説明

温度補償型蒸気センサ

【課題】周囲温度の変化によって生じた抵抗の変化を補償し、それによって目標検体を検知するセンサシステムの能力の精度を高めるケミレジスタセンサシステム。
【解決手段】センサシステムは、概ね、第1の抵抗器、第2の抵抗器、および周囲温度の変化を感知する負荷調整器またはスイッチを含んでいる。第1の抵抗器および前記第2の抵抗器の少なくとも一方は、検体の1つ以上の存在に応答して変化する抵抗をもつ検出素子である。スイッチは、第1の抵抗器および前記第2の抵抗器を横切る電気負荷を管理する。周囲温度が第1の値であるときは、スイッチは、第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を横切る電気負荷の通過を妨げる。周囲温度が第2の値であるときは、スイッチは、第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を横切る電気負荷の通過を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミレジスタセンサ(chemiresistor sensor)に関する。とくに、本発明は、周囲温度の変化に応答して、センサ回路の全体的な抵抗を変化させるために、回路に選択的に組込まれることができる多数の抵抗素子をもつケミレジスタセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
雰囲気中の特定の化合物の存在を検知することは、種々の異なる応用において重要である。例えば、雰囲気中の潜在的に可燃性の化合物の存在および濃度を検知することは、しばしば重要である。目的とする化合物は、しばしば、目標検体(target analyte)と呼ばれる。
【0003】
当技術において知られている種々の異なるセンサシステムは、異なる検体の存在および濃度を検知するのに使用されることができる。例えば、コンダクティオメトリック センサシステム(conductiometric sensor system)、光センサシステム、および表面弾性波センサシステムは、全て、使用されることができる。
【0004】
コンダクティオメトリック センサの1つのタイプは、高分子吸収ケミレジスタセンサである。高分子吸収ケミレジスタセンサは、電極と検出素子(sensing element)との対をもつセンサプローブを含んでいる。プローブは、センサ回路の一部分である。
【0005】
検出素子は、一般に、2つの電極をつなぐ高分子センサフィルムの形をとる。センサフィルムは、周りの雰囲気に晒される。当技術において知られているように、高分子センサフィルムの正確な構成は、センサフィルムが目標検体を、それが周りの雰囲気中に存在しているときに吸収するように、目標検体に依存して異なる。
【0006】
負荷は、電極を介して、センサフィルムを横切ってかけられる。センサフィルムは、晒されて、目標検体を吸収すると、膨張し、体積変化を受ける。体積の変化は、フィルムの電気抵抗を変化させる。
【0007】
通常、プロセッサまたは制御ユニットが、センサ回路に結合されている。プロセッサは、センサフィルムの抵抗を監視し、目標検体の有無および濃度を判断する。プロセッサは、ユーザインターフェイスに結合されることができる。ユーザインターフェイスは、通常、目標検体の濃度が所定の閾値の値を超えるときに信号を生成する指示デバイスを含む。
【0008】
センサフィルムの抵抗は、目標検体の吸収のみに応答するのではなく、周囲温度の変化にも応答して、変化する。センサフィルムが、抵抗の正の温度係数をもつときは、周囲温度が上昇するのにしたがって、センサフィルムの抵抗は増加する。センサフィルムが、抵抗の負の温度係数をもつときは、周囲温度が上昇するのにしたがって、センサフィルムの抵抗は低減する。センサフィルムが、抵抗の正の温度係数をもつか、負の温度係数をもつかは、センサフィルムの構成および応用に依存する。
【0009】
目標検体の検知は、センサが目標検体を吸収するときに生じるセンサフィルムの抵抗の変化に基づくので、センサフィルムの抵抗を変化させる周囲温度の変化は、目標検体の存在を正確に検知するセンサシステムの能力に悪影響を与え得る。例えば、センサフィルムが、抵抗の正の温度係数をもち、目標検体を吸収するときに、抵抗を増加させる場合に、周囲温度の上昇は、センサシステムに、目標検体が存在していないときに、それらが存在していること示す誤った信号を生成させ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のケミレジスタセンサシステムは、意図された使用のために適切に働く一方で、向上を必要としている。具体的には、周囲温度の変化に応答して、全体的な抵抗を修正し、センサシステムの精度を高めることができるケミレジスタセンサシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
センサシステムは、周囲温度の変化によって生じた抵抗の変化を補償し、それによって目標検体を検知するセンサシステムの能力の精度を高めるケミレジスタセンサシステムを提供することによって、従来技術に改良を加えている。
【0012】
センサシステムは、概ね、第1の抵抗器、第2の抵抗器、および負荷調整器またはスイッチを含んでいる。第1の抵抗器および第2の抵抗器の少なくとも一方は、検体の1つ以上の存在に応答して変化する抵抗をもつ検出素子である。抵抗器は、周囲温度の変化にも応答して、抵抗を変化させる。
【0013】
スイッチは、第1の抵抗器および第2の抵抗器を横切る電気負荷を管理する。周囲温度が第1の値であるときは、スイッチは、第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を横切る電気負荷の通過を妨げる。周囲温度が第2の値であるときは、スイッチは、第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を横切る電気負荷の通過を許可する。
【0014】
センサシステムは、周囲温度の変化に応答して、第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を検出回路内へ都合良く組込む。第1の抵抗器または第2の抵抗器、あるいはこの両者を、電気的に並列または直列のような、種々の異なる構成内に選択的に組込むことによって、センサシステムは、その全体的な抵抗を変化させ、周囲温度の変化によって生じた第1および第2の抵抗器の抵抗の変化を補償することができる。周囲温度の変化によって生じた抵抗の変化を補償するセンサシステムの能力は、目標検体の存在を正確に検知するシステムの能力を高める。
【0015】
本発明の応用のさらに別の領域は、後述で与えられる詳細な記述から明らかになるであろう。詳細な記述および具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示している一方で、本発明の範囲を制限することを意図されているのではなく、単に例証のために意図されていることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、詳細な記述および添付の図面からより完全に理解されることになるであろう。
【0017】
好ましい実施形態の詳細な記述は、本質的に単に例示的であって、本発明、その応用、または使用を制限することを全く意図されていない。
【0018】
図1は、概ね、参照番号10における例示的なケミレジスタセンサシステムの主要な構成要素を示している。センサシステム10は、概ね、ケミレジスタセンサプローブ12、制御ユニット14、およびユーザインターフェイス16から構成されている。センサプローブ12は、温度補償素子20を含んでいる。
【0019】
センサプローブ12は、外部環境17と相互に作用して、目的とする化合物、すなわち目標検体18の存在を検知する。センサプローブ12は、外部環境17内の検体18の連続的な検知に基づいて、生の出力信号19aを生成する。生の出力信号19aは、制御ユニット14によって処置される。制御ユニット14は、計算された出力信号19bをユーザインターフェイス16に送信し、センサプローブ12からの生の出力信号19aの解析を中継する。制御ユニット14は、動作コマンドおよび負荷(両者は参照番号22で表されている)をプローブ12に供給する。
【0020】
ユーザインターフェイス16は、システム10が目標検体18の存在を検知するかどうかのような、センサシステム10の状態に関する情報をユーザに与える。ユーザインターフェイス16は、当技術において知られている種々の異なる形をとることができ、単純な警報信号から、高度なコンピュータを導入したディスプレイの範囲にわたることができる。
【0021】
センサプローブ12は、種々の異なるセンサプローブの形をとることができる。例えば、センサプローブ12は、2003年4月11日に出願された米国特許出願第10/412,602号(“Robust Chemiresistor Sensor”)に記載されているセンサプローブの何れの形もとることができる。これによって、米国特許出願第10/412,602号は、参照によって取り入れられている。
【0022】
センサプローブ12は、導電性センサ素子またはフィルムを含む。センサフィルムは、2003年4月11に出願された米国特許出願第10/411,805号(“Vapor Sensor and Materials Therefor”)に記載されているもののような、当技術において知られている任意の適切なセンサフィルムであり得る。センサフィルムは、目標検体18を吸収し、目標検体を吸収するときに、抵抗を変化させる。
【0023】
図2をさらに参照すると、センサプローブ12の回路を示す簡素化された模式図が、参照番号100で示されている。
【0024】
図2Aは、参照番号100Aの第1の実施形態にしたがうセンサプローブ12の回路を示している。参照番号100Aの実施形態では、センサプローブ12は、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2、および負荷調整デバイスまたはスイッチSWを含んでいる。第2の抵抗器R2およびスイッチSWは、温度補償素子20Aの一部分である。
【0025】
第1の抵抗器R1は、センサフィルムによって与えられている。第2の抵抗器R2は、第2のセンサフィルムまたは当技術において知られている任意の従来の抵抗器であり得る。第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2は、電気的に並列して配置されている。回路100Aの抵抗は、制御ユニット14によって監視される。
【0026】
スイッチSWは、開位置と閉位置との間で動くことができる。スイッチSWは、周囲温度の変化に応答して、開いたり、閉じたりする。スイッチSWは、スタンドアローン型のサーモスタットで作動させられるスイッチ、または外部手段によって制御されるスイッチのような、当技術において知られている任意の適切なスイッチであり得る。いくつかの実施形態では、スイッチSWは、バイメタル温度制御、例えば、オハイオ州マンスフィールドのTherm−O−Disc Inc.からのバイメタル温度制御の36Tシリーズの何れか1つのである。
【0027】
スイッチSWが閉位置であるときは、第2の抵抗器R2は、第1の抵抗器R1と電気的に並列に接続される。スイッチSWが開位置であるときは、第2の抵抗器R2は、回路から外され、回路内に第1の抵抗器R1のみを残す。
【0028】
センサプローブ12の回路の追加の実施形態は、図2Bにおいて参照番号100Bで示されている。回路100Bは、回路100Aと同じ素子を含んでいる。回路100Aに関して、温度補償素子20Bは、第2の抵抗器R2およびスイッチSWを含んでいる。回路100Aと回路100Bとの間の唯一の実質的な相違は、異なる素子の配置のされ方である。したがって、回路100Aの記述に関係して記載された抵抗器R1およびR2並びにスイッチの全体的な記述は、回路100Bに等しく当てはまる。
【0029】
回路100Bにおいて、第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2は、電気的に直列に配置されている。スイッチSWは、抵抗器R2を取り囲んで低い抵抗のバイパスを与えるように置かれている。スイッチSWが開いているときは、負荷は、直列の第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2の両者を通り、回路100Bの全体的な抵抗を増加させる。スイッチSWが閉じられているときは、負荷は、第2の抵抗器R2をバイパスして、第2の抵抗器R2を回路100Bから外し、回路100Bの全体的な抵抗を下げる。
【0030】
図2Cは、参照番号100Cにおけるセンサプローブ12の回路の追加の実施形態を示している。回路100Cは、回路100Aと同じ素子の全てを含んでいる。しかしながら、回路100Cでは、第2の抵抗器R2は、第1の抵抗器R1と同様に、プローブ12のセンサフィルムによって与えられ、第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2は異なる抵抗をもつ。温度補償素子20は、スイッチSWと、両者の抵抗器R1およびR2とを含んでいる。回路100Aの記述に関係して記載された抵抗器R1およびスイッチSWの全体的な記述は、回路100Cに等しく当てはまる。
【0031】
回路100Cにおいて、抵抗器R1およびR2は、独立した負荷経路上にある。スイッチSWの作動は、回路100C内の第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2の何れかにかかる。具体的には、スイッチは、それが第1の抵抗器R1の負荷経路に接触して、第1の抵抗器R1を回路100C内に含める第1の位置と、それが第2の抵抗器R2の負荷経路に接触して、第2の抵抗器R2を回路100C内に含める第2の位置との間で動かされることができる。第1の抵抗器は、第1の抵抗をもち、第2の抵抗器は、第1の抵抗よりも低い第2の抵抗をもつ。
【0032】
回路100は、参照番号100A、100B、および100Cにおいて与えられるものに加えて、多数の他の実施形態の形をとり得る。例えば、回路100は、直列および並列回路の組合わせ、並びに正、負、およびゼロの温度係数の抵抗器の組合わせを含むことができる。周囲温度の変化による抵抗の変化を補償するように動作可能な複数の抵抗器をもつ任意の適切な回路を使用することができる。
【0033】
ここで、センサシステム10の動作を記載する。目標検体18が外部環境17内に存在しているとき、検体18は、プローブ12のセンサフィルムによって吸収される。センサフィルムは、検体18を吸収するときに、膨張する。フィルムが膨張すると、センサフィルム内に埋め込まれた導電性粒子間の距離は大きくなり、したがって制御ユニット14によって測定されるフィルムの抵抗R1(または、回路100C内のR2)を変化させる。
【0034】
抵抗の変化を検知すると、制御ユニット14は、計算された出力19bをユーザインターフェイス16に送信し、目標検体18がプローブ12によって検知されたことをユーザに警報するように、ユーザインターフェイス16に命令する。ユーザインターフェイス16は、ユーザに警報を与えることができる任意の適切なインターフェイスであり得る。インターフェイス16は、複雑さにおいて、単純な警報から、音声および映像の警報を与える複雑なコンピュータまでの範囲にわたり得る。
【0035】
ここで、本明細書に記載されている異なるセンサ回路100の幾つかを装備しているセンサプローブ12の動作を記載する。
【0036】
回路100Aに関して、スイッチSWは、周囲温度の変化に応答して、開いたり、閉じたりする。第1および第2の抵抗器R1およびR2の両者は、抵抗の正の温度係数をもち、その結果、温度が上昇するのにしたがって、抵抗が増加する場合に、周囲温度が所定の温度値または閾値以下であるときは、スイッチSWは開位置のままである。スイッチSWが開位置であるときは、第1の抵抗器R1のみが回路内にある。スイッチSWの動作は、制御ユニット14によって制御され得るか、またはスイッチSWが、スタンドアローン型のサーモスタットで作動させられるスイッチであり得るか、またはこの両者である。
【0037】
周囲温度が、所定の温度閾値よりも高く上がるときは、スイッチSWは閉じて、第2の抵抗器R2を第1の抵抗器R1と並列に置く。並列の第1および第2の抵抗器R1およびR2をもつことは、回路100Aの全体的な抵抗を、第1および第2の抵抗器R1およびR2の個々の抵抗よりも低く下げ、周囲温度の上昇によって生じた抵抗器R1およびR2の増加した抵抗を斟酌する。
【0038】
周囲温度が所定の温度に再び落ちる、またはそれよりも低くなると、スイッチは開いて、回路100Aの抵抗を、所定の温度に対して最適な抵抗に戻す。
【0039】
第1および第2の抵抗器R1およびR2の両者が、抵抗の負の温度係数をもち、その結果、温度が上昇するのにしたがって、抵抗が低減する場合は、スイッチSWの動作は逆にされる。具体的には、周囲温度が所定の温度よりも高く上がるときは、スイッチSWは開き、周囲温度が所定の温度以下であるときは、閉じる。
【0040】
回路100Bに関して、スイッチSWは、所定の周囲温度の閾値または値以下では、開いたままであり、したがって、第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2は、電気的に直列であり、回路100Bの全体的な抵抗を許容抵抗に維持する。第1および第2の抵抗器R1およびR2の両者が、抵抗の正の温度係数をもち、その結果、温度が上昇するのにしたがって、抵抗が増加する場合に、周囲温度が所定の温度閾値よりも高く上昇するときは、スイッチSWは閉じる。スイッチを閉じることは、第2の抵抗器R2を回路から効果的に外し、回路100Bの全体的な抵抗を下げ、周囲温度の上昇によって生じた抵抗の増加を打ち消す。
【0041】
第1および第2の抵抗器R1およびR2の両者が、抵抗の負の温度係数をもち、その結果、温度が上昇するのにしたがって、抵抗が低減する場合は、スイッチSWの動作は逆にされる。具体的には、スイッチSWは、標準以下の周囲温度では、閉じたままであり、周囲温度が所定の温度閾値よりも高く上がるときは、開く。
【0042】
回路100Cに関して、第1および第2の抵抗器R1およびR2の各々が、抵抗の正の係数をもつときは、スイッチSWは、所定の周囲温度値または閾値以下で、第1の位置に置かれ、第1の抵抗器R1を回路100C内に含める。周囲温度が所定の温度閾値よりも高く上がるときは、スイッチは第2の位置に動き、第1の抵抗器R1を回路から外し、第2の抵抗器R2を回路内に含める。第2の抵抗器R2は、第1の抵抗器R1よりも低い抵抗をもつので、第1の抵抗器R1を第2の抵抗器R2と取り替えることは、回路100Cの全体的な抵抗を下げる。
【0043】
第1および第2の抵抗器R1およびR2が、抵抗の負の温度係数をもつときは、周囲温度の変化に応答するスイッチSWの動作は、逆にされる。具体的には、周囲温度が所定の温度閾値以下であるときは、スイッチSWは、第2の位置に動く。周囲温度が所定の温度閾値よりも高く上昇するときは、スイッチSWは、第1の位置に動く。
【0044】
回路100は、周囲温度の変化によって生じた第1および第2の抵抗器R1およびR2の抵抗の変化を補償する。したがって、センサシステム10は、周囲温度の変化によって生じた抵抗の変化に対する、目標検体18の存在によって生じた抵抗の変化を区別することができる。したがって、センサシステム10は、検体18の存在を、向上した精度で検知することができる。
【0045】
本発明の記述は、本質的に単に例示的であって、したがって、本発明の要旨から逸脱していないバリエーションは、本発明の範囲内であることが意図されている。このようなバリエーションは、本発明の意図および範囲からの逸脱としてみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明にしたがうケミレジスタセンサシステムのブロック図。
【図2A】第1の実施形態にしたがう図1のセンサシステムのセンサプローブの回路を示す簡素化された模式図。
【図2B】第2の実施形態にしたがう図1のセンサシステムのセンサプローブの回路を示す簡素化された模式図。
【図2C】第3の実施形態にしたがう図1のセンサシステムのセンサプローブの回路を示す簡素化された模式図。
【符号の説明】
【0047】
10・・・ケミレジスタセンサシステム、17・・・外部環境、18・・・目標検体、19・・・出力信号、22・・・動作コマンドおよび負荷、100・・・回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の検体の存在を検知するケミレジスタセンサシステムであって、
第1の抵抗器と、
第2の抵抗器と、
前記第1の抵抗器および前記第2の抵抗器の少なくとも一方を横切る電気負荷電流を管理する負荷調整デバイスとを含み、
前記第1の抵抗器および前記第2の抵抗器の少なくとも一方が、検体の1つ以上の存在に応答して変化する抵抗をもつ検出素子であり、
周囲温度が第1の値であるときは、前記負荷調整デバイスが、前記第1の抵抗器を横切る電気負荷電流の通過を妨げ、
周囲温度が第2の値であるときは、前記負荷調整デバイスが、前記第1の抵抗器を横切る電気負荷電流の通過を許可するケミレジスタセンサシステム。
【請求項2】
前記第1の抵抗器が、前記第2の抵抗器と電気的に並列である請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項3】
前記第1の抵抗器が、前記第2の抵抗器と電気的に直列である請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項4】
前記負荷調整デバイスが、スイッチを含む請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項5】
前記検出素子が、架橋高分子基質センサフィルムを含む請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項6】
前記第1の値が、前記第2の値よりも大きい請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項7】
前記第1の値が、前記第2の値よりも小さい請求項1記載のケミレジスタセンサシステム。
【請求項8】
検体の存在を検知するケミレジスタセンサシステム回路であって、前記回路が、
検体の存在に応答して変化する第1の抵抗をもつ第1の検出素子と、
検体の存在に応答して変化する第2の抵抗をもつ第2の検出素子であって、前記第2の抵抗が前記第1の抵抗と異なる第2の検出素子と、
スイッチとを含み、
前記スイッチが、第1の周囲温度値において、前記第1の検出素子を前記回路に組み込み、前記第2の検出素子を前記回路から外し、
前記スイッチが、前記第1の周囲温度値と異なる第2の周囲温度値において、前記第2の検出素子を前記回路に組み込み、前記第1の検出素子を前記回路から外すケミレジスタセンサシステム回路。
【請求項9】
前記第1の検出素子および前記第2の検出素子の少なくとも一方が、架橋高分子基質センサフィルムを含む請求項8記載のケミレジスタセンサシステム回路。
【請求項10】
前記スイッチが、スタンドアローン型の温度で作動させられるスイッチである請求項8記載のケミレジスタセンサシステム回路。
【請求項11】
前記スイッチが、バイメタルスイッチである請求項8記載のケミレジスタセンサ回路。
【請求項12】
1つ以上の検体の存在に応答して変化する抵抗をもつ第1の検出素子をもつケミレジスタセンサ回路システムに対する周囲温度の影響を補償する方法であって、
センサ回路システムを取り囲んでいる領域の周囲温度を判断することと、
周囲温度が第1の値であるときは、抵抗器をセンサ回路システム内に加えるようにスイッチを作動させることと、
周囲温度が、第1の値と異なる第2の値であるときは、抵抗器を検出回路システムから外すようにスイッチを作動させることとを含む方法。
【請求項13】
抵抗器が、第1の検出素子と電気的に並列であるように、抵抗器をセンサ回路システムに加えることをさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
抵抗器が、第1の検出素子と電気的に直列であるように、抵抗器をセンサ回路システムに加えることをさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記抵抗器が、第2の検出素子である請求項12記載の方法。
【請求項16】
第1の検出素子および第2の検出素子の各々において、架橋高分子基質センサフィルムを含むことをさらに含む請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公開番号】特開2007−147611(P2007−147611A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−309826(P2006−309826)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(504144507)サーム−オー−ディスク・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】