説明

澱物分離装置及び澱物分離方法

【課題】廃液処理工程への澱物の搬入を防止し、澱物分離作業の負担を軽減し、廃液処理工程の安定化が図れる澱物分離装置及び澱物分離方法を提供する。
【解決手段】澱物分離装置1は、濾過ユニット10と、この濾過ユニット10を上部に配設した澱物分離タンク20とからなり、濾過ユニット10は、バキューム車2からの澱物を含む廃液に対し、廃液は濾過及び滴下させるとともに表面に澱物5を残留させる。また、澱物分離タンク20は、濾過ユニット10から滴下する廃液6を貯留するとともにその廃液6を濾液ピット4へ排出する。一方、澱物分離方法は、濾過ユニット10の濾布14上で廃液を濾過して濾布14上に澱物を残留させ(S1)、濾布14上に残留した澱物を水で洗浄し(S2)、澱物が酸性の場合(S3)には、アルカリ剤で中和処理し(S4)、後続の廃液があればこれを繰り返し(S5)、その後澱物を乾燥させる(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物スラリーが混在した廃液から廃棄物スラリーを分離する澱物分離装置及び澱物分離方法に関し、さらに詳しくは、製錬所等で発生する様々な排液を排水処理工程に搬入する前に当該廃液から廃棄物スラリー(澱物)を簡易な設備で除去するための澱物分離装置及び澱物分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅の生産方法の1つに自溶炉を用いる方法がある。この方法は、自溶炉によって鉱石から粗銅を生成し、さらに精製炉によって粗銅から精製粗銅を生成し、この精製粗銅を鋳造して得られた銅アノードとステンレス等によるカソードとにより電解精製を行うものである。このような銅製錬においては、各工程から廃棄物スラリー(酸性又はアルカリ性の薬物スラリー等)を含む廃液及びスラグが排出される。また、電解精製工程においては、電解廃液などが排出される。廃液は液体と固体成分(澱物)とに分離され、液体は廃液処理工程に送られ、中和処理の後、廃棄等の処分がなされる。
【0003】
銅製錬における排水処理の一例として、例えば、特許文献1に示される排水処理設備がある。この排水処理設備は、水砕槽、沈降槽及び循環手段を備え、一部の水砕水を系外に排出する予備的な排水処理設備において、水砕槽と沈降槽との間に設けられたpH調整槽と、沈降槽の下流側に設けられたpH監視槽と、pH調整槽にアルカリを供給するアルカリ貯槽とを有する構成であり、さらに、pH監視槽における水砕水のpH値を測定し、このpH値に基づいて水砕水のpH値が7.0〜8.5の範囲内となるようにアルカリ貯槽からpH調整槽へのアルカリの供給量を制御する手段を備える。これによって、水砕水のpH値の急激な低下により最終排水処理設備における排水処理に影響を与えないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−291667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した廃液処理工程に搬入される廃液は、廃棄物スラリーを含まない液体のみであることが望ましい。ところが、現状では廃液の内容が一様ではなく、また、廃棄物スラリーの有無を選別する手段がないため、廃棄物スラリーを混在したまま受け入れざるを得ないという問題がある。受け入れ時に選別を行おうとすると、頻度の少ない作業に対してかなり広い条件での対応が要求されるために不必要に過大な設備を設けることになり、極めて非効率な設備を設置することになる。また、廃棄物スラリーが混在した多様な廃液を処理する場合に多様な廃液の予期しない反応により有害なガスが発生する危険もある。
さらに、固体分離した後の廃液の処理は、天日乾燥して銅製錬工程への繰返し溶解となるため別途天日乾燥するための処理設備が必要になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、澱物(廃棄物スラリー)を含む廃液の廃液処理工程への搬入に際し、簡単な構成によって固液分離を行って廃液のみを廃液処理工程に搬入することで、廃液処理工程への澱物の搬入を防止し、澱物分離作業の負担を軽減し、廃液処理工程の安定化を図ることを可能とした澱物分離装置及び澱物分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、スラリー等の澱物を含む廃液から澱物を分離する澱物分離装置であって、澱物を含む廃液が上方から注がれ、廃液を濾過して落下させながら澱物を表面に残留させる濾過ユニットと、濾過ユニットが上部に設置され、濾過ユニットから落下した廃液を貯留すると共に、貯留された廃液を濾液ピットへ排出する澱物分離タンクとを備えていることを特徴とする澱物分離装置を提供する。
【0008】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の澱物分離装置において、濾過ユニットは、廃液を濾過することにより澱物を表面に残留させる濾布と、濾布を支持するために複数のスリット材を所定隙間をもって水平方向に並設することによって構成されたロストルとを備えていることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の澱物分離装置において、濾布は、高密度ポリエチレンからなることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の澱物分離装置において、複数のスリット材は、断面L字型をした金属板であり、全体を耐酸性及び/又は耐アルカリ性の樹脂材でライニングされて構成され、各スリット材ごとに交換可能とされたことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の澱物分離装置において、澱物分離タンクは、移動可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、スラリー等の澱物を含む廃液から前記澱物を分離する澱物分離方法であって、全体を耐酸性及び/又は耐アルカリ性の樹脂材でライニングした断面L字状の複数のスリット材を所定隙間をもって水平方向に並設することによって構成されたロストルの上面に配置された濾布を備えた濾過ユニットの濾布上に廃液を放出して廃液を濾過し、濾布上に澱物を残留させる濾過工程と、濾布上に残留した澱物を水で洗浄する澱物洗浄工程と、澱物が酸性の場合には、消石灰などのアルカリ剤を澱物に散布して中和処理する澱物中和工程と、濾布上に残留している澱物をスラリー槽へ排出して澱物を乾燥させる乾燥工程とを含み構成されてなることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項7に記載の本発明は、請求項6に記載の澱物分離方法において、廃液の濾布上への放出開始に合わせて濾過された廃液を澱物タンクから濾液ピットへ排出する廃液排出工程と、濾液ピットに貯留された廃液を中和槽に送って中和処理する廃液中和工程とを含み構成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る澱物分離装置及び澱物分離方法によれば、澱物を含む廃液の廃液処理工程への搬入に際し、簡単な構成によって固液分離を行って廃液のみを廃液処理工程に搬入することで廃液処理工程への澱物の搬入を防止し、澱物分離作業の負担を軽減すると共に有害ガスの発生を抑制し、廃液処理工程の安定化が図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る澱物分離装置の好ましい一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1に示す澱物分離装置の詳細を示す正面図である。
【図3】図1に示す澱物分離装置の詳細を示す側面図である。
【図4】図1に示す澱物分離装置の詳細を示す平面図である。
【図5】図1〜図4に示す濾過ユニットの主要部を示す部分拡大図である。
【図6】澱物の乾燥工程に設置されたクレーン塔及び電動チェーンブロックの構成を示す正面図である。
【図7】澱物分離方法の好ましい一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[澱物分離装置の構成]
以下、本発明に係る澱物分離装置及び澱物分離方法について、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る澱物分離装置の一実施形態を示す概略斜視図、図2はその正面図、図3はその側面図、図4はその平面図である。尚、図1においては内部構造を見易くするために濾布を浮かせた状態で図示している。また、図4においては濾布を設けない状態で図示している。
【0017】
図示された澱物分離装置1は、フォークリフト等の運搬装置によって移動可能な大きさ及び重量に形成されており、概略として、バキューム車2からスラリー(酸性又はアルカリ性の薬物スラリー等、以下単に「スラリー」という。)を含む廃液がホース3を通して注がれる濾過ユニット10と、この濾過ユニット10が上部に配設されて濾過ユニット10を通過した液体(廃液)を貯留する澱物分離タンク20とを備えている。
【0018】
澱物分離タンク20は、酸やアルカリに対して化学的に安定な材料によって箱型に形成されており、その具体的な大きさは、例えば、1,730mm(横)×1,230mm(奥行き)×810mm(高さ)の外形を有している。この澱物分離タンク20は、必要時に保管場所から濾液ピット4の近傍に移動され、固液分離処理の終了後に濾過ユニット10上の澱物5を乾燥処理するために図6に示すスラリー槽9の近くへ移動される。尚、使用後は図示しない保管場所まで移動されて保管される。澱物分離タンク20の側面下部には濾過ユニット20によって濾過された廃液(濾液)を濾過ピット4へ排出するドレイン21が設けられており、ホース22によって濾液が濾液ピット4へ放出されるようになっている。
【0019】
濾過ユニット10は、澱物分離タンク20の上部開口を塞ぐように設置され、その一辺が澱物分離タンク20に設けられた軸23に取り付けられ、図2に示すように、傾斜(例えば60°の傾斜)させることが可能とされている。濾過ユニット10は、概略として、図4に示すように、水平方向に所定の隙間(例えば32mm)をもって配置されることによってロストルを構成する複数のスリット材11と、この一端を固定する枠体12と、複数のスリット材11上に取り外し可能に敷設された濾布14(図5参照)とを備えて構成されている。
【0020】
スリット材11は、例えば、平面矩形状のステンレス板110をL字型に曲げて形成されており、その外表面の全体がFRP(Fiber Reinforced Plastic)111によってライニングされ、酸やアルカリに対して劣化しない構成にされている。ライニングは、耐酸性及び耐アルカリ性を有するものであればよいので、このような条件を備えたFRP以外の樹脂材により施してもよい。また、スリット材11はその全体に上述のようなライニングを施すことからステンレスに限らず他の金属製材料を用いることも可能である。尚、図5においては、スリット材11を断面図で示している。スリット材11の具体的なサイズとしては、例えば、幅が18mm、縦方向の長さが116mm、水平方向の長さが1,400mmであり、1本毎にその両端部分が澱物5の横漏れを防止するための枠体12にボルトによって水平方向に所定のピッチ(例えば50mm)で固定されている(図5参照)。尚、複数のスリット材11を一体構造にしなかった理由は、耐酸のためのライニングを施せないこと及びスリット材11の1つが破損した場合にそのスリット材11のみを交換することで対処できるようにしたためである。
【0021】
一方、スリット材11の上面に敷設される濾布14は、酸、アルカリ等によって劣化や変質をしない耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性を有する例えば、高密度ポリエチレン等を用いて所定の形状(例えば、W1,135mm×L1,500mmの矩形)に形成したものであり、スラリーは通さず、酸、アルカリ等の廃液を濾過することが可能なメッシュ構造となっている。メッシュサイズは濾過すべき澱物5によって適宜に選択可能であるが、例えば、W1.9mm×L2.8mm、場合によってはW6.0mm×W6.0mmのものが使用される。また、濾布14の全体のサイズとしては上記の他、W2,000mm×L2,000mmのものも用いられる。また、濾布14は、位置ずれの防止及び濾過時に上面に堆積した澱物5をスラリー槽9へ排出するときに澱物5と共に落下しないように、例えば周辺の数カ所が治具等によって仮止めがなされている。
【0022】
[澱物分離方法の工程]
次に、本発明に係る澱物分離方法について、上述した澱物分離装置1によって廃液6から澱物5を分離する処理と併せて説明する。図7は澱物分離方法の好ましい一実施形態を示すフローチャートである。
【0023】
スラリーを含む廃液を貯留するバキューム車2が廃液処理工程に到達する前に、作業者は澱物分離装置1を保管場所から濾液ピット4の近傍へ移動させると共に、濾過ユニット10を澱物分離タンク20上に重ねるようにして図2の実線位置に示す状態にする。次に、作業者はバキューム車2が図2に示すように到達すると、バキューム車2のホース3の排出口を濾過ユニット10の中央部に位置決めする。ここで、作業者はバキューム車2のタンク26のホース取付部に設けられている開閉及び流量調整用のハンドル25を操作し、ホース3からスラリー(澱物5)を含む廃液を濾過ユニット10上へ放出する。スラリーを含む廃液は濾過ユニット10上を広がり、廃液はフィルタとして機能する濾布14によって濾過されて濾布14を通過して滴下または流下するが、澱物5は濾布14のメッシュを通過できないために濾布14の上面に残留する(ステップS1)。この濾過の開始と共に澱物分離タンク20のドレイン21が開けられ、澱物分離タンク20に溜まった廃液(濾液)6はホース22を通して所定の流量により濾液ピット4へ連続的に供給される(ステップS8)。バキューム車2のタンクに貯留された澱物5を含む廃液6が全て濾過ユニット10の濾布14上に放出されるとバキューム車2は現場を離れる。濾布14上に残留した澱物5は、図示しないホースを用いて水で洗浄し、脱酸、脱アルカリする(ステップS2)。澱物5を洗浄した洗浄水は濾布14を通過してホース22を通して濾液ピット4へ送られる。ここで、濾布14上に放出された澱物5が酸性である場合(ステップS3)には、ステップS2の水洗後に、消石灰などのアルカリ剤を澱物5の上部から散布して中和処理(ステップS4)した後、脱水する。このような中和処理を行うのは、後続のバキューム車2が次の廃液を濾過ユニット10上へ放出した際に、濾布14上に残留している澱物5との化学反応による、塩素系ガスやアルシンガス等の有害ガスの発生を防止するためである。そして、処理すべきスラリーを含む廃液の存否に応じてこの作業を必要な回数だけ繰り返す(ステップS5)。尚、濾液ピット4に溜まった廃液6(ステップS8)は図示しない中和槽へ送られ、ここで中和剤の添加による中和処理が施される(ステップS9)。
【0024】
次に、澱物分離タンク20内の廃液が濾液ピット4へ排出し終わったら、作業者は澱物分離装置1をフォークリフト等によって乾燥エリアへ移動し、該エリアに設置された図6に示すクレーン塔7に設けられた電動チェーンブロック8の直下に移動する。そして、作業者は電動チェーンブロック8のフックを下降させ、このフックを係着片13に係着する。この状態で係着片13が電動チェーンブロック8によって引き上げられると、濾過ユニット10が傾斜することにより濾布14上の澱物5がスラリー槽9に滑り落ち、スラリー槽9に貯留される。そして、澱物5の殆どがスラリー槽9へ排出された濾布14は濾過ユニット10から取り出され、濾過ユニット10のスリット材11等の露出部分を水道水等で水洗いし、脱酸、脱アルカリの処理をする。
【0025】
取り出された澱物5に対して必要があれば再度中和処理を行う(ステップS6)。既にステップS4において澱物5の中和処理は行われているが、澱物5は有害ガスを発生するおそれがあるので念のため必要があればここで再度の中和処理を行う(ステップS6)。澱物5の再中和処理は、ステップS4の場合と同様に、アルカリ性の消石灰の粉末を散布することによって行い、有害なアルシンガスの発生を防止する。最後に澱物5を乾燥させる(ステップS7)。この乾燥には数日をかけ、その後に乾燥した澱物5は溶錬工程の自溶炉に戻される。
【0026】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る澱物分離装置及び澱物分離方法によれば、濾過ユニットによって固液分離を行い、廃液のみを廃液処理工程に搬入することで廃液処理工程への澱物の搬入を防止したので、澱物分離作業の負担が軽減され、廃液処理工程の安定化が図ることができるという効果がある。
【0027】
また、本実施形態に係る澱物分離装置及び澱物分離方法によれば、澱物分離装置を任意の場所に移動できる構成にしたことで、固定式のように処理工程の受け入れピット毎に設置する必要が無く、経済性を高めることができ、更に、必要な時にだけ設置されるために他の作業の邪魔にならず、したがって安全性を高めることができるという効果がある。
【0028】
さらに、本実施形態に係る澱物分離装置及び澱物分離方法によれば、製錬所内で発生するスラリーを含む様々な廃液について、濾過後の澱物の脱酸、脱アルカリ処理を行うので、処理すべき後続の廃液がその前の工程で既に濾布上に残留している澱物上に放出されても化学反応による有害ガスの発生を防止することができ、安全性を高めることができるという効果も有する。
【0029】
尚、上記実施形態においては、銅の製錬に関連して説明したが、本発明は銅に限るものではなく、他の金属製錬の場合はもちろん、各種の排液処理の場合に対しても本発明を適用することが可能である。
【0030】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0031】
1 澱物分離装置
2 バキューム車
3 ホース
4 濾液ピット
5 澱物
6 廃液
7 クレーン塔
8 電動チェーンブロック
9 スラリー槽
10 濾過ユニット
11 スリット材
12 枠体
13 係着片
14 濾布
20 澱物分離タンク
21 ドレイン
22 ホース
23 軸
25 ハンドル
26 タンク
110 ステンレス板
111 FRP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー等の澱物を含む廃液から前記澱物を分離する澱物分離装置であって、
前記澱物を含む廃液が上方から注がれ、前記廃液を濾過して落下させながら前記澱物を表面に残留させる濾過ユニットと、
前記濾過ユニットが上部に設置され、前記濾過ユニットから落下した前記廃液を貯留すると共に、貯留された前記廃液を濾液ピットへ排出する澱物分離タンクと、
を備えていることを特徴とする澱物分離装置。
【請求項2】
請求項1に記載の澱物分離装置において、
前記濾過ユニットは、
前記廃液を濾過することにより前記澱物を表面に残留させる濾布と、
前記濾布を支持するために複数のスリット材を所定隙間をもって水平方向に並設することによって構成されたロストルと、
を備えていることを特徴とする澱物分離装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の澱物分離装置において、
前記濾布は、高密度ポリエチレンからなることを特徴とする澱物分離装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の澱物分離装置において、
前記複数のスリット材は、断面L字型をした金属板であり、全体を耐酸性及び/又は耐アルカリ性の樹脂材でライニングされて構成され、各スリット材ごとに交換可能とされた
ことを特徴とする澱物分離装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の澱物分離装置において、
前記澱物分離タンクは、移動可能に形成されていることを特徴とする澱物分離装置。
【請求項6】
スラリー等の澱物を含む廃液から前記澱物を分離する澱物分離方法であって、
全体を耐酸性及び/又は耐アルカリ性の樹脂材でライニングした断面L字状の複数のスリット材を所定隙間をもって水平方向に並設することによって構成されたロストルの上面に配置された濾布を備えた濾過ユニットの前記濾布上に前記廃液を放出して当該廃液を濾過し、前記濾布上に前記澱物を残留させる濾過工程と、
前記濾布上に残留した澱物を水で洗浄する澱物洗浄工程と、
前記澱物が酸性の場合には、消石灰などのアルカリ剤を前記澱物に散布して中和処理する澱物中和工程と、
前記濾布上に残留している澱物をスラリー槽へ排出して当該澱物を乾燥させる乾燥工程と、
を含み構成されてなることを特徴とする澱物分離方法。
【請求項7】
請求項6に記載の澱物分離方法において、
前記廃液の前記濾布上への放出開始に合わせて濾過された前記廃液を前記澱物タンクから濾液ピットへ排出する廃液排出工程と、
前記濾液ピットに貯留された廃液を中和槽に送って中和処理する廃液中和工程と、
を含み構成されてなることを特徴とする澱物乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−91155(P2012−91155A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291564(P2010−291564)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500483219)パンパシフィック・カッパー株式会社 (109)
【Fターム(参考)】