説明

温水暖房装置

【課題】シスタンタンク11からの振動や騒音を防止する温水暖房装置を提供する。
【解決手段】
筐体24の底面を構成するベース25にベース支え30を立設し、このベース支え上部にシスタンベース31を固定し、更にこのシスタンベースから取付板32を立設し、前記シスタンタンク側面にはシスタン固定金具33を溶接し、この固定金具と取付板をネジ止めし、シスタンタンクはシスタンベースの上方に位置しシスタンタンクとシスタンベースの間には、片側底面に防振ゴム35を備え、他端側を前記取付板にネジ止めした水槽トレー34を設け、この水槽トレー上にクッション材36を介してシスタンタンク11を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱源機により加熱された循環液を暖房機が接続された暖房回路に循環させて暖房を行う温水暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、室外機内に熱源機と熱交換器を内蔵し、該熱交換器の流入側に接続されている流入バルブと、熱交換器の流出側に接続されている流出バルブと、熱源機で加熱されて流出バルブを通過した熱流体を循環させる循環ポンプと、該循環ポンプの流入側に設けた安全弁とを内蔵していた。
【0003】
また膨張タンクを有し、循環ポンプにより強制的に暖房水を循環する構成とするとともに、前記ポンプの吐出側と熱交換器の接続をゴムパイプにて行ない前記ポンプを金具にて、防振ゴムをはさみベースと固定する構成とし、前記ポンプの吸込口と前記膨張タンクの接続をゴムパイプにて給湯暖房機のポンプの防振が行われていた。(例えば、特許文献1)
【0004】
また循環ポンプのから伝わる振動を防振ゴムやゴムパイプを使用することで配管を通じてタンクや周囲へ伝わること防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−186629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでこの従来のものでは、循環ポンプから膨張タンクに伝わった振動によってタンクから2次的な振動やこの振動による騒音が発生することがあり、更なる防振、騒音の対策が必要なものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を、放熱器を循環する循環液を加熱する熱源機と、該熱源機により加熱された循環液を放熱器に送ると共に放熱器から戻ってきた循環液を熱源機に戻す循環ポンプユニットとを備えた温水暖房装置に於いて、前記循環ポンプユニットは筐体内に、熱源機に接続されて熱源機により加熱された循環液が流入する接続口と熱源機に接続されない接続口とを備えた熱源側往きヘッダーと、該熱源側往きヘッダーに流入した循環液が流入するシスターンタンクと、該シスターンタンク内の循環液を放熱器に送る循環ポンプと、熱源機に接続されて放熱器により戻ってきた循環液を熱源機に戻す接続口と熱源機に接続されない接続口とを備えた熱源側戻りヘッダーとを有し、前記筐体の底面を構成するベースにベース支えを立設し、このベース支え上部にシスタンベースを固定し、更にこのシスタンベースから取付板を立設し、前記シスタンタンク側面にはシスタン固定金具を溶接し、この固定金具と取付板をネジ止めし、シスタンタンクはシスタンベースの上方に位置しシスタンタンクとシスタンベースの間には、片側底面に防振ゴムを備え、他端側を前記取付板にネジ止めした水槽トレーを設け、この水槽トレー上にクッション材を介してシスタンタンクを設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、筐体の底面を構成するベースにベース支えを立設し、このベース支え上部にシスタンベースを固定し、更にこのシスタンベースから取付板を立設し、前記シスタンタンク側面にはシスタン固定金具を溶接し、この固定金具と取付板をネジ止めし、シスタンタンクはシスタンベースの上方に位置しシスタンタンクとシスタンベースの間には、片側底面に防振ゴムを備え、他端側を前記取付板にネジ止めした水槽トレーを設け、この水槽トレー上にクッション材を介してシスタンタンクを設けたので、シスタンタンクと水槽トレーの側面の一方向のみがネジ止めされ他方向は防振ゴムとクッション材によって2重に振動を吸収するので、シスタンタンクから発生する振動や騒音を更に小さくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施形態を示す暖房装置の概略図。
【図2】同前側の筐体側板を外した状態の循環ポンプユニット正面図。
【図3】同要部分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は熱源機で、冷媒を圧縮する圧縮機2と高温冷媒の熱で循環液を加熱するための冷媒水熱交換器3と高圧冷媒を減圧する減圧器4と低温低圧冷媒を蒸発させる蒸発器としての空気熱交換器5とが環状に接続されたヒートポンプサイクル6と、圧縮機2からの吐出冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ7と、空気熱交換器5に熱源となる空気を供給するための送風手段8とを有しているものである。
【0011】
9は循環ポンプユニットで、熱源側往きヘッダー10と、該熱源側往きヘッダー10の下流側に接続されたシスターンタンク11と、該シスターンタンク11の下流側に接続された循環ポンプ12と、熱源側戻りヘッダー13とを備えたものである。
【0012】
前記熱源側往きヘッダー10は、開閉バルブ14を有する接続口15を複数備えると共に、各熱源機1の冷媒水熱交換器3により加熱された循環液が流入する各接続口15からの循環液を合流する合流口16を有し、熱源機1の冷媒水熱交換器3と接続口15との間に通電及び非通電により開閉する熱動弁17を設け、合流口16には循環液の気液分離を行うシスターンタンク11が接続され、該シスターンタンク11の下流側に循環ポンプ12が接続されているものである。
【0013】
又前記熱源側戻りヘッダー13は、開閉バルブ14を有する接続口15を複数備えると共に、放熱して温度の低下した循環液が流入する合流口16と、該合流口16に流入した循環液を各熱源機1の冷媒水熱交換器3に戻す開閉バルブ14を有する接続口15を複数備えたものである。
【0014】
又前記熱源側往きヘッダー10及び熱源側戻りヘッダー13は、接続口15の数を設置される熱源機1の台数より少なくとも1つ多く備えたものである。
【0015】
18はヘッダーボックスで、負荷側往きヘッダー19及び負荷側戻りヘッダー20を備え、前記負荷側往きヘッダー19は、循環ポンプユニット9の循環ポンプ12からの高温の循環液が流入する合流口21と、その流入した高温の循環液を各放熱器23に送る接続口22を複数備えたものである。
又負荷側戻りヘッダー20は、各放熱器23から放熱して温度の低下した循環液が流入する接続口22を複数備えると共に、各接続口22に流入した循環液を合流させて循環ポンプユニット9の熱源側戻りヘッダー13の合流口16に戻す合流口21を備えたものである。
【0016】
24は前記循環ポンプユニット9の筐体で、底面のベース25、右側板26、左側板27、背面板28、前面板(図示せず)で6面を構成している。前記ベース25上の左奥には前記循環ポンプ12をポンプ取付板29にて取り付けられ、ベース25の略中央右より前後方向にベース支え30がネジ止めされ、このベース支え30の上部には水平にシスタンベース31が固定されている。
【0017】
32は前記シスタンベース31の前面側にネジ止め固定された平面コの字型の取付板で、この取付板32前方の上部には前記熱源側往きヘッダー10を、前方下部には前記熱源側戻りヘッダー13が固定されている。
【0018】
33は前記シスタンタンク11側面の高さ方向の略中央にスポット溶接にて固定されたシスタン固定金具が設けられ、この固定金具33の前面側を前記取付板32にネジ止めすることでシスタンタンク11の前面側を固定している。
【0019】
34は前記シスタンタンク11とシスタンベース31の間に設けられた水槽トレーで、前方側を前記取付板32にネジ止め固定され、背面側の端部と前記シスタンベース31の間には防振ゴム35が設けられている。
【0020】
36は前記シスタンタンク11と水槽トレー34の間に設けられたゴム製のクッション材で、シスタンタンク11底面の前後左右を支える位置に、前記水槽トレー34に4個接着剤で貼り付けられている。
【0021】
37は前記シスタンタンク11の上面に取り付けられた逃がし弁で、シスタンタンク11内が高圧になる事を防止する。38はシスタンタンク11の側面に埋め込まれた水位センサで、シスタンタンク11内の水位の管理に使用する。39はシスタン接続管で、一方の端部をシスタンタンク11側面に接続し、他方側の端部を前記熱源側戻りヘッダー13に接続している。40はポンプ入口管で、一方の端部をシスタンタンク11の底面に接続し、他方の端部を循環ポンプ12の入口側に接続している。41はポンプ出口管で、循環ポンプ12の吐出口に接続している。
【0022】
次に図1によりこの温水暖房装置の暖房運転について説明する。
リモコン等の運転スイッチ(図示せず)をオンすると、各熱源機1のヒートポンプサイクル6が動作し、ヒートポンプサイクル6内の冷媒を加熱する。
それと同時に、循環ポンプユニット9の熱動弁17を非通電状態から通電状態にして閉鎖状態から開放状態にすると共に、循環ポンプユニット9の循環ポンプ12を動作させるものである。
【0023】
それにより、熱源機1のヒートポンプサイクル6で加熱された冷媒と、低温の循環液が熱源機1の冷媒水熱交換器3にて熱交換を行い、それにより加熱された循環液は熱源機1の冷媒水熱交換器3から循環ポンプユニット9の熱源側往きヘッダー10の接続口15に流入し、合流した循環液は熱源側往きヘッダー10の合流口16からシスターンタンク11に流入し、更に循環ポンプ12を通過してヘッダーボックス18の負荷側往きヘッダー19の合流口21に流入する。
【0024】
ヘッダーボックス18の負荷側往きヘッダー19の合流口21に流入した高温の循環液は、負荷側往きヘッダー19の各接続口22から各放熱器23に流入して暖房を行い、放熱して温度の低下した循環液は、負荷側戻りヘッダー20の各接続口22に流入して合流し、負荷側戻りヘッダー20の合流口21から熱源側戻りヘッダー13の合流口16に戻り、更に熱源側戻りヘッダー13の各接続口15から各熱源機1の冷媒水熱交換器3に戻って再度加熱されるものである。
【0025】
次に図2〜3によってシスタンタンク11の振動、騒音の防止構造について説明する。
循環ポンプ12で発生した振動はポンプ入口管40からシスタンタンク11に伝達する、シスタンタンク11と水槽トレー34の前方は共に取付板32にネジ止めされている、シスタンタンク11と水槽トレー34の間はゴム製のクッション材36のみで固定されていないのでシスタンタンク11の振動を吸収する。そして水槽トレー34の後方は防振ゴム35を介してシスタンベース31の上に固定されていないので、更に振動を吸収して防振、防音を行うものである。
【0026】
このように、シスタンタンク11と水槽トレー34の側面の一方向のみがネジ止めされ他方向は防振ゴム35とクッション材36によって2重に振動を吸収するので、シスタンタンク11から2次的に発生する振動や騒音を更に小さくすることができるものである。
また、防振ゴム35については、横幅の大きな水槽トレー34の後方左右端のみの2カ所のであるので、コストを抑えることができ、効果的な防振を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0027】
1 熱源機
9 循環ポンプユニット
11 シスターンタンク
12 循環ポンプ
23 放熱器
31 シスタンベース
32 取付板
33 シスタン固定金具
34 水槽トレー
35 防振ゴム
36 クッション材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱器を循環する循環液を加熱する熱源機と、該熱源機により加熱された循環液を放熱器に送ると共に放熱器から戻ってきた循環液を熱源機に戻す循環ポンプユニットとを備えた温水暖房装置に於いて、前記循環ポンプユニットは筐体内に、熱源機に接続されて熱源機により加熱された循環液が流入する接続口と熱源機に接続されない接続口とを備えた熱源側往きヘッダーと、該熱源側往きヘッダーに流入した循環液が流入するシスターンタンクと、該シスターンタンク内の循環液を放熱器に送る循環ポンプと、熱源機に接続されて放熱器により戻ってきた循環液を熱源機に戻す接続口と熱源機に接続されない接続口とを備えた熱源側戻りヘッダーとを有し、前記筐体の底面を構成するベースにベース支えを立設し、このベース支え上部にシスタンベースを固定し、更にこのシスタンベースから取付板を立設し、前記シスタンタンク側面にはシスタン固定金具を溶接し、この固定金具と取付板をネジ止めし、シスタンタンクはシスタンベースの上方に位置しシスタンタンクとシスタンベースの間には、片側底面に防振ゴムを備え、他端側を前記取付板にネジ止めした水槽トレーを設け、この水槽トレー上にクッション材を介してシスタンタンクを設けたことを特徴とする温水暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−184910(P2012−184910A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50341(P2011−50341)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】