説明

温風暖房機

【課題】 人体検出手段を備えた暖房機を簡易の防犯装置として利用できるようにするための制御装置に関する。
【解決手段】 運転スイッチ11の信号に基づいてポンプ3と燃焼用送風機4とを制御してバーナ2の燃焼の開始と停止を行う燃焼制御手段12aを備え、室内温度検出手段9と温度設定手段10からの信号を用いて燃焼中のバーナ2の燃焼量を可変すると共に、温風暖房機の付近の人の存在を検知する人体検出手段13による人体不検知の出力によってバーナ2の燃焼量を強制的に微小燃焼に変更もしくは燃焼を停止する。温風暖房機の制御装置12は、人体検出手段13の検知機能の有効・無効を選択するモード選択手段14を備え、暖房機の不使用時にモード選択手段14によって人体検出手段13の機能を有効にしたときに監視モードで作動し、監視モード中の人体検出手段13による人体検知の出力によって警報手段15を所定時間作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人の存在を検知して燃焼量を制御する温風暖房機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼排気を室内に排出する方式の温風暖房機では、枠体内にバーナを設け、このバーナに燃料を供給するポンプと、燃焼空気を送る燃焼用送風機を設け、ポンプから供給された燃料と、燃焼用送風機からの燃焼空気を、バーナ内で混合、気化、燃焼させることにより、暖房に必要な熱量を発生させている。
【0003】
枠体の前後を貫通する送風経路には、入口側に対流用送風機、出口側に吹出口を設け、前記バーナの上部に設けた燃焼室を送風経路に取付けることにより、送風経路を通過する空気と、バーナから燃焼室内に送り込まれる排気とを混合し、対流用送風機によって吹出口から温風として枠体前面へ吹き出すものである。
【0004】
また、枠体内には前記ポンプと燃焼用送風機とを制御してバーナの燃焼開始、停止、燃焼量の変更を行う燃焼制御手段を設け、枠体上の操作表示盤に設けられた運転スイッチの入/切信号に基づいて、バーナの燃焼開始、及び停止の制御を行っている。
【0005】
また、枠体には室内の温度を検出する室内温度検出手段、操作盤には使用者が所望の室内温度を設定することができる温度設定手段を設け、前記燃焼制御手段は室内温度検出手段によって検出された室内温度の数値と温度設定手段にて決定された設定温度の数値をもとにして、バーナの燃焼量を変化させ、室内温度を設定温度に近づけるように制御を行うものである。
【0006】
近年では、枠体に暖房機のまわりの人体の有無を検知する人体検出手段を設け、人体検出手段が人の存在を検知しなくなった場合は、温度設定手段にて設定された設定温度の数値を、使用者があらかじめ設定した数値分を強制的に下げることにして、この減少した設定温度と室内温度との比較を燃焼制御手段によって行うことにより、バーナの燃焼量を減少する方向に変化させて、部屋に人がいない間は暖房機の燃料消費量を低減するような構造が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
また、人体検出手段の機能を機器の不使用時にも有効に利用するため、不在時の防犯を目的として、枠体内に通信制御を行う制御装置を備え、人体検出手段による人体検知の出力があったときに所定の施設や端末へ通報を行う空気調和機の提案がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−90624号公報
【特許文献2】特開2000−346426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献2のような通信制御を行う制御装置を機器に内蔵したものは、機器本体と通信媒体などとの接続作業や設定を行う必要があり、全てのユーザーがこの機能を使用するとは限らず、使用者によっては全く使わない機能となっている。このため、せっかく防犯装置として通信制御を行う制御装置を内蔵しても、この機能を選択して購入するユーザー以外にはメリットがないものとなっている。
【0009】
また、通信制御を行う制御装置を内蔵すると機器の価格が上昇するため、最近の低価格化の進んだ温風暖房機に通信制御装置を追加することは難しいものであり、この発明は人体検出手段を備える温風暖房機を使ってユーザーが利用しやすい簡易の防犯装置を提案し、人体検出手段の機能を有効に利用できる温風暖房機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上記課題を解決するもので、枠体1内にバーナ2と、このバーナ2に燃料を供給するポンプ3と、このバーナ2に燃焼空気を送る燃焼用送風機4とを設け、該枠体1の前後を貫通する送風経路5には、入口側に対流用送風機6、出口側に吹出口7を設け、前記バーナ2の上部に設けた燃焼室8は送風経路5内に開口し、この送風経路5を通過する空気を温風にすると共に、室内温度を検出する室内温度検出手段9と、室内温度を設定する温度設定手段10と、運転スイッチ11の信号に基づいて前記ポンプ3と燃焼用送風機4とを制御してバーナ2の燃焼の開始と停止を行う燃焼制御手段12aと、温風暖房機の付近の人の存在を検知する人体検出手段13とを備え、燃焼制御手段12aは前記室内温度検出手段9と温度設定手段10からの信号を用いて燃焼中のバーナ2の燃焼量を可変すると共に、人体検出手段13による人体不検知の出力によってバーナ2の燃焼量を強制的に微小燃焼に変更もしくは燃焼を停止する温風暖房機において、前記温風暖房機には人体検出手段13の検知機能の有効・無効を選択するモード選択手段14と、人体検出手段13の人体検知の出力によって作動する警報手段15とを備え、温風暖房機の制御装置12は温風暖房機の不使用時にモード選択手段14によって人体検出手段13の機能を有効にしたときに監視モードを選択し、制御装置12は人体検出手段13による人体検知の出力によって警報手段15を所定時間作動することを特徴とするものである。
【0011】
また、制御装置12には所定時間を計時するタイマ手段16を備え、温風暖房機の不使用時に前記モード選択手段14によって監視モードを選択したときは、人体検出手段13の人体不検知の出力によってタイマ手段16がカウントを開始し、人体不検知の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作を開始する構成としたから、使用者が監視モードをセットして完全に人がいなくなった状態となってから、監視モードの動作を開始するので、人体検出手段13が誤検知することはない。
【0012】
また、監視モード中の人体検出手段13の人体検知出力による警報手段15の作動後は、人体検出手段13の人体不検知の出力でタイマ手段16がカウントを開始し、人体不検知の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作に復帰する構成としたから、人体検出手段13が人体検知した後も監視モードの動作を継続するものである。
【0013】
また、枠体1には表示手段17を設けると共に、前記制御装置12には監視モード中の人体検知の出力回数をカウントするカウンタ手段18を備え、監視モード中の人体検出手段13による人体検知の出力によってカウンタ手段18を加算し、人体検知の出力回数を表示手段17に表示する構成としたから、監視モード中の人体検知の回数を確認することができる。
【0014】
また、制御装置12には人体検出手段13の人体検知の出力時の時刻を記憶する記憶手段19を設け、温風暖房機には時計機能を内装し、時計機能に時刻データ設定時は、監視モード中に人体検出手段13が人体検知したときの時刻を記憶手段19に記憶し、表示手段17には時刻データを表示することで、監視モード中の人体検知の時刻と回数を確認することができる。
【発明の効果】
【0015】
温風暖房機の不使用時にモード選択手段14を操作して人体検出手段13の機能を有効にすると監視モードで動作を開始し、人体検出手段13が人体検知を出力すると警報手段15を所定時間作動するもので、留守中に侵入者があった場合に侵入者に対して警告を行うものであり、人体検出手段13を備える温風暖房機を簡易の防犯装置として利用することができ、通信制御を行う制御装置を内蔵しないので温風暖房機の価格の上昇を抑えてユーザーが利用しやすい装置が実現できた。
【0016】
また、温風暖房機の不使用時にモード選択手段14によって人体検出手段13の機能を有効したときは、人体検出手段13の人体不検知の出力があったときにタイマ手段16が作動し、人体不検知中の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作を開始するので、外出する際に監視モードを設定した場合、温風暖房機のある部屋から出るまでの間に人体検出手段13が人体検知することはなく、使用者が部屋から完全にいなくなった状態になってから人体検出手段13が人体の検出を開始するので、誤検知を防ぐことができる。
【0017】
また、監視モードの動作中に人体検出手段13の人体検知の出力で警報手段15が所定時間作動した場合、その後の人体検出手段13の人体不検知の出力でもタイマ手段16が作動し、人体不検知の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作を再開するので、人体検出手段13が作動した後も監視モードを継続することができ、侵入者が警報手段15の作動によって温風暖房機の付近から一旦離れた後、再度温風暖房機の付近を通ったときにも警報手段15が作動するので、侵入者に対して警告を行うことができる。
【0018】
また、人体検出手段13による人体検知の出力があったときはカウンタ手段18を加算し、カウンタ手段18でカウントした人体検知の出力回数を枠体1の表示手段17で表示する構成としたので、使用者が外出から戻ったときに人体検知の有無と、人体検知があった場合にはその回数を確認することができ、留守中に異常があった場合の情報を知ることができるものである。
【0019】
また、温風暖房機に時計機能を内装している場合は、制御装置12に人体検出手段13の人体検知の出力時の時刻を記憶する記憶手段19を設け、時計機能に時刻データが設定されているときは、監視モード中に人体検出手段13が人体検知したときの時刻を記憶手段19に記憶し、表示手段17に時刻データを表示する構成としたから、使用者が外出から戻ったときに人体検知の有無と、人体検知があった場合にはそのときの時刻と回数を確認することができ、留守中に異常があった場合の情報を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施例を示す図によってこの構成を説明すると、1は温風暖房機の枠体、2は枠体1内に配置したバーナ、20は燃焼用空気が送られる風胴、21は風胴20内に設置された有底筒形のポット、21aは風胴20から燃焼用空気が供給できるようにポット21の側壁に設けた多数の小径空気孔であり、前記バーナ2の本体は風胴20とポット21によって構成される。4はポット21に燃焼用空気を供給するための燃焼用送風機であり、燃焼用送風機4によって圧送された燃焼用空気は風胴20に送られ、小径空気孔21aの位置と大きさにより適切に制御されてポット21内に供給される。
【0021】
22はポット21に供給する燃料を貯える油タンク、3は油タンク22の上面に取付けた電磁ポンプで構成するポンプ、23はポット21とポンプ3との間に設けた燃料パイプ、24は燃料パイプ23のポット21内に伸ばした先端で構成する送油ノズルであり、前記風胴20とポット21の側壁とを貫通するようにポット21内部に伸ばした送油ノズル24から燃料がポット21の底面に供給される。
【0022】
25はポット21の側壁からポット21の底面と間隔を介して取付けた予熱兼用の点火ヒータ、26はポット21内に設置された助燃部材、8はポット21上方に配置された燃焼室であり、ポット21内に供給された燃料は、点火ヒータ25や燃焼熱で高温となっているポット21の底面で気化し、初期燃焼を開始しながら小径空気孔21aから供給される燃焼用空気と助燃部材26の働きで混合し、燃焼室8内で完全燃焼するものである。
【0023】
5は枠体1を前後に貫通して燃焼室8を取り囲むように配置された送風経路、6は送風経路5の後方に設置された対流用送風機、7は送風経路5の前方に設置された吹出口であり、前記燃焼室8は送風経路5内に開口し、その燃焼室8で完全燃焼した燃焼ガスは送風経路5に送られ、前記対流用送風機6によって取り込まれた室内空気と燃焼ガスとが送風経路5内で混合され、吹出口7より温風として排出されるものである。
【0024】
また、12は枠体1内に設置されたコンピュータシステムで構成してCPU・ROM・RAM・I/O装置などで動作させる制御装置、27は枠体1の表面に設置された操作表示盤、11は操作表示盤27に設けられた運転スイッチ、28は操作表示盤27と制御装置12とをつなぐリード線であり、運転スイッチ11の入/切信号はリード線28を通して制御装置12に送られ、該制御装置12は運転スイッチ11の信号に基づいてポンプ3、燃焼用送風機4、点火ヒータ24、対流用送風機6の入/切を指示し、温風暖房機の運転を制御している。
【0025】
また、9は枠体1の後方に設置された温度センサで構成する室内温度検出手段、10は操作表示盤27上に設けたボタンで操作されて使用者の所望する温度を記憶する温度設定手段、12aは温度設定手段10に記憶されている温度数値と、室内温度検出手段9よりもたらされる現在室温の温度数値を比較してバーナ2の燃焼量を決定する燃焼制御手段であり、該燃焼制御手段12aは設定温度のほうが高い場合にはポンプ3の流量、及び燃焼用送風機4の回転数を増加することによってバーナ2の燃焼量を増加させ、室内温度のほうが高い場合にはポンプ3の流量、及び燃焼用送風機4の回転数を減少することによってバーナ2での燃焼量を減少させることにより、室内温度の数値を設定温度の数値に近づけるように制御を行うものである。
【0026】
13は枠体1の前面に設置された人感センサで構成された人体検出手段であり、バーナ2の燃焼中において人体検出手段13が人の存在を検知しているときは、燃焼制御手段12aは温度設定手段10に記憶されている温度数値と現在室温の温度数値とを比較し、最適なポンプ3と燃焼用送風機4における燃料流量と供給空気量を指示する通常の燃焼制御運転を行う。
【0027】
一方、人体検出手段13が人の存在を検知できない人体不検知の信号を出力し、この状態が所定時間継続すると、燃焼制御手段12aはポンプ3と燃焼用送風機4の燃料と空気の流量を変更して、バーナ2の燃焼量を強制的に微小燃焼に変更する。また、この状態のときに暖房機から離れていた人が戻ってきて人体検出手段13が人の存在を検知すると、燃焼制御手段12aは温度設定手段10に記憶されている温度数値と現在室温の温度数値とを比較し、最適なポンプ3と燃焼用送風機4における燃料流量と供給空気量を指示する本来の燃焼制御運転を再開する。
【0028】
また、バーナ2の燃焼量が微小燃焼に変更してから更に人体検出手段13が人の存在を検知できない状態が所定時間継続すると、燃焼量制御手段12aはバーナ2の燃焼を停止し、バーナ2の燃焼が停止した後は人体検出手段13が人の存在を検知しても燃焼は再開しない。
【0029】
また、人体検出手段13の人体不検知の信号を出力しても、所定時間継続する前に人体検出手段13が人の存在を検知したときには、バーナ2は通常の運転に復帰するものであり、たまたま暖房中の部屋に人の不在時間があった場合に、短時間の人の出入りに反応してバーナ2の燃焼量が変化することはないものである。また、この復帰した状態から人体検出手段13が再び人の不在を検知し、この状態が所定時間継続すればバーナ2の燃焼量が微小燃焼に移行する。
【0030】
17は操作表示盤27に設けた表示手段、17aは操作表示盤27に設けた7セグメントによる表示部、17bは操作表示盤27に設けた表示ランプであり、表示手段17は表示部17aと表示ランプ17bで構成している。温風暖房機には時計機能を内装しており、表示部17aは温風暖房機の運転中に現在室温と設定温度を表示し、温風暖房機の不使用時に時刻を表示する。また、温風暖房機の異常発生時にはエラー番号等を表示することができる。一方、表示ランプ17bは点灯や点滅などで運転状態を表示しており、使用者は暖房機から離れたところから現在の運転状態を確認することができるようになっている。
【0031】
この発明は、人体検出手段13を備えた温風暖房機を利用して簡易の防犯装置を提案するもので、14は前記操作表示盤27に設けられたボタンで構成された人体検出手段13の検知機能の有効/無効を選択するモード選択手段であり、使用者はモード選択手段14のボタンを操作することで人体検出手段13を有効にしたり無効にしたりすることができ、温風暖房機の不使用時にモード選択手段14によって人体検出手段13の機能を有効にすると監視モードがセットされる。
【0032】
15は温風暖房機の異常発生時に警報ブザーを鳴らしたり警告ランプを点灯したりする警報手段であり、監視モード中は人体検出手段13が人の存在を検知したかを第3判定部S3で判断し、人体検出手段13が人の存在を検知したときは、警報手段15を所定時間作動するものであり、実施例の温風暖房機では、警報手段15の作動時に警報ブザーを鳴らすと共に、表示手段17を構成する表示部17aと表示ランプ17bの全てを点滅させるようにしている。
【0033】
このため、使用者が外出の際に監視モード選択手段14を操作して温風暖房機の監視モードをセットしておけば、留守中に侵入者があった場合、人が温風暖房機の付近に近づいたときに人体検出手段13が人の存在を検知して警報手段15が作動するので、侵入者に対して警告を行うことができる。
【0034】
また、モード選択手段14によって監視モードをセットした場合、温風暖房機の付近にいる人が部屋から出るまでに人体検出手段13によって検出される可能性がある。図2は監視モードの動作を説明するフローチャートであり、モード選択手段14によって監視モードをセットすると、温風暖房機が運転中か停止中かを第1判定部S1で判断し、停止中であることを確認すると温風暖房機は監視モードの待機状態となる。
【0035】
16は人体検出手段13が人体不検知の状態を検知したときにカウントを開始するタイマ手段であり、制御装置12は監視モードの待機状態となってから人体検出手段13から人体不検知の出力があるとタイマ手段16にカウントの開始を指示し、人体不検知の状態が所定時間継続したかを第2判定部S2で判断する。タイマ手段16のカウント中に人体検出手段13から人体検知の出力があるとタイマ手段16にカウントの停止を指示して待機状態に戻り、カウントを開始したタイマ手段16がカウントを終了すると人体不検知の状態が所定時間継続したと判断して監視モードに移行する。
【0036】
このように人体不検知の状態が所定時間継続してから監視モードの動作を開始する構成であれば、人がいなくなって完全に留守状態になってから監視モードの動作が開始するので、使用者が温風暖房機の付近にいる間に人体検出手段13が誤検知を行うことはないものである。
【0037】
また、監視モードで作動中に人体検出手段13が人の存在を検知して警報手段15を所定時間作動した後は、温風暖房機の付近から人がいなくなって人体検出手段13が人の存在を検知できない人体不検知の信号を出力したときは、この出力を受けてタイマ手段18にカウントの開始を指示し、人体不検知の状態が所定時間継続したかを第4判定部S4で判断するものであり、カウントを開始したタイマ手段18がカウントを終了すると監視モードを再開する構成としたから、人体検出手段13による人体検知の出力後も監視モードの動作が継続できる。このため、警報手段15の作動によって一旦温風暖房機の付近から離れた人が時間をおいてから再度温風暖房機の付近に近づいたときも、警報手段15が作動して警告を行うことができる。
【0038】
また、18は監視モード中の人体検出手段13の人体検知の出力回数をカウントするカウンタ手段であり、図2に示すフローチャートにおいて、監視モード中に人体検出手段13が人の存在を検知したことを第3判定部S3で検出したときは、警報手段15を所定時間作動すると共に、カウンタ手段18のカウント数を加算するものであり、監視モード中に人体検知の出力が複数あればカウンタ手段18のカウント数を加算していく。
【0039】
そして、操作表示盤27に設けられた特定のボタンを操作するとカウンタ手段18でカウントされたカウント数を表示手段17に表示できるようになっており、監視モード中に人体検知の出力があった場合はカウンタ手段18のカウント数が加算されているので、使用者が外出から戻って表示手段17にカウンタ手段18のカウント数を表示させたときに、カウント数が加算されていれば留守中に何らかの異常があったことに気付くことができる。
【0040】
また、図3のフローチャートはこの発明の他の実施例の動作を示すもので、19は制御装置12に備える記憶手段であり、監視モード中に人体検知の出力があったときに温風暖房機に備える時計機能に時刻データが設定されているかを第5判定部S5で判断し、時刻データが設定されている場合、人体検出手段13の人体検知の出力があったときの時刻データを記憶手段19に記憶するものであり、監視モード中に人体検出手段13の人体検知の出力が複数回あったときは、人体検知した時刻データが順に記憶手段19に書き込まれる。
【0041】
そして、記憶手段19に記憶された時刻データは操作表示盤27に設けられた特定のボタンを操作すると表示手段17を構成する表示部17aに表示され、複数個の時刻データが記憶されているときは、ボタンを押すごとに時刻データが順番に表示されるものである。したがって、時計機能の時刻設定をしておけば、留守中に侵入者等の異常があった場合には、人体検知の出力回数と人体検知の出力がいつあったか等の情報を確認できる。
【0042】
一方、時計機能に時刻データが設定されていない場合は、人体検出手段13の人体検知の出力回数をカウンタ手段16に加算する構成とし、時刻設定が行われていないときは表示部17aにカウント数が表示され、人体検出手段13の出力回数を知ることができる。
【0043】
カウンタ手段18のカウント数と記憶手段19に記憶された時刻データはモード選択手段14によって監視モードを解除したときにクリヤされ、次回の監視モードに備える。
【0044】
以上のようにこの発明では、温風暖房機に簡易の防犯装置の機能を持たせることができ、温風暖房機に備える人体検出手段13を有効に利用でき、従来のように通信制御を行う制御装置を内蔵しないので、使用者にとって使い易い機能となり、また、温風暖房機の価格の上昇を抑えることができた。
【0045】
また、警報手段15とカウンタ手段18・記憶手段19の動作について、図2に示すように警報手段15が予め設定した時間作動するように設定した場合は、警報手段15の停止後にカウンタ手段18のカウント加算や記憶手段19の時刻データの記憶を行う構成とするとよく、使用者が外出から戻ってきたときに警報手段15が作動しても、警報手段15が作動している間はカウント加算されないので、この間に人体検知の有無の確認を行えば正確な履歴が確認できる。
【0046】
一方、図3に示すように、人体検出手段13が人体検知の出力をしている間は警報手段15が作動を継続し、その後人体不検知の出力によって作動するタイマ手段16がカウントアップした時に停止するように設定した場合は、温風暖房機の付近から完全に人の存在がなくなるまでは警報手段15が作動を継続し、警報手段15が停止したときには監視モードを再開しており、警報手段15の停止後に温風暖房機の付近に人が近づけば警報手段15が作動するから、防犯装置としての作動の確実性を増すことができる。
【0047】
また、監視モード中は監視モードの解除と表示手段17の表示操作以外の操作を無効となるようにしたから、監視モードを解除しない限り警報手段15の作動を止めることができないものであり、警報を止めようとして誤って運転スイッチ11を操作しても温風暖房機が運転することはなく、安全性が確保できる。
【0048】
また、モード選択手段14は温風暖房機の停止中の監視モードの設定に使われるが、燃焼中の人体検出手段13の検知機能の選択手段としても利用できるものであり、燃焼中にモード選択手段14のボタンを操作することで人体検出手段13を有効にしたり無効にしたりすることができ、人体検出手段13を無効にしておけば人がいないときでも暖房機の連続運転が可能となる。
【0049】
なお、各種の検出手段や操作部の信号を入力とする、制御装置12、人体検出手段13、タイマ手段16などは、全体をコンピュータシステムで構築することができ、ひとつのCPU基板の上に機能別に配置することもでき、また、ワンチップCPUの中にその全体を組み込むこともできる。またこのようにコンピュータシステムとして構成したときには、操作表示盤27上に配置した各種ボタンの増加を抑えるために、モード選択手段14は、スイッチを兼用させて短押しや長押しによって入力内容を認識できるようにすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施例の構成を示すフローチャートである。
【図3】この発明の他の実施例の構成を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施例を示す温風暖房機の断面図である。
【図5】この発明の実施例を示す温風暖房機の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 枠体
2 バーナ
3 ポンプ
4 燃焼用送風機
5 送風経路
6 対流用送風機
7 吹出口
8 燃焼室
9 室内温度検出手段
10 温度設定手段
11 運転スイッチ
12 制御装置
12a 燃焼制御手段
13 人体検出手段
14 モード選択手段
15 警報手段
16 タイマ手段
17 表示手段
17a 表示部
18 カウンタ手段
19 記憶手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体1内にバーナ2と、このバーナ2に燃料を供給するポンプ3と、このバーナ2に燃焼空気を送る燃焼用送風機4とを設け、
該枠体1の前後を貫通する送風経路5には、入口側に対流用送風機6、出口側に吹出口7を設け、前記バーナ2の上部に設けた燃焼室8は送風経路5内に開口し、この送風経路5を通過する空気を温風にすると共に、
室内温度を検出する室内温度検出手段9と、室内温度を設定する温度設定手段10と、運転スイッチ11の信号に基づいて前記ポンプ3と燃焼用送風機4とを制御してバーナ2の燃焼の開始と停止を行う燃焼制御手段12aと、
温風暖房機の付近の人の存在を検知する人体検出手段13とを備え、
燃焼制御手段12aは前記室内温度検出手段9と温度設定手段10からの信号を用いて燃焼中のバーナ2の燃焼量を可変すると共に、
人体検出手段13による人体不検知の出力によってバーナ2の燃焼量を強制的に微小燃焼に変更もしくは燃焼を停止する温風暖房機において、
前記温風暖房機には人体検出手段13の検知機能の有効・無効を選択するモード選択手段14と、人体検出手段13の人体検知の出力によって作動する警報手段15とを備え、
温風暖房機の制御装置12は温風暖房機の不使用時にモード選択手段14によって人体検出手段13の機能を有効にしたときに監視モードを選択し、
制御装置12は人体検出手段13による人体検知の出力によって警報手段15を所定時間作動することを特徴とする温風暖房機。
【請求項2】
前記制御装置12には所定時間を計時するタイマ手段16を備え、
温風暖房機の不使用時に前記モード選択手段14によって監視モードを選択したときは、人体検出手段13の人体不検知の出力によってタイマ手段16がカウントを開始し、人体不検知の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作を開始することを特徴とする請求項1記載の温風暖房機。
【請求項3】
監視モード中の人体検出手段13の人体検知出力による警報手段15の作動後は、人体検出手段13の人体不検知の出力でタイマ手段16がカウントを開始し、人体不検知の状態が所定時間継続したときに監視モードの動作に復帰することを特徴とする請求項1または2に記載した温風暖房機。
【請求項4】
前記枠体1には表示手段17を設けると共に、前記制御装置12には監視モード中の人体検知の出力回数をカウントするカウンタ手段18を備え、
監視モード中の人体検出手段13による人体検知の出力によってカウンタ手段18を加算し、人体検知の出力回数を表示手段17に表示することを特徴とする請求項1から3に記載した温風暖房機。
【請求項5】
前記制御装置12には人体検出手段13の人体検知の出力時の時刻を記憶する記憶手段19を設け、温風暖房機には時計機能を内装し、
時計機能に時刻データ設定時は、監視モード中に人体検出手段13が人体検知したときの時刻を記憶手段19に記憶し、表示手段17には時刻データを表示する請求項4に記載した温風暖房機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−207979(P2006−207979A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24186(P2005−24186)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000003229)株式会社トヨトミ (124)
【Fターム(参考)】