説明

照明器具

【課題】器具本体の大型化に伴って透光パネルのサイズが大きくなっても透光パネルが枠部から外れ難くすることのできる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体Aが、3つの透光パネル1と、透光パネル1の一方向に沿った両端部に設けられて透光パネル1を保持する4つの枠部2とから構成され、枠部2は、各々長尺の板状部材から成り長手方向と直交する断面が略L字状となるように一体に形成された第1の側片3及び第2の側片4と、第1の側片3及び第2の側片4の端部にそれぞれ長手方向に亘って設けられて透光パネル1の前記端部が挿入される断面略コ字状の第1の溝部30及び第2の溝部40とを備え、断面形状が略矩形状となるように第1の対向壁部31と第2の対向壁部41とを連結部6によって長手方向に亘って連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面に直付けされるウォールライトとして用いられる照明器具が提供されており、例えば特許文献1に開示されている。以下、このような照明器具の第1の従来例について説明する。この第1の従来例は、図3(a)に示すように、内部に光源(図示せず)及びソケット(図示せず)を収納する略直方体状の器具本体Aと、器具本体Aの背面に配置されて光源に点灯電力を供給する安定器(図示せず)を内部に収納する器具本体Aよりも寸法の小さい略直方体状の点灯ブロックBとから成り、器具本体Aは、透光性材料から成る平板状の3つの透光パネル1と、各透光パネル1の一方向に沿った両端部に設けられて透光パネル1を保持する4つの枠部100とから構成される。
【0003】
枠部100は、アルミニウムから成り、図3(b)に示すように、長尺の板状部材を長手方向と直交する断面が略L字状となるように折曲して成る第1の側片101及び第2の側片102と、第1の側片101の端部から第2の側片102と対向するように突出する第1の突出片103、及び第2の側片102の端部から第1の側片101と対向するように突出する第2の突出片104と、第1の側片101及び第2の側片102が連結する角部から対角方向に突設される支持片105と、支持片105の端部において対角方向に開口した断面略U字状の溝105aと、溝105aと連通する第1のねじ孔106aが貫設された弾性材料から成る平板状のパッキン106と、溝105a及び第1のねじ孔106aと連通する第2のねじ孔107aが貫設された平板状の押さえ金具107とから構成され、各枠部100に2つの透光パネル1の端部が保持される。
【0004】
以下、透光パネル1の枠部100への取付方法について説明する。先ず第1の側片101と略平行に配設された第1の透光パネル1aの一方の側面を第1の突出片103の端部に当接させるとともに、第2の側片102と略平行に配設された第2の透光パネル1bの一方の側面を第2の突出片104の端部に当接させる。次に、押さえ金具107の第2のねじ孔107aに挿通した固定ねじSを、パッキン106の第1のねじ孔106aを介して溝105aに螺合することで、押さえ金具107及びパッキン106を支持片105に取り付ける。而して、パッキン106の両端部が撓んで断面略V字状に折曲され、各透光パネル1a,1bの他方の側面に当接することで、各透光パネル1a,1bが第1の突出片103及び第2の突出片104とパッキン106との間に挟持固定される。
【0005】
しかしながら、上記第1の従来例では、第1の突出片103又は第2の突出片104とパッキン106との間で各透光パネル1a,1bを挟持しているが、第1の突出片103及び第2の突出片104が外力によって撓み易く、運搬時の振動等によって透光パネル1が枠部100から外れてしまう虞があった。また、透光パネル1が一度外れると、パッキン106の撓みが復帰することで透光パネル1が挿入される開口が塞がれてしまい、透光パネル1を再度枠部100に取り付ける場合には一度パッキン106を外さなければならず、施工性が悪化するという問題があった。
【0006】
そこで、枠部100の構成を変更することで上記問題の解決を図った第2の従来例について以下に説明する。この第2の従来例では、図4に示すように、枠部100が、各々長尺の板状部材から成り長手方向と直交する断面が略L字状となるように一体に形成された第1の側片3及び第2の側片4と、第1の側片3及び第2の側片4の端部にそれぞれ長手方向に亘って設けられて、第1の透光パネル1a及び第2の透光パネル1bの各々の前記端部が挿入される断面略コ字状の第1の溝部30及び第2の溝部40とから構成される。
【0007】
第1の溝部30及び第2の溝部40は、各々第1の側片3及び第2の側片4と一体に形成されており、第1の溝部30を成す壁部のうち第1の側片3と対向する第1の対向壁部31と、第2の溝部40を成す壁部のうち第2の側片4と対向する第2の対向壁部41とは、それぞれの一端部同士が長手方向に亘って連結されている。各溝部30,40の内部には、それぞれ弾性材料から成る弾性部材5が配設されており、該弾性部材5を介して各透光パネル1a,1bの前記端部を各溝部30,40に挿入することで、弾性部材5が透光パネル1a,1bに押圧されて弾性変形し、各透光パネル1a,1bの両側面と各溝部30,40の内壁との間で圧接され、各透光パネル1a,1bが各溝部30,40内でがたつくのを防止している。
【0008】
上述のように、第2の従来例では、第1の側片3及び第2の側片4に一体に設けた第1の溝部30及び第2の溝部40に透光パネル1の前記端部を挿入して保持する構成としたので、第1の従来例のように透光パネル1が枠部100から外れた場合にも、透光パネル1を再度枠部100に取り付ける作業を容易に行うことができる。
【特許文献1】特開2000−276915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記第2の従来例では、例えば40W型の直管形蛍光灯などのサイズの大きい光源を用いる場合には、器具本体Aの大型化に伴って透光パネル1のサイズも大きくなって重くなるために、第1の溝部及び第2の溝部を成す壁部が撓み易くなり、運搬時の振動等によって透光パネル1が枠部100から外れてしまう虞があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、器具本体の大型化に伴って透光パネルのサイズが大きくなっても透光パネルが枠部から外れ難くすることのできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、光源が収納される箱状の器具本体を備え、器具本体が、透光性材料から成る平板状の一乃至複数の透光パネルと、透光パネルの一方向に沿った両端部に設けられて透光パネルを保持する一乃至複数の枠部とから構成される照明器具であって、枠部は、各々長尺の板状部材から成り長手方向と直交する断面が略L字状となるように一体に形成された第1の側片及び第2の側片と、第1の側片及び第2の側片の端部にそれぞれ長手方向に亘って設けられて透光パネルの前記端部が挿入される断面略コ字状の第1の溝部及び第2の溝部とを備え、第1の溝部を成す壁部及び第2の溝部を成す壁部の各々において互いに対向する第1の対向壁部及び第2の対向壁部は少なくとも一部分が長手方向に亘って連結され、第1の対向壁部と第2の対向壁部とが断面形状で閉路を成すように各壁部をその長手方向に亘って連結する連結部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、連結部は、断面形状が略矩形状となるように第1の対向壁部と第2の対向壁部とを連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1の対向壁部と第2の対向壁部とが断面形状で閉路を成すように各壁部をその長手方向に亘って連結する連結部を設けたので、第1の溝部を成す壁部及び第2の溝部を成す壁部が透光パネルの重みによって撓むのを防止することができ、したがって器具本体の大型化に伴って透光パネルのサイズが大きくなっても、透光パネルが枠部から外れ難くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態の基本的構成は第1の従来例と同様であって、図1(a)に示すように、内部に光源(図示せず)及びソケット8を収納する略直方体状の器具本体Aと、器具本体Aの背面に配置されて光源に点灯電力を供給する安定器9を内部に収納する器具本体Aよりも寸法の小さい略直方体状の点灯ブロックBとから成り、器具本体Aは、透光性材料から成る平板状の3つの透光パネル1と、各透光パネル1の一方向に沿った両端部に設けられて透光パネル1を保持する4つの枠部2とから構成される。
【0015】
枠部2は、例えばアルミニウム等の材料を押出成形して成り、図1(b)に示すように、各々長尺の板状部材から成り長手方向と直交する断面が略L字状となるように一体に形成された第1の側片3及び第2の側片4と、第1の側片3及び第2の側片4の端部にそれぞれ長手方向に亘って設けられて第1の透光パネル1a及び第2の透光パネル1bの各々の前記端部が挿入される断面略コ字状の第1の溝部30及び第2の溝部40とから構成される。
【0016】
第1の溝部30及び第2の溝部40は、各々第1の側片3及び第2の側片4と一体に形成されており、第1の溝部30を成す壁部のうち第1の側片3と対向する第1の対向壁部31と、第2の溝部40を成す壁部のうち第2の側片4と対向する第2の対向壁部41とは、それぞれの一端部同士が長手方向に亘って連結されている。また、第1の対向壁部31の他端部と第2の対向壁部41の他端部との間は、連結部6によって長手方向に亘って一体に連結されており、該連結部6と第1の対向壁部31と第2の対向壁部41とで略矩形状の断面形状を成している。第1の溝部30及び第2の溝部40の内部には、それぞれ弾性材料から成る弾性部材5が配設されており、該弾性部材5を介して各透光パネル1a,1bの前記端部を各溝部30,40に挿入することで、弾性部材5が透光パネル1a,1bに押圧されて弾性変形し、各透光パネル1a,1bの両側面と各溝部30,40の内壁との間で圧接され、各透光パネル1a,1bが各溝部30,40内でがたつくのを防止している。また、枠部2の長手方向両端部において、第1の対向壁部31の一端部と第2の対向壁部41の一端部との連結部位には、各々内周に雌ねじ部(図示せず)を有する断面略円形状のねじ溝7が設けられている。
【0017】
器具本体Aの長手方向における両端部には、図2に示すように、それぞれ略正方形状の閉塞板10と、一面を開口した略直方体状のエンドカバー11とが取り付けられる。閉塞板10の各辺の略中央部には、枠部2と反対側に向かって突出する略矩形状の第1の係止片10bがそれぞれ突設されるとともに、閉塞板10の各角部には、枠部2に向かって突出する略矩形状の一対の第2の係止片10cがそれぞれ設けられている。また、閉塞板10の四隅には、それぞれ略円形状の取付孔10aが貫設されている。而して、各第2の係止片10cを枠部2の長手方向における端部に挿入することで閉塞板10の位置決めを行うとともに、取付孔10aを介して枠部2に設けられたねじ溝7に取付ねじ7aを螺合することで閉塞板10が枠部2に取り付けられる。その後、エンドカバー11の内側面を閉塞板10の第1の係止片10bに係止させることで、エンドカバー11が閉塞板10を覆うようにして取り付けられて器具本体Aが完成する。
【0018】
上述のように、第1の対向壁部31と第2の対向壁部41とが連結部6によって断面形状が略矩形状となるように長手方向に亘って連結されるので、第1の溝部30を成す壁部及び第2の溝部40を成す壁部が連結部6によって補強されるために透光パネル1の重みによって撓むのを防止することができ、したがって器具本体Aの大型化に伴って透光パネル1のサイズが大きくなっても、透光パネル1が枠部2から外れ難くすることができる。
【0019】
尚、本実施形態では連結部6は、断面形状が略矩形状となるように第1の対向壁部31と第2の対向壁部41とを連結しているが、断面形状はこれに限定される必要はなく、第1の対向壁部31と第2の対向壁部41とが断面形状で閉路を成すように連結すれば他の断面形状であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の照明器具の実施形態を示す図で、(a)は側方から見た断面図で、(b)は要部断面図である。
【図2】同上の一部省略した分解斜視図である。
【図3】第1の従来例の照明器具を示す図で、(a)は全体斜視図で、(b)は要部断面図である。
【図4】第2の従来例の照明器具を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 透光パネル
2 枠部
3 第1の側片
30 第1の溝部
31 第1の対向壁部
4 第2の側片
40 第2の溝部
41 第2の対向壁部
6 連結部
A 器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が収納される箱状の器具本体を備え、器具本体が、透光性材料から成る平板状の一乃至複数の透光パネルと、透光パネルの一方向に沿った両端部に設けられて透光パネルを保持する一乃至複数の枠部とから構成される照明器具であって、枠部は、各々長尺の板状部材から成り長手方向と直交する断面が略L字状となるように一体に形成された第1の側片及び第2の側片と、第1の側片及び第2の側片の端部にそれぞれ長手方向に亘って設けられて透光パネルの前記端部が挿入される断面略コ字状の第1の溝部及び第2の溝部とを備え、第1の溝部を成す壁部及び第2の溝部を成す壁部の各々において互いに対向する第1の対向壁部及び第2の対向壁部は少なくとも一部分が長手方向に亘って連結され、第1の対向壁部と第2の対向壁部とが断面形状で閉路を成すように各壁部をその長手方向に亘って連結する連結部を設けたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記連結部は、断面形状が略矩形状となるように第1の対向壁部と第2の対向壁部とを連結することを特徴とする請求項1記載の照明器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−26609(P2009−26609A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188628(P2007−188628)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】