている。これにより、液晶が拡散したときに液晶が他の液晶と衝突するまでに取り込む不純物の量が少なくなるので、液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることができる。
【0016】
しかしながら、液晶を滴下する間隔を15mm以下と小さくした場合には、液晶を滴下する回数が増えてしまい、処理時間が長くなってしまうことがある。また、この場合には、1回に滴下する液晶の量を少なくする必要もあるので、ディスペンサの制御が困難となる。
【0017】
そこで、本願発明者は、液晶の吐出量を制御可能なディスペンサに接続され、先端部に液晶が吐出される複数の吐出口を備えたノズルを有する液晶滴下装置を考案した。この液晶滴下装置では、基板上の複数の箇所に液晶を同時に滴下することができるので、液晶を滴下する間隔を小さくした場合でも液晶を滴下する回数を抑えることができる。また、ノズルの各吐出口から吐出される液晶の量を少なくした場合でもディスペンサから1回に吐出される液晶の量は少なくならないので、ディスペンサの制御が容易となる。このように、この液晶滴下装置によって本願の液晶表示装置の製造方法を容易に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態を説明する前に、滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置で格子状の輝度むらが発生する原因について説明する。
【0019】
本願発明者は、滴下注入法によって液晶が注入された液晶表示装置について鋭意研究した結果、液晶セル内の不純物が不均一に分布することに起因して格子状の輝度ムラが発生することを見出した。なお、このような不純物は、例えば、フタル酸ジエチルなどのフタル酸誘導体であった。フタル酸誘導体の他でも極性の高い化学物質ほど輝度ムラが発生しやすい。
【0020】
すなわち、図2(a)に示すように、貼り合わせ前の基板1上にはほぼ均一な分布で不純物4が付着している。また、この基板1上には一定の間隔(図2(a)では30mm)で液晶3が滴下されている。そして、図2(b)に示すように、基板1,2を貼り合わせると、基板1上に滴下された液晶3が液晶セル5の空間内に広がる。このとき、基板上の不純物4が液晶3に取り込まれて液晶3が広がる方向に移動し、液晶3と液晶3とが衝突する部位Aに集められる。この結果、液晶セル5内には不純物4が集まっている部分、つまり不純物濃度の高い部分が格子状に形成される。この不純物濃度の高い部分とそれ以外の不純物濃度の低い部分とが、液晶表示装置を駆動したときに液晶セル5内での保持率及び残留DCの不均一さとなって、表示画面に格子状の輝度ムラが発生する。
【0021】
このため、基板上の不純物を完全に除去すれば、液晶セル内では不純物濃度の差が生じないので、輝度ムラは発生しないと考えられる。しかしながら、基板上の不純物を完全に除去することは極めて困難であり、基板洗浄時間を長くしたり、基板の放置時間を極力少なくしたとしても解決できるものではない。
【0022】
そこで、本願発明者は、不純物濃度の高い部分の濃度を低くして、不純物濃度の高い部分と不純物濃度の低い部分との濃度差を小さくすることにより輝度ムラの発生を抑制することを考え、基板上に液晶を滴下する間隔に着目した。
【0023】
すなわち、図3(a)に示すように、液晶を滴下する間隔を小さくすることにより、基板1上に滴下された液晶3の間隔(図3(a)では15mm)が小さくなれば、図3(b)に示すように、基板1,2を貼り合わせて液晶3が液晶セル5内で広がったときに、液晶3が他の液晶3と衝突するまでに取り込む不純物4の量は少なくなるので、液晶同士が衝突する部位Aに集められる不純物4の量も少なくなる。この結果、不純物4が集まっている部分の不純物濃度が低くなるので、液晶表示装置を駆動したときに発生する輝度ムラは抑制される。
【0024】
このため、本願発明者は、液晶を滴下する間隔を種々変えて格子状の輝度ムラの発生状況を調べる実験を行った。この実験結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示すように、液晶を滴下する間隔が15mmより大きい場合には格子状の輝度ムラが発生し、15mm以下の場合には輝度ムラは発生しなかった。また、液晶を滴下する間隔が30mmのときの輝度ムラの幅は約5mmであり、同じく20mmのときは約3.5mmであった。
【0027】
この実験の結果、液晶を滴下する間隔が小さいほど格子状の輝度ムラが発生しにくく、また輝度ムラが発生した場合でもその幅が狭くなることが判明した。つまり、液晶を滴下する間隔に起因する液晶同士が衝突する部位の不純物濃度がある値より高くなったときに輝度ムラが発生するといえる。
【0028】
しかしながら、液晶セル内の特定部位における不純物濃度を測定することは困難である。これは、液晶セル内の不純物が液晶中に溶け込んでいるのではなく、液晶と基板との界面に存在するからである。
【0029】
そこで、本願発明者は、基板を貼り合わせる前の基板上の総不純物量(不純物濃度)を予め測定しておき、基板を貼り合わせて液晶が液晶セル内に広がったときの液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を液晶を滴下する間隔(基板上に滴下された液晶間の距離)を変えて算出した。このとき、(液晶同士が衝突する部位の不純物濃度)=(A*B*c)/r*(A+B−r)とした。但し、Aは横方向(基板面の水平方向)の液晶間の距離(mm)であり、Bは縦方向(基板面の垂直方向)の液晶間の距離(mm)であり、cは貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)であり、及び、rは輝度ムラの幅(mm)である。
【0030】
まず、基板を貼り合わせる前の基板上の不純物濃度を測定したところ、液晶セル領域において約10ppmであった。次に、この結果に基づき、上記した式によって液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を算出すると、横方向及び縦方向の液晶間の距離がそれぞれ30mmのときは37.2ppmとなり、20mmのときは31.3ppmとなった。液晶間の距離が15mmのときには輝度ムラは発生しなかったが、仮に輝度ムラが発生したとし、その幅を3mmとして不純物濃度を算出すると27.8ppmとなった。
【0031】
この結果によれば、輝度ムラが発生するときの不純物濃度のしきい値は約30ppmであるといえる。すなわち、(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)が満たされるときに輝度ムラが発生しないといえる。
【0032】
このように、輝度ムラが発生する要因として、基板上の不純物量、液晶間の距離及び輝度ムラの幅が挙げられる。これらのうち、輝度ムラの幅は液晶表示装置の製造条件などによっても変化する。また、基板上の不純物を完全に除去することは極めて困難である。但し、安定した製造条件においては基板上の不純物量はほぼ一定となる。従って、液晶間の距離を小さくすること、すなわち液晶を滴下する間隔を小さくすることが輝度ムラの発生を防止するのに最も効果的であるといえる。表1に示す実験結果によれば、液晶を滴下する間隔を15mm以下にすると輝度ムラは発生しない。
【0033】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0034】
図4〜図10は本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図である。ここでは、MVA(Multi-domain Vertical Alignment )型液晶表示装置の製造方法を例にして説明する。
【0035】
まず、2枚のガラス基板を用意し、TFT基板となる一方のガラス基板にそれぞれゲートバスライン、データバスライン、TFT、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電体からなる画素電極等を形成する。そして、ガラス基板を洗浄してから、この基板上にポリミイド溶液を印刷法により塗布して配向膜を形成する。その後、80℃の温度で1分間の条件でプリベークを行ってから、190℃の温度で10分間の条件で本ベークを行って配向膜を硬化させる。このようにして、TFT基板が完成する。
【0036】
また、対向基板となる他方のガラス基板にそれぞれカラーフィルタ、ITO等の透明導電体からなるコモン電極、ドメイン規制用の突起、セルギャップを一定するための柱状スペーサ等を形成する。そして、ガラス基板を洗浄してから、この基板上にポリミイド溶液を印刷法により塗布して配向膜を形成する。その後、TFT基板と同様の条件でプリベーク及び本ベークを行って配向膜を硬化させる。このようにして、対向基板が完成する。
【0037】
次に、図4に示すように、TFT基板10の上に紫外線硬化型の樹脂(シール剤)を塗布し、液晶表示装置の表示領域を囲むシール18を形成する。
【0038】
そして、TFT基板10の上に垂直配向型液晶30を滴下する。図5(a)に示すように、まず、液晶滴下装置40のステージ41の上にTFT基板10を載せる。次に、精密ディスペンサ42のノズル43からTFT基板10のシール18が形成された領域の内側に向けて液晶30を0.5mg吐出する。これにより、液晶30がTFT基板10上に滴下される。1回の吐出が終わると、精密ディスペンサ42を横方向(TFT基板10面の水平方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び精密ディスペンサ42から0.5mgの液晶30を吐出する。横方向の1列分の滴下が終わると、精密ディスペンサ42を縦方向(TFT基板10面の垂直方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び横方向の滴下を行う。このような動作を繰り返すことにより、図5(b)に示すように、TFT基板10上には15mm間隔の碁盤目状に配置された液晶30が形成される。なお、図5(b)ではシール18の図示を省略している。
【0039】
その後、図6に示すように、貼り合わせ装置50の下側の定盤51にTFT基板10を取り付け、上側の定盤52に対向基板20を取り付ける。
【0040】
次に、図7に示すように、貼り合わせ装置50のチャンバ内を排気して真空にする。そして、図示しないカメラを使用して上側の対向基板20と下側のTFT基板10との位置合わせを行う。基板10,20の位置合わせは、それぞれの基板10,20に設けられた位置合わせマークを目印にして行う。
【0041】
次に、図8に示すように、定盤51,52を相互に近づけて、シール剤により基板10,20を仮接合する。これにより、シール18の内側に液晶30が広がり、基板10,20及びシール18で囲まれた空間に液晶30が密封される。
【0042】
次に、図9に示すように、貼り合わせ装置50のチャンバ内に大気を導入して、チャンバ内を大気圧にする。これにより、大気圧により上側の対向基板20が下側のTFT基板10に押し付けられ、スペーサにより決まる一定のセルギャップに維持される。以下、基板10,20を接合してなる構造物を液晶セル31と呼ぶ。
【0043】
次いで、液晶セル31を貼り合わせ装置50から取り出し、図10に示すように、紫外線ランプ55の光で照射してシール剤を硬化させる。その後、液晶セル31を一対の偏光板で挟んで、液晶表示装置が形成する。
【0044】
このように、本実施形態においては、液晶滴下工程での液晶を滴下する間隔を15mmとすることにより、貼り合わせ工程で液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下としている。このため、液晶表示装置を駆動したときに表示画面には格子状の輝度ムラは発生しない。
【0045】
なお、本実施形態においては、液晶30を滴下する間隔を15mmとしているが、15mm以下で適宜調整すればよい。また、基板上の不純物量や液晶表示装置の製造条件等に応じて液晶30を滴下する間隔を調整してもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、TFT基板10の上に液晶30を滴下しているが、対向基板20の上に液晶30を滴下するようにしてもよい。
【0047】
更に、本実施形態においては、1回の精密ディスペンサ42からの吐出量を同じにして液晶30を滴下しているが、1回の吐出量をそれぞれ変えて液晶30を滴下するようにしてもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0049】
第2の実施形態の製造方法が第1の実施形態と異なる点は液晶滴下工程にあり、その他の工程については第1の実施形態と同じであるので、ここではその他の工程についての説明を省略する。
【0050】
第1の実施形態においては、液晶を滴下する間隔を15mm以下としている。しかしながら、液晶を滴下する間隔を小さくすると、液晶を滴下する回数が増えてしまい、処理時間が長くなってしまうことがある。例えば、液晶を滴下する間隔を15mmとした場合と、液晶を滴下する間隔を30mmとした場合とを比較すると、前者の場合の滴下回数は後者の場合の4倍となる。
【0051】
また、第1の実施形態においては、1回に滴下する液晶の量を0.5mgとしている。一般的に、精密ディスペンサでは1回の吐出量が少なくなるほど液晶の吐出量を精密に制御することが困難となる。特に1回の吐出量が1.0mgより少なくなると、吐出する毎に液晶の吐出量が変化してしまい、基板上に滴下された液晶の量にばらつきが生じてしまうことがある。なお、上述した液晶を滴下する間隔を30mmとした場合では、液晶を滴下する回数が第1の実施形態の1/4となるので、1回に滴下する液晶の量は2.0mgとなる。
【0052】
そこで、本願発明者は、1回の吐出で複数の箇所に同時に液晶を滴下することが可能、且つ、液晶の吐出量の制御が容易な液晶滴下装置を考案した。
【0053】
図11は、本発明の第2の実施形態の液晶滴下装置の構成を示す図である。
【0054】
図11に示すように、本実施形態の液晶滴下装置60は、基板10を載置するステージ61と、ステージ61の上方に配置され、液晶30が充填される精密ディスペンサ62と、精密ディスペンサ62の下部に取り付けられた分岐ノズル63とにより基本構成されている。分岐ノズル63は先端部に4つの吐出口63a〜63dを備えており、これらの吐出口63a〜63dのそれぞれから液晶30が吐出される。これらの吐出口63a〜63dは15mm間隔で直線状に配置されている。また、吐出口63a〜63dの内径は全て同じ大きさとなっている。例えば精密ディスペンサ62から吐出口63a〜63dに分岐するまでの分岐ノズル63の内径を1としたとき、吐出口63a〜63dの内径はいずれも0.5となっている。
【0055】
精密ディスペンサ62では、液晶30を吐出する量を調整したり、ステージ61上の基板10に対して液晶30を滴下する位置を変えたりするなどの動作が制御可能となっている。
【0056】
第2の実施形態の液晶表示装置の製造方法においては、液晶滴下工程で液晶滴下装置60を使用する。
【0057】
液晶滴下工程において、図11に示すように、まず、液晶滴下装置60のステージ61の上にTFT基板10を載せる。次に、精密ディスペンサ62の分岐ノズル63からTFT基板10のシール18が形成された領域の内側に向けて液晶30を2.0mg吐出する。このとき、液晶30は各吐出口63a〜63dから同時に0.5mgづつ吐出されて、TFT基板10上には液晶30が直線状に4箇所(例えばTFT基板10面の垂直方向に4箇所)に滴下される。1回の吐出が終わると、精密ディスペンサ62を横方向(TFT基板10面の水平方向)に15mm移動して滴下位置を変えてから、再び精密ディスペンサ62から2.0mgの液晶30を吐出する。横方向の滴下が終わると、精密ディスペンサ62を縦方向(TFT基板10面の垂直方向)に60mm移動して滴下位置を変えてから、再び横方向の滴下を行う。このような動作を繰り返すことにより、図12に示すように、TFT基板10上には、図5(b)に示す液晶30の配置と同様の15mm間隔の碁盤目状に配置された液晶30が形成される。なお、図12ではシール18の図示を省略している。
【0058】
このように、本実施形態においても、液晶滴下工程での液晶を滴下する間隔を15mmとすることにより、貼り合わせ工程で液晶が拡散したときに液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下としているので、液晶表示装置を駆動したときに表示画面には格子状の輝度ムラは発生しない。
【0059】
また、本実施形態においては、1回の吐出で同時に4つの吐出口63a〜63dから液晶30を吐出しているので、第1の実施形態よりも液晶30を滴下する回数が減り、液晶滴下工程の処理時間が短くなる。
【0060】
更に、本実施形態では、分岐ノズル63の吐出口63a〜63dからの吐出量をそれぞれ制御しているのではなく、第1の実施形態と同様に精密ディスペンサ62の吐出量のみを制御している。また、本実施形態では、1回の精密ディスペンサ62の吐出量は2.0mgであり、第1の実施形態における1回の精密ディスペンサ42の吐出量(0.5mg)よりも多い。このため、本実施形態においては、第1の実施形態よりも液晶30の吐出量の制御が容易となる。また、本実施形態においては、液晶30を滴下する回数を減らすために、例えば1回の吐出量が0.5mgの精密ディスペンサを4つ備えるよりも簡単な構成となる。
【0061】
以上より、本実施形態においては、第1の実施形態よりも本発明の液晶表示装置の製造方法を容易に遂行することができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、分岐ノズル63は4つの吐出口63a〜63dを備えているが、吐出口を2つ以上備えていればよい。また、本実施形態においては、分岐ノズル63は直線状に15mm間隔で配置された吐出口63a〜63dを備えているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、四角形状に15mm間隔で配置された吐出口65a〜65dを備えた分岐ノズル65としてもよい。更に、直線状又は四角形状に15mm以下の間隔で配置された複数の吐出口を備えた分岐ノズルとしてもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、分岐ノズル63の吐出口63a〜63dの内径を全て同じにすることにより各吐出口63a〜63dからの吐出量を同じにしているが、吐出口63a〜63dの内径をそれぞれ変えることにより各吐出口63a〜63dからの吐出量をそれぞれ異なるようにしてもよい。
【0064】
上述した第1及び第2の実施形態は、本発明をMVA型液晶表示装置の製造に適用した例について説明したが、本発明はMVA型液晶表示装置の製造方法に限定されるものではない。本発明は、VA(Vertical Alignment)型又はTN(Twisted Nematic)型などの各種の液晶表示装置の製造に適用することができる。
(付記1) 液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、
前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記2) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を調整することにより、前記液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記3) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記4) 前記液晶を滴下する工程において、下記の関係式を満たすように前記液晶を滴下する間隔を調整することを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)
但し、
A:横方向の液晶間の距離(mm)、
B:縦方向の液晶間の距離(mm)、
c:貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)、
r:輝度ムラの幅(mm)
(付記5) 前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を前記複数の箇所のうちの2つ以上の箇所に同時に滴下することを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記6) 基板を載置するステージと、
前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、
前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、
前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置。
(付記7) 前記複数の吐出口の間隔は15mm以下であることを特徴とする付記6に記載の液晶滴下装置。
(付記8) 前記複数の吐出口は一定間隔で配置されていることを特徴とする付記6に記載の液晶滴下装置。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、従来の基板上に滴下された液晶の配置の一例を示す図である。
【図2】図2は格子状の輝度ムラが発生する原因を説明する図であり、図2(a)は基板を貼り合わる前の基板上の不純物の分布及び液晶の配置を示す図であり、図2(b)は基板を貼り合わせた後の不純物の分布を示す図である。
【図3】図3は本発明に係る格子状の輝度ムラの発生を抑制する原理を説明する図であり、図3(a)は基板を貼り合わる前の基板上の不純物の分布及び液晶の配置を示す図であり、図3(b)は基板を貼り合わせた後の不純物の分布を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その1)である。
【図5】図5は本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その2)であり、図5(a)は液晶滴下装置のステージに基板を載置したときの状態を示す図であり、図5(b)は基板上に滴下された液晶の配置を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その3)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その4)である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その5)である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その6)である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す図(その7)である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施形態の液晶滴下装置の構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法(液晶滴下工程)を示す図であり、基板上に滴下された液晶の配置を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施形態の他の液晶滴下装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0066】
1、2…基板、
3、30…液晶、
4…不純物、
5、31…液晶セル、
10…TFT基板、
18…シール、
20…対向基板、
40、60…液晶滴下装置、
41、61…ステージ、
42、62…精密ディスペンサ、
43…ノズル、
63、65…分岐ノズル、
63a〜63d、65a〜65d…吐出口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、
前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記液晶を滴下する工程において、下記の関係式を満たすように前記液晶を滴下する間隔を調整することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)
但し、
A:横方向の液晶間の距離(mm)、
B:縦方向の液晶間の距離(mm)、
c:貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)、
r:輝度ムラの幅(mm)
【請求項4】
基板を載置するステージと、
前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、
前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、
前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置。
【請求項5】
前記複数の吐出口の間隔は15mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の液晶滴下装置。
【請求項1】
液晶表示装置を構成するための一対の基板を用意する工程と、
前記一対の基板のうちの一方の基板上の複数の箇所に液晶を滴下する工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを貼り合わせることにより、前記液晶を拡散させて前記一対の基板の間に該液晶を封入する工程とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記液晶が拡散して該液晶同士が衝突する部位の不純物濃度を30ppm以下とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記液晶を滴下する工程において、前記液晶を滴下する間隔を15mm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記液晶を滴下する工程において、下記の関係式を満たすように前記液晶を滴下する間隔を調整することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
(A*B*c)/r*(A+B−r)≦30(ppm)
但し、
A:横方向の液晶間の距離(mm)、
B:縦方向の液晶間の距離(mm)、
c:貼り合わせ前の基板に付着している不純物濃度(ppm)、
r:輝度ムラの幅(mm)
【請求項4】
基板を載置するステージと、
前記ステージの上方に配置され、液晶が充填されるとともに、該液晶の吐出量が制御可能なディスペンサと、
前記ディスペンサの下部に取り付けられ、前記液晶を吐出するノズルとを有する液晶滴下装置であって、
前記ノズルは、先端部に前記液晶が吐出される複数の吐出口を備えていることを特徴とする液晶滴下装置。
【請求項5】
前記複数の吐出口の間隔は15mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の液晶滴下装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−84975(P2006−84975A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271585(P2004−271585)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(302036002)富士通ディスプレイテクノロジーズ株式会社 (13)
【出願人】(501358079)友達光電股▼ふん▲有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(302036002)富士通ディスプレイテクノロジーズ株式会社 (13)
【出願人】(501358079)友達光電股▼ふん▲有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
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