照明器具取付用ばね部材及び照明器具
【課題】器具取付面と器具本体との密着性の低下を防止して、器具取付面に対して固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材及び照明器具を提供する。
【解決手段】本発明は、照明器具の背面側に固定される固定部15aと、この固定部15aから延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面Cに当接される当接部15dとを具備する照明器具取付用ばね部材15である。この照明器具取付用ばね部材15は、照明器具本体1の背面側における中央部を中心として略放射状に複数配設されている。
【解決手段】本発明は、照明器具の背面側に固定される固定部15aと、この固定部15aから延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面Cに当接される当接部15dとを具備する照明器具取付用ばね部材15である。この照明器具取付用ばね部材15は、照明器具本体1の背面側における中央部を中心として略放射状に複数配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具取付用ばね部材及びこの照明器具取付用ばね部材が用いられた天井面等に設置されて使用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種、照明器具においては、天井面等の器具取付面に設置された引掛けシーリングボディにアダプタが電気的かつ機械的に接続され、このアダプタに光源としての蛍光ランプを有する器具本体が取付けられるようになっている。また、アダプタには電源コードが接続されており、電源コードの先端部に設けられたコネクタが器具本体側に連結されようになっている。さらに、器具本体の下面側全体を覆うように透光性のカバー部材(セード)が器具本体に着脱可能に設けられている。
【0003】
このような構成の器具本体の背面側には、天井面等の器具取付面と器具本体とを密着させる弾性部材(スポンジ製のパッキン)が設けられており、この弾性部材によって器具本体は、器具取付面に対して固定状態が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−6425号公報
【特許文献2】特開2002−33013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の照明器具において、長期間の使用により弾性部材が熱等によって経年劣化する可能性がある。この場合、例えば、ランプの交換や内部の掃除等のメンテナンスの場合に、カバー部材を回動して器具本体から取り外すが、このとき、弾性部材の劣化により器具本体と器具取付面との密着性が低下して固定状態が保持されず、カバー部材の回動とともに器具本体も回動してしまうという現象が生じる。
【0006】
このようにカバー部材の回動とともに器具本体も回動してしまうと、固定状態のアダプタに対し器具本体が回動することとなり、これらの間を接続している電源コードが捻れ、コネクタが外れて地絡が発生したり、電源コードの絶縁不良やコネクタの破損を招いたりする虞を生じる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、器具取付面と器具本体との密着性の低下を防止して、器具取付面に対して固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による照明器具取付用ばね部材は、照明器具の背面側に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、器具取付面に対して照明器具の固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を示す分解斜視図である。
【図3】同照明器具においてカバー部材及び点灯装置カバーを取外して下方から見て示す概略の平面図である。
【図4】同照明器具を示す背面図である。
【図5】同照明器具を示す断面図である。
【図6】図5中、点線で囲まれた範囲を示す拡大図である。
【図7】同照明器具における基板を示す平面図である。
【図8】同照明器具における照明器具取付用ばね部材を示す斜視図である。
【図9】同照明器具における照明器具取付用ばね部材を示しており(滑り止め部は省略している)、(a)は、平面図、(b)は、当接部の平面図、(c)は、側面図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を説明するための断面図である。
【図11】同照明器具においてカバー部材を回動して着脱操作する場合を示す説明図である。
【図12】同照明器具の天井面への取付完了状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す背面図である。
【図14】同照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【図15】照明器具取付用ばね部材の変形例を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する拡大図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する拡大図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る照明器具取付用ばね部材を示す斜視図である。
【図19】同照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【図20】同じく、照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図12を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している場合がある。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
【0013】
図1乃至図5において、照明器具は、器具本体1と、光源部2と、拡散部材3と、点灯装置4と、点灯装置カバー5と、取付部6と、カバー部材7とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0014】
図2乃至図6に示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述する取付部6を配設するための円形状の開口11が形成されている。また、光源部2が取付けられる内面側の平坦部12の外周側には、背面側に向かう段差部13が形成されて樋状の凹部14が形成されている。そして、前記段差部13には、カバー部材7が着脱可能に取付けられるカバー受部材が配置されている。カバー受部材は、より詳しくは、カバー受金具75であり、段差部13によって形成される凹部14に配置されるようになっている。
【0015】
図4乃至図6に示すように、本体1の背面側の4箇所には、照明器具取付用ばね部材15が設けられている。ばね部材15は、図8及び図9の参照を加えて示すように、ステンレス鋼等の金属製からなり、略長方形状の板ばねを折曲して形成されている。ばね部材15の一端側には、固定部15aが形成されており、この固定部15aは、図示上、水平方向に四角形状をなして延出している。また、この固定部15aには、ねじ貫通孔15bが形成されている。
【0016】
さらに、固定部15aから斜め上方に向かって延出部15cが形成されて、その先端側、つまり、他端側には、四角形状をなした当接部15dが形成されている。この当接部15dと延出部15cとがなす角度θは、約130度〜160度に設定するのが好ましく、本実施形態では、145度に設定されている(図9(c)参照)。このように角度を設定することにより、当接部15dを例えば、天井面Cに略平面的に当接することが可能となる。
【0017】
また、当接部15dには、滑り止め部15eとして直方体形状のスポンジが接着等によって設けられている。なお、滑り止め部15eとしては、シリコーンゴム等の他の部材を適用できる。また、例えば、当接部15dの部分に直接的に加工を施して滑り止め部15eを形成するようにしてもよい。
したがって、当接部15dは、天井面Cに間接的又は直接的に当接される部分を意味している。
【0018】
このように形成された照明器具取付用ばね部材15は、図4に示すように、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている。具体的には、ばね部材15の固定部15aが本体1に固定され、当接部15dが外周方向に向けられて、長手方向が略半径方向に沿って配置されている。なお、固定部15aの固定は、後述する点灯装置カバー5の本体1への取付けと同時にねじ貫通孔15bを貫通するねじによって行われている。
【0019】
図6に代表して示すように、本体1の背面側に配設されたばね部材15は、固定部15aを支点として前面側方向(図示矢印方向)にばね作用を伴って弾性変形可能となっている。
【0020】
光源部2は、図2及び図3、図5乃至図7に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている(図2においては発光素子22の図示を省略している)。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
【0021】
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
【0022】
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
【0023】
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、つまり、取付部6を中心とする略円周上に複数列、本実施形態では、内周側及び外周側の2列に亘って実装されている。また、LEDパケージには、発光色が昼白色Nのものと電球色Lのものとが用いられており、これらが交互に並べられていて、各列の隣接する発光素子22は略等間隔を空けて配設されている。この昼白色と電球色のLEDパッケージに流れる電流等を調整することにより調色が可能となっている。
【0024】
なお、特定の基板21a(図3中、右側、図7中、右上側)には、常夜灯用の発光素子22aが実装されている。この発光素子22aには、サークル状に実装された主光源における電球色のものと同じ仕様のLEDパッケージが用いられている。これにより部材の共通化が図られている。
【0025】
なお、発光素子22は、必ずしも複数列に実装する必要はない。例えば、周方向に沿って1列に実装するようにしてもよい。所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜設定することができる。
【0026】
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射できるようにするために蛍光体が混入されている。
【0027】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0028】
拡散部材3は、レンズ部材であり、図6に代表して示すように、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
【0029】
また、レンズ部材は、略サークル状の内周側部分と外周側部分とに発光素子22に対向して円周方向に2条の山形であって、断面形状が一定の突条部31が連続して形成されている。この突条部31の内側には、U字状の溝32が円周方向に沿って連続して形成されている。したがって、U字状の溝32は、複数の発光素子22と対向して配置されるようになっており、複数の発光素子22は、U字状の溝32内に収められて覆われている状態となっている。
さらに、これら突条部31からは幅方向に延出する平坦部33が形成されており、これにより基板21の全面が覆われるようになっている。
【0030】
このように構成されたレンズ部材によれば、複数の発光素子22から出射された光は、突条部31によって、主として円周上の内周方向及び外周方向に拡散されて放射される。すなわち、発光素子22から出射された光は、発光素子22が配置されたところのサークル状の中心を原点とする半径方向へ主として拡散して放射されるようになる。
【0031】
したがって、レンズ部材によって複数の発光素子22から出射される光による照射光の均斉度を向上することが可能となる。さらに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することができる。
また、拡散部材3には、平坦部33が形成されて基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が拡散部材3によって覆われ保護される。
【0032】
なお、拡散部材3は、略サークル状に一体的に形成されていなくてもよい。例えば、分割された基板21に対応して、これらの基板21ごとに分割して形成するようにしてもよい。この場合には、一つの基板21に実装された複数の発光素子22ごとに連続して拡散部材3によって覆われるようになる。
また、拡散部材3は、レンズ部材に限らず、拡散シート等を適用するようにしてもよい。
【0033】
上記のように構成された光源部2は、図5及び図6に代表して示すように、基板21が取付部6の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側の平坦部12に密着するように面接触して取付けられている。具体的には、基板21の前面側から拡散部材3が重ね合わされ、この拡散部材3を例えば、ねじS等の固定手段によって本体1に取付けることにより、基板21は、本体1と拡散部材3との間に挟み込まれて押圧固定されるようになっている。つまり、1本のねじSによって基板21と拡散部材3とが共締めされている。
【0034】
したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。なお、基板21と本体1との面接触は、基板21の全面が本体1に接触する場合に限らない。部分的な面接触であってもよい。
【0035】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に密着するように面接触しているので、基板21の実装面側から熱が拡散部材3に伝わり、拡散部材3を経由して放熱することが可能となる。つまり、基板21の前面側からも放熱できるようになっている。
【0036】
点灯装置4は、図2、図3及び図5に示すように、回路基板41と、この回路基板41に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品42とを備えている。回路基板41は、取付部6の周囲を囲むように略円弧状に形成されていて、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続されている。したがって、点灯装置4は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
このような点灯装置4は、取付部6と光源部2、すなわち、基板21との間に配設されている。
【0037】
点灯装置カバー5は、図2及び図5に示すように、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略短円筒状に形成され、点灯装置4を覆うように本体1に取付けられている。側壁51は、背面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、前面壁52には、取付部6と対応するように開口部53が形成されている。したがって、発光素子22から出射される一部の光は、側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。また、この開口部53に周縁には背面側へ凹となる円弧状のガイド凹部54が形成されている。
【0038】
取付部6は、略円筒状に形成されたアダプタガイドであり、このアダプタガイドの中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口61が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。アダプタガイドの外周部には、この外周部から突出するように基台が形成されていて、この基台には赤外線リモコン信号受信部や照度センサ等の電気的補助部品62が配設されている。
【0039】
なお、取付部6は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
【0040】
カバー部材7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には不透光性の円形状の化粧カバー71が取付けられている。また、この化粧カバー71には、前記電気的補助部品62と対向するように略三角形状の透光性を有する受光窓72が形成されている。さらに、カバー部材7の内面側の中央寄りには、内面方向に突出する突出ピン73が形成されている。
【0041】
そして、カバー部材7は、光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1の外周部の段差部13における凹部14に配設されたカバー受金具75に係合することにより取付けられる。また、カバー部材7を取外す場合には、カバー部材7を取付時とは反対方向に回動して、カバー取付金具74とカバー受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
【0042】
このようにカバー部材7が本体1に取付けられた状態においては、主として図5に示すように、カバー部材7の内面側は、点灯装置カバー5の前面壁52に面接触するようになる。したがって、点灯装置4等から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱を促進することが可能となる。
【0043】
ここで、カバー部材7は、回動させて本体1に取付けられるが、受光窓72の位置を電気的補助部品62と対向するように位置合わせをする必要がある。このため、本実施形態においては、詳細な説明は省略するが、カバー部材7側に形成された突出ピン73と点灯装置カバー5に形成されたガイド凹部54とによって位置規制手段が構成されている。この位置規制手段によって受光窓72が電気的補助部品62と対向して位置されるようになり、例えば、赤外線リモコン信号受信部が赤外線リモコン送信器からの制御信号を受信できるようになる。
【0044】
アダプタAは、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置4へ接続する電源コードが導出されていて、点灯装置4とコネクタを介して接続されるようになっている(図3参照)。
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について図10乃至図12を参照して説明する。
【0045】
まず、図10に示すように、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。この状態から取付部6としてのアダプタガイドの係合口61をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口61に確実に係合するまで器具本体1を照明器具取付用ばね部材15の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
【0046】
次いで、図11に示すように、カバー部材7を本体1に取付ける。これは、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1のカバー受金具75に係合することにより取付けられる。
【0047】
この取付完了状態が図12に示す状態であり、この状態においては、照明器具取付用ばね部材15が破線で示す状態から実線で示す状態に弾性変形して、当接部15dが滑り止め部15eを介して天井面Cに弾性的に当接している。そして、当接部15dは、天井面Cに略平面的に平行又は先端部が少しばかり鉛直方向に向かうように当接することが可能となる。したがって、照明器具本体1は、ばね部材15のばね作用によって天井面Cに確実に固定状態となる。
【0048】
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材7を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0049】
以上のような照明器具の天井面Cへの取付状態において、照明器具取付用ばね部材15は、熱等による経年劣化がほとんどなく、安定して照明器具本体1を天井面Cに固定状態に保持できる。したがって、例えば、カバー部材7を回動して器具本体1から取り外すとき、カバー部材7の回動とともに器具本体1も回動してしまうという現象を防止できる。
また、滑り止め部15eによって器具本体1の回動をその摩擦力で効果的に防止し得る。
【0050】
さらに、図6に代表して示すように、照明器具の取付状態においては、当接部15dと器具本体1の背面側とは、所定の離間寸法Lが保持されるようになっているので、例えば、光源部2から本体1へ伝導された熱が直接的に当接部15dに作用し、スポンジの滑り止め部15eが劣化するのを抑制することができる。
一方、照明器具取付用ばね部材15は、熱伝導性を有しているので、本体1からの熱が伝導され、放熱効果をもたらすことができる。
【0051】
さらにまた、ばね部材15は、放射状に複数配設されているので、本体1の取付状態における固定状態の安定性を確保し得る。加えて、ばね部材15の長手方向が略半径方向に沿って配置されているので、天井面Cと本体1との隙間からばね部材15を視認しにくくすることができ、外観上良好なものとすることができる。
【0052】
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置4に電力が供給されると、基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から出射された光は、複数の発光素子22を連続して覆う拡散部材3によって半径方向へ拡散されるとともに、前面側へ放射される。前面側へ放射された光は、カバー部材7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、照射光の均斉度の向上を図ることができるとともに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することが可能となる。
また、半径方向の内周側へ向かう一部の光は、点灯装置カバー5における傾斜状の側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。
【0053】
一方、発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が本体1と熱的に結合しているため、本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。また、基板21の外周側近傍には、基板21の外周に沿って段差部13が位置しているため、この段差部13によって放熱面積を増大させることができ、本体1外周部での放熱効果を高めることが可能となる。加えて、本体1から照明器具取付用ばね部材15への熱伝導によっても放熱効果を得ることができる。
【0054】
また、点灯装置4は、取付部6と基板21との間に配設されているため、点灯装置4は、基板21から熱的影響を受けるのを軽減される。これは、基板21の熱は、本体1の外周方向に向かって伝導し、放熱される傾向にあることに起因するものである。
【0055】
さらに、カバー部材7は、点灯装置カバー5に面接触するようになっているので、点灯装置4から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱をさせることができる。
【0056】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に面接触しているので、基板21の実装面側から拡散部材3を経由して前面側からも放熱することが可能となる。また、この場合、拡散部材3は、基板21の全面を覆うようになっているので充電部が保護されるようになる。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、器具取付面に対して器具本体1の固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材15及び照明器具を提供することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について図13及び図14を参照して説明する。図13は、器具本体1の背面図であり、図14は、照明器具取付用ばね部材15の配置例を示す平面図である。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0059】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、照明器具取付用ばね部材15は、器具本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されているが、ばね部材15の向きを変えて配設したものである。具体的には、ばね部材15は、取付部6を中心とする略同一円周上に配置されていて、固定部15aから延出される当接部15dの延出方向が、半径方向と略直交する方向に向けられている。つまり、ばね部材15の長手方向が半径方向と略直交する方向に向けられて配置されているものである。
しかも、当接部15dの延出方向が、前記透光性のカバー部材7の取付時の回動方向に向けられているものである。
【0060】
なお、複数のばね部材15は、略同一円周上に配置されていることが好ましいが、各ばね部材15が同一円周上からずれて配置されていてもよい。例えば、対向する一対のばね部材15ごと(本実施形態では、2組)に異なる円周上に配置するようにしてもよい。
【0061】
このような構成において、例えば、器具本体1にカバー部材7を取付ける場合、カバー部材7を図の矢印で示す方向に回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74が本体1に配設されたカバー受金具75に係合され回動が停止される。
【0062】
これにより係合が完了するが、係合が完了したにもかかわらず、さらに、不用意にカバー部材7を無理に回動させてしまう場合がある。このような場合、カバー部材7の回動とともに器具本体1が回動してしまう虞が生じる。
【0063】
しかしながら、本実施形態においては、当接部15dの延出方向が、半径方向と略直交する方向に向けられているため、本体1に回動方向の力が加わった場合、その固定状態を強固に保持することが期待できる。しかも、当接部15dの延出方向が、透光性のカバー部材7の取付時の回動方向に向けられているので、カバー部材7の取付時における不用意な回動方向の力が加わったときにも、本体1の固定状態を保持することが可能となる。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態の奏する効果に加え、器具本体1に回動方向の力が加わった場合に、その固定状態を強固に保持することが期待できる。
【0065】
なお、本実施形態において、図15に示すような照明器具取付用ばね部材152を適用することができる。図中、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一又は相当符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
ばね部材152は、共通の固定部152aを有していて、この固定部152aの両側から斜め上方に向かって延出部152cが形成されており、その先端側には、当接部152dが形成されている。つまり、固定部152aから延出して対称的に一対の当接部152dが形成されているものである。
【0067】
このような構成によれば、当接部152dの延出方向が、透光性のカバー部材7の取付時及び取外し時の双方の回動方向に向けられるので、カバー部材7の取付時及び取外し時における本体1の固定状態を強固に保持することが期待できる。
また、この照明器具取付用ばね部材152は、第1の実施形態を始めとして、以降の各実施形態において適用可能である。
次に、本発明の第3の実施形態について図16を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0068】
本実施形態では、照明器具取付用ばね部材15は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されているものであるが、当接部15dが内周方向に向けられて配置されたものである。
【0069】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様な効果を奏することができることに加え、照明器具の取付操作時において、器具本体1の中央部を下方から手で押し上げて取付け操作を行う場合、操作性が良好となる効果を奏する。また、ばね部材15は、光源部2から離反する方向に配設されるので、本体1から伝導された熱の放熱性を向上できる。
次に、本発明の第4の実施形態について図17を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0070】
本実施形態では、照明器具取付用ばね部材15を器具本体1の背面側であって、基板21と対応する部位に配設したものである。具体的には、ばね部材15の固定部15aが基板21の裏面側と対向する本体1にねじ止めによって固定されている。
【0071】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様な効果を奏することができることに加え、光源部2、すなわち、基板21からの熱を効果的にばね部材15に伝導させて放熱させることができる一方、滑り止め部15eは、固定部15aから延出した当接部15dに設けられているので、直接的に基板21から本体1へ伝導された熱の影響を受けることを防止でき、滑り止め部15eの劣化を抑制することが可能となる。
【0072】
次に、本発明の第5の実施形態について図18乃至図20を参照して説明する。図18は、照明器具取付用ばね部材151を示しており、図19及び図20は、照明器具本体1における背面側の平面図であり、照明器具取付用ばね部材151配置例を示している。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一又は相当符号を付し、重複した説明は省略する。
【0073】
本実施形態の照明器具取付用ばね部材151は、図18に示すように、ステンレス鋼等の金属製であり、略U字状をなしていて、両端部に固定部151aを有し、この固定部151aから延出し、U
字状の頂部に当接部151dを有している。したがって、固定部151aが器具本体1の背面側に固定され、当接部151dが天井面Cに当接されることによりばね作用により弾性変形するようになっている。なお、当接部151dには、適宜滑り止め部を設けることができる。
【0074】
図19に示すように、ばね部材151は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている。具体的には、当接部151dが外周方向に向けられて、長手方向が略半径方向に沿って配置されている。
【0075】
なお、図20に示すように配置するようにしてもよい。本配置例では、前記と同様に、ばね部材151は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている点では共通するが、ばね部材151の長手方向が半径方向と略直交する方向に向けられて配置されている。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、器具取付面に対して固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材151及び照明器具を提供することが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、照明器具取付用ばね部材は、コイル状のばね部材を用いてもよく、その形態は格別限定されるものではない。また、上記各実施形態のおいては、光源としてLED等の発光素子を用いるものについて説明したが、光源は特段限定されるものではなく、光源として蛍光ランプを用いる照明器具に適用することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0078】
1・・・器具本体、2・・・光源部、3・・・拡散部材(レンズ部材)、
4・・・点灯装置、5・・・点灯装置カバー、6・・・取付部(アダプタガイド)、
7・・・カバー部材、13・・・段差部、15・・・照明器具取付用ばね部材、
15a・・・固定部、15c・・・延出部、15d・・・当接部、
15e・・・滑り止め部、21・・・基板、22・・・発光素子(LED)、
31・・・突条部、33・・・平坦部、74・・・カバー取付金具、
75・・・カバー受部材(カバー受金具)、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具取付用ばね部材及びこの照明器具取付用ばね部材が用いられた天井面等に設置されて使用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種、照明器具においては、天井面等の器具取付面に設置された引掛けシーリングボディにアダプタが電気的かつ機械的に接続され、このアダプタに光源としての蛍光ランプを有する器具本体が取付けられるようになっている。また、アダプタには電源コードが接続されており、電源コードの先端部に設けられたコネクタが器具本体側に連結されようになっている。さらに、器具本体の下面側全体を覆うように透光性のカバー部材(セード)が器具本体に着脱可能に設けられている。
【0003】
このような構成の器具本体の背面側には、天井面等の器具取付面と器具本体とを密着させる弾性部材(スポンジ製のパッキン)が設けられており、この弾性部材によって器具本体は、器具取付面に対して固定状態が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−6425号公報
【特許文献2】特開2002−33013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の照明器具において、長期間の使用により弾性部材が熱等によって経年劣化する可能性がある。この場合、例えば、ランプの交換や内部の掃除等のメンテナンスの場合に、カバー部材を回動して器具本体から取り外すが、このとき、弾性部材の劣化により器具本体と器具取付面との密着性が低下して固定状態が保持されず、カバー部材の回動とともに器具本体も回動してしまうという現象が生じる。
【0006】
このようにカバー部材の回動とともに器具本体も回動してしまうと、固定状態のアダプタに対し器具本体が回動することとなり、これらの間を接続している電源コードが捻れ、コネクタが外れて地絡が発生したり、電源コードの絶縁不良やコネクタの破損を招いたりする虞を生じる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、器具取付面と器具本体との密着性の低下を防止して、器具取付面に対して固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による照明器具取付用ばね部材は、照明器具の背面側に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、器具取付面に対して照明器具の固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を示す分解斜視図である。
【図3】同照明器具においてカバー部材及び点灯装置カバーを取外して下方から見て示す概略の平面図である。
【図4】同照明器具を示す背面図である。
【図5】同照明器具を示す断面図である。
【図6】図5中、点線で囲まれた範囲を示す拡大図である。
【図7】同照明器具における基板を示す平面図である。
【図8】同照明器具における照明器具取付用ばね部材を示す斜視図である。
【図9】同照明器具における照明器具取付用ばね部材を示しており(滑り止め部は省略している)、(a)は、平面図、(b)は、当接部の平面図、(c)は、側面図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を説明するための断面図である。
【図11】同照明器具においてカバー部材を回動して着脱操作する場合を示す説明図である。
【図12】同照明器具の天井面への取付完了状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す背面図である。
【図14】同照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【図15】照明器具取付用ばね部材の変形例を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する拡大図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する拡大図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る照明器具取付用ばね部材を示す斜視図である。
【図19】同照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【図20】同じく、照明器具取付用ばね部材の配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図12を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している場合がある。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
【0013】
図1乃至図5において、照明器具は、器具本体1と、光源部2と、拡散部材3と、点灯装置4と、点灯装置カバー5と、取付部6と、カバー部材7とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0014】
図2乃至図6に示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述する取付部6を配設するための円形状の開口11が形成されている。また、光源部2が取付けられる内面側の平坦部12の外周側には、背面側に向かう段差部13が形成されて樋状の凹部14が形成されている。そして、前記段差部13には、カバー部材7が着脱可能に取付けられるカバー受部材が配置されている。カバー受部材は、より詳しくは、カバー受金具75であり、段差部13によって形成される凹部14に配置されるようになっている。
【0015】
図4乃至図6に示すように、本体1の背面側の4箇所には、照明器具取付用ばね部材15が設けられている。ばね部材15は、図8及び図9の参照を加えて示すように、ステンレス鋼等の金属製からなり、略長方形状の板ばねを折曲して形成されている。ばね部材15の一端側には、固定部15aが形成されており、この固定部15aは、図示上、水平方向に四角形状をなして延出している。また、この固定部15aには、ねじ貫通孔15bが形成されている。
【0016】
さらに、固定部15aから斜め上方に向かって延出部15cが形成されて、その先端側、つまり、他端側には、四角形状をなした当接部15dが形成されている。この当接部15dと延出部15cとがなす角度θは、約130度〜160度に設定するのが好ましく、本実施形態では、145度に設定されている(図9(c)参照)。このように角度を設定することにより、当接部15dを例えば、天井面Cに略平面的に当接することが可能となる。
【0017】
また、当接部15dには、滑り止め部15eとして直方体形状のスポンジが接着等によって設けられている。なお、滑り止め部15eとしては、シリコーンゴム等の他の部材を適用できる。また、例えば、当接部15dの部分に直接的に加工を施して滑り止め部15eを形成するようにしてもよい。
したがって、当接部15dは、天井面Cに間接的又は直接的に当接される部分を意味している。
【0018】
このように形成された照明器具取付用ばね部材15は、図4に示すように、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている。具体的には、ばね部材15の固定部15aが本体1に固定され、当接部15dが外周方向に向けられて、長手方向が略半径方向に沿って配置されている。なお、固定部15aの固定は、後述する点灯装置カバー5の本体1への取付けと同時にねじ貫通孔15bを貫通するねじによって行われている。
【0019】
図6に代表して示すように、本体1の背面側に配設されたばね部材15は、固定部15aを支点として前面側方向(図示矢印方向)にばね作用を伴って弾性変形可能となっている。
【0020】
光源部2は、図2及び図3、図5乃至図7に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている(図2においては発光素子22の図示を省略している)。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
【0021】
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
【0022】
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
【0023】
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、つまり、取付部6を中心とする略円周上に複数列、本実施形態では、内周側及び外周側の2列に亘って実装されている。また、LEDパケージには、発光色が昼白色Nのものと電球色Lのものとが用いられており、これらが交互に並べられていて、各列の隣接する発光素子22は略等間隔を空けて配設されている。この昼白色と電球色のLEDパッケージに流れる電流等を調整することにより調色が可能となっている。
【0024】
なお、特定の基板21a(図3中、右側、図7中、右上側)には、常夜灯用の発光素子22aが実装されている。この発光素子22aには、サークル状に実装された主光源における電球色のものと同じ仕様のLEDパッケージが用いられている。これにより部材の共通化が図られている。
【0025】
なお、発光素子22は、必ずしも複数列に実装する必要はない。例えば、周方向に沿って1列に実装するようにしてもよい。所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜設定することができる。
【0026】
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射できるようにするために蛍光体が混入されている。
【0027】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0028】
拡散部材3は、レンズ部材であり、図6に代表して示すように、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
【0029】
また、レンズ部材は、略サークル状の内周側部分と外周側部分とに発光素子22に対向して円周方向に2条の山形であって、断面形状が一定の突条部31が連続して形成されている。この突条部31の内側には、U字状の溝32が円周方向に沿って連続して形成されている。したがって、U字状の溝32は、複数の発光素子22と対向して配置されるようになっており、複数の発光素子22は、U字状の溝32内に収められて覆われている状態となっている。
さらに、これら突条部31からは幅方向に延出する平坦部33が形成されており、これにより基板21の全面が覆われるようになっている。
【0030】
このように構成されたレンズ部材によれば、複数の発光素子22から出射された光は、突条部31によって、主として円周上の内周方向及び外周方向に拡散されて放射される。すなわち、発光素子22から出射された光は、発光素子22が配置されたところのサークル状の中心を原点とする半径方向へ主として拡散して放射されるようになる。
【0031】
したがって、レンズ部材によって複数の発光素子22から出射される光による照射光の均斉度を向上することが可能となる。さらに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することができる。
また、拡散部材3には、平坦部33が形成されて基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が拡散部材3によって覆われ保護される。
【0032】
なお、拡散部材3は、略サークル状に一体的に形成されていなくてもよい。例えば、分割された基板21に対応して、これらの基板21ごとに分割して形成するようにしてもよい。この場合には、一つの基板21に実装された複数の発光素子22ごとに連続して拡散部材3によって覆われるようになる。
また、拡散部材3は、レンズ部材に限らず、拡散シート等を適用するようにしてもよい。
【0033】
上記のように構成された光源部2は、図5及び図6に代表して示すように、基板21が取付部6の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側の平坦部12に密着するように面接触して取付けられている。具体的には、基板21の前面側から拡散部材3が重ね合わされ、この拡散部材3を例えば、ねじS等の固定手段によって本体1に取付けることにより、基板21は、本体1と拡散部材3との間に挟み込まれて押圧固定されるようになっている。つまり、1本のねじSによって基板21と拡散部材3とが共締めされている。
【0034】
したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。なお、基板21と本体1との面接触は、基板21の全面が本体1に接触する場合に限らない。部分的な面接触であってもよい。
【0035】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に密着するように面接触しているので、基板21の実装面側から熱が拡散部材3に伝わり、拡散部材3を経由して放熱することが可能となる。つまり、基板21の前面側からも放熱できるようになっている。
【0036】
点灯装置4は、図2、図3及び図5に示すように、回路基板41と、この回路基板41に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品42とを備えている。回路基板41は、取付部6の周囲を囲むように略円弧状に形成されていて、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続されている。したがって、点灯装置4は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
このような点灯装置4は、取付部6と光源部2、すなわち、基板21との間に配設されている。
【0037】
点灯装置カバー5は、図2及び図5に示すように、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略短円筒状に形成され、点灯装置4を覆うように本体1に取付けられている。側壁51は、背面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、前面壁52には、取付部6と対応するように開口部53が形成されている。したがって、発光素子22から出射される一部の光は、側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。また、この開口部53に周縁には背面側へ凹となる円弧状のガイド凹部54が形成されている。
【0038】
取付部6は、略円筒状に形成されたアダプタガイドであり、このアダプタガイドの中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口61が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。アダプタガイドの外周部には、この外周部から突出するように基台が形成されていて、この基台には赤外線リモコン信号受信部や照度センサ等の電気的補助部品62が配設されている。
【0039】
なお、取付部6は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
【0040】
カバー部材7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には不透光性の円形状の化粧カバー71が取付けられている。また、この化粧カバー71には、前記電気的補助部品62と対向するように略三角形状の透光性を有する受光窓72が形成されている。さらに、カバー部材7の内面側の中央寄りには、内面方向に突出する突出ピン73が形成されている。
【0041】
そして、カバー部材7は、光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1の外周部の段差部13における凹部14に配設されたカバー受金具75に係合することにより取付けられる。また、カバー部材7を取外す場合には、カバー部材7を取付時とは反対方向に回動して、カバー取付金具74とカバー受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
【0042】
このようにカバー部材7が本体1に取付けられた状態においては、主として図5に示すように、カバー部材7の内面側は、点灯装置カバー5の前面壁52に面接触するようになる。したがって、点灯装置4等から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱を促進することが可能となる。
【0043】
ここで、カバー部材7は、回動させて本体1に取付けられるが、受光窓72の位置を電気的補助部品62と対向するように位置合わせをする必要がある。このため、本実施形態においては、詳細な説明は省略するが、カバー部材7側に形成された突出ピン73と点灯装置カバー5に形成されたガイド凹部54とによって位置規制手段が構成されている。この位置規制手段によって受光窓72が電気的補助部品62と対向して位置されるようになり、例えば、赤外線リモコン信号受信部が赤外線リモコン送信器からの制御信号を受信できるようになる。
【0044】
アダプタAは、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置4へ接続する電源コードが導出されていて、点灯装置4とコネクタを介して接続されるようになっている(図3参照)。
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について図10乃至図12を参照して説明する。
【0045】
まず、図10に示すように、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。この状態から取付部6としてのアダプタガイドの係合口61をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口61に確実に係合するまで器具本体1を照明器具取付用ばね部材15の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
【0046】
次いで、図11に示すように、カバー部材7を本体1に取付ける。これは、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1のカバー受金具75に係合することにより取付けられる。
【0047】
この取付完了状態が図12に示す状態であり、この状態においては、照明器具取付用ばね部材15が破線で示す状態から実線で示す状態に弾性変形して、当接部15dが滑り止め部15eを介して天井面Cに弾性的に当接している。そして、当接部15dは、天井面Cに略平面的に平行又は先端部が少しばかり鉛直方向に向かうように当接することが可能となる。したがって、照明器具本体1は、ばね部材15のばね作用によって天井面Cに確実に固定状態となる。
【0048】
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材7を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0049】
以上のような照明器具の天井面Cへの取付状態において、照明器具取付用ばね部材15は、熱等による経年劣化がほとんどなく、安定して照明器具本体1を天井面Cに固定状態に保持できる。したがって、例えば、カバー部材7を回動して器具本体1から取り外すとき、カバー部材7の回動とともに器具本体1も回動してしまうという現象を防止できる。
また、滑り止め部15eによって器具本体1の回動をその摩擦力で効果的に防止し得る。
【0050】
さらに、図6に代表して示すように、照明器具の取付状態においては、当接部15dと器具本体1の背面側とは、所定の離間寸法Lが保持されるようになっているので、例えば、光源部2から本体1へ伝導された熱が直接的に当接部15dに作用し、スポンジの滑り止め部15eが劣化するのを抑制することができる。
一方、照明器具取付用ばね部材15は、熱伝導性を有しているので、本体1からの熱が伝導され、放熱効果をもたらすことができる。
【0051】
さらにまた、ばね部材15は、放射状に複数配設されているので、本体1の取付状態における固定状態の安定性を確保し得る。加えて、ばね部材15の長手方向が略半径方向に沿って配置されているので、天井面Cと本体1との隙間からばね部材15を視認しにくくすることができ、外観上良好なものとすることができる。
【0052】
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置4に電力が供給されると、基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から出射された光は、複数の発光素子22を連続して覆う拡散部材3によって半径方向へ拡散されるとともに、前面側へ放射される。前面側へ放射された光は、カバー部材7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、照射光の均斉度の向上を図ることができるとともに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することが可能となる。
また、半径方向の内周側へ向かう一部の光は、点灯装置カバー5における傾斜状の側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。
【0053】
一方、発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が本体1と熱的に結合しているため、本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。また、基板21の外周側近傍には、基板21の外周に沿って段差部13が位置しているため、この段差部13によって放熱面積を増大させることができ、本体1外周部での放熱効果を高めることが可能となる。加えて、本体1から照明器具取付用ばね部材15への熱伝導によっても放熱効果を得ることができる。
【0054】
また、点灯装置4は、取付部6と基板21との間に配設されているため、点灯装置4は、基板21から熱的影響を受けるのを軽減される。これは、基板21の熱は、本体1の外周方向に向かって伝導し、放熱される傾向にあることに起因するものである。
【0055】
さらに、カバー部材7は、点灯装置カバー5に面接触するようになっているので、点灯装置4から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱をさせることができる。
【0056】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に面接触しているので、基板21の実装面側から拡散部材3を経由して前面側からも放熱することが可能となる。また、この場合、拡散部材3は、基板21の全面を覆うようになっているので充電部が保護されるようになる。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、器具取付面に対して器具本体1の固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材15及び照明器具を提供することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について図13及び図14を参照して説明する。図13は、器具本体1の背面図であり、図14は、照明器具取付用ばね部材15の配置例を示す平面図である。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0059】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、照明器具取付用ばね部材15は、器具本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されているが、ばね部材15の向きを変えて配設したものである。具体的には、ばね部材15は、取付部6を中心とする略同一円周上に配置されていて、固定部15aから延出される当接部15dの延出方向が、半径方向と略直交する方向に向けられている。つまり、ばね部材15の長手方向が半径方向と略直交する方向に向けられて配置されているものである。
しかも、当接部15dの延出方向が、前記透光性のカバー部材7の取付時の回動方向に向けられているものである。
【0060】
なお、複数のばね部材15は、略同一円周上に配置されていることが好ましいが、各ばね部材15が同一円周上からずれて配置されていてもよい。例えば、対向する一対のばね部材15ごと(本実施形態では、2組)に異なる円周上に配置するようにしてもよい。
【0061】
このような構成において、例えば、器具本体1にカバー部材7を取付ける場合、カバー部材7を図の矢印で示す方向に回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74が本体1に配設されたカバー受金具75に係合され回動が停止される。
【0062】
これにより係合が完了するが、係合が完了したにもかかわらず、さらに、不用意にカバー部材7を無理に回動させてしまう場合がある。このような場合、カバー部材7の回動とともに器具本体1が回動してしまう虞が生じる。
【0063】
しかしながら、本実施形態においては、当接部15dの延出方向が、半径方向と略直交する方向に向けられているため、本体1に回動方向の力が加わった場合、その固定状態を強固に保持することが期待できる。しかも、当接部15dの延出方向が、透光性のカバー部材7の取付時の回動方向に向けられているので、カバー部材7の取付時における不用意な回動方向の力が加わったときにも、本体1の固定状態を保持することが可能となる。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態の奏する効果に加え、器具本体1に回動方向の力が加わった場合に、その固定状態を強固に保持することが期待できる。
【0065】
なお、本実施形態において、図15に示すような照明器具取付用ばね部材152を適用することができる。図中、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一又は相当符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
ばね部材152は、共通の固定部152aを有していて、この固定部152aの両側から斜め上方に向かって延出部152cが形成されており、その先端側には、当接部152dが形成されている。つまり、固定部152aから延出して対称的に一対の当接部152dが形成されているものである。
【0067】
このような構成によれば、当接部152dの延出方向が、透光性のカバー部材7の取付時及び取外し時の双方の回動方向に向けられるので、カバー部材7の取付時及び取外し時における本体1の固定状態を強固に保持することが期待できる。
また、この照明器具取付用ばね部材152は、第1の実施形態を始めとして、以降の各実施形態において適用可能である。
次に、本発明の第3の実施形態について図16を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0068】
本実施形態では、照明器具取付用ばね部材15は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されているものであるが、当接部15dが内周方向に向けられて配置されたものである。
【0069】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様な効果を奏することができることに加え、照明器具の取付操作時において、器具本体1の中央部を下方から手で押し上げて取付け操作を行う場合、操作性が良好となる効果を奏する。また、ばね部材15は、光源部2から離反する方向に配設されるので、本体1から伝導された熱の放熱性を向上できる。
次に、本発明の第4の実施形態について図17を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0070】
本実施形態では、照明器具取付用ばね部材15を器具本体1の背面側であって、基板21と対応する部位に配設したものである。具体的には、ばね部材15の固定部15aが基板21の裏面側と対向する本体1にねじ止めによって固定されている。
【0071】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様な効果を奏することができることに加え、光源部2、すなわち、基板21からの熱を効果的にばね部材15に伝導させて放熱させることができる一方、滑り止め部15eは、固定部15aから延出した当接部15dに設けられているので、直接的に基板21から本体1へ伝導された熱の影響を受けることを防止でき、滑り止め部15eの劣化を抑制することが可能となる。
【0072】
次に、本発明の第5の実施形態について図18乃至図20を参照して説明する。図18は、照明器具取付用ばね部材151を示しており、図19及び図20は、照明器具本体1における背面側の平面図であり、照明器具取付用ばね部材151配置例を示している。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一又は相当符号を付し、重複した説明は省略する。
【0073】
本実施形態の照明器具取付用ばね部材151は、図18に示すように、ステンレス鋼等の金属製であり、略U字状をなしていて、両端部に固定部151aを有し、この固定部151aから延出し、U
字状の頂部に当接部151dを有している。したがって、固定部151aが器具本体1の背面側に固定され、当接部151dが天井面Cに当接されることによりばね作用により弾性変形するようになっている。なお、当接部151dには、適宜滑り止め部を設けることができる。
【0074】
図19に示すように、ばね部材151は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている。具体的には、当接部151dが外周方向に向けられて、長手方向が略半径方向に沿って配置されている。
【0075】
なお、図20に示すように配置するようにしてもよい。本配置例では、前記と同様に、ばね部材151は、本体1の背面側に中央部の取付部6を中心とする略放射状に複数配設されている点では共通するが、ばね部材151の長手方向が半径方向と略直交する方向に向けられて配置されている。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、器具取付面に対して固定状態を安定して保持できる照明器具取付用ばね部材151及び照明器具を提供することが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、照明器具取付用ばね部材は、コイル状のばね部材を用いてもよく、その形態は格別限定されるものではない。また、上記各実施形態のおいては、光源としてLED等の発光素子を用いるものについて説明したが、光源は特段限定されるものではなく、光源として蛍光ランプを用いる照明器具に適用することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0078】
1・・・器具本体、2・・・光源部、3・・・拡散部材(レンズ部材)、
4・・・点灯装置、5・・・点灯装置カバー、6・・・取付部(アダプタガイド)、
7・・・カバー部材、13・・・段差部、15・・・照明器具取付用ばね部材、
15a・・・固定部、15c・・・延出部、15d・・・当接部、
15e・・・滑り止め部、21・・・基板、22・・・発光素子(LED)、
31・・・突条部、33・・・平坦部、74・・・カバー取付金具、
75・・・カバー受部材(カバー受金具)、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具の背面側に固定される固定部と;
この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部と;
を具備することを特徴とする照明器具取付用ばね部材。
【請求項2】
前記当接部は、滑り止め部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具取付用ばね部材。
【請求項3】
器具本体と;
この器具本体の背面側に配設された請求項1又は請求項2に記載の照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項4】
前記照明器具取付用ばね部材は、器具本体の背面側における中央部を中心として略放射状に複数配設されていることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記照明器具取付用ばね部材は、固定部から延出される当接部の延出方向が、器具本体の背面側における中央部を中心とする半径方向と略直交する方向に向けられて複数配設されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記器具本体の前面側を覆うとともに、回動して着脱可能な透光性のカバー部材を有し、前記照明器具取付用ばね部材は、固定部から延出される当接部の延出方向が、前記透光性のカバー部材の取付時の回動方向に向けられていることを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
器具取付面に設置された配線器具に対向する取付部を有する器具本体と;
前記取付部の周囲に位置して、実装面が前面側に向けられるとともに、裏面側が前記器具本体に熱的に結合されて配設された基板と;
この基板に実装された複数の発光素子と;
前記器具本体の背面側であって、前記基板と対応する部位に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部とを備えた照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項8】
器具取付面に設置された配線器具に対向する取付部を有する器具本体と;
前記取付部の周囲に位置して、実装面が前面側に向けられるとともに、裏面側が前記器具本体に熱的に結合されて配設された基板と;
この基板に実装された複数の発光素子と;
前記器具本体の背面側に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接された場合に、前記器具本体の背面側と所定の離間寸法が保持される当接部とを備えた照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項1】
照明器具の背面側に固定される固定部と;
この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部と;
を具備することを特徴とする照明器具取付用ばね部材。
【請求項2】
前記当接部は、滑り止め部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具取付用ばね部材。
【請求項3】
器具本体と;
この器具本体の背面側に配設された請求項1又は請求項2に記載の照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項4】
前記照明器具取付用ばね部材は、器具本体の背面側における中央部を中心として略放射状に複数配設されていることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記照明器具取付用ばね部材は、固定部から延出される当接部の延出方向が、器具本体の背面側における中央部を中心とする半径方向と略直交する方向に向けられて複数配設されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記器具本体の前面側を覆うとともに、回動して着脱可能な透光性のカバー部材を有し、前記照明器具取付用ばね部材は、固定部から延出される当接部の延出方向が、前記透光性のカバー部材の取付時の回動方向に向けられていることを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
器具取付面に設置された配線器具に対向する取付部を有する器具本体と;
前記取付部の周囲に位置して、実装面が前面側に向けられるとともに、裏面側が前記器具本体に熱的に結合されて配設された基板と;
この基板に実装された複数の発光素子と;
前記器具本体の背面側であって、前記基板と対応する部位に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接される当接部とを備えた照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項8】
器具取付面に設置された配線器具に対向する取付部を有する器具本体と;
前記取付部の周囲に位置して、実装面が前面側に向けられるとともに、裏面側が前記器具本体に熱的に結合されて配設された基板と;
この基板に実装された複数の発光素子と;
前記器具本体の背面側に固定される固定部と、この固定部から延出されるとともに、ばね作用によって弾性的に器具取付面に当接された場合に、前記器具本体の背面側と所定の離間寸法が保持される当接部とを備えた照明器具取付用ばね部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−155976(P2012−155976A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13442(P2011−13442)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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