説明

液晶表示装置

【課題】少ない消費電力で液晶表示パネルを駆動することができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】ソースドライバ内の出力マルチプレクサ27は、新たにラッチ部が1行分のデータを取り込んだときに、D−Aコンバータがソースライン毎に出力した電位と等しい電位を、出力部45からソースラインに出力する。また、その1行とその前の1行の画像データであって、ソースラインに対応する画像データ同士の間で、MSBの排他的論理和を計算しておく。出力部45の端部に設けられた第1のスイッチ41や第2のスイッチ42は、ラッチ部にデータ取り込みを指示する信号、極性制御信号、およびスイッチ自身に対応する列の排他的論理和の結果が所定の条件を満足する場合に、対応するソースラインと第1キャパシタ31または第2キャパシタ32とを接続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、一般的に、コモン電極と、複数の画素電極との間に液晶を挟持する。そして、各画素電極にはTFT(Thin Film Transistor)等のアクティブ素子が設けられ、アクティブ素子を用いて、画素電極にソース配線の電圧を設定するか否かを制御できる。
【0003】
コモン電極は所定の電位に設定され、各画素電極は、表示画像の各画素値に応じた電位に設定される。ここで、コモン電極の電位よりも画素電極の電位の方が高い状態を正極性と記す。また、コモン電極の電位よりも画素電極の電位の方が低い状態を負極性と記す。
【0004】
図23は、コモン電極の電位と、各極性で画素を白色や黒色に設定する電位の例を示す説明図である。ここでは、ノーマリホワイトの場合を例にして説明する。コモン電極の電位をVCOMと記す。図23に示すVpb,Vpw,VCOM,Vnw,Vnbは、それぞれ電位を表し、Vnb<Vnw<VCOM<Vpw<Vpbとなっている。正極性で画素を黒色表示にする場合は、その画素に接続されるソースラインの電位をVpbに設定し、正極性で画素を白色表示にする場合は、その画素に接続されるソースラインの電位をVpwに設定すればよい。また、正極性で画素を中間調表示に設定する場合、その画素に接続されるソースラインの電位をVpwより高くVpbより低い電位に設定すればよい。また、負極性で画素を黒色表示にする場合は、その画素に接続されるソースラインの電位をVnbに設定し、負極性で画素を白色表示にする場合は、その画素に接続されるソースラインの電位をVnwに設定すればよい。また、負極性で画素を中間調表示に設定する場合、その画素に接続されるソースラインの電位をVnwより低くVnbより高い電位に設定すればよい。
【0005】
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置では、クロストーク発生等の画像劣化防止のために、同極性の画素が連続して並ぶことが少なくなるように駆動することが好ましい。図24は、一般的な液晶表示装置を示す説明図である。図24に示すように画素電極50がマトリクス状に配置され、個々の画素電極には、TFT51が設けられる。
【0006】
図24に示すように、各ソースラインS〜Sの電位を設定するソースドライバ60が設けられ、ソースドライバ60の出力端D〜Dに、各ソースラインが接続される。図24に示す例では、各TFT51は画素電極50の左側に設けられ、画素電極50の左側に存在するソースラインに接続される。また、画素の行毎にゲートラインG,G,G,・・・が設けられ、各ゲートラインは、その行の各画素電極のTFT51に接続される。ゲートラインが順次選択され、選択行のTFT51が、画素電極50とソースラインとを導通状態にする。この結果、選択行の画素電極50が、画素電極の左側に存在するソースラインと等電位に制御される。また、非選択行のTFT51は、画素電極50とソースラインとを非導通状態にする。ゲートラインが順次選択され、ソースドライバ60が各ソースラインの電位を選択行の各画素の画素値に応じた電位に設定することで、画像データに応じた画像が表示される。
【0007】
図24に示す一般的な液晶表示装置において、ソースドライバ60は、例えば、以下のようにして、隣接する列同士の極性が異なるように制御する。ソースドライバ60は、あるフレーム期間では、奇数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、コモン電極(図示略)の電位VCOMよりも高い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、VCOMよりも低い電位に設定する。この結果、図24に示すように、列毎に極性が交互に異なることになる。なお、図24や、後述の図25等において、「+」は正極性を表し、「−」は負極性を表す。ソースドライバ60は、フレーム期間の切り替わり毎に、各列の極性を反転させるように、ソースラインの電位を切り替える。すなわち、上記のフレーム期間の次のフレーム期間では、ソースドライバ60は、奇数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、コモン電極の電位VCOMよりも低い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、VCOMよりも高い電位に設定する。この結果、この結果、各画素の極性は、図24に示す各画素の極性とは逆になる。このような極性の制御態様を、「列反転」と呼ぶ。
【0008】
また、極性の制御方法として、縦および横に隣接する画素同士の極性が異なるように制御する態様もある。このような制御態様を、「ドット反転」と呼ぶ。ドット反転の場合、ソースドライバ60は、ある1つのフレーム期間において、奇数番目の行のゲートラインの選択時には、奇数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、コモン電極の電位VCOMよりも高い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、VCOMよりも低い電位に設定する。また、ソースドライバ60は、偶数番目の行のゲートラインの選択時には、奇数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、VCOMよりも低い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインS,S,S,・・・の電位を、VCOMよりも高い電位を設定する。この結果、図25に示すように、隣接する画素が交互に正極性、負極性になるように制御される。
【0009】
さらに、ソースドライバ60は、フレーム期間の切り替わり毎に、個々の画素の極性を反転させるように、ソースラインの電位を切り替える。すなわち、上記のフレーム期間の次のフレーム期間では、ソースドライバ60は、奇数番目の行のゲートラインの選択時には、奇数番目の列のソースラインの電位をVCOMよりも低い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインの電位をVCOMよりも高い電位に設定する。また、ソースドライバ60は、偶数番目の行のゲートラインの選択時には、奇数番目の列のソースラインの電位をVCOMよりも高い電位に設定し、偶数番目の列のソースラインの電位をVCOMよりも低い電位を設定する。この結果、各画素の極性は、図25に示す各画素の極性とは逆になる。
【0010】
ドット反転では、選択行が切り替わる毎に、個々のソースラインの電位をVCOMより高い電位からVCOMより低い電位に変化させたり、あるいは、VCOMより低い電位からVCOMより高い電位に変化させたりする。そのため、消費電力が大きくなってしまう。
【0011】
消費電力を抑えつつ、隣接する画素同士の極性が異なるように制御可能な液晶表示装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された液晶表示装置では、奇数行のゲートラインに接続するTFTは、ソースラインの左側に形成され、偶数行のゲートラインに接続するTFTは、ソースラインの右側に形成される。そして、各ソースラインの極性を1フレーム期間内で一定とし、1フレーム期間毎に極性を反転させることで、ドット反転を実現しつつ消費電力を低減している。
【0012】
また、特許文献2には、各水平走査期間の冒頭にプリチャージ期間を設けることによって、ソースドライバの発熱を抑える液晶表示装置が記載されている。特許文献2に記載された発明では、プリチャージ期間に設定する電位(チャージシェア電位)として、3種類の電位を用いる。第1のチャージシェア電位は、コモン電極電位VCOMに等しい電位である。第2のチャージシェア電位は、最低階調に対応する正極性の信号電位と、最高階調に対応する正極性の信号電位との略中間電位である。第3のチャージシェア電位は、最低階調に対応する負極性の信号電位と、最高階調に対応する負極性の信号電位との略中間電位である。
【0013】
そして、特許文献2に記載された発明では、例えば、1番目の水平走査期間において、データ信号線に対して第1のチャージシェア電位を供給してから信号電位(正極性)を出力する。そして、2番目から48番目までの各水平走査期間では、データ信号線に対して第2のチャージシェア電位を供給してから信号電位(正極性)を出力する。さらに、49番目の水平走査期間において、データ信号線に対して第1のチャージシェア電位を供給してから信号電位(負極性)を出力する。そして、50番目から96番目までの各水平走査期間では、データ信号線に対して第3のチャージシェア電位を供給してから信号電位(負極性)を出力する。
【0014】
また、特許文献3には、液晶表示装置において、ライン毎にタイミングコントローラにデータが入力される時点から液晶表示パネルにデータ供給を開始する時点までの期間の間に二つのラインデータの階調情報を判断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−181100号公報(段落0008−0018、図1−6)
【特許文献2】特開2010−15057号公報(段落0018−0033)
【特許文献3】特開2009−9088号公報(段落0062)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献2に記載された液晶表示装置では、データ信号線に対してプリチャージ期間でチャージシェア電位を供給してから信号電位を出力する。この電位供給方法を、図24で説明した列反転に適用することによって、消費電力を低減させることが考えられる。しかし、特許文献2に記載された方法では、各水平走査期間の冒頭において必ずチャージシェア電位を供給するので、電力を余分に消費してしまう場合も生じ得る。例えば、図24に示す正極性の列において、最高階調の画素が並んでいるとする。この場合、その列のソースラインに関して、第2のチャージシェア電位を供給してから、最高階調に対応する正極性の信号電位に設定することを繰り返すことになる。すると、ソースラインの電位を、最高階調に対応する正極性の信号電位から、第2のチャージシェア電位に落として、再度、最高階調に対応する正極性の信号電位まで上昇させることになり、余分な電力消費が生じてしまう。
【0017】
また、ドット反転の場合には、特許文献1に記載されて駆動方法により、消費電力を低減することができるが、さらに、消費電力を低減できることが好ましい。
【0018】
そこで、本発明は、少ない消費電力で液晶表示パネルを駆動することができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による液晶表示装置は、コモン電極と、マトリクス状に配置された画素電極と、画素電極の列方向に沿って配置されるソースラインと、画素電極の行方向に沿って配置されるゲートラインとを備えるアクティブマトリクス型の液晶表示パネル(液晶表示パネル5,5a)と、ゲートラインを線順次駆動するゲートドライバ(例えば、ゲートドライバ3)と、画像データに応じてソースラインの電位を設定するソースドライバ(例えば、ソースドライバ2,2a)と、ゲートドライバおよびソースドライバを制御する制御手段(例えば、制御部1)とを備え、制御手段が、ソースドライバに対して各行の画素電極の選択期間を規定する選択期間規定パルス信号(例えば、STB)と、個々のソースラインに設定する電位をコモン電極電位より高くするか低くするかを規定する極性制御信号(例えば、POL)とを出力し、極性制御信号のレベルをフレーム期間毎に第1のレベル(例えば、ハイレベル)および第2のレベル(例えば、ローレベル)に交互に切り替え、ソースドライバが、選択期間毎に各ソースラインに設定すべき電位を規定する画像データを1行分保持するデータ保持手段(例えば、ラッチ部23,23a)と、データ保持手段が保持する1行分の画像データの次の1行分の画像データを保持する次行データ保持手段(例えば、ラインバッファ22,22a)と、ソースラインと同数の電位出力端を有し、個々のソースラインに対応する電位出力端から、データ保持手段が保持している画像データに応じた電位を出力し、各電位出力端から電位を出力する際に、極性制御信号が第1のレベルであるときには、左から奇数番目の電位出力端からはコモン電極電位より高い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはコモン電極電位より低い電位を出力し、極性制御信号が第2のレベルであるときには、左から奇数番目の電位出力端からはコモン電極電位より低い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはコモン電極電位より高い電位を出力する電位出力手段(例えば、D−Aコンバータ25,25a)と、ソースライン毎に、電位出力手段の電位出力端が出力した電位と等しい電位をソースラインに出力する出力部(例えば、出力部45)を有する電位設定手段(例えば、出力コンバータ27,27a)と、一方の電極が特定電位に設定される第1キャパシタ(例えば、第1キャパシタ31)と、一方の電極が特定電位に設定される第2キャパシタ(例えば、第2キャパシタ32)と、同じソースラインに対応し、画像データの最上位ビットの値と次の画像データの最上位ビットの値とを比較して排他的論理和を計算する排他的論理和演算手段(例えば、各EXOR回路)とを備え、電位設定手段が、出力部とソースラインとの接続端に、当該ソースラインと第1キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンまたはオフとする第1スイッチと、当該ソースラインと第2キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンまたはオフとする第2スイッチとを有し、データ保持手段が、選択期間規定パルス信号の立ち上がり時に、次行データ保持手段から1行分の画像データを取り込んで保持し、左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第1のレベルであること、および当該ソースラインに対応する排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと第1キャパシタの電極との接続をオンとし、左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第2のレベルであること、および当該ソースラインに対応する排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと第2キャパシタの電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第2のレベルであること、および当該ソースラインに対応する排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと第1キャパシタの電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第1のレベルであること、および当該ソースラインに対応する排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと第2キャパシタの電極との接続をオンとし、ソースラインに対応する出力部が、当該ソースラインが第1キャパシタまたは第2キャパシタに接続された場合には、当該接続がオフとされてから、当該ソースラインに電位を設定することを特徴とする。
【0020】
排他的論理和を計算するための画像データがデータ保持手段に保持された画像データであり、排他的論理和を計算するための次の画像データが次行データ保持手段に保持された画像データであってもよい。
【0021】
左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第2のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっている期間の冒頭の所定の期間である第1期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第1のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第1期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第1のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第1期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第2のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第1期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極との接続をオンとする構成であってもよい。
【0022】
左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、極性制御信号が第1のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第1期間後の所定の期間である第2期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、極性制御信号が第2のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第2期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極であって特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、極性制御信号が第2のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第2期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極との接続をオンとし、左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチが、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、極性制御信号が第1のレベルになっていること、および選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第2期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極との接続をオンとする構成であってもよい。
【0023】
特定電位はコモン電極電位であってもよい。
【0024】
液晶表示パネルが、画素電極の各列の所定の側にソースラインを備え、各画素電極が、所定の側に存在するソースラインに接続される構成であってもよい。
【0025】
液晶表示パネルが、画素電極の各列の左側および画素電極の右端の列の右側に設けられるソースラインを備え、奇数番目の行の画素電極が、その画素電極の両側に存在するソースラインのうち所定の側のソースラインに接続され、偶数番目の行の画素電極が、その画素電極の両側に存在するソースラインのうち所定の側とは反対側のソースラインに接続される構成であってもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、少ない消費電力で液晶表示パネルを駆動することができる
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例を示す説明図。
【図2】第1の実施の形態で駆動される液晶表示パネルの例を示す説明図。
【図3】画素電極とソースラインおよびゲートラインとの接続例を示す説明図。
【図4】STVおよび行切替信号の例を示す説明図。
【図5】ソースドライバの構成例を示す説明図。
【図6】CLKの例を示す説明図。
【図7】STBの変化の例を示す説明図。
【図8】POLの切り替わりの例を示す説明図。
【図9】ラッチ部による画像データの比較処理の説明図。
【図10】出力マルチプレクサの構成例を示す説明図。
【図11】STBとCSD出力タイミングとの関係を示す説明図。
【図12】POLがハイレベルとなっている状態を示す説明図。
【図13】POLがローレベルとなっている状態を示す説明図
【図14】STV,STVD等の出力タイミングチャートの例を示す説明図。
【図15】フレーム期間の切り替わり時における電位変化の例を示す説明図。
【図16】第1期間および第2期間を示す説明図。
【図17】フレーム期間の切り替わり時における電位変化の例を示す説明図。
【図18】Dフリップフロップを2重に設けてMSBの排他的論理和演算を行う構成の例を示す説明図。
【図19】第2の実施の形態で駆動される液晶表示パネルの例を示す説明図。
【図20】第2の実施の形態におけるソースドライバの構成例を示す説明図。
【図21】第2の実施の形態におけるラッチ部による画像データの比較処理の説明図。
【図22】第2の実施の形態における出力マルチプレクサの構成例を示す説明図。
【図23】コモン電極の電位と、各極性で画素を白色や黒色に設定する電位の例を示す説明図。
【図24】一般的な液晶表示装置を示す説明図。
【図25】液晶表示装置の他の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。また、以下に示す各実施の形態では、説明を簡単にするため、ソースドライバが1ライン分のデータをシリアルに読み込む場合を例にして説明する。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施の形態の例を示す説明図である。本発明による液晶表示装置は、制御部1と、ソースドライバ2と、ゲートドライバ3と、液晶表示パネル5と、電源部4とを備える。電源部4は、ソースドライバ2およびゲートドライバ3に電源を供給する。
【0030】
図2は、第1の実施の形態で駆動される液晶表示パネル5の例を示す説明図である。液晶表示パネル5は、マトリクス状に配置された複数の画素電極50と、コモン電極(図2において図示略)との間に液晶(図示略)を挟持し、液晶が、画素電極50とコモン電極との電位差に応じた状態に変化することで、画像を表示する。液晶表示パネル5は、一対の基板(図示略)を備え、一方の基板上にマトリクス状に配置された複数の画素電極50を有し、他方の基板上にコモン電極を有する。画素電極50群とコモン電極とが対向するように2枚の基板が配置され、その基板間に液晶が注入されている。
【0031】
液晶表示パネル5は、例えば、画素電極の各列の左側にそれぞれソースラインを備える。本例では、画素電極の列数がn列であり、ソースラインの本数がnである場合を示す。各ソースラインをS〜Sと表す。個々のソースラインは、それぞれ、ソースドライバ2(図1参照)に接続される。
【0032】
また、各画素電極50には、アクティブ素子51が設けられる。以下の説明では、アクティブ素子51がTFT(Thin Film Transistor)である場合を例にして説明するが、TFT以外のアクティブ素子が各画素電極50に設けられていてもよい。各TFT51のソースはソースラインに接続され、各TFT51のドレインは画素電極50に接続される。
【0033】
また、液晶表示パネル5は、マトリクス状に配置された画素電極の個々の行毎に、ゲートラインG,G,G,・・・を備える。図2では、4行目以降のゲートラインの図示を省略している。ゲートラインは、対応する行の各画素電極50に設けられたTFT51のゲートに接続される。例えば、図2に示すゲートラインGは、1行目の各画素電極のTFT51のゲートに接続される。
【0034】
図3は、画素電極とソースラインおよびゲートラインとの接続例を示す説明図である。図3では、画素電極50がi行目のゲートラインGに接続され、また、k列目のソースラインSに接続される場合を例にする。TFT51のゲート51はゲートラインGに接続される。また、TFT51は、ソース51をソースラインSに接続され、ドレイン51を画素電極50に接続される。
【0035】
ゲートドライバ3(図1参照)は、各ゲートラインの電位を設定する。ゲートドライバ3は、ゲートラインを1本ずつ線順次選択し、選択したゲートラインを選択時電位に設定し、選択していないゲートラインを非選択時電位に設定する。従って、各行は1行ずつ選択される。
【0036】
制御部1は、ゲートドライバ1に、1フレーム期間の開始を指示するための制御信号(以下、STVと記す。)と、選択行の切り替えを指示する制御信号(以下、行切替信号と記す。)とを入力する。図4は、STV、行切替信号の例を示す説明図である。行切替信号の立ち上がりエッジから行切替信号の次の立ち上がりエッジまでが行切替信号の周期であり、1本のゲートラインに選択時電位を設定する期間である。また、制御部1は、1フレーム期間の開始時に、STVをハイレベルにし、他の期間ではSTVをローレベルにする。すなわち、制御部1は、STVをハイレベルにすることでフレーム期間の開始を通知する。ゲートドライバ3は、STVがハイレベルになっているときに、行切替信号の立ち上がりエッジを検出すると、第1行のゲートラインを選択時電位に設定し、他の行のゲートラインを非選択時電位に設定する。以降、ゲートドライバは、行切替信号の立ち上がりエッジを検出する毎に、選択時電位に設定するゲートラインを順番に切り替えていく。
【0037】
各TFT51(図2、図3参照)は、ゲートの電位が選択時電位に設定されると、ドレインとソースとを導通状態にし、ゲートの電位が非選択時電位に設定されると、ドレインとソースとを非導通状態にする。従って、選択行の各画素電極は、TFTを介して接続されているソースラインと等電位となる。また、選択されていない行の各画素電極は、ソースラインと非導通状態になる。図3に示す例では、ゲートラインGが選択され、ゲート51が選択時電位に設定されると、ドレイン51とソース51とが導通状態となり、画素電極50がソースラインSと等電位になる。そして、コモン電極55の電位VCOMと画素電極50の電位との電位差に応じて、画素電極50とコモン電極55との間の液晶の状態が規定され、この画素における表示状態が定まる。
【0038】
電源部4は、ゲートドライバ3に対して、選択時電位、非選択時電位となる電圧を供給する。また、電源部4は、ソースドライバ2に対し、電圧V〜V,V〜V、およびVCOMを供給する。VCOMは、コモン電極55(図3参照)に設定される電位である。V〜Vは、VCOMより高い電圧であり、V〜Vは、VCOMより低い電圧である。ここでは、V<V<V<V<VCOM<V<V<V<Vであるものとする。本例では、電源部4が、正極性の表示のための電圧としてV〜Vを供給し、負極性の表示のための電圧としてV〜Vを供給する場合を例にして説明する。本例では、説明を簡単にするために、正極性駆動時にV〜Vにより4階調表示を行い、負極性駆動時にV〜Vにより4階調表示を行う場合を例にして説明する。ただし、電源部4が正極性、負極性の表示のために供給する電圧はそれぞれ4種類に限定されず、また、階調数も4階調に限定されない。また、正極性、負極性それぞれの場合に、電源部4が階調数と同数の種類の電圧をソースドライバ2に供給する場合を例に説明するが、ソースドライバ2(より具体的には、後述のD−Aコンバータ25)が、供給された電圧を分圧し、供給される電圧の種類よりも多い階調数に対応する各電位を生成してもよい。
【0039】
ソースドライバ2(図1参照)は、制御部1の制御に従って、選択行の個々の画素の画像データに応じた電位を各ソースラインS〜Sに設定する。この結果、選択行の画素電極は、画像データに応じた電位となる。
【0040】
図5は、ソースドライバ2の構成例を示す説明図である。ソースドライバ2は、シフトレジスタ21と、ラインバッファ22と、ラッチ部23と、レベルシフタ24と、D−Aコンバータ25と、バッファ26と、出力マルチプレクサ27と、モードコントロール部28と、VCOMバッファ29と、第1キャパシタ31と、第2キャパシタ32とを備える。なお、既に説明したとおり、本実施の形態では、液晶表示パネル5のソースラインの数をn本とする。
【0041】
シフトレジスタ21には、制御部1から制御信号CLK,STHとが入力される。CLKは、制御部1から入力されるクロック信号である。図6にCLKの例を示す。シフトレジスタ21は、ソースラインの本数と同数のn個の信号出力端を備える。そして、シフトレジスタ21は、CLKが入力される毎に(すなわち、CLKの立ち上がりエッジ毎に)、一つの信号出力端から、データ読み込み指示信号をラインバッファ22の信号入力端に出力する。本例では、シフトレジスタ21は、CLKが入力される毎に、左側の信号出力端から順番にデータ読み込み指示信号を出力するものとする。ただし、データ読み込み指示信号を順番に出力していく出力端の方向は左側からに限定されるわけではなく、右側の信号出力端から順番に出力していってもよい。また、データ読み込み指示信号は、ラインバッファ22に対して画像データの取り込みを指示する信号である。
【0042】
また、制御信号STHは、制御部1(図1参照)が1ライン分のデータ取り込みの開始を指示する信号である。例えば、制御部1は、1番左側の信号出力端からのデータ読み込み指示信号の出力開始を指示する場合、STHをハイレベルにして、他の期間ではSTHをローレベルにする。シフトレジスタ21は、STHがハイレベルのときにCLKの立ち上がりエッジを検出したならば、1番左側の信号出力端からデータ読み込み指示信号を出力する。以降、シフトレジスタ21は、CLKの立ち上がりエッジを検出する毎に、順次、信号出力端を切り替える。
【0043】
本例では、ラインバッファ22は、シフトレジスタ21の各信号出力端に対応する信号入力端を備える。そして、データ読み込み指示信号が信号入力端に入力される毎に、1ライン分の画像データうち、1画素分の画像データを読み込む。例えば、左からi番目の信号入力端にデータ読み込み指示信号が入力されると、1ラインにおける左からi番目の画素の画像データを読み込む。ラインバッファ22は、読み込んだ個々の画像データを保持する。なお、これらの画像データは、1ライン内の個々の画素の階調を表す画素値である。
【0044】
また、制御部1は、ソースドライバ2に対して、制御信号STBを入力する。STBは、各行の選択期間を指定する制御信号である。図7は、STBの変化の例を示す説明図である。STBの立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでが、液晶表示パネル5における1行の選択期間である。制御部1は、STBの1周期内で、シフトレジスタ21の各信号出力端からデータ読み込み指示信号が出力されるように、CLKを出力する。従って、STBの1周期の終了時前までに1ライン分の画像データがラインバッファ22に保持されることになる。ラインバッファ22はn個のデータ出力端を有し、ラッチ部23はn個のデータ入力端を有する。これらのデータ出力端、データ入力端を介して、この1ライン分の画像データは同時にラインバッファ22からラッチ部23に読み込まれる。
【0045】
ラッチ部23がラインバッファ22からデータを読み込むタイミングは、STBによって規定される。例えば、ラッチ部23は、STBの立ち上がりエッジ毎に、1ライン分の画像データをまとめて読み込む。また、STBの各周期において、STBの立ち上がりエッジまでの間に、ラインバッファ22における1ライン分の画像データの読み込みが完了していて、STBの立ち上がりエッジでラッチ部23は、その1ライン分の画像データを読み込む。また、STBの立ち上がり時に、ラッチ部23、レベルシフタ24、D−Aコンバータ25、バッファ26および出力マルチプレクサ27が動作し、出力マルチプレクサ27が液晶表示パネル5の各ソースラインに各列の画像データに応じた電位を設定する。ラッチ部23、レベルシフタ24、D−Aコンバータ25、バッファ26および出力マルチプレクサ27の一連の動作について説明する。
【0046】
ラッチ部23は、n個のデータ入力端に対応するn個の電位出力端を有する。ラッチ部23は、各データ入力端から読み込んだ画像データが表す階調に応じた電位を、データ入力端に対応する電位出力端から出力する。例えば、左からi番目のデータ入力端から読み込んだ画像データが表す階調に応じた電位を、左からi番目の電位出力端から出力する。このようにして、ラッチ部23は、1ライン分の各画像データに応じた各電位をそれぞれ出力する。
【0047】
また、ラッチ部23は、STBが立ち上がる前であって、ラインバッファ22が次の1行分の画像データの保持を完了しているタイミングで、直前のSTB立ち上がりエッジで読み込んだ1行分の画像データと、ラインバッファ22に保持されている1行分の画像データとを画素毎に比較し、その比較結果に応じた制御信号を出力マルチプレクサに出力する。この制御信号をCSDと記す。ラッチ部23における画像データの比較処理およびCSDに関しては、後述する。
【0048】
レベルシフタ24は、n個の電位入力端と、n個の電位出力端とを有する。レベルシフタ24のn個の電位入力端は、ラッチ部23のn個の電位出力端に一対一に接続されている。レベルシフタ24は、ラッチ部23から電位入力端に入力された電位に対してレベルシフトを行って、レベルシフト後の電力をそれぞれ電位出力端から出力する。レベルシフタ24が備える各電位入力端と各電位出力端も一対一に対応している。レベルシフタ24は、例えば、左からi番目の電位入力端に入力された電位に対してレベルシフトを行うと、レベルシフト後の電位を、左からi番目の電位出力端から出力する。
【0049】
D−Aコンバータ25は、n個の電位入力端と、n個の電位出力端とを有する。D−Aコンバータ25のn個の電位入力端は、レベルシフタ24の各電位出力端に一対一に接続されている。D−Aコンバータ25は、レベルシフタ24から各電位入力端に入力された電位をアナログ電圧に変換し、各電位出力端から出力する。D−Aコンバータ25は、電源部4(図1参照)からV〜VおよびV〜Vの各電圧が入力される。そして、D−Aコンバータ25は、アナログ変換後の電位として、電源部4から入力されたV〜VやV〜Vを出力する。すなわち、D−Aコンバータ25は、各画像データの値に応じてラッチ部23から出力され、レベルシフトされた電位を、4階調に応じた電位のいずれかの電位に変換して出力する。ただし、ここでは画像の階調が4階調である場合を例にして説明するが、D−Aコンバータ25に入力される電圧の種類はV〜Vに限定されず、また、画像の階調も4階調に限定されない。また、D−Aコンバータ25は、入力された電圧を分圧して、より多くの種類の階調に応じた電位を出力してもよい。これらの点は、後述の他の実施の形態においても同様である。
【0050】
また、D−Aコンバータ25には、制御部1(図1参照)が出力した制御信号POLが入力される。POLは、個々のソースラインの電位をコモン電極よりも高くするか低くするかを規定する制御信号である。D−Aコンバータ25は、POLがハイレベルであるかローレベルであるかによって、各電位出力端の出力電位をVCOMより高い電位とするか、VCOMより低い電位とするかを切り替える。具体的には、D−Aコンバータ25は、POLがハイレベルであるときに、左から奇数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより高い電位とし、左から偶数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより低い電位とする。逆に、POLがローレベルであるときに、D−Aコンバータ25は、左から奇数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより低い電位とし、左から偶数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより高い電位とする。
【0051】
すなわち、POLがハイレベルであるときに、D−Aコンバータ25の左から奇数番目の電位出力端からは、V〜Vのうちいずれかの電位が出力され、左から偶数番目の電位出力端からは、V〜Vのうちいずれかの電位が出力される。逆に、POLがローレベルであるときに、D−Aコンバータ25の左から奇数番目の電位出力端からは、V〜Vのうちいずれかの電位が出力され、左から偶数番目の電位出力端からは、V〜Vのうちいずれかの電位が出力される。
【0052】
また、本実施の形態では、制御部1は、POLを1フレーム期間毎に交互にハイレベル、ローレベルに切り替える。図8は、POLの切り替わりの例を示す説明図である。図8では、フレーム期間の切り替わり時にPOLをハイレベルからローレベルに変化させる場合を示したが、次のフレーム期間切り替わり時には、制御部1はPOLをローレベルからハイレベルに切り換える。
【0053】
上記のように、POLは1フレーム期間毎に切り替えられるので、1フレーム期間内では、D−Aコンバータ25における個々の電位出力端からの出力電位は、VCOMより高い電位、または、VCOMより低い電位のまま維持される。また、この結果、各ソースラインの電位も1フレーム期間内で、VCOMより高い電位、または、VCOMより低い電位のまま維持される。この結果、液晶表示パネル5(図2参照)を用いることで、本実施の形態では「列反転」となる。
【0054】
なお、以下の例では、単に「奇数番目」、「偶数番目」等と記載した場合、左側からの「奇数番目」、「偶数番目」等を意味しているものとする。
【0055】
バッファ26は、D−Aコンバータ25の電位出力端に一対一に対応する電位入力端を有し、バッファ26の各電位入力端に入力された電位と等しい電位を出力するn個の電位出力端を有する。例えば、バッファ26の左からi番目の電位出力端は、バッファ26の左からi番目の電位入力端に入力された電位と等しい電位を出力する。バッファ26は、例えば、ボルテージフォロワである。
【0056】
出力マルチプレクサ27は、バッファ26の電位出力端に一対一に対応する電位入力端を有する。また、出力マルチプレクサ27は、各電位入力端に一対一に対応するn個の電位出力端を有する。そして、出力マルチプレクサ27の各電位出力端は、液晶表示パネル5が備えるn本のソースラインS〜Sと一対一に接続される。出力マルチプレクサ27は、左からi番目の電位入力端に入力された電位を、左からi番目の電位出力端から出力する。
【0057】
ただし、出力マルチプレクサ27には、第1キャパシタ31と第2キャパシタ32が接続されている。第1キャパシタ31は、VCOMより高い電位に設定されるソースラインに接続させるためのキャパシタであり、第2キャパシタは、VCOMより低い電位に設定されるソースラインに接続させるためのキャパシタである。第1キャパシタ31の容量と、第2キャパシタ32の容量は、例えば、等しい容量に定めておけばよい。
【0058】
出力マルチプレクサ27は、所定の条件が成立している場合に、電位出力端(換言すれば、電位出力端に接続されているソースライン)と、第1キャパシタ31または第2キャパシタ32とを接続させる。出力マルチプレクサ27は、この間、その電位出力端に対応する電位入力端に入力された電位の出力を停止する。また、出力マルチプレクサ27は、その所定の条件が成立していない場合には、電位入力端に入力された電位を、対応する電位出力端から出力する。すなわち、電位入力端に入力された電位を、対応する電位出力端に接続されたソースラインに設定する。
【0059】
出力マルチプレクサ27の詳細な構成については、後述する。
【0060】
モードコントロール部28は、制御部1からPOL,STBを入力され、そのPOL,STBを他の構成要素に入力する。具体的には、モードコントロール部28は、制御部1から入力されたSTBを、ラインバッファ22、ラッチ部23、D−Aコンバータ25および出力マルチプレクサ27に入力する。また、モードコントロール部28は、制御部1から入力されたPOLを、D−Aコンバータ25および出力マルチプレクサ27に入力する。
【0061】
また、VCOMバッファ29は、電源部4から電圧VCOMを供給され、コモン電極55(図3参照)の電位をVCOMに設定する。
【0062】
制御部1は、ゲートドライバ3に対してSTVや行切替信号を入力する他に、ソースドライバ2に対しても、上述のSTH,CLK,STB,POLを入力し、ソースドライバ2を制御する。また、制御部3は、STBを立ち上げる前であって、ラインバッファ22が次の1行分の画像データの保持を完了しているタイミングで、ラッチ部23に対して、画像データの比較を指示する制御信号(以下、比較指示信号)を出力する。なお、STB等の制御信号を立ち上げるとは、制御信号をハイレベルにすることを意味する。
【0063】
次に、ラッチ部23が、直前のSTB立ち上がりエッジで読み込んだ1行分の画像データと、ラインバッファ22に保持されている1行分の画像データとを画素毎に比較する動作について説明する。ここで、正極性の表示のために用いる電位V〜Vのうちの最小値(本例ではV)と最大値(本例ではV)の平均電位をVとする。すなわち、V=(V+V)/2である。また、負極性の表示のために用いる電位V〜Vのうち最小値(本例ではV)と最大値(本例ではV)の平均電位をVとする。すなわち、V=(V+V)/2である。以下、Vを第1の中間電位と記し、Vを第2の中間電位と記す。
【0064】
図9は、ラッチ部23による画像データの比較処理の説明図である。ラッチ部23は、直前のSTB立ち上がりエッジで読み込んだ1行分の画像データを保持している。この1行分の画像データのうち、個々の画素の画像データをデータ1、データ2、・・・、データnと記す。また、前回のSTB立ち上がりエッジの後、ラインバッファ22は、次の行の画像データを、画素毎に順番に読み込んでいく。制御部2は、ラインバッファ22が1行分の画像データの読み込みを完了したことを、STHをハイレベルにした後にCLK(図6参照)を何回立ち上げたかによって判定することができる。制御部2は、ラインバッファ22が1行分の画像データの読み込みを完了したことを判定すると、次のSTB立ち上がりエッジまでの間に、比較指示信号をラッチ部23に入力する。
【0065】
ラインバッファ22が読み込みを完了して保持している1行分の画像データのうち、個々の画素の画像データをデータ1’、データ2’、・・・、データn’とする。
【0066】
ラッチ部23が保持しているデータ1等や、ラインバッファ22が保持しているデータ1’等は、画素の階調を表す画素値であり、これらのデータはいずれも同じビット長で表されている。
【0067】
ラッチ部23は、データ入力端毎に(換言すれば、液晶表示パネル5におけるソースライン毎に)、排他的論理和演算を行うEXOR(exclusive or)回路35を備える。図9に示す例では、左側のEXOR回路から35,35,・・・,35という符号を付して表す。左からi番目のEXOR回路は、ラッチ部23における左からi番目の画素の画像データと、ラインバッファ22における左からi番目の画素の画像データとに対応する。これらのデータは、いずれも左からi番目のソースラインに対応しているということができる。各EXOR回路35,35,・・・,35は、比較指示信号が入力されると、EXOR回路自身に対応する画像データのMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)同士の排他的論理和を求める。そして、その排他的論理和の演算結果を、CSDとして出力マルチプレクサ27に入力する。
【0068】
例えば、図9に示すEXOR回路35は、比較指示信号が入力されると、ラッチ部23に保持されている1行分のデータのうちの1番左側の画素の画像データのMSBと、ラインバッファ22に保持されている1行分のデータのうち1番左側の画素の画像データのMSBとの排他的論理和を求め、その演算結果をCSDとして出力マルチプレクサ27に入力する。他のEXOR回路35,・・・,35も同様に動作する。
【0069】
この排他的論理和演算の結果得られるCSDは、次にSTBが立ち上がって、ソースラインに設定する電位を変化させる際に、ソースラインの電位が第1の中間電位Vまたは第2の中間電位Vを跨ぐことになるか否かを表している。
【0070】
例えば、現在のフレーム期間中、1番左の列は正極性駆動され、1番左のソースラインSにはV〜Vのいずれかの電位が設定されるとする。この場合、図9に示すデータ1の値は小さく、ソースラインSの電位はVであるとする。次の行における1番左のデータ1’の値も小さく、ソースラインSの電位はVに設定されることになるとする。この場合、データ1、データ1’のMSBはいずれも0であり、EXOR回路35は、CSDを“0”とする。ここで、ソースラインの電位がVからVに変化しても、第1の中間電位Vを跨がない。CSD=0は、このことを表している。ソースラインSの電位が、VからVに変化することになる場合や、VからVに変化することになる場合や、VからVに変化することになる場合等でも、MSBの排他的論理和の結果(CSD)はいずれも0となり、第1の中間電位Vを跨がないことを表す。また、電位が変化しない場合もCSDは0となる。
【0071】
また、図9に示すデータ1の値は小さく、ソースラインSの電位はVであるとする。そして、次の行における1番左のデータ1’の値は大きく、ソースラインSの電位はVに設定されることになるとする。この場合、データ1のMSBは0であり、データ1’のMSBは1である。よって、EXOR回路35は、CSDを“1”とする。このとき、ソースラインの電位がVからVに変化することになるので、第1の中間電位Vを跨いで変化する。CSD=1は、このことを表している。ソースラインSの電位が、VからVに変化することになる場合や、VからVに変化することになる場合や、VからVに変化することになる場合や、あるいは、それらとは逆に電位が変化することになる場合等でも、MSBの排他的論理和の結果(CSD)はいずれも1となり、第1の中間電位Vを跨いで電位が変化することを表す。
【0072】
ここでは、正極性の場合を例にして説明したが、負極性の場合に関しても同様である。すなわち、MSBの排他的論理和の結果(CSD)が1であれば、ソースラインの電位が第2の中間電位Vを跨いで変化することを表し、CSDが0であれば、ソースラインの電位が第2の中間電位Vを跨がないことを表す。回路構成上の容易性において勘案すると、EXOR回路をラッチ部23に配置したほうが好ましいが、特に限定されるものではない。同一のソースラインに対応して、画像データのMSBと次の画像のMSBとを比較して排他的論理和を計算すればよい。
【0073】
図10は、出力マルチプレクサ27の構成例を示す説明図である。図10では、左からi−1番目のソースライン、i番目のソースライン、およびi+1番目のソースラインに接続される部分に着目して図示しているが、他のソースラインに接続される部分の構成も同様である。図10において、ch(i−1),ch(i),ch(i+1)は、それぞれ左からi−1番目、i番目、i+1番目であることを表している。また、図10に示す例では、i−1番目およびi+1番目が、左側から奇数番目であり、i番目が、左側から偶数番目であるものとする。左側から奇数番目であるならば、前述のD−Aコンバータ25の動作により、POLがハイレベルのときに、VCOMより高い電位を電位出力端から出力し、POLがローレベルのときに、VCOMより低い電位を電位出力端から出力することになる。また、左から偶数番目であるならば、前述のD−Aコンバータ25の動作により、POLがハイレベルのときに、VCOMより低い電位を電位出力端から出力し、POLがローレベルのときに、VCOMより高い電位を電位出力端から出力することになる。
【0074】
出力マルチプレクサ27の電位出力端Ui−1,U,Ui+1は、それぞれ対応するソースライン(図示略)に接続される。また、出力マルチプレクサ27は、列毎に、バッファ26から入力された電位を出力する出力部45を有する。
【0075】
また、出力マルチプレクサ27は、電位出力端毎に、第1スイッチ41と、第2スイッチ42を備える。第1スイッチ41は、電位出力端と第1キャパシタ31との接続状態をオンまたはオフとするスイッチである。第2スイッチ42は、電位出力端と第2キャパシタ32との接続状態をオンまたはオフとするスイッチである。
【0076】
第1キャパシタ31および第2キャパシタ32において、出力マルチプレクサ27の電位出力端とは接続されない側の電極の電位は、VCOMバッファ29(図5参照)によってVCOMに保たれる。第1キャパシタ31は、正極性となる電位出力端に接続される。この結果、第1キャパシタ31のもう一方の電極の電位は収束し、第1の中間電位V近辺の値となる。また、第2キャパシタ32は、負極性となる電位出力端に接続される。この結果、第2キャパシタ32のもう一方の電極の電位は収束し、第2の中間電位V近辺の値となる。なお、低消費電力の観点から第1キャパシタ31および第2キャパシタ32の電位出力端とは接続されない側の電極の電位をコモン電極電位とすることが好ましいが、接地電位であってもよい。
【0077】
なお、コモン電極もVCOMバッファ29(図5参照)によってVCOMに保たれる。そして、コモン電極と画素電極もキャパシタを形成する。第1スイッチ41がオンとなることによって、電位出力端と第1キャパシタ31が接続されるということは、その電位出力端に接続されたソース電極と導通状態となる画素電極が、第1キャパシタ31に接続された状態になっているということである。同様に、第2スイッチ42がオンとなることによって、電位出力端と第2キャパシタ32が接続されるということは、その電位出力端に接続されたソース電極と導通状態となる画素電極が、第2キャパシタ32に接続された状態になっているということである。
【0078】
第1スイッチ41および第2スイッチ42のオン、オフは、出力マルチプレクサ27に入力されるSTB,POL,CSDの状態によって決定される。なお、CSDは、列毎に生成され、ラッチ部23から入力される(図9参照)。また、第1スイッチ41および第2スイッチ42がオンとなる条件は、奇数番目の列であるか、偶数番目の列であるかにより異なる。また、第1スイッチ41および第2スイッチ42に関して、「オン」とは、電位出力端と第1キャパシタ31または第2キャパシタ32とを接続させる状態であることを意味する。「オフ」とは、電位出力端と第1キャパシタ31または第2キャパシタ32との接続を断としている状態であることを意味する。
【0079】
奇数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。ここでは、左からi−1番目の第1スイッチ41を例にして説明する。奇数番目の列における第1スイッチ41は、以下の3つの条件が全て満たされた場合に、一定期間オンとなる。第1の条件は、STBの立ち上がりエッジを検出したことである。第2の条件は、POLがハイレベルになっていることである。第3の条件は、第1スイッチ41自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていることである。本例では、左からi−1番目のEXOR回路が出力したCSDが1になっていることである。この三つの条件が全て満たされると、奇数番目の列における第1スイッチ41は、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。本例では、左からi−1番目の第1スイッチ41は、電位出力端Ui−1と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0080】
奇数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。上記と同様に、左からi−1番目の場合を例にして説明する。奇数番目の列における第2スイッチ42は、以下の3つの条件が全て満たされた場合に、一定期間オンとなる。第1の条件は、STBの立ち上がりエッジを検出したことである。第2の条件は、POLがローレベルになっていることである。第3の条件は、第2スイッチ42自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていることである。本例では、左からi−1番目のEXOR回路が出力したCSDが1になっていることである。この三つの条件が全て満たされると、奇数番目の列における第2スイッチ42は、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。本例では、左からi−1番目の第2スイッチ42は、電位出力端Ui−1と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0081】
ここでは、左からi−1番目の第1スイッチ41および第2スイッチ42を例に説明したが、他の奇数番目の列に関しても同様である。
【0082】
次に、偶数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。ここでは、左からi番目の第1スイッチ41を例にして説明する。偶数番目の列における第1スイッチ41は、以下の3つの条件が全て満たされた場合に、一定期間オンとなる。第1の条件は、STBの立ち上がりエッジを検出したことである。第2の条件は、POLがローレベルになっていることである。第3の条件は、第1スイッチ41自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていることである。本例では、左からi番目のEXOR回路が出力したCSDが1になっていることである。この三つの条件が全て満たされると、偶数番目の列における第1スイッチ41は、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。本例では、左からi番目の第1スイッチ41は、電位出力端Uと第1キャパシタ31とを接続させる。
【0083】
偶数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。上記と同様に、左からi番目の場合を例にして説明する。偶数番目の列における第2スイッチ42は、以下の3つの条件が全て満たされた場合に、一定期間オンとなる。第1の条件は、STBの立ち上がりエッジを検出したことである。第2の条件は、POLがハイレベルになっていることである。第3の条件は、第2スイッチ42自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていることである。本例では、左からi番目のEXOR回路が出力したCSDが1になっていることである。この三つの条件が全て満たされると、偶数番目の列における第2スイッチ42は、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。本例では、左からi番目の第2スイッチ42は、電位出力端Uと第2キャパシタ31とを接続させる。
【0084】
上記の説明からわかるように、奇数番目の列であるか偶数番目の列であるかによらず、スイッチをオンにするための第1の条件および第3の条件は、第1スイッチ41と第2スイッチ42とで共通である。
【0085】
また、出力部45は、その列の第1スイッチ41または第2スイッチ42がオンとなっている間は、バッファ26から入力された電位の出力を停止する。そして、第1スイッチ41または第2スイッチ42がオンとなって一定期間が経過し、そのスイッチがオフとなったことを条件に、バッファ26から入力された電位の出力を開始する。
【0086】
第1スイッチ41または第2スイッチ42がオンとなる条件に、CSDが1であるという条件が含まれている。よって、選択行切替時に、第1の中間電位Vまたは第2の中間電位Vを跨いでソースラインの電位を変化させることになる場合、一旦、ソースラインを第1キャパシタ31または第2キャパシタ32に接続させて、ソースラインの電位をVまたはVにする(ただし、第1、第2の条件も満たされていることが前提である)。出力部45は、その後、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。この結果、消費電力を抑えるという効果が得られる。
【0087】
例えば、正極性の場合を例にすると、ソースラインの電位をVまたはVからVまたはVに上昇させる場合、まず、第1キャパシタ31を利用して、ソースラインの電位をVまで上昇させる。このとき、電位の上昇に寄与するのは第1キャパシタ31であり、バッファ26から入力される電位は消費されない。ここでは正極性を例にして説明したが、負極性の場合も同様である。
【0088】
また、選択行切り替え時に必ずソースラインを第1キャパシタ31や第2キャパシタ32に接続させるわけではないので、消費電力をさらに抑えることができる。例えば、正極性の場合を例にすると、ソースラインの電位をVからVに変化させるような場合にもソースラインを第1キャパシタ31に接続させてしまうと仮定すると、ソースラインの電位をVからVに上昇させて、さらにVに低下させることとなり、電力が無駄に消費されてしまう。本発明では、ソースラインを第1キャパシタ31や第2キャパシタ32に接続させるための条件として、CSDが1であること、すなわち、中間電位V,Vを跨いで電位が変化することを採用しているので、上記のような無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0089】
なお、オンとする条件が満たされた第1スイッチ41は、電位出力端に接続されたソースラインと第1キャパシタ31とを接続させる。このとき、第1の中間電位V近辺の電位よりも低い電位であったソースラインは、第1キャパシタ31により、中間電位V近辺の電位にまで上昇される。第1キャパシタ31は、このようなソースラインに対しては放電することになる。しかし、第1キャパシタ31に接続されるソースラインの中には、第1の中間電位V近辺の電位よりも高い電位のソースラインも存在する。よって、第1キャパシタ31は、放電を行うだけでなく、そのようなソースラインからの充電も行われ、第1キャパシタ31の電極のうち、ソースラインに接続される方の電極の電位は、第1の中間電位Vに近い電位に維持される。
【0090】
第2キャパシタ32に関しても同様である。すなわち、放電を行うだけでなく、充電も行われ、第2キャパシタ32の電極のうち、ソースラインに接続される方の電極の電位は、第2の中間電位Vに近い電位に維持される。
【0091】
なお、第1スイッチ41および第2スイッチ42をオンとするための上述の各条件は、個々のフレーム期間内で適用され、フレーム期間切り替え時には適用されない。すなわち、最終行の選択を終了して、新たなフレーム期間を開始して第1行を選択する場合には、スイッチ41,42をオンとするための上述の各条件は適用されない。新たな期間を開始して、第1行を選択するときには、例えば、STBの立ち上がり時に、全ての第1スイッチ41および第2スイッチ42をオフとし、出力マルチプレクサ27の各出力部45は、STBの立ち上がり時から、バッファ26から入力された電位の出力を開始すればよい。
【0092】
あるいは、フレーム期間切り替え時にも、第1スイッチ41および第2スイッチ42のオン、オフを設定してもよい。フレーム期間切り替え時において第1スイッチ41や第2スイッチ42をオンにする条件については、後述する。
【0093】
次に、STBとCSD出力タイミングとの関係について、図11を参照して説明する。時刻T1にSTBが立ち上がるので、このとき、ラッチ部23はラインバッファ22から1ライン分の画像データを読み込む。そして、ラッチ部23の動作に伴い、レベルシフタ24、D−Aコンバータ25、バッファ26、出力マルチプレクサ27が動作し、各ソースラインに電位が設定される。このとき、上述の条件を満足する第1スイッチ41、第2スイッチ42は一旦オンになるが、ここでは、その動作については省略する。
【0094】
時刻T1後に、各ソースラインに電位が設定され、選択行の画素電極は、上記の1ライン分の画像データに応じた電位に設定される。また、シフトレジスタ21にはSTH、CLKが入力され、これに伴い、ラインバッファ22は、次の1ライン分のデータを読み込む。時刻T2までに、このデータ読み込みが完了しているとする。時刻T2において、ラッチ部23は、時刻T1でラインバッファ22から読み込んだデータを保持している。よって、時刻T2において、各EXOR回路35(図9参照)は、ラッチ部23が保持している各画像データのMSBと、ラインバッファ22に保持されている、次の行の各画像データのMSBとを比較して、CSDを演算することができる。制御部1は、例えば、時刻T2において比較指示信号を出力して、各EXOR回路35にMSBの排他的論理和を演算させ、CSDを算出させる。
【0095】
各EXOR回路35は、このCSDを出力マルチプレクサ27に入力する。そして、時刻T1の次にSTBが立ち上がる時刻T3では、出力マルチプレクサ27の第1スイッチ41および第2スイッチ42は、このCSDを参照して、第3の条件が満たされているか否かを判定すればよい。このように第3の条件が満たされているか否かを判定することで、時刻T3より前のソースラインの電位が、時刻T3より後に、中間電位VやVを跨いで変化することになるのか否かを判断することになる。なお、時刻T3では、第1の条件は満たされることになる。また、第2の条件が満たされているか否かに関しては、そのフレーム期間におけるPOLを参照して判定すればよい。
【0096】
図12に示すようにPOLがハイレベルの場合、奇数番目の列の第1スイッチ41のみが電位出力端を第1キャパシタ31に接続させ得る。時刻T3において、奇数番目の列の第1スイッチ41のうち、時刻T2に算出されたCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、時刻T3から一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。また、時刻T3では、STBが立ち上がるので、第1の条件は満たされていることになる。なお、上記の一定期間とは、例えば、STBがハイレベルになっている期間の冒頭の期間である。そして、その期間の終了後に、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0097】
奇数番目の列のうち、時刻T2に算出されたCSDが0であった列は、第1スイッチ41がオンとならない。この場合、時刻T3の後、スイッチ41,42をオンとする一定期間の経過を待たずに、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0098】
また、POLがハイレベルの場合(図12参照)、偶数番目の列の第2スイッチ42のみが電位出力端を第2キャパシタ32に接続させ得る。時刻T3において、偶数番目の列の第2スイッチ42のうち、時刻T2に算出されたCSDが1となっている列の第2スイッチのみが、時刻T3から一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。また、時刻T3では、第1の条件は満たされる。上述のように、一定期間とは、例えば、STBがハイレベルになっている期間の冒頭の期間である。その一定期間の終了後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0099】
偶数番目の列のうち、時刻T2に算出されたCSDが0であった列は、第2スイッチ42がオンとならない。この場合、時刻T3の後、スイッチ41,42をオンとする一定期間の経過を待たずに、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0100】
ここでは、時刻T3を例に説明したが、STBの立ち上がりエッジ毎に同様の処理を繰り返す。
【0101】
また、図13に示すようにPOLがローレベルの場合、偶数番目の列の第1スイッチ41のみが電位出力端を第1キャパシタ31に接続させ得る。時刻T3において、偶数番目の列の第1スイッチ41のうち、時刻T2に算出されたCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、時刻T3から一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。また、時刻T3では、第1の条件は満たされる。上述のように、一定期間とは、例えば、STBがハイレベルになっている期間の冒頭の期間である。その一定期間の終了後に、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0102】
偶数番目の列のうち、時刻T2に算出されたCSDが0であった列は、第1スイッチ41がオンとならない。この場合、時刻T3の後、スイッチ41,42をオンとする一定期間の経過を待たずに、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0103】
また、POLがローレベルの場合(図13参照)、奇数番目の列の第2スイッチ42のみが電位出力端を第2キャパシタ32に接続させ得る。時刻T3において、奇数番目の列の第2スイッチのうち、時刻T2に算出されたCSDが1となっている列の第2スイッチのみが、時刻T3から一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。また、時刻T3では、第1の条件は満たされる。この一定期間は、既に説明したとおりである。この一定期間の終了後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0104】
奇数番目の列のうち、時刻T2に算出されたCSDが0であった列は、第2スイッチ42がオンとならない。この場合、時刻T3の後、スイッチ41,42をオンとする一定期間の経過を待たずに、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0105】
次に、第1の実施の形態の変形例について説明する。
フレーム期間の切り替わり時において、所定の条件が成立したときに第1スイッチ41および第2スイッチ42が、出力マルチプレクサ27の電位出力端を第1キャパシタ31や第2キャパシタ32に接続させてもよい。以下、この動作について説明する。
【0106】
フレーム期間の切り替わり時において、第1スイッチ41および第2スイッチ42のオン、オフを切り替える条件として、制御信号STVを用いる。よって、本変形例では、制御部1(図1参照)は、STVをゲートドライバ3だけでなく、ソースドライバ2に対しても出力する。また、制御部1は、STVを1クロック信号分遅らせた制御信号(STVDと記す。)も生成し、ソースドライバ2に対して出力する。STVDは、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジがSTVよりも1クロック信号分遅れている。
【0107】
図14は、STV,STVD等の出力タイミングチャートの例を示す説明図である。図14に示すように、制御部1は、新たなフレーム期間における最初のSTBの立ち上がりエッジよりも先に、STVをハイレベルにし、そのSTBの立ち下がりエッジよりも後に、STVをローレベルにする。また、制御部1は、新たなフレーム期間における最初のSTBの立ち上がりエッジよりも先に、STVDもハイレベルにし、そのSTBの立ち下がりエッジよりも後に、STVDをローレベルにする。
【0108】
また、制御部1は、例えば、STVの立ち上がりエッジと同じタイミングで、POLのレベルを切り替える。既に説明したように、POLは1フレーム期間毎に、ハイレベル、ローレベルに交互に切り替えられる。
【0109】
また、STBがハイレベルになったときには、ラッチ部23は、ラインバッファ22から1ライン分の各画素の画像データを読み込む。ただし、本変形例では、ラッチ部23は、1ライン分の新たな画像データを読み込んだときに、それまで保持していた1ライン分の各画素の画像データのうち、各画素のMSBに関しては、残して保持しておく。すなわち、STBがハイレベルになったときに、新たに読み込んだ1ライン分の各画素の画像データを保持するだけでなく、それまで保持していた前のラインの各画素の画像データのMSBも保持する。例えば、図14に示す時刻Tbにおいて、ラッチ部23は、新たな1ライン分の画像データを読み込むとともに、時刻Taから保持していた各画素の画像データのMSBも保持しておく。このように、ラッチ部23は、新たな行の画像データを読み込んだときに、その前の行の各画素の画像データのMSBも保持する。
【0110】
なお、本例では、1つ前の行の各画素の画像データのMSBをラッチ部23が保持する場合を例にして説明するが、ラッチ部23以外の他の構成要素が保持していてもよい。
【0111】
本変形例においては、各列の第1スイッチ41および第2スイッチ42は、既に説明した条件が満たされた場合の他、以下に示す条件が満たされた場合にもオンとなる。ただし、以下に示す条件には、「STVがハイレベルであること」、または、「STVDがハイレベルであること」が含まれているので、以下に示すスイッチの動作は、新たなフレーム期間における第1行の画像データに応じた電位を設定する際に適用されるものである。
【0112】
奇数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。奇数番目の列における第1スイッチ41は、以下の条件が満たされた場合に、一定期間オンとなる。すなわち、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、奇数番目の列における第1スイッチ41は、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。また、この一定期間を、第1期間と記す。「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」は、画像データが中間調より高い階調であることを示している。
【0113】
本変形例では、1ライン前の各画素の画像データのMSBも、ラッチ部23(あるいは、他の構成要素でもよい。)によって保持されているので、出力マルチプレクサ27は、そのMSBを参照すればよい。
【0114】
「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、前のフレーム期間では、POLはハイレベルであり、着目している奇数番目の列のソースラインの電位はVより高かったことを意味する。新たなフレーム期間ではPOLがローレベルであり、そのソースライン電位をVCOMより低くするので、第1スイッチ41をオンとすることにより、第1キャパシタ31を利用してソースライン電位をV近辺まで低下させることができ、その際キャパシタに蓄積した電荷を消費電力の低減に役立てることができる。すなわち、図15(a)に例示する電位変化において、ソースライン電位をV近辺まで低下させる際にキャパシタに電荷を蓄積し、その電荷を消費電力の低減に役立てることができる。
【0115】
なお、図16は、上述の第1期間を示す説明図である。図16に示すように、第1期間は、STBがハイレベルになっている期間の冒頭に設ければよい。なお、図16に示す第1期間の後の第2期間については、後述する。
【0116】
奇数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。奇数番目の列における第2スイッチ42は、以下の条件が満たされた場合に、第1期間(図16参照)の間オンとなる。すなわち、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、奇数番目の列における第2スイッチ42は、第1期間の間オンとなる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0117】
「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、前のフレーム期間ではPOLはローレベルであり、着目している奇数番目の列のソースラインの電位はVより低かったことを意味する。新たなフレーム期間ではPOLがハイレベルであり、そのソースライン電位をVCOMより高くするので、第2スイッチ42をオンとすることにより、第2キャパシタ32を利用してソースライン電位をV近辺まで上昇させることができ、その分、消費電力を抑えることができる。例えば、図15(b)に例示する電位変化において、ソースライン電位をV近辺まで上昇させる際の消費電力を抑えることができる。
【0118】
偶数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。偶数番目の列における第1スイッチ41は、以下の条件が満たされた場合に、第1期間の間、オンになる。すなわち、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、偶数番目の列における第1スイッチ41は、第1期間の間、オンになる。すなわち、その偶数番目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0119】
「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、前のフレーム期間ではPOLはローレベルであり、着目している偶数番目の列のソースラインの電位はVより高かったことを意味する。新たなフレーム期間ではPOLがハイレベルであり、そのソースライン電位をVCOMより低くするので、第1スイッチ41をオンとすることにより、第1キャパシタ31を利用してソースライン電位をV近辺まで低下させることができる(図15(a)参照)。すなわち、キャパシタに電荷を蓄積し、その電荷を消費電力の低減に役立てることができる。
【0120】
偶数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。偶数番目の列における第2スイッチ42は、以下の条件が満たされた場合に、第1期間の間、オンとなる。すなわち、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、偶数番目の列における第2スイッチ42は、第1期間の間オンとなる。すなわち、その偶数列目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0121】
「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、前のフレーム期間ではPOLはハイレベルであり、着目している偶数番目の列のソースラインの電位はVより低かったことを意味する。新たなフレーム期間ではPOLがローレベルであり、そのソースライン電位をVCOMより高くするので、第2スイッチ42をオンとすることにより、第2キャパシタ32を利用してソースライン電位をV近辺まで上昇させることができ、その分、消費電力を抑えることができる(図15(b)参照)。
【0122】
さらに、第1期間後の第2期間(図16参照)において、各列の第1スイッチ41および第2スイッチ42は、以下に示す条件が満たされた場合にもオンとなる。第2期間は、フレーム期間の切り替わり後に最初にSTBがハイレベルになっている期間における第1期間後の一定の期間である。
【0123】
第2期間において、奇数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。奇数番目の列における第1スイッチ41は、以下の条件が満たされた場合に、第2期間中、オンとなる。すなわち、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、奇数番目の列における第1スイッチ41は、第2期間中、オンとなる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0124】
「POLがハイレベルになっていること」、および「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、新たに開始された現フレーム期間の第1行において、着目している奇数番目の列のソースラインの電位をVより高くすることを意味する。また、そのソースラインの電位が前のフレーム期間ではVCOM未満であったことを意味する。よって、第2期間において、第1スイッチ41をオンとすることにより、第1キャパシタ31を利用して、VCOMより低い電位をV近辺まで上昇させることができ、その分、消費電力を抑えることができる。すなわち、図17(a)に例示する電位変化において、ソースライン電位をV近辺まで上昇させる際の消費電力を抑えることができる。
【0125】
第2期間において、奇数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。奇数番目の列における第2スイッチ42は、以下の条件が満たされた場合に、第2期間中、オンとなる。すなわち、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがローレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、奇数番目の列における第2スイッチ42は、第2期間中、オンとなる。すなわち、その奇数番目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0126】
「POLがローレベルになっていること」、および「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、新たに開始された現フレーム期間の第1行において、着目している奇数番目の列のソースラインの電位をVより低くすることを意味する。また、そのソースラインの電位が前のフレーム期間ではVCOMより高い電位であったことを意味する。よって、第2期間において、第2スイッチ42をオンとすることにより、第2キャパシタ32を利用して、VCOMより高い電位をV近辺まで低下させることができ、その際キャパシタに蓄積した電荷を消費電力の低減に役立てることができる。すなわち、図17(b)に例示する電位変化において、ソースライン電位をV近辺まで低下させる際にキャパシタに電荷を蓄積し、その電荷を消費電力の低減に役立てることができる。
【0127】
第2期間において、偶数番目の列における第1スイッチ41がオンとなる条件について説明する。偶数番目の列における第1スイッチ41は、以下の条件が満たされた場合に、第2期間中、オンとなる。すなわち、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがローレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、偶数番目の列における第1スイッチ41は、第2期間中、オンとなる。すなわち、その偶数番目の列の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0128】
「POLがローレベルになっていること」、および「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、新たに開始された現フレーム期間の第1行において、着目している偶数番目の列のソースラインの電位をVより高くすることを意味する。また、そのソースラインの電位が前のフレーム期間ではVCOM未満であったことを意味する。よって、第2期間において、第1スイッチ41をオンとすることにより、第1キャパシタ31を利用して、VCOMより低い電位をV近辺まで上昇させることができ、その分、消費電力を抑えることができる(図17(a)参照)。
【0129】
第2期間において、偶数番目の列における第2スイッチ42がオンとなる条件について説明する。偶数番目の列における第2スイッチ42は、以下の条件が満たされた場合に、第2期間中、オンとなる。すなわち、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、偶数番目の列における第2スイッチ42は、第2期間中、オンとなる。すなわち、その偶数番目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0130】
「POLがハイレベルになっていること」、および「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が満たされているということは、新たに開始された現フレーム期間の第1行において、着目している奇数番目の列のソースラインの電位をVより低くすることを意味する。また、そのソースラインの電位が前のフレーム期間ではVCOMより高い電位であったことを意味する。よって、第2期間において、第2スイッチ42をオンとすることにより、第2キャパシタ32を利用して、VCOMより高い電位をV近辺まで低下させることができる(図17(b)参照)。そして、その際、キャパシタに電荷を蓄積し、その電荷を消費電力の低減に役立てることができる。
【0131】
また、第2期間において第1スイッチ41、第2スイッチ42をオンとする条件の中に、「STVDがハイレベルになっていること」という条件を含めているが、この条件の代わりに「STVがハイレベルになっていること」という条件を用いてもよい。
【0132】
また、出力部45(図10参照)は、フレーム期間の切り替え時においては、例えば、第2期間終了後に、バッファ26から入力された電位の出力を開始すればよい。また、出力部45は、第2期間においてその列の第1スイッチ41と第2スイッチ42のいずれもがオフになるならば、バッファ26から入力された電位の出力を、例えば、第2期間から開始してもよい。
【0133】
以上のように、フレーム期間切り替え時においても、所定の条件が満たされた場合に、第1スイッチ41や第2スイッチ42をオンにすることで、消費電力を低減することができる。例えば、所定の条件が満たされた場合に、第1期間に第1スイッチ41や第2スイッチ42をオンにするので、前のフレーム期間において電位がVより高いソースラインを第1キャパシタ31に接続させ、第1キャパシタ31に電荷を蓄積したり、前のフレーム期間において電位がVより低いソースラインを第2キャパシタ32に接続させ、第2キャパシタ32を利用して電位をVまで上昇させる際の消費電力を少なくしたりすることができる。この際、既に説明したような条件を定めているので、例えば、ソースラインの電位をVをVまで低下させてからVCOM以上の電位に上昇させるような、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0134】
また、所定の条件が満たされた場合に、第2期間に第1スイッチ41や第2スイッチ42をオンにするので、新規フレーム期間において、電位をV以上にすべきソースラインの電位を、第1キャパシタ31を利用してVまで上昇させることができ、この間の消費電力を抑えることができる。また、電位をV以下にすべきソースラインを第2キャパシタ32に接続させて、第2キャパシタ32に電荷を蓄積することができ、この電荷を消費電力の低減に役立てることができる。この際、既に説明したような条件を定めているので、例えば、VCOM未満の電位をVまで上昇させてからVまで低下させるような、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0135】
また、上記の例では列反転の場合を示した。制御部1が1選択期間毎にPOLのレベルをハイレベル、ローレベルに切り替えることで、ドット反転を実現することができる。この場合、各ソースラインの電位は選択期間毎に、VCOMより高い電位とVCOMより低い電位に切り替わる。このときに、消費電力を低減するためには、上述の変形例で説明したフレーム期間切り替え時における条件を適用して、各列の第1スイッチ41および第2スイッチ42のオンを決定すればよい。具体的には、選択行切替時において、STB立ち上がりエッジ後の第1期間、第2期間(図16参照)における第1スイッチ41および第2スイッチ42のオンを、上述の変形例と同じ条件で定めればよい。また、制御部1は、図14に示すSTV、STVDに相当する信号をハイレベルにしローレベルに戻す制御を、各STBに関して行えばよい。ただし、ゲートドライバ3に対するSTVは、フレーム期間切り替え時のみハイレベルにする。
【0136】
次に、第1の実施の形態の他の変形例について説明する。
第1の実施の形態では、各EXOR回路35が、ラッチ部23に蓄積された画像データのMSBと、ラインバッファ22に蓄積された画像データのMSBとを比較する場合を示したが、一つの回路(例えば、ラッチ部23)内に、各画素の画像データのビット毎に、2重にDフリップフロップを設け、そのDフリップフロップの出力同士の排他的論理和演算を行ってもよい。図18は、Dフリップフロップを2重に設けることで、画像データのMSBの排他的論理和演算を行う構成の例を示す。図18では、1ライン中の1画素分の画像データのLSB(Least Significant Bit :最下位ビット)からMSBまでの各ビットに応じた2重のDフリップフロップを示している。1段目の各Dフリップフロップ36の入力端Dは、ラインバッファ22内の対応する画素の1ビット分の値を取り込む。また、1段目の各Dフリップフロップ36の出力端Qは、2段目の各Dフリップフロップ36の入力端Dに接続される。そして、各Dフリップフロップ36,37のCKにSTBが入力される。この結果、STBがハイレベルになると、あるライン(Kとする)の画像データが1段目の各Dフリップフロップ36に保持される。次に、STBがハイレベルになると、ラインKの画像データは2段目のDフリップフロップ37に保持され、その次のラインの画像データが1段目のDフリップフロップ36に保持される。また、1画素分のデータ毎に、EXOR回路35が設けられ、EXOR回路35は、1段目のMSBに該当するDフリップフロップ36の出力Qと、2段目のMSBに該当するDフリップフロップ37の出力Qとの排他的論理和を求め、その演算結果をCSDとして、出力マルチプレクサ27に出力する。
【0137】
このように、ある行の画素データのMSBと、次の行の画素データのMSBとの排他的論理和を演算するための構成は、図9に示す構成以外の種々の構成であってもよい。また、その他の点に関しても、第1の実施の形態やその変形例で述べた構成や動作は例示であり、他の構成や動作によって本発明を実現してもよい。例えば、上記の変形例などでは、左側から偶数列目、奇数列目でそれぞれ第1のスイッチや第2のスイッチをオンにする条件を定めたが、右側から奇数列目の第1のスイッチや第2のスイッチをオンにする条件や、右側から偶数列目の第1のスイッチや第2のスイッチをオンにする条件を定めてもよい。
【0138】
[実施の形態2]
第2の実施の形態の液晶表示装置は、第1の実施の形態と同様に、制御部1と、ソースドライバと、ゲートドライバ3と、液晶表示パネルと、電源部4を備える(図1参照)。ただし、ソースドライバの構成は第1の実施の形態と異なるので、以下、ソースドライバを符号2aで表す。ソースドライバ2aおよびゲートドライバ3は、電源部4(図1参照)から電圧供給を受ける。
【0139】
また、液晶表示パネルの構成は、第1の実施の形態と異なる。第2の実施の形態では、図19に例示する構成の液晶表示パネルを用いて、1フレーム期間内で出力マルチプレクサ27の個々の電位出力端の極性を正極性や負極性に維持したまま、ドット反転を実現する。以下、図19を参照して、第2の実施の形態における液晶表示パネルについて説明する。以下、第2の実施の形態における液晶表示パネルを符号5aで表す。
【0140】
液晶表示パネル5aは、マトリクス状に配置された複数の画素電極50と、コモン電極(図19において図示略)との間に液晶を挟持する。この点は、第1の実施の形態における液晶表示パネル5と同様である。
【0141】
ただし、液晶表示パネル5aは、画素電極の各列の左側にそれぞれ1本ずつソースラインを備えるとともに、1番右側の画素列の右側にも1本のソースラインを備える。すなわち、液晶表示パネル5aは、画素電極の列の数nよりも1多いn+1本のソースラインS〜Sn+1を備える(図19参照)。このような構成により、隣り合うソースライン間に1列分の画素電極が配置されることになる。
【0142】
また、奇数番目の行の各画素電極50では、TFT51は、画素電極50の左側に設けられ、画素電極50とその左側のソースラインとを接続させる。一方、偶数番目の行の各画素電極50では、TFT51は、画素電極50の右側に設けられ、画素電極50とその右側のソースラインとを接続させる(図19参照)。図3では、画素電極50が左側のソースラインに接続される場合を例示したが、画素電極50が右側のソースラインに接続される場合には、例えばTFT51を画素電極50の右側に配置して、TFT、ソースライン、ゲートラインを接続させればよい。ただし、ここでは便宜的に、奇数行目のTFTを画素電極の左側に設け、偶数行目のTFTを画素電極の右側に設ける場合を例示したが、奇数行目の画素電極が左側のソースラインに接続され、偶数行目の画素電極が右側のソースラインに接続されさえすれば、TFTの位置自体は任意でよい。
【0143】
図20は、第2の実施の形態におけるソースドライバ2aの構成例を示す説明図である。第1の実施の形態と同様の構成例については、図5と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。ソースドライバ2aは、シフトレジスタ21と、ラインバッファ22aと、ラッチ部23aと、レベルシフタ24aと、D−Aコンバータ25aと、バッファ26aと、出力マルチプレクサ27aと、モードコントロール部28と、VCOMバッファ29と、第1キャパシタ31と、第2キャパシタ32とを備える。なお、図20において、ラインバッファ22a等の入力端や出力端に記載した“1”,“2”,“3”,“n”,“n+1”等の番号は、左側から何番目の端子であるかを表している。また、第2の実施の形態においても、単に「奇数番目」、「偶数番目」等と記載した場合、左側からの「奇数番目」、「偶数番目」等を意味しているものとする。
【0144】
シフトレジスタ21は、第1の実施の形態と同様である。
【0145】
ラインバッファ22aは、シフトレジスタ21の各信号出力端に対応する信号入力端を備える。そして、データ読み込み指示信号が信号入力端に入力される毎に、1ライン分の画像データうち、1画素分の画像データを読み込み、その画像データを保持する。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0146】
ただし、ラインバッファ22aは、ソースラインS〜Sn+1と同数の信号出力端を備える。そして、1ライン分のn個の画素の画像データを、左から1番目からn番目までのデータ出力端からラッチ部23aに読み込まれるようにするのか、左から2番目からn+1番目までのデータ出力端からラッチ部23aに読み込まれるようにするのかを、制御部22aからの制御信号(端子制御信号と記す)に従って切り替える。端子制御信号は、第1の実施の形態で述べた各種制御信号に加え、第2の実施の形態で制御部1が出力する制御信号である。
【0147】
例えば、ラインバッファ22aは、n+1個のデータ出力端に対応するn+1個の記憶領域(図示略)を備える。そして、端子制御信号がハイレベルである場合、ラインバッファ22aは、1行分のn個の画像データを、左から1番目からn番目までのデータ出力端に対応する記憶領域に記憶するように配置する。この場合、左からn+1番目のデータ出力端に対応する記憶領域には何も記憶されない。また、端子制御信号がローレベルである場合には、ラインバッファ22aは、1行分のn個の画像データを、左から2番目からn+1番目までのデータ出力端に対応する記憶領域に記憶するように配置する。この場合、一番左のデータ出力端に対応する記憶領域には何も記憶されない。その他の点に関しては、第1の実施の形態におけるラインバッファ22と同様である。
【0148】
また、制御部1は、液晶表示パネル5aの奇数行目の画像データをラインバッファ22aが読み込むときには、端子制御信号をハイレベルにする。一方、液晶表示パネル5aの偶数行目の画像データをラインバッファ22aが読み込むときには、端子制御信号をローレベルにする。従って、奇数行目の画像データは、ラインバッファ22aの左から1番目からn番目までのデータ出力端からラッチ部23aに読み込まれる。また、偶数行目の画像データは、ラインバッファ22aの左から2番目からn+1番目までのデータ出力端からラッチ部23aに読み込まれる。制御部1は、ラインバッファ22aが1行分のデータを読み込む周期と同じ周期で、端子制御信号のレベルをハイレベル、ローレベルに交互に切り替えていけばよい。
【0149】
ラッチ部23aは、液晶表示パネル5aのソースラインと同数のn+1個のデータ入力端と、n+1個の電位出力端を有する。そして、STBの立ち上がりエッジ毎に、1ライン分の画像データをラインバッファ22aから読み込む。ただし、上記のように、ラインバッファ22aのデータ記憶態様は、左から1番目からn番目までのデータ出力端に対応する記憶領域に1ライン分のデータを記憶する態様(第1の記憶態様と記す。)と、左から2番目からn+1番目までのデータ出力端に対応する記憶領域に1ライン分のデータを記憶する態様(第2の記憶態様)とがある。
【0150】
上記の第1の記憶態様の場合、ラッチ部23aは、ラインバッファ22aの左から1番目からn番目までのデータ出力端、およびラッチ部23aのそれらに対応するデータ入力端を介して、1ライン分のn個の画像データを読み込む。そして、ラッチ部23aは、1ライン分の各画像データに応じた各電位をそれぞれ、左から1番目からn番目までの電位出力端から出力する。この場合、ラインバッファ22aにおける左からn+1番目のデータ出力端子からはデータを読み込まないので、ラッチ部23aは、左からn+1番目の電位出力端からは電位を出力しない。
【0151】
また、上記の第2の記憶態様の場合、ラッチ部23aは、ラインバッファ22aの左から2番目からn+1番目までのデータ出力端、およびラッチ部23aのそれらに対応するデータ入力端を介して、1ライン分のn個の画像データを読み込む。そして、ラッチ部23aは、1ライン分の各画像データに応じた各電位をそれぞれ、左から2番目からn+1番目までのデータ出力端から出力する。この場合、ラインバッファ22aにおける一番左のデータ出力端からはデータを読み込まないので、ラッチ部23aは、一番左の電位出力端からは電位を出力しない。
【0152】
また、制御部1は、STBが立ち上がる前であって、ラインバッファ22aが第1の記憶態様または第2の記憶態様で次の1行分の画像データの保持を完了しているタイミングで、比較指示信号をラッチ部23aに出力する。ラッチ部23は、比較指示信号が入力されると、直前のSTB立ち上がりエッジで読み込んだ画像データのMSBと、ラインバッファ22に保持されている画像データMSBとの排他的論理和演算を行う。
【0153】
図21は、第2の実施の形態におけるラッチ部23aによる画像データの比較処理の説明図である。本実施形態では、ラインバッファ22aは、行毎に、上記の第1の記憶態様と第2の記憶態様を交互に切り替えて、1ライン分のデータを記憶する。そのため、一番左のソースラインSに対応する列や、左からn+1番目のソースラインSn+1に対応する列では、同じ列上に2つのデータが揃わない。よって、第2の実施の形態では、ラッチ部22aは、例えば、左から2番目のソースラインSからn番目のソースラインSに対応するn−1個のEXOR回路35〜35を備える。各EXOR回路35〜35は、EXOR回路自身と同じソースラインに対応する画像データのMSB同士の排他的論理和を計算し、その計算結果をCSDとして出力マルチプレクサ27に出力する。
【0154】
第2の実施の形態では、ラインバッファ22aは、上述の第1の記憶態様と第2の記憶態様とを行毎に切り替え、ラインバッファ22aで記憶された各画素のデータは、同じ列の入出力端を介してラッチ部23aに読み込まれる。従って、第2の実施の形態では、EXOR回路は、1ライン分の画像データ中における同じ位置の画素の画像データではなく、1画素分ずれた画像データ同士でMSBの排他的論理和演算を行う。例えば、図21に示す例では、EXOR回路35は、同じソースラインに対応する画像データとして、データ2(1ラインの中では左から2画素目の画像データ)のMSBと、データ1’(1ラインの中では一番左の画素の画像データ)のMSBとの排他的論理和演算を行う。
【0155】
左からi番目のソースラインに対応するEXOR回路35に関して説明する。EXOR回路35は、i番目のソースラインに対応する画像データとして、左からi番目のデータ入力端から読み込んだ画像データのMSBと、ラインバッファ22a内で左からi番目のデータ出力端に対応する記憶領域に記憶されている画像データのMSBとの排他的論理和を計算する。ラッチ部23aが、1番目からn番目までのデータ入力端から1ライン分の画像データを読み込んだ場合、「左からi番目のデータ入力端から読み込んだ画像データ」は、1ライン中で左からi画素目の画像データであり、「ラインバッファ22a内で左からi番目のデータ出力端に対応する記憶領域に記憶されている画像データ」は、1ライン中で左からi−1画素目の画像データである。また、ラッチ部23aが、2番目からn+1番目までのデータ入力端から画像データを読み込んだ場合、「左からi番目のデータ入力端から読み込んだ画像データ」は、1ライン中で左からi−1画素目の画像データであり、「ラインバッファ22a内で左からi番目のデータ出力端に対応する記憶領域に記憶されている画像データ」は、1ライン中で左からi画素目の画像データである。
【0156】
なお、図21に示すEXOR回路の配置等は例示であり、図21に示す例に限定されない。例えば、1番左や左からn+1番目の列においてもEXOR回路を配置して、それらの列でも排他的論理和演算を行うようにソースドライバ2aが構成されていてもよい。
【0157】
本実施の形態では、図21に示すEXOR回路35〜35が設けられ、左から2番目のソースラインに対応する列のCSDから、n番目のソースラインに対応する列のCSDまでを出力する場合を例にして説明する。
【0158】
レベルシフタ24aは、液晶表示パネル5aのソースラインと同数のn+1個の電位入力端および電位出力端を備える。他の点に関しては、第1の実施の形態におけるレベルシフタ24と同様である。なお、1ライン分の画素数がn個であるのに対して、ラッチ部23aの電位出力端はn+1あるので、上述のように、ラッチ部23aの一番左や、左からn+1番目の電位出力端からは電位が出力されない場合がある。この場合、レベルシフタ24aは、ラッチ部23aから電位が入力されなかった電位入力端に対応する電位出力端からは電位を出力しない。
【0159】
D−Aコンバータ25aは、液晶表示パネル5aのソースラインと同数のn+1個の電位入力端および電位出力端を備える。他の点に関しては、第1の実施の形態のD−Aコンバータ25と同様である。また、制御部1は、第1の実施の形態と同様に、制御信号POLをフレーム期間毎に、交互にハイレベル、ローレベルに切り替える。
【0160】
D−Aコンバータ25aは、POLがハイレベルであるときに、左から奇数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより高い電位とし、左から偶数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより低い電位とする。逆に、POLがローレベルであるときに、D−Aコンバータ25は、左から奇数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより低い電位とし、左から偶数番目の各電位出力端の出力電位をVCOMより高い電位とする。
【0161】
バッファ26aは、液晶表示パネル5aのソースラインと同数のn+1個の電位入力端および電位出力端を備える。他の点に関しては、第1の実施の形態のバッファ26と同様である。ただし、バッファ26aは、電位が入力されなかった電位入力端に対応する電位出力端からは電位を出力しない。
【0162】
出力マルチプレクサ27aは、バッファ26aの電位出力端に一対一に対応するn+1個の電位入力端を有する。また、出力マルチプレクサ27aは、各電位入力端に一対一に対応するn+1個の電位出力端を有する。そして、出力マルチプレクサ27aの各電位出力端は、液晶表示パネル5aが備えるn+1本のソースラインS〜Sn+1と一対一に接続される。出力マルチプレクサ27aは、左からi番目の電位入力端に入力された電位を、左からi番目の電位出力端から出力する。
【0163】
図22は、第2の実施の形態における出力マルチプレクサ27aの例を示す説明図である。図10に示す要素と同様の要素に関しては、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本例では、1番左の列と、左からn+1番目の列には、EXOR回路は設けられない(図21参照)。そして、出力マルチプレクサ27aにおいては、一番左の電位出力端Uおよび、左からn+1番目の電位出力端Un+1は、出力部45に接続され、また、他の電位出力端U〜Uとは異なり、第1スイッチ41および第2スイッチ42は設けられない。一番左の出力部45および左からn+1番目の出力部45は、それぞれ、バッファ26aの対応する電位出力端から出力された電位を、電位出力端U,Un+1から出力する。
【0164】
また、左から2番目からn番目までの各電位出力端U〜Uには、第1スイッチ41と、第2スイッチ42とが設けられる。第1スイッチ41および第2スイッチ42は、第1の実施の形態と同様のスイッチである。
【0165】
上記のように、電位入力端および電位出力端がn+1個設けられていること、および、電位出力端U,Un+1には、第1スイッチ41および第2スイッチ42が設けられていない点以外に関しては、出力マルチプレクサ27aは、第1の実施の形態における出力マルチプレクサ27と同様である。
【0166】
また、第1スイッチ41によって各電位出力端U〜Uと接続される第1キャパシタ31は、第1の実施の形態と同様である。同様に、第2スイッチ42によって各電位出力端U〜Uと接続される第2キャパシタ32も、第1の実施の形態と同様である。
【0167】
また、フレーム期間内での選択行切替時において、第1スイッチ41および第2スイッチ42がオンになる条件は、第1の実施の形態と同様である。
【0168】
すなわち、奇数番目の列における第1スイッチ41は、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「第1スイッチ41自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていること」が満たされた場合に、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。
【0169】
また、奇数番目の列における第2スイッチ42は、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「第2スイッチ42自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていること」が満たされた場合に、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。
【0170】
また、偶数番目の列における第1スイッチ41は、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「第1スイッチ41自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていること」が満たされた場合に、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。
【0171】
また、偶数番目の列における第2スイッチ42は、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「第2スイッチ42自身が配置されている列に対応するCSDが1になっていること」が満たされた場合に、STBの立ち上がりエッジを検出してから一定期間オンとなる。
【0172】
また、電位出力端U〜Uに接続された出力部45は、その列の第1スイッチ41または第2スイッチ42がオンとなっている間は、バッファ26aから入力された電位の出力を停止する。そして、第1スイッチ41または第2スイッチ42がオンとなって一定期間が経過し、そのスイッチがオフとなったことを条件に、出力部45は、バッファ26aから入力された電位の出力を開始する。この点は、第1の実施の形態と同様である。
【0173】
また、第2の実施の形態における制御部1は、第1の実施の形態における各制御信号に加えて、端子制御信号を出力する。他の点に関しては、第1の実施の形態と同様である。
【0174】
また、STBとCSD出力タイミングとの関係に関しても、第1の実施の形態と同様である(図11参照)。ただし、第2の実施の形態では、ラインバッファ22aは、STBの立ち上がりエッジ前に、1ライン分の画像データを前述の第1の記憶態様または第2の記憶態様で記憶することを完了させる。この後、制御部1は、比較指示信号を出力すればよい。この比較指示信号により、各EXOR回路35〜35は、同じソースラインに対応する画像データのMSB同士の排他的論理和を計算し、その計算結果をCSDとして、出力マルチプレクサ27aに出力する。そして、出力マルチプレクサ27aの第1スイッチ41や第2スイッチ42は、CSDが入力された後にSTBの立ち上がりエッジを検出すると、そのCSDや、その時点におけるPOLを参照して、オンとするか否かを判定する。
【0175】
次に、液晶表示パネル5aの奇数行目の画像データに応じた電位をソースラインに設定する場合の動作について説明する。この場合、ラインバッファ22aは、第1の記憶態様でその奇数行目の画像データを記憶する。また、この状態で、各EXOR回路35〜35は、それぞれ、EXOR回路自身に対応するラッチ部23a内の画像データのMSBと、ラインバッファ22aにおいて同じ列に記憶された画像データMSBとの排他的論理和を計算し、CSDを算出する。
【0176】
STBがハイレベルになると、ラッチ部23aは、左から1番目からn番目までの各端子を介して、ラインバッファ22aから1ライン分の画像データを読み込み、出力マルチプレクサ27aは、電位出力端U〜Uによって、ソースラインS〜Sの電位を設定する。奇数行目の画素電極は、それぞれ左側のソースラインS〜Sに接続されているので、出力マルチプレクサ27aがソースラインS〜Sの電位を設定することにより、各画素電極の電位も設定される。
【0177】
また、このときPOLがハイレベルであると、D−Aコンバータ25aは、左から奇数番目の電位出力端からVCOMより高い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはVCOMより低い電位を出力するので、S,S,・・・の電位は、VCOMより高い電位となり、S,S,・・・は、VCOMより低い電位となる。
【0178】
また、第1の実施の形態で説明したように、POLがハイレベルの場合、奇数番目の列の第1スイッチ41のみが電位出力端を第1キャパシタ31に接続させ得る。奇数番目の列の第1スイッチ41のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。そして、その後、出力部45(図22参照)が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。ただし、一番左の出力部45は、STBが立ち上がったときから、バッファ26からの電位をソースラインに設定する。
【0179】
また、POLがハイレベルの場合、偶数列目の第2スイッチ42のみが電位出力端を第2キャパシタ32に接続させ得る。偶数番目の列の第2スイッチ42のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第2スイッチ42のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。そして、その後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0180】
この結果、POLがハイレベルの場合、液晶表示パネル5aの奇数行目の極性は、図19に示すように左から+,−,+,・・・となる。
【0181】
また、POLがローレベルであると、D−Aコンバータ25aは、左から奇数番目の電位出力端からVCOMより低い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはVCOMより高い電位を出力するので、S,S,・・・の電位は、VCOMより低い電位となり、S,S,・・・は、VCOMより高い電位となる。
【0182】
また、POLがローレベルの場合、偶数番目の列の第1スイッチ41のみが電位出力端を第1キャパシタ31に接続させ得る。偶数番目の列の第1スイッチ41のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。そして、その後、出力部45(図22参照)が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。ただし、POLがハイレベルのときと同様に、一番左の出力部45は、STBが立ち上がったときから、バッファ26からの電位をソースラインに設定する。
【0183】
また、POLがローレベルの場合、奇数番目の列の第2スイッチ42のみが電位出力端を第2キャパシタ32に接続させ得る。奇数番目の列の第2スイッチ42のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第2スイッチ42のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。そして、その後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0184】
この結果、POLがローレベルの場合、液晶表示パネル5aの奇数行目の極性は、左から−,+,−,・・・となる。
【0185】
次に、液晶表示パネル5aの偶数行目の画像データに応じた電位をソースラインに設定する場合の動作について説明する。この場合、ラインバッファ22aは、第2の記憶態様でその奇数行目の画像データを記憶する。また、この状態で、各EXOR回路35〜35は、それぞれ、EXOR回路自身に対応するラッチ部23a内の画像データのMSBと、ラインバッファ22aにおいて同じ列に記憶された画像データMSBとの排他的論理和を計算し、CSDを算出する。
【0186】
STBがハイレベルになると、ラッチ部23aは、左から2番目からn+1番目までの各端子を介して、ラインバッファ22aから1ライン分の画像データを読み込み、出力マルチプレクサ27aは、電位出力端U〜Un+1によって、ソースラインS〜Sn+1の電位を設定する。偶数行目の画素電極は、それぞれ右側のソースラインS〜Sn+1に接続されているので、出力マルチプレクサ27aがソースラインS〜Sn+1の電位を設定することにより、各画素電極の電位も設定される。
【0187】
また、このときPOLがハイレベルであると、D−Aコンバータ25aは、左から奇数番目の電位出力端からVCOMより高い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはVCOMより低い電位を出力するので、S,S,・・・は、VCOMより低い電位となり、S,S,・・・の電位は、VCOMより高い電位となる。
【0188】
そして、奇数番目の列の第1スイッチ41のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。そして、その後、出力部45(図22参照)が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。また、偶数番目の列の第2スイッチ42のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第2スイッチ42のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。そして、その後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0189】
ただし、左からn+1番目の出力部45(図22参照)は、STBが立ち上がったときから、バッファ26からの電位をソースラインに設定する。
【0190】
この結果、POLがハイレベルの場合、液晶表示パネル5aの偶数行目の極性は、図19に示すように左から−,+,−,・・・となる。
【0191】
また、POLがローレベルであると、D−Aコンバータ25aは、左から奇数番目の電位出力端からVCOMより低い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からはVCOMより高い電位を出力するので、S,S,・・・は、VCOMより高い電位となり、S,S,・・・の電位は、VCOMより低い電位となる。
【0192】
そして、偶数番目の列の第1スイッチ41のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第1スイッチ41のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第1キャパシタ31に接続させる。そして、その後、出力部45(図22参照)が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。また、奇数番目の列の第2スイッチ42のうち、STBの立ち上がりエッジにおいて算出済みとなっているCSDが1となっている列の第2スイッチ42のみが、STBの立ち上がりエッジの後、一定期間、電位出力端を第2キャパシタ32に接続させる。そして、その後、出力部45が、バッファ26から入力された電位をソースラインに設定する。
【0193】
ただし、左からn+1番目の出力部45(図22参照)は、STBが立ち上がったときから、バッファ26からの電位をソースラインに設定する。この点は、POLがハイレベルの場合と同様である。
【0194】
この結果、POLがローレベルの場合、液晶表示パネル5aの偶数行目の極性は、+,−,+,−,・・・となる。
【0195】
よって、第2の実施の形態では、POLがハイレベルの場合であっても、ローレベルの場合であっても、液晶表示パネル5aでドット反転を実現することができる。
【0196】
また、フレーム期間内での選択行切替時において、第1スイッチ41および第2スイッチ42を、第1の実施の形態と同様の条件でオンとするので、第1の実施の形態と同様に、消費電力を低減することができる。
【0197】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の変形例を適用してもよい。すなわち、フレーム期間内での選択行切替時だけでなく、フレーム期間の切り替わり時において、所定の条件が満たされたときに、第1スイッチ41や第2スイッチ42がオンとなってもよい。
【0198】
この場合、第1の実施の形態の変形例で説明したように、制御部1(図1参照)は、STVをゲートドライバ3だけでなく、ソースドライバ2aに対しても出力する。また、制御部1は、STVD(図14参照)をソースドライバ2aに対して出力する。
【0199】
本変形例では、出力マルチプレクサ27aは、電位出力端U〜Uに第1スイッチ41および第2スイッチ42を備えていてもよい。左右それぞれの端の電位出力端U,Un+1の第1スイッチ41および第2スイッチ42は、フレーム期間の切り替え時にのみオンとなり、フレーム期間内での選択行切替時では、常時オフとなるスイッチである。
【0200】
また、第1の実施の形態の変形例と同様に、ラッチ部23aは、STBがハイレベルになったときに、ラインバッファ22aから1ライン分の各画素の画像データを読み込む。そして、それまで保持していた1ライン分の各画素の画像データのうち、各画素のMSBに関しては、残して保持しておく。ただし、ラッチ部23aは、このMSBの記憶領域として、各ソースラインに一対一に対応するn+1個の記憶領域を備え、画像データに基づく電位が設定されたソースラインに対応する記憶領域に、その画像データのMSBを記憶する。すなわち、STBの立ち上がり前に、ソースラインS〜Sに対応する画像データを保持していた場合には、STBの立ち上がり時に、その各画像データのMSBをソースラインS〜Sに対応する記憶領域に記憶すればよい。この場合、ソースラインSn+1に対応する記憶領域にはMSBは記憶されない。また、STBの立ち上がり前に、ソースラインS〜Sn+1に対応する画像データを保持していた場合には、STBの立ち上がり時に、その各画像データのMSBをソースラインS〜Sn+1に対応する記憶領域に記憶すればよい。この場合、ソースラインSに対応する記憶領域にはMSBは記憶されない。
【0201】
ソースラインSn+1に対応する記憶領域にMSBが記憶されない場合、「1ライン前の画像データのうち、ソースラインSn+1に該当する画素の画像データのMSBが1である」という条件は満足されない。同様に、ソースラインSに対応する記憶領域にMSBが記憶されない場合、「1ライン前の画像データのうち、ソースラインSに該当する画素の画像データのMSBが1である」という条件は満足されない。
【0202】
なお、本例では、1つ前の行の各画素の画像データのMSBをラッチ部23aが保持する場合を例にして説明するが、ラッチ部23a以外の他の構成要素が保持していてもよい。
【0203】
フレーム期間の切り替わり後に最初にSTBがハイレベルになっている期間の冒頭の期間(すなわち、第1期間。図16参照)において、各列の第1スイッチ41および第2スイッチ42がオンとなる条件は、第1の実施の形態の変形例で述べた条件と同様である。以下、左から奇数番目の列、および、偶数番目の列における各スイッチに関して、オンとなる条件を説明する。
【0204】
奇数番目の列における第1スイッチ41は、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第1期間中、オンになる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0205】
奇数番目の列における第2スイッチ42は、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第1期間中、オンになる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0206】
偶数番目の列における第1スイッチ41は、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがハイレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第1スイッチ41自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第1期間中、オンになる。すなわち、その偶数番目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0207】
偶数番目の列における第2スイッチ42は、「STVがハイレベルになっていること」、「STBの立ち上がりエッジを検出したこと」、「POLがローレベルになっていること」、および「1ライン前の画像データのうち、第2スイッチ42自身が配置されている列に該当する画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第1期間中、オンになる。すなわち、その偶数列目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0208】
また、第1期間後の第2期間(図16参照)において、各列の第1スイッチ41および第2スイッチ42がオンとなる条件に関しても、第1の実施の形態の変形例で述べた条件と同様である。以下、左から奇数番目の列、および、偶数番目の列における各スイッチに関して、オンとなる条件を説明する。
【0209】
奇数番目の列における第1スイッチ41は、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23aが読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第2期間中、オンになる。すなわち、その奇数列目の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0210】
奇数番目の列における第2スイッチ42は、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがローレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23aが読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第2期間中、オンとなる。すなわち、その奇数番目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0211】
偶数番目の列における第1スイッチ41は、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがローレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第1スイッチ41自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第2期間中、オンとなる。すなわち、その偶数番目の列の電位出力端と第1キャパシタ31とを接続させる。
【0212】
偶数番目の列における第2スイッチ42は、「STVDがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになっていること」、「POLがハイレベルになっていること」、「STBがハイレベルになったことにより新たにラッチ部23が読み込んだ1ライン分の画像データにおいて、第2スイッチ42自身が配置されている列の画素の画像データのMSBが1であること」が全て満たされている場合、第2期間中、オンとなる。すなわち、その偶数番目の電位出力端と第2キャパシタ32とを接続させる。
【0213】
また、第2期間において第1スイッチ41、第2スイッチ42をオンとする条件の中に、「STVDがハイレベルになっていること」という条件を含めているが、この条件の代わりに「STVがハイレベルになっていること」という条件を用いてもよい。
【0214】
また、出力部45(図22参照)は、フレーム期間の切り替え時においては、例えば、第2期間終了後に、バッファ26aから入力された電位の出力を開始すればよい。また、出力部45は、第2期間においてその列の第1スイッチ41と第2スイッチ42のいずれもがオフになるならば、バッファ26aから入力された電位の出力を、例えば、第2期間から開始してもよい。
【0215】
以上のように、フレーム期間の切り替わり時において、第1スイッチ41および第2スイッチ42を、第1の実施の形態の変形例と同様の条件でオンとするので、第1の実施の形態の変形例と同様に、消費電力を低減することができる。
【0216】
第2の実施形態やその変形例で述べた動作や構成は例示であり、他の構成や動作によって本発明を実現してもよい。例えば、IPS(In Plain Switching)方式のアクティブマトリクス型の液晶表示装置に本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0217】
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0218】
1 制御部
2,2a ソースドライバ
3 ゲートドライバ
5,5a 液晶表示パネル
21 シフトレジスタ
22,22a ラインバッファ
23,23a ラッチ部
24,24a レベルシフタ
25,25a D−Aコンバータ
26,26a バッファ
27,27a 出力マルチプレクサ
31 第1キャパシタ
32 第2キャパシタ
35〜35 EXOR回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモン電極と、マトリクス状に配置された画素電極と、画素電極の列方向に沿って配置されるソースラインと、画素電極の行方向に沿って配置されるゲートラインとを備えるアクティブマトリクス型の液晶表示パネルと、
前記ゲートラインを線順次駆動するゲートドライバと、
画像データに応じて前記ソースラインの電位を設定するソースドライバと、
前記ゲートドライバおよび前記ソースドライバを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、ソースドライバに対して各行の画素電極の選択期間を規定する選択期間規定パルス信号と、個々のソースラインに設定する電位をコモン電極電位より高くするか低くするかを規定する極性制御信号とを出力し、前記極性制御信号のレベルをフレーム期間毎に第1のレベルおよび第2のレベルに交互に切り替え、
前記ソースドライバは、
選択期間毎に各ソースラインに設定すべき電位を規定する画像データを1行分保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段が保持する1行分の画像データの次の1行分の画像データを保持する次行データ保持手段と、
前記ソースラインと同数の電位出力端を有し、個々のソースラインに対応する電位出力端から、前記データ保持手段が保持している画像データに応じた電位を出力し、各電位出力端から電位を出力する際に、前記極性制御信号が第1のレベルであるときには、左から奇数番目の電位出力端からは前記コモン電極電位より高い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からは前記コモン電極電位より低い電位を出力し、前記極性制御信号が第2のレベルであるときには、左から奇数番目の電位出力端からは前記コモン電極電位より低い電位を出力し、左から偶数番目の電位出力端からは前記コモン電極電位より高い電位を出力する電位出力手段と、
前記ソースライン毎に、前記電位出力手段の電位出力端が出力した電位と等しい電位をソースラインに出力する出力部を有する電位設定手段と、
一方の電極が特定電位に設定される第1キャパシタと、
一方の電極が特定電位に設定される第2キャパシタと、
同じソースラインに対応し、画像データの最上位ビットの値と次の画像データの最上位ビットの値とを比較して排他的論理和を計算する排他的論理和演算手段とを備え、
前記電位設定手段は、出力部とソースラインとの接続端に、当該ソースラインと前記第1キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンまたはオフとする第1スイッチと、当該ソースラインと前記第2キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンまたはオフとする第2スイッチとを有し、
前記データ保持手段は、前記選択期間規定パルス信号の立ち上がり時に、次行データ保持手段から1行分の画像データを取り込んで保持し、
左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第1のレベルであること、および当該ソースラインに対応する前記排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと前記第1キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第2のレベルであること、および当該ソースラインに対応する前記排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと前記第2キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第2のレベルであること、および当該ソースラインに対応する前記排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと前記第1キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第1のレベルであること、および当該ソースラインに対応する前記排他的論理和の計算結果が1であることが全て満たされたことを条件に、当該ソースラインと前記第2キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
ソースラインに対応する出力部は、当該ソースラインが前記第1キャパシタまたは第2キャパシタに接続された場合には、当該接続がオフとされてから、当該ソースラインに電位を設定する
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記排他的論理和を計算するための画像データが前記データ保持手段に保持された画像データであり、排他的論理和を計算するための次の画像データが前記次行データ保持手段に保持された画像データである
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、極性制御信号が第2のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっている期間の冒頭の所定の期間である第1期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、
左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第1のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第1期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第1のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第1期間中に、当該ソースラインと、前記第1キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりを検出したこと、前記極性制御信号が第2のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がり前にデータ保持手段が保持していた当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第1期間中に、当該ソースラインと、前記第2キャパシタの前記電極との接続をオンとする
請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
左から奇数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、極性制御信号が第1のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、第1期間後の所定の期間である第2期間中に、当該ソースラインと、第1キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、
左から奇数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、前記極性制御信号が第2のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第2期間中に、当該ソースラインと、第2キャパシタの電極であって前記特定電位に設定されていない方の電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第1スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、前記極性制御信号が第2のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第2期間中に、当該ソースラインと、前記第1キャパシタの前記電極との接続をオンとし、
左から偶数番目のソースラインに対応する第2スイッチは、新たなフレーム期間の開始後に最初に選択期間規定パルス信号が立ち上がっていること、前記極性制御信号が第1のレベルになっていること、および前記選択期間規定パルス信号の立ち上がりによってデータ保持手段が取り込んだ1行分の画像データのうち当該ソースラインに対応する画像データが中間調より高い階調であることが全て満たされたことを条件に、前記第2期間中に、当該ソースラインと、前記第2キャパシタの前記電極との接続をオンとする
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記特定電位がコモン電極電位である請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
液晶表示パネルは、画素電極の各列の所定の側にソースラインを備え、
各画素電極は、前記所定の側に存在するソースラインに接続される
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
液晶表示パネルは、画素電極の各列の左側および画素電極の右端の列の右側に設けられるソースラインを備え、
奇数番目の行の画素電極は、その画素電極の両側に存在するソースラインのうち所定の側のソースラインに接続され、偶数番目の行の画素電極は、その画素電極の両側に存在するソースラインのうち前記所定の側とは反対側のソースラインに接続される
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−113116(P2012−113116A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261612(P2010−261612)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】