説明

炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置

【課題】高温発熱しながら折れ曲がり及び張力に対応する高い引張強度を有する炭素繊維発熱体を提供すること。
【解決手段】少なくとも1本以上の炭素繊維111とガラス繊維112とを所定の割合にて編み込んでなる発熱繊維と、前記発熱繊維の両端に設けられて電気供給線から電気を印加する接続端子113と、前記発熱繊維及び前記接続端子の表面を被覆する被覆手段115と、を備えることを特徴とする炭素繊維発熱体とした。。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温発熱する発熱体において、炭素繊維にガラス繊維を所定の割合にて編み込んでなる束をシリコン被覆体で被覆することにより、高温発熱しながら折れ曲がり及び張力に対応する高い引張強度を有する炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボイラーや温水器など高温を必要とする各種の加熱装置には、高温発熱する発熱体が設けられて、この発熱体から放出または輻射される高温の熱を用いて、水や空気などを加熱して温水及び温風などを生産している。そして、これらは、通常、石炭または石油などの燃焼を通じての燃焼熱を利用したり、電気を用いた発熱体の抵抗熱を利用して、高温を得る方法が汎用されている。
【0003】
しかしながら、最近、大気汚染などの環境汚染の問題及び原料枯渇による原料費上昇などにより、石炭または石油などを原料とするボイラーや温風器などの使用が漸減しつつある傾向にある。そして、その代案として、電気を用いた電気ボイラーや電気温水器などの使用が段々増えているのが現状である。
【0004】
前記電気を利用する方法は、ニックロム線などの高い電気抵抗を有する金属をコイル状に形成した発熱体に、電流を印加して発生する抵抗熱を用いてボイラーの内部を循環する冷水を加熱したり、温風器の内部を通過する空気を加熱する方法が主として使用される。
【0005】
しかしながら、このとき、コイル状の発熱体には、強い電流を流さなければ、所定の温度以上に発熱しなくなり、このように発熱するのに長時間がかかってしまい、これは、使用電力消耗の増大につながる。
【0006】
また、コイルの特性から、強い電流が流れると、人体に有害な電磁波(EMI)が発生するだけではなく、長時間使用時には、発熱体の断線、漏電、感電、過熱による火災などの電気事故が発生するなど、多くの問題点があった。
【0007】
上記の如き問題点を解決するために、ガラス繊維に炭素液を発泡、塗布して得られる炭素繊維を真空管に挿入して真空状態で密閉し、その両端部に電源を供給する炭素繊維発熱体を、ボイラーなどに適用して循環する冷水を直接的に加熱する方法が提案されている。
【0008】
これは、従来のニックロム線発熱体に比べて、電力消耗を減らし、且つ、人体に有害な電磁波(EMI)の発生を防ぐことはできるとはいえ、真空管により炭素繊維の温度が外部に効率よく伝達できない。
【0009】
また、製造に長時間がかかり、複雑で且つ製造コストが高く、衝撃及び張力に弱くて炭素繊維が容易に途切れたり破損され、折ったり曲げたりできず、そのまま使用しなければならないなど、多くの問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、炭素繊維に所定の割合のガラス繊維を編み込んでなる束を被覆体で被覆した発熱体を構成することにより、高温発熱しながら高い引張強度を有して、張力が加わっても途切れたり破損されず、変形し易く、しかも、これをボイラー及び温水器など種々に適用可能な、炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置を提供するところにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、石英パイプの内部にカーボン糸をLPG及び水素と一緒に密閉されるように内蔵しながら、両端のニッケル線による接続端子だけを露出させて構成したナノ炭素ヒーターを、ヒートランプ、温風器、ヒートパイプ及びボイラーの発熱体として使用することにより、熱効率に優れ、酸素を直接的に燃焼しないことから快適な室内環境を維持し、遠赤外線と陰イオンの放出により人体と動物はもちろん、作物の栽培にも卓越した効果を有する、炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置を提供するところにある。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、炭素繊維にガラス繊維を所定の割合にて編み込んでなる束の外面に無機質耐熱セラミック接着剤を塗布し且つ結束して得られる炭素繊維発熱線を、水路管の外部に巻回して形成することにより、水を直接的に加熱して素早い熱交換を通じて効率よく高温水を生産する、熱交換用炭素繊維発熱体の構造及びこれを用いた電気ボイラーを構成することにより、少ない消費電力により安定的で且つ効率的に高温水を生産する、炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明による炭素繊維発熱体及びこれを用いた加熱装置は、次の〔1〕〜〔17〕の構成とした。
〔1〕少なくとも1本以上の炭素繊維とガラス繊維とを所定の割合にて編み込んでなる発熱繊維と、前記発熱繊維の両端に設けられて電気供給線から電気を印加する接続端子と、前記発熱繊維及び前記接続端子の表面を被覆する被覆手段と、を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体。
〔2〕前記被覆手段は、前記発熱繊維及び前記接続端子の表面に密設されるシリコン被覆体であることを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔3〕前記発熱繊維は、前記炭素繊維60%〜95%と前記ガラス繊維40%〜5%とを編み込んで得られることを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔4〕前記発熱繊維は、前記炭素繊維及びガラス繊維と一緒に少なくとも1本以上のポリエステル繊維をさらに編み込んでなることを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔5〕前記発熱繊維をアルミニウム棒に一定の間隔をあけて巻回し、加熱室において1500℃〜2000℃の温度に加熱して、複数本が一体に結束されて螺旋状を呈するように形成することを特徴とする、〔4〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔6〕前記接続端子は、前記発熱繊維の両端にニッケル線を圧着して一体に形成することを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔7〕前記被覆手段は、真空状態の内部空間にLPGガスおよび水素を充填し、前記発熱繊維を内蔵しながら前記接続端子の一部だけを両端に露出されるように封止する石英パイプであることを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔8〕前記石英パイプの背面に配設されて熱を反射する反射板と、前記石英パイプの両側の前記接続端子に連結される電源線と、前記電源線を介して前記炭素繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、をさらに備えることを特徴とする、〔7〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔9〕ステンレス鋼蛇腹、PEパイプまたはXLパイプから形成され、その内部に一定の間隔をあけて多数の前記石英パイプを一列に配置するヒートパイプと、前記ヒートパイプの内部に配設された前記石英パイプの両側の前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、前記電源線を介して前記炭素繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、をさらに備えることを特徴とする、〔7〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔10〕内部に水が流れる水路管をさらに備え、前記発熱繊維は、前記水路管の外周面に沿って2mm〜20mm間隔の螺旋状に巻回され、前記被覆手段は、前記水路管及び前記発熱繊維を被覆する耐熱被覆層からなることを特徴とする、〔1〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔11〕前記発熱繊維は、前記炭素繊椎とガラス繊維とを所定の割合にて編み込んでなる束の外面に二酸化ケイ素とジルコニア及びセラミック成分を有する無機質耐熱セラミック接着剤を0.3mm〜0.5mmの厚さに塗布し、且つ一体に結束してなることを特徴とする、〔10〕に記載の炭素繊維発熱体。
〔12〕温水タンクの内部に流入された水を温水に加熱する加熱装置において、前記温水タンクの内部に配設されて内部に流入された水を加熱するための前記〔2〕に記載の炭素繊維発熱体と、前記温水タンクの内部において加熱された水を外部に給水する給水ラインと、前記温水タンクの内部において加熱された水を循環させる配管ラインと、前記温水タンク内部の温水温度を感知する温度センサーと、前記温度センサーにおいて感知された前記温水タンクの温水の温度に応じて前記電気供給線の電気供給状態を制御する制御部と、を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
〔13〕前記温水タンクの内部に食水を流入させる冷水供給管と、前記温水タンクの内部において加熱された温水を給水する温水給水管と、をさらに備えることを特徴とする、〔12〕に記載の炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
〔14〕前記炭素繊維発熱体は、前記温水タンクの内部において概ね2mm〜5mmの間隔を維持するように垂直方向のコイル状に巻回してなることを特徴とする、〔12〕に記載の炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
〔15〕その内部に空間部が形成され、一方の側に空気を流入させる引込口が形成され、他方の側に加熱された空気を吐出する吐出口が形成された加熱室と、前記引込口の近傍に形成されて外部空気を前記加熱室の内部に強制的に吸入するファンと、前記加熱室の内部に縦方向に並ぶように多数配設される前記〔7〕に記載の炭素繊維発熱体と、前記炭素繊維発熱体の両側に形成された前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、前記電源線を介して前記発熱繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
〔16〕その内部に空間部が形成され、一方の側に水を流入させる引込口が形成され、他方の側に加熱された温水を吐出する吐出口が形成された熱交換管と、前記熱交換管の内部空間に形成される加熱室と、前記加熱室の内部に縦方向に並ぶように多数配設される前記〔7〕に記載の炭素繊維発熱体と、前記炭素繊維発熱体の両側の前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、前記電源線を介して前記発熱繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、前記加熱室の上段に形成されてその内部に貯留された温水を温める温水交換室と、を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
〔17〕内側面にはガラス繊維断熱層を備え、その内部に空間部が形成された外部ケースと、前記外部ケースの内部に配設される前記〔10〕に記載の炭素繊維発熱体と、前記炭素繊維発熱体の一方の端部に形成されて前記水路管内に冷水を流入させる冷水流入口と、前記炭素繊維発熱体の他方の端部に形成されて前記水路管内を通過しながら加熱された温水を外部に排出する温水排出口と、前記水路管内部の水を前記冷水流入口と前記温水排出口を介して循環させる循環パンプと、前記炭素繊維発熱体の両端部に連結されて電気を供給する電源供給部と、を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、電気が印加されながら高温発熱する炭素繊維にガラス繊維が所定の割合にて編み込まれて束が形成されることにより、ガラス繊維を通じての高い引張強度を有して、炭素繊維発熱体が複数の方向に折れ曲がるように柔軟に設けられるか、あるいは、張力が加えられても炭素繊維が途切れたり破境されないように安全性を確保し、炭素繊維発熱体が少ない電力消費でも短時間に高温発熱してエネルギー効率を向上させ、このような炭素繊維発熱体をボイラー及び温水器の加熱装置に適用してその構成が簡単であり、低電力高効率の効果を有する。
【0015】
また、複数本を撚り合わせて引張力を補強したカーボン糸をポリエステル糸と共にアルミニウム棒に一定の間隔をあけて巻回してコイルの形状を維持し、前記カーボン糸が巻回されたアルミニウム棒を加熱室において1500℃〜2000℃の温度に加熱してポリエステル糸が溶けながら複数本のカーボン糸が一体弾力性を有するようにし、前記撚り合わせて引張力を補強したカーボン糸の両端にニッケル線を圧着して一体化させて電源供給用の接続端子にし、前記カーボン糸を石英パイプに内蔵しながら真空の内部にLPGガスおよび水素を充填する間に両端を封止させながら接続端子だけを露出させてナノ炭素ヒーターを仕上げることにより、前記ナノ炭素ヒーターを反射板の前面に配設しながら両側の接続端子に電源線を接続したヒートランプが少ない電力条件下で高い発熱量にて室内の空間を発熱することができ、快適な室内環境を維持し、陰イオンと遠赤外線を放出することにより人体と動物及び作物に有益となる効果がある。
【0016】
また、電気が印加されながら高温発熱する炭素繊維にガラス繊維が所定の割合にて一緒に編み込まれて束が形成されたままで無機質耐熱セラミック接着剤により結束された炭素繊維発熱線が水路管に巻回されたままでその内部に流れる水を直接的に加熱することにより、熱交換を効率的に少ない消費電力にて高温水を生産すると同時に、ガラス繊維を通じての高い引張強度及び柔軟性を有し、無機質耐熱セラミック接着剤を塗布して酸化を防止し、これを耐熱被覆層により仕上げて電気事故を防止し、安定的に使用可能な熱交換用炭素繊維発熱体及びこれを用いた電気ボイラーを構成する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による炭素繊維発熱体の斜視図である。
【図2】本発明による加熱装置の一実施形態であり、ボイラーを示す図である。
【図3】本発明による加熱装置の一実施形態であり、温水器を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態による炭素繊維発熱体の製造工程図である。
【図5】図4の他の実施形態による炭素繊維発熱体を用いた、ヒートランプを示す断面図である。
【図6】図4の他の実施形態による炭素繊維発熱体を用いた、温風器を示す断面図である。
【図7】本発明による加熱装置の他の実施形態であり、ヒートパイプを示す図である。
【図8】本発明による加熱装置の他の実施形態であり、ナノ炭素ボイラーを示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による炭素繊維発熱体の斜視図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】本発明による加熱装置のさらに他の実施形態であり、電気ボイラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による炭素繊維発熱体の斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の炭素繊維発熱体110は、電気が印加されれば、高温発熱する炭素繊維111を2本以上の束に編み込んで所定の長さを有するように形成するが、このとき、前記炭素繊維111束の形成時に同じ長さを有するガラス繊維112を所定の割合にて編み込む。
【0021】
上記のように炭素繊維111にガラス繊維112が編み込まれることにより、炭素繊維111の両側に張力が加えられたり一方の側が折れ曲がるなど外力が加えられるときに、ガラス繊維112が張力及び折れ曲がりに対応する高い引張強度を有して炭素繊維111を支持することにより、各種の外力により炭素繊維111の破損を防止し、かつ、高い安全性を確保することになる。
【0022】
かかる炭素繊維111とガラス繊維112との編み込みは、炭素繊維60%〜95%にガラス繊維40%〜5%の割合にて行うことにより、炭素繊維111が高い割合にて編み込まれて発熱量及び熱効率を高めることができる。また、ガラス繊維112が高い割合にて編み込まれて高い引張強度及び安全性を確保するなど、その使用用途及び発熱量に応じて種々に製造可能である。
【0023】
そして、前記炭素繊維111の両端には炭素繊維111に電気を供給する金属製の電気供給線113が連結されるが、炭素繊維111に電気供給線113を接続した後、前記炭素繊維111と電気供給線113を所定の幅の接続固定体114により緊密に束ねて固定し、このように炭素繊維111とガラス繊維112が編み込まれ、電気供給線113が連結された束の表面をシリコン被覆体115により被覆して仕上げることにより、炭素繊維発熱体110を構成する。
【0024】
このようにして構成された炭素繊維発熱体110は、炭素繊維111を利用することにより、高い熱伝導度と高い強度及び低い熱膨張挙動などの長所を有する。また、電気供給線113を介して炭素繊維111に電気が印加されれば、高温発熱し、これは、従来のニックロム線を用いた発熱体に比べて少ない消費電力だけでも素早く高温発熱を行うことができて電力消費を減らすことができる。また、それのみならず、所定の割合のガラス繊維112が編み込まれて高い引張強度を通じて炭素繊維111の破損を防止して安全性を向上させ、その表面は高い絶縁性を有するシリコン被覆体115により仕上げられて、炭素繊維111を流れる電気による電気事故を防止するなどの長所を有する。
【0025】
このように構成されて高温発熱する炭素繊維発熱体110は、その表面を被覆して仕上げたシリコン被覆体115が約250℃の融点を有するが、前記炭素繊維発熱体110が空気中において発熱時にはシリコン被覆体115の融点以上の温度で発熱してシリコン被覆体115が溶けて炭素繊維発熱体110が破損されたり、漏電及び火災など事故の危険性が高いため、前記炭素繊維発熱体110は水中に投入して、循環する溝と持続的に熱交換することにより、100℃〜150℃の温度を維持してシリコン被覆体115が溶融されることを防止することが好ましい。
【0026】
さらに、前記シリコン被覆体115は、防水性に優れているため、炭素繊維111及び接続固定体114の内部に水が浸透することを防止して、漏電などの電気事故が発生することを効果的に防止する。
【0027】
図2は、本発明による加熱装置の一実施形態であり、ボイラーを示す図である。図3は、本発明による加熱装置の一実施形態であり、温水器を示す図である。
【0028】
前記図1に示すように、水中に投入して使用する炭素繊維発熱体110は、温水を使用するボイラー120及び温水器130の加熱装置に好適に適用可能であるが、本発明による炭素繊維発熱体110を用いたボイラー120及び温水器130をそれぞれ説明する。
【0029】
先ず、図2に示すように、本発明によるボイラー120は、通常、温水タンク121の内部に冷水が流入されれば、加熱装置により所定の温度以上の温水に加熱され、このような温水は配管ライン122に沿って循環しながら床面などを暖房したり、給水ライン123を介して洗面台などに温水を給水するが、このとき、前記ボイラー120の加熱装置を炭素繊維発熱体110から構成することにより、炭素繊維発熱体110を用いたボイラー120を形成することになる。
【0030】
すなわち、炭素繊維発熱体110を温水タンク121の一方の側の内部に配備し、両端部を温水タンク121の外部に配備し、温水タンク121内の温度センサー125を感知しながら電気供給線113に連結されて電気を供給する制御部124が形成されることにより、ボイラー120を構成することになる。
【0031】
このとき、前記温水タンク121の内部に配設される炭素繊維発熱体110が単純に拡開された直線状に配備される場合、その発熱面積が小さく、高温を維持するように発熱するのに多大の電力が消頼されて温水タンク121内の水を全体的に高温で熱交換するのに無理があるため、約2mm〜5mmの適切な間隔をあけてコイル状に巻回して形成したり、本体などの内部芯材にコイル状に巻回して形成することにより、隣の炭素繊維発熱体110の発熱面積を広げて、低電力でも高温発熱すると同時に熱伝導率を向上させて、短時間に効率的に温水を製造することになる。
【0032】
上記のように炭素繊維発熱体110を折り曲げたり巻回しても、ガラス繊維112が高い引張強度を維持することにより、炭素繊維111が途切れたり破損されることを防止し、高い安全性を確保することになる。
【0033】
これを通じて、水が入れられた温水タンク121内の水の温度を温度センサー124を通じて制御部124が感知すると、前記制御部124は温水タンク121内の水が所定の温度以上になるように電気供給線113に電気を供給して炭素繊維発熱体110を発熱させる。このように発熱する炭素繊維発熱体110は、温水タンク121内の冷水と熱交換されて、約100℃〜150℃の温水が配管ライン122に沿って循環したり給水ライン123を介して給水される。また、このような温水の温度は、制御部124を介して電気供給線113に供給される電気を調節して炭素繊維発熱体110の発熱温度を調節する方法により容易に制御することが可能になる。
【0034】
以上のように構成されたボイラー120は、その楕成が簡単であり、小型化可能であり、製作し易く、メンテナンスを安価で簡単に行うことができるだけではなく、少ない消費電力だけでも素早く高温発熱をして電力消費を減らすことができる。また、その表面がシリコン被覆体115により仕上げられて、各種の電気事故の危険が低くて安定的であり、衛生的であるため、直接的に水と接しても安全であり、これを通じて高い熱伝導率を有する。
【0035】
次に、図3は、本発明による加熱装置の一実施形態であり、温水器を示す図である。この図に示すように、本発明の温水器130は、通常、冷水供給管132により食水が温水タンク131の内部に流入すれば、加熱装置により所定の温度以上の温水に加熱され、このような温水は温水給水管133を介して給水されて温水を供給することになる。このとき、前記温水器130の加熱装置を炭素繊維発熱体110から構成することにより、炭素繊椎発熱体110を用いた温水器130を形成することになる。
【0036】
すなわち、前記炭素繊維発熱体110を用いたボイラー120と同様に、炭素繊維発熱体110を温水タンク131の一方の側の内部に配備し、両端部を温水タンク131の外部に配備し、温水タンク131内の温度センサー135を感知しながら、電気供給線113に連結されて電気を供給する制御部134が形成されることにより、温水器130を構成することになる。
【0037】
そして、同様に、前記温水タンク131の内部に配設される炭素繊維発熱体110は、約2mm〜5mmの間隔をあけてコイル状に巻回して形成したり、棒体などの内部芯材にコイル状に巻回して形成することにより、隣の炭素繊維発熱体110の発熱面積を広げて、低電力でも高温発熱すると同時に熱伝導率を向上させて、短時間に効率的に温水を製造することになる。
【0038】
これを通じて、冷水供給管132を介して温水タンク131の内部に供給される食水の温度を温度センサー135を通じて制御部134が感知すると、前記制御部134は温水タンク131内の食水が所定の温度以上になるように電気供給線113に電気を供給して炭素繊維発熱体110を発熱することになる。このように発熱する炭素繊維発熱体110は、温水タンク131内の食水と熱交換されて、約40℃〜100℃の飲用可能な温度を有する食水が温水供給管133を介して給水される。このような温水の温度は、制御部134を介して電気供給線113に供給される電気を調節して炭素繊維発熱体110の発熱温度を調節する方法により容易に制御することが可能になる。
【0039】
上記のように構成された温水器130もまたその構成が簡単であり、小型化可能であり、製作し易く、メンテナンスを安価に行うことができるだけではなく、少ない消費電力だけでも素早く高温発熱をして電力消費を減らすことができる。また、その表面がシリコン被覆体115により仕上げられて、各種の電気事故の危険性が低くて安定的であり、衛生的であるため、食水と直接的に接しても汚染がなく安全であり、これを通じて高い熱伝導率を有する。
【0040】
上述した本発明による炭素繊維発熱体110は、炭素繊維112が低電力でも短時間に高温発熱し、所定の割合にて編み込まれたガラス繊維112を通じて炭素繊維発熱体110が全体的に高い引張強度を有して、張力が加えられても途切れたり破墳されないように安全性を確保し、柔軟性を有し、シリコン被覆体115により仕上げて、水中において安全であり、衛生的に使用することが可能になる。
【0041】
そして、このような炭素繊維発熱体110をボイラー120と温水器130の加熱装置に適用することにより、高い熱伝導率を有して温水の供給を短時間に行い、その構成を簡素化及び小型化させ、メンテナンスを容易にし、電力消費を減らし、安定的であり、且つ、衛生的に使用可能である。
【0042】
また、上記のようにボイラー120や温水器130の各温水タンク121、131の内部に配設される炭素繊維発熱体110は石英ガラス管やステンレス鋼管または銅管など管内部に挿着することにより、水との直接的な接触を防止して安定性をさらに向上させ、柔軟な炭素繊維発熱体110の固定を一層容易にすることもできる。
【0043】
図4は、本発明の他の実施形態による炭素繊維発熱体の製造工程図である。
【0044】
図4に示すように、本発明による炭素繊維発熱体は、特定の工程により製造するものであり、先ず、複数本を撚り合わせて引張力を補強した炭素繊維201をポリエステル繊維202と一緒にアルミニウム棒203に一定の間隔をあけて巻回する。
【0045】
この後、前記炭素繊維201が巻回されたアルミニウム棒203を加熱室204において1500℃〜2000℃の温度に加熱してポリエステル繊維202が溶けながら炭素繊維201が弾性力を有するように複数本を一体化させる。
【0046】
また、前記撚り合わせて引張力を補強した炭素繊維201の両端にニッケル線を圧着して一体化させて電源供給用接続端子205にする。
【0047】
前記炭素繊維201を石英パイプ206に内蔵しながら真空の内部にLPGガスおよび水素を充填する間に両端を封止させながら接続端子205だけを露出させて炭素繊維発熱体210を製造するように構成する。
【0048】
上記のようにして製造された本発明の炭素繊維発熱体210は、複数本を撚り合わせて引張力を補強した炭素繊維201をポリエステル繊維202と一緒にアルミニウム棒203に一定の間隔をあけて巻回してコイルの形状を維持する。
【0049】
前記炭素繊維201が巻回されたアルミニウム棒203を加熱室204において1500℃〜2000℃の温度に加熱してポリエステル繊維202が溶けながら複数本の炭素繊維201が一体化されて弾性力を有する炭素繊維201を形成する。
【0050】
そして、前記撚り合わせて引張力を補強した炭素繊維201の両端に拡開されたニッケル線に嵌め込まれるようにした状態で圧着して一体化させて電源供給用接続端子205を形成する。
【0051】
前記炭素繊維201を石英パイプ206に内蔵しながら真空の内部にLPGガスおよび水素を充填する間に両端を封止させながら接続端子205だけ露出させて接続端子205を介して電源を供給すると、炭素ヒーター210の炭素繊維201に流れる電流により発熱しながら石英パイプ206の内部に充填されたLPGと水素ガスが少量ずつ燃焼する間に多量の熱と光を発生すると同時に陰イオンと遠赤外線を放出するようにする。
【0052】
図5は、図4の他の実施形態による炭素繊維発熱体を用いた、ヒートランプを示す断面図である。
【0053】
前記炭素繊維発熱体210を反射板212の前面に配設しながら両側の接続端子205に電源線213を接続した状態で電源供給部214を介して460V、10Aの電源が印加される間に加熱装置であるヒートランプ211が発熱するように構成することにより、少ない電力で高い発熱量が得られるように設けられた室内の空間を発熱できるようにし、炭素繊維201が内蔵された炭素繊維発熱体210が発熱するとき、快適な室内環境を維持する間に陰イオンと遠赤外線を放出することにより人体と動物及び作物に有益になるように構成したものである。
【0054】
前記炭素繊維発熱体210を用いた加熱装置は、室内の炭素を燃焼させないため、快適な室内を維持することができ、炭素繊維発熱体210が発熱するときに陰イオンと遠赤外線が多量放出されるため、作物と動物の成長に卓越した効果があり、経由を使用して室内を暖房するときに比べて70%〜80%の燃料費しかかからず、燃料費を節減することが可能になる。
【0055】
図6は、図4の他の実施形態による炭素繊維発熱体を用いた、温風器を示す断面図である。
【0056】
前記炭素繊維発熱体210を加熱室222に縦に多数配設しながら両側の接続端子205に電源線223を接続した状態で電源供給部224を介して460V、10Aの電源が並列に印加される間に発熱するようにする。
【0057】
また、前記炭素繊維発熱体210が配設された加熱室222の一方の側のファン225が駆動するに伴い、引込口226を介して流入される空気が暖められて吐出口227を介して室内の温度を高めるように温風器221を構成することにより、少ない電力で高い発熱量が得られるように設けられた室内の空間を発熱できるようにし、炭素繊維201が内蔵された炭素繊維発熱体210が発熱するとき、快適な室内環境を維持する間に陰イオンと遠赤外線を放出することにより、人体と動物及び作物に有益になるように構成する。
【0058】
前記炭素繊維発熱体210を用いた加熱装置の温風器221は、室内の炭素を燃焼させないため、快適な室内を維持することができ、炭素繊維発熱体210が発熱するときに陰イオンと遠赤外線が多量放出されるため作物と動物の成長に卓越した効果があり、経由を使用して室内を暖房するときに比べて70%〜80%の燃料費しかかからず、燃料費を節減することが可能になる。
【0059】
図7は、本発明による加熱装置の他の実施形態であり、ヒートパイプを示す図である。
【0060】
前記炭素繊維発熱体210をステンレス鋼蛇腹やPEパイプまたはXLパイプ232の内部に一定の間隔をあけて配設し、前記炭素繊維発熱体210の接続端子205に電源線233を接続した状態で電源供給部234を介して460V、10Aずつの電源が印加される間に加熱装置であるヒートパイプ231が発熱するように構成して暖房のための空間の床面に配設して空間を暖めるようにするか、あるいは、地下に埋設して地熱暖房ができるようにすることにより、少ない電力で高い発熱量が得られるように設けられた室内の空間を発熱できるようにし、炭素繊維201が内蔵された炭素繊維発熱体210が発熱するとき、快適な室内環境を維持する間に陰イオンと遠赤外線を放出することにより人体と動物及び作物に有益になるように構成したものである。
【0061】
前記炭素繊維発熱体210を用いた加熱装置は、室内の炭素を燃焼させないため、快適な室内を維持することができ、炭素繊維発熱体210が発熱するときに陰イオンと遠赤外線が多量放出されるため、作物と動物の成長、特に、根作物の成長に卓越した効果があり、経由を使用して室内を暖房するときに比べて70%〜80%の燃料費しかかからず、燃料費を節減することが可能になる。
【0062】
図8は、本発明による加熱装置の他の実施形態であり、ナノ炭素ボイラーを示す図である。
【0063】
図8に示すように、前記炭素繊維発熱体210を加熱室242に縦に多数配設しながら両側の接続端子205に電源線243を接続した状態で、電源供給部244を介して460V、10Aの電源が並列に印加される間に発熱するようにする。
【0064】
このため、前記炭素繊維発熱体210が配設された加熱室242の外部に熱交換管245を配列して一方の側の引込口246を介して流入された暖房用水が温められた後に吐出口247を介して図示しない暖房先を循環するようにする。
【0065】
前記加熱室242の上段には温水交換室248を配列して温められた温水を使用できるようにナノ炭素ボイラー241を構成することにより、少ない電力で高い発熱量が得られるように設けられた室内の空間を発熱できると同時に、温水を使用できるようにし、炭素繊維201が内蔵された炭素繊維発熱体210が発熱するとき、快適な室内環境を維持する問に陰イオンと遠赤外線を放出することにより、人体と動物及び作物に有益になるように構成したものである。
【0066】
前記炭素繊維発熱体210を用いた加熱装置は室内の炭素を燃焼させないため、快適な室内を維持することができ、炭素繊維発熱体210が発熱するときに陰イオンと遠赤外線が多量放出されるため、作物と動物の成長に卓越した効果があり、経由を使用して室内を暖房するときに比べて70%〜80%の燃料費しかかからず、燃料費を節減することが可能になる。
【0067】
図9は、本発明のさらに他の実施形態による炭素繊維発熱体の斜視図であり、図10は、図9の断面図である。
【0068】
本発明の熱交換用炭素繊維発熱体310は、図9及び図10に示すように、大きく、水が流れる水路管311と、前記水路管311に巻回される炭素繊維発熱線312及びその外部を仕上げる耐熱被覆層316を備える。
【0069】
前記水路管310は、アルミニウムまたは銅のように熱伝導率が高い金属を内部が貫通されて水が流れる管状に形成され、その外側面に沿っては所定の間隔をあけて螺旋状に巻回される炭素繊維発熱線312が密設される。
【0070】
前記水路管311に巻回される炭素繊維発熱線312は、炭素繊維313とガラス繊維314を編み込み、これを無機質耐熱セラミック接着剤315により結束してなる。
【0071】
前記炭素繊維発熱線312に電気が印加されれば、高温発熱する炭素繊維313を2本以上の束に編み込んで所定の長さを有するように形成し、このとき、前記炭素繊維313束の形成時に同じ長さを有するガラス繊維314を所定の割合にて編み込む。
【0072】
上記のように炭素繊維313にガラス繊維314が編み込まれることにより、炭素繊維313の両側に張力が加えられたり、一方の側が折れ曲がるなど外力が加えられるとき、ガラス繊維314が張力及び折れ曲がりに対応する高い引張強度を有して炭素繊維313を支持することになる。この後、水路管311の外側に折れ曲がるように巻回されるか、あるいは、各種の外力が加えられても炭素繊維313の破損を防止し、高い安全性を確保することになる。
【0073】
かかる炭素繊維313とガラス繊維314との編み込みは、炭素繊維60%〜95%にガラス繊維40%〜5%の割合にて行うことにより、炭素繊維313が高い割合にて編み込まれて発熱量及び熱効率を高めることができる。また、ガラス繊維314が高い割合にて編み込まれて高い引張強度及び安全性を確保するなど、その使用用途及び発熱量に応じて種々に調節して製造可能である。
【0074】
ところが、前記炭素繊維313は、高い熱伝導度と高い強度及び低い熱膨張挙動など多くのメリットを有するが、高温における酸化安定性の問題により使用上の制約を受けている。
【0075】
すなわち、炭素繊維は、材料の製造方法や内部原子配列により違いがあるが、普通500℃以上の温度において酸化が始まり、比較的に低温領域においては炭素の反応性が小さくて炭素が炭素の気孔間に深く浸透し、拡散が起こって内部が全体的に酸化され、高温領域においては炭素の反応性よりも炭素の反応性の方が高くなって炭素が内部に拡散できず、炭素材の表面に存在する酸化膜から炭素を供給されながら表面から拡散が発生し、その途中の領域においては2種類の反応が両方とも起こり、このような酸化反応が進むに伴い、炭素の表面に気孔が形成され、内部に拡散していきながら酸化が進むことになる。
【0076】
このように高温発熱時に炭素により炭素繊維313の酸化が素早く進むため、炭素繊維313を長時間使用することができず寿命が短くなり、発熱量が下がるなどその効率性か低下するが、このような酸化を防止すると同時に一定の形状に固定するためには炭素繊維313とガラス繊維314が編み込まれた束の外面に無機質耐熱セラミック接着剤315を塗布して一体に結束して、炭素と反応を起こさずに酸化を防止し、一定の形状に維持する。
【0077】
前記無機質耐熱セラミック接着剤315は、酸化抵抗性を有する化合物を低い温度において溶融させてこの化合物が炭素繊維313及びガラス繊維314内の炭素の通路となる個所を満たしたり、あるいは、閉塞する形で存在するようにすると同時に、炭素繊維313とガラス繊維314の束を一体に結束するものであり、二酸化ケイ素(SiO2)とジルコニア(ZrO2)及びセラミックの成分を有する無機質耐熱セラミック接着剤315を炭素繊維313及びガラス繊維314の束に0.3mm〜0.5mmの厚さに塗布して乾燥することにより、炭素繊維313の酸化を防止すると同時に、二酸化ケイ素とジルコニア及びセラミック成分により約1、700℃においても耐え得る耐熱性を有し、環境汚染物質の排出がなく、結束して一体に固定する。
【0078】
そして、上記のように、ガラス繊維314と一緒に無機質耐熱セラミック接着剤315により結束された炭素繊維313の束の各両端には電気を供給する金属材質の連結端子(図示せず)に連結して、炭素繊維発熱線312を形成する。このような炭素繊維発熱線312は、炭素繊維313を利用することにより、高い熱伝導度と高い強度及び低い熱膨張挙動などの長所を有している。連結端子を介して炭素繊維313に電気が印加されれば、高温発熱し、これは従来のニックロム線を用いた発熱体に比べて少ない消費電力だけでも素早く高温発熱を行うことができ、電力消費を減らすことができる。また、それだけではなく、所定の割合のガラス繊維314が編み込まれて、高い引張強度を通じての炭素繊維313の破損を防止して安全性を向上させ、無機質耐熱セラミック接着剤315がその外側に塗布されて一体に結束されて炭素繊維313の酸化作用を防止して、その寿命を延長する。
【0079】
このように形成された炭素繊維発熱線312は水路管311の外側に螺旋状に巻回され、その外部には断熱効果を有して高温においても変形されないガラス繊維またはインシュレーション材質の耐熱被覆材から形成された耐熱被覆層316により被覆して仕上げることにより、本発明による熱交換用炭素繊維発熱体310を構成することになる。
【0080】
このとき、前記炭素繊維発熱線312は炭素繊維313の発熱時に隣り合う多数の炭素繊維313同士が熱分解を引き起こして短時間にさらに高温発熱するため高い熱効率を有し、このため、水路管311に約2mm〜20mmの適切な間隔を有する螺旋状に巻回されることが好ましい。
【0081】
以上のような棉造を有する本発明による熱交換用炭素繊維発熱体310は、炭素繊維発熱線312が低電力を印加しても高温発熱する炭素繊維313を用いて高い熱伝導度と高い強度及び低い熱膨張挙動などの長所を有し、従来のニックロム線を用いた発熱体に比べて少ない消費電力だけでも素早く高温発熱をすることができ、電力消費を減らすことができる。
【0082】
これらに加えて、所定の割合のガラス繊維314が編み込まれて、高い引張強度を通じての炭素繊維313の破損を防止して安全性を向上させ、その表面には無機質耐熱セラミック接着剤315が塗布されて一体に結束されることにより、炭素との接触及びこれを通じての酸化作用を防止してその寿命を延ばすことができる。
【0083】
また、断線、漏電、感電、過熱などの電気事故を防止して安定性を向上させ、このような炭素繊維発熱線312が水路管311に密着して巻回されることにより、水路管311の内部を流れる水に直接的に熱を伝達して、高い熱交換効率を有し、短時間に高温水を生産することが可能になる。
【0084】
そして、前記耐熱被覆層316を通じて、炭素繊維313から発生する熱が外部に抜け出ることを防いで熱効率をさらに向上させるだけではなく、高い電気絶縁性を有して、断線、漏電、感電、過熱などの電気事故を防止して安定性を向上させ、作業者が熱交換用炭素繊維発熱体310の取り扱いを一層安全で且つ容易にするようにする。
【0085】
上記の構造を有する熱交換用炭素繊維発熱体310は、電気ボイラー301に適用して高温水を効果的に生産することにより、低電力高効率の電気ボイラー301を構成することができる。
【0086】
図11は、本発明による加熱装置のさらに他の実施形態であり、電気ボイラーを示す図である。
【0087】
図11に示すように、通常のボイラーの形態に内部が空いており、ガラス繊維断熱層320を備えた外部ケース330の内部に前記熱交換用炭素繊維発熱体310を備える。前記熱交換用炭素繊維発熱体310の水路管311の両端部にはそれぞれ外部から水路管311の内部に冷水を流入させる冷水流入口310a及び熱交換用炭素繊維発熱体310の内部を通過しながら加熱される高温水を外部に排出する温水排出口310bをそれぞれ連結し、熱交換用炭素繊維発熱体310の水路管311の内部の水を冷水流入口310a及び温水排出口310bを介して循環し続ける循環パンプ310cを連結して、冷水流入口310aを介して流入される冷水を水路管311の内部を通過させて温水排出口310bに排出する。
【0088】
さらに、前記熱交換用炭素繊維発熱体310の炭素繊維313が連結された連結端子は、外部ケース330の一方の側に配設された電源供給部340に連結されて、前記電源供給部340により供給される電気が炭素繊維313に印加されながら前記炭素繊維313は高温発熱することになり、このような電源供給部340は印加される電気量を調節して炭素繊椎313の発熱温度を調節したり、タイマーなどを通じて電気ボイラー301の稼働状態及び稼働時間を容易に調節できるようにする。
【0089】
また、このような電気ボイラー301の外部ケース330の内側面にはガラス繊維断熱層320を備えることにより、熱交換用炭素繊維発熱体310の外部に熱が抜け出ることを防止して、電気ボイラー301の熱効率をさらに向上させる。
【0090】
このように構成された電気ボイラー301は、循環パンプ310cにより外部から流入される冷水が冷水流入口310aを介して熱交換用炭素繊維発熱体310の水路管311の内部に流入されれば、電源供給部340を介して電気が印加されて高温発熱する炭素繊維313が水路管311の内部を移動する冷水を加熱しながら熱交換が行われる。このため、高温水を生産することになり、このようにして加熱された高温水は温水排出口310bを介して熱交換用炭素繊維発熱体310の外部に排出されながら暖房などに容易に使用可能になる。
【0091】
そして、上記のように外部ケース330の内部に配設される熱交換用炭素繊維発熱体310はコイル状に多数回巻回されて形成されることにより、熱交換用炭素繊維発熱体310の単位長さを長く形成して、その内部の水路管311を通過する冷水を暖房に必要とされる温度以上の高温水に十分に加熱できるようにする。
【0092】
このような電気ボイラー301の外部ケース330の内部に配設される熱交換用炭素繊維発熱体310は、直接的に挿入されて使用される方法の他に、アルミニウムパイプや銅パイプなどの高い耐食性及び強度を有するパイプ管の内部に挿入して使用することができるが、これを通じて、熱交換用炭素繊維発熱体310を保護して使用を一層安全にし、使用期間を増やすことが可能になる。
【0093】
以上のように構成された電気ボイラー301は、熱交換用炭素繊維発熱体310を利用するため、少ない消費電力だけでも素早く高温発熱を行うことができて電力消費を減らすことができ、各種の電気事故の危険性が低くて安定的であり、ガラス繊維断熱層320が備えられて熱効率が高いだけではなく、その構造を簡素化および小型化できて、様々な方面に容易に適用可能である。
【0094】
以上、本発明の好適な実施形態を図示及び説明したが、本発明は上述した実施形態に何等限定されるものではなく、当該本発明が属する技術分野において通常の知識を持った者であれば、誰でも複合的に様々な変形及び実施が可能であることはもちろんであり、そのような変更は記載された特許請求の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0095】
110 炭素繊維発熱体
111 炭素繊維
112 ガラス繊維
113 電気供給線
114 接続固定体
115 シリコン被覆体
120 ボイラー
130 温水器
121,131 温水タンク
122 配管ライン
123 給水ライン
132 冷水供給管
133 温水供給管
124,134 制御部
125,135 温度センサー
201 炭素繊維
202 ポリエステル繊維
203 アルミニウム棒
204 加熱室
205 接続端子
206 石英パイプ
210 炭素繊維発熱体
211 ヒートランプ
221 温風器
231 ヒートパイプ
241 ナノ炭素ボイラー
301 電気ボイラー
310 炭素繊維発熱体
311 水路管
312 炭素繊維発熱線
313 炭素繊維
314 ガラス繊維
315 無機質耐熱セラミック接着剤
316 耐熱被覆層
310a 冷水流入口
310b 温水排出口
310c 循環パンプ
320 ガラス繊維断熱層
330 外部ケース
340 電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本以上の炭素繊維とガラス繊維とを所定の割合にて編み込んでなる発熱繊維と、
前記発熱繊維の両端に設けられて電気供給線から電気を印加する接続端子と、
前記発熱繊維及び前記接続端子の表面を被覆する被覆手段と、
を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体。
【請求項2】
前記被覆手段は、前記発熱繊維及び前記接続端子の表面に密設されるシリコン被覆体であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項3】
前記発熱繊維は、前記炭素繊維60%〜95%と前記ガラス繊維40%〜5%とを編み込んで得られることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項4】
前記発熱繊維は、前記炭素繊維及びガラス繊維と一緒に少なくとも1本以上のポリエステル繊維をさらに編み込んでなることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項5】
前記発熱繊維をアルミニウム棒に一定の間隔をあけて巻回し、加熱室において1500℃〜2000℃の温度に加熱して、複数本が一体に結束されて螺旋状を呈するように形成することを特徴とする、請求項4に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項6】
前記接続端子は、前記発熱繊維の両端にニッケル線を圧着して一体に形成することを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項7】
前記被覆手段は、真空状態の内部空間にLPGガスおよび水素を充填し、前記発熱繊維を内蔵しながら前記接続端子の一部だけを両端に露出されるように封止する石英パイプであることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項8】
前記石英パイプの背面に配設されて熱を反射する反射板と、
前記石英パイプの両側の前記接続端子に連結される電源線と、
前記電源線を介して前記炭素繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項9】
ステンレス鋼蛇腹、PEパイプまたはXLパイプから形成され、その内部に一定の間隔をあけて多数の前記石英パイプを一列に配置するヒートパイプと、
前記ヒートパイプの内部に配設された前記石英パイプの両側の前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、
前記電源線を介して前記炭素繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項10】
内部に水が流れる水路管をさらに備え、前記発熱繊維は、前記水路管の外周面に沿って2mm〜20mm間隔の螺旋状に巻回され、前記被覆手段は、前記水路管及び前記発熱繊維を被覆する耐熱被覆層からなることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項11】
前記発熱繊維は、前記炭素繊椎とガラス繊維とを所定の割合にて編み込んでなる束の外面に二酸化ケイ素とジルコニア及びセラミック成分を有する無機質耐熱セラミック接着剤を0.3mm〜0.5mmの厚さに塗布し、且つ一体に結束してなることを特徴とする、請求項10に記載の炭素繊維発熱体。
【請求項12】
温水タンクの内部に流入された水を温水に加熱する加熱装置において、
前記温水タンクの内部に配設されて内部に流入された水を加熱するための前記請求項2に記載の炭素繊維発熱体と、
前記温水タンクの内部において加熱された水を外部に給水する給水ラインと、
前記温水タンクの内部において加熱された水を循環させる配管ラインと、
前記温水タンク内部の温水温度を感知する温度センサーと、
前記温度センサーにおいて感知された前記温水タンクの温水の温度に応じて前記電気供給線の電気供給状態を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【請求項13】
前記温水タンクの内部に食水を流入させる冷水供給管と、
前記温水タンクの内部において加熱された温水を給水する温水給水管と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【請求項14】
前記炭素繊維発熱体は、前記温水タンクの内部において概ね2mm〜5mmの間隔を維持するように垂直方向のコイル状に巻回してなることを特徴とする、請求項12に記載の炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【請求項15】
その内部に空間部が形成され、一方の側に空気を流入させる引込口が形成され、他方の側に加熱された空気を吐出する吐出口が形成された加熱室と、
前記引込口の近傍に形成されて外部空気を前記加熱室の内部に強制的に吸入するファンと、
前記加熱室の内部に縦方向に並ぶように多数配設される前記請求項7に記載の炭素繊維発熱体と、
前記炭素繊維発熱体の両側に形成された前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、
前記電源線を介して前記発熱繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、
を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【請求項16】
その内部に空間部が形成され、一方の側に水を流入させる引込口が形成され、他方の側に加熱された温水を吐出する吐出口が形成された熱交換管と、
前記熱交換管の内部空間に形成される加熱室と、
前記加熱室の内部に縦方向に並ぶように多数配設される前記請求項7に記載の炭素繊維発熱体と、
前記炭素繊維発熱体の両側の前記接続端子に連結するが、多数の前記石英パイプを並列連結する電源線と、
前記電源線を介して前記発熱繊維を加熱するための電源を供給する電源供給部と、
前記加熱室の上段に形成されてその内部に貯留された温水を温める温水交換室と、
を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。
【請求項17】
内側面にはガラス繊維断熱層を備え、その内部に空間部が形成された外部ケースと、
前記外部ケースの内部に配設される前記請求項10に記載の炭素繊維発熱体と、
前記炭素繊維発熱体の一方の端部に形成されて前記水路管内に冷水を流入させる冷水流入口と、
前記炭素繊維発熱体の他方の端部に形成されて前記水路管内を通過しながら加熱された温水を外部に排出する温水排出口と、
前記水路管内部の水を前記冷水流入口と前記温水排出口を介して循環させる循環パンプと、
前記炭素繊維発熱体の両端部に連結されて電気を供給する電源供給部と、
を備えることを特徴とする、炭素繊維発熱体を用いた加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−262912(P2010−262912A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238538(P2009−238538)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(509286743)エコ カーボン エネルギ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】