説明

照明器具

【課題】照明器具において、空間照明による空間の快適化及び路面照明による防犯効果を確保しつつ、消費電力を低減する。
【解決手段】照明器具1は、路面上方に配置される器具本体2と、器具本体2に保持される第1光源31及び第2光源33と、第1光源31及び第2光源33をそれぞれ独立して調光制御可能な制御回路とを備える。第1光源31は、路面方向に光を出射し、第2光源33は、器具本体2の周辺に第1光源31の出射光よりも色温度が低い光を出射する。それにより、第2光源33を用いた空間照明による空間の快適化及び第1光源31を用いた路面照明による防犯効果を確保できる。また、空間が暗くなるにつれ、高色温度の光に対する人間の視感度が高くなるプルキンエ効果に基づき、第2光源33の出射光量を減らすことにより、第1光源31からの出射光だけで路面照明を行うことができるので、消費電力を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路等の路面を照らす照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筐体の内部上方に光源が配置され、筐体の側面上部に形成された開口から、光源による出射光を筐体側方に放射する歩道用照明器具が知られている。この歩道用照明器具は、歩道に立設されており、高さが1[m]程度である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−277729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した歩道用照明器具の構成を、地上数[m]の高い位置から空間を照らす街灯に適用したとする。その場合、光源周辺の空間を広範囲に明るくすることができ、夜間に、広い範囲で空間の快適化を図ることができる。しかしながら、その街灯では、光源の側方に光が出射されることから、路面を十分に照らすことが難しく、路面照明による防犯効果を得にくい。
【0005】
そこで、防犯効果を得るため、上記のような街灯に、路面方向に光を出射する光源をさらに設け、その光源を、上述した空間照明用の光源と共に、点灯することが考えられる。しかしながら、その場合、光源による消費電力が増加してしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためのものであり、器具本体周辺の空間と路面とに光出射可能な照明器具であって、空間照明による空間の快適化及び路面照明による防犯効果を確保でき、しかも、消費電力を抑制できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の照明器具は、路面の上方に配置される器具本体と、前記器具本体に保持される光源部と、前記光源部を調光制御する制御回路と、を備えた照明器具において、前記光源部は、路面方向に光を出射する第1の光源と、前記器具本体の周辺に前記第1の光源の出射光よりも色温度が低い光を出射する第2の光源と、を有し、前記制御回路は、前記第1の光源及び前記第2の光源をそれぞれ独立して調光制御可能であることを特徴とする。
【0008】
この発明において、現在時刻を計測するタイマをさらに備え、前記制御回路は、前記タイマにより計時される現在時刻が予め設定された深夜時刻に近づくにつれて前記第1の光源の出射光と前記第2の光源の出射光との合成光の色温度が高くなるように該第1の光源と該第2の光源とをそれぞれ独立して調光制御することが好ましい。
【0009】
この発明において、前記第2の光源は、その出射光の一部が路面方向に照射されるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、相対的に出射光の色温度が低い第2の光源から器具本体周辺の空間に光が出射されることから、空間照明による空間の快適化を図ることができる。また、相対的に出射光の色温度が高い第1の光源から路面に光が出射されることから、路面照明による防犯効果を確保することができる。そして、例えば、空間が暗くなるにつれ、高色温度の光に対する人間の視感度が高くなるプルキンエ効果に基づき、第2の光源の出射光量を減らすことにより、第1の光源からの出射光だけで路面照明を行うことができるので、消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る照明器具の正面図、(b)その照明器具の器具本体部分を斜め下方から見た図、(c)はその器具本体部分を斜め上方から見た図。
【図2】(a)は上記器具本体部分の縦断面図、(b)のA−A’線断面図。
【図3】上記照明器具の電気的ブロック図。
【図4】上記照明器具の制御回路による調光制御内容を示す図。
【図5】空間の明るさ感の評価指標Feuが適当になる発光輝度の範囲を示す図。
【図6】(a)は上記実施形態の第1の変形例に係る照明器具の器具本体部分を斜め下方から見た図、(b)はその器具本体部分を斜め上方から見た図、(c)はその器具本体部分の縦断面図。
【図7】上記照明器具の上記A−A’線に対応する線による断面図。
【図8】上記実施形態の第2の変形例に係る照明器具の器具本体部分の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の照明器具の構成を示す。本実施形態の照明器具1は、道路又は公園等に設置される街灯に好適に用いられる。照明器具1は、道路又は公園等の路面R1の上方に配置される器具本体2と、器具本体2に保持される光源部3と、光源部3を調光制御する制御回路(制御回路;同図では不図示)とを備える。
【0013】
器具本体2は、環状の下部ケース21と、下部ケース21から上方に延設された逆円錐筒状の上部ケース22とを有する。下部ケース21も上部ケース22もそれぞれ、光源部3の後述する光源をそれぞれ収容している。下部ケース21は、その外周壁部及び底部に透光性を有し、下部ケース21内の光源からの出射光は、下部ケース21の外周壁部及び底部を透過して、路面R1に照射される。上部ケース22は、その外周壁部に光拡散性を有し、上部ケース22内の光源からの出射光は、上部ケース22の外周壁部を透過して器具本体2の周辺に放射される。
【0014】
器具本体2は、路面R1に立設された支柱4に支持されている。具体的には、下部ケース21の中心に形成された孔に支柱4の先端部41が挿通され、その先端部41から側方に延びた懸架部材42に下部ケース21の内周壁の一部が支持されている。器具本体2の支持構造はこれに限定されない。下部ケース21は、環状であって、その中心に孔があることから、上部ケース22の上部開口から入り込む雨水又は粉塵等が、その孔から下方に排出され、器具本体2に溜まったり、付着・蓄積したりし難くなる。
【0015】
図2は、照明器具1の器具本体2部分の内部構造を示す。下部ケース21は、その外周壁部及び底部が透光板21aにより構成されている。上部ケース22は、その内周壁及び外周壁部がそれぞれ反射板22a及び光拡散板22bにより構成されている。反射板22a及び光拡散板22bは、互いに平行に配置され、それらに挟まれた空間は天板22cによって塞がれており、その空間への雨水浸入又は粉塵の蓄積等の防止が図られている。
【0016】
光源部3は、第1光源31(第1の光源)と、第1光源32の出射光よりも色温度が低い光を出射する第2光源32、33(第2の光源)とを有する(第2光源32については図2(b)を参照)。第1光源31は、色温度が例えば略8000[K]であって青みがかった白色光を出射する。その色温度は、薄明視状態で人間の視感度が高い色温度であって、夜間等の暗い環境でその色温度の光を照射することにより防犯効果が得られる。第2光源32、33は、色温度が例えば略3000[K]であって、光色が橙色に近く、いわゆる電球色と呼ばれる色の光を出射する。この色温度の光は、空間を演出し、空間の快適性を向上する効果が有る。第1光源31及び第2光源32、33のいずれもLED等により構成される。第1光源31及び第2光源32は、下部ケース21に収容されており、路面R1の方向に光を出射する。第2光源33は、上部ケース22に収容されており、器具本体2の周辺に光を出射する。
【0017】
第1光源31及び第2光源32は、下部ケース21を構成する天板部21bの底面に取り付けられた基板21cに実装され、円状に互いに等間隔でかつ交互に設けられ(図2(b)参照)、光出射方向が下方を向くように配置されている。この配置により、第1光源31及び第2光源32の光出射方向は、路面R1の方向とされている。第1光源31及び第2光源32から発せられた光は、透光板21aを透過して、器具本体2の直下方向及び斜め下方、すなわち、路面R1の方向に、直接光として出射される。
【0018】
第2光源33は、台座22dに支えられ斜めに起こされた基板22eの上面に実装され、光出射方向が反射板22a及び光拡散板22bと略平行になるように配置されている。また、第2光源33は、第1光源31及び第2光源32と同様に、円状に等間隔に配置されている。この配置により、第2光源33から発せられた光は、反射板22aで反射した後、又は直接に光拡散板22bに入射して、光拡散板22bにより拡散され、光拡散板22bの面全体から、器具本体2の周辺、特に器具本体2の側方周囲に、間接光として出射される。
【0019】
図3は、照明器具1の電気的構成を示す。照明器具1は、第1光源31及び第2光源32、33に加え、第1光源31及び第2光源32、33をそれぞれ独立して調光制御可能な制御回路5と、現在時刻を計測するタイマ6とを備える。制御回路5は、タイマ6により計時される現在時刻が予め設定された深夜時刻に近づくにつれて第1光源31の出射光と第2光源32、33の出射光との合成光の色温度が高くなるように第1光源31と第2光源32、33とをそれぞれ独立して調光制御する。
【0020】
図4は、制御回路5による時間帯に応じた調光制御の内容を示す。同図においては、横軸が色温度を示し、縦軸が第2光源33の出射光量(間接光量)を第1光源31の出射光と第2光源32の出射光との合成光量(直接光量)で除した光量比L1を示す。ここで、タイマ6により計測される現在時刻(以下、単に現在時刻という)が、夕方の予め設定された時刻になるまでは、例えば第1光源31及び第2光源32、33は消灯されているとする。ここで、予め設定された時刻は、夕方の周囲が暗がり始める時刻であり、その時刻から日没後に周囲が完全に暗くなる時刻までの期間を第1点灯時間帯とする。
【0021】
現在時刻が第1点灯時間帯になると、制御回路5は、第1光源31及び第2光源32、33を点灯させる。そして、制御回路5は、第2光源33の出射光量を高くすることにより間接光量を多くし、第1光源31の出射光量及び第2光源32の出射光量を第2光源33の出射光量よりも低くすることにより直接光量を少なくし、そのようにして光量比L1を高くする。第1光源31及び第2光源32は、消灯状態のままであってもよい。
【0022】
ここで、空間観察時に視野に存在する壁面又は路面等から眼に入る光を総合的に捉えた、空間の明るさ感の評価指標をFeuという。第1点灯時間帯においては、Feuが適当な値になるように第1光源31及び第2光源32、33の各々の発光輝度が予め設定されている。Feuが適当になる発光輝度の範囲を図5に示す。同図では、縦軸が発光輝度[cd/m]を示し、横軸が人間から見た立体角[sr]を示す。Feuが適当になる発光輝度の範囲は、立体角に応じて変わるものであり、同図には、立体角毎の適当な発光輝度範囲を囲んだ+Feu領域A1を示す。発光輝度が+Feu領域A1内にあれば、Feuアップ(明るさ感向上効果)を期待でき、発光輝度が+Feu領域A1内にない場合と比べて、Feuが1.0〜1.5倍になる。+Feu領域A1は、路面照度を1[lx]としたときの領域である。+Feu領域A1は、立体角が0.00001[sr]のときには発光輝度が略2000〜23000[cd/m]までの範囲であって、対数表示の上では立体角の増加に比例して発光輝度の範囲の上限値も下限値も線形に低下する領域である。そして、+Feu領域A1は、立体角が0.005[sr]のとき、発光輝度が略100〜1000[cd/m]までの範囲である。+Feu領域A1中の動作線L2は、立体角毎に、+Feu効果が最も高くなる発光輝度を示す。この動作線L2では、立体角が0.00001[sr]のとき、発光輝度が略6300[cd/m]であり、対数表示の上では立体角の増加に比例して発光輝度が線形に低下し、立体角が0.005[sr]のとき、発光輝度が略280[cd/m]である。第1光源31及び第2光源32、33は、各々の発光輝度が+Feu領域A1内に収まるように、望ましくは動作線L2上の値になるように設定されている。以下、図4の説明に戻る。
【0023】
次に、第1点灯時間帯の終了時刻から、周囲の人通りが殆んどなくなる時刻までの期間を第2点灯時間帯とする。現在時刻が第2点灯時間帯に入るとき、制御回路5は、第1点灯時間帯と比べて、第2光源33の出射光量を低くすることにより間接光量を少なくする。そして、制御回路5は、第1光源31の出射光量及び第2光源32の出射光量を、第1点灯時間帯での出射光量及び第2光源33の出射光量よりも高くすることにより直接光量を多くする。そのようにして、光量比L1が第1点灯時間帯よりも低くなるように設定される。この設定により、第1点灯時間帯と比べ、色温度の高い第1光源31の出射光量が増加するので、第1光源31の出射光と第2光源32、33の出射光とを合成した光の色温度が若干高くなり、いわゆる調色がなされる。第2点灯時間帯において、第2光源33は消灯され、光量比L1がゼロに設定されていてもよい。第1点灯時間帯に第1光源31及び第2光源32が消灯したままであった場合、第2点灯時間帯には、第1光源31及び第2光源32は点灯され、上記の設定がなされる。
【0024】
第2点灯時間帯の終了時刻から明け方までの所定の期間を第3点灯時間帯とする。現在時刻がこの第3点灯時間帯に入ると、制御回路5は、第2光源33を消灯させて間接光量をゼロにし、それにより、光量比L1をゼロにする。また、制御回路5は、第2光源32も消灯させ、第1光源31のみを点灯させる。この設定により、第1光源31の出射光と第2光源32、33の出射光との合成光は、実質的には、第1光源31の出射光だけになることから、色温度が第1光源31の出射光の色温度と等しくなり、第1点灯時間帯及び第2点灯時間帯と比べて、色温度が高くなる。
【0025】
本実施形態においては、相対的に出射光の色温度が低い第2光源33から器具本体2の周辺の空間に光が出射されることから、空間照明による空間の快適化を図ることができる。また、相対的に出射光の色温度が高い第1光源31から路面R1の方向に光が出射されることから、路面照明による防犯効果を確保することができる。
【0026】
ところで、夕方(第1点灯時間帯)は、深夜と比べると、人通りが比較的多いことから、防犯の必要性が低く、防犯効果のある路面照明に用いられる第1光源31の出射光量を減らしたとしても、防犯にあまり影響が及ばない。従って、夕方に、第1光源31の出射光量を減らすことにより、防犯への影響を抑えつつ、消費電力を低減することができる。むしろ、夕方は、人通りの多さから、空間の快適化の必要性が高く、本実施形態では、夕方に、空間の快適化を図る空間照明が重点的に行われることから、夕方に適した照明が可能になる。また、本実施形態では、夕方の空間照明に、色温度の低い第2光源33が用いられる。従って、空間照明を通行人に効果的に認識させることかでき、空間照明による空間快適化の効果を向上することができる。また、特定の空間快適化の効果を得るのに必要な光量が少なくて済み、省電力化を図ることができる。
【0027】
また、深夜(第3点灯時間帯)は、人通りが殆んどないことから、空間の快適化の必要性が低く、空間の快適化を図る空間照明に用いられる第1光源31の出射光量を減らしたとしても、空間の快適性にあまり影響が及ばない。従って、深夜に、第2光源33の出射光量を減らすことにより、空間の快適性を低下させることなく、消費電力を低減することができる。むしろ、深夜は、人通りの少なさから、防犯の必要性が高く、本実施形態では、深夜に、防犯効果のある路面照明が重点的に行われることから、深夜に適した照明が可能になる。また、深夜は、周囲が暗く、そのような環境では、プルキンエ効果に起因して、高色温度の光に対する人間の視感度が高くなり、本実施形態では、深夜の路面照明に、色温度の高い第1光源31が用いられる。従って、路面照明を通行人に効果的に認識させることかでき、路面照明による防犯効果を向上することができる。また、特定の防犯効果を得るのに必要な光量が少なくて済み、省電力化を図ることができる。
【0028】
また、夕方を過ぎた後の深夜までの時間帯(第2点灯時間帯)は、深夜ほどではないものの、人通りが少なく、防犯の必要性が高い。本実施形態では、上記時間帯に、防犯効果のある路面照明が重点的に行われることから、上記時間帯に適した照明が可能になる。ただし、深夜には、第1光源31だけを用いて青白い光により路面照明が行われるが、上記時間帯では、人通りが、夕方と比べれば大幅に少ないが、深夜よりは多いので、光色を深夜のそれよりも演色性のあるものにする必要がある。その点で、本実施形態では、路面照明に、色温度の高い第1光源31と、色温度の低い第2光源32とが併用されるので、照明の光色が深夜よりも演色性のあるものになる。
【0029】
次に上記実施形態の各変形例について図面を参照して説明する。図6及び図7は、第1の変形例に係る照明器具1の構成を示す。同図においては、上記実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付し、上記実施形態と同一の構成については説明を省略する(以下、同様)。
【0030】
本変形例の照明器具1においては、第1光源31と第2光源32が2列に分けられ、それぞれ、1列に配列されている。第1光源31と第2光源32は、互いに径が異なる同心の円状にそれぞれ配置され、第2光源32が外周側に、また、第1光源31が内周側に並べられている(図7参照)。このように第1光源31と第2光源32とが2列に配列されていることから、それらの設置スペースの幅が広くなり、それに伴って、下部ケース21の孔の内周壁と支柱4の先端部41との間に隙間が殆んどなくなっている。従って、上部ケース22の内周空間に雨水又は粉塵等が入り込んだとしても、それらの排出が難しいことから、上部ケース22の内部空間に雨水又は粉塵等が入り込むことを防ぐため、天板22cは光拡散板22bの上部開口全体を塞ぐように形成されている。反射板22aは、図示のように、第2光源33を内周側から覆いかぶさるように湾曲形成されていてもよい。
【0031】
本変形例においても、上記実施形態と同等の効果を奏する。また、本変形例においては、第1光源31及び第2光源32が互いに異なる列に並べられていることから、下部ケース21内の限られスペースの中で、第1光源31及び第2光源32をできるだけ多く設けることができる。従って、第1光源31及び第2光源32による出射光量を増やすことができる。
【0032】
図8は、第2の変形例に係る照明器具1の構成を示す。本変形例の照明器具1においては、第2光源32、33のうち、第2光源33が省略され、第2光源32だけが設けられており、しかも、第2光源32は、その光出射方向が下部ケース21の側方を向くように配置されている。そして、下部ケース21は、第2光源32に対向する位置に、第2光源32の方向に凸となるように形成された断面くの字状の反射板21dを有する。第2光源32と反射板21dとで挟まれる空間の上部は開放されており、上部ケース22内の空間と繋がっている。
【0033】
このような構成により、第2光源32からの出射光の一部は、反射板21dの上側傾斜面で反射し、上部ケース22内に入り込み、光拡散板22bを透過して拡散され、外部に放射される。また、第2光源32からの出射光の上記とは別の一部は、反射板21dの下側傾斜面で反射され、それにより、進行方向が路面R1の方向に変更され、その光は、透光板21aを透過し、路面R1に向かう。このようにして、第2光源32は、その出射光の一部が路面R1の方向に照射されるように構成されている。
【0034】
本変形例においても、上記実施形態と同等の効果が得られる。また、本変形例においては、器具本体2の周辺にも路面R1の方向にも第2光源の光を照射するのに第2光源32が併用されることから、上述した第2光源33がなくても済み、部品点数を減らすことができる。従って、製造コストを削減することができる。
【0035】
なお、本発明は、上記の実施形態及び各変形例の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、第1光源31及び第2光源32、33の出射光量を現在時刻に応じて連続的に増減してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 照明器具
2 器具本体
3 光源部
31 第1光源
32、33 第2光源
5 制御回路
6 タイマ
R1 路面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面の上方に配置される器具本体と、前記器具本体に保持される光源部と、前記光源部を調光制御する制御回路と、を備えた照明器具において、
前記光源部は、路面方向に光を出射する第1の光源と、前記器具本体の周辺に前記第1の光源の出射光よりも色温度が低い光を出射する第2の光源と、を有し、
前記制御回路は、前記第1の光源及び前記第2の光源をそれぞれ独立して調光制御可能であることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
現在時刻を計測するタイマをさらに備え、
前記制御回路は、前記タイマにより計時される現在時刻が予め設定された深夜時刻に近づくにつれて前記第1の光源の出射光と前記第2の光源の出射光との合成光の色温度が高くなるように該第1の光源と該第2の光源とをそれぞれ独立して調光制御することを特徴する請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記第2の光源は、その出射光の一部が路面方向に照射されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−110015(P2013−110015A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255170(P2011−255170)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】