説明

溝が形成された鼻緒部を有する履物

鼻緒部を有する履物が開示される。鼻緒部は、2本の隣接する足指間に納まって、一対のストラップを足に固定し易くするように構成されている。鼻緒部には、該鼻緒と、2本の隣接する足指間における足の一部と、の間の掴みを改善する複数の溝が形成されている。また、複数の溝があることによって、鼻緒部の柔軟性が高くなって、鼻緒部が足の凹凸と整合し易くなる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して履物に関し、詳しくは、溝が形成された鼻緒部を有する履物に関する。
【背景技術】
【0002】
Meltzer(米国特許第2,928,191号明細書)は、チューブ内に同軸状に延在するコイルバネの周囲に織物生地が封入されてなるチューブでできた足指用の鼻緒を備える履物を教示している。このバネは、該バネの上側のフック端部の位置で、飾りボタンの下に位置する取付けループに取り付けられている。チューブの上端部は、隠れているフック端部まで押し上げられている。チューブとバネは、インナーソールに形成された開口を貫通し、このインナーソールにおいては、固定手段がチューブを貫通してアウターソール内のバネの下端部でループと係合している。チューブは、ボタンとアウターソールに接着されて固定されている。他の実施例においては、鼻緒部は、上部体に接続されるとともに該上部体を貫通して延びている。Meltzerは、チューブの織物生地に弾力性があることによって、チューブが長手方向にある程度まで伸びることができて様々な足および足指の寸法に適切にフィットすることを教示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連する技術においては、複数の部品を含む足指用の鼻緒が必要であるが、複数の部品を使用する場合、製造コストが高くなるとともに、製造効率が低くなることがある。関連する技術の制限に対処する物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様においては、本発明は、ソールと、足の2本の指の間に受けられるように構成された鼻緒部であって、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、を備え、第1の端部は、ソールの一部に関連し、第2の端部は、足の一部に巻きついているストラップに関連し、中間部に溝が形成されていることを特徴とする履物を提供する。
【0005】
他の態様においては、本発明は、ソールと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、を備え、第1の端部は、ソールの第1の部分に関連し、第2の端部は、足の一部に巻きついているストラップに関連し、鼻緒部は、第1の部分および第2の部分を含む実質的にモノリシックな部分を含み、第1の部分は、第2の部分よりも優位に足の一部を掴めるように構成されていることを特徴とする履物を提供する。
【0006】
他の態様においては、本発明は、ソールと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、を備え、第1の端部は、ソールの第1の部分に関連し、第2の端部は、足の一部に巻きついているストラップに関連し、中間部には、第1の溝および第2の溝が形成されており、第1の溝の第1の深さと第2の溝の第2の深さとは互いに異なることを特徴とする履物を提供する。
【0007】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を読むことで当業者に明らかとなる。本発明の範囲を逸脱することなく、追加のシステム、方法、特徴および利点のすべてが、本明細書の詳細な説明および要約に含まれるとともに、以下の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【0008】
本発明は、以下の図面および説明を参照することにより、さらによく理解される。各図に示される構成要素は、必要な寸法を示すものではなく、本発明の原理を示すことに主眼が置かれている。さらには、各図において、同様の参照番号は、様々な見取り図に亘って対応する部分を指示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】履物の一実施例の等角投影図。
【図2】履物の鼻緒部の一実施例を示す拡大図。
【図3】足を受ける履物の一実施例を示す等角投影図。
【図4】階段状の溝の構成を有する履物の鼻緒部の一実施例を示す拡大図。
【図5】不規則な溝の構成を有する履物の鼻緒部の一実施例を示す拡大図。
【図6】浅い溝の構成を有する履物の鼻緒部の一実施例を示す拡大図。
【図7】深い溝の構成を有する履物の鼻緒部の一実施例を示す拡大図。
【図8】履物の一実施例の等角投影図。
【図9】半円形の形状に形成された溝を有する鼻緒部の等角投影図。
【図10】三日月形の形状に形成された溝を有する鼻緒部の等角投影図。
【図11】鼻緒部の側部に配置された溝を有する鼻緒部の等角投影図。
【図12】鼻緒部の側部に配置された溝を有する鼻緒部の等角投影図。
【図13】補強部を含む鼻緒部の等角投影図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、履物100の一実施例の外観を示す。簡潔にするために、以下の詳細な説明は、サンダルないしビーチサンダルの形態における実施例を説明するが、本発明は、ハイキングブーツ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、スニーカ、ラグビーシューズ、バスケットボールシューズ、ベースボールシューズ(これらに限定しない)および他の種類のシューズを含む種々の履物の形態を取り得ることに留意されたい。図1に示したように、履物100(単に物品100ともいう)は、左足用であるが、以下の説明は、右足用として使用される履物100の鏡像に対しても同様に説明できることを理解されたい。
【0011】
図1は、参照する目的で、物品100を、前足部10、中足部12および踵部14に分けて示している。前足部10は、概して、足指と、中足骨と趾骨とを繋いでいる関節と、に関連し得る。中足部12は、概して、足の土踏まずに関連し得る。同様に、踵部14は、概して、踵骨を含む足の踵に関連し得る。加えて、物品100は、外側16および内側18を有し得る。特に、外側16および内側18は、物品100において互いに反対の側に存在し得る。さらには、外側16および内側18は共に、前足部10、中足部12および踵部14に亘って延在し得る。
【0012】
前足部10、中足部12および踵部14は、単に説明の目的で分けているだけであり、物品100の正確な領域を区分するものではないことを理解されたい。同様に、外側16と内側18という用語は、物品100を正確に2つの半部に区分するのではなく、概して、物品の2つの側を表すことを意図している。また、前足部10、中足部12および踵部14、ならびに外側16および内側18という用語は、ソール構造体および/または上部体などの、物品の個別の構成要素を表すのに用いられる。
【0013】
一貫性および利便性のために、方向を示す形容詞は、図示した実施例に対応する詳細な説明に亘って採用される。この詳細な説明および特許請求の範囲に亘って使用される「長手方向」という用語は、物品の長く延びている方向を示している。いくつかの場合、長手方向は、物品の前足部から踵部まで延びている。また、この詳細な説明および特許請求の範囲に亘って使用される「横」という用語は、物品の幅方向を指している。言い換えると、横方向は、物品の内側と外側との間に延在し得る。さらには、この詳細な説明および特許請求の範囲に亘って使用される「垂直」という用語は、概して、横方向と長手方向に対して概ね垂直な方向のことである。例えば、物品が地面に平らに置かれた場合、垂直方向は地面から上方へ延びている。これらの方向を示す形容詞の各々は、上部体および/またはソール構造体などの、物品の個別の構成要素を表すのに用いられ得ることを理解されたい。
【0014】
物品100は、ソール構造体110を含み得る。いくつかの実施例においては、ソール構造体110は、物品100の静止摩擦を提供するように構成され得る。静止摩擦を提供することに加えて、ソール構造体110は、歩いたり、走ったり、他の歩行活動をする際に、足と地面との間で圧縮されたときに、地面反力を弱めることができる。ソール構造体110の構成は、様々な従来品の構造または従来品にはない構造を含む様々な実施例において、大きく異なり得る。いくつかの場合、ソール構造体110の構成は、該ソール構造体110が使用される1つまたは複数の種類の地面に応じて構成することができる。地面の例としては、自然芝、人工芝、ダートおよび他の地面があるが、これらに限定されない。
【0015】
ソール構造体110は、物品100が着用されたときに足と地面との間に延在する。様々な実施例においては、ソール構造体110は、様々な構成要素を含む。例えば、ソール構造体110は、外ソール、中ソールおよび/または内ソールを含む。いくつかの場合、これらの構成要素のうちの1つまたは複数が選択的である。この実施例においては、物品100は、上部体を含んでいないが、他の実施例においては、上部体を含んでいてもよい。
【0016】
ソール110は、足を受けるように構成された上部体112を含み得る。いくつかの場合、上部体112は、足に関する掴みを高める手段を含み得る。示した実施例においては、例えば、上部体112は、足の裏面に、掴みを高めることを助ける波型面を備え得る。他の場合、足による掴みを高める他の手段としては、結び目、溝および他の手段があるが、これらに限定されない。さらには、いくつかの場合、上部体112は、大きな摩擦係数を有する材料を含み得る。
【0017】
いくつかの実施例においては、物品100は、ソール構造体110に足を固定する手段を備える。いくつかの場合、物品100は、足の一部に巻きつく1つまたは複数のストラップを備える。一実施例においては、物品100は、第1のストラップ120および第2のストラップ122を備える。第1のストラップ120は、ソール構造体110の外側16に取り付けられた第1の端部131を含み得る。第2のストラップ122は、ソール構造体110の内側18に取り付けられた第1の端部141を含み得る。さらに、いくつかの実施例においては、第1のストラップ120の第1の端部131と、第2ストラップ122の第1の端部141とは、ソール構造体110に踵部14の位置で取り付けられている。
【0018】
いくつかの実施例においては、第1のストラップ120と第2のストラップ122とは、2つの別個のストラップからなる。しかし、他の実施例においては、第1のストラップ120と第2のストラップ122とは、単一のストラップの互いに異なる部分である。例えば、一実施例においては、第1のストラップ120の第1の端部131と、第2のストラップ122の第1の端部141とは、ソール構造体110を介して繋がっている。
【0019】
さらには、この実施例においては、2つのストラップが示されているが、他の実施例においては、足にソール構造体110を固定する追加のストラップつまり追加的な手段を備える。例えば、他の実施例においては、物品100は、足の踵に掛かるように延びるヒール・ストラップを備える。さらに他の実施例においては、ソール構造体110に足を固定するための追加のストラップが、前足部10および/または中足部12に設けられている。
【0020】
物品100は、ソール構造体110の前足部10に第1のストラップ120および第2のストラップ122を取り付ける手段を備え得る。いくつかの実施例においては、物品100は、ソール構造体110の前足部10と、第1のストラップ120および第2のストラップ122の部分と、の間に延びるように構成された鼻緒部を備える。他の実施例においては、第1のストラップ120と、第2のストラップ122とは、前足部10に直接取り付けられている。
【0021】
ここでの実施例においては、物品100は、鼻緒部200を備える。鼻緒部200は、第1の端部202および第2の端部204を有し得る。さらには、鼻緒部200は、第1の端部202と第2の端部204との間に位置する中間部206を有し得る。いくつかの場合、第1の端部202は、第1のストラップ120の第2の端部132と、第2のストラップ122の第2の端部142と、に取り付けられて構成されている。鼻緒部200の第2の端部204は、ソール構造体110に取り付けられている。この配置によって、鼻緒部200は、第1のストラップ120および第2のストラップ122と、ソール構造体110との接続を補助することができる。
【0022】
鼻緒部200は、ソール構造体110に種々の様式で取り付けることができる。いくつかの場合、第2の端部204は、上部体112に形成された開口150内に挿入される。また、第2の端部204が開口150から引き抜かれることのないように、第2の端部204は、開口150よりも大きな固定部つまり係合部と関連付けられていてもよい。他の場合、第2の端部204は、糊付け、縫い付け、および他の固定方法を含む他の方法で、ソール構造体110に固定され得るが、これらの方法に限定されない。さらに他の場合、第2の端部204は、ソール構造体110の一部と一体に形成される。
【0023】
鼻緒部200は、第1のストラップ120および/または第2のストラップ122に種々の様式で取り付けられ得る。いくつかの場合、第1の端部202は、第1のストラップ120の第2の端部132および/または第2のストラップ122の第2の端部142に接着剤で取り付けられている。他の場合、第1の端部202は、第1のストラップ120および/または第2のストラップ122の一部と一体に形成されている。さらに他の場合、第1の端部202は、第2の端部132および/または第2の端部142に縫い付けられている。
【0024】
いくつかの実施例においては、鼻緒部200は、2本の隣接する足指間に挟まれるように構成されている。例えば、一実施例においては、鼻緒部200は、足の第一趾(親指)と人差し指との間に挟まれるように、ソール構造110の一部に取り付けられている。他の実施例においては、鼻緒部200は、他の隣接する足指間に挟まれる。他の場合、鼻緒部200は、人差し指と中指との間に挟まれる。さらに他の場合、鼻緒部200は、中指と薬指との間に挟まれる。さらに他の場合、鼻緒部200は、薬指と小指との間に挟まれる。この配置にされていることで、鼻緒部200によって、ソール構造体110が足に固定され易くなる。
【0025】
ストラップが足によくフィットするように、鼻緒部は、足の一部を掴むことを高める手段を有する。いくつかの実施例においては、鼻緒部は、隣接する足指間に、足の一部と係合する改善された掴みを有するように構成されている。例えば、鼻緒部は、隣接する足指を繋いでいる皮膚つまり水掻きと係合するように構成された部分を含む。いくつかの場合、鼻緒部は、第1の部分および第2の部分を有する。第1の部分は、第2の部分よりも優れた掴みを提供するように構成されている。例えば、第1の部分は、物品の踵部の方を向いた鼻緒部の一部分であり、鼻緒部が隣接する足指間に挟まれたときに足の一部と係合する。これに対して、第2の部分は、第1の部分の反対側に位置し、鼻緒部の概ね滑らかな部分とすることができる。
【0026】
一実施例においては、鼻緒部200は、第1の部分210と第2の部分212を有する。いくつかの場合、第1の部分210は、2本の隣接する足指間の領域と係合するように構成された鼻緒部200の一部である。この場合、第1の部分210は、概ね、物品100の踵部14の方を向いている。また、いくつかの場合、第2の部分212は、第1の部分210の反対側に位置し、鼻緒部200の概ね滑らかな部分である。いくつかの場合、第2の部分212は、前足部10の前方を向いている。
【0027】
いくつかの実施例においては、第1の部分210は、掴み改善部分である。いくつかの場合、第1の部分210は、掴みの改善に寄与する材料からなる。例えば、第1の部分210は、実質的に高い摩擦係数を有するゴム材料からなる。他の場合、第1の部分210は、掴みの改善に寄与する構造的特徴を有するように構成されている。一実施例においては、第1の部分210には、鼻緒部200の掴みを改善する複数の溝が形成されている。この詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「溝」という用語は、スロット、溝型模様、凹部、窪みまたは他の同様の構造的特徴のことである。溝という用語は、特定の幾何学的形状や寸法に限定されない。加えて、溝という用語は、特定の材料の種類や材料の組合せを使用することに限定されない。
【0028】
第1の部分210には、複数の溝220を形成することができる。いくつかの場合、複数の溝220は、少なくとも1つの溝を含む。他の場合、複数の溝220は、2つ以上の溝を含み得る。さらに他の場合、複数の溝220は、5つの溝を含む。さらに他の場合、複数の溝220は、5つよりも多くの溝を含む。図示した実施例においては、複数の溝220は、第1の溝221、第2の溝222、第3の溝223、第4の溝224および第5の溝225を含み得る。
【0029】
第1の部分210および第2の部分212を有する鼻緒部200の材料特性は、変化し得る。複数の溝220を有する第1の部分210は、第1の材料からなるものとすることができる。第2の部分212は、第2の材料からなるものとすることができる。いくつかの場合、第1の材料と第2の材料とは実質的に互いに異なる。他の場合、第1の材料と第2の材料とは実質的に同じ材料である。一実施例においては、第1の材料と第2の材料とは実質的に同じである。言い換えると、鼻緒部200は、実質的にモノリシックな材料からなる。この構成を有することで、鼻緒部200の耐久性は、複数の特定の構成要素や材料を備える設計よりも高められ得る。
【0030】
図2は、横から見た鼻緒部200の拡大図を示す。図2を参照すると、他の実施例においては、複数の溝220のうちの1つまたは複数の溝の幾何学的形状が互いに異なっている。例えば、1つまたは複数の溝の断面形状が互いに異なっている。使用され得る様々な断面形状の例としては、円形、半円形、楕円形、三角形、長方形、多角形、規則的な形状、不規則な形状、および他の種類の断面形状とすることができるが、これらに限定されない。一実施例においては、複数の溝220における各溝は、ほぼ半円形の断面形状を有する。しかし、他の実施例においては、互いに異なる溝が様々な断面形状を有する。さらには、他の実施例においては、溝の幾何学的形状以外の態様が互いに異なっている。
【0031】
異なる実施例においては、1つまたは複数の溝の高さ、幅および/または深さが互いに異なっている。いくつかの実施例においては、1つまたは複数の溝の高さが互いに異なっている。「高さ」という用語は、鼻緒部200の長さに沿って延びる溝の寸法のことである。本明細書中で使用される高さという用語は、また、溝のピッチのことである。いくつかの場合、複数の溝における各溝の高さは、0.1mm〜1cmの範囲の値を有する。他の場合、各溝の高さは、1mm〜10mmの範囲の値を有する。さらには、いくつかの場合、複数の溝220における各溝は、ほぼ同じ高さに形成されている。しかし、他の場合、複数の溝220における2つ以上の溝が、実質的に互いに異なる高さに形成されている。
【0032】
いくつかの実施例においては、1つまたは複数の溝の幅が互いに異なっている。「幅」という用語は、鼻緒部200の横方向の外側から内側へ延びる溝の寸法のことである。いくつかの場合、複数の溝220における各溝は、互いに異なる幅を有する。他の場合、複数の溝220における各溝は、ほぼ均一な幅を有する。さらに、いくつかの場合、複数の溝220における各溝は互いに、ほぼ同じ幅を有する。しかし、他の場合、複数の溝220における2つ以上の溝が、実質的に互いに異なる幅を有する。
【0033】
いくつかの実施例においては、1つまたは複数の溝の深さは互いに異なっている。「深さ」という用語は、鼻緒部200の外周面から内周側へ延びる溝の寸法のことである。いくつかの実施例においては、複数の溝220における各溝は、ほぼ同じ深さに形成されている。他の実施例においては、複数の溝220における2つ以上の溝は、実質的に互いに異なる深さに形成されている。図に示した実施例においては、第1の溝221は、深さD1を有する。さらに、第5の溝225は、深さD5を有する。いくつかの場合、深さD5は、深さD1よりも実質的に深い。また、第2の溝222、第3の溝223および第4の溝224の深さは、深さD1〜深さD5の間で単調増加するようにしてもよい。言い換えれば、第2の溝222は、第1の溝221よりも実質的に深く、第3の溝223は、第2の溝222よりも実質的に深く、第4の溝224は、第3の溝223よりも実質的に深く、第5の溝225は、第4の溝224よりも実質的に深く形成されていてもよい。一実施例においては、深さD1は、0.1mm〜5mmの範囲の値を有する。また、深さD5は、1mm〜20mmの範囲の値を有し得る。しかし、他の実施例においては、深さD1と深さD5は、種々の他の値を有する。
【0034】
深さの変化する溝のこの構成を利用することで、鼻緒部200の長さに亘って、鼻緒部200の掴み特性も変化し得る。特に、第5の溝225が最も深いことによって、鼻緒部200の掴みは、第2の端部204の位置で最大になる。同様に、複数の溝220の深さは、第2の端部204から第1の端部202までに浅くなっているので、鼻緒部200の掴み特性は、第2の端部204から第1の端部202までに低減している。
【0035】
いくつかの実施例においては、複数の溝220の深さは、非線形的に変化する。例えば、一実施例においては、複数の溝220の深さは、湾曲250に関連する。言い換えれば、複数の溝220における各溝の端部は、湾曲250とほぼ整列している。しかし、他の実施例においては、複数の溝220の深さは、線形的に変化する。さらに他の実施例においては、複数の溝220の深さは、他の様式で変化する。複数の溝の深さについての他の構成は、以下に詳細に説明する。
【0036】
いくつかの実施例においては、複数の溝を設けることは、また、鼻緒部の柔軟性を変化させることに寄与する。この改善された柔軟性は、溝が形成されている領域において鼻緒部の断面プロファイルが低いことによる。さらに、いくつかの場合、1つまたは複数の溝の深さを含む幾何学的形状を変化させることによって、鼻緒部に沿って、差異に基づく柔軟性が実現される。ここでの実施例においては、複数の溝220は、第1の部分210において、鼻緒部200の柔軟性を高める。これに加え、複数の溝220の深さを変化させることで、鼻緒部200の長さに亘って差異に基づく柔軟性を与えることができる。特には、第1の溝221は第5の溝よりも浅いので、鼻緒部200における第1の部分210の柔軟性は、第1の溝221から第5の溝225までに向上する。
【0037】
図3は、足300と係合している鼻緒部200の一実施例の等角投影図である。第1のストラップ120および第2のストラップ122は、足300の周りに固定されている。特には、第1のストラップ120および第2のストラップ122は、足300の上部と、足300の外側および内側に巻き付いている。さらには、鼻緒部200は、親指302と人差し指304との間に挟まれている。特には、複数の溝220を有する第1の部分210が、親指302と人差し指304との間に位置する皮膚つまり水掻きと係合する。この構成によって、鼻緒部200が親指302と人差し指304との間に深く滑り込んでしまうことが回避され、物品100が足300によくフィットするようになる。特には、鼻緒部200が概ね垂直方向の所定の位置に実質的に固定され、これによって、第1のストラップ120および第2のストラップ122が足300上の所定の位置に固定される。
【0038】
鼻緒部200と足300との掴みを改善することに加えて、複数の溝220があることで、鼻緒部200が曲がり易くなる。いくつかの場合、鼻緒部200の第1の部分210は、親指302と人差し指304の付近で、足300と整合するように構成されている。この配置によって、物品100の履き心地が改善されるとともに、よくフィットし得る。
【0039】
図4〜図7は、様々に構成された複数の溝を有する鼻緒部の代替的な実施例を示す。簡潔に示すために、これらの代替的な実施例においては、鼻緒部のみが示されている。しかし、ここで説明される鼻緒部は、先の実施例の物品100と同様の物品に関連し得ることが理解されよう。また、先の実施例で説明した配置と同様の様式で、鼻緒部は、概して、対応する物品の前足部と、1つまたは複数のストラップと、の間に延在し得る。
【0040】
異なる実施例においては、物品によくフィットするように、複数の溝を有する鼻緒部は、複数の溝の掴み特性を精密に調整する手段を含む。いくつかの実施例においては、複数の溝の掴み特性および/または柔軟性は、溝の数を変えることによって精密に調整される。他の実施例においては、複数の溝の掴み特性および/または柔軟性を精密に調整するように、溝の構成が変化する。例えば、互いに異なる溝の深さを利用することによって、掴み特性および/または柔軟性が変化する。また、様々な構成において、深さの変化する溝を配置することによって、鼻緒部の掴み特性および/または柔軟性が精密に調整され得る。
【0041】
図4を参照すると、鼻緒部400は、複数の溝402を有し得る。いくつかの場合、複数の溝402は、階段状の構造に構成される。言い換えると、2つ以上の溝の深さが段階的に変化するようになっている。この実施例においては、第1の溝411と第2の溝412とは、実質的に同じ深さを有する。また、第3の溝413と第4の溝414とは、実質的に同じ深さを有する。さらには、第5の溝415と第6の溝416とは、実質的に同じ深さを有する。加えて、第3の溝413および第4の溝414の深さは、第1の溝411および第2の溝412の深さよりも実質的に深い。同様に、第5の溝415および第6の溝416の深さは、第3の溝413および第4の溝414の深さよりも実質的に深い。溝の深さについて、この階段状の構成を利用することによって、鼻緒400がもたらす掴みは、実質的に鼻緒部400の長さに亘って変化し得る。また、この階段状の配置は、差異に基づく柔軟性が鼻緒部400の長さに亘って付与されることに寄与する。
【0042】
図5を参照すると、鼻緒部500に複数の溝502が形成されている。いくつかの場合、複数の溝502は、不規則に構成されている。特には、第1の溝511、第2の溝512、第3の溝513、第4の溝514、第5の溝515および第6の溝516の深さは、不規則に変化し得る。この不規則な溝の深さの配置を利用することによって、鼻緒部500がもたらす掴みおよび/または柔軟性が、鼻緒部500の長さに亘って不規則に変化し得る。
【0043】
図6は、鼻緒部600に複数の溝602が形成されていることを示す。いくつかの場合、複数の溝602は、実質的に浅い溝である。例えば、一実施例においては、複数の溝602における各溝の深さは、鼻緒部600の直径の約1%〜約20%の範囲の値を有する。いくつかの場合、鼻緒部600に実質的に浅い溝が形成されていることによって、鼻緒部600に、小さい程度の掴みおよび/または柔軟性しか付与されない。
【0044】
図7は、鼻緒部700に複数の溝702が形成されていることを示す。いくつかの場合、複数の溝702は、実質的に深い溝である。例えば、一実施例においては、複数の溝702における各溝の深さは、鼻緒部700の直径の約80%〜約99%の範囲の値をとる。いくつかの場合、鼻緒部700に実質的に深い溝を形成されていることによって、鼻緒部700に、大きい程度の掴みおよび/または柔軟性が付与される。
【0045】
図8は、履物800の他の実施例を示す。この実施例においては、物品800は、鼻緒部820を備える。いくつかの場合、鼻緒部820には複数の溝830が形成されている。一実施例においては、複数の溝830は、約10個の溝からなる。しかし、他の実施例においては、複数の溝830の溝の数は、他の個数であってもよい。
【0046】
複数の溝830は、比較的小さいピッチつまり狭いピッチで形成されている。ピッチという用語は、鼻緒部820の軸方向に沿って測定された溝の寸法のことである。いくつかの場合、各溝のピッチは、0.001mm〜10mmの範囲で変化する。他の場合、各溝のピッチは、0.01mm〜1mmの範囲で変化する。さらに他の場合、各溝のピッチは、10mmよりも大きくされ得る。
【0047】
ここでの実施例においては、比較的一定のピッチを有する溝が形成されているが、他の実施例においては、各溝のピッチは変化する。例えば、一実施例においては、鼻緒部は、第1のピッチで形成された数個の溝と、第1のピッチよりも大きい第2のピッチで形成された数個の溝と、を含む複数の溝を有する。さらに他の実施例においては、各溝のピッチは、他の様式で変化する。各溝のピッチを変化させることによって、鼻緒部の柔軟特性および/または掴み特性を精密に調整することができる。
【0048】
また、いくつかの実施例においては、隣接する溝の間隔が変化する。いくつかの場合、隣接する溝の間隔は、0.001mm〜10mmの範囲で変化する。他の場合、隣接する溝の間隔は、0.01mm〜1mmの範囲で変化する。さらに他の場合、溝の間隔は、10mmよりも大きくされ得る。
【0049】
ここでの実施例に含まれる溝は、等間隔に形成されているが、他の実施例においては、隣接する溝の間隔は、変化し得る。例えば、一実施例においては、鼻緒部には、第1の間隔で離間された一対の隣接する溝と、第1の間隔よりも大きい第2の間隔で離間された第2の対の隣接する溝と、を含む複数の溝が形成されている。さらに他の実施例においては、隣接する溝の間隔は、他の様式で変化し得る。
【0050】
また、いくつかの他の実施例においては、複数の溝の様々な構成を実現できるように、溝のピッチと間隔の両方を変化させることができることが理解されよう。溝のピッチと溝の間隔の両方を変化させることによって、鼻緒部の柔軟特性および/または掴み特性を精密に調整することができる。
【0051】
物品は、鼻緒部と、1つまたは複数の足指の様々な部分と、の間の掴みを改善する手段を備え得る。異なる実施例においては、足指の側部に関する掴みと、隣接する足指間の領域に関する掴みと、を改善するために、溝の形状は、鼻緒部の様々な領域に亘って延びるように変えることができる。例えば、いくつかの場合、鼻緒部の、親指の側部と人差し指の側部に接する位置にある領域に、溝が形成されている。他の場合、親指と人差し指との間の水掻きに接する位置にある鼻緒部の領域に、溝が形成されている。
【0052】
図9は、鼻緒部900の一実施例の等角投影図である。鼻緒部900は、物品の前方を向いている前部910と、物品の後方を向いている後部912と、を有する。鼻緒部900はまた、前部910と後部912との間に延在する第1の側部914および第2の側部916を含み得る。鼻緒部900は、複数の溝902をさらに含む。ここでの実施例においては、鼻緒部900に6つの溝が形成されている。しかし、他の実施例においては、鼻緒部900に他の数の溝が形成され得る。
【0053】
いくつかの実施例においては、複数の溝902は、ほぼ半円形の形状に形成されている。例えば、この実施例においては、溝920は、ほぼ半円形の形状に形成されている。特には、溝920は、低位溝面922と、この低面922に対向する高位溝面(符号なし)と、後背溝面924と、によって画定されている。低位溝面922と高位溝面とは、実質的に同じ半円形の形状に形成されている。加えて、後背溝面924は、実質的に矩形の形状に形成されている。この場合、後背溝面924は、ほぼ直線的な後背溝面である。
【0054】
この配置によって、溝920は、鼻緒部900の後部912から、第1の側部914および第2の側部916まで延在し得る。いくつかの場合、溝920の第1の横方向端部932は、鼻緒部900の前部910と後部914との間の途中に位置している。同様に、溝920の第2の横方向端部934は、前部910と後部912との途中に位置している。同様に、複数の溝902における残りの溝の各々は、溝920と実質的に同じ形状に形成されている。特には、各溝は、溝920と実質的に同じ半円形の形状に形成されている。この構成を利用することによって、鼻緒部900の後部912に複数の溝902が形成されているので、複数の溝902は、2つの隣接する足指の水掻きと、鼻緒部900との間の掴みを改善するように構成され得る。
【0055】
図10は、鼻緒部1000の一実施例を等角投影図である。鼻緒部1000は、物品の前方を向いている前部1010と、物品の後方を向いている後部1012と、を有し得る。鼻緒部1000はまた、前部1010と後部1012との間に延在する第1の側部1014および第2の側部1016を有し得る。鼻緒部1000は、複数の溝1002をさらに有し得る。ここでの実施例においては、鼻緒部1000は、6つの溝を有する。しかし、他の実施例においては、鼻緒部1000は、種々の他の数の溝を有する。
【0056】
いくつかの実施例においては、複数の溝1002は、三日月形の形状に形成されている。例えば、この実施例においては、溝1020は、ほぼ三日月形の形状に形成されている。特には、溝1020は、低位溝面1022と、この低面1022に対向する高位溝面(符号なし)と、後背溝面1024と、によって画定されている。低位溝面1022と高位溝面とは、実質的に同じ三日月形の形状に形成され得る。加えて、後背溝面1024は、実質的に湾曲した形状に形成されている。
【0057】
この構成を有することで、三日月形の構成において、鼻緒部1000の後部1012から前部1010まで溝1020が延在し得る。いくつかの場合、溝1020の第1の横方向端部1032は、前部1010内にも位置している。同様に、溝1020の第2の横方向端部1034は、前部1010内にも位置している。同様の態様で、複数の溝1002の残りの各溝が、溝1020と実質的に同じ形状に形成されている。特には、各溝が溝1020と実質的に同じ三日月形の形状に形成されている。この構成を利用することによって、複数の溝1002は、2本の隣接する足指の水掻きと鼻緒部1000との間の掴みを改善するように構成され得る。さらには、複数の溝1002は、第1の側部1014と第2の側部1016の両方の半分以上に亘って延びているので、複数の溝1020によって、鼻緒部1000と、第1の側部1014および第2の側部1016に接する位置にある足指の側面と、の間の掴みが改善され得る。この構成によって、足指と鼻緒部との間の接触領域に複数の溝が延在するので、鼻緒部と、この鼻緒部に隣接する足指と、の間の掴みが向上され得る。
【0058】
他の実施例においては、複数の溝が、主に鼻緒部の側部に形成される。いくつかの場合、複数の溝は、鼻緒部の第1の側部に形成されている。他の場合、複数の溝は、鼻緒部の第1の側部とは反対側に位置する第2の側部に形成されている。一実施例においては、複数の溝は、第1の側部および第2の側部に形成されている。
【0059】
図11〜図12は、鼻緒部1100の一実施例の等角投影図である。鼻緒部1100は、物品の前方を向いている前部1110と、物品の後方を向いている後部1112と、を含み得る。鼻緒部1100は、前部1110と後部1112との間に延在する第1の側部1114および第2の側部1116を有し得る。
【0060】
鼻緒部1100には、複数の溝1102がさらに形成されていてもよい。いくつかの場合、複数の溝1102は、第1の溝セット1104および第2の溝セット1106を含む。第1の溝セット1104は、鼻緒部1100の第1の側部1114に形成された6つの溝からなるものとすることができる。加えて、第2の溝セット1106は、第2の側部1116に形成された6つの溝からなるものとすることができる。いくつかの場合、第1の溝セット1104における溝と、第2の溝セットにおける溝と、が実質的に整列している。例えば、ここでの実施例においては、第1の溝セット1104における第1の溝1120と、第2の溝セット1106における第2の溝1122と、が整列している。
【0061】
この構成を利用することによって、複数の溝1102は、隣接する足指の側面と鼻緒部1100との間の掴みを改善するように構成され得る。例えば、一実施例においては、第1の溝セット1104における溝は、足の親指の側面と鼻緒部1100との間の掴みを改善するように構成されている。加えて、第2の溝セット1106における溝は、足の人差し指の側面と鼻緒部1100との掴みを改善するように構成されている。
【0062】
他の実施例においては、隣接する足指と、鼻緒部との間の掴みを最大にするように、複数の溝は、鼻緒部の断面積の実質的に半分以上に亘って延在している。図13は、鼻緒部1200の一実施例を示す。鼻緒部1200は、物品の前方を向いている前部1210と、物品の後方を向いている後部1212と、を含み得る。鼻緒部1200はまた、前部1210と後部1212との間に延在する第1の側部1214および第2の側部1216を含み得る。鼻緒部1200には、複数の溝1202がさらに形成されていてもよい。ここでの実施例においては、鼻緒部1200には、6つの溝が形成されている。しかし、他の実施例においては、鼻緒部1200には、種々の他の数の溝が形成され得る。
【0063】
複数の溝1202は、第1の溝1220を含み得る。いくつかの実施例においては、第1の溝1220は、実質的に大きな断面積を有するように構成されている。いくつかの場合、第1の溝1220は、後部1212、第1の側部1214および第2の側部1216に亘って延在している。加えて、第1の溝1220は、前部1210内へ延在していてもよい。一実施例においては、第1の溝1220は、鼻緒部1200の断面積の実質的に半分以上に亘って延在している。
【0064】
一実施例においては、鼻緒部1200は、溝によって分割された鼻緒部1200の隣接する部分間に延在する複数の接続部分を有する。一例として、鼻緒部1200は、該鼻緒部1200の第1の部分1242と第2の部分1244との間に延在する接続部分1240を有する。この場合、第1の部分1242および第2の部分1244は、実質的に円形または楕円形の形状の断面領域を有する。これに対して、接続部1240は、特有の縁部を含む多角形の断面形状を有し得る。この場合、接続部1240は、第1の縁部1261、第2の縁部1262および第3の縁部1263を含む。第1の縁部1261、第2の縁部1262および第3の縁部1263は、直線的な形状、凸形の形状、凹形の形状および他の形状を含む種々の形状を有し得るが、これらに限定されない。一実施例においては、第1の縁部1261と第2の縁部1262は、凹形の縁部を有し、第3の縁部1263は、ほぼ直線的な縁部を有する。同様に、鼻緒部1200は、複数の溝1202における各溝に関連する複数の接続部を含み得る。
【0065】
いくつかの実施例においては、鼻緒部1200は、溝が配置されている該鼻緒の領域を補強する手段を備える。いくつかの実施例においては、鼻緒部1200には、1つまたは複数の補強部が設けられている。一実施例においては、鼻緒部1200には、該鼻緒部1200の長さに沿って、複数の溝1202に隣接して延在する補強部1250が設けられている。この構成によって、溝に関連する領域で鼻緒部1200の断面積が増えるので、これらの領域における鼻緒部1200の剛性が高められる。例えば、ここでの実施例においては、第1の溝1220の位置での鼻緒部1200の強度を高めるために、補強部1250の第1の部分1252は、接続部1240の断面積を拡大するように設けられ得る。
【0066】
異なる実施例においては、補強部の形状は、異なっている。一実施例においては、補強部は、波形の形状を有する。一実施例においては、補強部は、フィン形の形状を有する。さらに、いくつかの実施例においては、補強部は、ほぼ一定の断面積を有する。他の実施例においては、補強部の断面積は、一定ではない。例えば、一実施例においては、補強部は、溝に関連する鼻緒部の領域でさらに大きな断面積を有する。加えて、ここでの実施例は、鼻緒部の半分以上に亘って延在する単一の補強部を示しているが、他の実施例においては、複数の補強部が使用され得る。
【0067】
異なる実施例においては、補強部の材料特性が異なっている。いくつかの場合、補強部は、鼻緒部よりも剛性が高い。他の場合、補強部は、鼻緒部よりも剛性が低い。一実施例においては、補強部1250は、鼻緒部1250をつくるために使用される第2の材料とは実質的に異なる第1の材料から形成されている。いくつかの場合、第1の材料は、第2の材料よりも実質的に剛性が高い。この構成は、複数の溝1202に隣接する領域で補強部1250が鼻緒部1200を補強することに寄与し得る。
【0068】
上述した実施例の物品は、履物を製造するために当技術分野で周知の材料から形成され得る。例えば、ソール構造は、エラストマ、シロキサン、天然ゴム、他の合成ゴム、アルミニウム、鋼鉄、天然皮革、合成皮革、発泡体またはプラスチックを含む適切な材料から形成されるが、これらに限定されない。加えて、履物に使用される鼻緒部は、エラストマ、シロキサン、天然ゴム、他の合成ゴム、皮革、発泡体またはプラスチックを含む適切な材料から形成されるが、これらに限定されない。一実施例においては、鼻緒部は、エラストマ材料から形成される。
【0069】
複数の溝は、履物の鼻緒部に種々の態様で形成され得ることが理解されよう。いくつかの場合、複数の溝は、鼻緒部を成形する型成形プロセスの際に形成される。他の場合、複数の溝は、切断または同様の技術を用いて鼻緒部に形成される。さらに他の場合、複数の溝は、他の方法で形成される。
【0070】
本発明の様々な実施例について説明したが、上記の説明は、例示を意図するものであり、限定することを意図していない。また、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、さらに多くの実施形態や応用が可能であることが明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびこれの均等物を考慮すること以外によっては限定されない。また、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な変更や変形がなされ得る。
【符号の説明】
【0071】
110…ソール構造体
120…第1のストラップ
122…第2のストラップ
200…鼻緒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソールと、
2本の足指間に受けられるように構成された鼻緒部であって、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、
を備え、
第1の端部は、上記ソールの一部に関連し、
第2の端部は、上記足の一部に巻きついているストラップに関連し、
上記中間部に溝が形成されていることを特徴とする履物。
【請求項2】
上記中間部には、少なくとも2つの溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項3】
上記中間部には、5つの溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項4】
上記鼻緒部の長さに亘って上記溝の深さが変化することを特徴とする請求項3に記載の履物。
【請求項5】
上記溝は、隣接する上記2本の足指の間の足の一部と係合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項6】
上記溝は、上記鼻緒部が足の一部を掴むことを高めるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項7】
ソールと、
第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、
を備え、
第1の端部は、上記ソールの第1の部分に関連し、
第2の端部は、足の一部に巻きついているストラップに関連し、
上記鼻緒部は、第1の部分および第2の部分を含む実質的にモノリシックな部分を含み、
第1の部分は、第2の部分よりも優位に足の一部を掴めるように構成されていることを特徴とする履物。
【請求項8】
第1の部分には、少なくとも1つの溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の履物。
【請求項9】
第1の部分は、2本の隣接する足指の間の足の一部と係合することを特徴とする請求項7に記載の履物。
【請求項10】
上記掴むことの特性は、第1の部分に亘って変化することを特徴とする請求項7に記載の履物。
【請求項11】
第1の部分は第1の材料からなり、第2の部分は第2の材料からなり、第1の材料と第2の材料とは実質的に同じであることを特徴とする請求項7に記載の履物。
【請求項12】
第2の部分は、実質的に滑らかであることを特徴とする請求項7に記載の履物。
【請求項13】
ソールと、
第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に位置する中間部と、を含む鼻緒部と、
を備え、
第1の端部は、上記ソールの第1の部分に関連し、
第2の端部は、足の一部に巻きついているストラップに関連し、
上記中間部には、第1の溝および第2の溝が形成されており、
第1の溝の第1の深さと第2の溝の第2の深さとは互いに異なることを特徴とする履物。
【請求項14】
上記中間部には、複数の溝が様々な深さで形成されており、円弧状の各溝の深さが変化することを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項15】
上記中間部には、第1の溝と第2の溝との間に位置する第3の溝が形成されており、第3の溝は、第1の深さよりも深いが第2の深さよりは浅い第3の深さを有することを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項16】
上記中間部には、第1の溝と第2の溝との間に位置する第3の溝が形成されており、第3の溝は、第1の深さよりも深くかつ第2の深さよりも深い第3の深さを有することを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項17】
上記中間部には、深さが不規則に変化する複数の溝が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項18】
上記中間部には、深さが段階的に変化する複数の溝が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項19】
第1の深さおよび第2の深さは、上記鼻緒部の直径の20%よりも浅いことを特徴とする請求項13に記載の履物。
【請求項20】
第1の深さおよび第2の深さは、上記鼻緒部の直径の80%よりも深いことを特徴とする請求項13に記載の履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−532736(P2012−532736A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520693(P2012−520693)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/041655
【国際公開番号】WO2011/008667
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】