説明

照明器具

【課題】意匠面で良好にできるとともに小型化できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、器具本体11に取り付けられた取付ばね13と、構造部材15と、構造部材15に取り付けられ、取付ばね13に装着される取付金具17とを備え、取付ばね13は、取付金具17の両側を挾み込むように弾性反発力を有する保持部20を有し、保持部20により取付金具17を保持することにより構造部材15を器具本体11に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源として天井面に設置されるベースライトに適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パネル枠に取り付けられた差込係止片が器具本体に取り付けられた板ばねに係止される照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−1109号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に記載された照明器具は、差込係止片が板ばねに係止されることによりパネル枠を器具本体に容易に装着できる。
ところで、図12に示すように、器具本体101に取り付けられた取付ばね102を弾性変形させながら反射板等の構造部材103を取付ばね102に装着する照明器具100が提案されている。
【0005】
このような従来の照明器具100は、ハ字形状をなす取付ばね102の先端部が構造部材103に有するばね孔104に弾性変形されて挿入されることにより取付ばね102に蓄積された弾性復元力により構造部材103が器具本体101に保持される。構造部材103を器具本体101から取り外す場合、構造部材103から飛び出している取付ばね102の先端部を指等で摘むことにより取付ばね102を弾性変形させて、構造部材103のばね孔104から取付ばね102を抜き出して構造部材103が器具本体101から取り外される。
【0006】
しかし、このような従来の照明器具100は、構造部材103が器具本体101に取り付けられている状態において、取付ばね102の構造部材103から飛び出している先端部が床面側から直視されるために意匠面が良好ではない。
【0007】
一方、従来の照明器具100と同様に、構造部材の上部に取付ばねを設け、取付ばねを器具本体に装着することにより、構造部材が器具本体に取り付けられる照明器具が提案されている。
しかし、このような照明器具は、取付ばねの可動範囲を器具本体の厚み方向に設定しなくてはならず、それに伴い、器具本体の高さ寸法が大きくなって小型化できない。
【0008】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、意匠面で良好にできるとともに小型化できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、器具本体に取り付けられた取付ばねと、構造部材と、構造部材に取り付けられ、取付ばねに装着される取付金具とを備え、取付ばねは、取付金具の両側を挾み込むように弾性反発力を有する保持部を有し、保持部により取付金具を保持することにより構造部材を器具本体に取り付ける。
【0010】
本発明に係る照明器具は、取付金具は、先端幅が狭く、中央に向かうほど幅が広くなり、中央より固定側に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されており、取付ばねは、先端側が一定の隙間を有し、取付金具の両側を挟む一対の取付片部を有する。
【0011】
本発明に係る照明器具は、取付ばねは、先端に取付片部を取付金具に押付けるための押付部を有する。
【0012】
本発明に係る照明器具は、取付ばねは、器具本体への取付部分と押付部との間に、展開寸法を長くするための長尺部を有する。
【0013】
本発明に係る照明器具は、取付ばねは、器具本体への取付部分が幅広に形成される。
【0014】
本発明に係る照明器具は、取付金具は、板形状に形成される。
【0015】
本発明に係る照明器具は、取付金具は、断面形状が同一であって対向配置された板部材により形成される。
【0016】
本発明に係る照明器具は、取付金具は、板部材の間に当たりを設ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る照明器具によれば、意匠面で良好にできるとともに小型化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】図1の照明器具の取付ばねおよび取付金具周りの分解斜視図
【図3】図1の照明器具の取付ばねと取付金具との組付け前の正面図
【図4】図3の取付ばねと取付金具との組付手順を説明する第1段階の正面図
【図5】図3の取付ばねと取付金具との組付手順を説明する第2段階の正面図
【図6】図3の取付ばねと取付金具との組付手順を説明する第3段階の正面図
【図7】本発明に係る第2実施形態の照明器具に適用される取付ばねの外観斜視図
【図8】本発明に係る第3実施形態の照明器具に適用される取付ばねの外観斜視図
【図9】本発明に係る第4実施形態の照明器具に適用される取付金具の外観斜視図
【図10】本発明に係る第5実施形態の照明器具に適用される取付金具の外観斜視図
【図11】本発明に係る第6実施形態の照明器具に適用される取付金具の側面図
【図12】従来の照明器具の垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の照明器具10は、安定器等の点灯回路12が取り付けられた器具本体11と、器具本体11に取り付けられた一対の取付ばね13と、反射板ユニット14と、構造部材であってLEDユニット16を有する点灯ユニット15と、点灯ユニット15に取り付けられ、取付ばね13に装着される一対の取付金具17とを備えるベースライトである。
【0020】
器具本体11は、長尺の板形状に形成されており、下面の両端部に取付ばね13が取り付けられている。
反射板ユニット14は、器具本体11に相似する長尺の箱形状に形成されており、中央部に配置された取付金具挿入部18の両側に一対の反射板19を有する。
点灯ユニット15は、長尺の略ハ字形状に形成されており、その長手方向に沿ってLEDユニット16が取り付けられている。点灯ユニット15は、上面の両端部に取付金具17が取り付けられている。LEDユニット16は、不図示の基板上に実装されており、基板に有する不図示のプリント回路が点灯回路12に電気的に接続される。
【0021】
照明器具10は、点灯ユニット15が器具本体11に向けて進行され、点灯ユニット15の取付金具17が、反射板ユニット14の取付金具挿入部18を介して反射板ユニット14に有する不図示の取付金具孔に挿通された後に、器具本体11の取付ばね13に挿着されることにより、反射板ユニット14を挟んで器具本体11に点灯ユニット15が一体的に組み付けられる。
【0022】
図2および図3に示すように、取付ばね13は、弾性を有する金属製の板部材を折曲加工することにより成形されている。取付ばね13は、先端部に取付金具17の両側を挾み込むように弾性反発力が設定された一対の対向する保持部20を有し、基端部に器具本体11への固定部21を有する。
【0023】
取付金具17は、弾性を有さない金属製の板部材を折曲加工することにより、菱形に形成された挿入部22と、点灯ユニット15にねじ止めされる固定部23とを有する。取付金具17の挿入部22は、先端が細くなっているために取付ばね13に対して挿入しやすい。取付金具17の挿入部22は、先端から中央に向かうほど幅寸法が広くなっており、中央より固定部23に向かうにつれて幅寸法が狭くなるように形成されている。
【0024】
取付ばね13は、先端部の保持部20の開口の幅寸法が狭く、保持部20から中央に向かうほど幅寸法が広い幅広中央部24を有し、幅広中央部24より固定部21に向かうにつれて幅寸法が狭くなるように形成されている。固定部21は複数の折曲部25を有する。
従って、取付ばね13は、取付金具17の両側を挾み込むように弾性反発力が設定された一対の対向する保持部20を先端部に有するために、取付金具17を挿入しやすく、且つ、取付金具17を外しやすい。
【0025】
また、取付ばね13は、幅広中央部24が、保持部20から中央に向かうほど幅寸法が広く形成されているために、外側に膨らむことにより展開寸法が長くなって撓み代が増大され、取付金具17の挿入時に生ずる応力を緩和できる。
そして、取付ばね13は、固定部21に複数の折曲部25を有するために、展開寸法が長くなって撓み代が増大され、取付金具17の挿入時に生ずる応力を緩和できる。
【0026】
取付ばね13は、先端部の保持部20に、一定の隙間を有して取付金具17の両側を挟む取付片部26を有する。
従って、取付ばね13は、取付金具17を挿入した際に、取付片部26により取り付けのばらつきが吸収されるために、器具本体11から点灯ユニット15までの距離を所定の大きさに設定できる。
【0027】
取付ばね13は、保持部20に、取付片部26を取付金具17に押付けるための押付部27を有する。
従って、取付ばね13は、取付金具17を挿入する際に、押付部27により取付片部26が取付金具17に押付けられることにより、固定部21から保持部20までの間が撓み変形されて取付金具17の挿入時に生ずる応力を分散させて緩和できる。
【0028】
図4に示すように、器具本体11に対して点灯ユニット15が進行されることにより、取付金具17の挿入部22が取付ばね13の保持部20にぶつかり、取付金具17の挿入部22が取付ばね13の保持部20にぶつかることにより、取付ばね13の保持部20が押し広げられる。
【0029】
図5に示すように、取付金具17の挿入部22により取付ばね13の保持部20が押し広げられることにより、取付ばね13の取付片部26が取付金具17の挿入部22を挟み込むために、点灯ユニット15を器具本体11に近づける引上力Fが生ずる。
【0030】
図6に示すように、取付ばね13の取付片部26により生じた引上力Fにより、点灯ユニット15が器具本体11に近づき、取付ばね13の押付部27により取付片部25が取付金具17の挿入部22に押付けられる。
これにより、器具本体11から点灯ユニット15までの距離が所定の大きさに設定されて点灯ユニット15が器具本体11に一体的に組み付けられる。このとき、床面側からは、器具本体11の取付ばね13および点灯ユニット15の取付金具17が直視されないために、意匠面で良好にできる。
【0031】
以上、説明した第1実施形態の照明器具10によれば、取付ばね13が、取付金具17の挿入部22の両側を挾み込むように弾性反発力が設定された一対の対向する保持部20を先端部に有するために、取付金具17を挿入しやすく、かつ、取付金具17を外しやすくでき、床面側からは、器具本体11の取付ばね13および点灯ユニット15の取付金具17が直視されないために、意匠面で良好にできる。また、第1実施形態の照明器具10によれば、従来のものと比べて、器具本体11の高さ寸法が大きくならないので小型化できる。
【0032】
そして、第1実施形態の照明器具10によれば、取付ばね13が、取付金具17の挿入部22を挿入した際に、取付片部26により取り付けのばらつきが吸収されるために、器具本体11から点灯ユニット15までの距離を所定の大きさに設定できる。
【0033】
さらに、第1実施形態の照明器具10によれば、取付ばね13が、取付金具17の挿入部22を挿入する際に、押付部27により取付片部26が取付金具17に押付けられることにより、固定部21から保持部20までの間が撓み変形されて取付金具17の挿入時に生ずる応力を分散させて緩和できる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0035】
図7に示すように、取付ばね31は、器具本体11への固定部32と押付部33との間に、展開寸法を長くするための長尺部34を有する。
長尺部34は、固定部32から押付部33までの間に巻き付けられるように長い展開寸法を設定する。
【0036】
第2実施形態の照明器具30によれば、取付ばね31が、固定部32と押付部33との間に、展開寸法を長くするための長尺部34を有するために、撓み代が増大されて、取付金具17の挿入時に生ずる応力を緩和できる。
【0037】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図8に示すように、取付ばね41は、器具本体11への固定部42にボリュームの大きい幅広部43を有する。
【0038】
第3実施形態の照明器具40によれば、取付ばね41が、固定部42に幅広部43を有するために、取付金具17の挿入時に生ずる応力を緩和できる。
【0039】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図9に示すように、取付金具51は、器具本体11への固定部52の上部に、第1実施形態の取付金具17に投影形状が同じ菱形であって板金の板厚のみにより板形状に形成されている。
【0040】
第4実施形態の照明器具50によれば、取付金具51が、板金の板厚のみにより板形状に形成されているために、簡潔な構造であるので、価格面で有利であり、通常巨額を必要とする金型費を大幅に削減できる。
【0041】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の照明器具について説明する。
図10に示すように、取付金具61が、断面形状が同一であって対向配置された一対の連結された板部材62,63により形成されている。一方の板部材62は器具本体11への固定部64を有し、他方の板部材63は、先端部が点灯ユニット15に形成された板部材孔65に係止されている。
【0042】
第5実施形態の照明器具60によれば、取付金具61が、断面形状が同一であって対向配置された一対の連結された板部材62,63により形成されているために、強度を向上できる。
【0043】
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態の照明器具について説明する。
図11に示すように、取付金具71が、断面形状が同一であって対向配置された一対の連結された板部材72,73により形成されている。一方の板部材72は器具本体11への固定部74を有し、一方の板部材72と他方の板部材73との間に当たり75が設けられている。当たり75は、リブやブリッジや爪等を突出させて成形したものである。
なお、当たり75は、取付金具71とは別部品が取付金具71に一体的に組付けられてもよい。
【0044】
第6実施形態の照明器具70によれば、取付金具71が、断面形状が同一であって対向配置された一対の連結された板部材72,73により形成されており、板部材72と板部材73との間に当たり75が設けられているために、強度をさらに向上できる。
【0045】
なお、本発明の照明器具において器具本体,点灯回路,反射板ユニット,LEDユニット等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,30,40,50,60,70 照明器具
11 器具本体
13,31,41 取付ばね
15 点灯ユニット(構造部材)
17,51,61,71 取付金具
20 保持部
26 取付片部
27 押付部
34 長尺部
75 当たり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体に取り付けられた取付ばねと、
構造部材と、
前記構造部材に取り付けられ、前記取付ばねに装着される取付金具とを備え、
前記取付ばねは、前記取付金具の両側を挾み込むように弾性反発力を有する保持部を有し、前記保持部により前記取付金具を保持することにより前記構造部材を前記器具本体に取り付ける照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記取付金具は、先端幅が狭く、中央に向かうほど幅が広くなり、中央より固定側に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されており、
前記取付ばねは、先端側が一定の隙間を有し、前記取付金具の両側を挟む一対の取付片部を有する照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具において、
前記取付ばねは、先端に前記取付片部を前記取付金具に押付けるための押付部を有する照明器具。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の照明器具において、
前記取付ばねは、前記器具本体への取付部分と前記押付部との間に、展開寸法を長くするための長尺部を有する照明器具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記取付ばねは、前記器具本体への取付部分が幅広に形成される照明器具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記取付金具は、板形状に形成される照明器具。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記取付金具は、断面形状が同一であって対向配置された板部材により形成される照明器具。
【請求項8】
請求項7に記載の照明器具において、
前記取付金具は、前記板部材の間に当たりを設ける照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−54004(P2012−54004A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193567(P2010−193567)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】