説明

照明器具

【課題】放熱性を確保するとともに光漏れを抑えた照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具Aは、壁面20に取付けられる縦長の略箱状の器具本体1と、器具本体1の前面側に配設され、蛍光ランプ4が装着されるランプソケット3と、蛍光ランプ4及び器具本体1を覆うように器具本体1に取付けられる透光カバー2と、透光カバー2を器具本体1に取付けるための取付板6とを備えている。器具本体1においてカバー13の上面13cには開口部13fが設けられ、ボディ11にカバー13を取付けた状態において器具本体1の下側位置には、隙間14が形成される。また、器具本体1を壁面20に取付けるためのベース8の下面には、器具本体1の長手方向において隙間14と重ならない位置に開口部8cが設けられ、さらに取付板6には器具本体1の長手方向において開口部13fと重ならない位置に複数の貫通孔6bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁や天井などの造営材に取付けられる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、図4に示すように壁面36に取付けられる照明器具A’があった。この照明器具A’は、内部に安定器などの電子部品(図示せず)を収納した縦長の略箱状の器具本体31を備え、器具本体31の前面側(壁面36と反対側)にはランプ軸が斜め下方となるようにランプソケット33が取付けられており、ランプソケット33には蛍光ランプ34が装着されている。また、蛍光ランプ34の前面側には、蛍光ランプ34から照射された光を透過させる透光カバー32が蛍光ランプ34を覆うように配設されている。この透光カバー32は、上面及び下面が開口し器具本体31の前面(反射面)及び両側面の3方向を覆う断面略コ字状であって透光性を有するカバー本体32aを有し、カバー本体32aにおいて対向する2面の先端側には内側に向かって延出する折曲片32bがそれぞれ一体に形成されており、取付ねじ35を用いて器具本体31の前面側に取付けられている。
【0003】
また、複数の開口部を設けた埋込型の照明器具も提案されている(例えば特許文献1参照)。この照明器具は、光源体と、光源体と一体に形成され所望の表示をする表示体と、光源体に電源を供給するための安定器やインバータなどを収納した点灯装置本体とを備えており、点灯装置本体と表示体の間には間隙部が設けられている。この間隙部の下面には開口部が設けられ、また点灯装置本体において間隙部側に突出する部位にも複数の開口部が設けられている。この照明器具は、間隙部を壁面の表面側に露出させた状態で壁面に設けた埋込孔を通して埋込配設される。
【0004】
この照明器具では、光源体を点灯させると安定器やインバータから発生する熱により点灯装置本体の内部温度が上昇するが、間隙部の下面に設けた開口部と点灯装置本体の突出部位に設けた開口部との間で放熱経路を形成することにより空気の対流が起こり、間隙部の開口部から外部の低温空気が取り込まれ、点灯装置本体の内部温度が低下する。
【特許文献1】実開平5−234407号公報(段落[0009]−段落[0011]、及び、第1図−第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した前者の照明器具A’では、電子部品の動作保証温度を確保するために、透光カバー32の上面及び下面を解放して蛍光ランプ34や電子部品で発生する熱を放熱しているが、蛍光ランプ34から照射された光がこれらの開口から壁面に映り込み、所望の配光が得られない虞があった。
【0006】
また、後者の照明器具では、開口部を設けることで放熱性は確保できるが、光源体から照射された光が開口部から外部に漏れることで、表示体の表示が不鮮明になる虞があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、放熱性を確保するとともに光漏れを抑えた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、造営材に取着され、内部に電子部品を収納するとともに造営材と反対側にランプが配設される器具本体と、ランプ及び器具本体を覆うように器具本体に取付けられる透光カバーと、造営材に沿う方向における器具本体の両端部にそれぞれ開口し、器具本体内部と外部との間で空気を通過させるための通気孔と、器具本体の両端部と対向してそれぞれ配設される遮光板とを備え、各遮光板は、2つの遮光板が並ぶ方向において通気孔と重ならない位置に貫通孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、造営材に沿う方向における器具本体の両端部に通気孔を設けるとともに遮光板に貫通孔を設けることによって、器具本体内部の熱を外部に逃がすための放熱経路が形成されるので、ランプや電子部品で発生する熱を外部に放熱することができるという効果がある。また、2つの遮光板が並ぶ方向において通気孔と重ならない位置に貫通孔を設けることによって、通気孔から漏れた光が遮光板で遮光されるので、外部への光漏れを抑えることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本発明に係る照明器具Aは、例えば廊下や階段などの壁面に取付けられ、誘導灯として用いられる。
【0011】
本発明に係る照明器具Aは、壁面20に取付けられる縦長の略箱状の器具本体1と、器具本体1の前面側(図1(a)の左側)に配設されるランプソケット3と、ランプソケット3に着脱自在に装着される蛍光ランプ4と、蛍光ランプ4及び器具本体1を覆うように器具本体1に取付けられる透光カバー2と、透光カバー2を器具本体1に取付けるための取付板6とを備えている。
【0012】
器具本体1は、図1(a)に示すように縦長の側面視略L字状のボディ11を有し、ボディ11の内部には停電時において蛍光ランプ4に電源を供給するための複数(図1(a)では4個)の充電池9が保持金具10を用いて取付けられ、また図示しない安定器や端子台などの電子部品が収納されている。さらに、ボディ11にはカバー13を固定するための固定部15が取付けられ、またボディ11の底面11aには下面が開口する略コ字状の支持台12が取付けられている。
【0013】
ボディ11の前面側(図1(a)の左側)には、後面側が開口する縦長の略箱状のカバー13が取付けられる。このカバー13は、図1(b)に示すように前面側に蛍光ランプ4からの光を反射させるための反射面13aが形成され、反射面13aの長手方向一端側の略中央位置には、ランプソケット3を配設するための縦長の切欠部13eが設けられている。また、反射面13aにおいて切欠部13eの下側位置には、カバー13をボディ11に取付けるための固定ねじ17を挿通させる挿通孔13gが設けられている。反射面13aの幅方向両端からは壁面20に向かって側部13bがそれぞれ突設され、反射面13aと各側部13bとがなす角部には壁面20側に向かって傾斜する傾斜面13dがそれぞれ設けられている。さらに、カバー13の上面13cには、横長の略矩形状の開口部(通気孔)13fが設けられている。このカバー13は、ボディ11の固定部15の一端側(図1(a)の左側)において固定ねじ17を用いて固定することでボディ11に取付けられる。尚、カバー13をボディ11に取付けた状態において、ボディ11の底面11aとカバー13の内側面との間には隙間14が形成され、この隙間14から下側の通気孔が構成されている。
【0014】
ボディ11の後面側(図1(a)の右側)には、器具本体1を壁面20に取付けるためのベース8が取付けられる。このベース8は、縦長の側面視略L字状のベース本体8aを有し、ベース本体8aの下面には開口部8cが設けられている。また、ベース本体8aの上側端縁には、取付板6を取付けるための取付部8bが一体に設けられている。尚、開口部8cは、器具本体1の長手方向において隙間14と重ならない位置に設けられており、隙間14から漏れる蛍光ランプ4からの光はベース本体8aの下面で遮光されるので、外部への光漏れを抑えることができる。ここに、ベース本体8aの下面から遮光板が構成され、また開口部8cから貫通孔が構成されている。
【0015】
取付板6は、図1(c)に示すように横長の略矩形板状であって、幅方向一端側には取付板6をベース8に取付けるための固定ねじ19を挿通させる略正方形状の挿通孔6aが設けられ、また挿通孔6aの周りには複数の貫通孔6bが設けられている。さらに、取付板6の裏面側には取付板6を透光カバー2に取付けるための取付片7が設けられている。尚、貫通孔6bは、器具本体1の長手方向においてカバー13の上面13cに設けた開口部13fと重ならない位置に設けられており、開口部13fから漏れる蛍光ランプ4からの光は取付板6で遮光されるので、外部への光漏れを抑えることができる。ここに、取付板6から遮光板が構成されている。
【0016】
ランプソケット3は略円筒状の本体部3aを有し、本体部3aの一端側においてボディ11から延出する取付片5にねじ固定されている。また、本体部3aの他端側には、蛍光ランプ4の口金4bがねじ込まれるソケット部3bが設けられている。
【0017】
蛍光ランプ4は、略螺旋状の発光管4aを有する電球型蛍光ランプであって、発光管4aと反対側には口金4bが設けられ、口金4bをソケット部3bにねじ込むことで蛍光ランプ4がランプソケット3に保持されるとともに、ランプソケット3を介して点灯回路(図示せず)から電力が供給される。
【0018】
透光カバー2は、例えば透光性を有する樹脂材料により一面(図1(a)の右側の面)が開口する略箱状に形成されており、図1(a)に示すように取付板6と取付片7との間に透光カバー2の上面の一部を挟み込んだ状態で固定ねじ18を螺合させることで透光カバー2に取付板6が取付けられる。そして、透光カバー2の下面をベース8の下面に載置した状態で固定ねじ19を取付板6の挿通孔6aに挿通しベース8の取付部8cに螺合させると、図2に示すように透光カバー2が器具本体1に取付けられ、照明器具Aが壁面20に取付けられる。
【0019】
ここで、照明器具Aの動作について図3に基づいて説明する。蛍光ランプ4を点灯させると、電子部品や蛍光ランプ4から熱が発生し器具本体1の内部温度が上昇するが、放熱経路Bを形成することにより空気の対流が起こり、ベース8の下側の開口部8cから外部の低温空気が取り込まれ、この低温空気により器具本体1の内部温度が低下する。したがって、器具本体1内に収納された安定器や充電池9などの電子部品の動作保証温度を確保することができる。
【0020】
尚、本実施形態では、透光カバー2を器具本体1に取付けるためのベース本体8aの下面及び取付板6を遮光板とした場合を例に説明したが、遮光板は本実施形態に限定されるものではなく、例えば透光カバーを器具本体の側面において固定し、通気孔に対向して遮光板を別に設けたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本実施形態の照明器具の断面図、(b)は同上に用いられるカバーの斜視図、(c)は同上に用いられる取付板の斜視図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上の動作を説明する説明図である。
【図4】従来例を示す照明器具の斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1 器具本体
2 透光カバー
4 蛍光ランプ
6 取付板(遮光板)
6b 貫通孔
8 ベース
8c 開口部(貫通孔)
13f 開口部(通気孔)
14 隙間(通気孔)
20 壁面(造営材)
A 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造営材に取着され、内部に電子部品を収納するとともに造営材と反対側にランプが配設される器具本体と、ランプ及び器具本体を覆うように器具本体に取付けられる透光カバーと、造営材に沿う方向における器具本体の両端部にそれぞれ開口し、器具本体内部と外部との間で空気を通過させるための通気孔と、器具本体の前記両端部と対向してそれぞれ配設される遮光板とを備え、各遮光板は、2つの遮光板が並ぶ方向において前記通気孔と重ならない位置に貫通孔を有することを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−270102(P2008−270102A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114715(P2007−114715)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】