説明

無脊椎動物用の餌料およびその製造方法ならびに有機イオン性物質の流出防止方法

【課題】無脊椎動物の餌料となるプランクトンなどの微小生物の保存性を向上させ、なおかつ、水に再懸濁させた際に水溶性成分の流出を抑えることができる無脊椎動物用餌料の製造方法、有機イオン性物質の流出防止方法、無脊椎動物用餌料およびマガキまたはムール貝用餌料を提供する。
【解決手段】無脊椎動物の餌料となる使用可能な5 μm乃至 500 μmの大きさの微小生物を高分子水溶液に懸濁させ、その高分子水溶液を多価陽イオン溶液中に噴出させることにより固化させる。高分子水溶液はアルギン酸塩水溶液から成る。微小生物にはアレキサンドリウム・タマレンセ、アレキサンドリウム・カテネラ、アレキサンドリム・タミヤバニッチなどの麻痺性貝毒原因プランクトンを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水棲動物、特に海水に生息するマガキ、ムール貝等の二枚貝のための餌料に適した無脊椎動物用の餌料およびその製造方法ならびに有機イオン性物質の流出防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仙台湾における麻痺性貝毒は平成5年以降頻繁に発生し、各種二枚貝で出荷規制が行われている。マガキは生産時期と重なり、特に平成15年は71日間 (石巻湾西部・荻浜湾海域)、平成16年は57日間 (石巻湾中央部海域) の長期にわたったことから、出荷規制による損害は2億円規模と推定される。現在、官民一体となって検査・監視体制を構築し、貝毒発生時には貝類の出荷を規制しているが、それ以上の対策がないのが現状である。
【0003】
麻痺性貝毒については、天然で得られるサンプルでは、毒化量のバラツキが大きく、また、貝毒発生時期が限定されるということから、その解毒技術開発は進んでいない。
【0004】
毒化量をコントロールしたサンプルを調製するために、人工的に貝類を毒化させる試みもなされており、毒液に浸漬する、毒液を直接貝に注入するなどの操作では、毒化しない、ということが分かっている。
【0005】
現在、人工的に貝類に毒化を行うための有効な手段は、麻痺性貝毒原因プランクトンを貝類に摂取させる、という方法である。この方法では、貝類の毒化を行うことができるが、天然の毒化した貝と比較して毒化量が極めて少ないという問題がある。また、ここで用いる貝毒原因プランクトンは一般的な珪藻と比べて、増殖速度が約3分の1程度であることから、大量にプランクトンを要する本方法では、効率も悪く、大量に培養したプランクトンの保存方法も考慮する必要がある。
【0006】
ところで、従来、微細藻類の懸濁された親水性高分子水溶液をそのゲル化用水溶液と接触させて包括カプセル化し、カプセル中の藻類を光照射下で増殖させて得られる魚貝類養殖用飼料が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開昭59−063146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の魚貝類養殖用飼料は、平均粒径が500 μmと大きく、麻痺性貝毒の研究用サンプルとしては適さなかった。
また、従来、プランクトン等の保存方法としては、真空乾燥処理、真空凍結乾燥処理が試みられている。しかし、乾燥によって粉末状になり保存性が向上するものの、水に再懸濁させた際にプランクトン内の水溶性成分が急速に流出してしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、無脊椎動物の餌料となるプランクトンなどの微小生物の保存性を向上させ、なおかつ、水に再懸濁させた際に水溶性成分の流出を抑えることができる無脊椎動物用餌料の製造方法、有機イオン性物質の流出防止方法、無脊椎動物用餌料およびマガキまたはムール貝用餌料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は鋭意検討した結果、微小生物のプランクトンを懸濁した高分子を多価陽イオン溶液中で固化することで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の無脊椎動物用餌料の製造方法、有機イオン性物質の流出防止方法、無脊椎動物用餌料およびマガキまたはムール貝用餌料である。
(1)無脊椎動物の餌料となる微小生物を高分子水溶液に懸濁させ、その高分子水溶液を固化させることを特徴とする無脊椎動物用餌料の製造方法。
無脊椎動物の餌料となる微小生物としては、プランクトンおよびベントスが好ましい。プランクトンおよびベントスのサイズとしては、小さいものとしては特に制限はないが、20 nm 〜 500 μmが好ましい。さらに好ましくは1 μm 〜 200 μm、最も好ましくは20 μm 〜 50 μmである。500 μm以上では大きすぎて二枚貝が摂食できない。
本発明において、前記高分子水溶液を前記多価陽イオン溶液中で固化させた後、凍結してもよい。本発明に係る無脊椎動物用餌料の製造方法により製造された無脊椎動物用餌料は、凍結融解に対する耐性を備え、長期保存に適する。
【0012】
(2)前記高分子水溶液はイオン性高分子水溶液から成ることを特徴とする(1)記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
(3)前記高分子水溶液は多糖類水溶液から成ることを特徴とする(1)記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。この場合の高分子は、多糖類である。
【0013】
(4)前記高分子水溶液はアルギン酸塩水溶液から成ることを特徴とする(2)記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【0014】
(5)前記高分子水溶液の濃度が0.01質量%〜10質量%である(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【0015】
(6)前記多価陽イオンが2価以上の多価アルカリ金属塩、Ca、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr等金属の水溶性塩化物である(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【0016】
(7)前記多価陽イオン溶液の濃度が、0.01質量%〜30質量%である(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
(8)微小生物を含有するイオン性高分子水溶液を固化させて成る無脊椎動物用餌料の製造方法であって、前記微小生物が有機イオン性物質を含有することを特徴とする無脊椎動物用餌料の製造方法。イオン性高分子で固化させることにより有機イオン性物質が流出するのを防止することができる。本明細書において、有機イオン性物質とは、貝毒原因プランクトンが有する貝毒成分である。貝毒には麻痺性貝毒、下痢性貝毒があり、下痢性貝毒は脂溶性であるため、有機イオン性物質には含まれない。麻痺性貝毒としては、例えばサキシトキシン、ゴニオトキシン1〜4、デカルバモイルゴニオトキシン1〜4、デオキシデカルバモイルゴニオトキシン2〜3、ネオサキシトキシン、デカルバモイルネオサキシトキシン、デカルバモイルサキシトキシン、デオキシデカルバモイルサキシトキシン、C1、C2、C3、C4等のサキシトキシン類縁体等が含まれる。貝毒成分以外では、栄養成分等が有機イオン性物質に含まれる。
【0017】
(9)前記微小生物は麻痺性貝毒を含有することを特徴とする(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。前記微小生物は麻痺性貝毒原因プランクトンから成っていてもよい。麻痺性貝毒原因プランクトンとしては、アレキサンドリウム・タマレンセ(Alexandrium.tamarense)、アレキサンドリウム・カテネラ(Alexandrium.catanella)、アレキサンドリム・タミヤバニッチ(Alexandrium.tamiyavanichii)などを用いることができる。
【0018】
(10)前記高分子水溶液を前記多価陽イオン溶液中に噴出させることにより固化させることを特徴とする(1)項乃至(9)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。噴出方法としては、スプレー噴射のほか、マイクロチャンネルまたは毛細管から微少量(カプセル当量)を断続的に噴出する方法であってもよい。微小生物、特に、植物プランクトンを懸濁させた高分子塩水溶液を多価陽イオン溶液に噴出することにより、凍結融解に対する耐性を備え、長期保存に適する人工餌料の生産が可能となる。前記高分子水溶液を多価陽イオン溶液中で固化させた後、凍結してもよい。
【0019】
(11)有機イオン性物質を含む微小生物をイオン性高分子水溶液で固化させることを特徴とする有機イオン性物質の流出防止方法。
イオン性高分子で固化させることにより有機イオン性物質が流出するのを防止することができる。
(12)無脊椎動物の餌料となる微小生物が多価陽イオンおよび高分子から成るゲルで固定されて成ることを特徴とする無脊椎動物用餌料。微小生物、多価陽イオンおよび高分子には、前述のものを用いることができる。
【0020】
(13)高分子が多糖類である(12)項記載の無脊椎動物用餌料。
【0021】
(14)前記多糖類が、アルギン酸塩類である(12)項および(13)項に記載の無脊椎動物用餌料。多糖類がアルギン酸塩類である無脊椎動物用餌料(プランクトン含有アルギン酸カプセル)は、凍結融解に対する耐性を備え、長期保存に適する。
【0022】
(15)前記高分子水溶液の濃度が0.01質量%〜10質量%である(12)項乃至(14)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料。
【0023】
(16)前記多価陽イオンが2価以上の多価アルカリ金属塩、Ca、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr等金属の水溶性塩化物である(12)項乃至(15)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料。
【0024】
(17)前記多価陽イオン溶液の濃度が、0.01質量%〜30質量%である(12)項乃至(16)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料。
【0025】
(18)前記微小生物は麻痺性貝毒原因プランクトンから成ることを特徴とする(12)項乃至(17)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料。麻痺性貝毒原因プランクトンとしては、アレキサンドリウム・タマレンセ(Alexandrium.tamarense)、アレキサンドリウム・カテネラ(Alexandrium.catanella)、アレキサンドリム・タミヤバニッチ(Alexandrium.tamiyavanichii)などを用いることができる。
【0026】
(19)大きさが5 μm〜500 μmであることを特徴とする(12)項乃至(18)項のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料。この大きさは濾過摂食生物にとっては摂食可能な大きさであるためである。
【0027】
(20)マガキまたはムール貝の餌料となる微小生物が多価陽イオンおよび高分子から成るゲルで固定されて成ることを特徴とするマガキまたはムール貝用餌料。微小生物、多価陽イオンおよび高分子には、前述のものを用いることができる。
【0028】
本発明に係る無脊椎動物用餌料の製造方法および無脊椎動物用餌料は、水棲動物、特に、海水に生息するマガキ、ムール貝等の二枚貝のための餌料に適している。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、無脊椎動物の餌料となるプランクトンなどの微小生物の保存性を向上させ、なおかつ、水に再懸濁させた際に水溶性成分の流出を抑えることができる無脊椎動物用餌料の製造方法、有機イオン性物質の流出防止方法、無脊椎動物用餌料およびマガキまたはムール貝用餌料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明者等は、高分子と多価陽イオンとでプランクトンを固定させることがプランクトン内の水溶性成分の保持として極めて有効であることを見出したのである。本発明の無脊椎動物用餌料の調製方法においては、プランクトンを高分子に懸濁させた後、固化させる工程を含む。
【0031】
固化させる工程としては、高分子溶液を空気中で噴出させ液滴を多価陽イオン溶液中に落として固化させることができる。高分子溶液の粘度としては、100 cP 〜 5000 cPのものを用いることができる。好ましくは500 〜 600 cPである。粘度が高いと液滴状に噴出させることができないためである。
【0032】
本発明の高分子としては、含水状態で固化できるものであれば特に制限はない。例えば、アルギン酸塩類、ポリビニルアルコール、キトサン、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることができる。その中でも、アルギン酸ナトリウムが操作性の観点から、本発明の高分子として最も好適に使用することができる。
【0033】
高分子溶液の濃度は、0.01質量%〜10質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜3質量%の濃度範囲に調製する。0.01質量%未満では、プランクトンを十分に固定することができず、また、10質量%を超えるものでは、急速に固化が進み、対象である二枚貝が摂取することが困難となる。
【0034】
また、本発明の多価陽イオン溶液としては、多価の金属イオンを含むものであれば特に制限はないが、Ca塩が好ましい。このうち、塩化カルシウムが操作性の観点から、本発明の多価陽イオンとして好適に使用することができる。
【0035】
多価陽イオン溶液の濃度は、0.1質量%〜15質量%であるのが好ましく、より好ましくは、1質量%〜5質量%の濃度範囲に調製する。0.1質量%未満では、プランクトンを十分に固定することができず、また、15質量%を超えるものでは急速に固化が進み、対象である二枚貝が摂取することが困難となる。
【実施例】
【0036】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、実施例は例示のために提示するものであって、どのようにも本発明を限定することを意図するものではない。
【0037】
[実施例1]
人工餌料の作製:培養で増殖させた麻痺性貝毒原因プランクトンAlexandrium tamarense NG12a株1,130万細胞を20μmナイロンメッシュろ過および遠心分離で回収した。これを50mLの1%(w/v)アルギン酸ナトリウム水溶液(20℃,1%(w/v)における粘度:500〜600cP, 和光純薬工業製)にマグネチックスターラー等で十分混合して懸濁させ、口径470μmの市販スプレーを用いて硬化剤5質量%塩化カルシウム水溶液中に噴射し、30分間静置・固化させ、貝毒原因プランクトン包含マイクロカプセルを作製した。固化したマイクロカプセルを、150μmナイロンメッシュと20μmナイロンメッシュを用いて分画し、マガキが摂食可能な粒径30〜150μmのカプセルを得た。得られたカプセルは光学顕微鏡下で観察し、原因プランクトン包含の有無を確認しつつ粒径を計測した。
【0038】
[実施例2]
人工餌料の水溶性成分保存性試験:人工餌料を−20℃で凍結保存し、解凍した後、ローテーターで回転・転倒させて、ろ過海水中に24時間懸濁させた。複数回、凍結保存・解凍処理を行った場合の影響をみるため、同様の凍結・解凍操作を4回繰り返した試験区を設定した。対照として、生のA.tamarenseを1回凍結・解凍し、カプセル同様に24時間懸濁させた区を設定した。試験は各区3連で実施した。
麻痺性貝毒成分の分析は、遠心分離で人工餌料を回収した後、超音波ホモジナイザーでカプセルを破砕し、0.5N酢酸で毒成分を抽出後、蛍光高速液体クロマトグラフィー(蛍光HPLC)で行った。蛍光HPLCはA.tamarense NG12a株の主成分であるゴニオトキシン(GTX)のみ行った。NG12a株の毒組成はC1,2:0.7質量%、GTX1,4:80.8質量%、GTX2,3:12.9質量%、neoSTX+STX:5.6質量%である。
【0039】
人工餌料は1回凍結・解凍した後、24時間海水中に懸濁させても62質量%の毒成分が保持された。また、4回凍結・解凍を繰り返し、24時間海水中に懸濁させたものは24.5質量%と保持率が低下した。生のプランクトンを凍結保存し、同様に海水中に1回懸濁させたものは、ほとんど毒成分を保持できなかった(0.4質量%)。このことから、アルギン酸カプセルは包含された貝毒原因プランクトンに凍結融解耐性を付加し、解凍後、海水中に懸濁させても毒成分を保持できると考えられた。なお、蛍光HPLCで検出された麻痺性貝毒成分は生のA.tamarenseの凍結保存開始時点のみ、NG12a株の主成分GTX1,4と微量のGTX2,3が検出されたが、他はGTX1,4のみであった。
[実施例3]
【0040】
二枚貝への給餌毒化試験:石巻湾産マガキ(1年子)を個体別に3リットル容器に収容し、各個体1日につき96,000細胞のA.tamarense NG12a株を含むアルギン酸カプセルを給餌した。給餌は1日1回で4日間行い、換水は給餌前に1日1回行った。また、同様に無給餌の試験区を設定した。試験は2連で行った。試験期間中の水温は8℃に維持した。5日後にマガキを取り上げサンプルとした。
給餌量から毒量は微量になると予想されたので、毒分析用サンプルとして、取り上げたマガキの中腸腺を摘出した。分析用サンプルは等量の0.1N酢酸で毒成分を抽出し、固相抽出用カートリッジカラム(商品名:Oasisカラム)を通した後、限外ろ過(分子量10,000カット)をして毒成分を粗精製し、蛍光HPLCで分析した。
【0041】
蛍光HPLCクロマトグラムで、供試した石巻湾産マガキの中腸腺から天然の毒化と考えられる微量のGTX4が検出されたが、試験開始時と比較して、無給餌区はGTX4を示すピークが低下するのに対し、人工餌料給餌区はピークの上昇が認められた。カプセルに含まれるA.tamarense NG12a株の毒組成はC1,2:0.7質量%、GTX1,4:80.8質量%、GTX2,3:12.9質量%、neoSTX+STX:5.6質量%であり、GTX1,4を主成分としている。このことから、GTX4のピークの上昇はカプセルを給餌したことによるものと考えられた。人工餌料によるマガキの毒化が確認できた。
【0042】
以上の実施例に示すとおり、保存性は高いが実用には不向きであった従来の処理法と異なり、水溶性成分の流出もほとんどなく、さらに凍結保存も可能な無脊椎動物用の人工餌料の作製に成功した。また、これは、貝毒解毒技術の開発に有効な人工毒化のための餌料としても用いることが可能である。従って、従来保存が難しいとされているプランクトンの保存も可能な方法を提供することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
無脊椎動物の餌料となる微小生物を高分子水溶液に懸濁させ、その高分子水溶液を固化させることを特徴とする無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項2】
前記高分子水溶液はイオン性高分子水溶液から成ることを特徴とする請求項1記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項3】
前記高分子水溶液はアルギン酸塩水溶液から成ることを特徴とする請求項2記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項4】
前記高分子水溶液を多価陽イオン溶液により固化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項5】
前記高分子水溶液を多価陽イオン溶液中で固化させた後、凍結することを特徴とする請求項4記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項6】
微小生物を含有するイオン性高分子水溶液を固化させて成る無脊椎動物用餌料の製造方法であって、前記微小生物が有機イオン性物質を含有することを特徴とする無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項7】
前記微小生物は麻痺性貝毒を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の無脊椎動物用餌料の製造方法。
【請求項8】
有機イオン性物質を含む微小生物をイオン性高分子水溶液で固化させることを特徴とする有機イオン性物質の流出防止方法。
【請求項9】
無脊椎動物の餌料となる微小生物が多価陽イオンおよび高分子から成るゲルで固定されて成ることを特徴とする無脊椎動物用餌料。
【請求項10】
マガキまたはムール貝の餌料となる微小生物が多価陽イオンおよび高分子から成るゲルで固定されて成ることを特徴とするマガキまたはムール貝用餌料。

【公開番号】特開2007−116982(P2007−116982A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313307(P2005−313307)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(591074736)宮城県 (60)
【Fターム(参考)】