説明

照明器具のセード取付構造およびこれを用いた照明器具

【課題】器具本体にセードが取り付けられた状態で、セードの移動を規制することで、意図しない時に器具本体からセードが外れないように構成した照明器具のセード取付構造およびこれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】器具本体2に設けられた受具24に、セード3に設けられたフレーム31を載置させて、器具本体2にセード3を取り付ける照明器具1のセード取付構造であって、受具24に設けられ、フレーム31が載置された状態で、フレーム31の水平方向の移動を規制する引掛部25と、器具本体2に受具24に対して相対移動可能に取り付けられ、フレーム31の鉛直方向の移動を規制する規制位置P1と、フレーム31の鉛直方向の移動を許容する非規制位置P2とに切り替えられる係止部26・26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具のセード取付構造およびこれを用いた照明器具に関し、より詳細には、器具本体に設けられた載置部に、セードに設けられた被載置部が載置されることで、該器具本体に該セードが取り付けられる照明器具のセード取付構造およびこれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具のセード取付構造に関する技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載のとおりである。
特許文献1には、天井面に対向して固定的に保持される器具本体の両側に側方へ突出する載置部を設け、光源を囲繞するセード(カバー)の両側に前記載置部に載置される被載置部を設け、前記器具本体と前記セードとに、前記載置部と前記被載置部との接合時に前記セードの水平方向の動きを制限して前記載置部からの前記被載置部の外れを阻止する引掛部を設け、前記照明器具本体の両側に前記セードに弾発的に接合してそのセードに下向きの力を付与する弾性可撓部材の一端を取付けたことを特徴とする照明器具のセード支持構造が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される構造によれば、弾性可撓部材によりセードの振動を抑えて脱落事故を防止することができ、また、弾性可撓部材を上方へ撓ませつつセードを上方へ押すことにより引掛部の係合を解除してセードの取り外しおよび取付けを簡単に行うことができる。すなわち、弾性可撓部材を上方へ撓ませつつセードを押し上げると載置部から被載置部が離れ、引掛部も引掛部の上方へ退避し、この状態でセードを一側に寄せてから下方へ下げることにより、寄せた側の支持金具からセードの一側を外すことができ、同じ操作をセードの他側において行うことによりセードの他側を器具本体から外すことができる。また、セードの取付けは上述した操作の逆の動作により行うことができる。
【特許文献1】実開昭57−101407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている構造では、例えば、セードを器具本体に取り付ける際に、一側を取り付けた後、何かの拍子でセードを持っている手を離してしまった場合、セードが一側の接合部を支点として回動し、その反動で弾性可撓部材を上方へ押し上げてしまうことで、器具本体からセードが外れてしまう場合があった。器具本体にセードが取り付けられている状態であっても、地震等の振動でセードの一側が外れ、さらに、セードの他側も外れて、器具本体からセードが外れてしまう場合があった。
【0005】
本発明は以上の状況に鑑み、器具本体にセードが取り付けられた状態で、セードの移動を規制することで、意図しない時に器具本体からセードが外れないように構成した照明器具のセード取付構造およびこれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
すなわち、請求項1においては、
器具本体に設けられた載置部に、セードに設けられた被載置部を載置させて、該器具本体に該セードを取り付ける照明器具のセード取付構造であって、
前記載置部に設けられ、前記被載置部が載置された状態で、該被載置部の水平方向の移動を規制する引掛部と、
前記器具本体に前記載置部に対して相対移動可能に取り付けられ、平面視で前記載置部に載置された状態の前記被載置部の上方で重なって、前記被載置部の鉛直方向の移動を規制する規制位置と、前記平面視で前記載置部に載置された状態の被載置部と重ならないように待避されて、前記被載置部の鉛直方向の移動を許容する非規制位置とに切り替えられる係止部と、
を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、
前記係止部は、前記器具本体に水平方向に回動可能に設けられるものである。
【0009】
請求項3においては、
前記載置部と前記係止部との上下方向の間隔が、前記被載置部の高さ寸法よりも大きいものである。
【0010】
請求項4においては、
前記載置部は、上端が前記器具本体の下面に接続され、上下方向中途部に水平方向に開口された切欠部が設けられた垂直部を有し、
前記係止部は、前記規制位置にて前記切欠部に係合した状態で停止されるものである。
【0011】
請求項5においては、
前記載置部および前記係止部は、器具本体の対辺の縁部にそれぞれ少なくとも一箇所に設けられるものである。
【0012】
請求項6においては、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の照明器具のセード取付構造を備えてなるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、器具本体に設けられた載置部に、セードに設けられた被載置部が載置された状態で、引掛部により被載置部の水平方向の移動が規制されるとともに、係止部が非規制位置から規制位置に切り替えられることで、係止部により被載置部の鉛直方向の移動が規制され、セードの水平方向および鉛直方向の移動を確実に規制することができ、意図しない時に器具本体からセードが外れることがない。
【0015】
請求項2においては、係止部の規制位置と非規制位置との切り替えが、係止部を回動操作するだけででき、取扱性を向上できる。
【0016】
請求項3においては、係止部が、載置部に載置されている被載置部よりも上方に位置して、被載置部によって係止部の規制位置と非規制位置との切り替えが遮断されないので、規制位置と非規制位置との切り替えを円滑にできる。
【0017】
請求項4においては、係止部が規制位置にて切欠部に係合した状態で停止されることにより、係止部の規制位置の位置決めが容易となり、誤操作を防止することができる。
【0018】
請求項5においては、セードが器具本体の対辺にて、載置部および係止部を介して取り付けられることで、簡易な構成で器具本体にセードを確実に取り付けることができる。
【0019】
請求項6においては、器具本体とセードとがセード取付構造により取り付けられることにより、器具本体にセードを確実に取り付けることができ、意図しない時に器具本体からセードが外れないように構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0021】
本実施例に係るセード取付構造を備える照明器具1は、図1および図2に示すようにワイヤー9・9・9・9により天井等につり下げられ、若しくは天井に直接取り付けられて使用されるものであり、器具本体2と、セード3とを具備してなる。照明器具1は、セード取付構造を構成する載置部である受具24・24・24・24と、被載置部であるフレーム31・31とを備えており、器具本体2に設けられた受具24・24・24・24に、セード3に設けられたフレーム31・31が載置されて、器具本体2にセード3が取り付けられる。なお、本実施例においては、照明器具1を天井につり下げた状態について説明する。
【0022】
セード3は、中央部に開口部を有する平面視ロ字状に形成され、上部が開放された箱型部材として構成されている。このセード3は、側壁等が半透過の素材により形成され、透過した光が側方および下方へ照射されるように構成されている。セード3の内側には、被載置部である棒状のフレーム31・31が内側面に横架されている。
フレーム31・31は、セード3の中心軸に対して線対称の位置であって、対向するセード3の二辺と平行に設けられ、上面がセード3の上面と略一致する高さに設けられている。後述するように、フレーム31は、器具本体2の縁部に対して略平行に配置され、器具本体2の側面から突出された受具24・24に載置される。
また、セード3の内側には、フレーム31・31と直交するように棒状のフレーム32・32が内側面に横架されている。フレーム32・32は、セード3の中心軸に対して線対称の位置であって、対向するセード3の二辺と平行に設けられ、上面がセード3の上面と略一致する高さに設けられており、フレーム31・31との交差部においてフレーム31・31に一体的に結合されている。フレーム32・32は、器具本体2の縁部に対して略平行に配置され、受具24・24および引掛部25・25の外側面に当接可能に設けられている。なお、フレーム32は、受具24または引掛部25または器具本体2の外側面に当接可能に構成されていればよく、例えば、フレーム32とフレーム31との交差部にだけ、受具24または引掛部25または器具本体2の外側面に当接する部材を設けてもよい。
【0023】
器具本体2は、図1および図2に示すように中央部に開口部を有する平面視ロ字状に形成されている板状の枠部材として構成されている。この器具本体2の上面の四隅近傍には、ワイヤー9・9・9・9が連結されており、器具本体2は、ワイヤー9・9・9・9によりケース4につり下げられる。ケース4には、図示せぬ点灯装置、接続器具等が収納されており、この接続器具等が天井に埋め込まれた図示せぬ電源と接続されている。また、器具本体2の下面の四辺には、ランプ22・22・22・22が差し込まれるソケット21・21・21・21が各辺に斜設されており、ソケット21・21・21・21は、図示せぬコードを介して前記点灯装置に接続されている。ランプ22・22・22・22は、ソケット21・21・21・21に差し込まれて、器具本体2に取り付けられたセード3の内部に配置される。
【0024】
器具本体2の対向する一対の辺(対辺)の縁部には、図2に示すようにセード取付構造を構成する取付ユニット23と、取付ユニット28とがそれぞれ設けられている。図2に示すように対辺にそれぞれ設けられた取付ユニット23・23と、取付ユニット28・28とは、器具本体2の中心軸に対して対称となるように設けられている。具体的には、取付ユニット23・23および取付ユニット28・28は、器具本体2の対辺に設けられるとともに、軸中心に対して対角線上に位置するようにして配置されている。なお、取付ユニット23・23、取付ユニット28・28は、それぞれ略同一形状となるように構成されるため、以下、特に断りのない限り、器具本体2の一辺に設けられた取付ユニット23、取付ユニット28の構成について説明する。
【0025】
取付ユニット23は、図3から図7に示すように載置部である受具24と、引掛部25と、係止部26等とで構成されており、取付ユニット28は、載置部である受具24と、引掛部25等とで構成されている。すなわち、本実施例のセード取付構造では、器具本体2の一辺に一組の取付ユニット23・28が設けられており、一方の取付ユニット23においてのみ係止部26が設けられ、他方の取付ユニット28には係止部26は設けられない。
【0026】
受具24は、側面視略クランク状に形成されており、垂直部24aと、上水平部24bと、下水平部24cとで構成されている。垂直部24aは、上端が器具本体2の縁部下面にネジ24d・24dにより固定された上水平部24bに接続されている。この垂直部24aの下端に下水平部24cの一端が接続され、下水平部24cは、垂直部24aとの接続部から器具本体2の外側に向けて略水平に突出されている。なお、垂直部24aには、後述するように規制位置P1にある係止部26が係合される切欠部27が形成されている(図3から図5参照)。
下水平部24cの上面には、上述したフレーム31が当接され、一つのフレーム31が二つの受具24(下水平部24c)の上面に載置されることで、器具本体2の一辺にセード3の一辺が係止される。また、下水平部24cの外側端部は、略90度上方に折り曲げられて引掛部25が形成されている。なお、引掛部25は、受具24(下水平部24c)の外側端部に別部材を取り付けて構成してもよい。
器具本体2に設けられた一組の受具24・24は、器具本体2の外側方向に向けて側辺に対して直交する方向に突出され、それぞれが略平行となるように取り付けられている、また、器具本体2において、対辺に取り付けられた一組の受具24・24は、それぞれが反対方向に向くようにして取り付けられている。
【0027】
係止部26は、側面視略クランク状に形成されており、垂直部26aと、上水平部26bと、下水平部26cとで構成されている。本実施例の係止部26は、受具24の上方に配置されて、器具本体2に受具24に対して相対移動可能に取り付けられており、係止部26が器具本体2(および受具24)に対して相対移動されることによって、上述した受具24の切欠部27に係脱されるように構成されている。
図5および図6に示すように、垂直部26aは、上端が器具本体2の縁部下面に、ネジ26dに水平方向に回動自在に固定された上水平部26bに接続されている。この垂直部26aの下端には下水平部26cの一端が接続され、下水平部26cは、垂直部26aとの接続部から器具本体2の外側に向けて略水平に突出されている。上水平部26bは、受具24の上水平部24bの固定位置より内方に取り付けられており、側面視で、係止部26の下水平部26cと受具24の下水平部24cとが、略平行となるように設けられるとともに、下水平部26cが下水平部24cより上方に位置するように配置されている。この下水平部26cと下水平部24cとの上下方向の離間は、受具24の下水平部24cにフレーム31が載置された状態で、フレーム31の高さ寸法(長さ)よりも大きくなるように形成されている。
また、下水平部26cの外側端部は、上方に略90度に折り曲げられて操作部29が形成されている。操作部29は、係止部26を水平方向に回動操作するための持ち手となる。操作部29は、外側端部に別部材を取り付けて構成してもよい。
【0028】
また、上述した受具24には、図3から図5に示すように、垂直部24aの上下方向中途部に水平方向に開口された切欠部27が形成されており、この切欠部27は、係止部26の下水平部26cと同一平面上に位置するように形成され、器具本体2の外側から内側に向かって水平方向に切り欠かれて略コ字状となるように側方に向けて開口されている。切欠部27の形状は、係止部26の断面形状と略一致し、係止部26が水平に回転移動されることによって、切欠部27に係脱されるように形成されている。具体的には、係止部26は、器具本体2の外側から内側に向けて回動されることによって、切欠部27に係合された状態で停止される。切欠部27の切欠幅(水平方向の長さ)は、係止部26の幅(短手方向の長さ)と略一致し、切欠厚(垂直方向の長さ)は、係止部26の厚さ(上下高さ)より若干大きくなるように形成されている。
【0029】
ここで、本実施例の係止部26は、器具本体2に対して水平方向に相対回動されることで、平面視で受具24(下水平部24c)に当接した状態のフレーム31と重なる位置まで移動されて、フレーム31の鉛直方向の移動を規制する規制位置P1と、フレーム31と重ならない位置まで待避されてフレーム31の鉛直方向の移動を規制しない(許容する)非規制位置P2とに切り替え可能とされている(図2および図6参照)。
すなわち、係止部26は、水平方向に回動操作されることによって、切欠部27に挿入され、その側面が切欠部27の側面に当接された状態(規制位置P1にある状態)で停止される。かかる状態にある係止部26は、器具本体2に対する受具24の突出方向と同一方向であって、その器具本体2からの突出長さが略同じになるように突出されて、受具24の上方を覆うようにして停止されている。このとき、受具24にフレーム31が載置された状態では、係止部26が平面視でフレーム31の上方で重なる位置で停止され、フレーム31は、受具24と係止部26とによって上下方向を囲繞されて鉛直方向の移動が規制される。
一方、係止部26は、規制位置P1にある状態から水平方向(図6に示す矢印方向)に回動操作されることで、切欠部27より脱出され、器具本体2に対する受具24の突出方向に略垂直に直交する方向に突出した状態(非規制位置P2にある状態)で停止される。かかる状態にある係止部26は、受具24に対してその上方を覆うことなく側方に待避されており、このとき、受具24にフレーム31が載置された状態では、フレーム31は、係止部26によって鉛直方向の移動が規制されることなく、受具24に対して上方に移動可能となって、受具24より取り外すことができる。また、受具24にフレーム31が載置されない状態では、フレーム31を上下方向に移動させて受具24に載置させることができる。
【0030】
本実施例のセード3の取付構造においては、次のようにして器具本体2にセード3が着脱される。
【0031】
セード3を器具本体2に取り付ける場合は、まず、器具本体2の両側に設けられた取付ユニット23の係止部26を、操作部29を持って水平方向に回動させて、非規制位置P2まで待避させておく(図6および図7参照)。
かかる状態で、器具本体2の下方からセード3の一側を持ち上げて、一方のフレーム31を、器具本体2の一側に設けられた取付ユニット23・28の受具24・24の下水平部24cに上方より載置させて、器具本体2にセード3の一側を取り付ける(図8参照)。それぞれの受具24の下水平部24cには引掛部25が設けられているため、この引掛部25によって、受具24に載置されたフレーム31は、器具本体2の外側方向への移動が規制される。また、一側のフレーム31の器具本体2の外側方向への移動が引掛部25によって規制されることにより、他側のフレーム31の器具本体2の内側方向への移動も規制されることになる。
そして、取付ユニット23・28のうち、一方の取付ユニット23において、操作部29を持って、係止部26を非規制位置P2に待避された状態から規制位置P1まで回動操作させる。これで、フレーム31は、引掛部25により水平方向の移動が規制され、かつ係止部26により鉛直方向の移動が規制される。このようにして、フレーム31は、受具24と、引掛部25と、係止部26とで囲繞される。したがって、器具本体2にセード3の一側が取り付けられた状態で、セード3を持っている手を離しても器具本体2からセード3が外れることはない。
次に、セード3を持ち上げて、他側のフレーム31を、受具24・24に設けられた引掛部25を外側から内側に向かって越えるようにして受具24・24に載置させる。そして、他側についても同様に上記の操作を行うことで、セード3を器具本体2に取り付けることができる。かかる状態においては、フレーム32の内側面に受具24および引掛部25の外側面が当接されることにより、セード3の水平方向(受具24の突出方向に直交する方向)の移動が規制されて、器具本体2に対するセード3の取付位置が保持される。
【0032】
一方、セード3を器具本体2から取り外す場合は、まず、器具本体2の一側に設けられた取付ユニット23の係止部26を、操作部29を持って水平方向に回動させて、規制位置P1から非規制位置P2まで待避させる(図6および図7参照)。
そして、セード3の一側を持ち上げて、一側のフレーム31を、受具24・24に設けられた引掛部25を内側から外側に向かって越えるようにして受具24・24から取り外す。セード3の他側は、器具本体2に取り付けられており、この状態でセード3を持っている手を離しても器具本体2からセード3が外れることはない。
そして、他側についても一側と同様に上記の操作を行えば、セード3を器具本体2から取り外すことができる。
【0033】
以上のように、本実施例の照明器具1のセード取付構造は、器具本体2に設けられた受具24に、セード3に設けられたフレーム31を載置させて、器具本体2にセード3を取り付ける照明器具1のセード取付構造であって、受具24に設けられ、フレーム31が載置された状態で、フレーム31の水平方向の移動を規制する引掛部25と、器具本体2に受具24に対して相対移動可能に取り付けられ、平面視で受具24に載置された状態のフレーム31・31の上方で重なって、フレーム31の鉛直方向の移動を規制する規制位置P1と、前記平面視で受具24に載置された状態のフレーム31と重ならないように待避されて、フレーム31の鉛直方向の移動を許容する非規制位置P2とに切り替えられる係止部26・26と、を備えるものである。
このような構成とすることで、器具本体2に設けられた載置部24に、セード3に設けられたフレーム31が載置された状態で、引掛部25によりフレーム31の水平方向の移動が規制されるとともに、係止部26が非規制位置P2から規制位置P1に切り替えられることで、係止部26によりフレーム31の鉛直方向の移動が規制され、セード3の水平方向および鉛直方向の移動を確実に規制することができ、意図しない時に器具本体2からセード3が外れることがない。
【0034】
特に、本実施例では、係止部26・26は、器具本体2に水平方向に回動可能に設けられるため、係止部26・26の規制位置P1と非規制位置P2との切り替えが、係止部26・26を回動操作するだけででき、取扱性を向上できる。
【0035】
また、受具24と係止部26との上下方向の間隔が、フレーム31の高さ寸法よりも大きいため、係止部26が受具24に載置されているフレーム31よりも上方に位置することになるため、係止部26が、受具24に載置されているフレーム31よりも上方に位置して、フレーム31によって係止部26の規制位置P1と非規制位置P2との切り替えが遮断されないので、規制位置P1と非規制位置P2との切り替えを円滑にできる。
【0036】
また、受具24は、上端が器具本体2の下面に接続され、上下方向中途部に水平方向に開口された切欠部27が設けられた垂直部24aを有し、係止部26は、規制位置P1にて切欠部27に係合した状態で停止されるため、係止部26が規制位置P1にて切欠部27に係合した状態で停止されることにより、係止部26の規制位置P1の位置決めが容易となり、誤操作を防止することができる。
【0037】
また、受具24および係止部26は、器具本体2の対辺の縁部にそれぞれ少なくとも一箇所に設けられるため、セード3が器具本体2の対辺にて、受具24および係止部26を介して取り付けられることで、簡易な構成で器具本体2にセード3を確実に取り付けることができる。
【0038】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように変更してもよい。
すなわち、本発明に係るセード取付構造を備える照明器具1は、天井等につり下げられ、若しくは天井に直接取り付けられて使用されるものに限定するものではない。
【0039】
また、器具本体2およびセード3は、平面視ロ字状に形成されているものであるが、器具本体2およびセード3は、このような矩形のものに限定するものではなく、多角形であっても、円形であっても実施可能である。
【0040】
また、被載置部としてのフレーム31は、横架された棒状のフレーム31としているが、棒状部分の長さは、受具24の載置幅(下水平部24cの幅)を確保していればよい。例えば、被載置部は、略コ字状の治具とし、この治具の両端を受具24の位置でセード3に固定するようにしてもよい。
【0041】
また、係止部26は、器具本体2に水平方向に回動可能に設けられていることによるものであるが、規制位置P1と非規制位置P2とに切り替えることができればよい。例えば、係止部26を器具本体2の縁部に摺動させる等して突出可能に設けて、係止部26が器具本体2の縁部から外側に突出することで規制位置P1に位置し、係止部26が内側に位置することで非規制位置P2に位置するように構成してもよい。
【0042】
また、取付ユニット23・28は、器具本体2の対辺のそれぞれ両端に配置するようにしているが、取付ユニット23・28の配置や個数等は、これに限定するものではない。例えば、各辺の中央付近等に取付ユニット23もしくは取付ユニット28をさらに配置することもできる。また、取付ユニット28・28は、いずれも係止具26を備える取付ユニット23とし、フレーム31・31の鉛直移動を四箇所で規制するようにすることもできる。これらにより、セード3を器具本体2により確実に取り付けることができる。ただし、本実施例で示したように、取付ユニット23は、器具本体2の対辺の縁部にそれぞれ少なくとも一箇所に設けられればよい。
【0043】
また、係止部26の器具本体2からの突出長さは、受具24の突出長さと略同じでなくてもよい。
例えば、図9(a)に示すように係止部26の突出長さが受具24の突出長さよりも短い場合には、少なくとも、係止部26の下水平部26cの先端部と、受具24の下水平部24cの先端部との離間La1が、フレーム31の高さ方向長さL2および幅方向長さL3以内となるように形成される。
また、図9(b)に示すように係止部26の突出長さが受具24の突出長さよりも長く、係止部26が引掛部25の上方に位置する場合は、少なくとも、引掛部25の上端と係止部26の下水平部26cの下面との離間Lb1が、フレーム31の高さ方向長さL2および幅方向長さL3以内となるように形成される。
また、図9(c)に示すように係止部26の突出長さが受具24の突出長さよりも短く、係止部26が引掛部25の上方に位置する場合は、少なくとも、引掛部25の上端部内側と係止部26の下水平部26cの先端部下側との離間Lc1が、フレーム31の高さ方向長さL2および幅方向長さL3以内となるように形成される。
このような構成とすることで、フレーム31が受具24より係脱することがなく、係止部26によってフレーム31の垂直方向の移動をより確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】照明器具1を示した側面図。
【図2】照明器具1を示した平面図。
【図3】取付ユニット23を示した側方斜視図。
【図4】取付ユニット23を示した下方斜視図。
【図5】規制位置P1に位置する係止部26を示した側面図。
【図6】規制位置P1に位置する係止部26を示した平面図。
【図7】非規制位置P2に位置する係止部26を示した側面図。
【図8】器具本体2の一側にセード3の一側を取り付けた状態を示した側面図。
【図9】係止部26の器具本体2からの突出長さと受具24の突出長さとの関係を示した側面図。
【符号の説明】
【0045】
1 照明器具
2 器具本体
3 セード
24 受具(載置部)
24a 垂直部
24c 水平部
25 引掛部
26 係止部
27 切欠部
31 フレーム(被載置部)
P1 規制位置
P2 非規制位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体に設けられた載置部に、セードに設けられた被載置部を載置させて、該器具本体に該セードを取り付ける照明器具のセード取付構造であって、
前記載置部に設けられ、前記被載置部が載置された状態で、該被載置部の水平方向の移動を規制する引掛部と、
前記器具本体に前記載置部に対して相対移動可能に取り付けられ、平面視で前記載置部に載置された状態の前記被載置部の上方で重なって、前記被載置部の鉛直方向の移動を規制する規制位置と、前記平面視で前記載置部に載置された状態の被載置部と重ならないように待避されて、前記被載置部の鉛直方向の移動を許容する非規制位置とに切り替えられる係止部と、
を備えることを特徴とする照明器具のセード取付構造。
【請求項2】
前記係止部は、前記器具本体に水平方向に回動可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の照明器具のセード取付構造。
【請求項3】
前記載置部と前記係止部との上下方向の間隔が、前記被載置部の高さ寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明器具のセード取付構造。
【請求項4】
前記載置部は、上端が前記器具本体の下面に接続され、上下方向中途部に水平方向に開口された切欠部が設けられた垂直部を有し、
前記係止部は、前記規制位置にて前記切欠部に係合した状態で停止されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の照明器具のセード取付構造。
【請求項5】
前記載置部および前記係止部は、器具本体の対辺の縁部にそれぞれ少なくとも一箇所に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の照明器具のセード取付構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の照明器具のセード取付構造を備えてなることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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