清掃器、像保持体ユニットおよび画像形成装置
【課題】清掃支持体の振動を規制する制振部材の弾性変形により発生する清掃部材の先端部と像保持体の表面との接触の不均一による清掃不良を低減すること。
【解決手段】像保持体(PR)に接触する板状の清掃部材(2)と現像剤が収容される清掃容器(2)と清掃部材(2)を支持する清掃支持部(23)と清掃支持部(23)に対して曲げられ形成された被支持部(22)とを有する清掃支持体(21)と被支持部(22)と対向する対向部(14)を有し清掃容器(2)に設けられ且つ清掃支持体(21)を支持する支持体の支持部(11)と被支持部(22)と対向部(14)とに挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて振動を規制する制振部材(17)と制振部材(17)に隣接する位置において清掃支持体(21)を支持体の支持部(11)に固定する固定部材(31)とを備えたことを特徴とする清掃器(CL1)。
【解決手段】像保持体(PR)に接触する板状の清掃部材(2)と現像剤が収容される清掃容器(2)と清掃部材(2)を支持する清掃支持部(23)と清掃支持部(23)に対して曲げられ形成された被支持部(22)とを有する清掃支持体(21)と被支持部(22)と対向する対向部(14)を有し清掃容器(2)に設けられ且つ清掃支持体(21)を支持する支持体の支持部(11)と被支持部(22)と対向部(14)とに挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて振動を規制する制振部材(17)と制振部材(17)に隣接する位置において清掃支持体(21)を支持体の支持部(11)に固定する固定部材(31)とを備えたことを特徴とする清掃器(CL1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃器、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像が転写された後の像保持体の表面に付着した転写残トナーや紙粉、放電生成物等の付着物を除去するクリーニング装置として、板状の掻き取り部材、いわゆるクリーニングブレードを使用する技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2003−84637号公報には、感光体ドラム(6)の表面を摺擦する先端部(11a)を有する板状のトナー除去ブレード(11)が、L字状に折り曲げた形状の保持プレート(15)を介して、プロセスカートリッジ(4)の枠体に支持された構成が記載されている。
保持プレート(15)には、トナー除去ブレード(11)が支持されている部分に、先端部(11a)と基部(11b)とを結ぶ方向に沿って延びる長孔状の長穴(16)が形成されており、長穴(16)を貫通する固定部材(17)により保持プレート(15)はプロセスカートリッジ(4)に対して移動可能に支持されている。
そして、保持プレート(15)のトナー除去ブレード(11)が支持されていない折れ曲がり部分とプロセスカートリッジ(4)の枠体との間には、保持プレート(15)を感光体ドラム(6)に向けて付勢する付勢手段(19)が支持されている。
よって、特許文献1記載の技術では、感光体ドラム(6)と先端部(11a)との間の摩擦力が変化すると、保持プレート(15)が変動して付勢手段(19)の弾性力も変化して、感光体ドラム(6)と先端部(11a)との接触圧が緩衝、調整される。
【0004】
特許文献2としての特開2009−294355号公報には、感光体(10)の表面を摺擦する板状のブレード(31)が、L字状に折り曲げたブレードホルダ(32)を介して、クリーニング装置(30)の枠体(33)に支持された構成が記載されている。
ブレードホルダ(32)は、感光体(10)の軸方向に延びる支軸(34)により枠体(33)に回転可能に支持された鉛直部(32B)と、鉛直部(32B)からL字状に折り曲げた形状に形成され且つ感光体(10)に向けて延びるブレード(31)を支持する水平部(32A)と、を有する。そして、水平部(32A)と枠体(33)との間は、ブレードホルダ(32)に支持されたブレード(31)を感光体(10)に向けて付勢するスプリング(36)により連結され、支軸(34)近傍の鉛直部(32B)と枠体(33)との間には、弾性部材により形成された振動抑制部材(61)が配置されている。
よって、特許文献2記載の技術では、感光体(10)の偏心によりブレード(31)との摩擦力が変動すると、支軸(34)を回転中心としてブレードホルダ(32)が回転してスプリング(36)の弾性力が変化し、感光体(10)とブレード(31)との接触圧が調整されつつ、振動抑制部材(61)によりブレードホルダ(32)の振動が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−84637号公報(「0028」、「0031」〜「0041」、「0046」、「0047」、図1、図2)
【特許文献2】特開2009−294355号公報(「0027」〜「0031」、「0039」、「0046」、「0052」〜「0059」、図1、図4、図7〜図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、清掃支持体の振動を規制する制振部材の弾性変形により発生する清掃部材の先端部と像保持体の表面との接触の不均一による清掃不良を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の清掃器は、
像保持体の表面に接触する先端部を有する板状に形成され且つ前記像保持体の表面を清掃する清掃部材と、
前記清掃部材で除去された現像剤が収容される清掃容器と、
板が曲げられて形成された清掃支持体であって、前記清掃部材の基端部を支持する清掃支持部と、前記清掃支持部に対して曲げられた部分に形成された被支持部と、を有する前記清掃支持体と、
前記被支持部と対向する対向部を有し、前記清掃容器に設けられ且つ前記清掃支持体を支持する支持体の支持部と、
前記被支持部と前記対向部との間に挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて、前記清掃部材の振動を規制する制振部材と、
前記制振部材に隣接する位置において、前記清掃支持体を前記支持体の支持部に固定する固定部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃器において、
前記被支持部に形成された第1の開口と、
前記対向部の前記第1の開口に対応する位置に形成された第2の開口と、
前記第1の開口に係合する一端部と、前記第2の開口に係合する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され且つ前記第1の開口および前記第2の開口の一方よりも小径且つ前記第1の開口および前記第2の開口の他方よりも大径の段部と、を有し、前記一端部および前記他端部が前記第1の開口および前記第2の開口に係合した場合に、前記段部の他方側の端が前記他方の開口の縁に接触して、前記段部の前記一端部と前記他端部とを結んだ方向の長さに応じて、前記制振部材を圧縮した状態で前記清掃支持体を前記支持体の支持部に対して予め設定された間隔をあけて固定する前記固定部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の清掃器において、
前記対向部と、前記対向部の端部から折れ曲がって形成された第1の折曲部と、前記第1の折曲部の前記対向部とは逆側の端から折れ曲がって形成された第2の折曲部と、を有する前記支持体の支持部、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の清掃器において、
前記被支持部の前記対向部側の面に接触する第1の接触部と、前記被支持部の前記清掃支持部とは反対側の面に接触する第2の接触部と、を有する前記制振部材、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の清掃器において、
前記被支持部と比べて剛性が低い前記対向部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の清掃器において、
前記清掃容器とは別体に構成され且つ前記清掃容器に支持される前記支持体の支持部と、
前記支持体の支持部と前記清掃容器との隙間に配置され、且つ、前記清掃容器と前記支持体の支持部との隙間の間隔を調整することにより前記清掃部材の前記像保持体に対する位置を調整する位置調整部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の清掃器において、
前記支持体の支持部を前記清掃容器に締結する締結部材であって、前記位置調整部材が配置された位置に対応する位置で前記支持体の支持部の締結を行う前記締結部材、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の像保持体ユニットは、
表面に現像剤で形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体に潜像を書き込む潜像書込装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を被転写体に転写する転写器と、
転写後の前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、8、9に記載の発明によれば、制振部材に隣接する位置において固定部材を清掃支持体を対向部に固定しない場合に比べて、制振部材の弾性変形により発生する清掃部材の先端部と像保持体の表面との接触の不均一による清掃不良を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、段部を有しない固定部材を使用する場合に比べて、制振部材の弾性変形量を予め設定された量に容易に設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の折曲部と第2の折曲部とを有しない場合に比べて、支持体の支持部の剛性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、制振部材が第2の接触部を有しない場合に比べて、清掃部材の振動を効率的に規制することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、被支持部よりも対向部の剛性が低くない場合に比べて、清掃部材や清掃支持体の変形を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、位置調整部材を有しない場合に比べて、清掃部材の像保持体に対する位置の精度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、締結部材の位置が位置調整部材に対応しない位置に配置される場合に比べて、締結する力で清掃部材の先端位置が変動することを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の清掃器部分の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図である。
【図4】図4は実施例1の板金の固定部の斜視説明図である。
【図5】図5は実施例1の支持体の支持部から制振部材が取り外された状態の斜視説明図である。
【図6】図6は実施例1の被支持部の斜視説明図である。
【図7】図7は従来技術の説明図であり、図7Aは制振部材の位置に固定部材が配置されていない状態の説明図、図7Bは図7Aの状態から清掃支持体が撓んだ状態の説明図である。
【図8】図8は実施例2の清掃器の説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
【図9】図9は実施例2の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図10】図10は実施例2の板金の固定部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図11】図11は実施例2の支持体の支持部の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図12】図12は実施例2の位置調整部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図で断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、上面に透明な原稿台PG、いわゆる、プラテンガラスPGを有する画像形成装置の本体の一例としてのデジタル式の複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に支持される原稿搬送装置U2とを備えている。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿供給部の一例としての原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に積載された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置、すなわち、原稿搬送部材の一例としてのプラテンロールGR1の接触位置を通過して、原稿排出部材GR2により原稿排出部の一例としての原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0021】
前記複写機本体U1は、前記プラテンガラスPGを有する画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1aおよび画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1bを有する。
前記スキャナ部U1aは、読取りの基準位置に配置された露光系の位置検出部材、いわゆる露光系レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は図1に示す読取り基準位置に停止している。
【0022】
前記原稿搬送装置U2を使用して複写を行う自動搬送動作の場合は、前記露光光学系Aは読取りの基準位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う手動読取動作の場合、露光光学系Aは右方に移動しながらプラテンガラスPG上の原稿Giを露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って撮像部CCD上に収束される。前記撮像部CCDは、その撮像面上に収束された原稿からの反射光を電気信号に変換する。
【0023】
画像処理部IPSは、前記撮像部CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してプリンタ部U1bの書込駆動回路DLに出力する。
プリンタ部U1bの制御部Cにより作動時期を制御される前記書込駆動回路DLは、入力された画像データに応じた駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。
前記潜像書込装置ROSの下方には、回転する像保持体の一例としての感光体PRが配置されている。前記感光体PRの表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRにより帯電された後、潜像書込位置Q1において前記潜像書込装置ROSの潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体PRの表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q4を順次通過する。
【0024】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像装置Dは、現像剤を現像器の一例としての現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する感光体PRの表面の静電潜像を可視像の一例としてのトナー像Tnに現像する。
前記転写領域Q4において前記感光体PRに対向する転写器の一例としての転写ロールTRは、感光体PRの表面のトナー像Tnを、被転写体の一例であって、媒体の一例としてのシートSに転写する部材であり、現像装置Dで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記帯電ロールCRに印加される帯電電圧、現像ロールR0に印加される現像電圧、転写ロールTRに印加される転写電圧等の印加電圧や、後述の定着装置Fの加熱ロールのヒータを加熱するヒータ電源等を有する電源回路Eは前記制御部Cにより制御される。
【0025】
複写機本体U1の下部には、給紙容器の一例としての第1の給紙トレイTR1および第2の給紙トレイTR2が上下に並んで配置されている。
前記各給紙トレイTR2の右端部の上端部には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されており、前記ピックアップロールRpにより取り出されたシートSは、さばき部材Rsに搬送される。
前記さばき部材Rsは、互いに接触する給紙部材の一例としてのフィードローラRs1および分離部材の一例としてのリタードロールRs2を有している。さばき部材Rsに搬送されたシートは、1枚づつ分離されて、媒体搬送路の一例としてのシート搬送路SH1に搬送される。
【0026】
シート搬送路SH1には、正逆回転可能な搬送部材の一例としての搬送ロールRbが配置されている。シート搬送路SH1に搬送された前記シートSは正逆回転可能な搬送ロールRbにより、上方の転写前のシート搬送路SH2に搬送される。
転写前のシート搬送路SH2に搬送されたシートSは、搬送ロールRaにより、転写領域Q4へ搬送する時期の調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
また、手差し部の一例としての手差しトレイTR0から給紙されたシートSもレジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体PRの表面のトナー像Tnが転写領域Q4に移動する時期に合わせて、転写前の媒体案内部材の一例としての転写前のシートガイドSG1に案内されて、転写領域Q4に搬送される。
【0027】
前記感光体PRの表面に現像されたトナー像Tnは、転写領域Q4において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体PRの表面は、清掃器の一例としてのクリーナCL1によりクリーニングされて付着物の一例としての残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
前記感光体PR、帯電ロールCR、潜像書込装置ROS、現像装置D等により、可視像の形成装置の一例としてのトナー像形成装置Gが構成されている。また、実施例1では、前記感光体PRとクリーナCL1は、画像形成装置Uに対して、一体的に着脱、交換可能な像保持体ユニットPR+CL1、いわゆるプロセスカートリッジとして構成されている。
【0028】
前記転写領域Q4のシート搬送方向の下流側には、転写領域Q4でトナー像Tnが転写されたシートSを定着領域Q5に搬送する搬送路の一例としての転写後のシート搬送路SH3が設けられている。前記転写領域Q4において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、感光体PRの表面から剥離され、転写後のシート搬送路SH3に配置された転写後の媒体案内部材の一例としてのシートガイドSG2により案内され、転写後の媒体搬送部材の一例としての搬送ベルトBHにより、定着装置Fに搬送される。
定着装置Fは、内部に熱源としてのヒータを有する加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。定着装置Fに搬送されたシートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により構成される定着領域Q5を通過する際に、トナー像が加熱定着されてから、搬送路の一例としてのシート排出路SH4を通って媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに搬送される。
【0029】
前記シート排出路SH4には、前記定着装置Fの下流側に搬送路の切替部材の一例としての切替ゲートGT1が配置されている。切替ゲートGT1は、定着装置Fを通過したシートSの搬送方向を排紙トレイTRh側または接続路SH5のいずれかの方向に切り替える。接続路SH5は、シート排出路SH4の上流端、すなわち、定着装置Fの下流側部分とシート搬送路SH1とを接続する。
【0030】
両面複写の場合、1面目のトナー像が記録された片面記録済のシートSは、切替ゲートGT1により接続路SH5に搬送され、搬送方向の規制部材の一例としてのゲートGT2を通って、正逆回転可能な搬送ロールRbの逆回転により搬送路の一例としての反転路SH6に搬送される。反転路SH6に搬送されたシートSは、正逆回転可能な搬送ロールRbの正回転により、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックされ、表裏が反転した状態で転写領域Q4に再送される。
前記符号SH1〜SH6により示された要素により媒体搬送路の一例としての搬送路SHが構成されている。
前記搬送路SHおよび搬送路SHに配置されたシート搬送機能を有するローラRa,Rb,Rr等により媒体搬送装置の一例としてのシート搬送装置USが構成されている。
【0031】
(清掃器の説明)
図2は本発明の実施例1の清掃器部分の要部拡大図である。
図3は実施例1の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図である。
図1〜図3において、本発明の実施例1のクリーナCL1は、清掃容器1と、清掃部材の一例として、清掃容器1内に配置され且つ感光体PRの表面に接触して感光体PRの表面に残留した残留トナーを擦り取るクリーニングブレード2と、第2の清掃部材の一例として、クリーニングブレード2よりも感光体PRの回転方向上流側で感光体PRの表面に接触するクリーニングブラシCL1aを有する。よって、クリーニングブレード2とクリーニングブラシCL1aとにより擦り取とられた残留トナーは清掃容器1に回収される。清掃容器1の内部には、清掃容器1に回収された残留トナーを図示しない廃トナー回収容器に向けて搬送する搬送部材3が配置されている。
清掃容器1は、感光体PRに沿って前後方向に延びる清掃容器本体4を有する。
【0032】
図4は実施例1の板金の固定部の斜視説明図である。
清掃容器本体4には、感光体PR側の下部に、漏出防止部材の一例として、感光体PRの表面に向けて延びるフィルムシール5が固定支持されている。フィルムシール5は、上端部が感光体PRの表面に接触しており、前記清掃容器1から残留トナーが外部へ漏出することを防止する。
図2において、清掃容器本体4の上端には、板金の固定部6が支持されている。
図4において、前記板金の固定部6は、前後方向に延びる固定部本体8を有する。固定部本体8の上面の前後両側には、固定部の螺子孔8aが2つ形成されている。
【0033】
図5は実施例1の支持体の支持部から制振部材が取り外された状態の斜視説明図である。
図2、図3、図5において、板金の固定部6の上面には、支持体の支持部の一例としての固定板金11が支持されている。実施例1の固定板金11は、感光体PRに沿って前後方向に延びる金属製の板をクランク状に折り曲げて形成されており、第2の折曲部の一例として、前記固定部本体8の上面に支持される被固定部12と、第1の折曲部の一例として、被固定部12の右端から下方に向けて折れ曲がる形状の連結部13と、連結部13の下端から右方に向かって折れ曲がる形状の対向部14とを有する。
被固定部12の上面には、2つの前記固定部の螺子孔8aに対応する位置に、丸孔状の板金の被固定孔12aが形成されており、板金の被固定孔12aを貫通して固定部の螺子孔8aに螺子止めされる第1の締結螺子16により固定板金11が板金の固定部6に固定される。また、対向部14の上面の前後両側と中央部には、第2の開口の一例として、制振部材用の螺子孔14aが3つ形成されている。
【0034】
図2、図5において、対向部14の上面には、3つの制振部材用の螺子孔14aが形成された位置に、制振部材の一例としてのクッション材17が配置されている。クッション材17は、弾性部材により構成され、図5に示すように、前後方向に延びる長方形状に形成されている。クッション材17には、制振部材の開口の一例として、制振部材用の螺子孔14aに対応した位置にクッション材17を上下方向に貫通する丸孔形状のクッション開口18が形成されている。
【0035】
図6は実施例1の被支持部の斜視説明図である。
図2、図3、図6において、クッション材17の上方には、清掃支持体の一例としてのブレード板金21が配置されている。実施例1のブレード板金21は、感光体PRに沿って前後方向に延び且つ逆L字状に折り曲げた形状に形成されており、前記クッション材17に対応する被支持部22と、被支持部22の右端から下方に向けて折れ曲がる形状の清掃支持部23とを有する。なお、実施例1のブレード板金21は、前記固定板金11と同一の金属材料で構成されており、固定板金11の上下方向の厚みに比べて、上下方向の厚みは厚く構成されている。よって、固定板金11の剛性に比べて、ブレード板金21の剛性の方が高く構成されている。
また、清掃支持部23の前後両端部には、締結孔24が形成されている。
被支持部22の上面には、3つの前記クッション開口18に対応する位置に、第1の開口の一例として、丸孔状のブレード支持部の被固定孔27が3つ形成されている。なお、実施例1のブレード支持部の被固定孔27は、制振部材用の螺子孔14aの外径よりも大径に構成されている。
【0036】
図2、図6において、前記ブレード板金21は、固定部材の一例として、円柱状のショルダスクリュ31により前記クッション材17を挟んだ状態で前記固定板金11に固定支持されている。ショルダスクリュ31の一端部には、一端部の一例として、前記ブレード支持部の被固定孔27よりも大径の頭部32が形成されている。ショルダスクリュ31の中央部には、外径が被固定孔27および前記クッション開口18の内径に対応する円柱状の段部33が形成されている。ショルダスクリュ31の他端部には、他端部の一例として、前記制振部材用の螺子孔14aに対応して外周面に螺子が付与された円柱状の螺子部34が連続して形成されている。
【0037】
なお、実施例1の段部33の上下方向の長さは、被支持部22と対向部14との予め設定された間隔に応じて設定されており、被支持部22とクッション材17とを合わせた上下方向の厚みに比べて、段部33の上下方向の長さは短く構成されている。
したがって、ショルダスクリュ31をブレード支持部の被固定孔27およびクッション開口18の上方から貫通させて、螺子孔14aに螺子部34を固定させると、頭部32が被支持部22の上面に接触し、被支持部22と対向部14との間隔が段部33の間隔に設定された状態で支持される。よって、第1の接触部の一例としての被支持部22の下面接触部36がクッション材17の上面を押して、クッション材17を弾性変形させる。
【0038】
ここで、実施例1のクッション材17は、図2に示すように、クッション開口18と、ブレード支持部の被固定孔27とが対応するように位置を合わせた状態で、左端17aが、第2の接触部の一例としての被支持部22の左側面37よりも左方の位置に配置されるように左右方向の長さが設定されている。したがって、ショルダスクリュ31で固定されて、被支持部22の下面接触部36がクッション材17の上面右側部17bを下方に押してクッション材17が弾性変形すると、図2に示すように、クッション材17は断面L次状に弾性変形した状態で保持される。この時、被支持部22の左側面37と、クッション材17の上面左側部17cとが接触する。また、実施例1では、クッション材17の弾性変形量は、段部33の上下方向の長さにより設定、調整される。
【0039】
また、前記ブレード板金21の清掃支持部23の下端部には、クリーニングブレード2の基端部が固定支持されている。そして、ブレード板金21は、前記締結孔24を貫通する第2の締結螺子26により前記清掃容器本体4に固定されている。
実施例1では、第2の締結螺子26によるクリーニングブレード2と感光体PRの表面との接触圧が設定される。すなわち、ブレード板金21の清掃容器本体4への固定により、設計上、弾性変形していない状態のクリーニングブレード2の先端部が感光体PRの表面に対して食い込む量の設定値である食い込み量が設定される。
【0040】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置UのクリーナCL1では、クリーニングブレード2の先端部が感光体PRの表面に接触して、感光体PRの表面に残留した残留トナーが除去される。
クリーニングブレード2が残留トナーを除去する際に、感光体PRの表面に付着する現像剤の多寡や表面の凹凸、感光体PRの偏心等で、感光体PRの表面に接触するクリーニングブレード2の先端部が力を受け、クリーニングブレード2が振動することがある。クリーニングブレード2に振動が発生すると、クリーニングブレード2を固定支持するブレード板金21も振動する等して、騒音が発生することがある。
これに対して、実施例1のブレード板金21の被支持部22と、対向部14との間には、クッション材17が挟まれており、被支持部22で発生した振動がクッション材17の弾性変形で吸収され、減衰され、騒音が低減される。
【0041】
図7は従来技術の説明図であり、図7Aは制振部材の位置に固定部材が配置されていない状態の説明図、図7Bは図7Aの状態から清掃支持体が撓んだ状態の説明図である。
ここで、特許文献1および特許文献2の従来の構成では、清掃部材の枠体にブレード板金が螺子や回転軸等で支持される位置とは別の場所に、制振部材が配置されており、制振部材もブレード板金の長手方向に対して、端部の2ヶ所に設けられている。そして、制振部材は振動を減衰させられるように縮められた状態で支持されており、振動が発生しない状態では、弾性復元力が作用して、ブレード板金が押される。すなわち、図7Aに示すように、クリーニングブレード01を支持するブレード板金02がネジ03で支持される位置とは異なる位置に制振部材04が配置されている。よって、図7Bに示すように、ブレード板金02の制振部材04が設けられている位置である長手方向の2ヶ所02aでは、撓みが発生し易く、ブレード板金02に撓みが発生すると、ブレード板金02に支持されたクリーニングブレード01にも撓みが発生する恐れがあった。クリーニングブレード01が撓むと、清掃能力が低下する恐れがあり、長手方向の2ヶ所の撓みが発生する部分と、それ以外の撓みの発生しない部分とが存在すると、清掃能力が長手方向に沿って不均一になる問題がある。
【0042】
これに対して、実施例1では、クッション材17を貫通するショルダスクリュ31が被支持部22を対向部14に固定支持しており、弾性復元力が作用するクッション材17に押される位置でショルダスクリュ31が固定している。
したがって、制振部材に押されて、ブレード板金が撓んで清掃能力が低下する恐れがある従来の構成に比べて、実施例1のクリーナCL1では、ブレード板金21の撓みが抑制されて、クリーニングブレード2の撓みの発生が低減されている。よって、クリーニングブレード2の撓みが低減された実施例1のクリーナCL1では、残留トナーを除去する清掃能力の低下と、それに起因する感光体PRの清掃不良が抑制されて、形成される画像の画質低下が抑制される。
【0043】
また、被支持部22は、対向部14に対して予め設定された間隔を開けて支持されており、クッション材17は、その間に縮んだ状態で挟まれている。ここで、段部33を有しない螺子で被支持部22と対向部14とを固定する場合、予め設定された間隔に設定通りするためには手間がかかる上に、クリーナの構成も複雑化して、制作される固体毎に不具合が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、頭部32の下端が被支持部22の上面に接触し且つ段部33の下端が対向部14の上面に接触した状態で螺子部34が螺子孔14aに固定されており、被支持部22と対向部14との間隔が段部33の間隔に設定された状態でショルダスクリュ31が被支持部22を対向部14に固定している。したがって、ショルダスクリュ31を締結するだけで、被支持部22と対向部14との間隔を段部33の長さにすることが可能であり、縮んだクッション材17の長さが設定される。
したがって、段部33を設けたショルダスクリュ31を使用しない構成に比べて、実施例1のクリーナCL1では、被支持部22と対向部14とを予め設定された間隔を開けた状態で固定支持させる作業が容易であり、クッション材17の弾性変形量や弾性力を予め設定された量等に容易に設定可能である。
【0044】
また、実施例1のクッション材17は、図2に示すように被支持部22と対向部14とに挟まれた状態で断面L字状に弾性変形しており、被支持部22に対して、上面右側部17bだけではなく、上面左側部17cも接触している。
よって、被支持部22が対向部14に接近、離間する上下方向だけでなく、被支持部22が対向部14に対して相対的に左右方向にずれるスライド方向の振動も減衰させることが可能になっている。
【0045】
特に実施例1では、クリーニングブレード2に振動が発生した場合、ブレード板金21が清掃容器本体4に支持されている第2の締結螺子26の部分を中心として回転するように振動することがある。すなわち、被支持部22の左端が左下、右上方向に振動することがある。ここで、クッション材17の上面左側部17cが無く、上面右側部17bだけで被支持部22を押さえる場合に比べて、実施例1では、上面左側部17cと上面右側部17bの両方で押さえており、クリーニングブレード2の振動を効率よく減衰させることが可能である。
また、ブレード板金21の振動を押さえる場合、振動の中心である第2の締結螺子26から遠い位置で押さえる方が、第2の締結螺子26から近い位置で押さえるよりも振動の減衰の効率が良くなるが、実施例1では、第2の締結螺子26から最も遠い左側面37でクッション材17を押さえており、効率の良い振動の減衰が可能である。
【0046】
また、実施例1の対向部14は、被支持部22と同一の金属材料で構成され且つ上下方向の厚みは、被支持部22の上下方向の厚みと比べて、薄く構成されており、被支持部22に比べて、剛性が低くなっている。したがって、被支持部22よりも対向部14の方が撓み易く、クッション材17の弾性力が作用した状態では、被支持部22よりも対向部14の方が湾曲し易くなっており、被支持部22の湾曲の発生が低減され、被支持部22の撓みの発生が低減されている。
したがって、被支持部22よりも対向部14の剛性が高いまたは剛性が同一の場合に比べて、実施例1のクリーナCL1では、被支持部22の撓みが抑制されて、クリーニングブレード2の撓みの発生が低減されている。
また、板金の固定部6に固定板金11を固定する場合に、第1の締結螺子16に押されて発生する変形が、固定板金11で吸収され、被支持部22の撓みの発生が低減されている。
【0047】
実施例1の固定板金11は、クランク状に折り曲げられて形成されており、被固定部12と対向部14とが連結部13で階段状に連結されている。
よって、クランク状の固定板金11は、平板状の形態に比べて、構造的に剛性が高くなっており、クッション材17に押されて対向部14が湾曲し、波状の凹凸となるうねりが、対向部14に発生することが低減されている。
また、対向部14にうねりが発生しても、平板状の形態に比べて、連結部13でうねりが吸収され易く、被固定部12にうねりが発生し難くなっている。
したがって、クッション材17の弾性力が固定板金11や板金の固定部6に歪み等の悪影響を与えることが低減されている。
【実施例2】
【0048】
図8は実施例2の清掃器の説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図9は実施例2の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
図10は実施例2の板金の固定部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図8〜図10において、実施例2の感光体クリーナCL1では、清掃容器1の上壁を構成する板金の固定部41の上面には、支持体の固定部の一例として、プレート固定部41aが形成されている。
【0049】
図10において、プレート固定部41aには、摩擦低減部の一例として、上方に突出し且つ前後および左右方向に延びるリブ42が形成されており、固定板金11′との接触面積を低減して、組み付け等の作業時の摩擦を低減する。プレート固定部41aには、突出部材の一例として、前後方向の中央部と、前部と、後部に形成された上方に突出する一対の突起43が形成されている。なお、3対の突起43どうしの間隔は、前部と中央部と後部とで異なる間隔に設定されている。
前側の突起43aの後方と、後側の突起43bの前方には、固定部の一例として、ネジ孔44が形成されている。各ネジ孔44の左方には、開口の一例として、左方に向けて開放されたスペーサ挿入口46が形成されている。また、スペーサ挿入口46とネジ孔44との間には、摩擦低減部の一例として、上方に突出し且つ左右方向に延びるスペーサ接触リブ47が形成されている。
【0050】
図11は実施例2の支持体の支持部の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図11において、実施例2の固定板金11′の被固定部12′には、被締結部の一例として、ネジ孔44に対応する位置に、実施例1と同様に、丸孔状の板金の被固定孔12aが形成されている。また、被固定部12′には、突出通過部の一例として、板金の固定部41の突起43に対応する位置に半円状に切り欠かれた形状に形成されて、突起43が通過可能な切欠部12bが設けられている。したがって、固定板金12′の板金固定部41に対する取り付け方向や表裏等の取り付け方が誤っている場合には、突起43と切欠部12bとが干渉して設置できず、取り付け方が正しい場合には、突起43が切欠部12bに嵌って設置可能となるように構成されている。
【0051】
図12は実施例2の位置調整部材の説明図である。
図8、図9、図12において、前記スペーサ挿入口46には、調整支持体の一例としての調整支持部材51が配置されている。実施例2の調整支持部材51は、プレート固定部41aと被固定部12′との間に挿入される板状の支持体本体52と、支持体本体52の左端から上方に延びる取手部53と、を有する。
図8、図12において、前記支持体本体52には、締結部材の一例としての第1の締結螺子16が貫通可能な貫通孔52aが形成されている。前記取手部53の右面の前後両端には、被位置決め部の一例として、支持体本体52側に延びる板状の突き当て部53aが形成されており、突き当て部53aが、位置決め部の一例としての被固定部12′の左端面12cに接触して突き当てられることで、調整支持部材51の左右方向の位置決めがされる。
【0052】
前記支持体本体52の上面には、調整部材本体の一例として、板状のスペーサ54が支持されている。前記スペーサ54には、支持体本体52の貫通孔52aと同様に、第1の締結螺子16が貫通可能な貫通孔54aが形成されている。なお、実施例2では、スペーサ54は、予め設定された単一の厚さのスペーサ54が複数枚用意されており、必要に応じて、スペーサ54を重ねることで、スペーサ54の最上面と支持体本体52の最下面との高さを調整可能である。なお、複数の厚さのスペーサ54を用意しておき、必要に応じて、スペーサ54を交換することで高さを調整する構成とすることも可能である。
図8において、実施例2の感光体クリーナCL1では、スペーサ54が支持された調整支持部材51を、スペーサ挿入口46から挿入して、スペーサ54および支持体本体52が、被固定部12′とプレート固定部41aとの間に挟まれた状態で、第1の締結螺子16が、被固定孔12a、貫通孔52a,54aを貫通して、ネジ孔44にネジ止めされている。
前記調整支持部材51とスペーサ54とにより、実施例2の位置調整部材51+54が構成されている。
【0053】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の感光体クリーナCL1では、被固定部12′とプレート固定部41aとの隙間に、位置調整部材51+54が挿入されて、隙間の幅の調整が可能になっている。位置調整部材51+54を使用しない場合には、固定板金11′や板金の固定部41の部品の精度、製造誤差等に伴って、固定板金11′と板金の固定部41の隙間が変動する。その隙間によっては、締結部材16を締結するときに固定板金11′の位置(姿勢)がずれることがあり、クリーニングブレード2の先端位置の精度に影響がでる場合がある。特に固定板金11′と板金の固定部6との間に隙間が発生していると、第1の締結螺子16で締結される力に押されて、固定板金11′の姿勢が右斜め上方に傾き、連結しているブレード支持体21も同方向に動かす力が働き、ブレード先端位置が感光体に食い込む方向に変動する。逆に隙間が無い(干渉する)場合は、固定板金11′の姿勢が右斜め下方向に傾き、ブレード先端位置が食い込みの減る方向に変動する恐れがある。
これに対して、実施例2の感光体クリーナCL1では、被固定部12′とプレート固定部41aとの間に位置調整部材51+54を挿入して、固定板金11′の板金の固定部41に対する位置を調整可能であり、クリーニングブレード2の位置を調整可能になっている。すなわち、クリーニングブレード2の感光体PRに対する先端位置の変動を抑制している。
【0054】
また、実施例2の感光体クリーナCL1では、クリーニングブレード2の位置を合わせる作業を行う場合に、調整支持部材51を感光体クリーナCL1から外して、スペーサ54の枚数を増減して、再び調整支持部材51を装着するという工程が繰り返される。このとき、調整支持部材51に取手部53が設けられていない場合は、調整支持部材51の着脱動作が面倒になるが、実施例2では取手部53が設けられており、着脱動作が容易に実行可能になっている。
さらに、実施例2の感光体クリーナCL1では、調整支持部材51に突き当て部53aが形成されており、突き当て部53aが設けられていない場合に比べて、装着時の位置決めが容易になっている。
【0055】
また、実施例2の感光体クリーナCL1では、スペーサ接触リブ47が設けられており、スペーサ接触リブ47が設けられていない場合に比べて、調整支持部材51とプレート固定部41aとの接触面積が低減されている。したがって、調整支持部材51の着脱作業時に、スペーサ接触リブ47が設けられていない場合に比べて、摩擦抵抗が小さくなり、着脱作業が円滑に行われる。
その他、前記固定板金11′を板金の固定部6に第1の締結螺子16で固定する場合、位置調整部材が設けられていない場合には、製造誤差等で、固定板金11′と板金の固定部6との間に隙間が発生していると、第1の締結螺子16で締結される力に押されて、固定板金11′や固定部6が歪む恐れがある。これに対して、実施例2の感光体クリーナCL1では、第1の締結螺子16が、位置調整部材51+54に対応する位置に配置されており、締結時の力が作用しても、位置調整部材51+54が隙間を埋めており、固定板金11′や板金の固定部6が歪むことが低減されている。
【0056】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H014)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置Uを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置に限定されず、多色、いわゆる、カラーの画像形成装置にも適用可能である。
【0057】
(H02)前記実施例において、清掃器の一例としてのクリーナCL1が感光体PRの表面の清掃を行う構成を例示したが、これに限定されず、転写ロールTRの清掃器や帯電ロールCRの清掃器にも適用可能である。この他にも、カラーの画像形成装置において、ベルト状やドラム状の中間転写体の清掃を行う清掃器にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、対向部14と被支持部22とを3つのショルダスクリュ31で固定する構成を例示したが、これに限定されず、2つ以下または4つ以上のショルダスクリュ31で固定する構成にする等、設計や仕様に応じて、ショルダスクリュ31の数量を任意に変更可能である。
【0058】
(H04)前記実施例において、制振部材の一例としてのクッション材17が3つ配置された構成を例示したが、これに限定されず、2つ以下または4つ以上のクッション材17を配置する構成にする等、設計や仕様に応じて、クッション材17の数量を任意に変更可能である。また、実施例1に例示したクッション材17に替えて、クッション開口18を設けないクッション材を対向部14の螺子孔14aに隣接する位置に配置し、配置したクッション材に近接した状態でショルダスクリュ31が対向部14と被支持部22とを固定する構成や、断面L字状に形成され且つ対向部14と被支持部22とに挟まれた状態で下面接触部36および左側面37に接触するクッション材を配置する構成にする等、設計や仕様に応じて、クッション材の形状を任意に変更可能である。また、実施例1に例示した対向部14と被支持部22とに挟まれたクッション材17が、被支持部22の下面接触部36および左側面37の2面で接触する構成が望ましいが、クッション材17が左側面37とは接触せずに下面接触部36の1面で接触して、クリーニングブレード2の振動を減衰させる構成も可能である。
(H05)前記実施例において、固定部材の一例として、段部33を有するショルダスクリュ31を使用して、対向部14と被支持部22とを固定する構成が望ましいが、これに限定されず、例えば、段部33を設けない固定部材を使用して、対向部14と被支持部22とを固定する構成も可能である。
【0059】
(H06)前記実施例において、対向部14を、被支持部22と同一の金属材料で構成し且つ厚みを薄くする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、対向部14と被支持部22とを同一の金属材料で構成せずに被支持部22よりも剛性の低い材料で対向部14を構成することも可能である。この場合、剛性の低い材料を使用し且つ厚みが同一または厚くすると共に、対向部14の剛性を被支持部22の剛性よりも低くすることが可能である。また、対向部14の剛性を被支持部22の剛性よりも低くすることが望ましいが、対向部14の剛性が被支持部22の剛性に対して、同一または高くすることも可能である。例えば、被支持部22と同一の材料を対向部14に使用し且つ被支持部22の厚みに比べて、対向部14の厚みを同一または厚くしたり、被支持部22よりも剛性の高い材料を対向部14に使用して、被支持部22よりも剛性を高くする構成も可能である。また、被支持部22よりも剛性の低い材料を対向部14に使用し且つ被支持部22の厚みに比べて、対向部14の厚みを厚くして、被支持部22の剛性に対して、対向部14の剛性を同一または高くする構成も可能である。
【0060】
(H07)前記実施例において、支持体の支持部の一例として、クランク状に折り曲げられて形成された固定板金11の形状が望ましいが、これに限定されず、例えば、平板状の支持体の支持部も使用可能であり、設計や使用に応じて、支持体の支持部の材料や形状を任意に変更可能である。
(H08)前記実施例において、清掃容器本体4と板金の固定部6とを別体とした清掃容器1の構成を例示したが、これに限定されず、清掃容器本体4と板金の固定部6とを一体化した構成も可能である。
【0061】
(H09)前記実施例2において、被位置決め部の一例としての突き当て部53aを取手部53に設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、支持体本体52の右端面を被位置決め部にする等、位置決めが可能な任意の構成に変更可能である。また、位置決めのための構成を設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H010)前記実施例2において、スペーサ接触リブ47は設けることが望ましいが、省略することも可能であり、設計や仕様等に応じて形状を任意の形状に変更することも可能である。
(H011)前記実施例2において、取手部53は設けることが望ましいが、省略することも可能であり、設計や仕様等に応じて形状を任意の形状に変更することも可能である。
【0062】
(H012)前記実施例2において、スペーサ挿入口46を介して、位置調整部材51+54を容易に着脱可能な構成を例示したが、これに限定されず、位置調整部材51+54を着脱する場合に、ブレード板金21や固定板金11を取り外して位置調整部材51+54の着脱を行う構成とすることも可能である。
(H013)前記実施例2において、スペーサ54の形状の一例として、板状のスペーサ54を例示したが、これに限定されず、例えば、固定板金11′をプレート固定部41aに対して傾斜した状態としたい場合には、前方から見た状態で楔形や台形のスペーサを使用することも可能である。
(H014)前記実施例2において、第1の締結螺子16と位置調整部材51+54とが対応する位置に配置する構成とすることが望ましいが、第1の締結螺子16が位置調整部材51+54から離れた位置とすることも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…清掃容器、
2…清掃部材、
11…支持体の支持部、
12…第2の折曲げ部、
13…第1の折曲げ部、
14…対向部、
14a…第2の開口、
16…締結部材、
17…制振部材、
21…清掃支持体、
22…被支持部、
27…第1の開口、
31…固定部材、
32…一端部、
33…段部、
34…他端部、
36…第1の接触部、
37…第2の接触部、
51+54…位置調整部材、
CL1…清掃器、
CL1+PR…像保持体ユニット、
CR…帯電器、
PR…像保持体、
R0…現像器、
ROS…潜像書込装置、
S…被転写体、
TR…転写器、
U…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃器、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像が転写された後の像保持体の表面に付着した転写残トナーや紙粉、放電生成物等の付着物を除去するクリーニング装置として、板状の掻き取り部材、いわゆるクリーニングブレードを使用する技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2003−84637号公報には、感光体ドラム(6)の表面を摺擦する先端部(11a)を有する板状のトナー除去ブレード(11)が、L字状に折り曲げた形状の保持プレート(15)を介して、プロセスカートリッジ(4)の枠体に支持された構成が記載されている。
保持プレート(15)には、トナー除去ブレード(11)が支持されている部分に、先端部(11a)と基部(11b)とを結ぶ方向に沿って延びる長孔状の長穴(16)が形成されており、長穴(16)を貫通する固定部材(17)により保持プレート(15)はプロセスカートリッジ(4)に対して移動可能に支持されている。
そして、保持プレート(15)のトナー除去ブレード(11)が支持されていない折れ曲がり部分とプロセスカートリッジ(4)の枠体との間には、保持プレート(15)を感光体ドラム(6)に向けて付勢する付勢手段(19)が支持されている。
よって、特許文献1記載の技術では、感光体ドラム(6)と先端部(11a)との間の摩擦力が変化すると、保持プレート(15)が変動して付勢手段(19)の弾性力も変化して、感光体ドラム(6)と先端部(11a)との接触圧が緩衝、調整される。
【0004】
特許文献2としての特開2009−294355号公報には、感光体(10)の表面を摺擦する板状のブレード(31)が、L字状に折り曲げたブレードホルダ(32)を介して、クリーニング装置(30)の枠体(33)に支持された構成が記載されている。
ブレードホルダ(32)は、感光体(10)の軸方向に延びる支軸(34)により枠体(33)に回転可能に支持された鉛直部(32B)と、鉛直部(32B)からL字状に折り曲げた形状に形成され且つ感光体(10)に向けて延びるブレード(31)を支持する水平部(32A)と、を有する。そして、水平部(32A)と枠体(33)との間は、ブレードホルダ(32)に支持されたブレード(31)を感光体(10)に向けて付勢するスプリング(36)により連結され、支軸(34)近傍の鉛直部(32B)と枠体(33)との間には、弾性部材により形成された振動抑制部材(61)が配置されている。
よって、特許文献2記載の技術では、感光体(10)の偏心によりブレード(31)との摩擦力が変動すると、支軸(34)を回転中心としてブレードホルダ(32)が回転してスプリング(36)の弾性力が変化し、感光体(10)とブレード(31)との接触圧が調整されつつ、振動抑制部材(61)によりブレードホルダ(32)の振動が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−84637号公報(「0028」、「0031」〜「0041」、「0046」、「0047」、図1、図2)
【特許文献2】特開2009−294355号公報(「0027」〜「0031」、「0039」、「0046」、「0052」〜「0059」、図1、図4、図7〜図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、清掃支持体の振動を規制する制振部材の弾性変形により発生する清掃部材の先端部と像保持体の表面との接触の不均一による清掃不良を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の清掃器は、
像保持体の表面に接触する先端部を有する板状に形成され且つ前記像保持体の表面を清掃する清掃部材と、
前記清掃部材で除去された現像剤が収容される清掃容器と、
板が曲げられて形成された清掃支持体であって、前記清掃部材の基端部を支持する清掃支持部と、前記清掃支持部に対して曲げられた部分に形成された被支持部と、を有する前記清掃支持体と、
前記被支持部と対向する対向部を有し、前記清掃容器に設けられ且つ前記清掃支持体を支持する支持体の支持部と、
前記被支持部と前記対向部との間に挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて、前記清掃部材の振動を規制する制振部材と、
前記制振部材に隣接する位置において、前記清掃支持体を前記支持体の支持部に固定する固定部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃器において、
前記被支持部に形成された第1の開口と、
前記対向部の前記第1の開口に対応する位置に形成された第2の開口と、
前記第1の開口に係合する一端部と、前記第2の開口に係合する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され且つ前記第1の開口および前記第2の開口の一方よりも小径且つ前記第1の開口および前記第2の開口の他方よりも大径の段部と、を有し、前記一端部および前記他端部が前記第1の開口および前記第2の開口に係合した場合に、前記段部の他方側の端が前記他方の開口の縁に接触して、前記段部の前記一端部と前記他端部とを結んだ方向の長さに応じて、前記制振部材を圧縮した状態で前記清掃支持体を前記支持体の支持部に対して予め設定された間隔をあけて固定する前記固定部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の清掃器において、
前記対向部と、前記対向部の端部から折れ曲がって形成された第1の折曲部と、前記第1の折曲部の前記対向部とは逆側の端から折れ曲がって形成された第2の折曲部と、を有する前記支持体の支持部、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の清掃器において、
前記被支持部の前記対向部側の面に接触する第1の接触部と、前記被支持部の前記清掃支持部とは反対側の面に接触する第2の接触部と、を有する前記制振部材、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の清掃器において、
前記被支持部と比べて剛性が低い前記対向部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の清掃器において、
前記清掃容器とは別体に構成され且つ前記清掃容器に支持される前記支持体の支持部と、
前記支持体の支持部と前記清掃容器との隙間に配置され、且つ、前記清掃容器と前記支持体の支持部との隙間の間隔を調整することにより前記清掃部材の前記像保持体に対する位置を調整する位置調整部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の清掃器において、
前記支持体の支持部を前記清掃容器に締結する締結部材であって、前記位置調整部材が配置された位置に対応する位置で前記支持体の支持部の締結を行う前記締結部材、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の像保持体ユニットは、
表面に現像剤で形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体に潜像を書き込む潜像書込装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を被転写体に転写する転写器と、
転写後の前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、8、9に記載の発明によれば、制振部材に隣接する位置において固定部材を清掃支持体を対向部に固定しない場合に比べて、制振部材の弾性変形により発生する清掃部材の先端部と像保持体の表面との接触の不均一による清掃不良を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、段部を有しない固定部材を使用する場合に比べて、制振部材の弾性変形量を予め設定された量に容易に設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の折曲部と第2の折曲部とを有しない場合に比べて、支持体の支持部の剛性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、制振部材が第2の接触部を有しない場合に比べて、清掃部材の振動を効率的に規制することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、被支持部よりも対向部の剛性が低くない場合に比べて、清掃部材や清掃支持体の変形を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、位置調整部材を有しない場合に比べて、清掃部材の像保持体に対する位置の精度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、締結部材の位置が位置調整部材に対応しない位置に配置される場合に比べて、締結する力で清掃部材の先端位置が変動することを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の清掃器部分の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図である。
【図4】図4は実施例1の板金の固定部の斜視説明図である。
【図5】図5は実施例1の支持体の支持部から制振部材が取り外された状態の斜視説明図である。
【図6】図6は実施例1の被支持部の斜視説明図である。
【図7】図7は従来技術の説明図であり、図7Aは制振部材の位置に固定部材が配置されていない状態の説明図、図7Bは図7Aの状態から清掃支持体が撓んだ状態の説明図である。
【図8】図8は実施例2の清掃器の説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
【図9】図9は実施例2の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【図10】図10は実施例2の板金の固定部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図11】図11は実施例2の支持体の支持部の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図12】図12は実施例2の位置調整部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図で断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、上面に透明な原稿台PG、いわゆる、プラテンガラスPGを有する画像形成装置の本体の一例としてのデジタル式の複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に支持される原稿搬送装置U2とを備えている。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿供給部の一例としての原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に積載された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置、すなわち、原稿搬送部材の一例としてのプラテンロールGR1の接触位置を通過して、原稿排出部材GR2により原稿排出部の一例としての原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0021】
前記複写機本体U1は、前記プラテンガラスPGを有する画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1aおよび画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1bを有する。
前記スキャナ部U1aは、読取りの基準位置に配置された露光系の位置検出部材、いわゆる露光系レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は図1に示す読取り基準位置に停止している。
【0022】
前記原稿搬送装置U2を使用して複写を行う自動搬送動作の場合は、前記露光光学系Aは読取りの基準位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う手動読取動作の場合、露光光学系Aは右方に移動しながらプラテンガラスPG上の原稿Giを露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って撮像部CCD上に収束される。前記撮像部CCDは、その撮像面上に収束された原稿からの反射光を電気信号に変換する。
【0023】
画像処理部IPSは、前記撮像部CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してプリンタ部U1bの書込駆動回路DLに出力する。
プリンタ部U1bの制御部Cにより作動時期を制御される前記書込駆動回路DLは、入力された画像データに応じた駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。
前記潜像書込装置ROSの下方には、回転する像保持体の一例としての感光体PRが配置されている。前記感光体PRの表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRにより帯電された後、潜像書込位置Q1において前記潜像書込装置ROSの潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体PRの表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q4を順次通過する。
【0024】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像装置Dは、現像剤を現像器の一例としての現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する感光体PRの表面の静電潜像を可視像の一例としてのトナー像Tnに現像する。
前記転写領域Q4において前記感光体PRに対向する転写器の一例としての転写ロールTRは、感光体PRの表面のトナー像Tnを、被転写体の一例であって、媒体の一例としてのシートSに転写する部材であり、現像装置Dで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記帯電ロールCRに印加される帯電電圧、現像ロールR0に印加される現像電圧、転写ロールTRに印加される転写電圧等の印加電圧や、後述の定着装置Fの加熱ロールのヒータを加熱するヒータ電源等を有する電源回路Eは前記制御部Cにより制御される。
【0025】
複写機本体U1の下部には、給紙容器の一例としての第1の給紙トレイTR1および第2の給紙トレイTR2が上下に並んで配置されている。
前記各給紙トレイTR2の右端部の上端部には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されており、前記ピックアップロールRpにより取り出されたシートSは、さばき部材Rsに搬送される。
前記さばき部材Rsは、互いに接触する給紙部材の一例としてのフィードローラRs1および分離部材の一例としてのリタードロールRs2を有している。さばき部材Rsに搬送されたシートは、1枚づつ分離されて、媒体搬送路の一例としてのシート搬送路SH1に搬送される。
【0026】
シート搬送路SH1には、正逆回転可能な搬送部材の一例としての搬送ロールRbが配置されている。シート搬送路SH1に搬送された前記シートSは正逆回転可能な搬送ロールRbにより、上方の転写前のシート搬送路SH2に搬送される。
転写前のシート搬送路SH2に搬送されたシートSは、搬送ロールRaにより、転写領域Q4へ搬送する時期の調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
また、手差し部の一例としての手差しトレイTR0から給紙されたシートSもレジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体PRの表面のトナー像Tnが転写領域Q4に移動する時期に合わせて、転写前の媒体案内部材の一例としての転写前のシートガイドSG1に案内されて、転写領域Q4に搬送される。
【0027】
前記感光体PRの表面に現像されたトナー像Tnは、転写領域Q4において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体PRの表面は、清掃器の一例としてのクリーナCL1によりクリーニングされて付着物の一例としての残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
前記感光体PR、帯電ロールCR、潜像書込装置ROS、現像装置D等により、可視像の形成装置の一例としてのトナー像形成装置Gが構成されている。また、実施例1では、前記感光体PRとクリーナCL1は、画像形成装置Uに対して、一体的に着脱、交換可能な像保持体ユニットPR+CL1、いわゆるプロセスカートリッジとして構成されている。
【0028】
前記転写領域Q4のシート搬送方向の下流側には、転写領域Q4でトナー像Tnが転写されたシートSを定着領域Q5に搬送する搬送路の一例としての転写後のシート搬送路SH3が設けられている。前記転写領域Q4において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、感光体PRの表面から剥離され、転写後のシート搬送路SH3に配置された転写後の媒体案内部材の一例としてのシートガイドSG2により案内され、転写後の媒体搬送部材の一例としての搬送ベルトBHにより、定着装置Fに搬送される。
定着装置Fは、内部に熱源としてのヒータを有する加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。定着装置Fに搬送されたシートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により構成される定着領域Q5を通過する際に、トナー像が加熱定着されてから、搬送路の一例としてのシート排出路SH4を通って媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに搬送される。
【0029】
前記シート排出路SH4には、前記定着装置Fの下流側に搬送路の切替部材の一例としての切替ゲートGT1が配置されている。切替ゲートGT1は、定着装置Fを通過したシートSの搬送方向を排紙トレイTRh側または接続路SH5のいずれかの方向に切り替える。接続路SH5は、シート排出路SH4の上流端、すなわち、定着装置Fの下流側部分とシート搬送路SH1とを接続する。
【0030】
両面複写の場合、1面目のトナー像が記録された片面記録済のシートSは、切替ゲートGT1により接続路SH5に搬送され、搬送方向の規制部材の一例としてのゲートGT2を通って、正逆回転可能な搬送ロールRbの逆回転により搬送路の一例としての反転路SH6に搬送される。反転路SH6に搬送されたシートSは、正逆回転可能な搬送ロールRbの正回転により、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックされ、表裏が反転した状態で転写領域Q4に再送される。
前記符号SH1〜SH6により示された要素により媒体搬送路の一例としての搬送路SHが構成されている。
前記搬送路SHおよび搬送路SHに配置されたシート搬送機能を有するローラRa,Rb,Rr等により媒体搬送装置の一例としてのシート搬送装置USが構成されている。
【0031】
(清掃器の説明)
図2は本発明の実施例1の清掃器部分の要部拡大図である。
図3は実施例1の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図である。
図1〜図3において、本発明の実施例1のクリーナCL1は、清掃容器1と、清掃部材の一例として、清掃容器1内に配置され且つ感光体PRの表面に接触して感光体PRの表面に残留した残留トナーを擦り取るクリーニングブレード2と、第2の清掃部材の一例として、クリーニングブレード2よりも感光体PRの回転方向上流側で感光体PRの表面に接触するクリーニングブラシCL1aを有する。よって、クリーニングブレード2とクリーニングブラシCL1aとにより擦り取とられた残留トナーは清掃容器1に回収される。清掃容器1の内部には、清掃容器1に回収された残留トナーを図示しない廃トナー回収容器に向けて搬送する搬送部材3が配置されている。
清掃容器1は、感光体PRに沿って前後方向に延びる清掃容器本体4を有する。
【0032】
図4は実施例1の板金の固定部の斜視説明図である。
清掃容器本体4には、感光体PR側の下部に、漏出防止部材の一例として、感光体PRの表面に向けて延びるフィルムシール5が固定支持されている。フィルムシール5は、上端部が感光体PRの表面に接触しており、前記清掃容器1から残留トナーが外部へ漏出することを防止する。
図2において、清掃容器本体4の上端には、板金の固定部6が支持されている。
図4において、前記板金の固定部6は、前後方向に延びる固定部本体8を有する。固定部本体8の上面の前後両側には、固定部の螺子孔8aが2つ形成されている。
【0033】
図5は実施例1の支持体の支持部から制振部材が取り外された状態の斜視説明図である。
図2、図3、図5において、板金の固定部6の上面には、支持体の支持部の一例としての固定板金11が支持されている。実施例1の固定板金11は、感光体PRに沿って前後方向に延びる金属製の板をクランク状に折り曲げて形成されており、第2の折曲部の一例として、前記固定部本体8の上面に支持される被固定部12と、第1の折曲部の一例として、被固定部12の右端から下方に向けて折れ曲がる形状の連結部13と、連結部13の下端から右方に向かって折れ曲がる形状の対向部14とを有する。
被固定部12の上面には、2つの前記固定部の螺子孔8aに対応する位置に、丸孔状の板金の被固定孔12aが形成されており、板金の被固定孔12aを貫通して固定部の螺子孔8aに螺子止めされる第1の締結螺子16により固定板金11が板金の固定部6に固定される。また、対向部14の上面の前後両側と中央部には、第2の開口の一例として、制振部材用の螺子孔14aが3つ形成されている。
【0034】
図2、図5において、対向部14の上面には、3つの制振部材用の螺子孔14aが形成された位置に、制振部材の一例としてのクッション材17が配置されている。クッション材17は、弾性部材により構成され、図5に示すように、前後方向に延びる長方形状に形成されている。クッション材17には、制振部材の開口の一例として、制振部材用の螺子孔14aに対応した位置にクッション材17を上下方向に貫通する丸孔形状のクッション開口18が形成されている。
【0035】
図6は実施例1の被支持部の斜視説明図である。
図2、図3、図6において、クッション材17の上方には、清掃支持体の一例としてのブレード板金21が配置されている。実施例1のブレード板金21は、感光体PRに沿って前後方向に延び且つ逆L字状に折り曲げた形状に形成されており、前記クッション材17に対応する被支持部22と、被支持部22の右端から下方に向けて折れ曲がる形状の清掃支持部23とを有する。なお、実施例1のブレード板金21は、前記固定板金11と同一の金属材料で構成されており、固定板金11の上下方向の厚みに比べて、上下方向の厚みは厚く構成されている。よって、固定板金11の剛性に比べて、ブレード板金21の剛性の方が高く構成されている。
また、清掃支持部23の前後両端部には、締結孔24が形成されている。
被支持部22の上面には、3つの前記クッション開口18に対応する位置に、第1の開口の一例として、丸孔状のブレード支持部の被固定孔27が3つ形成されている。なお、実施例1のブレード支持部の被固定孔27は、制振部材用の螺子孔14aの外径よりも大径に構成されている。
【0036】
図2、図6において、前記ブレード板金21は、固定部材の一例として、円柱状のショルダスクリュ31により前記クッション材17を挟んだ状態で前記固定板金11に固定支持されている。ショルダスクリュ31の一端部には、一端部の一例として、前記ブレード支持部の被固定孔27よりも大径の頭部32が形成されている。ショルダスクリュ31の中央部には、外径が被固定孔27および前記クッション開口18の内径に対応する円柱状の段部33が形成されている。ショルダスクリュ31の他端部には、他端部の一例として、前記制振部材用の螺子孔14aに対応して外周面に螺子が付与された円柱状の螺子部34が連続して形成されている。
【0037】
なお、実施例1の段部33の上下方向の長さは、被支持部22と対向部14との予め設定された間隔に応じて設定されており、被支持部22とクッション材17とを合わせた上下方向の厚みに比べて、段部33の上下方向の長さは短く構成されている。
したがって、ショルダスクリュ31をブレード支持部の被固定孔27およびクッション開口18の上方から貫通させて、螺子孔14aに螺子部34を固定させると、頭部32が被支持部22の上面に接触し、被支持部22と対向部14との間隔が段部33の間隔に設定された状態で支持される。よって、第1の接触部の一例としての被支持部22の下面接触部36がクッション材17の上面を押して、クッション材17を弾性変形させる。
【0038】
ここで、実施例1のクッション材17は、図2に示すように、クッション開口18と、ブレード支持部の被固定孔27とが対応するように位置を合わせた状態で、左端17aが、第2の接触部の一例としての被支持部22の左側面37よりも左方の位置に配置されるように左右方向の長さが設定されている。したがって、ショルダスクリュ31で固定されて、被支持部22の下面接触部36がクッション材17の上面右側部17bを下方に押してクッション材17が弾性変形すると、図2に示すように、クッション材17は断面L次状に弾性変形した状態で保持される。この時、被支持部22の左側面37と、クッション材17の上面左側部17cとが接触する。また、実施例1では、クッション材17の弾性変形量は、段部33の上下方向の長さにより設定、調整される。
【0039】
また、前記ブレード板金21の清掃支持部23の下端部には、クリーニングブレード2の基端部が固定支持されている。そして、ブレード板金21は、前記締結孔24を貫通する第2の締結螺子26により前記清掃容器本体4に固定されている。
実施例1では、第2の締結螺子26によるクリーニングブレード2と感光体PRの表面との接触圧が設定される。すなわち、ブレード板金21の清掃容器本体4への固定により、設計上、弾性変形していない状態のクリーニングブレード2の先端部が感光体PRの表面に対して食い込む量の設定値である食い込み量が設定される。
【0040】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置UのクリーナCL1では、クリーニングブレード2の先端部が感光体PRの表面に接触して、感光体PRの表面に残留した残留トナーが除去される。
クリーニングブレード2が残留トナーを除去する際に、感光体PRの表面に付着する現像剤の多寡や表面の凹凸、感光体PRの偏心等で、感光体PRの表面に接触するクリーニングブレード2の先端部が力を受け、クリーニングブレード2が振動することがある。クリーニングブレード2に振動が発生すると、クリーニングブレード2を固定支持するブレード板金21も振動する等して、騒音が発生することがある。
これに対して、実施例1のブレード板金21の被支持部22と、対向部14との間には、クッション材17が挟まれており、被支持部22で発生した振動がクッション材17の弾性変形で吸収され、減衰され、騒音が低減される。
【0041】
図7は従来技術の説明図であり、図7Aは制振部材の位置に固定部材が配置されていない状態の説明図、図7Bは図7Aの状態から清掃支持体が撓んだ状態の説明図である。
ここで、特許文献1および特許文献2の従来の構成では、清掃部材の枠体にブレード板金が螺子や回転軸等で支持される位置とは別の場所に、制振部材が配置されており、制振部材もブレード板金の長手方向に対して、端部の2ヶ所に設けられている。そして、制振部材は振動を減衰させられるように縮められた状態で支持されており、振動が発生しない状態では、弾性復元力が作用して、ブレード板金が押される。すなわち、図7Aに示すように、クリーニングブレード01を支持するブレード板金02がネジ03で支持される位置とは異なる位置に制振部材04が配置されている。よって、図7Bに示すように、ブレード板金02の制振部材04が設けられている位置である長手方向の2ヶ所02aでは、撓みが発生し易く、ブレード板金02に撓みが発生すると、ブレード板金02に支持されたクリーニングブレード01にも撓みが発生する恐れがあった。クリーニングブレード01が撓むと、清掃能力が低下する恐れがあり、長手方向の2ヶ所の撓みが発生する部分と、それ以外の撓みの発生しない部分とが存在すると、清掃能力が長手方向に沿って不均一になる問題がある。
【0042】
これに対して、実施例1では、クッション材17を貫通するショルダスクリュ31が被支持部22を対向部14に固定支持しており、弾性復元力が作用するクッション材17に押される位置でショルダスクリュ31が固定している。
したがって、制振部材に押されて、ブレード板金が撓んで清掃能力が低下する恐れがある従来の構成に比べて、実施例1のクリーナCL1では、ブレード板金21の撓みが抑制されて、クリーニングブレード2の撓みの発生が低減されている。よって、クリーニングブレード2の撓みが低減された実施例1のクリーナCL1では、残留トナーを除去する清掃能力の低下と、それに起因する感光体PRの清掃不良が抑制されて、形成される画像の画質低下が抑制される。
【0043】
また、被支持部22は、対向部14に対して予め設定された間隔を開けて支持されており、クッション材17は、その間に縮んだ状態で挟まれている。ここで、段部33を有しない螺子で被支持部22と対向部14とを固定する場合、予め設定された間隔に設定通りするためには手間がかかる上に、クリーナの構成も複雑化して、制作される固体毎に不具合が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、頭部32の下端が被支持部22の上面に接触し且つ段部33の下端が対向部14の上面に接触した状態で螺子部34が螺子孔14aに固定されており、被支持部22と対向部14との間隔が段部33の間隔に設定された状態でショルダスクリュ31が被支持部22を対向部14に固定している。したがって、ショルダスクリュ31を締結するだけで、被支持部22と対向部14との間隔を段部33の長さにすることが可能であり、縮んだクッション材17の長さが設定される。
したがって、段部33を設けたショルダスクリュ31を使用しない構成に比べて、実施例1のクリーナCL1では、被支持部22と対向部14とを予め設定された間隔を開けた状態で固定支持させる作業が容易であり、クッション材17の弾性変形量や弾性力を予め設定された量等に容易に設定可能である。
【0044】
また、実施例1のクッション材17は、図2に示すように被支持部22と対向部14とに挟まれた状態で断面L字状に弾性変形しており、被支持部22に対して、上面右側部17bだけではなく、上面左側部17cも接触している。
よって、被支持部22が対向部14に接近、離間する上下方向だけでなく、被支持部22が対向部14に対して相対的に左右方向にずれるスライド方向の振動も減衰させることが可能になっている。
【0045】
特に実施例1では、クリーニングブレード2に振動が発生した場合、ブレード板金21が清掃容器本体4に支持されている第2の締結螺子26の部分を中心として回転するように振動することがある。すなわち、被支持部22の左端が左下、右上方向に振動することがある。ここで、クッション材17の上面左側部17cが無く、上面右側部17bだけで被支持部22を押さえる場合に比べて、実施例1では、上面左側部17cと上面右側部17bの両方で押さえており、クリーニングブレード2の振動を効率よく減衰させることが可能である。
また、ブレード板金21の振動を押さえる場合、振動の中心である第2の締結螺子26から遠い位置で押さえる方が、第2の締結螺子26から近い位置で押さえるよりも振動の減衰の効率が良くなるが、実施例1では、第2の締結螺子26から最も遠い左側面37でクッション材17を押さえており、効率の良い振動の減衰が可能である。
【0046】
また、実施例1の対向部14は、被支持部22と同一の金属材料で構成され且つ上下方向の厚みは、被支持部22の上下方向の厚みと比べて、薄く構成されており、被支持部22に比べて、剛性が低くなっている。したがって、被支持部22よりも対向部14の方が撓み易く、クッション材17の弾性力が作用した状態では、被支持部22よりも対向部14の方が湾曲し易くなっており、被支持部22の湾曲の発生が低減され、被支持部22の撓みの発生が低減されている。
したがって、被支持部22よりも対向部14の剛性が高いまたは剛性が同一の場合に比べて、実施例1のクリーナCL1では、被支持部22の撓みが抑制されて、クリーニングブレード2の撓みの発生が低減されている。
また、板金の固定部6に固定板金11を固定する場合に、第1の締結螺子16に押されて発生する変形が、固定板金11で吸収され、被支持部22の撓みの発生が低減されている。
【0047】
実施例1の固定板金11は、クランク状に折り曲げられて形成されており、被固定部12と対向部14とが連結部13で階段状に連結されている。
よって、クランク状の固定板金11は、平板状の形態に比べて、構造的に剛性が高くなっており、クッション材17に押されて対向部14が湾曲し、波状の凹凸となるうねりが、対向部14に発生することが低減されている。
また、対向部14にうねりが発生しても、平板状の形態に比べて、連結部13でうねりが吸収され易く、被固定部12にうねりが発生し難くなっている。
したがって、クッション材17の弾性力が固定板金11や板金の固定部6に歪み等の悪影響を与えることが低減されている。
【実施例2】
【0048】
図8は実施例2の清掃器の説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図9は実施例2の像保持体ユニットから像保持体が取り外された状態の斜視説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
図10は実施例2の板金の固定部の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図8〜図10において、実施例2の感光体クリーナCL1では、清掃容器1の上壁を構成する板金の固定部41の上面には、支持体の固定部の一例として、プレート固定部41aが形成されている。
【0049】
図10において、プレート固定部41aには、摩擦低減部の一例として、上方に突出し且つ前後および左右方向に延びるリブ42が形成されており、固定板金11′との接触面積を低減して、組み付け等の作業時の摩擦を低減する。プレート固定部41aには、突出部材の一例として、前後方向の中央部と、前部と、後部に形成された上方に突出する一対の突起43が形成されている。なお、3対の突起43どうしの間隔は、前部と中央部と後部とで異なる間隔に設定されている。
前側の突起43aの後方と、後側の突起43bの前方には、固定部の一例として、ネジ孔44が形成されている。各ネジ孔44の左方には、開口の一例として、左方に向けて開放されたスペーサ挿入口46が形成されている。また、スペーサ挿入口46とネジ孔44との間には、摩擦低減部の一例として、上方に突出し且つ左右方向に延びるスペーサ接触リブ47が形成されている。
【0050】
図11は実施例2の支持体の支持部の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図11において、実施例2の固定板金11′の被固定部12′には、被締結部の一例として、ネジ孔44に対応する位置に、実施例1と同様に、丸孔状の板金の被固定孔12aが形成されている。また、被固定部12′には、突出通過部の一例として、板金の固定部41の突起43に対応する位置に半円状に切り欠かれた形状に形成されて、突起43が通過可能な切欠部12bが設けられている。したがって、固定板金12′の板金固定部41に対する取り付け方向や表裏等の取り付け方が誤っている場合には、突起43と切欠部12bとが干渉して設置できず、取り付け方が正しい場合には、突起43が切欠部12bに嵌って設置可能となるように構成されている。
【0051】
図12は実施例2の位置調整部材の説明図である。
図8、図9、図12において、前記スペーサ挿入口46には、調整支持体の一例としての調整支持部材51が配置されている。実施例2の調整支持部材51は、プレート固定部41aと被固定部12′との間に挿入される板状の支持体本体52と、支持体本体52の左端から上方に延びる取手部53と、を有する。
図8、図12において、前記支持体本体52には、締結部材の一例としての第1の締結螺子16が貫通可能な貫通孔52aが形成されている。前記取手部53の右面の前後両端には、被位置決め部の一例として、支持体本体52側に延びる板状の突き当て部53aが形成されており、突き当て部53aが、位置決め部の一例としての被固定部12′の左端面12cに接触して突き当てられることで、調整支持部材51の左右方向の位置決めがされる。
【0052】
前記支持体本体52の上面には、調整部材本体の一例として、板状のスペーサ54が支持されている。前記スペーサ54には、支持体本体52の貫通孔52aと同様に、第1の締結螺子16が貫通可能な貫通孔54aが形成されている。なお、実施例2では、スペーサ54は、予め設定された単一の厚さのスペーサ54が複数枚用意されており、必要に応じて、スペーサ54を重ねることで、スペーサ54の最上面と支持体本体52の最下面との高さを調整可能である。なお、複数の厚さのスペーサ54を用意しておき、必要に応じて、スペーサ54を交換することで高さを調整する構成とすることも可能である。
図8において、実施例2の感光体クリーナCL1では、スペーサ54が支持された調整支持部材51を、スペーサ挿入口46から挿入して、スペーサ54および支持体本体52が、被固定部12′とプレート固定部41aとの間に挟まれた状態で、第1の締結螺子16が、被固定孔12a、貫通孔52a,54aを貫通して、ネジ孔44にネジ止めされている。
前記調整支持部材51とスペーサ54とにより、実施例2の位置調整部材51+54が構成されている。
【0053】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の感光体クリーナCL1では、被固定部12′とプレート固定部41aとの隙間に、位置調整部材51+54が挿入されて、隙間の幅の調整が可能になっている。位置調整部材51+54を使用しない場合には、固定板金11′や板金の固定部41の部品の精度、製造誤差等に伴って、固定板金11′と板金の固定部41の隙間が変動する。その隙間によっては、締結部材16を締結するときに固定板金11′の位置(姿勢)がずれることがあり、クリーニングブレード2の先端位置の精度に影響がでる場合がある。特に固定板金11′と板金の固定部6との間に隙間が発生していると、第1の締結螺子16で締結される力に押されて、固定板金11′の姿勢が右斜め上方に傾き、連結しているブレード支持体21も同方向に動かす力が働き、ブレード先端位置が感光体に食い込む方向に変動する。逆に隙間が無い(干渉する)場合は、固定板金11′の姿勢が右斜め下方向に傾き、ブレード先端位置が食い込みの減る方向に変動する恐れがある。
これに対して、実施例2の感光体クリーナCL1では、被固定部12′とプレート固定部41aとの間に位置調整部材51+54を挿入して、固定板金11′の板金の固定部41に対する位置を調整可能であり、クリーニングブレード2の位置を調整可能になっている。すなわち、クリーニングブレード2の感光体PRに対する先端位置の変動を抑制している。
【0054】
また、実施例2の感光体クリーナCL1では、クリーニングブレード2の位置を合わせる作業を行う場合に、調整支持部材51を感光体クリーナCL1から外して、スペーサ54の枚数を増減して、再び調整支持部材51を装着するという工程が繰り返される。このとき、調整支持部材51に取手部53が設けられていない場合は、調整支持部材51の着脱動作が面倒になるが、実施例2では取手部53が設けられており、着脱動作が容易に実行可能になっている。
さらに、実施例2の感光体クリーナCL1では、調整支持部材51に突き当て部53aが形成されており、突き当て部53aが設けられていない場合に比べて、装着時の位置決めが容易になっている。
【0055】
また、実施例2の感光体クリーナCL1では、スペーサ接触リブ47が設けられており、スペーサ接触リブ47が設けられていない場合に比べて、調整支持部材51とプレート固定部41aとの接触面積が低減されている。したがって、調整支持部材51の着脱作業時に、スペーサ接触リブ47が設けられていない場合に比べて、摩擦抵抗が小さくなり、着脱作業が円滑に行われる。
その他、前記固定板金11′を板金の固定部6に第1の締結螺子16で固定する場合、位置調整部材が設けられていない場合には、製造誤差等で、固定板金11′と板金の固定部6との間に隙間が発生していると、第1の締結螺子16で締結される力に押されて、固定板金11′や固定部6が歪む恐れがある。これに対して、実施例2の感光体クリーナCL1では、第1の締結螺子16が、位置調整部材51+54に対応する位置に配置されており、締結時の力が作用しても、位置調整部材51+54が隙間を埋めており、固定板金11′や板金の固定部6が歪むことが低減されている。
【0056】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H014)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置Uを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置に限定されず、多色、いわゆる、カラーの画像形成装置にも適用可能である。
【0057】
(H02)前記実施例において、清掃器の一例としてのクリーナCL1が感光体PRの表面の清掃を行う構成を例示したが、これに限定されず、転写ロールTRの清掃器や帯電ロールCRの清掃器にも適用可能である。この他にも、カラーの画像形成装置において、ベルト状やドラム状の中間転写体の清掃を行う清掃器にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、対向部14と被支持部22とを3つのショルダスクリュ31で固定する構成を例示したが、これに限定されず、2つ以下または4つ以上のショルダスクリュ31で固定する構成にする等、設計や仕様に応じて、ショルダスクリュ31の数量を任意に変更可能である。
【0058】
(H04)前記実施例において、制振部材の一例としてのクッション材17が3つ配置された構成を例示したが、これに限定されず、2つ以下または4つ以上のクッション材17を配置する構成にする等、設計や仕様に応じて、クッション材17の数量を任意に変更可能である。また、実施例1に例示したクッション材17に替えて、クッション開口18を設けないクッション材を対向部14の螺子孔14aに隣接する位置に配置し、配置したクッション材に近接した状態でショルダスクリュ31が対向部14と被支持部22とを固定する構成や、断面L字状に形成され且つ対向部14と被支持部22とに挟まれた状態で下面接触部36および左側面37に接触するクッション材を配置する構成にする等、設計や仕様に応じて、クッション材の形状を任意に変更可能である。また、実施例1に例示した対向部14と被支持部22とに挟まれたクッション材17が、被支持部22の下面接触部36および左側面37の2面で接触する構成が望ましいが、クッション材17が左側面37とは接触せずに下面接触部36の1面で接触して、クリーニングブレード2の振動を減衰させる構成も可能である。
(H05)前記実施例において、固定部材の一例として、段部33を有するショルダスクリュ31を使用して、対向部14と被支持部22とを固定する構成が望ましいが、これに限定されず、例えば、段部33を設けない固定部材を使用して、対向部14と被支持部22とを固定する構成も可能である。
【0059】
(H06)前記実施例において、対向部14を、被支持部22と同一の金属材料で構成し且つ厚みを薄くする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、対向部14と被支持部22とを同一の金属材料で構成せずに被支持部22よりも剛性の低い材料で対向部14を構成することも可能である。この場合、剛性の低い材料を使用し且つ厚みが同一または厚くすると共に、対向部14の剛性を被支持部22の剛性よりも低くすることが可能である。また、対向部14の剛性を被支持部22の剛性よりも低くすることが望ましいが、対向部14の剛性が被支持部22の剛性に対して、同一または高くすることも可能である。例えば、被支持部22と同一の材料を対向部14に使用し且つ被支持部22の厚みに比べて、対向部14の厚みを同一または厚くしたり、被支持部22よりも剛性の高い材料を対向部14に使用して、被支持部22よりも剛性を高くする構成も可能である。また、被支持部22よりも剛性の低い材料を対向部14に使用し且つ被支持部22の厚みに比べて、対向部14の厚みを厚くして、被支持部22の剛性に対して、対向部14の剛性を同一または高くする構成も可能である。
【0060】
(H07)前記実施例において、支持体の支持部の一例として、クランク状に折り曲げられて形成された固定板金11の形状が望ましいが、これに限定されず、例えば、平板状の支持体の支持部も使用可能であり、設計や使用に応じて、支持体の支持部の材料や形状を任意に変更可能である。
(H08)前記実施例において、清掃容器本体4と板金の固定部6とを別体とした清掃容器1の構成を例示したが、これに限定されず、清掃容器本体4と板金の固定部6とを一体化した構成も可能である。
【0061】
(H09)前記実施例2において、被位置決め部の一例としての突き当て部53aを取手部53に設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、支持体本体52の右端面を被位置決め部にする等、位置決めが可能な任意の構成に変更可能である。また、位置決めのための構成を設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H010)前記実施例2において、スペーサ接触リブ47は設けることが望ましいが、省略することも可能であり、設計や仕様等に応じて形状を任意の形状に変更することも可能である。
(H011)前記実施例2において、取手部53は設けることが望ましいが、省略することも可能であり、設計や仕様等に応じて形状を任意の形状に変更することも可能である。
【0062】
(H012)前記実施例2において、スペーサ挿入口46を介して、位置調整部材51+54を容易に着脱可能な構成を例示したが、これに限定されず、位置調整部材51+54を着脱する場合に、ブレード板金21や固定板金11を取り外して位置調整部材51+54の着脱を行う構成とすることも可能である。
(H013)前記実施例2において、スペーサ54の形状の一例として、板状のスペーサ54を例示したが、これに限定されず、例えば、固定板金11′をプレート固定部41aに対して傾斜した状態としたい場合には、前方から見た状態で楔形や台形のスペーサを使用することも可能である。
(H014)前記実施例2において、第1の締結螺子16と位置調整部材51+54とが対応する位置に配置する構成とすることが望ましいが、第1の締結螺子16が位置調整部材51+54から離れた位置とすることも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…清掃容器、
2…清掃部材、
11…支持体の支持部、
12…第2の折曲げ部、
13…第1の折曲げ部、
14…対向部、
14a…第2の開口、
16…締結部材、
17…制振部材、
21…清掃支持体、
22…被支持部、
27…第1の開口、
31…固定部材、
32…一端部、
33…段部、
34…他端部、
36…第1の接触部、
37…第2の接触部、
51+54…位置調整部材、
CL1…清掃器、
CL1+PR…像保持体ユニット、
CR…帯電器、
PR…像保持体、
R0…現像器、
ROS…潜像書込装置、
S…被転写体、
TR…転写器、
U…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体の表面に接触する先端部を有する板状に形成され且つ前記像保持体の表面を清掃する清掃部材と、
前記清掃部材で除去された現像剤が収容される清掃容器と、
板が曲げられて形成された清掃支持体であって、前記清掃部材の基端部を支持する清掃支持部と、前記清掃支持部に対して曲げられた部分に形成された被支持部と、を有する前記清掃支持体と、
前記被支持部と対向する対向部を有し、前記清掃容器に設けられ且つ前記清掃支持体を支持する支持体の支持部と、
前記被支持部と前記対向部との間に挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて、前記清掃部材の振動を規制する制振部材と、
前記制振部材に隣接する位置において、前記清掃支持体を前記支持体の支持部に固定する固定部材と、
を備えたことを特徴とする清掃器。
【請求項2】
前記被支持部に形成された第1の開口と、
前記対向部の前記第1の開口に対応する位置に形成された第2の開口と、
前記第1の開口に係合する一端部と、前記第2の開口に係合する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され且つ前記第1の開口および前記第2の開口の一方よりも小径且つ前記第1の開口および前記第2の開口の他方よりも大径の段部と、を有し、前記一端部および前記他端部が前記第1の開口および前記第2の開口に係合した場合に、前記段部の他方側の端が前記他方の開口の縁に接触して、前記段部の前記一端部と前記他端部とを結んだ方向の長さに応じて、前記制振部材を圧縮した状態で前記清掃支持体を前記支持体の支持部に対して予め設定された間隔をあけて固定する前記固定部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の清掃器。
【請求項3】
前記対向部と、前記対向部の端部から折れ曲がって形成された第1の折曲部と、前記第1の折曲部の前記対向部とは逆側の端から折れ曲がって形成された第2の折曲部と、を有する前記支持体の支持部、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の清掃器。
【請求項4】
前記被支持部の前記対向部側の面に接触する第1の接触部と、前記被支持部の前記清掃支持部とは反対側の面に接触する第2の接触部と、を有する前記制振部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の清掃器。
【請求項5】
前記被支持部と比べて剛性が低い前記対向部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の清掃器。
【請求項6】
前記清掃容器とは別体に構成され且つ前記清掃容器に支持される前記支持体の支持部と、
前記支持体の支持部と前記清掃容器との隙間に配置され、且つ、前記清掃容器と前記支持体の支持部との隙間の間隔を調整することにより前記清掃部材の前記像保持体に対する位置を調整する位置調整部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の清掃器。
【請求項7】
前記支持体の支持部を前記清掃容器に締結する締結部材であって、前記位置調整部材が配置された位置に対応する位置で前記支持体の支持部の締結を行う前記締結部材、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の清掃器。
【請求項8】
表面に現像剤で形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項9】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体に潜像を書き込む潜像書込装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を被転写体に転写する転写器と、
転写後の前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像保持体の表面に接触する先端部を有する板状に形成され且つ前記像保持体の表面を清掃する清掃部材と、
前記清掃部材で除去された現像剤が収容される清掃容器と、
板が曲げられて形成された清掃支持体であって、前記清掃部材の基端部を支持する清掃支持部と、前記清掃支持部に対して曲げられた部分に形成された被支持部と、を有する前記清掃支持体と、
前記被支持部と対向する対向部を有し、前記清掃容器に設けられ且つ前記清掃支持体を支持する支持体の支持部と、
前記被支持部と前記対向部との間に挟まれて配置され且つ弾性変形可能に構成されて、前記清掃部材の振動を規制する制振部材と、
前記制振部材に隣接する位置において、前記清掃支持体を前記支持体の支持部に固定する固定部材と、
を備えたことを特徴とする清掃器。
【請求項2】
前記被支持部に形成された第1の開口と、
前記対向部の前記第1の開口に対応する位置に形成された第2の開口と、
前記第1の開口に係合する一端部と、前記第2の開口に係合する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され且つ前記第1の開口および前記第2の開口の一方よりも小径且つ前記第1の開口および前記第2の開口の他方よりも大径の段部と、を有し、前記一端部および前記他端部が前記第1の開口および前記第2の開口に係合した場合に、前記段部の他方側の端が前記他方の開口の縁に接触して、前記段部の前記一端部と前記他端部とを結んだ方向の長さに応じて、前記制振部材を圧縮した状態で前記清掃支持体を前記支持体の支持部に対して予め設定された間隔をあけて固定する前記固定部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の清掃器。
【請求項3】
前記対向部と、前記対向部の端部から折れ曲がって形成された第1の折曲部と、前記第1の折曲部の前記対向部とは逆側の端から折れ曲がって形成された第2の折曲部と、を有する前記支持体の支持部、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の清掃器。
【請求項4】
前記被支持部の前記対向部側の面に接触する第1の接触部と、前記被支持部の前記清掃支持部とは反対側の面に接触する第2の接触部と、を有する前記制振部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の清掃器。
【請求項5】
前記被支持部と比べて剛性が低い前記対向部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の清掃器。
【請求項6】
前記清掃容器とは別体に構成され且つ前記清掃容器に支持される前記支持体の支持部と、
前記支持体の支持部と前記清掃容器との隙間に配置され、且つ、前記清掃容器と前記支持体の支持部との隙間の間隔を調整することにより前記清掃部材の前記像保持体に対する位置を調整する位置調整部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の清掃器。
【請求項7】
前記支持体の支持部を前記清掃容器に締結する締結部材であって、前記位置調整部材が配置された位置に対応する位置で前記支持体の支持部の締結を行う前記締結部材、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の清掃器。
【請求項8】
表面に現像剤で形成された像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項9】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体に潜像を書き込む潜像書込装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を被転写体に転写する転写器と、
転写後の前記像保持体の表面に付着した現像剤を除去して清掃する請求項1ないし7のいずれかに記載の清掃器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−93682(P2012−93682A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249054(P2010−249054)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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