説明

照明器具

【課題】構造部材の本体ユニットに対するがたつきを規制できるとともに効率よく放熱できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、点灯回路が取付けられた本体ユニット11と、反射板ユニット14と、LED点灯ユニット16とを備え、反射板ユニット14に有し、LED点灯ユニット16に対向する金属面15と、金属面15により、本体ユニット11、反射板ユニット14およびLED点灯ユニット16の嵌合時に幅方向の移動を規制するとともに、LED点灯ユニット16の熱を放熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源として天井面に設置されるベースライトに適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDの基板が放熱板に取り付けられ、この放熱板がケースに接続された照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−104998号公報(図2、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に記載された照明器具は、LEDからの熱を放熱板から効率よく放熱できる。
ところで、図10に示すように、本体ユニット101に取り付けられた取付ばね102を弾性変形させながら反射板等の構造部材103を取付ばね102に装着する照明器具100が提案されている。
【0005】
このような従来の照明器具100は、ハ字形状をなす取付ばね102の先端部が構造部材103に有するばね孔104に弾性変形されて挿入されることにより取付ばね102に蓄積された弾性復元力により構造部材103が本体ユニット101に保持される。構造部材103を本体ユニット101から取り外す場合、構造部材103から飛び出している取付ばね102の先端部を指等で摘むことにより取付ばね102を弾性変形させて、構造部材103のばね孔104から取付ばね102を抜き出して構造部材103が本体ユニット101から取り外される。
【0006】
しかし、このような従来の照明器具100は、壁1に設置された場合、自重により構造部材103が本体ユニット101の長手方向に直交する幅方向に対してがたついたり、落下したりする。
また、このような従来の照明器具100は、構造部材103が本体ユニット101に大きな面積で接触されていないために、構造部材103から伝わる不図示の光源の熱を本体ユニット101から効率放熱できない。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、構造部材の本体ユニットに対するがたつきを規制できるとともに効率よく放熱できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、点灯回路が取付けられた本体ユニットと、反射板ユニットと、LED点灯ユニットとを備え、本体ユニットまたは反射板ユニットに有し、LED点灯ユニットに対向する金属面と、金属面により、本体ユニット、反射板ユニットおよびLED点灯ユニットの嵌合時に幅方向の移動を規制するとともに、LED点灯ユニットの熱を放熱する。
【0009】
本発明に係る照明器具は、LED点灯ユニットと本体ユニットとの間に、LED点灯ユニットおよび本体ユニットの長手方向を規制する規制手段を設ける。
【0010】
本発明に係る照明器具は、金属面が、LED点灯ユニットに対する曲部を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る照明器具によれば、構造部材の本体ユニットに対するがたつきを規制できるとともに効率よく放熱できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】図1の照明器具のLED点灯ユニットと本体ユニットとの組み付け前の外観斜視図
【図3】図1の照明器具の組み付け前の各部品の垂直断面図
【図4】図1の照明器具のLED点灯ユニットのみを反射板ユニットと本体ユニットから着脱する場合の垂直断面図
【図5】図4の照明器具の組み付け後の垂直断面図
【図6】図1の照明器具のLED点灯ユニットと反射板ユニットとを本体ユニットから着脱する場合の垂直断面図
【図7】図6の照明器具の組み付け後の垂直断面図
【図8】図1の照明器具の分解側面図
【図9】図8の照明器具の組み付け後の側面図
【図10】従来の照明器具の垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、一実施形態の照明器具10は、安定器等の点灯回路12が取り付けられた本体ユニット11と、本体ユニット11に取り付けられた一対の取付ばね13と、構造部材であって金属板部15を有する反射板ユニット14と、複数のLED17を備えるLEDユニット18を有するLED点灯ユニット16と、LED点灯ユニット16に取り付けられ、取付ばね13に装着される一対の取付金具19とを備えるベースライトである。
【0014】
本体ユニット11は、熱伝導性の良好な若干の弾性反発力を有する例えば板金曲部材製やアルミニウム押出型材製であって長方形の板形状に形成されており、下面の両端部に取付ばね13が取り付けられている。
反射板ユニット14は、熱伝導性の良好な例えば板金曲部材製やアルミニウム押出型材製であって長方形の箱形状に形成されており、中央部に配置されたコ字形状の金属板部15の両側に一対の反射板20を有する。
【0015】
LED点灯ユニット16は、熱伝導性の良好な例えば板金曲部材製やアルミニウム押出型材製の板形状の基台21を有し、基台21の下方側にレンズ22が取り付けられており、基台21の裏面にLEDユニット18が取り付けられている。LED点灯ユニット16は、LEDユニット18の長手方向に沿って複数のLED17を配列させている。LED17は基板23上に実装されており、基板23に有する不図示のプリント回路が点灯回路12に電気的に接続される。LED点灯ユニット16は、上面の両端部に取付金具19が取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、取付ばね13は、弾性を有する金属製の板部材を折曲加工することにより成形されている。取付ばね13は、先端部に取付金具19の両側を挾み込むように弾性反発力が設定された一対の対向する保持部24を有し、基端部に本体ユニット11への固定部25を有する。
【0017】
取付金具19は、弾性を有さない金属製の板部材を折曲加工することにより、菱形に形成された挿入部26と、LED点灯ユニット16の表面にねじ止めされる固定部27とを有する。
【0018】
図3に示すように、反射板ユニット14は、取付金具19を挿通させるための取付金具孔28を有する。そのため、LED点灯ユニット16が本体ユニット11に対して進行される際に、LED点灯ユニット16の取付金具19が反射板ユニット14の取付金具孔28を挿通されて本体ユニット11の取付ばね13に挿着される。
【0019】
反射板ユニット14は、コ字形状の金属板部15の開口部分に、LED点灯ユニット16の基台21の幅寸法に同等または幅寸法よりもわずかに小さい一対の曲部29を有する。曲部29は、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、弾性変形され、弾性変形されることにより蓄積された弾性復元力により、反射板ユニット14の金属板部15をLED点灯ユニット16の基台21に強固に結合させる。
【0020】
従って、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、LED点灯ユニット16の基台21が反射板ユニット14の金属板部15に係合されることにより、LED点灯ユニット16における本体ユニット11の長手方向に直交する幅方向への移動を規制できる。
【0021】
また、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、LED点灯ユニット16の基台21が反射板ユニット14の金属板部15に面接触されて熱的に接続されることにより、LED点灯ユニット16の基台21からの熱が金属板部15から反射板ユニット14に効率よく伝わる。
【0022】
加えて、反射板ユニット14の金属板部15の曲部29により、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、反射板ユニット14の金属板部15をLED点灯ユニット16の基台21に強固に結合できる。
【0023】
図4に示すように、LED点灯ユニット16のみが反射板ユニット14および本体ユニット11に対して進行される。次に、LED点灯ユニット16の取付金具19が反射板ユニット14の取付金具孔28に挿通された後に、本体ユニット11の取付ばね13に挿着される。これにより、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14および本体ユニット11に組み付けられる。
【0024】
図5に示すように、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14および本体ユニット11に組み付けられることにより、反射板ユニット14の金属板部15に有する曲部29により、LED点灯ユニット16の基台21からの熱が金属板部15から反射板ユニット14に効率よく伝わる。
取り外しを行う場合は、上記と反対に、LED点灯ユニット16のみが反射板ユニット14および本体ユニット11から取り外される。
【0025】
図6に示すように、LED点灯ユニット16の基台21が反射板ユニット14の金属板部15に嵌合されたLED点灯ユニット16および反射板ユニット14が本体ユニット11に対して進行される。そして、LED点灯ユニット16の取付金具19が本体ユニット11の取付ばね13に挿着される。これにより、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14および本体ユニット11に組み付けられる。
【0026】
図7に示すように、LED点灯ユニット16および反射板ユニット14が本体ユニット11に組み付けられることにより、反射板ユニット14の金属板部15に有する曲部29により、LED点灯ユニット16の基台21からの熱が金属板部15から反射板ユニット14に効率よく伝わる。
取り外しを行う場合は、上記と反対に、LED点灯ユニット16および反射板ユニット14が本体ユニット11から取り外される。
【0027】
図8に示すように、本体ユニット11の長手方向の両端部に、規制手段である本体ユニット側規制部材30が取り付けられている。本体ユニット側規制部材30はLED点灯ユニット16の取付金具19または基台21に係止される。
図9に示すように、LED点灯ユニット16と反射板ユニット14と本体ユニット11とが組み付けられることにより、LED点灯ユニット16の取付金具19が本体ユニット11の本体ユニット側規制部材30に係止されてLED点灯ユニット16における本体ユニット11の長手方向への移動が規制される。
【0028】
なお、LED点灯ユニット16の基台21に、本体ユニット11の本体ユニット側規制部材30を係止させるための孔や突起を設けてもよい。
従って、本体ユニット側規制部材30により、LED点灯ユニット16を本体ユニット11の長手方向へ移動させずに規制できる。
【0029】
以上、説明した実施形態の照明器具10によれば、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、LED点灯ユニット16の基台21が反射板ユニット14の金属板部15に係合されることにより、LED点灯ユニット16における本体ユニット11の長手方向に直交する幅方向への移動を規制できる。また、一実施形態の照明器具10によれば、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、LED点灯ユニット16の基台21が反射板ユニット14の金属板部15に面接触されて熱的に接続されることにより、LED点灯ユニット16の基台21からの熱を金属板部15から反射板ユニット14に伝えて効率よく放熱できる。
【0030】
また、実施形態の照明器具10によれば、本体ユニット側規制部材30により、LED点灯ユニット16を本体ユニット11の長手方向へ移動させずに規制できる。
【0031】
そして、実施形態の照明器具10によれば、反射板ユニット14の金属板部15の曲部29により、LED点灯ユニット16が反射板ユニット14に組み付けられた際に、反射板ユニット14の金属板部15をLED点灯ユニット16の基台21に強固に結合できる。
【0032】
なお、本発明の照明器具において本体ユニット,点灯回路,反射板ユニット,LED点灯ユニット,LEDユニット等は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 照明器具
11 本体ユニット
12 点灯回路
14 反射板ユニット
15 金属板部(金属面)
16 LED点灯ユニット
29 曲部
30 本体ユニット側規制部材(規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯回路が取付けられた本体ユニットと、
反射板ユニットと、
LED点灯ユニットとを備え、
前記本体ユニットまたは前記反射板ユニットに有し、前記LED点灯ユニットに対向する金属面と、
前記金属面により、前記本体ユニット、前記反射板ユニットおよび前記LED点灯ユニットの嵌合時に幅方向の移動を規制するとともに、前記LED点灯ユニットの熱を放熱する照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記LED点灯ユニットと前記本体ユニットとの間に、前記LED点灯ユニットおよび前記本体ユニットの長手方向を規制する規制手段を設ける照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記金属面が、前記LED点灯ユニットに対する曲部を有する照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−54005(P2012−54005A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193568(P2010−193568)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】