説明

深孔切削用ドリルヘッド

【課題】ドリルヘッドのヘッド本体が被削材を貫通する時に、切屑排出口を塞ぐようなディスクを発生させることない深孔切削用ドリルヘッドを提供する。
【解決手段】切屑排出口4,5に臨んでヘッド中心部に中心側切刃チップ6を刃先縁6aがヘッド中心部に向かって下り傾斜状となるように取り付け、周辺部には周辺側切刃チップ7を刃先縁7aがヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、中間には中間側切刃チップ8を刃先縁8aがヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、ヘッド本体2の中空部3内を前記切屑排出口4,5に連通する切屑排出路とした深孔切削用ドリルヘッドにおいて、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド本体先端面に開口した切屑排出口に臨んで中心部に中心側切刃チップ、周辺部に周辺側切刃チップ、その中間に中間側切刃チップが取り付けられ、中空部内を前記切屑排出口に連通する切屑排出路とした深孔切削用ドリルヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は従来の深孔切削装置による深孔切削加工状態を示したもので、先端部にドリルヘッド31を保持したボーリングバー41の基端側を、図示しない工具チャックを介して工作機械のスピンドル等に連結して回転駆動するか又は逆に被削材Wを回転させることにより行う。ここでは、クーラントは外部供給方式として、中空状ボーリングバー41を油蜜に包囲するクーラント供給ジャケット13を用い、このジャケット13をシールリング14を介して被削材Wに押接した状態で、導入口15からジャケット13内にクーラントCを供給すると、クーラントCは、ボーリングバー41の外周面と切削穴Hの内周面との間隙Tよりドリルヘッド31のヘッド本体32先端側へ供給され、図7の(a) から分かるように、切削部で発生する切屑Sと共にヘッド本体32(図6及び図7参照)の切屑排出口34,35からボーリングバー41内の切屑排出路50へと流入して外部へ排出される。また、図6及び図7の(a) に示すように、ヘッド本体32には先端面32aに開口した切屑排出口34,35に臨んで中心部に中心側切刃チップ36、周辺部に周辺側切刃チップ37、その中間に中間側切刃チップ38が取り付けられている。尚、図6において、16はドリルヘッド31の外周先端側に設けられたガイドパッド、17は同外周のやや中間寄りに設けられたクランプ溝を示す。
【0003】
切削部へのクーラントの供給は、上記した図5及び図7の(a) に示す所謂BTAシステムのような外部供給方式(シングルチューブ方式)の他に、図7の(b) に示す所謂エジェクタシステムのような内部供給方式(ダブルチューブ方式)とがあり、内部供給方式におけるクーラントは、図7の(b) に矢印で示すように、二重筒状のボーリングバー41の基部側で内外筒42,43間のクーラント供給路40aに導入され、先部側でドリルヘッド31の周壁に設けたクーラント導出口46より外側へ流出して切削部側へ供給され、切削部で発生する切屑Sと共にドリルヘッド31の切屑排出口34,35から内筒42の内側で構成する排出路40bへ流入させて外部へ排出する。
【0004】
ところで、上記のようにボーリングバー41の先端部のドリルヘッド31によって被削材Wの深孔切削加工を行う際に、ドリルヘッド31が被削材Wを貫通するまでは、切刃チップ36,37,38によって切削される被削材Wの切屑Sは、図7の(a) ,(b) に示すようにドリルヘッド31の切屑排出口34,35の径より小さい片に分断されて、この切屑排出口34,35から内部の切屑排出路40へ流入して外部へ排出されてゆくが、ドリルヘッド31が被削材Wを貫通する時、つまりドリルヘッド31が図5の仮想線で示すように被削材Wの先端壁部分Woを切削して突き破る時には、ドリルヘッド31の中心側、周辺側、中間側の3つの切刃チップ36,37,38によって切削された被削材Wの切屑が、図8の(a-1),(a-2)〜(d-1),(d-2)に示すようなディスクSa〜Sdと呼ばれる削り残し塊状片となって、切屑排出口34,35から排出されることなくヘッド本体の先端面側に残る。しかして、被削材Wが一つの被削材である場合は、貫通した被削材Wの孔から前方へ排出されて落下するため其れほど問題にならないが、図9に示すように複数枚の被削材W1〜W5を重ねて深孔加工を行う場合には、1枚目の被削材W1の孔を明けて2枚目の被削材W2の孔加工をしようとすると、1枚目被削材W1の孔の出口でディスクSa〜Sdが詰まって切屑の排出口が塞がれ、孔加工ができなくなってしまうという問題があった。
【0005】
図8の(a-1) 及び(a-2) は、中心側、周辺側、中間側の3つの切刃チップ36,37,38を備えたドリルヘッド31の中心側切刃チップ36によって発生する円錐形状のディスクSaの正面図及び断面図、(b-1) 及び(b-2) は中間側切刃チップ38によって発生するドーナツ状のディスクScの正面図及び断面図、(c-1) 及び(c-2) は周辺側切刃チップ37によって発生する径大ドーナツ状のディスクSbの正面図及び断面図であり、(d-1) 及び(d-2) は中心側切刃チップ36と中間側切刃チップ38とによって発生するハット状のディスクSdで、ディスクSaとディスクScとが一体に結合したものを示す正面図及び断面図である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、ドリルヘッドのヘッド本体が被削材を貫通した時に、切屑排出口を塞ぐようなディスクを発生させることなく、切屑を細かく分断して、確実に切屑排出口から排出させることのできる深孔切削用ドリルヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、ヘッド本体先端面2aに開口した切屑排出口4,5に臨んでヘッド中心部に中心側切刃チップ6を刃先縁6aがヘッド中心部に向かって下り傾斜状となるように取り付け、周辺部には周辺側切刃チップ7を刃先縁7aがヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、中間には中間側切刃チップ8を刃先縁8aがヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、ヘッド本体2の中空部3内を前記切屑排出口4,5に連通する切屑排出路とした深孔切削用ドリルヘッドにおいて、
中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OL又はそれより若干手前側を含む部分Mの先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成してなることを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1に記載の深孔切削用ドリルヘッドにおいて、前記ディスクブレーカー12は、図2の(b) に示すように、前記オーバーラップ部分OL又はそれより若干手前側を含む部分Mにおいてヘッド本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度が0°〜60°となるような傾斜面に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OL又はそれより若干手前側を含む部分Mの先端面側を切除して、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成しているから、ディスクブレーカー12によって、特に中心側切刃チップ6で削られる切屑と中間側切刃チップ8で削られる切屑との縁が切られ、これによりドリルヘッド1が被削材Wを貫通する時には、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端壁部分との間で形成されようとする削り残し塊状片が分断破砕されて、その分断破砕された切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出路へ流入して外部へ排出される。
【0010】
従って、複数枚の被削材W1〜W5を重ねて深孔加工を行う場合も、1枚目の被削材W1を貫通する時には、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端壁部分との間で形成されようとする削り残し塊状片が分断破砕され、その分断破砕された切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出路3へ流入して外部へ排出されるから、ヘッド本体2の切屑排出口4,5を塞がれることがなくなって、2枚目以降も正常な切削が行われ、複数枚の被削材の重ね深孔加工を適正に行うことができる。
【0011】
請求項2に係る発明のように、ディスクブレーカー12は、オーバーラップ部分OL又はそれより若干手前側を含む部分Mにおいてヘッド本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度θが0°〜60°の範囲の傾斜面に形成されることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1の(a) は本発明に係る深孔切削用ドリルヘッド1を示す正面図、(b) はその平面図であり、図2の(a) は図1の(a) の一部拡大図、(b) は更にその一部拡大図であり、図3は本発明の他の実施形態を示す図2の(b) と同様な一部拡大図であり、図4の(a) は本発明に係るドリルヘッド1を示す斜視図、(b) は従来のドリルヘッドを示す斜視図である。この深孔切削用ドリルヘッド1は、先端側が略鈍角円錐形を成す略円筒形状のヘッド本体2を有し、ヘッド本体2の内部は中空部3を形成し、ヘッド本体2の下端側は全面開口している。
【0013】
略鈍角円錐形を成すヘッド本体先端面2aには、中空部3と連通する大小2つの切屑排出口4,5が相互に径方向に対向して形成され、大きい切屑排出口4のヘッド径方向に沿う開口側縁に中央側切刃チップ6及び周辺側切刃チップ7が、また小さい切屑排出口5のヘッド径方向に沿う開口側縁に中間側切刃チップ8が、夫々ヘッド側に設けた凹窪部9,10,11にロウ付けされている。
【0014】
図1の(a)、図2及び図4の(a)に示すように、中心側切刃チップ6は、その刃先縁6aがヘッド中心部に向かって下り傾斜となるように取り付けられ、従って逃げ面6bもヘッド中心部に向かって下り傾斜状となっており、周辺側切刃チップ7は、その刃先縁7aがヘッド中心部に向かって上り傾斜となるように取り付けられ、従って逃げ面7bもヘッド中心部に向かって上り傾斜状となっており、また中間側切刃チップ8は、周辺側切刃チップ7と同様に刃先縁8aがヘッド中心部に向かって上り傾斜となるように取り付けられ、従って逃げ面8bもヘッド中心部に向かって下り傾斜状となっている。尚、図2及び図3において、6c,7c,8cは掬い面を示し、6d,7d,8dはチップブレーカーを示す。また図1及び図2において、Gはヘッド本体2の回転軸線を示す。
【0015】
そして、本発明に係るドリルヘッド1の特徴とするところは、図2の(a) 及び(b) から分かるように、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLの先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成したことである。図2の(b) には、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLの先端面側の切除部分を黒色で塗り潰して符号Kで示す。
【0016】
この実施形態にあっては、ディスクブレーカー12は、図2の(b) に示すように、前記オーバーラップ部分OLにおいてヘッド本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度θが20°となるような傾斜面に形成されている。この場合、ヘッド中心部に向かって上り傾斜をなしている中間側切刃チップ8の刃先縁8aの前記直交面Qとの角度αは20°となっている。
【0017】
図2の(a) に示す実施形態では、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLの先端面側を切除して、切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部にディスクブレーカー12を形成しているが、本発明に係るディスクブレーカー12は、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLに限るものではなく、このオーバーラップ部分OLより若干手前側から切除することによっても形成することができ、その実施形態を図3に示す。即ち、図3の実施形態においては、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLより若干(例えばオーバーラップする部分OLの幅の1/2〜1/3程度)手前側を含む部分Mの先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成している。この図3の実施形態では、ディスクブレーカー12は、前記オーバーラップ部分OLより若干手前側を含む部分Mにおいてヘッド本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度θが20°となるような傾斜面に形成されている。この場合、ヘッド中心部に向かって上り傾斜をなしている中間側切刃チップ8の刃先縁8aの前記直交面Qとの角度αは20°となっている。
【0018】
図4の(b) は従来のドリルヘッド31を示したもので、本発明に係るドリルヘッド1と比較すれば分かるように、この従来のドリルヘッド31では、中心側切刃チップ36及び周辺側切刃チップ37については本発明に係るドリルヘッドの中心側切刃チップ6及び周辺側切刃チップ7と夫々同じ構造であるが、中間側切刃チップ38は、刃先縁38a及び逃げ面38bがヘッド周辺側端部からヘッド中心側端部に至るまで上り傾斜状に形成されており、しかして図2の(b) を参照すれば分かるように、中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLの先端面側切除部分Kがそのまま残った構造となっている。
【0019】
これがために、ドリルヘッド31が被削材Wを貫通する時、つまりドリルヘッド31が図5の仮想線で示すように被削材Wの先端壁部分を切削して突き破る時に、ドリルヘッド31の中心側、周辺側、中間側の3つの切刃チップ36,37,38によって切削された被削材Wの切屑が、図8に示すようなディスクSa〜Sdと呼ばれる削り残し塊状片となって、切屑排出口34,35から排出されずにヘッド本体の先端面側に残ることになる。しかして、被削材Wが一つの被削材である場合は、貫通した被削材Wの穴から前方へ排出されて落下するため其れほど問題にならないが、図9に示すように複数枚の被削材W1〜W5を重ねて深孔加工を行う場合には、1枚目の被削材W1の孔を明けて2枚目の被削材W2の孔加工をしようとすると、1枚目被削材W1の孔の出口でディスクSa〜Sdが詰まって切屑の排出口が塞がれ、孔加工ができなくなるのである。
【0020】
然るに、本発明のドリルヘッド1によれば、上記のように中間側切刃チップ8が中心側切刃チップ6と周方向にオーバーラップする部分OLの先端面側を切除することにより、あるいはオーバーラップ部分OLより若干手前側を含む部分Mの先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップ8の逃げ面8bのヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカー12を形成しているから、このディスクブレーカー12によって、中心側切刃チップ6で削られる切屑と中間側切刃チップ8で削られる切屑との縁が切られると共に、中間側切刃チップ8で削られる切屑と周辺側切刃チップ7で削られる切屑との縁も切られ、これによりドリルヘッド1が被削材Wを貫通する時には、各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端壁部分との間で形成されようとする削り残し塊状片が分断破砕されて、その分断破砕された切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出路3へ流入して外部へ排出されることになる。
【0021】
従って、図9に示すように複数枚の被削材W1〜W5を重ねて深孔加工を行う場合も、1枚目の被削材W1を貫通する時には各切刃チップ6,7,8と被削材Wの先端壁部分との間で形成されようとする削り残し塊状片が分断破砕され、その分断破砕された切屑は、切屑排出口4,5から内部の切屑排出路3へ流入して外部へ排出されるから、ヘッド本体2の切屑排出口4,5を塞がれることがなくなって、2枚目以降も正常な切削が行われ、複数枚の被削材の重ね深孔加工を適正に行うことができる。
【0022】
前記ディスクブレーカー12は、図2の(b) 及び図3に示すように、オーバーラップ部分OL又はそれより手前側を含む部分Mにおいてヘッド本体2の回転軸線Gと直交する面Qに対する角度θが0°〜60°の範囲の傾斜面に形成されることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a) は本発明に係る深孔切削用ドリルヘッドを示す正面図、(b) はその平面図である。
【図2】(a) は図1の(a) の一部拡大図、(b) は更にその一部拡大図である。
【図3】本発明に係るディスクブレーカーの他の実施形態を示す図2の(b) と同様な一部拡大図である。
【図4】(a) は本発明に係るドリルヘッドを示す斜視図、(b) は従来のドリルヘッドを示す斜視図である。
【図5】従来の深孔切削用ドリルヘッドを備えた深孔切削装置による深孔加工状態を示す縦断面図である。
【図6】従来の深孔切削用ドリルヘッドを示す平面図である。
【図7】従来の深孔切削用ドリルヘッドを備えた深孔切削装置による深孔加工中のドリルヘッドを示し、(a) はクーランド外部供給方式における軸方向に沿う断面図、(b) はクーランド内部供給方式における軸方向に沿う断面図である。
【図8】ドリルヘッドが被削材を通過する時にドリルヘッドの切刃チップによって形成されるディスクと呼ばれる削り残し塊状片を示し、(a-1) 〜(d-1)は正面図 、(a-2) 〜(d-2)は 断面図である。
【図9】複数枚の被削材を重ねて深孔加工する状態の断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ドリルヘッド
2 ヘッド本体
2a ヘッド本体先端面
3 ヘッド本体の中空部
4,5 切屑排出口
6 中心側切刃チップ
7 周辺側切刃チップ
8 中間側切刃チップ
12 ディスクブレーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド本体先端面に開口した切屑排出口に臨んでヘッド中心部に中心側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって下り傾斜状となるように取り付け、周辺部には周辺側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、中間には中間側切刃チップを刃先縁がヘッド中心部に向かって上り傾斜状となるように取り付け、ヘッド本体の中空部内を前記切屑排出口に連通する切屑排出路とした深孔切削用ドリルヘッドにおいて、
中間側切刃チップが中心側切刃チップと周方向にオーバーラップする部分又はそれより若干手前側を含む部分の先端面側を切除することにより、ヘッド中心部に向かって上り傾斜状の中間側切刃チップの逃げ面のヘッド中心側端部に、ヘッド中心部に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるディスクブレーカーを形成してなる深孔切削用ドリルヘッド。
【請求項2】
前記ディスクブレーカーは、前記オーバーラップする部分又はそれより若干手前側を含む部分においてヘッド本体の回転軸線と直交する面に対する角度が0°〜60°となるような傾斜面に形成されている請求項1に記載の深孔切削用ドリルヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−581(P2010−581A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162752(P2008−162752)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(390033330)ユニタック株式会社 (38)
【Fターム(参考)】