説明

温度補償型発振回路

【課題】温度補償型発振回路を提供する。
【解決手段】圧電振動子14と、電圧制御型の第1可変容量回路16、及び前記圧電振動子14の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を有する電圧制御型の第2可変容量回路24、が接続された発振回路と、前記第1可変容量回路16に前記第1可変容量回路16の容量を制御する電圧を出力して前記発振周波数を所定の値に調整するAFC回路32と、前記第2可変容量回路24に1次の温度特性を有する温度補償電圧を出力する温度補償回路38(高温温度補償回路40、低温温度補償回路62)と、を有する温度補償型発振回路10であって、前記温度補償回路38は、温度センサー36からの出力を増幅する増幅回路(第2増幅回路42、第3増幅回路64)と、前記増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路32の出力に対応してオフセット電圧を調整するオフセット電圧調整回路(第1オフセット電圧調整回路44、第2オフセット電圧調整回路66)を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子の発振周波数を所定の値に調整しつつ発振周波数の温度補償を行う温度補償型発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水晶振動子等の圧電振動子に対して、発振回路、温度補償回路等を付加した圧電発振器では周波数安定度は勿論のこと、小型化、低価格化等が厳しく要求されている。圧電発振器の出力周波数は種々の要因で変化するが、比較的周波数の安定度の高い水晶発振器においても、周囲温度、電源電圧及び出力負荷等の条件変化による周波数変動があり、これらに対応する手段は種々のものが提案されている。例えば温度変化に関しては水晶発振器に温度補償回路を付加し、この温度補償水晶発振器(以下、TCXOと記す)の発振ループに負荷容量を変化させて、水晶振動子固有の温度―周波数特性変動を相殺するように前記負荷容量を温度変化に対して制御するものがあり、大きく分けて直接温度補償方式、間接温度補償方式及びデジタル型補償方式の3つの補償方法がある。
【0003】
特に間接温度補償方式としてMOSバラクタを用いて温度補償を構成しているものがあり、このMOS型バラクタにはいくつかの構造が存在する(特許文献1参照)。図7は従来のMOS型バラクタを用いた温度補償回路の一例を示す図である。これは、低温補償用MOS型バラクタML143と固定容量素子142との直列回路と、高温補償用MOS型バラクタMH146とを接続した並列回路を用い、MOS型バラクタの両端には一方に基準電圧Vref、他方に制御電圧VL、VHが抵抗144、141、145を介して印加されている。このような構成とすることで、水晶振動子の3次の温度特性を補償するために、温度に対する3次の容量変化を得ている。またこのようなMOS型バラクタを用いた構成の間接温度補償方式においては、補償電圧VL、VHがリニアに変化させることが可能な点が大きな特徴となっている。
【0004】
一方で図8に示すように、コルピッツ発振回路Os1と、上記のようなMOS型バラクタを用いた温度補償回路Co1と、ユーザ側の操作で所定の発振周波数で発振させるための外部制御回路Vcを組み合わせた構成が開示されている(特許文献2参照)。このような構成においては、例えば、基準温度において外部制御回路のVafcの値を温度補償回路中の基準電圧(Vref)の値とすることで、基準周波数で発振できるように回路全体の負荷容量が調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−167510号公報
【特許文献2】特開2004−343733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記構成においてVafcの値をVrefの値より下げると外部制御回路中のMOSバラクタMAの容量が低下するため、発振周波数が高くなるとともに回路全体の負荷容量が低下して温度補償回路の温度補償が効きすぎた状態となる。一方、Vafcの値をVrefの値よりも上げるとMOSバラクタMAの容量が増加するため、発振周波数が低くなるとともに、回路全体の負荷容量が増加するため、温度補償回路の温度補償が不足する状態となる。
そこで本発明は上記問題点に着目し、周波数を所定の値に調整しつつ温度補償を有効に行う温度補償型発振回路を提供することを目的とする.
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]圧電振動子と、電圧制御型の第1可変回路、及び前記圧電振動子の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を有する電圧制御型の第2可変容量回路、が接続された発振回路と、前記第1可変容量回路に前記第1可変容量回路の容量を制御する電圧を出力して前記発振周波数を所定の値に調整するAFC回路と、前記第2可変容量回路に1次の温度特性を有する温度補償電圧を出力する温度補償回路と、を有する温度補償型発振回路であって、前記温度補償回路は、温度センサーからの出力を増幅する増幅回路と、前記増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路の出力に対応してオフセット電圧を出力するオフセット電圧調整回路を備えたことを特徴とする温度補償型発振回路。
【0008】
AFC回路からの出力を変化させると、第1可変容量回路の容量が変化するため、第2可変容量回路の容量を包含する負荷容量の圧電振動子に対する温度補償の感度が変動する。このとき温度補償電圧は温度に対して1次関数的に変化するものであるので、温度補償のズレは1次関数的なものとなる。したがって上記構成のように、温度補償電圧を形成する増幅回路のオフセット電圧をAFC回路の出力に対応して変化させることにより、温度補償電圧の0次の温度係数を変化させることできるので、温度補償の最適化、すなわち負荷容量の温度補償特性の変動を抑制することができる。また温度補償電圧としては、直線的に変化するものでよいため、回路の簡素化によるコスト削減や小型化が可能である。
【0009】
[適用例2]前記第2容量可変回路は、第1MOS容量素子のアノード端子に固定容量素子の一方端子を接続した直列回路と第2MOS容量素子とを前記第2MOS容量素子のアノード端子が前記第1MOS容量素子のゲート端子と接続するように並列接続した並列回路であって、前記第1MOS容量素子のゲート端子と前記第2MOS容量端子のアノード端子との接続点に電圧値が一定の基準電圧が供給されたものであり、前記温度補償電圧は、前記温度補償回路から出力され、温度に対して正の1次係数を有する高温温度補償電圧、及び温度に対して負の1次係数を有する低温温度補償電圧、であり、前記高温温度補償電圧は前記第2MOS容量素子のゲート端子に印加され、前記低温温度補償電圧は、前記第1MOS容量素子のアノード端子に印加され、前記温度補償回路は、前記低温温度補償電圧を出力する低温温度補償回路と、前記高温温度補償電圧を出力する高温温度補償回路とを有し、前記高温温度補償回路は、温度センサーからの出力を反転増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路の出力に対応した第1オフセット電圧を出力する第1オフセット電圧調整回路を有し、前記低温温度補償回路は、温度センサーからの出力を増幅する第3増幅回路と、前記第3増幅回路の反転入力端子に接続され、前記AFC回路の出力に対応した第2オフセット電圧を出力する第2オフセット電圧調整回路を有することを特徴とする適用例1に記載の温度補償型発振回路。
【0010】
上記構成により、第2容量可変回路は、主に3次の温度係数を有する温度補正回路となるため、第2容量可変回路に圧電振動子の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を与えることができる。しかし第2可変容量回路に印加される低温温度補償電圧、及び高温温度補償電圧は1次関数的に変化するものであるので、上述同様に第1可変容量回路の容量を変化させたときの温度補償のズレは1次関数的なものとなる。このような第2容量可変回路においても上記構成とすることで、低温温度補償電圧、及び高温温度補償電圧の0次の温度係数をそれぞれ独立にAFC回路の出力に変化させることができるので、温度補償をより精度よく最適化して、すなわち負荷容量の温度補償特性の変動を抑制することができる。さらに、第2可変容量回路の容量を制御する電圧の雑音レベルが低く良好な位相雑音が得られるMOS容量素子を用いた温度補償型発振回路の特徴を活かしつつも、温度特性の高精度化を実現することが可能となる。
【0011】
[適用例3]前記第1オフセット電圧調整回路は、前記AFC回路の出力を反転増幅する第4増幅回路と、前記第4増幅回路の後段に接続され前記第4増幅回路の出力を反転増幅して前記第1オフセット電圧を出力する第5増幅回路と、第1バイナリデータを格納した第1記憶回路と、前記第5増幅回路に並列に接続され、前記第1記憶回路から前記第1バイナリデータを入力し、デコードした電圧をゲートとして前記第5増幅回路の増幅比を調整する調整回路と、を有し、前記第2オフセット電圧調整回路は、前記AFC回路の出力を反転増幅して前記第2オフセット電圧を出力する第6増幅回路と、第2バイナリデータを格納した第2記憶回路と、前記第6増幅回路に並列に接続され、前記第2記憶回路から前記第2バイナリデータを入力し、デコードした電圧をゲートとして前記第6増幅回路の増幅比を調整する第2調整回路と、を有することを特徴とする適用例2に記載の温度補償型発振回路。
【0012】
上記構成において、第1バイナリデータ、及び第2バイナリデータは発振回路ごとに対応した値に設定することができる。したがって、発振回路に搭載する圧電振動子の感度にばらつきがあることにより発振回路の温度特性にばらつきが生じる場合でも、個々の発振回路に対応して最適な補正をかけることができる。そして、ワンチップICに集積化した場合でも各オフセット電圧調整回路の出力ゲインを決める回路定数をその都度変更する必要がなくなり、1つのICチップで様々な発振回路に対して、その温度特性の最適化を図ることができる。
【0013】
[適用例4]前記高温温度補償回路、及び前記低温温度補償回路のうち少なくとも一方の出力側には、アノード端子に所定電圧が印加され、カソード端子が前記出力側に接続されたダイオードを有することを特徴とする適用例2または3に記載の温度補償型発振回路。
【0014】
これにより、所定電圧を適切な値とすることにより、低温温度補償電圧は基準温度より低い所定温度以下では温度上昇に対して1次関数的に減少するが、前記所定温度以上では一定値となり、高温温度補償は基準温度より高い所定温度以下では一定値となり、前記所定温度以上では温度上昇に対して1次関数的に上昇する。そしてこれらの所定温度は、各所定電圧を制御することにより変えることができるため、結果的に各温度補償電圧が示す温度特性をそれぞれ独立に温度方向にシフトさせることができるので、高精度な温度補償を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る温度補償型発振回路の模式図である。
【図2】MOS容量素子のC−V特性と、負荷容量との関係を示す図である。
【図3】本実施形態に係る温度補償型発振回路の部分詳細図である。
【図4】本実施形態に係る温度補償型発振回路の部分詳細図である。
【図5】本実施形態に係る温度補償の様子を示す図である。
【図6】本実施形態に係る温度補償の様子を示す図である。
【図7】従来技術に係るMOS容量素子を用いた温度補償回路の回路図である。
【図8】従来技術に係る周波数制御が可能な温度補償型発振回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】
第1実施形態に係る温度補償型発振回路10を図1に示す。温度補償型発振回路10は、発振回路12(圧電振動子14、第1可変容量回路16、第2可変容量回路24)、AFC回路32、基準電圧発生回路34、温度補償回路38(高温温度補償回路40、低温温度補償回路62)等を有する。
【0018】
発振回路12は、圧電振動子14を発振源とする例えばコルビッツ型の発振回路であり、さらに第1可変容量回路16、第2可変容量回路24が接続されている。
【0019】
圧電振動子14は、水晶を用いたATカット振動子(厚みすべり振動子)を用いており、発振周波数の温度依存性は全体的に3次関数的な形状を有しているが1次関数的な成分も有している。
【0020】
第1可変容量回路16は、MOS容量素子18(バラクタダイオード)のアノード端子18bと固定容量素子20の一端20aとを直列に接続したものであり、MOS容量素子18のゲート端子18aは基準電圧発生回路34の出力(VREF)に接続され、アノード端子18bにはAFC回路からの出力(VAFC)に接続される。固定容量素子20の一端20aの反対側の他端20bが圧電振動子14の一端14aに接続されている。さらにMOS容量素子18と固定容量素子20との間は、分岐され、分岐先は、一端が接地された固定容量素子22に接続されている。
【0021】
第2可変容量回路24は、第1MOS容量素子26のアノード端子26bに固定容量素子28の一端28aを接続した直列回路と第2MOS容量素子30とを前記第2MOS容量素子30のアノード端子30bが前記第1MOS容量素子26のゲート端子26aと接続するように並列接続した並列回路であって、第1MOS容量素子26のゲート端子26aと第2MOS容量素子30のアノード端子30bとの接続点は基準電圧発生回路34の出力(VREF)に接続され、固定容量素子28の一端28aと反対側の他端28bと第2MOS容量素子30のゲート端子30aとの接続点は圧電振動子14の一端14aの反対側の他端14b、及び高温温度補償回路40の出力(V)に接続されている。また第1MOS容量素子26と固定容量素子28との間は低温温度補償回路62の出力(V)に接続されている。なお、本実施形態においては、第1可変容量回路16と第2可変容量回路24は発振ループ経路中に直列に接続されているが並列に接続することも可能である。
【0022】
図2はMOS容量素子(バラクタダイオード)のC−V特性を示し、図2(b)は図2(a)の特性を有するMOS容量素子を使用したときの負荷容量と温度との関係(補償容量カーブ)を示す図である。MOS容量素子のC−V特性は、立ち上がり領域、活性領域、飽和領域に分類され、第1可変容量回路16においては主に活性領域を用いている。一方、第2可変容量回路24においては、第1MOS容量素子26の飽和領域、第2MOS容量素子30の立ち上がり領域を用いている。図2(b)において、低温領域の曲線は第1MOS容量素子26の飽和領域により生成され、高温領域の曲線は第2MOS容量素子30の立ち上がり領域により生成される。その結果、第2可変容量回路24において、圧電振動子14の発振周波数を温度補償するための3次関数的な容量カーブの特性を得ることができる。
【0023】
AFC回路32は、発振回路12の発振周波数を所定の値に調整する電圧制御型の第1可変容量回路16の容量を制御する電圧(VAFC)を出力するものである。AFC回路32は入力電圧(V)の電圧利得を調節した電圧として、この場合は入力電圧に比例する出力(VAFC)を第1可変容量回路に出力する。さらに出力(VAFC)は、後述の第1オフセット電圧調整回路44、及び第2オフセット電圧調整回路66にも出力される。また基準温度において、入力電圧(V)がセンター値(例えばVDD/2)となったとき、AFC回路32からの出力(VAFC)によって、発振回路12が基準周波数で発振できるようにAFC回路32内部の調整がなされているものとする。
【0024】
基準電圧発生回路34は、常時一定の電圧(VREF、例えばその大きさはVDD/2)を出力する回路である。
温度センサー36は、例えば、ダイオードに順方向電流を流し、温度によって変化する電圧降下の量を、温度補償回路38(高温温度補償回路40、低温温度補償回路62)に出力するもので、電圧降下の値は温度上昇とともに1次関数的に減少する。
【0025】
図3に示すように、高温温度補償回路40は、温度センサー36からの出力(VSENS)を増幅して、正の1次の温度特性を有する正の1次電圧である高温温度補償電圧(V)を出力する回路である。高温温度補償回路40は、温度センサー36からの出力(VSENS)を反転増幅する第2増幅回路42と、前記第2増幅回路42のオフセット入力42aに接続され、AFC回路32の出力(VAFC)に対応して第1オフセット電圧(VO1)を調整する第1オフセット電圧調整回路44を有する。よって高温温度補償回路40は、温度センサー36からの出力(VSENS)と第1オフセット電圧(VO1)との差分を、第1オフセット電圧(VO1)を中心として反転増幅することになる。
【0026】
また高温温度補償回路40の出力(V)側には第1ダイオード46が接続されている。第1ダイオード46はアノード端子46a側が所定電圧(VDCRIP1)を印加され、カソード端子46b側が高温温度補償回路40の出力(V)側に接続されている。よって高温温度補償回路40は第1ダイオード46のカソード端子46b側の電圧以下の値を出力することはない。したがって高温温度補償回路40から出力される高温温度補償電圧(V)の温度特性は、所定の温度までは一定値で、所定の温度以上になると温度上昇に対して1次関数的に上昇する。本実施形態では第1ダイオード46に印加される所定電圧(VCRIP1)は、高温温度補償電圧(V)が基準温度より高い所定の温度までは一定値となるような値を有するものとしている。
【0027】
第1オフセット電圧調整回路44は、AFC回路32の出力(VAFC)を反転増幅する第4増幅回路48と、前記第4増幅回路48の後段に接続され、前記第4増幅回路48の出力を反転増幅して第1オフセット電圧(VO1)を出力する第5増幅回路52とを有する。
【0028】
第4増幅回路48は2つの抵抗R1、R2と、N型のMOSトランジスタ50との直列回路であって、抵抗R1とR2との間が出力となっている。抵抗R1が電源電圧(VDD)に接続されMOSトランジスタ50のソース端子50bが接地されている。第4増幅回路48はAFC回路32の出力(VAFC)をゲート端子50aに入力し、MOSトランジスタ50のソース端子50b−ドレイン端子50c間の電位差をゲート端子50aに印加される出力(VAFC)により調整することにより、電源電圧(VDD)の分圧比を制御しており、出力(VAFC)を低く(高く)すると第4増幅回路48の出力は高く(低く)なる。よって第4増幅回路48は電源電圧(VDD)を分圧しつつAFC回路32の出力(VAFC)を反転増幅させることになる。そして第4増幅回路48の出力を第5増幅回路52が反転増幅するため、第1オフセット電圧調整回路44はAFC回路32の出力(VAFC)と同相となる。よって入力電圧(V)を高く(低く)すると第1オフセット電圧(VO1)は高く(低く)なるため、入力電圧(V)を高く(低く)すると高温温度補償電圧(V)は高く(低く)なる。
【0029】
したがって高温温度補償電圧(V)が第1ダイオード46のカソード端子46bの電圧より高い電圧を有することを条件に、高温温度補償電圧(V)を増加(減少)させると第2MOS容量素子30の容量が増加(減少)するため負荷容量全体の容量が増加(減少)し、発振回路12の発振周波数を減少(増加)させることになる。
【0030】
さらに、高温温度補償電圧(V)は、入力電圧(V)を増加(減少)させると、その温度特性の0次の温度係数が引き上げ(引き下げ)られるとともに、第1ダイオード46により所定の電圧以下の値にはならないようにクリップされるので、見かけ上では温度特性を示す1次の曲線(直線)が全体的に低温側に(高温側に)シフトすることになる。
【0031】
また第1オフセット電圧調整回路44は、第1バイナリデータが格納された第1記憶回路54と、前記第5増幅回路52の反転増幅側に並列に接続され、第1記憶回路54から入力された第1バイナリデータをデコードした電圧をゲートとして前記第5増幅回路52の増幅比を調整する調整回路56を有する。調整回路56はN型(若しくはP型)のMOSトランジスタ58と、第1バイナリデータをデコードして所定の電圧をMOSトランジスタ58のゲート端子58aに出力するデコーダ60とを有する。MOSトランジスタ58はドレイン端子58cを抵抗R3とR4との間に接続し、ソース端子58bを第5増幅回路52の出力側に接続し、ゲート端子58aをデコーダ60の出力側と接続している。MOSトランジスタ58はゲート端子58aに入力される電圧により、ドレイン端子58c−ソース端子58b間の電位差を制御することができるので、調整回路56に並列に接続された第5増幅回路52の増幅率を調整することができる。
【0032】
第1バイナリデータは、発振回路12の基準温度より高い温度領域の温度特性に合わせて第5増幅回路52の増幅比を調整して第1オフセット電圧(VO1)のゲインを調整するためのバイナリデータであり、異なる感度を有する圧電振動子を搭載する発振回路12ごとに所定の値として不揮発性の第1記憶回路54に書きこまれる。この第1バイナリデータにより、各発振回路に対応させて基準温度より高温の温度領域において温度補償が可能な高温温度補償電圧(V)の温度特性を温度方向にシフトさせ、入力電圧(V)の変化に伴う第2可変容量回路の温度補償のズレを抑制することができる。
【0033】
図4に示すように、低温温度補償回路62は、温度センサー36からの出力(VSENS)を増幅して、負の1次の温度特性を有する低温温度補償電圧(V)を出力するものであり、出力(VSENS)に対して非反転型の増幅回路となっている。低温温度補償回路62は、温度センサー36からの出力(VSENS)を非反転増幅する第3増幅回路64と、前記第3増幅回路64の反転入力端子64aに接続され、AFC回路32の出力(VAFC)に対応して第2オフセット電圧(VO2)を調整する第2オフセット電圧調整回路66を有する。
【0034】
また低温温度補償回路62の出力(V)側には第2ダイオード68が接続されている。第2ダイオード68はアノード端子68a側が所定電圧(VDCRIP2)を印加され、カソード端子68b側が低温温度補償回路62の出力(V)側に接続されている。よって低温温度補償回路62は第2ダイオード68のカソード端子68b側の電圧以下の値を出力することはない。したがって低温温度補償回路62から出力される低温温度補償電圧(V)の温度特性は、所定の温度までは一定の傾きで減少し、所定の温度以上において一定値となる。本実施形態では第2ダイオード68に印加される所定電圧(VDCRIP2)は、低温温度補償電圧(V)が基準温度より低い所定の温度までは温度上昇に対して一定の傾きで減少するような値を有するものとしている。
【0035】
第2オフセット電圧調整回路66は、2つの抵抗R5、R6とN型のMOSトランジスタ72を直列に接続した第6増幅回路70と、前記第6増幅回路70の出力端、すなわち抵抗R5とR6との間と、オフセット入力74aとを接続したオペアンプ74によるボルテージフォロワ回路(抵抗R5を流れる電流の一部が第3増幅回路64側へ漏洩するのを阻止するための回路)を有する。第6増幅回路70は、抵抗R5の一端を電源電圧(VDD)に接続し、MOSトランジスタ72のソース端子72cを接地し、ゲート端子72aにAFC回路32の出力(VAFC)が接続される。第4増幅回路48と同様に、第6増幅回路70は電源電圧(VDD)を分圧しつつ、ゲート端子72aに印加されるAFC回路32の出力(VAFC)を反転増幅して第2オフセット電圧(VO2)を出力することになる。よって入力電圧(V)を高く(低く)すると第2オフセット電圧(VO2)は低く(高く)なるため、入力電圧(V)を高く(低く)すると低温温度補償電圧(V)は高く(低く)なる。
【0036】
したがって、低温温度補償電圧(V)が第2ダイオード68のカソード端子68bの電圧より高い電圧を有することを条件に、低温温度補償電圧(V)を増加(減少)させると第1MOS容量素子26の容量が減少(増加)するため負荷容量全体の容量が減少(増加)し、発振回路12の発振周波数を増加(減少)させることになる。
【0037】
さらに、低温温度補償電圧(V)は、入力電圧(V)を増加(減少)させると、その温度特性の0次の温度係数が引き上げ(引き下げ)られるとともに、第2ダイオード68により所定の電圧以下の値にはならないようにクリップされるため、見かけ上温度特性を示す1次の曲線(直線)が全体的に高温側に(低温側に)シフトすることになる。
【0038】
さらに第2オフセット電圧調整回路66は、第2バイナリデータが格納された不揮発性の第2記憶回路76と、抵抗R6に並列に接続され、第2記憶回路76から入力された第2バイナリデータをデコードして得た電圧をゲートとして抵抗R6に掛かる電圧を調整する第2調整回路78を有する。第2調整回路78は調整回路56と同様にN型(若しくはP型)のMOSトランジスタ80と、入力される第2バイナリデータをデコードするデコーダ82を有している。MOSトランジスタ80はドレイン端子80bを抵抗R6の電源電圧(VDD)側に接続し、ソース端子80cを抵抗R6の接地側に接続し、ゲート端子80aをデコーダ82の出力側と接続している。MOSトランジスタ80はゲート端子80aに入力される電圧を制御することにより、ドレイン端子80c−ソース端子80b間の電位差を制御することができるので、第2調整回路78に並列に接続された抵抗R6に掛かる電位差を調整して第2オフセット電圧調整回路66の増幅率の調整をおこなっている。
【0039】
第2バイナリデータは、発振回路12の基準温度より低い温度領域の温度特性に合わせて第2オフセット電圧調整回路66の増幅比を調整して第2オフセット電圧(V)のゲインを調整するためのバイナリデータであり、異なる感度を有する圧電振動子14を搭載する発振回路12ごとに所定の値として不揮発性の第2記憶回路76に書きこまれる。この第2バイナリデータにより、各発振回路に対応させて基準温度より低温の温度領域の温度特性をシフトさせ、入力電圧(V)の変化に伴う第2可変容量回路の温度補償のズレを抑制することができる。
【0040】
上記構成を端的に見ると、圧電振動子14と、電圧制御型の第1可変容量回路16、及び前記圧電振動子14の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を有する電圧制御型の第2可変容量回路24、が接続された発振回路12と、前記第1可変容量回路16に前記第1可変容量回路16の容量を制御する電圧(VAFC)を出力して前記発振周波数を所定の値に調整するAFC回路32と、前記第2可変容量回路24に1次の温度特性を有する温度補償電圧(高温温度補償電圧(V)、低温温度補償電圧(V))を出力する温度補償回路38(高温温度補償回路40、低温温度補償回路62)と、を有する温度補償型発振回路10であって、前記温度補償回路38は、温度センサー36からの出力を増幅する増幅回路(第2増幅回路42、第3増幅回路64)と、前記増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路32の出力に対応してオフセット電圧を調整するオフセット電圧調整回路(第1オフセット電圧調整回路44、第2オフセット電圧調整回路66)を備えたものであるといえる。
【0041】
上記構成による本実施形態に係る温度補償型発振回路10の動作を述べる。図5、図6に温度補償の様子を示す。上述のように、基準温度(25℃)において、入力電圧(V)がセンター値(例えばVDD/2)である場合は、発振回路12は基準周波数で発振するとともに、基準温度を挟む所定の温度領域において温度補償が行われたほぼフラットな温度特性を有するものとする。
【0042】
そして図5に示すように、入力電圧(V)をセンター値より増加させると、AFC回路32の出力(VAFC)が増加し、第1可変容量回路16の容量が低下するため、負荷容量が減少して発振回路12の発振周波数は高くなる。このとき第1可変容量回路16に直列に接続された第2可変容量回路24の感度が減少する。よって負荷容量の圧電振動子14に対する温度補償が補償不足の状態となり、図5(a)に示すように発振回路12の温度特性において基準温度を中心とし右肩上がりの曲線A1が現れることになる。しかし、入力電圧(V)をセンター値より増加させると、図5(b)に示すように、高温温度補償電圧(V)の温度特性は曲線B1から曲線C1に低温側にシフトすることになり、高温温度補償電圧(V)が印加される第2MOS容量素子30の容量を増加させることになる。このとき負荷容量の増加量の温度特性は基準温度を基準として3次関数的に増加するので、基準温度から離れるほど高温側の補正量は増加する。よって図3(a)で示すように曲線A1の基準温度から高温の領域は周波数偏差の少ない曲線D1に補正される。
【0043】
一方、図5(c)に示すように、低温温度補償電圧(V)の温度特性は曲線E1から曲線F1に高温側にシフトすることになり、低温温度補償電圧(V)が印加される第1MOS容量素子26の容量を減少させることになる。このとき負荷容量の減少量の温度特性は基準温度を基準として3次関数的に増加するので、基準温度から離れるほど低温側の補正量は増加する。よって図5(d)で示すように曲線A1の基準温度から低温の領域は周波数偏差の少ない曲線G1に補正される。
【0044】
したがって、曲線A1を本実施形態により補正した後の温度特性は曲線D1(基準温度より高温の領域)、及び曲線G1(基準温度より低温の領域)により表され、高温側及び低温側をそれぞれ独立に補正することができる。
【0045】
逆に、図6に示すように、入力電圧(V)をセンター値より減少させると、AFC回路32の出力(VAFC)が減少し、第1可変容量回路16の容量が増加するため、負荷容量が増加して発振回路12の発振周波数は低くなる。このとき第1可変容量回路16に直列に接続された第2可変容量回路24は負荷容量に対する感度が増加する。このとき温度補償は過補償の状態となり、図6(a)に示すように発振回路12の温度特性において基準温度を中心として右肩下がりの曲線A2が現れることになる。しかし、入力電圧(V)をセンター値より減少させると、図6(b)に示すように、高温温度補償電圧(V)の温度特性は曲線B2から曲線C2へと高温側にシフトすることになり、高温温度補償電圧(V)が印加される第2MOS容量素子30の容量を減少させることになる。このとき負荷容量の減少量の温度特性は基準温度を基準として3次関数的に増加するので、基準温度から離れるほど高温側の補正量は増加する。よって図6(a)で示すように曲線A2の基準温度から高温の領域は周波数偏差の少ない曲線D2に補正される。
【0046】
一方、図6(c)に示すように、低温温度補償電圧(V)の温度特性は曲線E2から曲線F2に低温側にシフトすることになり、低温温度補償電圧(V)が印加される第1MOS容量素子26の容量を増加させることになる。このとき負荷容量の増加量の温度特性は基準温度を基準として3次関数的に増加するので、基準温度から離れるほど低温側の補正量は増加する。よって図6(d)で示すように曲線A2の基準温度から低温の領域は周波数偏差の少ない曲線G2に補正される。
【0047】
したがって、曲線A2を本実施形態により補正した後の温度特性は曲線D2(基準温度より高温の領域)、及び曲線G2(基準温度より低温の領域)により表され、高温側及び低温側をそれぞれ独立に補正することができる。
【0048】
以上述べたように、本実施形態に係る温度補償型発振回路10は、AFC回路32からの出力を変化させると、第1可変容量回路16の容量が変化するため、第2可変容量回路24の容量を包含する負荷容量の圧電振動子14に対する温度補償の感度が変動する。このとき温度補償電圧は温度変化に対して1次関数的に変化するものであるので、温度補償のズレは1次関数的なものとなる。したがって上記構成のように、温度補償電圧を形成する増幅回路のオフセット電圧をAFC回路32の出力に対応して変化させることにより、温度補償電圧の0次の温度係数を変化させることできるので、温度補償の最適化、すなわち負荷容量の温度補償特性の変動を抑制することができる。また温度補償電圧としては、直線的に変化するものでよいため、回路の簡素化によるコスト削減や小型化が可能である。
【0049】
また、第2容量可変回路24は、主に3次の温度係数を有する温度補正回路となるため、第2容量可変回路24に圧電振動子14の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を与えることができる。しかし第2可変容量回路24に印加される高温温度補償電圧(V)、及び低温温度補償電圧(V)は1次関数的に変化するものであるので、上述同様に第1可変容量回路16の容量を変化させたときの温度補償のズレは1次関数的なものとなる。しかし、本実施形態により、高温温度補償電圧(V)、及び低温温度補償電圧(V)の0次の温度係数をそれぞれ独立にAFC回路32の出力(VAFC)に対応して変化させることができるので、温度補償をより精度よく最適化して、すなわち負荷容量の温度補償特性の変動を抑制することができる。さらに、第2可変容量回路24の容量を制御する電圧の雑音レベルが低く良好な位相雑音が得られるMOS容量素子を用いた温度補償型発振回路の特徴を活かしつつも、温度特性の高精度化を実現することが可能となる。
【0050】
さらに本実施形態において、第1バイナリデータ、及び第2バイナリデータは発振回路12ごとに対応した値に設定することができる。したがって、発振回路12に搭載する圧電振動子14の感度にばらつきがあることにより発振回路12の温度特性にばらつきが生じる場合でも、個々の発振回路12に対応して最適な補正をかけることができる。そして、ワンチップICに集積化した場合でも各オフセット電圧調整回路の出力ゲインを決める回路定数をその都度変更する必要がなくなり、1つのICチップで様々な発振回路に対して、その温度特性の最適化を図ることができる。
【0051】
さらに、所定電圧(VDCRIP1、VDCRIP2)を適切な値とすることにより、高温温度補償電圧(V)は基準温度より高い所定温度以下では一定値であるが、前記所定温度以上では温度上昇に対して一次関数的に増加し、低温温度補償電圧(V)は基準温度より低い所定温度以下では温度上昇に対して一次関数的に減少し、前記所定温度以上では一定値となる。そしてこれらの所定温度は、各所定電圧を制御することにより変えることができるため、結果的に各温度補償電圧が示す温度特性をそれぞれ独立に温度方向にシフトさせることができるので、高精度な温度補償を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10………温度補償型発振回路、12………発振回路、14………圧電振動子、16………第1可変容量回路、18………MOS容量素子、20………固定容量素子、22………固定容量素子、24………第2可変容量回路、26………第1MOS容量素子、28………固定容量素子、30………第2MOS容量素子、32………AFC回路、34………基準電圧発生回路、36………温度センサー、38………温度補償回路、40………高温温度補償回路、42………第2増幅回路、44………第1オフセット電圧調整回路、46………第1ダイオード、48………第4増幅回路、50………MOSトランジスタ、52………第5増幅回路、54………第1記憶回路、56………調整回路、58………MOSトランジスタ、60………デコーダ、62………低温温度補償回路、64………第3増幅回路、66………第2オフセット電圧調整回路、68………第2ダイオード、70………第6増幅回路、72………MOSトランジスタ、74………オペアンプ、76………第2記憶回路、78………第2調整回路、80………MOSトランジスタ、82………デコーダ、141………抵抗、142………固定容量素子、143………MOS型バラクタ、144………抵抗、145………抵抗、146………MOS型バラクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動子と、電圧制御型の第1可変回路、及び前記圧電振動子の発振周波数の温度特性を相殺する温度特性を有する電圧制御型の第2可変容量回路、が接続された発振回路と、前記第1可変容量回路に前記第1可変容量回路の容量を制御する電圧を出力して前記発振周波数を所定の値に調整するAFC回路と、前記第2可変容量回路に1次の温度特性を有する温度補償電圧を出力する温度補償回路と、を有する温度補償型発振回路であって、
前記温度補償回路は、温度センサーからの出力を増幅する増幅回路と、前記増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路の出力に対応してオフセット電圧を調整するオフセット電圧調整回路を備えたことを特徴とする温度補償型発振回路。
【請求項2】
前記第2容量可変回路は、第1MOS容量素子のアノード端子に固定容量素子の一方端子を接続した直列回路と第2MOS容量素子とを前記第2MOS容量素子のアノード端子が前記第1MOS容量素子のゲート端子と接続するように並列接続した並列回路であって、前記第1MOS容量素子のゲート端子と前記第2MOS容量端子のアノード端子との接続点に電圧値が一定の基準電圧が供給されたものであり、
前記温度補償電圧は、前記温度補償回路から出力され、温度に対して正の1次係数を有する高温温度補償電圧、及び温度に対して負の1次係数を有する低温温度補償電圧、であり、
前記高温温度補償電圧は前記第2MOS容量素子のゲート端子に印加され、前記低温温度補償電圧は、前記第1MOS容量素子のアノード端子に印加され、
前記温度補償回路は、前記低温温度補償電圧を出力する低温温度補償回路と、前記高温温度補償電圧を出力する高温温度補償回路とを有し、
前記高温温度補償回路は、温度センサーからの出力を反転増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路のオフセット入力に接続され、前記AFC回路の出力に対応した第1オフセット電圧を調整する第1オフセット電圧調整回路を有し、
前記低温温度補償回路は、温度センサーからの出力を増幅する第3増幅回路と、前記第3増幅回路の反転入力端子に接続され、前記AFC回路の出力に対応した第2オフセット電圧を調整する第2オフセット電圧調整回路を有することを特徴とする請求項1に記載の温度補償型発振回路。
【請求項3】
前記第1オフセット電圧調整回路は、前記AFC回路の出力を反転増幅する第4増幅回路と、前記第4増幅回路の後段に接続され前記第4増幅回路の出力を反転増幅して前記第1オフセット電圧を出力する第5増幅回路と、第1バイナリデータを格納した第1記憶回路と、前記第5増幅回路に並列に接続され、前記第1記憶回路から前記第1バイナリデータを入力し、デコードした電圧をゲートとして前記第5増幅回路の増幅比を調整する調整回路と、を有し、
前記第2オフセット電圧出力回路は、前記AFC回路の出力を反転増幅して前記第2オフセット電圧を出力する第6増幅回路と、第2バイナリデータを格納した第2記憶回路と、前記第6増幅回路に並列に接続され、前記第2記憶回路から前記第2バイナリデータを入力し、デコードした電圧をゲートとして前記第6増幅回路の増幅比を調整する第2調整回路と、を有することを特徴とする請求項2に記載の温度補償型発振回路。
【請求項4】
前記高温温度補償回路、及び前記低温温度補償回路のうち少なくとも一方の出力側には、アノード端子に所定電圧が印加され、カソード端子が前記出力側に接続されたダイオードを有することを特徴とする請求項2または3に記載の温度補償型発振回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−171576(P2010−171576A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10729(P2009−10729)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】