説明

照明器具

【課題】扁平状でその一面側に口金部が設けられるとともに他面側に光源が配置されたランプ装置を照明器具に容易に装着可能な照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】カバー体60内面とランプ外周間の隙間が狭い小形照明器具において、カバー体60の取付取り外し可能とすることで、ランプ装置50の装着を容易にすることができる。また、天板部20および取付部30ならびにソケット装置40の構造を統一することで、部品点数を低減することができるため、コストダウンを図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平状でその一面側に口金部が設けられるとともに他面側に光源が配置されたランプ装置を組み付けるソケット装置を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IEC(国際電気標準会議)で規格されたGX53形の口金部を用いたランプ装置がある。このランプ装置は、扁平状で、その上面側にGX53形の口金部が設けられているとともに、下面側に蛍光ランプやLED等を用いた平面形の光源が配置され、内部に光源を点灯させる点灯回路が収容され、上面側と下面側とのなす高さ方向の寸法が小さい薄形に構成されている。
【0003】
口金部の上面には、ランプ装置の高さ方向を軸方向として、ランプピンが突出されている。そして、ランプ装置のランプピンをソケット装置のソケット部に下方から挿入し、ランプ装置を回動させてランプピンをソケット部に引っ掛けることにより、ランプ装置をソケット装置に保持するとともに、ランプピンをソケット部の受金に接触させてランプピンに電源を供給するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−157367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなランプ装置を搭載する照射面開放型照明器具は、器具本体とカバーが一体形成されている器具本体を天井に取り付け、照射開口部からランプを挿入する構造となっている。
【0006】
そのため、カバー内周とランプ外周の隙間が小さく、ソケットにランプを装着する作業において、ランプを回動させることが困難であった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、扁平状でその一面側に口金部が設けられるとともに他面側に光源が配置されたランプ装置を照明器具に容易に装着可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の照明器具は、上面側に天板部が配設され、下面側にソケット部を取り付ける取付部を有し、取付部周囲に係合部が形成された器具本体と;偏平に形成され、その一面側に口金部、他面側に光源がそれぞれ設けられ、口金部が前記ソケット部に取り付けられたランプ装置と;少なくとも天板部側に開口部を有し、ランプ装置を包囲しながら内周面に形成された被係合部にて器具本体の係合部と係合するカバーと;を具備しているものである。
【0009】
天板部の形状は器具本体を取り付け可能であればその形状や大きさ、取付方法、材質などは限定されるものではない。
【0010】
天板部に取り付けられる取付部の取り付け方法は、下面側に取り付けられるソケットと共締めすることで取付部に取り付けるなど、その方法や形状、材質などは限定されるものではない。
【0011】
また、取付部周囲に形成された係合部は、取付部の周囲数箇所に切り欠きを設けたり、複数の凸部を形成するなど、カバーと係合可能であればその形状は限定されるものではない。
【0012】
器具本体の取付部と天板部間には、一定の空間を有することが望ましく、その方法として、たとえば天板部または取付部のどちらかに複数の支柱を一体形成させても、複数の支柱を天板部および取付部間に介在させても、取付部または天板部の周囲を囲むような周縁を設けけるなど、その方法は限定されない。取付部と天板部間に形成された空間には、点灯回路とランプ装置を電気的に接続する接続部材などを取り付けても構わない。
【0013】
ランプ装置の口金部は、例えばGX53形などの口金構造が用いられ、光源は、LED、有機EL、平面形の放電ランプなど、平面形で薄形の光源であればいずれでも構わない。また、この光源を覆うグローブをランプ装置に取り付けてもよい。
【0014】
ランプ装置を点灯させる点灯回路は、ランプ装置本体内に収納されていても、ランプ装置の他面側に光源と一緒に配置されていても構わない。
【0015】
カバー内部に形成された器具本体と係合する被係合部の形状は、取付部周囲の形状に対応した凹凸を設けたり、取付部に形成された別体または一体に係合可能であればその方法や形状、材質などは限定されない。
【0016】
請求項2記載の照明器具は、請求項1記載の照明器具において、カバーを回転させることで器具本体の取付部に取り付けられることを特徴とするものである。
【0017】
カバー内部と取付部を回転させて取り付けるとは、ランプ側から開口部を押し込むことによりカバーを取り付けるのではなく、例えば、カバーを取付部近傍まで押し込み、回転させることで取付部周囲に径方向に形成された凹凸部が相対的に移動してカバー内に形成された段差部に落ち込み係合するなど、カバーを回転させることで、取付部に取付可能であればその方法は限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の照明器具によれば、ランプを取り付けた後、カバー体を取り付けることができるので、ランプの取付取外しを容易にすることができる。また、カバーのバリエーションのみで、器具本体を共有化して製品コストを抑えることができる。
【0019】
請求項2記載の照明器具によれば、請求項1記載の照明器具の効果に加えて、器具本体の取付部へカバーを回転させることでカバーの取付取外し作業を容易にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す一部を切り欠いた側面斜視図。
【図2】同上照明器具の一部を切り欠いた上面斜視図。
【図3】同上照明器具の一部を切り欠いた下面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1および図2に実施の形態を示し、図1は照明器具を示す一部を切り欠いた斜視図、図2は照明器具の一部を切り欠いた上面斜視図、図3は照明器具の一部を切り欠いた下面斜視図である。
【0023】
照明器具10は、例えばシーリングダウンライトであり、器具本体は10は金属および樹脂などからなる略円筒体からなり、一方側の開口部を閉塞するように円板状の天板部20が取り付けられている。天板部20の上面側は取付面となるともに、下面側にはソケット装置を取り付けた円板状の取付部30が配置する。取付部30の下面に取り付けられたソケット装置40に装着されるランプ装置50、取付部30に着脱可能に取り付けられるカバー体60を備えている。
【0024】
なお、以下、これらの上下方向などの方向関係は、照明器具10を水平に取り付ける状態を基準として、天板部20側を一方側、ランプ装置50側を他方側として説明する。
【0025】
天板部20は円板状の金属板21からなり、この金属板21には器具本体10などを取り付けるための図示しないネジ孔および取付部12を取り付けるための図示しない開口を有している。
【0026】
取付部30は、天板部20の金属板21と略同径の金属板により形成された取付板31を有し、取付板31の周囲には、カバー体60と係合する複数の切欠き部32と切欠き部32に連続するように折返し部33が形成されている。また、取付板31を天板部20に取り付け取り外し可能なだるま孔34が形成されている。なお、取付板31は、後述するランプ装置50の外径よりも大きく径大に形成されている。
【0027】
取付板31は、金属板21に取付けられた複数の支柱35を介在させ所定の間隔を形成して取り付けられている。取付板31のだるま孔34には、支柱35の下端部がネジなどにより固定などして取り付ける。なお、取付部30と天板部20の間に配置された接続端子70へ給電するためのケーブルが挿通可能な挿通孔23が取り付けられている。
【0028】
また、取付部30の他方側には後述するソケット装置40を取付板31に取り付けるための開口部41が形成され、ネジなどにより取り付けられている。
【0029】
また、このソケット装置40の中央には後述するランプ装置50の図示しない突出部が挿入可能な中央開口部42およびランプピンに対向する一対の接続孔43が貫通形成されている。
【0030】
ランプ装置50は、一方側である上側にGX53形の口金部が形成され、他方側である下面側に図示しない光源を覆うグローブが取り付けられるとともに内部に点灯回路が収容されている。
【0031】
また、ランプ装置50の口金部には、ソケット装置40下面に当接する環状の当接面が形成され、この当接面の中央からソケット装置40の中央開口部42に挿入する円柱状の突出部が形成されている。
【0032】
環状の当接面には、導電性を有する金属製の一対のランプピンが突出されている。各ランプピンがソケット装置40の各接続孔に挿入され、ランプ装置50が回動することでランプピンが接続孔43に移動し、ランプピンが受金に電気的に接触されるとともに、接続孔43の縁部に引っ掛かって、ランプ装置50をソケット装置40に保持するように構成されている。また、グローブは、透光性を有する透明あるいは光拡散性を有する合成樹脂により形成されている。
【0033】
カバー60は、外径が器具本体10と同等であり、かつ取付板31の外径と略同径の内径を有する両側開口円筒状の透光性を有する透明あるいは光拡散性を有する合成樹脂により形成されている。
【0034】
また、カバー60内周面には取付板31の周囲に形成された切欠部32に対応した内側方向に突出した突状の第一の係合部61が形成されているとともに、第一の係合部61よりも下方であり、第一の係合部61に平行な突状の第二の係合部62が形成されている。すなわち、第一の係合部61は取付板31の上側、第二の係合部62は取付板31の下側に配置され、上下一対の凸部61,62間に取付板31が介在されている。また、第一の係合部61に切欠き部31を挿入させ、カバー60を持ち上げることで第二の係合部62が取付板の下面に当接することで、挿入高さを規制する。さらに、切欠部32に連続して形成された折返し部33により、カバー体60の回転を抑制し互いに係合する。なお、カバー体60と取付板31の切欠部32と凸部61,62の関係はどちらに形成していても構わなくまた、互いの係合手段は、回動角を規制するとともに、カバー体60が抜け落ちないように支持可能であればその方法などは限定されるものではない。
【0035】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0036】
まず天板部20の金属板21、を天井面に取付、天板部20の支柱を介して取付部30の取付板31を取り付け、ネジなどにより天井に取り付ける。
【0037】
次にソケット装置40にランプ装置50を装着する。最後に、カバー体60内面に形成された第一の係合部61を取付板31の切欠部32に挿入し回転させるとともに、折返し部33と凸部62を当接させることで回転を抑制し、第一および第二の係合部61,62間に取付板31が介在しカバー体60を支持する。
【0038】
このように、カバー体60内面とランプ外周間の隙間が狭い小形照明器具において、カバー体60の取付取り外し可能とすることで、ランプ装置50の装着を容易にすることができる。また、天板部20および取付部30ならびにソケット装置40の構造を統一することで、部品点数を低減することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0039】
また、照明器具の取替えの際には、カバー体60およびランプ装置50ならびにソケット装置40を外した後、取付板31だるま孔34に取り付けたネジを緩め、だるま孔34の大径方向に取付板31をスライドさせることで取付板31を取り外すことができる。このように天井面に何度もネジ孔をあけることもなく、容易に器具交換をすることができる。
【符号の説明】
【0040】
10・・・照明装置、
20・・・天板部、
30・・・取付部、
40・・・ソケット装置、
50・・・ランプ装置、
60・・・カバー体、




【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側に天板部が配設され、下面側にソケット部を取り付ける取付部を有し、取付部周囲に係合部が形成された器具本体と;
偏平に形成され、その一面側に口金部、他面側に光源がそれぞれ設けられ、口金部が前記ソケット部に取り付けられたランプ装置と;
少なくとも天板部側に開口部を有し、ランプ装置を包囲しながら内周面に形成された被係合部にて器具本体の係合部と係合するカバーと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
カバーを回転させることで器具本体の取付部に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の照明器具。











【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−76877(P2011−76877A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227475(P2009−227475)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】