説明

照明器具

【課題】影を小さくして外観性を良好にすることができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、電源線11の下方側においてグローブ14の開口部15より内側に進入させてグローブ14の開口部15の縁部内面に当接する第1保持部材18と、第1保持部材18に合体することにより第1保持部材18がグローブ14の開口部15から外側へ外れることを阻止し、給電部16に一体に取り付けられた第2保持部材19と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば引掛シーリング等を用いて住宅等の天井面に取り付けられるペンダント用の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明器具の一例として、透明な球形状のグローブの円周上の対向する位置に支承部に有する腕部を設け、腕部に遮光カバーをネジ止めした照明器具がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−312710号公報(図1、段落番号0119)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1に開示された従来の照明器具では、グローブを支持する部位の影が大きく見えていた。これを解消して影を小さくするためにグローブを支持する部位を小さくすると、支持力の低下をまねいて安全性の低下が懸念される。
従って、外観性が良好ではなかった。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、影を小さくして外観性を良好にすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、天井より下方へ導出する電源線と、前記天井側に開口部を有するグローブと、前記電源線の下方部に設けられた給電部と、前記給電部に装着されるランプと、を備えた照明器具であって、前記電源線の下方側において前記グローブの前記開口部より内側に進入させて前記グローブの前記開口部の縁部内面に当接する第1保持部材と、前記第1保持部材に合体することにより前記第1保持部材が前記グローブの前記開口部から外側へ外れることを阻止し、前記給電部に一体に取り付けられた第2保持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明においては、第1保持部材および第2保持部材は、それぞれが単体状態においてグローブの開口部よりも十分に小さい外形を有する。そして、第1保持部材を電源線の下方側においてグローブの開口部より内側に進入させてグローブの開口部の縁部内面に当接させ、第2保持部材を電源線の下方側においてグローブの開口部より内側に進入させて第1保持部材に合体させる。
これにより、第1保持部材および第2保持部材のそれぞれを合体させることによりグローブの開口部から外側へ外れることを阻止する。
従って、影を小さくして外観性を良好にすることができる。
【0008】
本発明に係る照明器具は、上記構成の照明器具において、前記第1及び第2保持部材は透光性を有する材料で成形されていることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、第1保持部材および第2保持部材のそれぞれが影を創生する要素を有さない。
従って、両保持部材による影のない照明を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の照明器具によれば、電源線の下方側においてグローブの開口部より内側に進入させてグローブの開口部の縁部内面に当接する第1保持部材と、第1保持部材に合体することにより第1保持部材がグローブの開口部から外側へ外れることを阻止し、給電部に一体に取り付けられた第2保持部材と、を備えた。
これにより、影を小さくして外観性を良好にすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】図1に示した照明器具に用いた第1保持部材の平面図
【図3】図1に示した照明器具に用いた第2保持部材の平面図
【図4】図1に示した照明器具における第1、第2保持部材の合体後の斜視図
【図5】図4の第1、第2保持部材の平面図
【図6】図1に示した照明器具の使用状態の正面図
【図7】図6に示した照明器具の第1、第2保持部材周りの拡大図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施形態である照明器具10は、天井より下方へ導出する電源線11と、カバー12と、カバーナット13と、天井側に開口部15を有するグローブ14と、電源線11の下方部に設けられたソケットである給電部16と、給電部16に装着されるランプ17と、第1保持部材18と、第2保持部材19と、保持部材ナット20と、を備える。
【0014】
電源線11は、その上端部に不図示の引掛シーリングが接続されている。引掛シーリングは天井側に設けられた省施工用部品に引掛接続されることにより照明器具10を天井からぶら下げる。
【0015】
グローブ14は、例えば乳白色の樹脂材料を用いて球状に形成されている。開口部15は内径寸法D1を有してグローブ14の天部において円形の貫通穴状に形成されている。カバー12およびカバーナット13はグローブ14の上部に配置される。
【0016】
給電部16は、その上部に円筒形状の雄ネジ軸21を有し、雄ネジ軸21内に電源線11を挿通している。
【0017】
図2に示すように、第1保持部材18は、例えば硬質の透光性を有する樹脂材料を用いて円板形状に形成されており、クリップ22を雄ネジ軸21に装着することにより給電部16に一体に取り付けられている。
【0018】
第1保持部材18は、円板形状をなす本体部23の中央部に雄ネジ軸21を挿通させるための第1軸穴24を有する。第1保持部材18は、本体部23の外周部の対向位置に一対の扇状の第1グローブ当接面形成部25を有し、第1グローブ当接面形成部25の間にI字形状の切欠部26をそれぞれ有する。第1保持部材18はグローブ14の開口部15よりも十分に小さい外形を有する。
【0019】
図3に示すように、第2保持部材19は、第1保持部材18と同様にして例えば硬質の透光性を有する樹脂材料を用いて板形状に形成されている。
【0020】
第2保持部材18は、第1保持部材18の切欠部26に挿入されて合体するI字形状の本体部27を有し、本体部27の中央部に雄ネジ軸21を挿通させるための第2軸穴28を有する。本体部27は両端部に一対の第2グローブ当接面形成部29を有する。第2保持部材19はグローブ14の開口部15よりも十分に小さい外形を有する。
【0021】
図4に示すように、第1保持部材18と第2保持部材19とは合体される。合体に際しては、グローブ14の内部で第1保持部材18の切欠部26に第2保持部材19を落とし込むだけで簡単に両者が合体する。
【0022】
第1保持部材18と第2保持部材19とが合体されたことにより、第1保持部材18の一対の第1グローブ当接面形成部25と第2保持部材19の一対の第2グローブ当接面形成部29とにより同芯単一のグローブ当接面30が形成される。第1保持部材18と第2保持部材19とにより形成されたグローブ当接面30はグローブ14の開口部15の内径寸法D1よりもわずかに大きい外径寸法D2を有する。
【0023】
図5に示すように、第1保持部材18と第2保持部材19とが合体された後に、電源線11に挿通されている保持部材ナット20が給電部16の雄ネジ軸21にねじ込まれる。これにより、両保持部材18,19は位置ずれすることなく一体に組み立てられ、給電部16と両保持部材18,19とが電源線11にぶら下げられる。
【0024】
次に、照明器具10の組立手順について説明する。
【0025】
まず、電源線11の下端部を第1保持部材18に挿通してから給電部16に電気的に接続し、給電部16から引き出されている電源線11に、第2保持部材19、保持部材ナット20、カバー12、カバーナット13の順で挿通し、電源線11の上端部に引掛シーリングを接続する。
【0026】
次に、開口部15を上方にしたグローブ14を給電部16に向けて進行させていき、開口部15を通じてグローブ14の内部に給電部16と第1保持部材18と第2保持部材19とを挿入する。
【0027】
このとき、第1保持部材18および第2保持部材19はグローブ14の開口部15よりも十分に小さい外形を有するために、開口部15を通じてグローブ14の内部に簡単に挿入される。
【0028】
第1保持部材18と第2保持部材19とがグローブ14内に収容された後に、第1保持部材18に第2保持部材19を合体させる。
【0029】
第1保持部材18と第2保持部材19とが合体されることによりグローブ14の開口部15よりもわずかに大きい外径寸法D2を有するグローブ当接面30が形成される。
【0030】
図6に示すように、次に、保持部材ナット20が給電部16の雄ネジ軸21にねじ込まれ、これらの上方に給電部16の雄ネジ軸21に挿通されたカバー12が被され、カバー12の上部においてカバーナット13が給電部16の雄ネジ軸21にねじ込まれることにより組立が完了する。
【0031】
図7に示すように、それぞれが合体した第1保持部材18および第2保持部材19により形成されたグローブ当接面30の外径寸法D2は、グローブ14の開口部15の内径寸法D1よりもわずかに大きい。そのため、グローブ当接面30がグローブ14の開口部15の縁部内面に当接してグローブ14を下方から支持することになる。
【0032】
本発明の一実施形態の照明器具10では、第1保持部材18および第2保持部材19は、それぞれが単体状態においてグローブ14の開口部15よりも十分に小さい外形を有する。そして、第1保持部材18を電源線11の下方側においてグローブ14の開口部15より内側に進入させてグローブ14の開口部15の縁部内面に当接させ、第2保持部材19を電源線11の下方側においてグローブ14の開口部15より内側に進入させて第1保持部材18に合体させる。
これにより、第1保持部材18および第2保持部材19のそれぞれを合体させることによりグローブ14の開口部15から外側へ外れることを阻止する。
従って、影を小さくして外観性を良好にすることができる。
【0033】
本発明の一実施形態の照明器具10では、第1保持部材18および第2保持部材19のそれぞれが影を創生する要素を有さない。
従って、両保持部材18,19による影のない照明を行うことができる。
【0034】
なお、前記各実施形態で使用した電源線11、カバー12、ランプ17等は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 照明器具
11 電源線
14 グローブ
15 開口部
16 給電部
17 ランプ
18 第1保持部材
19 第2保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井より下方へ導出する電源線と、
前記天井側に開口部を有するグローブと、
前記電源線の下方部に設けられた給電部と、
前記給電部に装着されるランプと、
を備えた照明器具であって、
前記電源線の下方側において前記グローブの前記開口部より内側に進入させて前記グローブの前記開口部の縁部内面に当接する第1保持部材と、
前記第1保持部材に合体することにより前記第1保持部材が前記グローブの前記開口部から外側へ外れることを阻止し、前記給電部に一体に取り付けられた第2保持部材と、
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第1及び第2保持部材は透光性を有する材料で成形されていることを特徴とする請求項1に記載した照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−251269(P2010−251269A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102479(P2009−102479)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】