説明

照明器具

【課題】 光源を覆うカバー内へ虫が侵入するのを阻止する。
【解決手段】 光源のカバー70を器具本体2に対し回転させることにより取り付ける。被係止部75の回転の中心からの距離が係止部24の回転の中心からの距離と同じであり、ガイド部は、回転の方向について被係止部75を係止部24へ案内し、被係止部75が係止部24の上に乗り上げた状態に係止される。被係止部75をガイド部へ合わせカバー70を回転させることにて、被係止部75を係止部24へ係止することができ、上記係止により上記カバー70を上記器具本体2へ固定する。虫侵入防止部28は、カバー70と器具本体2との間に介される弾性変形部材であり、平面視環状の部材である。弾性変形部材は、上記係止によりカバー70と器具本体2とに挟まれて弾性変形しカバー70と器具本体2と間を密閉し、弾性変形により被係止部75を係止部24へ付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
設置されて周囲を照らす照明器具は、屋内、屋外を問わず、光源を覆うカバー内への虫の侵入に苦慮する。
近年では、省エネや、蛍光灯に比べて寿命の長いことから、光源にLEDを採用するものが普及しつつある。
特に、LEDの光の特性として、虫が好む400nmの波長をほとんど含まないので、虫が寄りにくいとの期待があった。
しかし、実際に照明器具にLEDを使用すると、熱を発生するので、このような熱に惹かれて虫が寄ってきてしまう。
このよう背景から、特許文献1には、虫の侵入を防止する手段として、発泡樹脂であるスポンジを備えた照明器具が提案されている。
【0003】
この特許文献1に示された照明器具は、光源と、この光源と電気的に接続してこれを制御する制御部と、この制御部及び光源を設けたシャーシ本体と、前記シャーシ本体の前記光源側で該光源を覆うために上部のみが開口されたカバーを有した照明器具において、前記シャーシ本体の外周縁部に下方に折り返した折返面を形成し、前記カバーの前記開口周縁に上方へ立ち上がる立設面を形成し、前記カバーの開口周縁部と前記立設面とに接触する部位に、前記シャーシ本体の前記折返面と弾性変形した状態で接触する侵入阻止部材を設けたものである。特許文献1において、上記侵入防止部材として、発砲樹脂であるスポンジが示されている。
上記構成によって、特許文献1において、シャーシ本体への上記折返面の形成により、シャーシ本体の歪みを抑えた旨その効果とする。即ち、特許文献1は、シャーシ本体の熱膨張や変形による隙間の発生を抑えて、当該隙間から虫が侵入するのを防止しようとするものである。特に、上記折返面と立設面との隙間に弾性変形部材即ち上記スポンジを、侵入防止部材として設けることで、上記では対処できない隙間の発生に対応しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この公報のものでは、カバーをシャーシ本体へ固定する具体的な手段が示されていない。
例えば、カバーのシャーシ本体への固定に際して、特許文献1の図3のシャーシ本体下方から上方へカバーを移動させて行くものとすると、折返面3aの下端がカバー4へ突き当たるまで、スポンジ3aは、当該折返面3aの内側面に擦られることになる。このため、フィルムを、スポンジ3aに設けるといった、スポンジ3aの滑りを良くする工夫を必要とする。
また、上記摩擦によってスポンジが捲れて剥がれないように、上記延設面4bを形成して、スポンジを押さえる必要がある。
更に、スポンジは、変形によって隙間が生じた場合に対応するためのものであり、本来、折返面の形成にて上記隙間を排除することを主眼とするものである。このため、特許文献1では、シャーシ本体とカバーとの接触を確実にすることが前提とされる。
密閉構造において、このような素材の異なる部材が接触することにより、防虫を可能とすることはできても、光源の熱を受けて、カバーとシャーシ本体の素材間の、熱の膨張率・収縮率の違いで、収縮音「音鳴り」が発生する。
更に、一般的な照明器具では、光源の交換などのために、カバーを簡単に外すことができる固定構造を採用している。このため、利用者において、加熱したLEDやLEDの基板に触れて火傷を負うという危惧がある。
本願発明は、照明器具において、カバー内への虫の侵入を防ぐことを目的とする。
また、本願発明は、照明器具使用時の光源の発する熱によって、カバーや器具本体の収縮・膨張にて、上記音鳴りの発生を防止することを目的とする。
更に、本願発明は、利用者において簡単にカバーを外すことができない照明器具の提供を目的とする。
本願発明は、特に、複雑な構成を必要とせずに弾性変形部材を確実に器具本体へ固定すると共に上記虫侵入の防止をより確実に行うことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1の発明は、天井から吊下げられて室内を照らす吊り下げ型の照明器具について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この照明器具は、光源である複数のLEDと、当該LEDが取り付けられる器具本体と、当該器具本体へ取り付けられてLEDを覆うカバーと、器具本体へカバーを固定する固定機構と、カバー内へ虫が侵入するのを防止する虫侵入防止部とを備え、上記カバーの上端は、上端開口部にて開口し、上記器具の下方から上記器具本体へ取り付けられて、上記光源を覆うものであり、上記固定機構は、係止部と、被係止部と、収容部と、固定具とによって構成され、上記カバーを上記器具本体に対し回転させることにより、上記カバーを上記器具本体へ取り付けるものであり、上記器具本体は、中心軸を上下とする筒状体であり、下端に底部を備え、上記複数のLEDよりも上方において、上記器具本体の外周には、上記器具本体と同心のスリーブと筒状部とが、器具本体と一体に設けられており、上記スリーブは、平面視において器具本体を中心として器具本体の径外方向であり且つ下方へ向けて突出するものであり、上記筒状部は、上記スリーブの径の内側に設けられ、上記収容部は、上記スリーブと上記筒状部との間に設けられた空間であり、上記スリーブの外縁と上記筒状部の下縁との間が当該収容部の開口部をなし、上記係止部は、上記筒状部の外縁に複数設けられ、上記筒状部の下縁から上記筒状部の径の外側に向けて突出するものであり、複数の上記係止部同士は、上記スリーブの周方向について間隔を開けて設けられ、上記スリーブの周方向について、収容部の上記開口部における当該間隔を開けられた区間が、ガイド部を構成し、上記係止部における筒状部の周方向の一端には、筒状部の外周に沿って当該一端から離れるにつれ下方へ斜めに伸びる傾斜部が延設され、上記カバーは、光拡散部と、中央部と、内襟部とを備え、上記光拡散部は、器具本体に設けられた上記LEDの収容空間を覆い、且つ、LEDの光を拡散してカバーの外部へ透過する平面視環状のケースであり、上記光拡散部の径は、上記スリーブの径よりも大きく、
上記中央部は,環状の上記光拡散部が呈する環の内側に設けられ、且つ、上記光拡散部と一体に形成されて光拡散部の呈する環の内側を塞ぎ、上記内襟部は、上記光拡散部の外縁から、上記光拡散部の径内側に向けて、上記光拡散部と一体に形成された平面視環状の板状部であり、上記被係止部は、上記内襟部の内径部に複数設けられ、上記内襟部の径の内側に向けて突出するものであり、複数の被係止部同士は、上記内襟部の周方向について間隔を開けて配置され、上記被係止部の夫々は、上方に隆起する起立部を備え、上記カバーを上記器具本体の下面へ上記器具本体と同心に配置した状態において、平面視における被係止部の器具本体の中心からの距離は、平面視における係止部の器具本体の中心からの距離と等しいものであり、上記カバーを上記器具本体の下面へ上記器具本体と同心に配置し、上記ガイド部から上記収容部へ被係止部を収容した状態にして、上記カバーを器具本体に対し回転させることにより、上記ガイド部にガイドされた被係止部は、上記傾斜部を経て係止部の上面へ移動し、上記スリーブ内において、上記傾斜部側を入口側とし係止部を挟んで上記傾斜部と反対側は、行き止まりとなっており、被係止部の上記移動により、上記起立部の上端が、収容部内にて、上記スリーブの下面と当接して、上記スリーブの外縁がカバーの上記内襟部上面へ接触するのを阻止し、上記固定具は、ねじ山を備えた部材であり、上記固定具は、上記移動にて被係止部の係止部へ係止が完了した後、上記スリーブの外部からねじ込まれて、被係止部が係止部から上記入口側へ後退するのを阻止するものであり、上記固定具は、工具によって取り外しできるものであり、上記虫侵入防止部は、上記スリーブの外縁に沿って当該外縁又は上記起立部よりも当該外縁側に設けられた、平面視環状のスポンジであり、上記虫侵入防止部の下端は、スリーブの上記外縁よりも下方に突出するものであり、上記カバーの器具本体への取り付けによって、虫侵入防止部は、上記スリーブの外縁と、カバーの上記内襟部上面とに挟まれて弾性変形し、上記スリーブの外縁と、カバーの上記内襟部上面との間の隙間を密閉するものであり、弾性変形した上記虫侵入防止部の付勢によって、上記被係止部は上記係止部上面へ押圧される。
本願の請求項2の発明は、屋内又は屋外に設置されて周囲を照らす照明器具について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この照明器具は、光源と、当該光源が取り付けられる器具本体と、当該器具本体へ取り付けられて光源を覆うカバーと、当該カバーを上記器具本体へ取り付ける固定機構と、当該器具本体と当該カバーとの間からカバー内へ虫が侵入するのを防止する虫侵入防止部とを備え、上記カバーは、上記器具本体を臨む側に開口する一端開口部を備え、上記カバーは、当該一端開口部側を上記器具本体へ向けて上記器具本体へ取り付けられて、上記光源を覆うものであり、上記固定機構は、上記カバーを上記器具本体に対し回転させることにより、上記カバーを上記器具本体へ取り付けることを可能とするものであり、上記固定機構は、上記器具本体と上記カバーの一方に設けられた係止部と、上記器具本体と上記カバーのうち係止部が設けられた当該一方に形成されたガイド部と、器具本体とカバーの他の一方に設けられて係止部に係止される被係止部とを備え、上記被係止部は、上記回転の中心からの距離が、上記係止部の上記回転の中心からの距離と同じであり、上記ガイド部は、上記回転の方向について、少なくとも係止部と離れた位置から係止部に至るまで設けられて、被係止部を係止部へ案内するものであり、上記被係止部が上記係止部の上に乗り上げることにより、上記被係止部が係止部へ係止され、且つ、上記器具本体へ上記カバーが接近するものであり、上記被係止部をガイド部へ合わせることにより、上記カバーの回転にて、上記被係止部を上記係止部へ係止することができ、被係止部の係止部への当該係止により、上記カバーを上記器具本体へ取り付けることができ、上記虫侵入防止部は、上記一端開口部の縁或いは当該縁の外側において上記カバーと上記器具本体との間に介される弾性変形部材であり、上記回転方向について連続して配置された平面視環状の部材であり、上記弾性変形部材は、係止部への被係止部の上記係止により、上記カバーと上記器具本体とに挟まれて弾性変形し、上記カバーと上記器具本体と間を密閉するものであり、弾性変形した弾性変形部にて、被係止部は係止部へ付勢される。
本願の請求項3の発明は、本願の上記請求項2の発明にあって、次の構成を採る照明器具を提供する。
即ち、上記係止部が設けられた、上記器具本体と上記カバーの一方に、上記被係止部の収容部が設けられ、上記収容部は、上記回転の中心を中心として弧状に伸びる或いは上記回転の中心を中心とする環状の開口部を備え、上記係止部は、上記開口部の径の内外方向及び周方向について、上記開口部内に配置され、上記開口部は、上記周方向について、上記係止部に隣接して当該係止部が形成されない区間を上記ガイド部として備え、上記被係止部は、上記収容部の奥行き方向に隆起する起立部を備え、上記カバーの上記器具本体への取り付けにおいて、上記起立部が収容部内にて収容部を画する面と当接して、上記カバーの上端開口部において、係止部以外の部位が上記器具本体へ直接接触するのを防ぎ、上記カバーは、上記上端開口部において、上記被係止部のみにて、器具本体と直接接触するものである。
本願の請求項4の発明では、本願の上記請求項2又は3の発明にあって、上記固定具は、ねじ山を備えた部材であり、上記収容部内において、上記被係止部が係止部へ乗り上げた先は行き止まりとなっており、上記固定具は、上記移動にて被係止部の係止部へ係止が完了した後、上記スリーブの外部からねじ込まれて、被係止部が係止部の上から後退するのを阻止するものであり、上記固定具は、工具によって取り外しできるものである照明器具を提供する。
本願の請求項5の発明は、上願の上記請求項2乃至4の何れかの発明にあって、次の構成を採る照明器具を提供する。
即ち、上記カバーは、上方に上記一端開口部を備え、上記器具本体の下方から器具本体へ取り付けられるものであり、カバーの上記回転は、平面視において上記器具本体の中心を中心として行われ、上記器具本体は、LEDが取り付けられた部位よりも上方にあって、上記器具本体の側面から突出するスリーブを備え、上記スリーブは、側面視において、上記器具本体の径外方向に進むにつれて下方へ傾斜して突出するものであり、上記器具本体側面と上記スリーブとの間の空間が、上記収容部を構成し、 上記係止部は、上記光源と上記スリーブの間にて上記器具本体側面から器具本体の径外方向へ突出するものであり、平面視において、複数の上記係止部同士は、間隔を開けて設けられ、上記収容部における上記係止部間の区間が、上記カイド部を構成し、 カバー上端は、カバーの径の内側方向へ突出する環状の内襟部を備え、当該内襟部の内径部が上記一端開口部を規定し、上記被係止部は、上記内襟部の内径部から、カバーの径内側へ向け突出するものであり、平面視において、複数の上記被係止部同士は、間隔を開けて設けられ、上記虫侵入防止部は、側面視において、上記スリーブの外縁と上記内襟部上面との間に介され、被係止部の係止部への上記係止により接近する上記スリーブの外縁と上記内襟部の上面に挟まれて弾性変形し、上記スリーブの外縁と上記内襟部の上面との間を密閉するものであり、上記虫侵入防止部は、スポンジ等の弾力性を有する部材である。
【発明の効果】
【0007】
本願の各発明は、平面視において環状に設けられた虫侵入防止部にて、器具本体とカバーとの間を確実に密閉し、虫の侵入を抑制した。そして、製造時、カバーを回転させることにより、簡単にカバーを器具本体へ取り付けることができる。このようなカバーの回転によっても、虫侵入防止部は、回転方向に沿って連続するものであるので、カバー或いは器具本体に擦られても簡単に剥離するものではない。特に、係止部に被係止部への乗り上げによる器具本体とカバーの接近にて、器具本体とカバーとから圧縮力を受けるまで、虫侵入防止部には大きな力が掛からず、より捲れ難いものとなっている。このため、カバーや器具本体の製造上、剥がれ防止や滑りをよくするための特段の工夫が不要である。
また、本願の請求項3の発明では、カバーの開口部において、器具本体との直接の接触は、専ら被係止部にて行うものとし、音鳴りの発生を抑制した。特に、本願の請求項1の発明では、カバーと器具本体との間に弾性変形部材としてスポンジを介在させることにより、制振作用により、音鳴りの発生を効果的に抑制することができる。
本願の請求項4の発明では、固定具をねじ込むことにより、工具によって分解しなければ、カバーを外せないものとし、家庭での利用者などにおいて簡単にカバーを外すことを防ぎ、照明器具の安全性を高めた。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)は本願発明の一実施の形態に係る照明器具の縦断面図、(B)はその照明器具の一部切欠拡縦大断面図。
【図2】(A)は上記照明器具のカバーを外し主として底部側を見せる斜視図、(B)は上記照明器具の放熱部材を外し主として上面部側を見せる一部切欠斜視図、(C)は図1(B)の照明器具のX−X断面図。
【図3】(A)は上記照明器具の一部切欠拡要部縦大断面図、(B)は他の実施の形態を示す一部切欠拡要部縦大断面図。
【図4】(A)は上記照明器具のカバー70係止前の一部切欠略底面図、(B)は上記照明器具の器具本体の一部切欠拡要部略斜視図、(C)は上記照明器具の器具本体にカバーを装着した状態を示す一部切欠略底面図。
【図5】配光を説明する上記照明器具の縦断面図。
【図6】(A)は上記照明器具の平面図、(B)は上記照明器具のLEDモジュール1の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
説明の便宜上、各図において、Uは上方、Sは下方を示す。
図1(A)へ示す通り、この照明器具は、ペンダント型の即ち天井から吊り下げる吊下げ型の屋内照明器具である。尚、図1(A)(B)において、図面の煩雑を避けるため、ハッチングは省略している。
この照明器具は、複数のLEDモジュール1と、複数の当該LEDモジュール1が取り付けられる器具本体2と、放熱部材3と、留め具5と、光拡散部7と、コード8と、虫侵入防止部とを備える。
各部の構成について順に説明する。
【0010】
(LED1)
上記LEDモジュール1の夫々は、光源である1つ又は複数のLED10と、基板11とを備えたモジュールである。当該LED10は基板11の表面に設けられている。図2(A)及び図6(B)へ示す通り、個々のLEDモジュール1の基板11は、平面視略台形である。図6(B)へ示す通り、このLEDモジュール1は等脚台形状であるが、正確には、本来台形として平行な一対の辺の一方となるべき短辺16が、平面視凹の曲線である。但し、当該短辺16は、通常の台形と同じく、直線としても実施できる。
複数のLEDモジュール1は、上記放熱部材3にて器具本体2へ取り付けられる。
複数のLEDモジュール1は、平面視環状に配列される。図6(B)へ示す通り、各基板11には、複数の上記LED10の他、モジュール間コネクタ13や、電源コネクタ14が設けられる。モジュール間コネクタ13は、基板11同士間に介される配線12へ接続するものである。電源コネクタ14は、電源からの配線(図示しない。)に接続するものである。図6(B)の15は、ネジやボルトなどの固定具を通す穴を示している。
【0011】
(器具本体2)
上記器具本体2は、図1及び図2へ示す通り、中心軸を上下とするプラスチック製の筒状体である。この実施の形態において、器具本体2は、ポリプロピレンにて形成されている。但し、器具本体2は、ポリプロピレンに限定するものではなく、軽量で照明器具として実用的な強度を備えるものであれば、ポリプロピレン以外の素材にて形成することが可能である。
図1(A)へ示す通り、器具本体2である当該筒状体の高さは、その直径よりも小さい。上記器具本体2は、下端に底部を備え、上端が開口する。この上端開口部の外縁にはフランジ部20が形成されている。フランジ部20の上面に、シャーシ6が取り付けられて、器具本体2の上端開口部は、当該シャーシ6にて塞がれる。
フランジ部20には、図1(B)及び図3(A)へ示す通り、フランジ部20の上面から下面に貫通する複数の窓部21が設けられている。複数の窓部21は、平面視において、上記上端開口部を取り囲むようフランジ部20へ設けられている。
図1(B)及び図3(A)へ示す通り、フランジ部20の外縁20aには、側面視において、フランジ部20の径外方向且つ下方に向け斜めに伸びるスリーブ22が延設されている。フランジ部20の下面には、側面視において、上記窓部21とスリーブ22との間から、下方へ伸びる筒状部23が設けられている。この筒状部23は、筒状部23は、下端が解放されている。スリーブ22と筒状部23は、何れも、器具本体2が呈する上記筒状体と同心である。
【0012】
図3(A)へ示す通り、スリーブ22の内周面と筒状部23の外周面との間は、器具本体2の径の内外方向について、間隔が開けられており、両者の間の空間が、後述する被係止部24の収容部kを構成する。即ち、側面視において、スリーブ22は、上記空間を画する外壁部であり、筒状部23は上記空間を画する内壁部である。
図3(A)へ示す通り、スリーブ22の内周面には、側面視において、スリーブ22の径の内側へスリーブ22の外縁22aと隣接して座部26が設けられている。座部26は、下端がスリーブ22の上記外縁22aの上方に位置する。この実施の形態において、座部26の下面は平らである。座部26は、平面視において環状に形成されている。座部26が呈する環は、器具本体2と同心である。
この実施の形態において、座部26は、平面視において、同心の二重の円として、2つ設けられているが、座部26は1つでも、3つ以上でも実施できる。
図3(A)へ示す通り、側面視において、スリーブ22の外縁22aと筒状部23の下縁23aとの間、正確には上記座部26と筒状部23の下縁23aとの間には間隔が開けられており、当該座部26と筒状部23の下縁23aとの間は、上記収容部kの開口部k1を形成する。この開口部k1は、平面視において、筒状の器具本体と同心の環を呈する。
図2(B)及び図3(A)へ示す通り、筒状部23の外縁23aには、平面視において周方向の互いに異なる位置へ複数の係止部24が設けられている。係止部24は、夫々筒状部23の外縁23aから筒状部23の径外方向へ向けて突出する小片である。
係止部24は、図2(B)及び図4へ示す通り、スリーブ22の周方向rに沿って設けられ、上面をほぼ水平な面とする板状部である。
平面視において、スリーブ22の周方向rについて、開口部k1の上記係止部24同士の間には、間隔が開けられ、収容部k1において、平面視における当該係止部24同士の間は、ガイド部k2を構成する(図2(B)及び図4)。
図2(B)及び図4(B)へ示す通り、係止部24におけるスリーブ22周方向rの一端には、側面視においてスリーブ22の周方向rに沿って当該一端から離れるにつれ下方へ向け斜めに伸びる傾斜部25が延設されている。
尚、図2(B)は、説明の便宜上、接続用部4とスリーブ22と筒状部23の係止部24以外の部分とを取り除いて描かれている。
【0013】
上記シャーシ6は、器具本体2の上部に設けられて、器具本体2の上面を構成する、冷間圧延鋼板でできた円盤である。シャーシ6は、図1(A)へ示す通り、器具本体2の上面を構成すべく、盤面を上下に向け水平に配されている。
前述の通り、上記シャーシ6は、器具本体2の上面部として、器具本体2のフランジ部20に取り付けられて、器具本体2の上記開口部を塞ぐ。
詳しくは、側面視において、シャーシ6は、フランジ部20の上記窓部21に重なる部位が、下方に隆起部61として、上方から窓部21内へ入りこむ(図3(A))。
【0014】
(放熱部材3)
上記放熱部材3は、図1(A)(B)及び図2(A)に示す通り、上記の器具本体2に設けられた金属製の部材である。
放熱部材3は、平面視において、器具本体2を取り囲んで環状に配列された複数のアルミ製の構成板30にて構成される。
側面視において、構成板30の夫々は、上記LEDモジュール1を取り付ける取付用部31と、当該取付用部31を上記シャーシ6へ接続する接続用部32とを備える。
上記取付用部31の表面にLEDモジュール1の上記基板11の裏面が固定される。
構成板30の夫々は、当該取付用部に取り付けられた上記LEDモジュール1の発する熱を放熱すると共に当該熱の一部を上記シャーシ6に伝導する。
側面視において、上記取付用部31の夫々は、上記器具本体2への固定端を下端とし、上記シャーシ6に対して10度〜45度傾斜する。
平面視において、上記の通り、複数の構成板30が環状に配され、側面視において、上記放熱部材3の下部は、構成板30の上記取付用部31の夫々を側面として下方に窄まる角錐台を呈する。
この実施の形態において、上記LEDモジュール1及び構成板30は夫々8枚であり、放熱部材3は、8つ取付用部31を備える。従って、平面視において、上記8枚の構成板30が環状に配され、側面視において、上記放熱部材3の下部は、構成板30の上記取付用部31の夫々を側面として下方に窄まる八角錐台を呈する。放熱部材3の下端面は、正確には、平面視円形である。即ち、上記の逆八角錐台の各側面の下辺は、直線ではなく円弧である。
そして、側面視において、取付用部31の夫々は、一端を下端とし、当該下端が器具本体2の底面の縁において器具本体2へ固定されている。取付用部31の夫々は、上記の通り八角錐台の側面とされることによって、側面視において、他の一端を上端として、当該上端を上記下端の上方であって、構成板30が呈する環の外側へ向ける。
【0015】
上記角度に傾斜する取付用部31の夫々に、各LEDモジュール1の基板11裏面を固定する。ネジやボルト・ナットといった固定具を基板11の前述の穴15へ通すことにより、基板11の裏面を取付用部31の表面へ密着するように固定することができる。
上記の固定により、側面視において、当該基板11をシャーシ6に対して10度〜45度傾斜させることができる。即ち、側面視において、部屋の床面に対し、当該基板11を10度〜45度傾斜させることができる。
また、取付用部31の夫々に、各LEDモジュール1の基板11裏面を固定することによって、平面視において、上記複数のLEDモジュール1を上記器具本体2へ環状に配列することができる。
基板11に対してLED10の光軸は、側面視において、90度の角度をなすものであり、基板11の上記傾斜によって、側面視において、当該配列の環の外側下方に向けLED10の光軸を斜めとする。即ち、側面視において、部屋の床面に対し、LED10の光軸を傾斜させることができる。
尚、図2(A)において、八角錐台の手前の2つの側面は、LEDモジュール1を外された状態に描かれており、2枚の構成板30の取付用部31が露出している。図2(A)へ示す通り、構成板30の取付板31はその表裏に貫通する貫通部31を備える。この貫通部31へ、電源と電気的に連絡する配線や、隣り合う基板11同士を接続する配線12が通される。
【0016】
側面視において、上記構成板30の接続用部32は、取付用部31の上端から、取付用部31と反対に傾斜して上方へ伸びる。即ち、側面視において、接続用部32と取付用部31とは、くの字を呈する。更に、図1(B)及び図2(A)へ示す通り、側面視において、接続用部32の上端部33は、接続用部32の下部に対し屈曲して、フランジ部20の径内方向に向け横方向に伸びる。
接続用部32の当該上端部33は、フランジ部20の下方から、フランジ部20の上記窓部21へ配置される。当該配置によって、接続用部32の上端部33は、窓部21にてシャーシ6の下面に沿わされる。
接続用部32の上端部33は、シャーシ6の前述の隆起部61に、窓部21を通じて、重ねられ、前記留め具5が通される。
図1(B)及び図3(A)へ示す通り、接続用部32の内側面には上下に伸びる複数の隆起34が形成されている。この隆起34は、接続用部32を補強すると共に接続用部32の表面積を大きくして、放熱効果を高める。
【0017】
(留め具5)
留め具5は、ネジやピン、ボルト・ナットといった周知の固定手段にて実施すればよい。上記の通り窓部21を通じて留め具5をシャーシ6と接続用部32の上端部33へ通すことにより、シャーシ6へ接続用部32を固定すると共に、シャーシ6と接続用部32を器具本体2へ固定する。また、器具本体2へ接続用部32を固定することにより、構成板30の上端を器具本体2へ固定することになる。
上記構成板30のシャーシ6への固定により、構成板30が受けたLEDモジュール1の熱の一部が、構成板30からシャーシ6へ伝えられる。
尚、この実施の形態では、シャーシ6の器具本体2への固定をより確実にするために、上記留め具5とは別に、シャーシ6の取り付け専用の、上記接続用部32の固定に関与しない副留め具51を設けている(図1(A)及び図6(A))。
【0018】
(コード8)
上記のコード8は、図1(A)へ示す通り、天井から下方に間隔を開けて、シャーシ6と、当該シャーシ6が設けられた器具本体2を吊るす。
また、コード8は、内部に電気を供給する電線を有するものであり、上記の通り、シャーシ6と共に器具本体2を支持するほか、器具本体2に設けられた前述の交流・直流変換機や整流器といった電気機器(図示しない)を介して上記配線12(図2(A))と接続されて、LEDモジュール1へ電源を供給する。
コード8の上端側には、引掛部81が設けられている。天井の電源供給部(引っ掛けシーリング)に、当該引掛部81へ引っ掛けることにより、コード8の上端を、天井へ固定すると共に電源から照明器具へ電気を供給することができる。上記の接続固定具82と引掛部81は、周知の結合構造を採るものを採用する。
コード8が、照明器具を天井より下方に配置することにより、シャーシ6は、放熱部材3から伝達された熱を、天井と照明器具との間の空間を利用して、円滑に空気中へ放散することができる。
具体的には、LEDモジュール1の熱は、放熱部材3表面から直接空気中へ放出されると共に、図1(A)において太字の矢印で示す通り、構成板30の取付用部31から接続用部32を経て、シャーシ6へ伝わり、シャーシ6表面から照明器具の上方の空間へ向け放射される。図1(A)において、煩雑を避けるため、白抜きの矢印は、側面視において、照明器具の左側にのみ付し、照明器具の右側については省略している。
上記の通りコード8は、照明器具の天井への支持と、電気の供給を兼ねるものとすることにより、照明器具の取り付けや配線を纏まりのよいものとすることができる。纏まりの良い分照明器具の設置も簡単に行える。
但し、当該電源の供給は、コード8とは別に設けられた電線によるものとし、コード8は専らシャーシ6や器具本体を支持するものを除外するものではない。
更に、この実施の形態では、キャップ80がシャーシ6の上面中央に取り付けられる。このキャップ80は、錐状の中空の部材であり、コード8の下端側を覆う。
この実の形態において、キャップ80は、プラスチック製の部材である。この他、シャーシ6と共に放熱効果を促進するために、金属製の部材にてキャップ80を形成してもよい。
【0019】
(光拡散部7)
この照明器具は、器具本体2の下部を覆うカバー70を備える。
カバー70は、光を拡散して透過することができる、透明又は半透明のプラスチックにて形成されている。この実施の形態において、カバー70は、白色、特に乳半色のアクリルにて形成されている。但し、LEDの発する光を拡散して透過するものであれば、このような素材に限定するものではなく、他の素材にてカバー70を形成することが可能である。
カバー70は、前記光拡散部7と、中央部72と、内襟部78とを備える。
光拡散部7は、平面視において、取付用部3にて器具本体2へ取り付けられて上記環状に配列されたLEDモジュール1を覆う環状のケースである。ケースである光拡散部7の上部は開口する。
中央部72は、平面視において光拡散部7が呈する環の内側を塞ぐように、光拡散部7と一体に形成された板状部である。中央部72は、図1(A)へ示す通り、径の中心を最深部として、側面視において、上方へ後退する凹曲面を呈する。
【0020】
上記光拡散部7は、LED1からの直接光を拡散して照明器具の外部へ透過する。
平面視において、光拡散部7の外径、即ち、カバー70の最大径は、上記スリーブ22の径よりも大きい。
光拡散部7は、図1(B)へ示す通り、側面視においてLED10の光軸とほぼ直交する主透過部71と、上方透過部73とを備える。
平面視において、主透過部71と上方透過部73は、夫々環状に形成されている。
平面視において、上記主透過部71は機器本体2の径方向の外側に位置する。
上方透過部73は、主透過部71の径の内外方向について、主透過部71の外側に設けられている。上方透過部73は、主透過部71と一体に設けられる。上方透過部73は、平面視において光拡散部7の外径部となる主透過部71の外縁から、内側に折り返された状態に形成されて、側面視において主透過部71の上方へ位置する。
カバー70を器具本体2の下方へ、器具本体2と同心に配置した際、平面視において、上方透過部73は、前記スリーブ22の外側に位置するものであり、側面視において、上方透過部73は、スリーブ22と主透過部71との間を覆う傾斜部位である。
側面視において、上方透過部73は、LED1からの直接光を拡散して照明器具の外部へ透過すると共に主透過71の内面にて反射しLED1の光をスリーブ22の外側斜め上方へ向けて透過する。
上記の中央部72は、器具本体2の真下に位置する。中央部72の上面と器具本体2底部との間に間隔が設けられている。中央部72は、LED10から直接・間接的に器具本体2の真下に向かって斜め下方に進行する光を拡散してカバー70外部へ透過する。
【0021】
内襟部78は、図2(C)及び図3(A)へ示す通り、側面視において、光拡散部7の上方透過部72の上端から、上面を水平にして、光拡散部7の径内方向へ向けて伸びる、平面視環状の板状部である。
内襟部78の内径部には、内襟部78の径内側方向へ突出する複数の被係止部75が設けられている。被係止部75同士は、平面視において、内襟部78の周方向について、間隔を開けて設けられている。内襟部78の周方向における、被係止部75同士の当該間隔区間を以下間欠部76と呼ぶ。
平面視において、器具本体2と同心となるように、器具本体2の下方へカバー70を配置した状態において、スリーブ22の外縁22aは、内襟部78上面の上方に位置し、上記各被係止部75は、器具本体2のスリーブ22の径内外方向について、前記開口部k1内に位置する。上記配置状態において、平面視における被係止部75の器具本体2の中心からの距離は、平面視における係止部24の器具本体2の中心からの距離と等しい。
被係止部75は、上方に隆起する起立部77を備える。
図2(B)及び図4(A)は、カバー70を、器具本体2へ固定する前の状態を示している。
図2(B)及び図4(A)へ示す通り、カバー70を器具本体2の下部へ配置し、収容部kにおける前記ガイド部k2の開口部k1から上記収容部k内へ被係止部75を挿入する。カバー70を器具本体2の周方向へ回転させて、上記間欠部76へ、前記の傾斜部25及び係止部24を、当該順に通す。ガイド部k2は、上記回転に伴い、被係止部75を係止部24へ向けてガイドする。
図4(B)に被係止部75を一点鎖線で示す。この図4(B)へ示す通り、傾斜部25へ到達した被係止部75は、傾斜部25に案内されて、図4(C)へ示す通り、係止部24の上面へ移動する。
上記スリーブ22内部において、上記傾斜部25側を入口側とし係止部24を挟んで傾斜部25と反対側は、筒状部23の外壁の一部にて行き止まりとなっている。
被係止部75の係止部24上面への移行によって、被係止部75の係止部24への係止は完了する。
上記の通り、被係止部75を係止部24へ係止することにより、カバー70を器具本体2へ仮止めすることができる。
【0022】
上記仮止め後、図2(C)及び図3(A)へ示す通り、スリーブ22へ、ネジやボルトといった、ねじ山を備えた上記固定具4をねじ込む。この固定具4によって、被係止部75が係止部24の上面から上記入口側へ後退するのを阻止する。
固定具は、工具によって取り外ことができるものである。即ち、分解しなければ、カバー70を器具本体から外すことができない。
上記の係止部24と被係止部75と収容部kと固定具4とが、カバー70を器具本体2へ固定する固定機構を構成する。
上記固定具4の装着にて、カバー70を器具本体2から、ユーザーサイドにて外せないようにし、ユーザーが加熱したLEDの基板11へ触れるを防ぐことができる。
但し、上記固定機構は、被係止部75を係止部24へ係止した後被係止部75の後戻りを阻止する周知の嵌め殺しの構成を、このような固定具4に代えて、或いは固定具4と共に設けるものとしても実施できる。
被係止部24の前記起立部77先端は、スリーブ22の内面に当接する。当該当接により、被係止部75の係止部24への係止において、カバー70は、上記被係止部75以外の部分で、器具本体2と接触しない。
即ち、起立部77の上記当接により、内襟部78の上面と、スリーブ22の外縁23aとの間には、隙間が開けられる。
【0023】
(虫侵入防止部)
上記の座部26の下面に、虫侵入防止部25が設けられる。虫侵入防止部25は、押圧されることにより弾性変形する弾性変形部材である。上記虫侵入防止部25は、上記スリーブ22の外縁22aに沿って当該外縁22a又は上記起立部77よりも当該外縁22a側に設けられ、座部26に沿って平面視環状に配された部材である。
座部26に設けられた虫侵入防止部25の下端は、スリーブ22の外縁22aよりも下方に突出する。
虫侵入防止部25には、スポンジやゴム、ウレタンといった弾力性を有するクッション材を採用することができる。この実施の形態では、虫侵入防止部25にはスポンジを採用する。
上記虫侵入防止部25は、上記カバー70と上記器具本体2との間に介され、係止部24への被係止部75の上記係止により、上記カバー70の内襟部78と上記器具本体2のスリーブ22の外縁22aとに挟まれて弾性変形し、上記カバー70と上記器具本体2と間を密閉し、スリーブ22外縁22aとカバー70の上記内襟部78との間を通って虫が外部からカバー70内に侵入するのを防止する。
また、弾性変形した虫侵入防止部にて、被係止部75は係止部24へ付勢され、係止がより強固なものとされる。
カバー70と器具本体2とを異なる素材にて形成すると、熱膨張率・熱収縮率の違いにより、カバー70と器具本体2の収縮や膨張の際に、器具本体2とカバー70との間において、音鳴りが生じる。
器具本体2とカバー70との間に上記虫侵入防止部25を介すると共に、起立部77により、被係止部75の係止部24への係止中、カバー70の上端開口部において、カバー70を上記被係止部75以外の部分で、器具本体2と接触させないことにより、上記音鳴りを抑制することができる。虫侵入防止部25にスポンジを採用するのが、音鳴り防止に効果的である。
【0024】
(配光について)
図5を用いて、本願発明に係る上記照明器具の配光について説明する。図5に示す照明器具は、側面視において、LEDモジュール1の基板11を、シャーシ6に対して、言い換えれば床面に対して25度の角度傾斜させたものである。
図5では、直接光のみ示し、反射光については省略する。
本願発明の配光を実線の直線で示す。また、基板11を水平(傾斜角度0度)に配置する、従来の照明器具の配光を点線で示す。また、比較例として、基板11を鉛直に立てた状態(90度)の配光を一点鎖線で示す。上記実線同士、点線同士、一点鎖線同士に挟まれた、本願、従来例、比較例夫々の配光各は、何れも120度である。
図5へ示す通り、カバー内の反射を除いた、直接光の配光について見れば、本願発明に係る照明器具は、LED同士で重なるところが少なく、照明器具のほぼ真横まで配光されている。
これに対して、従来の基板11を水平とするものは、LED間の配光の重なりが本願の照明器具に比して極めて大きく、横方向には殆ど配光されていない。
また、上記比較例では、真横や上方への配光がなされているものの、肝心の照明器具の真下については配光されず、中抜け状態となっている。
【0025】
(変更例)
図3(B)へ示す通り、虫侵入防止部25は、スリーブ22の外縁22aの下面を覆うように、スリーブ22へ設けるものとしても実施できる。
図1〜図3へ示す各実施の形態において、放熱部材3は、複数の構成板30にて分割して形成されたものであったが、一つの金属部材で一体に形成するものとしてもよい。
また、放熱部材3の下部は、上記の実施の形態において、図2(A)へ示す通り、八角錐台を呈するものとした。取付用部3は、この他、三角〜七角錐台或いは九角錐以上の多角錐台を呈するものとしても実施できる。更には、放熱部材3の下部は、円錐台を呈するものとしても実施できる。
また、放熱部材3の構成板30に上記接続用部32を設けず、取付用部31を直接シャーシ6へ接続するものとしても実施できる。更には、放熱部材3をシャーシ6と一体に形成するものとしてもよい。放熱部材3をシャーシ6と一体に形成する場合、両者を共にアルミ又は冷間圧延鋼板にて形成するものとすればよい。
放熱部材3は、アルミ製のものに限定するものではなく、LEDモジュール1の熱を伝導し放熱するに適した他の金属を用いて実施することも可能である。
上記図示した実施の形態において、開口部k1は、平面視環状に形成されたものを示したが、弧状であっても実施できる。
また、上記おいて、係止部24は、筒状部23へ設けられて筒状部23の径外方向へ突出するものとした。この他、係止部24は、スリーブ22へ設けられてスリーブ22の径内方向へ突出するものとしてもよい。
係止部24と被係止部75については、互いの構成が、図示した実施の形態と逆であっても実施できる。係止部24と被係止部75を図示した実施の形態と逆にする場合、被係止部75の上記収容部kを、カバー70側に形成すればよい。
更に、上記各実施の形態において、虫侵入防止部25は、器具本体2のフランジ22へ固定するものとしたが、カバー70側へ固定するものとしても実施できる。
【符号の説明】
【0026】
1 LED
2 器具本体
3 放熱部材
4 固定具
5 留め具
6 シャーシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から吊下げられて室内を照らす吊り下げ型の照明器具において、
光源である複数のLEDと、当該LEDが取り付けられる器具本体と、当該器具本体へ取り付けられてLEDを覆うカバーと、器具本体へカバーを固定する固定機構と、カバー内へ虫が侵入するのを防止する虫侵入防止部とを備え、
上記カバーの上端は、上端開口部にて開口し、上記器具の下方から上記器具本体へ取り付けられて、上記光源を覆うものであり、
上記固定機構は、係止部と、被係止部と、収容部と、固定具とによって構成され、上記カバーを上記器具本体に対し回転させることにより、上記カバーを上記器具本体へ取り付けるものであり、
上記器具本体は、中心軸を上下とする筒状体であり、下端に底部を備え、
上記複数のLEDよりも上方において、上記器具本体の外周には、上記器具本体と同心のスリーブと筒状部とが、器具本体と一体に設けられており、
上記スリーブは、平面視において器具本体を中心として器具本体の径外方向であり且つ下方へ向けて突出するものであり、
上記筒状部は、上記スリーブの径の内側に設けられ、
上記収容部は、上記スリーブと上記筒状部との間に設けられた空間であり、上記スリーブの外縁と上記筒状部の下縁との間が当該収容部の開口部をなし、
上記係止部は、上記筒状部の外縁に複数設けられ、上記筒状部の下縁から上記筒状部の径の外側に向けて突出するものであり、
複数の上記係止部同士は、上記スリーブの周方向について間隔を開けて設けられ、
上記スリーブの周方向について、収容部の上記開口部における当該間隔を開けられた区間が、ガイド部を構成し、
上記係止部における筒状部の周方向の一端には、筒状部の外周に沿って当該一端から離れるにつれ下方へ斜めに伸びる傾斜部が延設され、
上記カバーは、光拡散部と、中央部と、内襟部とを備え、
上記光拡散部は、器具本体に設けられた上記LEDの収容空間を覆い、且つ、LEDの光を拡散してカバーの外部へ透過する平面視環状のケースであり、
上記光拡散部の径は、上記スリーブの径よりも大きく、
上記中央部は,環状の上記光拡散部が呈する環の内側に設けられ、且つ、上記光拡散部と一体に形成されて光拡散部の呈する環の内側を塞ぎ、
上記内襟部は、上記光拡散部の外縁から、上記光拡散部の径内側に向けて、上記光拡散部と一体に形成された平面視環状の板状部であり、
上記被係止部は、上記内襟部の内径部に複数設けられ、上記内襟部の径の内側に向けて突出するものであり、
複数の被係止部同士は、上記内襟部の周方向について間隔を開けて配置され、
上記被係止部の夫々は、上方に隆起する起立部を備え、
上記カバーを上記器具本体の下面へ上記器具本体と同心に配置した状態において、平面視における被係止部の器具本体の中心からの距離は、平面視における係止部の器具本体の中心からの距離と等しいものであり、
上記カバーを上記器具本体の下面へ上記器具本体と同心に配置し、上記ガイド部から上記収容部へ被係止部を収容した状態にして、上記カバーを器具本体に対し回転させることにより、上記ガイド部にガイドされた被係止部は、上記傾斜部を経て係止部の上面へ移動し、
上記スリーブ内において、上記傾斜部側を入口側とし係止部を挟んで上記傾斜部と反対側は、行き止まりとなっており、
被係止部の上記移動により、上記起立部の上端が、収容部内にて、上記スリーブの下面と当接して、上記スリーブの外縁がカバーの上記内襟部上面へ接触するのを阻止し、
上記固定具は、ねじ山を備えた部材であり、上記固定具は、上記移動にて被係止部の係止部へ係止が完了した後、上記スリーブの外部からねじ込まれて、被係止部が係止部から上記入口側へ後退するのを阻止するものであり、上記固定具は、工具によって取り外しできるものであり、
上記虫侵入防止部は、上記スリーブの外縁に沿って当該外縁又は上記起立部よりも当該外縁側に設けられた、平面視環状のスポンジであり、上記虫侵入防止部の下端は、スリーブの上記外縁よりも下方に突出するものであり、
上記カバーの器具本体への取り付けによって、虫侵入防止部は、上記スリーブの外縁と、カバーの上記内襟部上面とに挟まれて弾性変形し、上記スリーブの外縁と、カバーの上記内襟部上面との間の隙間を密閉するものであり、
弾性変形した上記虫侵入防止部の付勢によって、上記被係止部は上記係止部上面へ押圧されるものであることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
屋内又は屋外に設置されて周囲を照らす照明器具であって、
光源と、当該光源が取り付けられる器具本体と、当該器具本体へ取り付けられて光源を覆うカバーと、当該カバーを上記器具本体へ取り付ける固定機構と、当該器具本体と当該カバーとの間からカバー内へ虫が侵入するのを防止する虫侵入防止部とを備え、
上記カバーは、上記器具本体を臨む側に開口する一端開口部を備え、上記カバーは、当該一端開口部側を上記器具本体へ向けて上記器具本体へ取り付けられて、上記光源を覆うものであり、
上記固定機構は、上記カバーを上記器具本体に対し回転させることにより、上記カバーを上記器具本体へ取り付けることを可能とするものであり、
上記固定機構は、上記器具本体と上記カバーの一方に設けられた係止部と、
上記器具本体と上記カバーのうち係止部が設けられた当該一方に形成されたガイド部と、
器具本体とカバーの他の一方に設けられて係止部に係止される被係止部とを備え、
上記被係止部は、上記回転の中心からの距離が、上記係止部の上記回転の中心からの距離と同じであり、
上記ガイド部は、上記回転の方向について、少なくとも係止部と離れた位置から係止部に至るまで設けられて、被係止部を係止部へ案内するものであり、
上記被係止部が上記係止部の上に乗り上げることにより、上記被係止部が係止部へ係止され、且つ、上記器具本体へ上記カバーが接近するものであり、
上記被係止部をガイド部へ合わせることにより、上記カバーの回転にて、上記被係止部を上記係止部へ係止することができ、被係止部の係止部への当該係止により、上記カバーを上記器具本体へ取り付けることができ、
上記虫侵入防止部は、上記一端開口部の縁或いは当該縁の外側において上記カバーと上記器具本体との間に介される弾性変形部材であり、上記回転方向について連続して配置された平面視環状の部材であり、
上記弾性変形部材は、係止部への被係止部の上記係止により、上記カバーと上記器具本体とに挟まれて弾性変形し、上記カバーと上記器具本体と間を密閉するものであり、
弾性変形した弾性変形部にて、被係止部は係止部へ付勢されるものであることを特徴とする照明器具。
【請求項3】
上記係止部が設けられた、上記器具本体と上記カバーの一方に、上記被係止部の収容部が設けられ、
上記収容部は、上記回転の中心を中心として弧状に伸びる或いは上記回転の中心を中心とする環状の開口部を備え、
上記係止部は、上記開口部の径の内外方向及び周方向について、上記開口部内に配置され、
上記開口部は、上記周方向について、上記係止部に隣接して当該係止部が形成されない区間を上記ガイド部として備え、
上記被係止部は、上記収容部の奥行き方向に隆起する起立部を備え、
上記カバーの上記器具本体への取り付けにおいて、上記起立部が収容部内にて収容部を画する面と当接して、上記カバーの上端開口部において、係止部以外の部位が上記器具本体へ直接接触するのを防ぎ、
上記カバーは、上記上端開口部において、上記被係止部のみにて、器具本体と直接接触するものであることを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
上記固定具は、ねじ山を備えた部材であり、
上記収容部内において、上記被係止部が係止部へ乗り上げた先は行き止まりとなっており、
上記固定具は、上記移動にて被係止部の係止部へ係止が完了した後、上記スリーブの外部からねじ込まれて、被係止部が係止部の上から後退するのを阻止するものであり、
上記固定具は、工具によって取り外しできるものであることを特徴とする請求項2又は3記載の照明器具。
【請求項5】
上記カバーは、上方に上記一端開口部を備え、上記器具本体の下方から器具本体へ取り付けられるものであり、
カバーの上記回転は、平面視において上記器具本体の中心を中心として行われ、
上記器具本体は、LEDが取り付けられた部位よりも上方にあって、上記器具本体の側面から突出するスリーブを備え、
上記スリーブは、側面視において、上記器具本体の径外方向に進むにつれて下方へ傾斜して突出するものであり、
上記器具本体側面と上記スリーブとの間の空間が、上記収容部を構成し、
上記係止部は、上記光源と上記スリーブの間にて上記器具本体側面から器具本体の径外方向へ突出するものであり、
平面視において、複数の上記係止部同士は、間隔を開けて設けられ、上記収容部における上記係止部間の区間が、上記カイド部を構成し、
カバー上端は、カバーの径の内側方向へ突出する環状の内襟部を備え、当該内襟部の内径部が上記一端開口部を規定し、
上記被係止部は、上記内襟部の内径部から、カバーの径内側へ向け突出するものであり、
平面視において、複数の上記被係止部同士は、間隔を開けて設けられ、
上記虫侵入防止部は、側面視において、上記スリーブの外縁と上記内襟部上面との間に介され、被係止部の係止部への上記係止により接近する上記スリーブの外縁と上記内襟部の上面に挟まれて弾性変形し、上記スリーブの外縁と上記内襟部の上面との間を密閉するものであり、
上記虫侵入防止部は、スポンジ等の弾力性を有する部材であることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−114868(P2013−114868A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259380(P2011−259380)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【特許番号】特許第5055457号(P5055457)
【特許公報発行日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【出願人】(393001372)瀧住電機工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】